(本開示の基礎となった知見)
ユーザに対し、自動運転車の内外で所定のサービスを提供する技術が考えられている。例えば、自動運転車の中で映像コンテンツを視聴させるサービスがユーザに提供される。また、例えば、駐車場のない被介護者の自宅まで自動運転車が介護者を乗せて走行し、被介護者の自宅で自動運転車を降りた介護者が訪問介護を実施する訪問介護サービスが被介護者(ユーザ)に提供される。このようなサービスでは、自動運転車を停車させた状態又は自動運転車を低速で移動させた状態でユーザにサービスを提供するが、停車中又は低速移動中の自動運転車が他の車両の通行の妨げとなるおそれがある。
図1は、自動運転車の中でユーザが所定のサービスを受ける例について説明するための図である。
図1では、自動運転車201の中でユーザが所定のサービスを受けており、自動運転車201は、道路203上に停車している。道路203の幅は、2台の車両がちょうど並んで通行可能な長さである。道路203において、自動運転車201の後方からきた他の車両202が自動運転車201を追い越す場合、他の車両202は、停車中の自動運転車201の手前で減速して進路変更し、停車中の自動運転車201の傍を低速で通行する必要がある。このように、サービスを提供するために停車中の自動運転車201が、他の車両202の通行の妨げとなる場合がある。
そこで、上述した特許文献1のような、停車中の自動運転車が他の車両の通行の妨げとなっている場合に自動運転車を移動させる従来技術がある。
しかしながら、上記の従来技術で開示される構成では、近傍を通行する他の車両に車載端末装置が搭載されていない場合には、停車中の自動運転車を移動させることができないという課題を有している。
また、上述した特許文献2のような、人の指示によらず自動運転車を退避目的で一時的に移動させる従来技術がある。
しかしながら、上記の従来技術で開示される構成では、実際は交通の妨げとなっていない場合であっても車両を駐車場へ移動させたり周辺を周回させたりすることになり、不要なコストがかかるおそれがあった。
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理装置は、移動体に搭載される物体検出に用いられるセンサから前記移動体の外部の状況を示すセンシング情報を取得するセンシング情報取得部と、前記センシング情報を用いて、前記移動体の傍を通行する他の移動体の態様を判定する判定部と、前記他の移動体の態様の判定結果を用いて、前記移動体への移動要求を制御する移動要求制御部と、を備える。
この構成によれば、移動体が他の移動体の通行の妨げとなっている場合に他の移動体に設備を設けることなく移動体を自律的に移動させることができる。
また、上記の情報処理装置において、前記判定部は、前記他の移動体が前記移動体の傍を通行する際に通行可能な空間の幅と、前記他の移動体の幅とを検出し、前記他の移動体の態様として前記通行可能な空間の幅に対する前記他の移動体の幅を判定してもよい。
この構成によれば、他の移動体の幅が、移動体の傍を通行可能な幅であるか否かを判定することにより、他の移動体が移動体の傍を通行可能であるか否かを正確に判定することができる。なお、通行可能とは、通行幅に余裕があるなどの通行しやすいことを含む。
また、上記の情報処理装置において、前記判定部は、前記通行可能な空間の幅が、前記他の移動体の幅より短いか否かを判定し、前記移動要求制御部は、前記通行可能な空間の幅が、前記他の移動体の幅より短いと判定された場合、前記移動体を移動させる移動要求を生成してもよい。
この構成によれば、通行可能な空間の幅を、他の移動体の幅と比較することにより、他の移動体が移動体の傍を通行可能であるか否かをより正確に判定することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記判定部は、前記センシング情報を用いて前記通行可能な空間の幅を検出してもよい。この構成によれば、実際の通行可能な空間の幅を検出することができ、他の移動体が移動体の傍を通行可能であるか否かをより正確に判定することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記移動体の現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置取得部と、前記移動体の現在位置を含む地図情報を取得する地図取得部と、をさらに備え、前記判定部は、前記地図情報と前記センシング情報とを用いて前記通行可能な空間の幅を検出してもよい。
この構成によれば、地図情報とセンシング情報とを用いて通行可能な空間の幅が検出されるので、より正確な通行可能な空間の幅を検出することができ、他の移動体が移動体の傍を通行可能であるか否かをより正確に判定することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記センサは、光学センサを含んでもよい。この構成によれば、移動体の外部の状況を検出することができ、他の移動体が移動体の傍を通行可能であるか否かをより正確に判定することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記センサは、イメージセンサを含み、前記判定部は、前記イメージセンサから得られる画像情報を処理することにより、前記他の移動体の態様として前記他の移動体の動作を判定してもよい。
この構成によれば、他の移動体の動作を判定することにより、移動体が他の移動体の通行の妨げになっているか否かを正確に判定することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記判定部は、前記他の移動体の動作が、前記移動体を回避する動作であるか否かを判定し、前記移動要求制御部は、前記他の移動体の動作が、前記移動体を回避する動作であると判定された場合、前記移動体を移動させる移動要求を生成してもよい。
この構成によれば、他の移動体の動作が、移動体を回避する動作であるか否かを判定することにより、移動体が他の移動体の通行の妨げになっているか否かをより正確に判定することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記判定部は、前記他の移動体の態様として前記移動体の傍を通行する際の前記他の移動体の動作又は動作の変化を判定してもよい。
この構成によれば、移動体が他の移動体の通行の妨げになっているか否かをより正確に判定することができる。すなわち、移動体の傍を通行する際の他の移動体の動作又は動作の変化が、移動体が他の移動体の通行を妨げていることに起因している場合に、移動体を移動させることができ、移動体が他の移動体の通行を妨げることをより効果的に防止することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記センシング情報は、前記他の移動体の位置、速度、加速度及び進行方向のうちの少なくとも1つを含み、前記判定部は、前記他の移動体が、減速、停止及び進路変更のうちのいずれかの動作を行ったか否かを判定し、前記移動要求制御部は、前記他の移動体が、減速、停止及び進路変更のうちのいずれかの動作を行ったと判定された場合、前記移動体を移動させる移動要求を生成してもよい。
この構成によれば、移動体が他の移動体の通行の妨げになっているか否かをより正確に判定することができる。すなわち、他の移動体が、減速、停止及び進路変更のうちのいずれかの動作を行った場合に、移動体を移動させることができ、移動体が他の移動体の通行を妨げることをより効果的に防止することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記センシング情報は、前記他の移動体の位置、速度、加速度及び進行方向のうちの少なくとも1つを含み、前記判定部は、前記速度の変化量、前記加速度の変化量、及び前記進行方向の角度の変化量のうちの少なくとも1つが所定の閾値以上であるか否かを判定し、前記移動要求制御部は、前記速度の変化量、前記加速度の変化量、及び前記進行方向の角度の変化量のうちの少なくとも1つが所定の閾値以上であると判定された場合、前記移動体を移動させる移動要求を生成してもよい。
この構成によれば、移動体が他の移動体の通行の妨げになっているか否かをより正確に判定することができる。すなわち、他の移動体の速度の変化量、加速度の変化量、及び進行方向の角度の変化量のうちの少なくとも1つが所定の閾値以上である場合に、移動体を移動させることができ、移動体が他の移動体の通行を妨げることをより効果的に防止することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記センサは、イメージセンサを含み、前記判定部は、前記イメージセンサから得られる画像を処理することにより、前記他の移動体の態様として前記他の移動体を操作する操作者の態様を判定してもよい。
この構成によれば、他の移動体を操作する操作者の態様を判定することにより、移動体が他の移動体の通行の妨げになっているか否かをより正確に判定することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記判定部は、前記操作者の表情が、予め記憶されている所定の感情を表す表情であるか否かを判定し、前記移動要求制御部は、前記操作者の表情が、予め記憶されている所定の感情を表す表情であると判定された場合、前記移動体を移動させる移動要求を生成してもよい。
この構成によれば、移動体が他の移動体の通行の妨げになっているか否かをより正確に判定することができる。すなわち、操作者の表情が、予め記憶されている所定の感情を表す表情である場合に、移動体を移動させることができ、移動体が他の移動体の通行を妨げることをより効果的に防止することができる。
また、上記の情報処理装置において、前記判定部は、前記移動体が位置する道における前記移動体から前記道の端までの距離を、前記通行可能な空間の幅として検出してもよい。
この構成によれば、移動体から道の端までの距離に対する他の移動体の幅を判定することにより、他の移動体が移動体の傍を通行可能であるか否かを正確に判定することができる。
本開示の他の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、移動体に搭載される物体検出に用いられるセンサから前記移動体の外部の状況を示すセンシング情報を取得し、前記センシング情報を用いて、前記移動体の傍を通行する他の移動体の態様を判定し、前記他の移動体の態様の判定結果を用いて、前記移動体への移動要求を制御する。
この構成によれば、移動体が他の移動体の通行の妨げとなっている場合に他の移動体に設備を設けることなく移動体を自律的に移動させることができる。
本開示の他の態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、移動体に搭載される物体検出に用いられるセンサから前記移動体の外部の状況を示すセンシング情報を取得し、前記センシング情報を用いて、前記移動体の傍を通行する他の移動体の態様を判定し、前記他の移動体の態様の判定結果を用いて、前記移動体への移動要求を制御する、処理を実行させる。
この構成によれば、移動体が他の移動体の通行の妨げとなっている場合に他の移動体に設備を設けることなく移動体を自律的に移動させることができる。
また、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
(実施の形態1)
以下、自動運転車の機能構成と全体の動作について詳しく説明する。
図2は、本開示の実施の形態1における自動運転車の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、自動運転車1は、センサ11、情報処理装置12、移動制御部13及び駆動部14を備える。情報処理装置12は、プロセッサ121及び記憶部122を備える。プロセッサ121は、センシング情報取得部101、通行障害判定部102及び移動要求生成部103を備える。
センサ11は、自動運転車1の周囲の物体を検出する。センサ11は、例えば、光学センサを含み、自動運転車1の周囲の位置情報を取得する。センサ11は、自動運転車1の周囲の位置情報をセンシング情報としてセンシング情報取得部101へ出力する。
また、センサ11は、例えば、LIDAR(Light Detection and Ranging)又はミリ波レーダーである。LIDARは、赤外線レーザーを照射し、赤外線レーザーが物体で反射して戻るまでの時間を計測して、自動運転車1の周囲にある物体までの距離及び自動運転車1の周囲にある物体の形状を検知する。これにより、自動運転車1は、周辺環境の3次元的な構造を読み取ることができる。また、ミリ波レーダーは、LIDARと同様の計測を行うが、赤外線ではなく、電波を用いて、電波が物体で反射して戻るまでの時間を計測する。赤外線を用いるLIDARは、夜間でも使えるが、悪天候では機能が低下する特徴があり、電波を用いるミリ波レーダーは、分解能はLIDARよりも劣るものの、天候に関わらず検知可能である特徴がある。そのため、LIDARとミリ波レーダーとをそれぞれ単独で利用するのではなく、それらを組み合わせて用いることで、お互いのデメリットを補完することができる。
センシング情報取得部101は、自動運転車1に搭載される物体検出に用いられるセンサ11から自動運転車1の外部の状況を示すセンシング情報を取得する。
通行障害判定部102は、センシング情報を用いて、自動運転車1の傍を通行する他の車両の態様を判定する。通行障害判定部102は、センシング情報取得部101によって取得された周囲の位置情報に基づいて、自動運転車1が通行の妨げとなっているか否かを判定する。
なお、本実施の形態1では、通行障害判定部102は、他の車両が必ずしも自動運転車1の傍を通行する場合に判定する必要はなく、他の車両が自動運転車1の傍を通行しようと試みる場合に判定してもよい。また、通行障害判定部102は、センシング情報を用いて、自動運転車1の側面の近傍を通行する他の車両の態様を判定してもよい。自動運転車1の側面の近傍を通行するとは、自動運転車1の側面から所定の距離以下で通行することを意味している。
通行障害判定部102は、他の車両が自動運転車1の傍を通行する際に通行可能な空間の幅と、他の車両の幅とを検出し、他の車両の態様として通行可能な空間の幅に対する他の車両の幅を判定する。すなわち、通行障害判定部102は、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅より短いか否かを判定する。なお、通行障害判定部102は、センシング情報を用いて通行可能な空間の幅を検出する。
通行障害判定部102は、自動運転車1の右方向又は左方向にある物体までの距離を、他の車両が通行可能な空間の幅として検出し、他の車両の幅を検出し、他の車両の態様として通行可能な空間の幅に対する他の車両の幅を判定してもよい。すなわち、通行障害判定部102は、自動運転車1の右方向又は左方向にある物体までの距離が、他の車両の幅より短いか否かを判定してもよい。なお、通行障害判定部102は、自動運転車1の右方向にある物体までの距離と、自動運転車1の左方向にある物体までの距離とのうちの長い方の距離を、他の車両が通行可能な空間の幅として検出してもよい。
本実施の形態1では、光学センサにより計測された位置情報(距離情報)を用いて通行可能な空間の幅及び他の車両の幅が検出される。
なお、他の車両が自動運転車1の横を十分な間隔を空けて通行するために、通行障害判定部102は、自動運転車1の周囲で通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さより短いか否かを判定することが好ましい。
記憶部122は、例えば、半導体メモリであり、自動運転車1が通行の妨げとなっているか否かを判定する際に、通行障害判定部102で用いる所定の長さを予め記憶する。また、記憶部122は、自動運転車1の幅を予め記憶する。
移動要求生成部103は、他の車両の態様の判定結果を用いて、自動運転車1への移動要求を制御する。移動要求生成部103は、通行障害判定部102によって自動運転車1が通行の妨げとなっていると判定された場合に、自動運転車1の移動を開始させるための移動要求を生成し、移動制御部13へ出力する。すなわち、移動要求生成部103は、自動運転車1の周囲で通行可能な空間の幅が、他の車両の幅より短いと判定された場合、自動運転車1を移動させる移動要求を生成する。また、移動要求生成部103は、自動運転車1の周囲で通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さより短いと判定された場合、自動運転車1を移動させる移動要求を生成する。
移動制御部13は、移動要求生成部103から自動運転車1の移動を開始させるための移動要求を受け取った場合に、駆動部14を制御して自動運転車1の移動を開始させる。
駆動部14は、移動制御部13による制御に従って、自動運転車1を移動させる。なお、自動運転車1がエンジン車両である場合、駆動部14は、例えば、エンジン及びトランスミッションである。また、自動運転車1が電気自動車(battery vehicle)である場合、駆動部14は、例えば、走行モータ及びトランスミッションである。これらのエンジン及び走行モータは、いずれもイグニッションスイッチを介して始動及び停止が行われる。
図3は、本開示の実施の形態1における自動運転車の移動制御の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、自動運転車1のセンシング情報取得部101は、センサ11からセンシング情報を取得する(ステップS201)。センサ11は、自動運転車1の周囲の物体までの距離を示す位置情報を計測し、計測した位置情報をセンシング情報としてセンシング情報取得部101へ出力する。
なお、本実施の形態1では、センサ11がLIDAR又はミリ波レーダーであり、センサ11が位置情報を計測しているが、本開示は特にこれに限定されず、自動運転車1は、無線通信を介して他の車両によって計測されたセンシング情報を受信する通信部を備えてもよい。
また、ステップS201の処理は、自動運転車1が停車中に実行されてもよいし、自動運転車1が徐行中又は走行中に実行されてもよい。ステップS201の処理が実行される典型的な状況は、自動運転車1が停車している状況であるが、上記の状況は、本開示を限定するものではない。
次に、通行障害判定部102は、センシング情報取得部101によって取得されたセンシング情報(位置情報)を解析して、他の車両が通行可能な空間の幅を検出する(ステップS202)。
なお、他の車両が通行可能な空間とは、道路であってもよいし、道路以外の場所であってもよい。他の車両が通行可能な空間は、例えば、自動運転車1から見て他の車両が通行する側の方向にある物体までの距離である。また、他の車両が通行可能な空間は、典型的には、自動運転車1が停車している道路上の幅方向の空間から、自動運転車1の停車によって塞がれている空間を除いた空間であり、あるいは、自動運転車1が停車している道路上の幅方向の空間から、自動運転車1の停車によって塞がれている空間と、他の車両の停車又は走行によって塞がれている空間とを除いた空間などである。これらの他の車両が通行可能な空間は一例であり、本開示を限定するものではない。
例えば、通行障害判定部102は、自動運転車1が停車している道路の幅から自動運転車1の幅を減算した長さを、他の車両が通行可能な空間の幅として検出してもよい。この場合、センシング情報は、自動運転車1から、自動運転車1の周囲の物体までの距離を示す位置情報を含む。そのため、通行障害判定部102は、自動運転車1の右方向にある物体までの距離と、自動運転車1の左方向にある物体までの距離とを合わせた距離を、道路の幅として算出する。なお、自動運転車1の幅は、記憶部122に予め記憶されている。そのため、通行障害判定部102は、記憶部122から自動運転車1の幅を読み出す。
次に、通行障害判定部102は、センシング情報取得部101によって取得されたセンシング情報(位置情報)を解析して、他の車両の幅を検出する(ステップS203)。
本実施の形態1では、センサ11は、自動運転車1の周囲360度に亘って赤外線レーザーを照射するので、周囲に存在する物体までの距離だけでなく、周囲に存在する物体の形状も検知することができる。そのため、例えば、センサ11は、自動運転車1に後方から接近する他の車両の前方部分の形状を検知することが可能であり、通行障害判定部102は、他の車両の前方部分の幅方向の長さを検出することが可能である。
なお、本実施の形態1では、通行障害判定部102は、他の車両の幅を検出しているが、本開示は特にこれに限定されず、自動運転車1の傍を通行する人間又は動物の幅を検出してもよい。検出対象は、典型的には、他の車両であるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。また、通行障害判定部102は、自動運転車1が位置する道における自動運転車1から当該道の端までの距離と、他の車両の幅と、を検出してもよい。すなわち、通行障害判定部102は、自動運転車1が位置する道における自動運転車1から当該道の端までの距離を、他の車両が通行可能な空間の幅として検出してもよい。
次に、通行障害判定部102は、記憶部122から所定の長さを取得し、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さよりも短いか否かを判定する(ステップS204)。なお、通行障害判定部102は、上記道の端までの距離と、他の車両の幅とを比較してもよい。
ここで、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さよりも短いと判定された場合(ステップS204でYES)、移動要求生成部103は、自動運転車1の移動を開始させるための移動要求を生成する(ステップS205)。移動要求生成部103は、生成した移動要求を移動制御部13へ出力する。移動要求を受け取った移動制御部13は、移動を開始するための移動制御を行い、駆動部14に移動を開始させる。そして、ステップS201に処理が戻る。
なお、移動要求生成部103は、自動運転車1の移動を開始させる際に、道路上の他の場所、駐車場又は車庫などの特定の移動先を決定し、決定した移動先に向けて移動させてもよい。また、移動要求生成部103は、自動運転車1の移動を開始させる際に、特に移動先を決定することなく、道路上を徐行又は走行し続けるような移動要求を生成してもよい。さらに、移動要求生成部103は、自動運転車1の移動を開始させる際に、自動運転車1が走行するルートを決定し、決定したルートを走行し続けるような移動要求を生成してもよい。自動運転車1のこれらの移動制御は一例であり、本開示を限定するものではない。
また、移動要求生成部103が移動制御を行い、自動運転車1の移動が開始された後、ステップS201に処理が戻るが、次にステップS201の処理が実行されるタイミングは、自動運転車1の移動開始直後であってもよいし、自動運転車1の移動終了後であってもよい。移動開始後にステップS201の処理が実行されるタイミングは一例であり、本開示を限定するものではない。
一方、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さ以上であると判定された場合(ステップS204でNO)、ステップS201に処理が戻る。
なお、本実施の形態1では、通行障害判定部102は、センサ11から取得した位置情報から、自動運転車1の周囲で通行可能な空間の幅と、他の車両の幅とを検出し、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さよりも短い場合に、自動運転車1が通行の妨げとなっていると判定する例を示したが、位置情報から他の判定条件を検出してもよい。例えば、通行障害判定部102は、自動運転車1と他の車両との間の距離が所定の距離以下となった場合に、自動運転車1が通行の妨げとなっていると判定してもよい。このように、通行障害判定部102は、位置情報に基づいて様々な判定条件を検出することができるが、これらの判定条件は一例であり、本開示を限定するものではない。
(実施の形態2)
図4は、本開示の実施の形態2における自動運転車の構成を示すブロック図である。図4に示す自動運転車1Aは、センサ11A、情報処理装置12A、移動制御部13及び駆動部14を備える。情報処理装置12Aは、プロセッサ121A及び記憶部122を備える。プロセッサ121Aは、センシング情報取得部101A、通行障害判定部102A及び移動要求生成部103を備える。なお、実施の形態2における自動運転車1Aの構成要素のうち、実施の形態1と同じ機能については、同じ符号を付し、説明を省略する。
センサ11Aは、自動運転車1Aの周囲の物体を検出する。センサ11Aは、例えば、イメージセンサであり、自動運転車1Aの周囲の画像情報を取得する。センサ11Aは、自動運転車1Aの外部の状況を示すセンシング情報をセンシング情報取得部101Aへ出力する。センサ11Aは、周囲の画像を周囲状況として取得する。
センシング情報取得部101Aは、自動運転車1Aに搭載される物体検出に用いられるセンサ11Aから自動運転車1Aの外部の状況を示すセンシング情報を取得する。
通行障害判定部102Aは、センシング情報を用いて、自動運転車1Aの傍を通行する他の車両の態様を判定する。通行障害判定部102Aは、センシング情報取得部101Aによって取得された周囲の画像に基づいて、自動運転車1Aが通行の妨げとなっているか否かを判定する。
通行障害判定部102Aは、他の車両が自動運転車1Aの傍を通行する際に通行可能な空間の幅と、他の車両の幅とを検出し、他の車両の態様として通行可能な空間の幅に対する他の車両の幅を判定する。すなわち、通行障害判定部102Aは、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅より短いか否かを判定する。なお、通行障害判定部102Aは、センシング情報を用いて通行可能な空間の幅を検出する。
通行障害判定部102Aは、自動運転車1Aの右方向又は左方向にある物体までの距離を、他の車両が通行可能な空間の幅として検出し、他の車両の幅を検出し、他の車両の態様として通行可能な空間の幅に対する他の車両の幅を判定してもよい。すなわち、通行障害判定部102Aは、自動運転車1Aの右方向又は左方向にある物体までの距離が、他の車両の幅より短いか否かを判定してもよい。なお、通行障害判定部102Aは、自動運転車1Aの右方向にある物体までの距離と、自動運転車1Aの左方向にある物体までの距離とのうちの長い方の距離を、他の車両が通行可能な空間の幅として検出してもよい。
また、通行障害判定部102Aは、他の車両が自動運転車1の傍を通行する道の幅と、自動運転車1Aの幅と、他の車両の幅とを検出してもよく、他の車両の態様として他の車両の幅を判定してもよい。すなわち、通行障害判定部102Aは、道の幅から自動運転車1Aの幅を減算した長さが、他の車両の幅より短いか否かを判定する。なお、通行障害判定部102Aは、センシング情報を用いて道の幅を検出する。
本実施の形態2では、イメージセンサにより取得された画像情報を用いて他の車両が通行可能な空間の幅及び他の車両の幅が検出される。
通行障害判定部102Aは、例えば、画像情報から道路の端を認識し、かつ、道路の端の近辺にある実際のサイズが既知である物体(例えば、道路標識など)の見かけ上のサイズを認識することによって、他の車両が通行可能な空間の幅を検出する。また、通行障害判定部102Aは、例えば、画像情報から他の車両を認識し、かつ、他の車両の近辺にある実際のサイズが既知である物体(例えば、道路標識など)の見かけ上のサイズを認識することによって、他の車両の幅を検出する。
図5は、本開示の実施の形態2における自動運転車の移動制御の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、自動運転車1Aのセンシング情報取得部101Aは、センサ11Aからセンシング情報を取得する(ステップS301)。センサ11Aは、自動運転車1Aの周囲の画像情報を取得し、取得した画像情報をセンシング情報としてセンシング情報取得部101Aへ出力する。
なお、本実施の形態2では、センサ11Aがイメージセンサであり、センサ11Aが周囲を撮影しているが、本開示は特にこれに限定されず、自動運転車1Aは、無線通信を介して外部装置によって撮影された画像情報を受信する通信部を備えてもよい。外部装置は、例えば、他の車両又は道路上に設けられた監視カメラである。
なお、ステップS301の処理は、自動運転車1Aが停車中に実行されてもよいし、自動運転車1Aが徐行中又は走行中に実行されてもよい。ステップS301の処理が実行される典型的な状況は、自動運転車1Aが停車している状況であるが、上記の状況は、本開示を限定するものではない。
次に、通行障害判定部102Aは、センシング情報取得部101Aによって取得されたセンシング情報(画像情報)を解析して、他の車両が通行可能な空間の幅を検出する(ステップS302)。
通行障害判定部102Aは、例えば、画像情報から道路の端を認識し、かつ、道路の端の近辺にある実際のサイズが既知である物体(例えば、道路標識など)の見かけ上のサイズを認識することによって、道路の端までの距離を推測する。なお、上記の道路の幅の検出方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
なお、他の車両が通行可能な空間とは、道路であってもよいし、道路以外の場所であってもよい。他の車両が通行可能な空間は、例えば、自動運転車1Aから見て他の車両が通行する側の方向にある物体までの距離である。また、他の車両が通行可能な空間は、典型的には、自動運転車1Aが停車している道路上の幅方向の空間から、自動運転車1Aの停車によって塞がれている空間を除いた空間であり、あるいは、自動運転車1Aが停車している道路上の幅方向の空間から、自動運転車1Aの停車によって塞がれている空間と、他の車両の停車又は走行によって塞がれている空間とを除いた空間などである。これらの他の車両が通行可能な空間は一例であり、本開示を限定するものではない。
例えば、通行障害判定部102Aは、自動運転車1Aが停車している道路の幅から自動運転車1Aの幅を減算した長さを、他の車両が通行可能な空間の幅として検出してもよい。この場合、センシング情報は、自動運転車1Aの周囲を撮影した画像情報を含む。そのため、通行障害判定部102Aは、自動運転車1Aの右方向にある物体と、自動運転車1Aの左方向にある物体とを認識する。そして、通行障害判定部102Aは、認識した右方向にある物体までの距離と、認識した左方向にある物体までの距離とを合わせた距離を、道路の幅として算出する。また、自動運転車1Aの幅は、記憶部122に予め記憶されている。そのため、通行障害判定部102Aは、記憶部122から自動運転車1Aの幅を読み出す。
次に、通行障害判定部102Aは、センシング情報取得部101Aによって取得されたセンシング情報(画像情報)を解析して、他の車両の幅を検出する(ステップS303)。
通行障害判定部102Aは、例えば、画像情報から他の車両を認識し、かつ、他の車両の近辺にある実際のサイズが既知である物体(例えば、道路標識など)の見かけ上のサイズを認識することによって、他の車両の幅を推測する。なお、上記の他の車両の検出方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
また、本実施の形態2では、通行障害判定部102Aは、他の車両の幅を検出しているが、本開示は特にこれに限定されず、自動運転車1Aの傍を通行する人間又は動物の幅を検出してもよい。検出対象は、典型的には、他の車両であるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。また、通行障害判定部102Aは、自動運転車1Aが位置する道における自動運転車1Aから当該道の端までの距離と、他の車両の幅と、を検出してもよい。すなわち、通行障害判定部102Aは、自動運転車1Aが位置する道における自動運転車1Aから当該道の端までの距離を、他の車両が通行可能な空間の幅として検出してもよい。
次に、通行障害判定部102Aは、記憶部122から所定の長さを取得し、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さよりも短いか否かを判定する(ステップS304)。なお、通行障害判定部102Aは、上記道の端までの距離と、他の車両の幅とを比較してもよい。
ここで、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さよりも短いと判定された場合(ステップS304でYES)、移動要求生成部103は、自動運転車1Aの移動を開始させるための移動要求を生成する(ステップS305)。移動要求生成部103は、生成した移動要求を移動制御部13へ出力する。移動要求を受け取った移動制御部13は、移動を開始するための移動制御を行い、駆動部14に移動を開始させる。そして、ステップS301に処理が戻る。
なお、移動要求生成部103は、自動運転車1Aの移動を開始させる際に、道路上の他の場所、駐車場又は車庫などの特定の移動先を決定し、決定した移動先に向けて移動させてもよい。また、移動要求生成部103は、自動運転車1Aの移動を開始させる際に、特に移動先を決定することなく、道路上を徐行又は走行し続けるような移動要求を生成してもよい。さらに、移動要求生成部103は、自動運転車1Aの移動を開始させる際に、自動運転車1Aが走行するルートを決定し、決定したルートを走行し続けるような移動要求を生成してもよい。自動運転車1Aのこれらの移動制御は一例であり、本開示を限定するものではない。
また、移動要求生成部103が移動制御を行い、自動運転車1Aの移動が開始された後、ステップS301に処理が戻るが、次にステップS301の処理が実行されるタイミングは、自動運転車1Aの移動開始直後であってもよいし、自動運転車1Aの移動終了後であってもよい。移動開始後にステップS301の処理が実行されるタイミングは一例であり、本開示を限定するものではない。
一方、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さ以上であると判定された場合(ステップS304でNO)、ステップS301に処理が戻る。
なお、本実施の形態2では、通行障害判定部102Aは、センサ11から取得した画像情報から、自動運転車1Aの周囲で通行可能な空間の幅と、他の車両の幅とを検出し、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さよりも短い場合に、自動運転車1Aが通行の妨げとなっていると判定する例を示したが、画像情報から他の判定条件を検出してもよい。例えば、通行障害判定部102Aは、画像中に他の車両を認識した場合に、自動運転車1Aが通行の妨げとなっていると判定してもよい。また、通行障害判定部102Aは、画像中に、進路変更、急停止、ライトのパッシング又はドライバの表情の変化等の予め決められた動作の画像を認識した場合に、自動運転車1Aが通行の妨げとなっていると判定してもよい。
この場合、通行障害判定部102Aは、センサ11Aから得られる画像情報を処理することにより、他の車両の態様として他の車両の動作を判定する。通行障害判定部102Aは、センシング情報取得部101Aによって取得された周囲の画像に基づいて、自動運転車1Aが通行の妨げとなっているか否かを判定する。通行障害判定部102Aは、他の車両の動作が、自動運転車1Aを回避する動作であるか否かを判定する。記憶部122は、通行障害判定部102Aが通行の妨げとなっていることを判定する際に用いる他の車両の動作を記憶する。移動要求生成部103は、他の車両の動作が、自動運転車1Aを回避する動作であると判定された場合、自動運転車1Aを移動させる移動要求を生成する。
また、通行障害判定部102Aは、センサ11Aから得られる画像を処理することにより、他の車両の態様として他の車両を操作する操作者の態様を判定してもよい。通行障害判定部102Aは、操作者の表情が、記憶部122に予め記憶されている所定の感情を表す表情であるか否かを判定する。所定の感情は、例えば、怒っている感情又は困っている感情などである。通行障害判定部102Aは、画像を解析し、操作者の表情を認識する。そして、通行障害判定部102Aは、認識した操作者の表情が所定の感情を表す表情であるか否かを判定する。移動要求生成部103は、操作者の表情が、予め記憶されている所定の感情を表す表情であると判定された場合、自動運転車1Aを移動させる移動要求を生成する。
また、通行障害判定部102Aは、操作者の表情が変化したか否かを判定してもよい。移動要求生成部103は、操作者の表情が変化したと判定された場合、自動運転車1Aを移動させる移動要求を生成してもよい。
このように、通行障害判定部102Aは、画像情報に基づいて様々な判定条件を検出することができるが、これらの判定条件は一例であり、本開示を限定するものではない。
(実施の形態3)
実施の形態1では、他の車両が自動運転車1の傍を通行する際に通行可能な空間の幅と、他の車両の幅とを検出し、他の車両の幅を判定しているが、実施の形態3では、自動運転車1の傍を通行する際の他の車両の動作又は動作の変化を判定する。
図6は、本開示の実施の形態3における自動運転車の構成を示すブロック図である。図6に示す自動運転車1Bは、センサ11B、情報処理装置12B、移動制御部13及び駆動部14を備える。情報処理装置12Bは、プロセッサ121B及び記憶部122Bを備える。プロセッサ121Bは、センシング情報取得部101B、通行障害判定部102B及び移動要求生成部103を備える。なお、実施の形態3における自動運転車1Bの構成要素のうち、実施の形態1と同じ機能については、同じ符号を付し、説明を省略する。
センサ11Bは、自動運転車1Bの周囲の物体を検出する。センサ11Bは、例えば、光学センサであり、自動運転車1Bの傍を通行する他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向をセンシング情報として取得する。センサ11Bは、自動運転車1Bの外部の状況を示すセンシング情報をセンシング情報取得部101Bへ出力する。また、センサ11Bは、例えば、LIDAR(Light Detection and Ranging)又はミリ波レーダーである。なお、センサ11Bは、他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向のうちの少なくとも1つをセンシング情報として取得してもよい。
センシング情報取得部101Bは、自動運転車1に搭載される物体検出に用いられるセンサ11Bから自動運転車1Bの外部の状況を示すセンシング情報を取得する。
通行障害判定部102Bは、他の車両の態様として自動運転車1Bの傍を通行する際の他の車両の動作の変化を判定する。通行障害判定部102Bは、センシング情報取得部101Bによって取得された他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向(後退を含む)に基づいて、自動運転車1が通行の妨げとなっているか否かを判定する。
通行障害判定部102Bは、速度の変化量、加速度の変化量、及び進行方向の角度の変化量のうちの少なくとも1つが所定の閾値以上であるか否かを判定する。
記憶部122Bは、例えば、半導体メモリであり、自動運転車1Bが通行の妨げとなっているか否かを判定する際に、通行障害判定部102Bで用いる所定の閾値を予め記憶する。なお、記憶部122Bは、速度の変化量と比較するための閾値と、加速度の変化量と比較するための閾値と、進行方向の角度の変化量と比較するための閾値とをそれぞれ記憶している。
移動要求生成部103は、速度の変化量、加速度の変化量、及び進行方向の角度の変化量のうちの少なくとも1つが所定の閾値以上であると判定された場合、自動運転車1Bを移動させる移動要求を生成する。
図7は、本開示の実施の形態3における自動運転車の移動制御の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、自動運転車1Bのセンシング情報取得部101Bは、センサ11Bからセンシング情報を取得する(ステップS401)。センサ11Bは、自動運転車1Bの傍を通行する他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向を取得し、取得した位置、速度、加速度及び進行方向をセンシング情報としてセンシング情報取得部101Bへ出力する。
なお、本実施の形態3では、センサ11BがLIDAR又はミリ波レーダーであり、センサ11Bが他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向を取得しているが、本開示は特にこれに限定されず、自動運転車1Bは、無線通信を介して他の車両によって取得されたセンシング情報を受信する通信部を備えてもよい。他の車両は、自動運転車1Bに対する自身の位置、自身の速度、自身の加速度及び自身の進行方向を取得して、自動運転車1Bへ送信してもよい。なお、他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向の取得方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
なお、本実施の形態3では、センシング情報取得部101Bは、他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向を取得しているが、本開示は特にこれに限定されず、自動運転車1Bの傍を通行する人間又は動物の位置、速度、加速度及び進行方向を取得してもよい。取得対象は、典型的には、他の車両であるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
なお、本実施の形態3では、センシング情報取得部101Bは、位置、速度、加速度及び進行方向を取得しているが、音声を取得してもよい。例えば、センサ11Bは、マイクロフォンを含み、センシング情報取得部101Bは、センサ11Bから音声を取得する。通行障害判定部102Bは、センシング情報取得部101Bによって取得された音声に基づいて、自動運転車1が通行の妨げとなっているか否かを判定する。具体的には、通行障害判定部102Bは、取得された音声がクラクションなどの警告音又は人の怒号であるか否かを判定する。
なお、ステップS401の処理は、自動運転車1Bが停車中に実行されてもよいし、自動運転車1Bが徐行中又は走行中に実行されてもよい。ステップS401の処理が実行される典型的な状況は、自動運転車1Bが停車している状況であるが、上記の状況は、本開示を限定するものではない。
次に、通行障害判定部102Bは、センシング情報取得部101Bによって取得されたセンシング情報(他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向)を解析して、他の車両の速度の変化量、加速度の変化量及び進行方向の角度の変化量を検出する(ステップS402)。
他の車両の速度の変化量を検出することにより、他の車両が減速又は停止したことを検出することができる。また、他の車両の加速度の変化量を検出することにより、他の車両が急停止したことを検出することができる。また、他の車両の進行方向の角度の変化量を検出することにより、他の車両が進路変更したことを検出することができる。このように、他の車両の減速、停止、急停止及び進路変更は、通行の妨げとなっている自動運転車1Bを回避するための動作である可能性が高い。そのため、他の車両が、減速、停止、急停止又は進路変更を行った場合、自動運転車1Bは移動を開始する。
次に、通行障害判定部102Bは、記憶部122Bから所定の閾値を取得し、他の車両の速度の変化量、加速度の変化量及び進行方向の角度の変化量の少なくとも1つが、所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS403)。
ここで、他の車両の速度の変化量、加速度の変化量及び進行方向の角度の変化量の少なくとも1つが、所定の閾値以上であると判定された場合(ステップS403でYES)、移動要求生成部103は、自動運転車1Bの移動を開始させるための移動要求を生成する(ステップS404)。移動要求生成部103は、生成した移動要求を移動制御部13へ出力する。移動要求を受け取った移動制御部13は、移動を開始するための移動制御を行い、駆動部14に移動を開始させる。そして、ステップS401に処理が戻る。
なお、移動要求生成部103は、自動運転車1Bの移動を開始させる際に、道路上の他の場所、駐車場又は車庫などの特定の移動先を決定し、決定した移動先に向けて移動させてもよい。また、移動要求生成部103は、自動運転車1Bの移動を開始させる際に、特に移動先を決定することなく、道路上を徐行又は走行し続けるような移動要求を生成してもよい。さらに、移動要求生成部103は、自動運転車1Bの移動を開始させる際に、自動運転車1Bが走行するルートを決定し、決定したルートを走行し続けるような移動要求を生成してもよい。自動運転車1Bのこれらの移動制御は一例であり、本開示を限定するものではない。
また、移動要求生成部103が移動制御を行い、自動運転車1Bの移動が開始された後、ステップS401に処理が戻るが、次にステップS401の処理が実行されるタイミングは、自動運転車1Bの移動開始直後であってもよいし、自動運転車1Bの移動終了後であってもよい。移動開始後にステップS401の処理が実行されるタイミングは一例であり、本開示を限定するものではない。
一方、他の車両の速度の変化量、加速度の変化量及び進行方向の角度の変化量のいずれもが、所定の閾値より小さいと判定された場合(ステップS403でNO)、ステップS401に処理が戻る。
なお、本実施の形態3では、通行障害判定部102Bは、センサ11Bが取得した他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向から、他の車両の速度の変化量、加速度の変化量及び進行方向の角度の変化量を検出し、かつ、他の車両の速度の変化量、加速度の変化量及び進行方向の角度の変化量の少なくとも1つが所定の閾値以上である場合に、自動運転車1Bが通行の妨げとなっていると判定する例を示したが、画像から他の判定条件を検出してもよい。例えば、通行障害判定部102Bは、他の車両の減速、停止又は進路変更等の予め決められた動作を検出した場合に、自動運転車1Bが通行の妨げとなっていると判定してもよい。また、通行障害判定部102Bは、他の車両の速度が所定の閾値以下である場合に、自動運転車1Bが通行の妨げとなっていると判定してもよい。
この場合、通行障害判定部102Bは、他の車両の態様として自動運転車1Bの傍を通行する際の他の車両の動作を判定する。センサ11Bは、他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向のうちの少なくとも1つをセンシング情報として取得してもよい。通行障害判定部102Bは、他の車両が、減速、停止及び進路変更のうちのいずれかの動作を行ったか否かを判定する。移動要求生成部103は、他の車両が、減速、停止及び進路変更のうちのいずれかの動作を行ったと判定された場合、自動運転車1Bを移動させる移動要求を生成する。
このように、通行障害判定部102Bは、画像情報に基づいて様々な判定条件を検出することができるが、これらの判定条件は一例であり、本開示を限定するものではない。
(実施の形態4)
実施の形態1では、センシング情報から他の車両が通行可能な空間の幅を検出しているが、実施の形態4では、地図情報から他の車両が通行可能な空間の幅を検出する。
図8は、本開示の実施の形態4における自動運転車の構成を示すブロック図である。図8に示す自動運転車1Cは、センサ11、情報処理装置12C、移動制御部13、駆動部14及びGPS(Global Positioning System)受信機15を備える。情報処理装置12Cは、プロセッサ121C及び記憶部122Cを備える。プロセッサ121Cは、センシング情報取得部101、通行障害判定部102C、移動要求生成部103、現在位置取得部104及び地図情報取得部105を備える。なお、実施の形態4における自動運転車1Cの構成要素のうち、実施の形態1と同じ機能については、同じ符号を付し、説明を省略する。
GPS受信機15は、自動運転車1Cの現在位置を示す現在位置情報を取得する。現在位置情報は、緯度及び経度で表される。GPS受信機15は、取得した現在位置情報を現在位置取得部104へ出力する。
現在位置取得部104は、GPS受信機15から自動運転車1Cの現在位置を示す現在位置情報を取得する。
記憶部122Cは、例えば、半導体メモリであり、自動運転車1Cが通行の妨げとなっているか否かを判定する際に、通行障害判定部102Cで用いる所定の長さを予め記憶する。また、記憶部122Cは、自動運転車1Cの幅を予め記憶する。また、記憶部122Cは、地図情報を予め記憶する。
地図情報取得部105は、自動運転車1Cの現在位置を含む地図情報を取得する。
通行障害判定部102Cは、センシング情報を用いて、自動運転車1Cの傍を通行する他の車両の態様を判定する。通行障害判定部102Cは、センサ11が取得した周囲の位置情報と地図情報取得部105が取得した地図情報とに基づいて、自動運転車1Cが通行の妨げとなっているか否かを判定する。
通行障害判定部102Cは、他の車両が自動運転車1Cの傍を通行する際に他の車両が通行可能な空間の幅と、他の車両の幅とを検出し、他の車両の態様として通行可能な空間の幅に対する他の車両の幅を判定する。すなわち、通行障害判定部102Cは、他の車両が自動運転車1Cの傍を通行する際に他の車両が通行可能な空間の幅から自動運転車1Cの幅を減算した長さが、他の車両の幅より短いか否かを判定する。
例えば、通行障害判定部102Cは、他の車両が自動運転車1Cの傍を通行する道の幅と、自動運転車1Cの幅と、他の車両の幅とを検出し、他の車両の態様として他の車両の幅を判定してもよい。すなわち、通行障害判定部102Cは、道の幅から自動運転車1Cの幅を減算した長さが、他の車両の幅より短いか否かを判定する。通行障害判定部102Cは、地図情報と現在位置情報とを用いて道の幅を検出する。
図9は、本開示の実施の形態4における自動運転車の移動制御の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、自動運転車1Cのセンシング情報取得部101は、センサ11からセンシング情報を取得する(ステップS601)。センサ11は、自動運転車1Cの周囲の物体までの距離を示す位置情報を計測し、計測した位置情報をセンシング情報としてセンシング情報取得部101へ出力する。
なお、本実施の形態4では、センサ11がLIDAR又はミリ波レーダーであり、センサ11が位置情報を計測しているが、本開示は特にこれに限定されず、自動運転車1Cは、無線通信を介して他の車両によって計測されたセンシング情報を受信する通信部を備えてもよい。
また、ステップS601の処理は、自動運転車1Cが停車中に実行されてもよいし、自動運転車1Cが徐行中又は走行中に実行されてもよい。ステップS601の処理が実行される典型的な状況は、自動運転車1Cが停車している状況であるが、上記の状況は、本開示を限定するものではない。
次に、現在位置取得部104は、GPS受信機15から自動運転車1Cの現在位置を示す現在位置情報を取得する(ステップS602)。
なお、本実施の形態4において、現在位置取得部104は、GPS受信機15から現在位置情報を取得しているが、本開示は特にこれに限定されず、自動運転車1Cは、無線通信を介して外部装置から現在位置情報を受信する通信部を備えてもよい。外部装置は、例えば、自動運転車1Cの近傍を通行する他の車両、又は自動運転車1Cの近傍に配置された無線通信基地局である。自動運転車1Cの現在位置情報の取得方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
次に、地図情報取得部105は、現在位置取得部104によって取得された現在位置情報で示される現在位置を含む所定の範囲の地図情報を記憶部122Cから取得する(ステップS603)。例えば、地図情報取得部105は、現在位置を中心とする半径1kmの範囲の地図情報を記憶部122Cから取得する。
なお、本実施の形態4では、地図情報取得部105は、記憶部122Cに予め記憶された地図情報を読み出しているが、本開示は特にこれに限定されず、無線通信を介して外部から地図情報を取得してもよい。上記の地図情報の取得方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
次に、通行障害判定部102Cは、センサ11によって取得されたセンシング情報(位置情報)と地図情報取得部105によって取得された地図情報とを解析して、他の車両が通行可能な空間の幅を検出する(ステップS604)。
例えば、センサ11がLIDAR又はミリ波レーダーである場合に、センサ11が通行可能な空間と認識している空間の一部が、実際には歩道であったり、はみ出し通行禁止の他の車線であったりして、他の車両が通行できない空間である場合がある。このような場合でも、地図情報取得部105が取得した地図情報から、センサ11が通行可能な空間と認識している空間の一部が通行不能であることが分かるので、通行障害判定部102Cは、センサ11によって取得されたセンシング情報(位置情報)と地図情報取得部105によって取得された地図情報とから、実際に通行可能な空間の幅を検出することができる。例えば、通行障害判定部102Cは、センサ11によって取得された位置情報から検出された通行可能な空間の幅と、地図情報取得部105によって取得された地図情報から検出された通行可能な空間の幅とのうちの狭い方の幅を、実際に他の車両が通行可能な空間の幅として検出する。なお、これは、センサ11が取得した位置情報と地図情報取得部105が取得した地図情報とから、実際に通行可能な空間の幅を検出する方法の一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
なお、他の車両が通行可能な空間とは、道路であってもよいし、道路以外の場所であってもよい。他の車両が通行可能な空間は、例えば、自動運転車1Cから見て他の車両が通行する側の方向にある物体までの距離である。また、他の車両が通行可能な空間は、典型的には、自動運転車1Cが停車している道路上の幅方向の空間から、自動運転車1Cの停車によって塞がれている空間を除いた空間であり、あるいは、自動運転車1Cが停車している道路上の幅方向の空間から、自動運転車1Cの停車によって塞がれている空間と、他の車両の停車又は走行によって塞がれている空間とを除いた空間などである。これらの他の車両が通行可能な空間は一例であり、本開示を限定するものではない。
例えば、通行障害判定部102Cは、自動運転車1Cが停車している道路の幅から自動運転車1Cの幅を減算した長さを、他の車両が通行可能な空間の幅として検出してもよい。なお、自動運転車1Cの幅は、記憶部122Cに予め記憶されている。そのため、通行障害判定部102Cは、記憶部122Cから自動運転車1Cの幅を読み出す。
この場合、センシング情報は、自動運転車1Cから、自動運転車1Cの周囲の物体までの距離を示す位置情報を含む。そのため、通行障害判定部102Cは、自動運転車1Cの右方向にある物体までの距離と、自動運転車1Cの左方向にある物体までの距離とを合わせた距離を、道路の幅として算出し、算出した道路の幅から自動運転車1Cの幅を減算した長さを、他の車両が通行可能な空間の第1の幅として検出する。
また、地図情報は、自動運転車1Cが停車している道路の幅を含む。そのため、通行障害判定部102Cは、地図情報から自動運転車1Cが停車している道路の幅を特定し、特定した道路の幅から自動運転車1Cの幅を減算した長さを、他の車両が通行可能な空間の第2の幅として検出する。
そして、通行障害判定部102Cは、検出した第1の幅と第2の幅とのうちの狭い方の幅を、実際に他の車両が通行可能な空間の幅として決定する。
なお、本実施の形態4では、通行障害判定部102Cは、センサ11によって取得されたセンシング情報(位置情報)と地図情報取得部105によって取得された地図情報とを用いて、他の車両が通行可能な空間の幅を検出しているが、本開示は特にこれに限定されず、通行障害判定部102Cは、地図情報取得部105によって取得された地図情報のみを用いて、他の車両が通行可能な空間の幅を検出してもよい。
次に、通行障害判定部102Cは、センシング情報取得部101によって取得されたセンシング情報(位置情報)を解析して、他の車両の幅を検出する(ステップS605)。
なお、本実施の形態4では、通行障害判定部102Cは、他の車両の幅を検出しているが、本開示は特にこれに限定されず、自動運転車1Cの傍を通行する人間又は動物の幅を検出してもよい。検出対象は、典型的には、他の車両であるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。また、通行障害判定部102Cは、自動運転車1Cが位置する道における自動運転車1Cから当該道の端までの距離と、他の車両の幅と、を検出してもよい。すなわち、通行障害判定部102Cは、自動運転車1Cが位置する道における自動運転車1Cから当該道の端までの距離を、他の車両が通行可能な空間の幅として検出してもよい。
次に、通行障害判定部102Cは、記憶部122Cから所定の長さを取得し、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さよりも短いか否かを判定する(ステップS606)。なお、通行障害判定部102Cは、上記道の端までの距離と、他の車両の幅とを比較してもよい。
ここで、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さよりも短いと判定された場合(ステップS606でYES)、移動要求生成部103は、自動運転車1Cの移動を開始させるための移動要求を生成する(ステップS607)。移動要求生成部103は、生成した移動要求を移動制御部13へ出力する。移動要求を受け取った移動制御部13は、移動を開始するための移動制御を行い、駆動部14に移動を開始させる。そして、ステップS601に処理が戻る。
なお、移動要求生成部103は、自動運転車1Cの移動を開始させる際に、道路上の他の場所、駐車場又は車庫などの特定の移動先を決定し、決定した移動先に向けて移動させてもよい。また、移動要求生成部103は、自動運転車1Cの移動を開始させる際に、特に移動先を決定することなく、道路上を徐行又は走行し続けるような移動要求を生成してもよい。さらに、移動要求生成部103は、自動運転車1Cの移動を開始させる際に、自動運転車1Cが走行するルートを決定し、決定したルートを走行し続けるような移動要求を生成してもよい。自動運転車1Cのこれらの移動制御は一例であり、本開示を限定するものではない。
また、移動要求生成部103が移動制御を行い、自動運転車1Cの移動が開始された後、ステップS601に処理が戻るが、次にステップS601の処理が実行されるタイミングは、自動運転車1Cの移動開始直後であってもよいし、自動運転車1Cの移動終了後であってもよい。移動開始後にステップS601の処理が実行されるタイミングは一例であり、本開示を限定するものではない。
一方、通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さ以上であると判定された場合(ステップS606でNO)、ステップS601に処理が戻る。
なお、通行障害判定部102で行う処理は、機械学習を用いてもよい。機械学習には、例えば、入力情報に対してラベル(出力情報)が付与された教師データを用いて入力と出力との関係を学習する教師あり学習、ラベルのない入力のみからデータの構造を構築する教師なし学習、ラベルありとラベルなしのどちらも扱う半教師あり学習、状態の観測結果から選択した行動に対するフィードバック(報酬)を得ることにより、最も多く報酬を得ることができる連続した行動を学習する強化学習などが挙げられる。また、機械学習の具体的な手法として、ニューラルネットワーク(多層のニューラルネットワークを用いた深層学習を含む)、遺伝的プログラミング、決定木、ベイジアン・ネットワーク、サポート・ベクター・マシン(SVM)などが存在する。本開示においては、以上で挙げた具体例のいずれかを用いればよい。
(本開示の基礎となった知見)
従来、車両が収集したセンシング情報に基づいて渋滞の可能性を検出する技術がある(例えば、特開2015-18396号公報参照)。
特開2015-18396号公報において、各車両に搭載した車載器は、撮影した道路の画像から速度制限パターンを認識して制限速度を取得し、取得した制限速度と自車両の現在の車速との差分及び自車両の現在位置をサーバへ送信し、サーバは、各車両から受信した車速の差分に基づいて渋滞の可能性を把握し、低速の状態が一定時間継続する場合に渋滞を検出し、車両の位置と道路地図とに基づいて道路の渋滞区間を識別し、各車両に対して渋滞区間を通知したり、ルート変更を指示したりしている。
しかしながら、上記従来の技術では、渋滞を回避して移動した移動体が移動先で他の移動体の通行の妨げになるおそれがあり、更なる改善が必要とされていた。
ユーザに対し、自動車の内外で所定のサービスを提供する技術が考えられている。例えば、自動車の中で映像コンテンツを視聴させるサービスがユーザに提供される。また、例えば、駐車場のない被介護者の自宅まで自動車が介護者を乗せて走行し、被介護者の自宅で自動車を降りた介護者が訪問介護を実施する訪問介護サービスが被介護者(ユーザ)に提供される。このようなサービスでは、自動車を待機させた状態でユーザにサービスを提供するが、待機中の自動車が他の車両の通行の妨げとなるおそれがある。
図1は、自動運転車の中でユーザが所定のサービスを受ける例について説明するための図である。
図1では、自動運転車201の中でユーザが所定のサービスを受けており、自動運転車201は、道路203上に停車している。道路203の幅は、2台の車両がちょうど並んで通行可能な長さである。道路203において、自動運転車201の後方からきた他の車両202が自動運転車201を追い越す場合、他の車両202は、停車中の自動運転車201の手前で減速して進路変更し、停車中の自動運転車201の傍を低速で通過する必要がある。このように、サービスを提供するために停車中の自動運転車201が、他の車両202の通行の妨げとなる場合がある。
上記の従来技術では、車両が収集したセンシング情報に基づいて渋滞の可能性を検出する技術が開示されている。
しかしながら、上記の従来技術で開示されている技術は、渋滞の可能性を推測することは可能だが、実際に渋滞が発生しているか否かを検出することは困難である。したがって、待機する位置へ移動した移動体が当該待機する位置で他の移動体の通行の妨げになるおそれがある。
このような課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、1以上の第1移動体に搭載される物体検出に用いられるセンサが出力する前記1以上の第1移動体の外部の状況を示すセンシング情報それぞれを用いて前記1以上の第1移動体の傍を通過する他の移動体の態様が判定された判定結果それぞれを取得し、前記1以上の第1移動体の位置を示す移動体位置情報それぞれを取得し、前記1以上の第1移動体と異なる第2移動体についての基準位置を示す基準位置情報を取得し、前記判定結果それぞれ及び前記移動体位置情報それぞれを用いて特定される第1位置と前記基準位置情報の示す前記基準位置とに応じて、前記第2移動体に待機させる第2位置を決定し、前記第2移動体を前記第2位置へ移動させる移動要求を前記第2移動体へ出力する。
この構成によれば、1以上の第1移動体の傍を通過する他の移動体の態様を判定した判定結果それぞれと、1以上の第1移動体の位置を示す移動体位置情報それぞれとを用いて特定される第1位置と基準位置とに応じて、第2移動体に待機させる第2位置が決定されるが、この決定において、1以上の第1移動体が存在する位置のうち、他の移動体の通行の妨げにならない又はなりにくい位置を、第2移動体に待機させる第2位置として決定することができるので、第2位置へ移動した移動体が第2位置で他の移動体の通行の妨げになることを抑制することができる。
また、上記の情報処理方法において、さらに、前記センシング情報を前記1以上の第1移動体からそれぞれ取得し、さらに、前記センシング情報それぞれを用いて、前記他の移動体の態様を判定してもよい。
この構成によれば、コンピュータにおいて、センシング情報を1以上の第1移動体からそれぞれ取得し、センシング情報それぞれを用いて、他の移動体の態様を判定することができる。
また、上記の情報処理方法において、前記判定結果は、前記第1移動体が前記他の移動体の通行を妨げたかについての判定結果であり、前記第1位置は、前記判定結果それぞれに基づいて決定される、前記移動体位置情報それぞれの示す位置のうちの前記第1移動体が前記他の移動体の通行を妨げた第3位置を含み、前記第2位置の決定は、前記第3位置以外の位置であって前記基準位置から所定の範囲内の位置を前記第2位置に決定してもよい。
この構成によれば、第1移動体が他の移動体の通行を妨げた第3位置以外の位置であり、基準位置から所定の範囲内の位置が、第2移動体に待機させる第2位置に決定されるので、第1移動体が他の移動体の通行を妨げておらず、かつ基準位置から所定の範囲内の位置に第2移動体を待機させることができる。
また、上記の情報処理方法において、前記判定結果は、前記第1移動体が前記他の移動体の通行を妨げたかについての判定結果であり、前記第1位置は、前記判定結果それぞれに基づいて決定される、前記移動体位置情報それぞれの示す位置のうちの前記第1移動体が前記他の移動体の通行を妨げていない第4位置を含み、前記第2位置の決定は、前記第4位置であって前記基準位置から所定の範囲内の位置を前記第2位置に決定してもよい。
この構成によれば、第1移動体が他の移動体の通行を妨げていない第4位置であり、かつ基準位置から所定の範囲内の位置が、第2移動体に待機させる第2位置に決定されるので、第1移動体が他の移動体の通行を妨げておらず、かつ基準位置から所定の範囲内の位置に第2移動体を待機させることができる。
また、上記の情報処理方法において、さらに、前記第2移動体が前記基準位置に到着するまでの到着時間を取得し、前記所定の範囲は、前記到着時間内に前記第2位置から前記基準位置まで移動可能な範囲又は前記到着時間内に前記第2移動体の現在地から前記第2位置を経由して前記基準位置まで移動可能な範囲であってもよい。
この構成によれば、到着時間内に第2位置から基準位置まで移動可能な範囲又は到着時間内に第2移動体の現在地から第2位置を経由して基準位置まで移動可能な範囲に第2移動体を待機させることができる。
また、上記の情報処理方法において、前記第2位置の決定は、前記第1移動体が前記他の移動体の通行を妨げた度合いに基づいて、前記移動体位置情報の示す位置を前記第1位置として特定してもよい。
この構成によれば、第1移動体が他の移動体の通行を妨げた度合いに基づいて、移動体位置情報の示す位置が第1位置として特定されるので、第1移動体が他の移動体の通行をどの程度妨げているのかを数値化することができ、第1移動体が他の移動体の通行を最も妨げていない位置を容易に特定することができる。
また、上記の情報処理方法において、前記第2位置の決定は、前記移動体位置情報の示す位置から所定の範囲内に存在する移動体の数に基づいて、前記第2位置を決定してもよい。
この構成によれば、前記移動体位置情報の示す位置から所定の範囲内に存在する移動体の数に基づいて、前記第2位置が決定されるので、待機位置の近傍に複数の移動体が集まってしまい、当該複数の移動体が他の移動体の障害になるのを防止することができる。
また、上記の情報処理方法において、前記第2位置の決定は、過去の前記判定結果それぞれ及び過去の前記移動体位置情報それぞれを用いて特定される過去の第1位置と、前記第1位置と、前記基準位置とに応じて、前記第2位置を決定してもよい。
この構成によれば、現在の判定結果それぞれ及び現在の移動体位置情報それぞれを用いて特定される現在の第1位置だけでなく、過去の判定結果それぞれ及び過去の移動体位置情報それぞれを用いて特定される過去の第1位置に応じて、より最適な第2移動体に待機させる第2位置を決定することができる。
本開示の他の態様に係る情報処理装置は、1以上の第1移動体に搭載される物体検出に用いられるセンサが出力する前記1以上の第1移動体の外部の状況を示すセンシング情報それぞれを用いて前記1以上の第1移動体の傍を通過する他の移動体の態様が判定された判定結果それぞれを取得する判定結果取得部と、前記1以上の第1移動体の位置を示す移動体位置情報それぞれを取得する移動体位置情報取得部と、前記1以上の第1移動体と異なる第2移動体についての基準位置を示す基準位置情報を取得する基準位置情報取得部と、前記判定結果それぞれ及び前記移動体位置情報それぞれを用いて特定される第1位置と前記基準位置情報の示す前記基準位置とに応じて、前記第2移動体に待機させる第2位置を決定する決定部と、前記第2移動体を前記第2位置へ移動させる移動要求を前記第2移動体へ出力する出力部と、を備える。
この構成によれば、1以上の第1移動体の傍を通過する他の移動体の態様を判定した判定結果それぞれと、1以上の第1移動体の位置を示す移動体位置情報それぞれとを用いて特定される第1位置と基準位置とに応じて、第2移動体に待機させる第2位置が決定されるが、この決定において、1以上の第1移動体が存在する位置のうち、他の移動体の通行の妨げにならない又はなりにくい位置を、第2移動体に待機させる第2位置として決定することができるので、第2位置へ移動した移動体が第2位置で他の移動体の通行の妨げになることを抑制することができる。
また、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
(実施の形態5)
以下、本開示の実施の形態5における自動車制御システムの全体の構成及び全体の動作について詳しく説明する。
図10は、本開示の実施の形態5における自動車制御システムの全体の構成を示す図である。
図10に示す自動車制御システム100は、第1自動車10A,10B,10C及び第2自動車2を備える。第2自動車2は、ネットワーク5を介して第1自動車10A,10B,10Cと互いに通信可能に接続されている。ネットワーク5は、例えば、インターネットである。
第1自動車10A,10B,10Cは、物体検出に用いられるセンサを搭載している。第1自動車10A,10B,10Cは、センサが出力する第1自動車10A,10B,10Cの外部の状況を示すセンシング情報それぞれを用いて、第1自動車10A,10B,10Cの傍を通過する他の車両の態様を判定した判定結果をそれぞれ第2自動車2へ送信する。また、第1自動車10A,10B,10Cは、第1自動車10A,10B,10Cの位置を示す車両位置情報(移動体位置情報)をそれぞれ第2自動車2へ送信する。
第2自動車2は、ユーザに対して所定のサービスを提供する。所定のサービスは、例えば、第2自動車2の中で映像コンテンツをユーザに視聴させるサービスである。
第2自動車2は、第1自動車10A,10B,10Cの傍を通過する他の車両の態様を判定した判定結果それぞれを取得し、第1自動車10A,10B,10Cの位置を示す車両位置情報それぞれを取得し、第2自動車2についての基準位置を示す基準位置情報を取得する。なお、基準位置は、第2自動車2の目的地である。第2自動車2は、判定結果それぞれ及び移動体位置情報それぞれを用いて特定される第1位置と基準位置情報の示す基準位置とに応じて、第2自動車2に待機させる第2位置を決定する。また、第2自動車2は、第2自動車2に第2位置へ移動させる移動要求を生成する。
なお、本実施の形態5では、自動車制御システム100は、3台の第1自動車10A,10B,10Cを備えているが、本開示は特にこれに限定されず、2台以下の第1自動車を備えてもよく、4台以上の第1自動車を備えてもよい。
また、第1自動車10A,10B,10C及び第2自動車2は、人により運転されてもよいし、人が運転しない自動運転車であってもよい。
図11は、本開示の実施の形態5における第1自動車及び第2自動車の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、第1自動車10Aは、情報処理装置16を備える。情報処理装置16は、センサ111、プロセッサ112、GPS(Global Positioning System)受信機113及び通信部114を備える。プロセッサ112は、位置情報取得部161、状況情報取得部162及び通行障害検出部163を備える。なお、第1自動車10B,10Cの構成は、第1自動車10Aと同じである。
GPS受信機113は、第1自動車10Aの現在の車両位置を示す車両位置情報を取得する。車両位置情報は、緯度及び経度で表される。GPS受信機113は、取得した車両位置情報を位置情報取得部161へ出力する。
位置情報取得部161は、GPS受信機113から第1自動車10Aの現在の車両位置を示す車両位置情報を取得する。
センサ111は、第1自動車10Aの周囲の物体を検出する。センサ111は、例えば、イメージセンサであり、第1自動車10Aの周囲の画像情報を取得する。センサ111は、第1自動車10Aの外部の状況を示す状況情報(センシング情報)を状況情報取得部162へ出力する。
状況情報取得部162は、位置情報取得部161によって取得された第1自動車10Aの現在の位置における第1自動車10Aの外部の状況を示す状況情報(センシング情報)をセンサ111から取得する。
状況情報とは、第1自動車10Aの周囲の画像、第1自動車10Aの近辺に停車中の車の数、第1自動車10Aが存在する道路の交通量、第1自動車10Aが存在する道路の車線数、第1自動車10Aの傍を通過する他の車両が通行可能な空間の幅、第1自動車10Aの傍を通過する他の車両の幅、第1自動車10Aの傍を通過する他の車両の位置、第1自動車10Aの傍を通過する他の車両の速度、第1自動車10Aの傍を通過する他の車両の加速度、及び第1自動車10Aの傍を通過する他の車両の進行方向などであるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
なお、交通量とは、例えば、第1自動車10Aの近辺を移動している車両、人、自転車及びバイクの数を表す。
また、他の車両が通行可能な空間とは、道路であってもよいし、道路以外の場所であってもよい。他の車両が通行可能な空間は、典型的には、第1自動車10Aが停車している道路上の幅方向の空間から、第1自動車10Aが停車している空間を除いた空間であり、あるいは、第1自動車10Aが停車している道路上の幅方向の空間から、第1自動車10Aが停車している空間と、他の車両が停車又は走行している空間とを除いた空間などである。そのため、他の車両が通行可能な空間の幅は、例えば、第1自動車10Aが停車している道路の幅方向の長さから、第1自動車10Aの幅方向の長さを減算した長さを表す。これらの他の車両が通行可能な空間は一例であり、本開示を限定するものではない。
また、本実施の形態5では、状況情報取得部162は、他の車両の幅を取得しているが、本開示は特にこれに限定されず、第1自動車10Aの傍を通過する人間又は動物の幅を取得してもよい。取得対象は、典型的には、他の車両であるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
通行障害検出部163は、状況情報(センシング情報)を用いて、第1自動車10Aの傍を通過する他の車両の態様を判定する。具体的には、通行障害検出部163は、状況情報取得部162によって取得された周囲の状況情報に基づいて、第1自動車10Aが通行の障害となっているか否かを判定する。例えば、通行障害検出部163は、状況情報取得部162によって取得された状況情報に基づいて、第1自動車10Aが通行の障害となっているか否かに関する通行障害情報を検出する。
なお、通行障害情報とは、通行障害の有無、通行障害の発生回数、最後に通行障害が発生した時点からの時間間隔、及び通行障害が発生していない時間間隔の平均値などであるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。なお、通行障害情報が、通行障害の発生回数、最後に通行障害が発生した時点からの時間間隔、及び通行障害が発生していない時間間隔の平均値など、過去の履歴を利用して生成される情報を含む場合には、情報処理装置16は過去の履歴を記憶する記憶部を備える必要がある。また、通行障害情報が、最後に通行障害が発生した時点からの時間間隔、及び通行障害が発生していない時間間隔の平均値など、時刻を利用して生成される情報を含む場合には、通行障害検出部163は時刻を取得する機能を有する必要がある。
また、本実施の形態5では、通行障害検出部163は、他の車両が必ずしも第1自動車10Aの傍を通過する場合に判定する必要はなく、他の車両が第1自動車10Aの傍を通過しようと試みる場合に判定してもよい。また、本実施の形態5では、通行障害検出部163は、状況情報を用いて、第1自動車10Aの側面の近傍を通過する他の車両の態様を判定してもよい。第1自動車10Aの側面の近傍を通過するとは、第1自動車10Aの側面から所定の距離以下で通過することを意味している。
通信部114は、位置情報取得部161によって取得された車両位置情報、状況情報取得部162によって取得された状況情報、及び通行障害検出部163によって検出された通行障害情報を第2自動車2へ送信する。
第2自動車2は、情報処理装置21、移動制御部22及び駆動部23を備える。情報処理装置21は、通信部211、プロセッサ212及び入力部213を備える。プロセッサ212は、目的地情報取得部221、待機位置決定部222及び移動要求生成部223を備える。
入力部213は、例えば、タッチパネルであり、第2自動車2の目的地及び目的地への到着時刻のユーザによる入力を受け付ける。入力部213は、例えば、目的地の住所の入力を受け付けるための入力欄を表示する。また、入力部213は、例えば、地図を表示し、ユーザによる地図上における目的地の選択を受け付けてもよい。
目的地情報取得部221は、入力部213によって入力された目的地の位置及び到着時刻を示す目的地情報を取得する。なお、目的地の位置は、第2自動車2についての基準位置の一例である。
通信部211は、第1自動車10A,10B,10Cの通信部114によって送信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を受信する。通信部211は、第1自動車10A,10B,10Cに搭載される物体検出に用いられるセンサ111が出力する第1自動車10A,10B,10Cの外部の状況を示す状況情報(センシング情報)それぞれを受信する。また、通信部211は、第1自動車10A,10B,10Cに搭載される物体検出に用いられるセンサ111が出力する第1自動車10A,10B,10Cの外部の状況を示す状況情報(センシング情報)それぞれを用いて第1自動車10A,10B,10Cの傍を通過する他の車両の態様が判定された通行障害情報(判定結果)それぞれを受信する。また、通信部211は、第1自動車10A,10B,10Cの位置を示す車両位置情報(移動体位置情報)それぞれを受信する。通行障害情報(判定結果)は、第1自動車が他の車両の通行を妨げたかについての判定結果を含む。
なお、情報処理装置21は、通行障害検出部163を備えてもよい。この場合、情報処理装置21の通行障害検出部163は、通信部211によって受信された状況情報それぞれを用いて他の車両の態様を判定することにより、通行障害情報を取得してもよい。
待機位置決定部222は、通行障害情報(判定結果)それぞれ及び車両位置情報(移動体位置情報)それぞれを用いて特定される特定位置(第1位置)と目的地情報(基準位置情報)の示す目的地の位置とに応じて、第2自動車2に待機させる待機位置(第2位置)を決定する。
すなわち、待機位置決定部222は、通行障害情報それぞれ及び車両位置情報それぞれを用いて特定位置を特定する。このとき、通行障害情報は、第1自動車が他の車両の通行を妨げたかについての判定結果を含む。待機位置決定部222は、通行障害情報それぞれに基づいて決定される、車両位置情報それぞれの示す位置のうちの第1自動車が他の移動体の通行を妨げた位置(第3位置)を特定し、当該妨げた位置(第3位置)以外の位置であって目的地の位置から所定の範囲内の位置を待機位置に決定する。
また、待機位置決定部222は、通行障害情報それぞれに基づいて決定される、車両位置情報それぞれの示す位置のうちの第1自動車が他の移動体の通行を妨げていない位置(第4位置)を特定し、当該妨げていない位置(第4位置)であって目的地の位置から所定の範囲内の位置を待機位置に決定してもよい。
なお、待機位置決定部222は、第2自動車2が目的地の位置に到着するまでの到着時間を取得する。そして、所定の範囲は、到着時間内に待機位置から目的地の位置まで移動可能な範囲又は到着時間内に第2自動車2の現在地から待機位置を経由して目的地の位置まで移動可能な範囲である。また、所定の範囲は、所定の距離以下の範囲であってもよい。
さらに、待機位置決定部222は、第1自動車が他の車両の通行を妨げた度合いに基づいて、車両位置情報の示す位置を特定位置(第1位置)として特定してもよい。
また、待機位置決定部222は、車両位置情報(移動体位置情報)の示す位置から所定の範囲内に存在する車両(移動体)の数に基づいて、待機位置(第2位置)を決定してもよい。すなわち、待機位置決定部222は、車両位置情報の示す位置から所定の範囲内に存在する車両の数が所定の数以下である位置を待機位置として決定したり、車両位置情報の示す位置から所定の範囲内に存在する車両の数が所定の数以上である位置以外の位置を待機位置として決定したりしてもよい。これにより、待機位置の近傍に複数の自動車が集まってしまい、当該複数の自動車が他の車両の障害になるのを防止することができる。
また、待機位置決定部222は、通行障害情報(判定結果)それぞれ及び車両位置情報(移動体位置情報)それぞれを用いて特定される特定位置(第1位置)以外の位置であって目的地の位置(基準位置)から第1範囲内の位置のうち、当該位置から第2範囲内に存在する車両(移動体)の数に応じた位置を待機位置(第2位置)に決定してもよい。第2範囲は、第1範囲とは異なる範囲であり、第1範囲よりも狭い範囲であってもよい。すなわち、待機位置決定部222は、目的地の位置から第1範囲内の位置のうち、当該位置から第2範囲内に存在する車両の数が所定の数以下である位置を待機位置に決定してもよい。これにより、待機位置の近傍に複数の自動車が集まってしまい、当該複数の自動車が他の車両の障害になるのを防止することができる。
また、待機位置決定部222は、通信部211によって受信された車両位置情報で示される第1自動車の車両位置を経由した後、目的地情報取得部221によって取得された目的地の位置に目的地情報取得部221によって取得された到着時刻までに第2自動車2が到達可能な位置にある車両位置の中から、通信部211によって受信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報に基づいて、他の車両の通行の障害になりにくい車両位置を待機位置として決定してもよい。
移動要求生成部223は、第2自動車2を待機位置へ移動させる移動要求を出力する。移動要求生成部223は、待機位置決定部222によって決定された待機位置に第2自動車2を移動させるための移動要求を生成し、移動制御部22へ出力する。
移動制御部22は、移動要求生成部223から第2自動車2を移動させるための移動要求を受け取った場合に、第2自動車2を移動させるための制御を行う。
駆動部23は、移動制御部22による制御に従って第2自動車2を移動させる。なお、第2自動車2がエンジン車両である場合、駆動部23は、例えば、エンジン及びトランスミッションである。また、第2自動車2が電気自動車(battery vehicle)である場合、駆動部23は、例えば、走行モータ及びトランスミッションである。これらのエンジン及び走行モータは、いずれもイグニッションスイッチを介して始動及び停止が行われる。
図12は、本開示の実施の形態5における自動車制御システムの制御の動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、第1自動車10A,10B,10Cのうちの第1自動車10Aと第2自動車2との処理について説明するが、第1自動車10B,10Cと第2自動車2との処理についても同様に行われる。
まず、第1自動車10Aの位置情報取得部161は、GPS受信機113から第1自動車10Aの現在の車両位置を示す車両位置情報を取得する(ステップS211)。
なお、本実施の形態5において、位置情報取得部161は、GPS受信機113から車両位置情報を取得しているが、本開示は特にこれに限定されず、通信部114が、無線通信を介して外部装置から位置情報を受信してもよい。外部装置は、例えば、第1自動車10Aの近傍を通行する他の車両、又は第1自動車10Aの近傍に配置された無線通信基地局である。位置情報取得部161は、無線通信基地局が設置されている位置を示す位置情報を無線通信基地局から受信し、無線通信基地局の位置情報を第1自動車10Aの位置情報として取得する。第1自動車10Aの車両位置情報の取得方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
なお、ステップS211の処理は、第1自動車10Aが停車中に実行されてもよいし、第1自動車10Aが徐行中又は走行中に実行されてもよい。ステップS211の処理が実行される典型的な状況は、第1自動車10Aが停車している状況であるが、上記の状況は、本開示を限定するものではない。
次に、状況情報取得部162は、位置情報取得部161によって取得された車両位置における状況情報をセンサ111から取得する(ステップS212)。
なお、状況情報は、例えば、第1自動車10Aの周囲の画像、第1自動車10Aの近辺に停車中の車の数、第1自動車10Aが存在する道路の交通量、第1自動車10Aが存在する道路の車線数、第1自動車10Aの傍を通過する他の車両が通行可能な空間の幅、他の車両の幅、他の車両の位置、他の車両の速度、他の車両の加速度、及び他の車両の進行方向などである。
また、本実施の形態5では、センサ111はイメージセンサであり、センサ111が周囲の画像情報を取得し、取得した画像情報から状況情報を生成しているが、本開示は特にこれに限定されず、通信部114は、無線通信を介して外部装置によって生成された状況情報を受信してもよい。外部装置は、例えば、他の車両又は道路上に設けられた監視カメラであり、取得した画像情報から状況情報を生成する。
また、センサ111は、第1自動車10Aの近辺に停車中の車の数、第1自動車10Aが存在する道路の交通量、及び第1自動車10Aが存在する道路の車線数を画像情報から生成しているが、本開示は特にこれに限定されず、通信部114は、無線通信を介して外部から第1自動車10Aの近辺に停車中の車の数及び第1自動車10Aが存在する道路の交通量を受信してもよい。また、情報処理装置16は、地図情報を予め記憶する記憶部を備えてもよく、状況情報取得部162は、記憶部に記憶されている地図情報から、第1自動車10Aが存在する道路の車線数を取得してもよい。また、第1自動車10Aは、カーナビゲーション装置を備えてもよく、カーナビゲーション装置から、第1自動車10Aの近辺に停車中の車の数、第1自動車10Aが存在する道路の交通量、及び第1自動車10Aが存在する道路の車線数を取得してもよい。これらの具体的な情報の取得方法は、一例であり、本開示を限定するものではない。
また、センサ111は、例えば、周囲の画像から停車中の車、走行中の車、及び車線を認識することによって、停車中の車の数、交通量、及び車線数を推測するが、これは一例であり、本開示を限定するものではない。
また、センサ111は、例えば、LIDAR(Light Detection and Ranging)又はミリ波レーダーなどの光学センサであってもよい。センサ111は、通行可能な空間の幅又は他の車両の幅を取得する。LIDARは、赤外線レーザーを照射し、赤外線レーザーが物体で反射して戻るまでの時間を計測して、第1自動車10Aの周囲にある物体までの距離及び第1自動車10Aの周囲にある物体の形状を検知する。これにより、第1自動車10Aは、周辺環境の3次元的な構造を読み取ることができる。また、ミリ波レーダーは、LIDARと同様の計測を行うが、赤外線ではなく、電波を用いて、電波が物体で反射して戻るまでの時間を計測する。赤外線を用いるLIDARは、夜間でも使えるが、悪天候では機能が低下する特徴があり、電波を用いるミリ波レーダーは、分解能はLIDARよりも劣るものの、天候に関わらず検知可能である特徴がある。そのため、LIDARとミリ波レーダーとをそれぞれ単独で利用するのではなく、それらを組み合わせて用いることで、お互いのデメリットを補完することができる。
また、センサ111は、例えば、周囲の画像情報から道路の端を認識し、かつ、道路の端の近辺にある実際のサイズが既知である物体(例えば、道路標識など)の見かけ上のサイズを認識することによって、道路の幅を検出してもよい。また、センサ111は、例えば、周囲の画像情報から他の車両を認識し、かつ、他の車両の近辺にある実際のサイズが既知である物体(例えば、道路標識など)の見かけ上のサイズを認識することによって、他の車両の幅を検出してもよい。上記の道路の幅及び他の車両の幅の検出方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
また、センサ111は、例えば、LIDAR又はミリ波レーダーであり、他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向を状況情報として取得してもよい。また、通信部114は、無線通信を介して他の車両から他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向を間接的に取得してもよい。他の車両は、第1自動車10Aに対する自身の位置、自身の速度、自身の加速度及び自身の進行方向を取得して、第1自動車10Aへ送信してもよい。なお、上記の他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向の取得方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
次に、通行障害検出部163は、状況情報取得部162によって取得された状況情報に基づいて通行障害情報を検出する(ステップS213)。
なお、通行障害情報とは、例えば、通行障害の有無、通行障害の発生回数、最後に通行障害が発生した時点からの時間間隔、及び通行障害が発生していない時間間隔の平均値などである。
通行障害検出部163は、道の幅から第1自動車10Aの幅を減算した長さが、他の車両の幅より短いか否かを判定してもよい。道の幅から第1自動車10Aの幅を減算した長さが、他の車両の幅より短いと判定した場合、通行障害検出部163は、第1自動車10Aが通行の障害となっていると判定してもよい。
また、通行障害検出部163は、状況情報取得部162によって取得された通行可能な空間の幅が、状況情報取得部162によって取得された他の車両の幅に所定の長さを加算した長さより短いか否かを判定してもよい。通行可能な空間の幅が、他の車両の幅に所定の長さを加算した長さより短いと判定した場合、通行障害検出部163は、第1自動車10Aが通行の障害となっていると判定してもよい。
また、通行障害検出部163は、位置情報取得部161によって取得された第1自動車10Aの車両位置と状況情報取得部162によって取得された他の車両の位置との距離が所定の距離以下であるか否かを判定してもよい。第1自動車10Aの車両位置と他の車両の位置との距離が所定の距離以下であると判定した場合、通行障害検出部163は、第1自動車10Aが通行の障害となっていると判定してもよい。
また、通行障害検出部163は、状況情報取得部162によって取得された周囲の画像中に他の車両を認識したか否かを判定してもよい。周囲の画像中に他の車両を認識したと判定した場合、通行障害検出部163は、第1自動車10Aが通行の障害となっていると判定してもよい。
また、通行障害検出部163は、状況情報取得部162によって取得された周囲の画像中に、進路変更、急停止、ライトのパッシング又はドライバの表情の変化等の予め決められた動作の画像を認識したか否かを判定してもよい。周囲の画像中に、予め決められた動作の画像を認識したと判定した場合、通行障害検出部163は、第1自動車10Aが通行の障害となっていると判定してもよい。
また、通行障害検出部163は、状況情報取得部162によって取得された他の車両の位置、速度、加速度及び進行方向から、他の車両の減速、停止及び進路変更等の予め決められた動作を検出し、かつ、速度の変化量、加速度の変化量、及び進行方向の角度の変化量のうちの少なくとも1つが所定の閾値以上であるか否かを判定してもよい。速度の変化量、加速度の変化量、及び進行方向の角度の変化量のうちの少なくとも1つが所定の閾値以上であると判定した場合、通行障害検出部163は、第1自動車10Aが通行の障害となっていると判定してもよい。
また、通行障害検出部163は、状況情報取得部162によって取得された他の車両の位置、速度、加速度又は進行方向から、他の車両の減速、停止又は進路変更等の予め決められた動作を検出したか否かを判定してもよい。他の車両の減速、停止又は進路変更等の予め決められた動作を検出したと判定した場合、通行障害検出部163は、第1自動車10Aが通行の障害となっていると判定してもよい。
また、通行障害検出部163は、状況情報取得部162によって取得された他の車両の速度が所定の閾値以下であるか否かを判定してもよい。他の車両の速度が所定の閾値以下であると判定した場合、通行障害検出部163は、第1自動車10Aが通行の障害となっていると判定してもよい。
なお、上記の通行障害判定方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
次に、通信部114は、位置情報取得部161によって取得された車両位置情報、状況情報取得部162によって取得された状況情報、及び通行障害検出部163によって検出された通行障害情報を第2自動車2へ送信する(ステップS214)。
次に、第2自動車2の通信部211は、第1自動車10Aの通信部114によって送信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を受信する(ステップS215)。
次に、目的地情報取得部221は、目的地の位置と到着時刻とを示す目的地情報を入力部213から取得する(ステップS216)。
なお、本実施の形態5では、入力部213は、例えばタッチパネルであり、目的地の位置と到着時刻との入力を受け付けているが、本開示は特にこれに限定されず、通信部211は、無線通信を介して外部装置から目的地情報を受信してもよい。なお、外部装置は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット型コンピュータである。上記の目的地情報の取得方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
次に、待機位置決定部222は、通信部211によって受信された第1自動車10A,10B,10Cの車両位置を経由した後、目的地情報取得部221によって取得された目的地の位置に目的地情報取得部221によって取得された到着時刻までに到達可能な位置にある第1自動車10A,10B,10Cの車両位置の中から、通信部211によって受信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報に基づいて、他の車両の通行の障害になりにくい車両位置を待機位置として決定する(ステップS217)。
このとき、待機位置決定部222は、カーナビゲーション機能を用いて、現在地点から、通信部211によって受信された車両位置を経由した後、目的地情報取得部221によって取得された目的地の位置に到着した場合の推定到着時刻を取得し、当該推定到着時刻が到着時刻を過ぎない車両位置を、到達可能な位置にある車両位置として選択する。また、待機位置決定部222は、外部から無線通信を介して、現在地点から、通信部211によって受信された車両位置を経由した後、目的地情報取得部221によって取得された目的地の位置に到着した場合の推定到着時刻を取得し、当該推定到着時刻が到着時刻を過ぎない車両位置を、到達可能な位置にある車両位置として選択してもよい。上記の到着時刻までに到着可能な車両位置の選択方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
そして、待機位置決定部222は、通信部211によって受信された車両位置のうち、到着時刻までに目的地に到達可能な位置にある車両位置を順に検索し、それぞれの車両位置と共に受信した通行障害情報が、第1自動車が他の車両の通行を妨げていないことを示している車両位置を待機位置として決定する。また、待機位置決定部222は、通信部211によって受信された車両位置のうち、到着時刻までに目的地に到達可能な位置にある車両位置を順に検索し、それぞれの車両位置と共に受信した状況情報及び通行障害情報のそれぞれについて、他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値を重み付けして合算し、合算値が最も低い車両位置を待機位置として決定してもよい。上記の待機位置の決定方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
なお、通信部211によって受信された状況情報が、第1自動車の近辺に停車中の車の数を含んでいる場合、他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値は、第1自動車の近辺に停車中の車の数が多いほど高い値とする。また、通信部211によって受信された状況情報が、第1自動車が存在する道路の交通量を含んでいる場合、他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値は、交通量が多いほど高い値とする。また、通信部211によって受信された状況情報が、第1自動車が存在する道路の車線数を含んでいる場合、他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値は、車線数が少ないほど高い値とする。また、通信部211によって受信された状況情報が、第1自動車の傍を通過する他の車両が通行可能な空間の幅を含んでいる場合、他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値は、通行可能な空間の幅が狭いほど高い値とする。また、通信部211によって受信された状況情報が、第1自動車の傍を通過する他の車両の幅を含んでいる場合、他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値は、他の車両の幅が広いほど高い値とする。
また、通信部211によって受信された通行障害情報が、通行障害の発生回数を含んでいる場合、他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値は、通行障害の発生回数が多いほど高い値とする。また、通信部211によって受信された通行障害情報が、最後に通行障害が発生した時点からの時間間隔を含んでいる場合、他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値は、最後に通行障害が発生した時点からの時間間隔が短いほど高い値とする。また、通信部211によって受信された通行障害情報が、通行障害が発生していない時間間隔の平均値を含んでいる場合、他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値は、通行障害が発生していない時間間隔の平均値が短いほど高い値とする。なお、上記の他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値は一例であり、本開示を限定するものではない。
なお、上記の例では、状況情報及び通行障害情報を用いて待機位置が決定されているが、本開示は特にこれに限定されず、通行障害情報のみを用いて待機位置が決定されてもよい。
次に、移動要求生成部223は、待機位置決定部222によって決定された待機位置に第2自動車2を移動させるための移動要求を生成する(ステップS218)。移動要求生成部223は、生成した移動要求を移動制御部22へ出力する。
次に、移動制御部22は、移動要求生成部223から第2自動車2を移動させるための移動要求を受け取った場合に、第2自動車2を移動させるための制御を行い、駆動部23に移動を開始させる(ステップS219)。駆動部23は、移動制御部22による制御に従って第2自動車2を待機位置へ移動させる。
このように、第2自動車2は、停車しても他の車両の妨げとならない待機位置へ移動するので、ユーザは、待機位置に停車した第2自動車2の車内でサービスの提供を受けることができる。そして、第2自動車2は、待機位置に停車した後、到着時刻までに目的地に到着するように、待機位置から目的地へ移動する。
なお、本実施の形態5における第2自動車2は、自動運転車であるため、人による運転操作なしに、自動的に待機位置に移動するが、本開示は特にこれに限定されず、第2自動車2は、自動運転車ではなく、人により運転されてもよい。この場合、第2自動車2は、移動制御部22及び駆動部23を備えず、ステップS219の処理を行わなくてもよい。また、第2自動車2は、移動要求生成部223によって生成された、待機位置に第2自動車2を移動させるための移動要求を表示する表示部を備えてもよい。ステップS218の処理の後、表示部は、移動要求生成部223によって生成された移動要求を表示し、処理を終了する。なお、表示部に表示される移動要求は、例えば、待機位置の住所又は現在位置から待機位置までのルートを示す。その後、実際の第2自動車2の移動は、表示部に表示された移動要求を認識した人の運転によって行われる。なお、上記の移動制御は一例であり、本開示を限定するものではない。
ステップS219の処理において、人が運転操作しなかったり、人の運転操作が限定的であったりした場合でも、待機位置決定部222によって決定された待機位置に第2自動車2を移動させることができる。特に、第2自動車2が自動運転車又は運転補助機能付きの自動車である場合において効果が大きい。
このように、本実施の形態5では、1以上の第1自動車10A,10B,10Cが存在する位置のうち、他の車両の通行の妨げにならない又はなりにくい位置が、第2自動車2に待機させる位置として決定されるので、待機する位置へ移動した第2自動車2が当該待機する位置で他の車両の通行の妨げになることを抑制することができる。
(実施の形態6)
実施の形態5における自動車制御システムは、1以上の第1自動車及び第2自動車を備えているが、実施の形態6における自動車制御システムは、1以上の第1自動車及び第2自動車に加えて、サーバを備える。
以下、本開示の実施の形態6における自動車制御システムの全体の構成及び全体の動作について詳しく説明する。
図13は、本開示の実施の形態6における自動車制御システムの全体の構成を示す図である。
図13に示す自動車制御システム100Aは、第1自動車10A,10B,10C、第2自動車2A及びサーバ3を備える。サーバ3は、ネットワーク5を介して第1自動車10A,10B,10C及び第2自動車2Aと互いに通信可能に接続されている。ネットワーク5は、例えば、インターネットである。
第1自動車10A,10B,10Cは、物体検出に用いられるセンサを搭載している。第1自動車10A,10B,10Cは、センサが出力する第1自動車10A,10B,10Cの外部の状況を示すセンシング情報それぞれを用いて、第1自動車10A,10B,10Cの傍を通過する他の車両の態様を判定した判定結果をそれぞれサーバ3へ送信する。また、第1自動車10A,10B,10Cは、第1自動車10A,10B,10Cの位置を示す車両位置情報(移動体位置情報)をそれぞれサーバ3へ送信する。
第2自動車2Aは、ユーザに対して所定のサービスを提供する。所定のサービスは、例えば、第2自動車2Aの中で映像コンテンツをユーザに視聴させるサービスである。
サーバ3は、第1自動車10A,10B,10Cの傍を通過する他の車両の態様を判定した判定結果それぞれを取得し、第1自動車10A,10B,10Cの位置を示す車両位置情報それぞれを取得し、第2自動車2Aについての基準位置を示す基準位置情報を取得する。なお、基準位置は、第2自動車2の目的地である。サーバ3は、判定結果それぞれ及び移動体位置情報それぞれを用いて特定される第1位置と基準位置情報の示す基準位置とに応じて、第2自動車2Aに待機させる第2位置を決定する。サーバ3は、決定した第2位置を第2自動車2Aへ送信する。第2自動車2Aは、第2自動車2に第2位置へ移動させる移動要求を生成する。
なお、本実施の形態6では、自動車制御システム100Aは、3台の第1自動車10A,10B,10Cを備えているが、本開示は特にこれに限定されず、2台以下の第1自動車を備えてもよく、4台以上の第1自動車を備えてもよい。
また、第1自動車10A,10B,10C及び第2自動車2Aは、人により運転されてもよいし、人が運転しない自動運転車であってもよい。
図14は、本開示の実施の形態6における第1自動車、第2自動車及びサーバの構成を示すブロック図である。図14において、本開示の実施の形態5における第1自動車及び第2自動車と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図14に示すように、第1自動車10Aは、情報処理装置16を備える。情報処理装置16は、センサ111、プロセッサ112、GPS受信機113及び通信部114を備える。プロセッサ112は、位置情報取得部161、状況情報取得部162及び通行障害検出部163を備える。なお、第1自動車10B,10Cの構成は、第1自動車10Aと同じである。
通信部114は、位置情報取得部161によって取得された車両位置情報、状況情報取得部162によって取得された状況情報、及び通行障害検出部163によって検出された通行障害情報をサーバ3へ送信する。
第2自動車2Aは、情報処理装置21A、移動制御部22及び駆動部23を備える。情報処理装置21Aは、通信部211A、プロセッサ212A及び入力部213を備える。プロセッサ212Aは、目的地情報取得部221及び移動要求生成部223Aを備える。
通信部211Aは、目的地情報取得部221によって取得された目的地の位置及び到着時刻を示す目的地情報をサーバ3へ送信する。また、通信部211Aは、サーバ3によって送信された待機位置を受信する。
移動要求生成部223Aは、通信部211Aによって受信された待機位置に第2自動車2を移動させるための移動要求を生成し、移動制御部22へ出力する。
サーバ3は、プロセッサ311及び通信部312を備える。プロセッサ311は、待機位置決定部222を備える。
通信部312は、第1自動車10Aによって送信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を受信する。また、通信部312は、待機位置決定部222によって決定された待機位置を第2自動車2Aへ送信する。また、通信部312は、第2自動車2Aによって送信された目的地情報を受信する。
図15は、本開示の実施の形態6における自動車制御システムの制御の動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、第1自動車10A,10B,10Cのうちの第1自動車10Aとサーバ3との処理について説明するが、第1自動車10B,10Cとサーバ3との処理についても同様に行われる。
ステップS311~ステップS313の処理は、図12のステップS211~ステップS213の処理と同じである。
次に、第1自動車10Aの通信部114は、位置情報取得部161によって取得された車両位置情報、状況情報取得部162によって取得された状況情報、及び通行障害検出部163によって検出された通行障害情報をサーバ3へ送信する(ステップS314)。
次に、サーバ3の通信部312は、第1自動車10Aの通信部114によって送信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を受信する(ステップS315)。
次に、第2自動車2Aの目的地情報取得部221は、目的地の位置と到着時刻とを示す目的地情報を入力部213から取得する(ステップS316)。
次に、通信部211Aは、目的地情報取得部221によって取得された目的地情報をサーバ3へ送信する(ステップS317)。
次に、サーバ3の通信部312は、第2自動車2Aの通信部211Aによって送信された目的地情報を受信する(ステップS318)。
次に、待機位置決定部222は、通信部312によって受信された第1自動車10A,10B,10Cの車両位置を経由した後、通信部312によって受信された目的地の位置に通信部312によって受信された到着時刻までに到達可能な位置にある第1自動車10A,10B,10Cの車両位置の中から、通信部312によって受信された車両位置、状況情報及び通行障害情報に基づいて、他の車両の通行の障害になりにくい車両位置を待機位置として決定する(ステップS319)。なお、待機位置の決定方法については、実施の形態5と同じである。
次に、通信部312は、待機位置決定部222によって決定された待機位置を第2自動車2Aへ送信する(ステップS320)。
次に、第2自動車2Aの通信部211Aは、サーバ3の通信部312によって送信された待機位置を受信する(ステップS321)。
次に、移動要求生成部223Aは、通信部211Aによって受信された待機位置に第2自動車2Aを移動させるための移動要求を生成する(ステップS322)。移動要求生成部223Aは、生成した移動要求を移動制御部22へ出力する。
次に、移動制御部22は、移動要求生成部223Aから第2自動車2Aを移動させるための移動要求を受け取った場合に、第2自動車2Aを移動させるための制御を行い、駆動部23に移動を開始させる(ステップS323)。駆動部23は、移動制御部22による制御に従って第2自動車2Aを待機位置へ移動させる。
なお、本実施の形態6では、図15のステップS311~ステップS315の処理が行われた後、ステップS316~ステップS318の処理が行われるが、本開示は特にこれに限定されず、まず、ステップS316~ステップS318の処理が行われ、サーバ3は、目的地情報が第2自動車2Aから受信された場合、車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を要求する要求情報を第1自動車10A,10B,10Cへ送信してもよい。第1自動車10A,10B,10Cは、要求情報をサーバ3から受信した場合、図15のステップS311~ステップS314の処理を行い、車両位置情報、状況情報及び通行障害情報をサーバ3へ送信してもよい。
また、本実施の形態6では、第1自動車10A,10B,10Cが通行障害検出部163を備えているが、本開示は特にこれに限定されず、サーバ3が通行障害検出部163を備えてもよい。この場合、第1自動車10A,10B,10Cの通信部114が車両位置情報及び状況情報(センシング情報)をサーバ3へ送信し、サーバ3の通信部312が車両位置情報及び状況情報を取得し、サーバ3の通行障害検出部163が状況情報を用いて他の車両の態様を判定し、通行障害情報を検出する。
また、本実施の形態6において、第2自動車2Aが目的地情報取得部221及び入力部213を備えず、通信部211Aが目的地情報をサーバ3へ送信せず、通信部312が目的地情報を第2自動車2Aから受信しなくてもよい。この場合、図15のステップS316及びステップS317の処理が行われず、ステップS318において、通信部312は、第2自動車2Aとは異なる外部装置から目的地情報を受信する。外部装置は、例えば、サーバ3と通信可能に接続された、タクシーなどの車両を配車する配車装置である。配車装置が、配車すべき第2自動車2Aを決定し、第2自動車2Aの目的地の位置及び到着時刻を示す目的地情報を取得し、決定した第2自動車2Aを識別する情報と目的地情報とをサーバ3へ送信する。この場合、第2自動車2Aの目的地の位置は、例えば、配車を希望するユーザの乗車位置である。サーバ3の通信部312は、配車装置によって送信された目的地情報を受信する。なお、上記の目的地情報の取得方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
また、本実施の形態6において、第2自動車2Aが移動要求生成部223を備えているが、本開示は特にこれに限定されず、サーバ3が移動要求生成部223を備えてもよい。この場合、移動要求生成部223は、第2自動車2Aを待機位置へ移動させる移動要求を第2自動車2Aへ出力する。
また、本実施の形態6における第2自動車2Aは、自動運転車であるため、人による運転操作なしに、自動的に待機位置に移動するが、本開示は特にこれに限定されず、第2自動車2Aは、自動運転車ではなく、人により運転されてもよい。この場合、第2自動車2Aは、移動制御部22及び駆動部23を備えず、ステップS323の処理を行わなくてもよい。また、第2自動車2Aは、移動要求生成部223Aによって生成された、待機位置に第2自動車2Aを移動させるための移動要求を表示する表示部を備えてもよい。ステップS322の処理の後、表示部は、移動要求生成部223Aによって生成された移動要求を表示し、処理を終了する。なお、表示部に表示される移動要求は、例えば、待機位置の住所又は現在位置から待機位置までのルートを示す。その後、実際の第2自動車2Aの移動は、表示部に表示された移動要求を認識した人の運転によって行われる。なお、上記の移動制御は一例であり、本開示を限定するものではない。
ステップS323の処理において、人が運転操作しなかったり、人の運転操作が限定的であったりした場合でも、待機位置決定部222によって決定された待機位置に第2自動車2Aを移動させることができる。特に、第2自動車2Aが自動運転車又は運転補助機能付きの自動車である場合において効果が大きい。
(実施の形態7)
実施の形態6における自動車制御システムは、1以上の第1自動車と、第2自動車と、サーバとを備えているが、実施の形態7における自動車制御システムは、実施の形態6の第1自動車及び第2自動車の機能を備えた1以上の自動車と、サーバとを備える。
以下、本開示の実施の形態7における自動車制御システムの全体の構成及び全体の動作について詳しく説明する。
図16は、本開示の実施の形態7における自動車制御システムの全体の構成を示す図である。
図16に示す自動車制御システム100Bは、自動車4A,4B,4C及びサーバ3を備える。サーバ3は、ネットワーク5を介して自動車4A,4B,4Cと互いに通信可能に接続されている。ネットワーク5は、例えば、インターネットである。
自動車4A,4B,4Cは、実施の形態6の第1自動車10A及び第2自動車2Aの機能を有している。
すなわち、自動車4A,4B,4Cは、物体検出に用いられるセンサを搭載している。自動車4A,4B,4Cは、センサが出力する自動車4A,4B,4Cの外部の状況を示すセンシング情報それぞれを用いて、自動車4A,4B,4Cの傍を通過する他の車両の態様を判定した判定結果をそれぞれサーバ3へ送信する。また、自動車4A,4B,4Cは、自動車4A,4B,4Cの位置を示す車両位置情報(移動体位置情報)をそれぞれサーバ3へ送信する。
また、自動車4A,4B,4Cは、ユーザに対して所定のサービスを提供する。所定のサービスは、例えば、自動車4A,4B,4Cの中で映像コンテンツをユーザに視聴させるサービスである。
例えば、所定のサービスを提供する自動車4Aが待機位置へ移動される場合、サーバ3は、自動車4B,4Cの傍を通過する他の車両の態様を判定した判定結果それぞれを取得し、自動車4B,4Cの位置を示す車両位置情報それぞれを取得し、自動車4Aについての基準位置を示す基準位置情報を取得する。なお、基準位置は、自動車4Aの目的地である。サーバ3は、判定結果それぞれ及び移動体位置情報それぞれを用いて特定される第1位置と基準位置情報の示す基準位置とに応じて、自動車4Aに待機させる第2位置を決定する。サーバ3は、決定した第2位置を自動車4Aへ送信する。自動車4Aは、自動車4Aに第2位置へ移動させる移動要求を生成する。
なお、本実施の形態6では、自動車制御システム100Bは、3台の自動車4A,4B,4Cを備えているが、本開示は特にこれに限定されず、2台の自動車を備えてもよく、4台以上の自動車を備えてもよい。
また、自動車4A,4B,4Cは、人により運転されてもよいし、人が運転しない自動運転車であってもよい。
図17は、本開示の実施の形態7における自動車及びサーバの構成を示すブロック図である。図17において、本開示の実施の形態6における第1自動車、第2自動車及びサーバと同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図17に示すように、自動車4Aは、情報処理装置41、移動制御部42及び駆動部43を備える。情報処理装置41は、センサ111、入力部213、GPS受信機113、通信部411及びプロセッサ412を備える。プロセッサ412は、位置情報取得部161、状況情報取得部162、通行障害検出部163、目的地情報取得部221及び移動要求生成部223Aを備える。なお、自動車4B,4Cの構成は、自動車4Aと同じである。
通信部411は、位置情報取得部161によって取得された車両位置情報、状況情報取得部162によって取得された状況情報、及び通行障害検出部163によって検出された通行障害情報をサーバ3へ送信する。また、通信部411は、目的地情報取得部221によって取得された目的地の位置及び到着時刻を示す目的地情報をサーバ3へ送信する。また、通信部411は、サーバ3によって送信された待機位置を受信する。
サーバ3は、プロセッサ311及び通信部312を備える。プロセッサ311は、待機位置決定部222を備える。
通信部312は、自動車4Aによって送信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を受信する。また、通信部312は、待機位置決定部222によって決定された待機位置を自動車4Aへ送信する。また、通信部312は、自動車4Aによって送信された目的地情報を受信する。
図18は、本開示の実施の形態7における自動車制御システムの制御の動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、自動車4Aが目的地情報を送信するとともに待機位置に移動し、自動車4Bが車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を送信する例について説明する。
ステップS411~ステップS413の処理は、図15のステップS311~ステップS313の処理と同じである。本実施の形態7では、自動車4BによってステップS411~ステップS413の処理が行われる。
次に、自動車4Bの通信部411は、位置情報取得部161によって取得された車両位置情報、状況情報取得部162によって取得された状況情報、及び通行障害検出部163によって検出された通行障害情報をサーバ3へ送信する(ステップS414)。
次に、サーバ3の通信部312は、自動車4Bの通信部114によって送信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を受信する(ステップS415)。
次に、自動車4Aの目的地情報取得部221は、目的地の位置と到着時刻とを示す目的地情報を入力部213から取得する(ステップS416)。
次に、自動車4Aの通信部411は、目的地情報取得部221によって取得された目的地情報をサーバ3へ送信する(ステップS417)。
次に、サーバ3の通信部312は、自動車4Aの通信部411によって送信された目的地情報を受信する(ステップS418)。
ステップS419の処理は、図15のステップS319の処理と同じである。
次に、通信部312は、待機位置決定部222によって決定された待機位置を自動車4Aへ送信する(ステップS420)。
次に、自動車4Aの通信部411は、サーバ3の通信部312によって送信された待機位置を受信する(ステップS421)。
ステップS422~ステップS423の処理は、図15のステップS322~ステップS323の処理と同じである。本実施の形態7では、自動車4AによってステップS422~ステップS423の処理が行われる。
なお、本実施の形態7では、図18のステップS411~ステップS415の処理が行われた後、ステップS416~ステップS418の処理が行われるが、本開示は特にこれに限定されず、まず、ステップS416~ステップS418の処理が行われ、サーバ3は、目的地情報が自動車4Aから受信された場合、車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を要求する要求情報を自動車4B,4Cへ送信してもよい。自動車4B,4Cは、要求情報をサーバ3から受信した場合、図18のステップS411~ステップS414の処理を行い、車両位置情報、状況情報及び通行障害情報をサーバ3へ送信してもよい。
また、本実施の形態7において、自動車4Aが目的地情報取得部221及び入力部213を備えず、通信部411が目的地情報をサーバ3へ送信せず、通信部312が目的地情報を自動車4Aから受信しなくてもよい。この場合、図18のステップS416及びステップS417の処理が行われず、ステップS418において、通信部312は、自動車4Aとは異なる外部装置から目的地情報を受信する。外部装置は、例えば、サーバ3と通信可能に接続された、タクシーなどの車両を配車する配車装置である。配車装置が、配車すべき自動車4Aを決定し、自動車4Aの目的地の位置及び到着時刻を示す目的地情報を取得し、決定した自動車4Aを識別する情報と目的地情報とをサーバ3へ送信する。サーバ3の通信部312は、配車装置によって送信された目的地情報を受信する。なお、上記の目的地情報の取得方法は一例であり、本開示を限定するものではない。
また、本実施の形態7において、自動車4Aが移動要求生成部223Aを備えているが、本開示は特にこれに限定されず、サーバ3が移動要求生成部223Aを備えてもよい。この場合、移動要求生成部223Aは、自動車4Aを待機位置へ移動させる移動要求を自動車4Aへ出力する。
また、本実施の形態7における自動車4Aは、自動運転車であるため、人による運転操作なしに、自動的に待機位置に移動するが、本開示は特にこれに限定されず、自動車4Aは、自動運転車ではなく、人により運転されてもよい。この場合、自動車4Aは、移動制御部22及び駆動部23を備えず、ステップS423の処理を行わなくてもよい。また、自動車4Aは、移動要求生成部223Aによって生成された、待機位置に自動車4Aを移動させるための移動要求を表示する表示部を備えてもよい。ステップS422の処理の後、表示部は、移動要求生成部223Aによって生成された移動要求を表示し、処理を終了する。なお、表示部に表示される移動要求は、例えば、待機位置の住所又は現在位置から待機位置までのルートを示す。その後、実際の自動車4Aの移動は、表示部に表示された移動要求を認識した人の運転によって行われる。なお、上記の移動制御は一例であり、本開示を限定するものではない。
(実施の形態8)
実施の形態5における第2自動車は、第1自動車10A,10B,10Cからリアルタイムに受信した車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を用いて待機位置を決定しているが、実施の形態8における第2自動車は、第1自動車10A,10B,10Cからリアルタイムに受信した車両位置情報、状況情報及び通行障害情報だけでなく、過去に受信した車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を用いて待機位置を決定する。
以下、本開示の実施の形態8における自動車制御システムの全体の構成及び全体の動作について詳しく説明する。
図19は、本開示の実施の形態8における自動車制御システムの全体の構成を示す図である。
図19に示す自動車制御システム100Cは、第1自動車10A,10B,10C及び第2自動車2Bを備える。第2自動車2Bは、ネットワーク5を介して第1自動車10A,10B,10Cと互いに通信可能に接続されている。ネットワーク5は、例えば、インターネットである。
第1自動車10A,10B,10Cは、物体検出に用いられるセンサを搭載している。第1自動車10A,10B,10Cは、センサが出力する第1自動車10A,10B,10Cの外部の状況を示すセンシング情報それぞれを用いて、第1自動車10A,10B,10Cの傍を通過する他の車両の態様を判定した判定結果をそれぞれ第2自動車2Bへ送信する。また、第1自動車10A,10B,10Cは、第1自動車10A,10B,10Cの位置を示す車両位置情報(移動体位置情報)をそれぞれ第2自動車2Bへ送信する。
第2自動車2Bは、ユーザに対して所定のサービスを提供する。所定のサービスは、例えば、第2自動車2Bの中で映像コンテンツをユーザに視聴させるサービスである。
第2自動車2Bは、第1自動車10A,10B,10Cの傍を通過する他の車両の態様を判定した判定結果それぞれを取得し、第1自動車10A,10B,10Cの位置を示す車両位置情報それぞれを取得し、第2自動車2Bについての基準位置を示す基準位置情報を取得する。なお、基準位置は、第2自動車2Bの目的地である。第2自動車2Bは、判定結果それぞれ及び移動体位置情報それぞれを用いて特定される第1位置と基準位置情報の示す基準位置とに応じて、第2自動車2Bに待機させる第2位置を決定する。また、第2自動車2Bは、第2自動車2Bに第2位置へ移動させる移動要求を生成する。
なお、本実施の形態8では、自動車制御システム100Cは、3台の第1自動車10A,10B,10Cを備えているが、本開示は特にこれに限定されず、2台以下の第1自動車を備えてもよく、4台以上の第1自動車を備えてもよい。
また、第1自動車10A,10B,10C及び第2自動車2Bは、人により運転されてもよいし、人が運転しない自動運転車であってもよい。
図20は、本開示の実施の形態8における第1自動車及び第2自動車の構成を示すブロック図である。図20において、本開示の実施の形態8における第1自動車及び第2自動車と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図20に示すように、第1自動車10Aは、情報処理装置16を備える。情報処理装置16は、センサ111、プロセッサ112、GPS受信機113及び通信部114を備える。プロセッサ112は、位置情報取得部161、状況情報取得部162及び通行障害検出部163を備える。なお、第1自動車10B,10Cの構成は、第1自動車10Aと同じである。
第2自動車2Bは、情報処理装置21B、移動制御部22及び駆動部23を備える。情報処理装置21Bは、通信部211B、プロセッサ212B、入力部213及び記憶部214を備える。プロセッサ212Bは、目的地情報取得部221、待機位置決定部222B及び移動要求生成部223を備える。
通信部211Bは、第1自動車10Aによって送信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を受信する。また、通信部211Bは、受信した車両位置情報、状況情報及び通行障害情報をプロセッサ212Bへ出力するとともに、受信した車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を記憶部214に記憶する。
記憶部214は、通信部211Bによって受信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を記憶する。なお、記憶部214は、受信した日付及び時刻に対応付けて車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を記憶する。
待機位置決定部222Bは、記憶部214に記憶されている過去の通行障害情報(判定結果)それぞれ及び過去の車両位置情報(移動体位置情報)それぞれを用いて特定される過去の特定位置(過去の第1位置)と、通信部211Bによって受信された現在の通行障害情報(判定結果)それぞれ及び現在の車両位置情報(移動体位置情報)それぞれを用いて特定される現在の特定位置(現在の第1位置)と、目的地の位置(基準位置)とに応じて、待機位置(第2位置)を決定する。
すなわち、待機位置決定部222Bは、記憶部214に記憶されている過去の通行障害情報それぞれ及び過去の車両位置情報それぞれを用いて過去の特定位置を特定する。また、待機位置決定部222Bは、通信部211Bによって受信された現在の通行障害情報それぞれ及び現在の車両位置情報それぞれを用いて現在の特定位置を特定する。このとき、通行障害情報は、第1自動車が他の車両の通行を妨げたかについての判定結果を含む。
待機位置決定部222Bは、過去の通行障害情報それぞれに基づいて決定される、過去の車両位置情報それぞれの示す位置のうちの第1自動車が他の移動体の通行を妨げた過去の特定位置(過去の第3位置)を特定する。また、待機位置決定部222Bは、現在の通行障害情報それぞれに基づいて決定される、現在の車両位置情報それぞれの示す位置のうちの第1自動車が他の移動体の通行を妨げた現在の特定位置(現在の第3位置)を特定する。そして、待機位置決定部222Bは、妨げた過去の特定位置(過去の第3位置)及び妨げた現在の特定位置(現在の第3位置)以外の位置であって目的地の位置から所定の範囲内の位置を待機位置に決定する。
また、待機位置決定部222は、過去の通行障害情報それぞれに基づいて決定される、過去の車両位置情報それぞれの示す位置のうちの第1自動車が他の移動体の通行を妨げていない過去の特定位置(過去の第4位置)を特定してもよい。また、待機位置決定部222は、現在の通行障害情報それぞれに基づいて決定される、現在の車両位置情報それぞれの示す位置のうちの第1自動車が他の移動体の通行を妨げていない現在の特定位置(現在の第4位置)を特定してもよい。そして、待機位置決定部222Bは、妨げていない過去の特定位置(過去の第4位置)及び妨げていない現在の特定位置(現在の第4位置)であって目的地の位置から所定の範囲内の位置を待機位置に決定してもよい。
なお、待機位置決定部222Bは、第2自動車2Bが目的地の位置に到着するまでの到着時間を取得する。そして、所定の範囲は、到着時間内に待機位置から目的地の位置まで移動可能な範囲又は到着時間内に第2自動車2Bの現在地から待機位置を経由して目的地の位置まで移動可能な範囲である。また、所定の範囲は、所定の距離以下の範囲であってもよい。
さらに、待機位置決定部222Bは、第1自動車が他の車両の通行を妨げた度合いに基づいて、車両位置情報の示す位置を特定位置(第1位置)として特定する。
また、待機位置決定部222Bは、記憶部214に記憶されている車両位置情報で示される第1自動車の車両位置及び通信部211にBよって受信された車両位置情報で示される第1自動車の車両位置を経由した後、目的地情報取得部221によって取得された目的地の位置に目的地情報取得部221によって取得された到着時刻までに第2自動車2Bが到達可能な位置にある車両位置の中から、記憶部214に記憶されている車両位置情報、状況情報及び通行障害情報と通信部211Bによって受信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報とに基づいて、他の車両の通行の障害になりにくい車両位置を待機位置として決定してもよい。
この場合、待機位置決定部222Bは、カーナビゲーション機能を用いて、現在地点から、通信部211Bによって受信された車両位置及び記憶部214に記憶されている車両位置を経由した後、目的地情報取得部221によって取得された目的地の位置に到着した場合の推定到着時刻を取得し、当該推定到着時刻が到着時刻を過ぎない車両位置を、到達可能な位置にある車両位置として選択する。また、待機位置決定部222Bは、外部から無線通信を介して、現在地点から、通信部211Bによって受信された車両位置及び記憶部214に記憶されている車両位置を経由した後、目的地情報取得部221によって取得された目的地の位置に到着した場合の推定到着時刻を取得し、当該推定到着時刻が到着時刻を過ぎない車両位置を、到達可能な位置にある車両位置として選択してもよい。
そして、待機位置決定部222Bは、通信部211Bによって受信された車両位置及び記憶部214に記憶されている車両位置のうち、到着時刻までに目的地に到達可能な位置にある車両位置を順に検索し、それぞれの車両位置と共に受信及び記憶した通行障害情報が、第1自動車が他の車両の通行を妨げていないことを示している車両位置を待機位置として決定する。また、待機位置決定部222Bは、通信部211Bによって受信された車両位置及び記憶部214に記憶されている車両位置のうち、到着時刻までに目的地に到達可能な位置にある車両位置を順に検索し、それぞれの車両位置と共に受信及び記憶した状況情報及び通行障害情報のそれぞれについて、他の車両の通行の妨げとなっている度合いに応じた数値に重み付けして合算し、合算値が最も低い車両位置を待機位置として決定してもよい。
なお、記憶部214に記憶されている状況情報及び通行障害情報に対応付けられる数値は、記憶された時刻が古くなるほど重み付けを小さくしてもよい。
また、記憶部214に記憶されている車両位置情報、状況情報及び通行障害情報のうち、前日より前の現在時刻と同じ時刻における車両位置情報、状況情報及び通行障害情報のみが利用されてもよい。例えば、現在時刻が18時30分である場合、前日より前の日の18時30分における車両位置情報、状況情報及び通行障害情報のみが利用される。
また、記憶部214に記憶されている車両位置情報、状況情報及び通行障害情報のうち、現在時刻と同じ時刻を含む前日より前の時間帯における車両位置情報、状況情報及び通行障害情報のみが利用されてもよい。例えば、現在時刻が18時30分である場合、前日より前の日の18時から19時の時間帯における車両位置情報、状況情報及び通行障害情報のみが利用される。
また、記憶部214に記憶されている車両位置情報、状況情報及び通行障害情報のうち、現在時刻から所定時間前の時刻までの車両位置情報、状況情報及び通行障害情報のみが利用されてもよい。例えば、現在時刻が18時である場合、現在時刻から1時間前の時刻である17時までの車両位置情報、状況情報及び通行障害情報のみが利用される。
図21は、本開示の実施の形態8における自動車制御システムの制御の動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、第1自動車10A,10B,10Cのうちの第1自動車10Aと第2自動車2Bとの処理について説明するが、第1自動車10B,10Cと第2自動車2Bとの処理についても同様に行われる。
ステップS501~ステップS505の処理は、図12のステップS211~ステップS215の処理と同じである。
次に、通信部211Bは、第1自動車10Aから受信した車両位置情報、状況情報及び通行障害情報を現在時刻とともに記憶部214に記憶する(ステップS506)。これにより、記憶部214には、車両位置情報、状況情報及び通行障害情報の履歴が記憶されることになる。
次に、目的地情報取得部221は、目的地の位置と到着時刻とを示す目的地情報を入力部213から取得する(ステップS507)。
次に、待機位置決定部222Bは、通信部211Bによって受信された第1自動車10A,10B,10Cの現在の車両位置及び記憶部214に記憶されている第1自動車10A,10B,10Cの過去の車両位置を経由した後、目的地情報取得部221によって取得された目的地の位置に目的地情報取得部221によって取得された到着時刻までに到達可能な位置にある第1自動車10A,10B,10Cの車両位置の中から、通信部211Bによって受信された車両位置情報、状況情報及び通行障害情報と、記憶部214に記憶されている車両位置情報、状況情報及び通行障害情報とに基づいて、他の車両の通行の障害になりにくい車両位置を待機位置として決定する(ステップS508)。
ステップS509及びステップS510の処理は、図12のステップS218及びステップS219の処理と同じである。
なお、本実施の形態8における第2自動車2Bは、自動運転車であるため、人による運転操作なしに、自動的に待機位置に移動するが、本開示は特にこれに限定されず、第2自動車2Bは、自動運転車ではなく、人により運転されてもよい。この場合、第2自動車2Bは、移動制御部22及び駆動部23を備えず、ステップS510の処理を行わなくてもよい。また、第2自動車2Bは、移動要求生成部223によって生成された、待機位置に第2自動車2Bを移動させるための移動要求を表示する表示部を備えてもよい。ステップS509の処理の後、表示部は、移動要求生成部223によって生成された移動要求を表示し、処理を終了する。なお、表示部に表示される移動要求は、例えば、待機位置の住所又は現在位置から待機位置までのルートを示す。その後、実際の第2自動車2Bの移動は、表示部に表示された移動要求を認識した人の運転によって行われる。なお、上記の移動制御は一例であり、本開示を限定するものではない。
ステップS510の処理において、人が運転操作しなかったり、人の運転操作が限定的であったりした場合でも、待機位置決定部222Bによって決定された待機位置に第2自動車2Bを移動させることができる。特に、第2自動車2Bが自動運転車又は運転補助機能付きの自動車である場合において効果が大きい。
なお、通行障害検出部163及び待機位置決定部222で行う処理は、機械学習を用いてもよい。機械学習には、例えば、入力情報に対してラベル(出力情報)が付与された教師データを用いて入力と出力との関係を学習する教師あり学習、ラベルのない入力のみからデータの構造を構築する教師なし学習、ラベルありとラベルなしのどちらも扱う半教師あり学習、状態の観測結果から選択した行動に対するフィードバック(報酬)を得ることにより、最も多く報酬を得ることができる連続した行動を学習する強化学習などが挙げられる。また、機械学習の具体的な手法として、ニューラルネットワーク(多層のニューラルネットワークを用いた深層学習を含む)、遺伝的プログラミング、決定木、ベイジアン・ネットワーク、サポート・ベクター・マシン(SVM)などが存在する。本開示においては、以上で挙げた具体例のいずれかを用いればよい。
本開示において、ユニット、装置、部材又は部の全部又は一部、又は図に示されるブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(Large Scale Integration)を含む一つ又は複数の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIやICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、若しくはULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるReconfigurable Logic Deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、ユニット、装置、部材又は部の全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウエア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウエアは一つ又は複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウエアが処理装置(Processor)によって実行されたときに、そのソフトウエアで特定された機能が処理装置(Processor)および周辺装置によって実行される。システム又は装置は、ソフトウエアが記録されている一つ又は複数の非一時的記録媒体、処理装置(Processor)、及び必要とされるハードウエアデバイス、例えばインターフェース、を備えていてもよい。