JP7217388B2 - 積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
<1>
少なくとも、基材層と、前記基材層の表面に設けられる表面層とを備える積層体であって、
前記表面層は、沸点が120℃未満の有機溶剤(A)、及び沸点が120℃以上の有機溶剤(B)を質量比で、A:B=3:7~7:3の範囲で含有した樹脂組成物を塗工し、少なくとも、第1の乾燥炉で60~90℃の範囲の温度で乾燥させた後、第2の乾燥炉で100℃~130℃の範囲の温度で乾燥させることにより形成されており、
前記樹脂組成物は、(メタ)アクリロイルポリマー(C)を含み、前記(メタ)アクリロイルポリマー(C)は200~600g/eqの(メタ)アクリル等量と5,000~200,000の質量平均分子量を有し、
積層体における残留溶剤量が82mg/m2以下である、積層体。
<2>
前記(メタ)アクロイルポリマー(C)が、以下の式(I)で示される繰り返し単位を含む、<1>に記載の積層体。
(式(I)中、
mは、炭素数1~4のアルキレン基、又は、単結合であり、
nは、炭素数1~4のアルキル基、又は、水素であり、
pは、単結合、又は、炭素数1又は2のアルキレン基であり、
qは、エポキシ基、水酸基、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基の少なくともいずれかの置換基を含んでも良い全炭素数が1~12のアルキル基、又は、水素である。)
<3>
前記式(I)において、
mが、炭素数1又は2のアルキレン基であり、
nが、炭素数1又は2のアルキル基あり、
pが、単結合、又は、メチレン基であり、
qが、グリシジル基、水酸基、及び、アクリロイル基の少なくともいずれかの置換基を含んでも良い全炭素数が1~6のアルキル基、又は、水素である、<2>に記載の積層体。
<4>
前記式(I)において、mはメチレン基であり、nはメチル基であり、pは単結合であり、qは、メチル基、グリシジル基(エポキシ基)を含む炭素数5以下のアルキル基、又は、水酸基とアクリロイル基とを含む炭素数8以下のアルキル基である、<3>に記載の積層体。
<5>
(メタ)アクリロイルポリマー(C)が、以下の式(II-a)、式(II-b)、及び、式(II-c)で示される繰り返し単位の少なくともいずれかを含む、<2>に記載の積層体。
<6>
前記式(II-a)の繰り返し単位、前記式(II-b)の繰り返し単位、及び、前記式(II-c)の繰り返し単位の合計モル数を基準として、前記式(II-a)の繰り返し単位は、30~85モル%であり、前記式(II-b)の繰り返し単位は、5~30モル%であり、前記式(II-c)の繰り返し単位は、10~40モル%である、<5>に記載の積層体。
<7>
前記式(II-a)の繰り返し単位と、前記式(II-b)の繰り返し単位と、前記式(II-c)の繰り返し単位とのモル比が、4.5~5.5:1.5~2.5:2.5~3.5である、<5>に記載の積層体。
<8>
(メタ)アクリロイルポリマー(C)が、ペンタエリスリトール系多官能性アクリレート化合物をさらに含む。<1>~<7>のいずれかに記載の積層体。
<9>
前記ペンタエリスリトール系多官能性アクリレート化合物が、以下の式(III-a)で示されるペンタエリスリトールテトラアクリレート、及び、式(III-b)で示されるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び、ペンタエリスリトールトリアクリレートからなる群より選択される1以上である、<8>に記載の積層体。
<10>
前記ペンタエリスリトール系多官能性アクリレート化合物が、前記樹脂組成物の総質量を基準として、70質量%以下の量で含まれる、<8>又は<9>に記載の積層体。
<11>
前記樹脂組成物が、放射線硬化性である、<1>~<10>のいずれかに記載の積層体。
<12>
前記樹脂組成物が、光重合開始剤をさらに含む、<1>~<11>のいずれかに記載の積層体。
<13>
前記基材層が、熱可塑性樹脂を含む、<1>~<12>のいずれかに記載の積層体。
<14>
硬化フィルムである、<1>~<13>のいずれかに記載の積層体。
<15>
<1>~<14>のいずれかに記載の積層体を熱成形した成形体。
<16>
<1>~<14>のいずれかに記載の積層体を製造する方法であって、前記方法が、
放射線硬化性樹脂と有機溶剤とを含有する樹脂組成物を基材層の表面に塗工し塗工物を得る工程1と、
得られた塗工物を乾燥させて、前記基材層の表面に表面層を形成する工程2
と含み、
前記積層体は、少なくとも、基材層と表面層とを備え、
前記樹脂組成物は、沸点が120℃未満の有機溶剤(A)、及び沸点が120℃以上の有機溶剤(B)を質量比で、A:B=3:7~7:3の範囲で含有し、
前記樹脂組成物は、(メタ)アクリロイルポリマー(C)を含み、前記(メタ)アクリロイルポリマー(C)は200~600g/eqの(メタ)アクリル等量と5,000~200,000の質量平均分子量を有し、
積層体における残留溶剤量が82mg/m2以下である、方法。
<17>
前記工程2において、少なくとも2つの乾燥炉が使用され、最後の乾燥炉における乾燥炉温度は最初の乾燥炉における乾燥炉温度よりも高い、<16>に記載の方法。
<18>
前記工程2において、塗工物を60℃以上に加温可能な乾燥炉が少なくとも2つ使用され、
第1の乾燥炉における乾燥炉温度が60~90℃の範囲であり、第2の乾燥炉おける乾燥炉温度が100~130℃の範囲である、<16>又は<17>に記載の方法。
<19>
前記基材層の厚さが、0.1mm~1.0mmであり、前記基材層の表面に塗工した樹脂組成物の層の厚さが、1.0μm~10μmである、<16>~<18>のいずれかに記載の方法。
本発明の積層体10の構造は、例えば図1に示される。すなわち、本発明の積層体10は、少なくとも、基材層30と、基材層30の表面に設けられる表面層20とを備える(図1)。本発明の好ましい実施形態において、積層体は、成形用積層体である。本発明の積層体10は、表面層20の基材層30と接していない側の表面に、マスキング層などの更なる層を備えてもよい。本発明の実施形態において、積層体10における残留溶剤量は82mg/m2以下である。
前記表面層は、沸点が120℃未満の有機溶剤(A)、及び沸点が120℃以上の有機溶剤(B)を質量比で、A:B=3:7~7:3の範囲で含有した樹脂組成物を塗工し、少なくとも、第1の乾燥炉で60~90℃の範囲の温度で乾燥させた後、第2の乾燥炉で100℃~130℃の範囲の温度で乾燥させることにより形成されており、
前記樹脂組成物は、(メタ)アクリロイルポリマー(C)を含み、前記(メタ)アクリロイルポリマー(C)は200~600g/eqの(メタ)アクリル等量と5,000~200,000の質量平均分子量を有し、
積層体における残留溶剤量が82mg/m2以下である、積層体
が提供される。
本発明の積層体10において、基材層30は、1つの層から構成されてもよいし、2つ以上の層から構成されてもよい。本発明の一実施形態において、基材層30は、例えば、第1の樹脂層31と第2の樹脂層32とから構成され得る(図1)。
本発明の表面層20は、上記基材層30の表面に樹脂組成物を塗工し乾燥させることにより設けられる。上記基材層30が複数の層、例えば、第1の樹脂層31と第2の樹脂層32とから構成される場合(図1)、表面層20は、前記第1の樹脂層31と前記第2の樹脂層32とを備える基材層30の第1の樹脂層31側の表面上に積層されている(図1)。
本発明の表面層に用いられる樹脂組成物は、(メタ)アクリロイルポリマー(C)と有機溶剤とを含む。
本発明の実施形態において、(メタ)アクリロイルポリマー(C)は、200~600g/eqの(メタ)アクリル当量を有する。(メタ)アクリロイルポリマーの(メタ)アクリル当量は、好ましくは、200~500g/eqであり、より好ましくは220~450g/eqであり、更により好ましくは、250~400g/eqである。
Mw=Σ(NiMi2)/Σ(NiMi)・・・・(A)
ただし、式(I)において、mは、炭素数1~4のアルキレン基、又は、単結合であり、nは、炭素数1~4のアルキル基、又は、水素であり、pは、単結合、又は、炭素数1又は2のアルキレン基であり、qは、エポキシ基、水酸基、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基の少なくともいずれかの置換基を含んでも良い全炭素数が1~12のアルキル基、又は、水素である。
表面層に用いられる樹脂組成物は、希釈溶剤として、有機溶剤を含む。本発明の実施形態において、表面層に用いられる樹脂組成物は、希釈溶剤として、沸点が120℃未満の有機溶剤(A)と、沸点が120℃以上の有機溶剤(B)とを含む。本明細書において、沸点とは、1気圧下における沸点を意味する。
3:7~7:3、3:7~7:3.5(すなわち2:1)、3:7~6:4、3:7~5:5、3:7~4:6、3:7~3.5:7(すなわち1:2);
3.5:7(すなわち1:2)~7:3、3.5:7(すなわち1:2)~7:3.5(すなわち2:1)、3.5:7(すなわち1:2)~6:4、3.5:7(すなわち1:2)~5:5、3.5:7(すなわち1:2)~4:6;
4:6~7:3、4:6~7:3.5(すなわち2:1)、4:6~6:4、4:6~5:5;
5:5~7:3、5:5~7:3.5(すなわち2:1)、5:5~6:4;
6:4~7:3、6:4~7:3.5(すなわち2:1);
7:3.5(すなわち2:1)~7:3;
で含有してよい。
3:7~7:3、3:7~7:3.5(すなわち2:1)、3:7~6:4、3:7~5:5;
3.5:7(すなわち1:2)~7:3、3.5:7(すなわち1:2)~7:3.5(すなわち2:1)、3.5:7(すなわち1:2)~6:4、3.5:7(すなわち1:2)~5:5;
4:6~7:3、4:6~7:3.5(すなわち2:1)、4:6~6:4、4:6~5:5;
で含有してよい。
表面層に用いられる樹脂組成物は、上述の(メタ)アクリロイルポリマー(C)に加え、レベリング剤をさらに含むことが好ましい。レベリング剤としては、例えば、フッ素系添加剤、シリコーン系添加剤等が用いられる。
表面層に用いられる樹脂組成物は、上述の(メタ)アクリロイルポリマー(C)、有機溶剤(A)、有機溶剤(B)等の材料物質をブレンドすることにより製造される。例えば、タンブラーを用いて(メタ)アクリロイルポリマー等の各成分を混合することにより、樹脂組成物を製造する。
(i)未硬化状態でのタックフリー性
本発明において表面層に用いられる樹脂組成物は、タックフリー性に優れている。このため、未硬化の状態の樹脂組成物が、例えば作業者の手などの他の物質と接触しても、所定の形状を維持することができ、かつ接触した物質の表面に樹脂組成物の一部が付着することは抑制される。このように、タックフリー性に優れている樹脂組成物によれば、様々な用途に適した形状に成形した後で、硬化させる加工を容易に実施することができる。また、硬化前の状態の樹脂組成物を所定の形状のまま保管、あるいは流通させることも容易である。
本発明の表面層に用いられる樹脂組成物は、未硬化の状態における成形性にも優れている。上記の樹脂組成物の成形性は、例えば、以下のように評価される。すなわち、基材層の表面上に上記の樹脂組成物を塗工して乾燥させた後、得られた塗工物を、凸部を有する金型上に配置した状態で加熱して圧空成形性を実施したときに、シート状の樹脂組成物が、凸部に追従しつつ適度に延伸されるか否か、及び、クラックが発生するか否か、等によって評価され得る。
基材層を含む積層体は、以下のように製造される。
まず、基材層を構成する樹脂組成物等の材料を従来の手法で層状(シート状)に加工し、基材層を製造する。例えば、押出成形、キャスト成形による方法である。押出成形の例としては、基材層に用いる樹脂組成物のペレット、フレークあるいは粉末を押出機で溶融、混練後、Tダイ等から押出し、得られる半溶融状のシートをロールで挟圧しながら、冷却、固化してシートを形成する方法が挙げられる。基材層の組成については、上述した通りである。基材層は、単一層から構成されてもよいし、複数の層からこうせいされてもよい。本発明の一実施形態において、基材層30は、例えば、第1の樹脂層31と第2の樹脂層32とから構成され得る(図1)。
そして単一層、もしくは複数の層を有する基材層の外側表面に、上述のように製造した、表面層に用いる樹脂組成物を塗工して表面層を形成する。表面層に用いる樹脂組成物の組成及び性状については、上述した通りである。
放射線硬化性樹脂と有機溶剤とを含有する樹脂組成物を基材層の表面に塗工し塗工物を得る工程1と、
得られた塗工物を乾燥させて、前記基材層の表面に表面層を形成する工程2と含む方法によって形成される。そして、本発明の方法によれば、積層体における残留溶剤量が82mg/m2以下である、積層体を得ることができる。
放射線硬化性樹脂と有機溶剤とを含有する樹脂組成物を基材層の表面に塗工し塗工物を得る工程1と、
得られた塗工物を乾燥させて、前記基材層の表面に表面層を形成する工程2
と含み、
前記積層体は、少なくとも、基材層と表面層とを備え、
前記樹脂組成物は、沸点が120℃未満の有機溶剤(A)、及び沸点が120℃以上の有機溶剤(B)を質量比で、A:B=3:7~7:3の範囲で含有し、
前記樹脂組成物は、(メタ)アクリロイルポリマー(C)を含み、前記(メタ)アクリロイルポリマー(C)は200~600g/eqの(メタ)アクリル等量と5,000~200,000の質量平均分子量を有し、
積層体における残留溶剤量が82mg/m2以下である、方法
が提供される。
(i)厚さ
本発明において、表面層20の厚さは1.0μm~10μmであることが好ましい。表面層の厚さは、例えば、2.0μm~8.0μm、あるいは3.0μm~7.0μmである。
表面層を硬化させると、高い耐擦傷性が実現される。詳細を後述するように、表面層を備える積層体を硬化させると、表面層の表面における耐擦傷性は、硬化したPMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)やレンズ用樹脂よりも優れていることが確認された。
硬化させた表面層は、高い硬度を有する。具体的には、JIS K 5600-5-4:1999の評価方法における鉛筆硬度B以上を実現できる。硬化させた表面層の表面において、より好ましくはF以上、特に好ましくは2H以上の鉛筆硬度が実現される。
樹脂組成物を硬化させて得られる表面層は、基材層に対する密着性にも優れている。具体的には、詳細を後述するように、基材層上に塗工し、硬化させた場合に、JIS K 5600-5-6:1999の評価方法によって定められる評価結果が0であり、評価結果1~5よりも良好な結果が得られた。
(i)残留溶媒量
本発明の一実施形態において、積層体における残留溶剤量が82mg/m2以下である、積層体が提供され得る。本発明の実施形態において、積層体における残留溶剤量は、82mg/m2以下、80mg/m2以下、75mg/m2以下、70mg/m2以下、65mg/m2以下、60mg/m2以下、55mg/m2以下、50mg/m2以下、45mg/m2以下、40mg/m2以下、35mg/m2以下、30mg/m2以下、25mg/m2以下、などであってよい。本発明において、積層体における残留溶剤量は、少なければ少ないほど好ましい。
前記表面層は、沸点が120℃未満の有機溶剤(A)、及び沸点が120℃以上の有機溶剤(B)を質量比で、A:B=3:7~7:3の範囲で含有した樹脂組成物を塗工し、少なくとも、第1の乾燥炉で60~90℃の範囲の温度で乾燥させた後、第2の乾燥炉で100℃~130℃の範囲の温度で乾燥させることにより形成されており、
前記樹脂組成物は、(メタ)アクリロイルポリマー(C)を含み、前記(メタ)アクリロイルポリマー(C)は200~600g/eqの(メタ)アクリル等量と5,000~200,000の質量平均分子量を有し、
積層体における残留溶剤量が82mg/m2以下である、積層体
を得ることができる。
ピンホールの有無は、透過光・反射光にて目視評価し、0.06mmφ以上かつ0.3mm2以上のサイズのピンホールが10個/m2未満を合格とし、10個/m2以上を不合格とした。
レベリングの有無は、透過光・反射光にて目視評価し、塗工時に発生し得る、塗料が抜けた線状欠陥や、平滑な面が得られずに凹凸が発生している状態がない場合を合格とし、ある場合を不合格とした。
上記の塗工物を乾燥させることにより硬化させると、積層体は、硬化フィルムとして得ることができる。マスキングフィルムを貼合せた場合には、マスキングフィルムを除去した後硬化させる。本発明の好ましい実施形態において、積層体は、硬化フィルムである。
上述の積層体を熱成形させることにより、成形体を得ることができる。本発明の一実施形態において、上述の積層体を熱成形させた成形体が提供される。
紫外線硬化型アクリロイルポリマー(根上工業製 アートキュアRA-3602MI)に、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン(MIBK)を混合することにより、MIBK:シクロヘキサノンの質量比が6:4となり、かつ固形分濃度が20質量%になるように調整した。さらに、光重合開始剤IRGACURE 184(固形分に対し3質量%)を添加して、表面層に用いる樹脂組成物を得た。
下記表に示される組成、乾燥温度に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体について、実施例1と同様に、残留溶媒量、ピンホールの有無、レベリング不良の有無を評価した。評価結果は下記表に示す。
20 表面層
30 基材層
31 第1の樹脂層
32 第2の樹脂層
Claims (19)
- 少なくとも、基材層と、前記基材層の表面に設けられる表面層とを備える積層体であって、
前記表面層は、沸点が120℃未満の有機溶剤(A)、及び沸点が120℃以上の有機溶剤(B)を質量比で、A:B=3:7~7:3の範囲で含有した樹脂組成物を塗工し、少なくとも、第1の乾燥炉で60~90℃の範囲の温度で乾燥させた後、第2の乾燥炉で100℃~130℃の範囲の温度で乾燥させ、UV硬化させることにより形成されており、
前記樹脂組成物は、(メタ)アクリロイルポリマー(C)を含み、前記(メタ)アクリロイルポリマー(C)は200~600g/eqの(メタ)アクリル等量と5,000~200,000の質量平均分子量を有し、
積層体における残留溶剤量が82mg/m2以下である、積層体。 - 前記式(I)において、
mが、炭素数1又は2のアルキレン基であり、
nが、炭素数1又は2のアルキル基あり、
pが、単結合、又は、メチレン基であり、
qが、グリシジル基、水酸基、及び、アクリロイル基の少なくともいずれかの置換基を含んでも良い全炭素数が1~6のアルキル基、又は、水素である、請求項2に記載の積層体。 - 前記式(I)において、mはメチレン基であり、nはメチル基であり、pは単結合であり、qは、メチル基、グリシジル基(エポキシ基)を含む炭素数5以下のアルキル基、又は、水酸基とアクリロイル基とを含む炭素数8以下のアルキル基である、請求項3に記載の積層体。
- 前記式(II-a)の繰り返し単位、前記式(II-b)の繰り返し単位、及び、前記式(II-c)の繰り返し単位の合計モル数を基準として、前記式(II-a)の繰り返し単位は、30~85モル%であり、前記式(II-b)の繰り返し単位は、5~30モル%であり、前記式(II-c)の繰り返し単位は、10~40モル%である、請求項5に記載の積層体。
- 前記式(II-a)の繰り返し単位と、前記式(II-b)の繰り返し単位と、前記式(II-c)の繰り返し単位とのモル比が、4.5~5.5:1.5~2.5:2.5~3.5である、請求項5に記載の積層体。
- (メタ)アクリロイルポリマー(C)が、ペンタエリスリトール系多官能性アクリレート化合物をさらに含む。請求項1~7のいずれかに記載の積層体。
- 前記ペンタエリスリトール系多官能性アクリレート化合物が、前記樹脂組成物の総質量を基準として、70質量%以下の量で含まれる、請求項8又は9に記載の積層体。
- 前記樹脂組成物が、放射線硬化性である、請求項1~10のいずれかに記載の積層体。
- 前記樹脂組成物が、光重合開始剤をさらに含む、請求項1~11のいずれかに記載の積層体。
- 前記基材層が、熱可塑性樹脂を含む、請求項1~12のいずれかに記載の積層体。
- 硬化フィルムである、請求項1~13のいずれかに記載の積層体。
- 請求項1~14のいずれかに記載の積層体を熱成形した成形体。
- 請求項1~14のいずれかに記載の積層体を製造する方法であって、前記方法が、
放射線硬化性樹脂と有機溶剤とを含有する樹脂組成物を基材層の表面に塗工し塗工物を得る工程1と、
得られた塗工物を第1の乾燥炉で60~90℃の範囲の温度で乾燥させた後、第2の乾燥炉で100℃~130℃の範囲の温度で乾燥させて、前記基材層の表面に表面層を形成する工程2と、
UV硬化させる工程
と含み、
前記積層体は、少なくとも、基材層と表面層とを備え、
前記樹脂組成物は、沸点が120℃未満の有機溶剤(A)、及び沸点が120℃以上の有機溶剤(B)を質量比で、A:B=3:7~7:3の範囲で含有し、
前記樹脂組成物は、(メタ)アクリロイルポリマー(C)を含み、前記(メタ)アクリロイルポリマー(C)は200~600g/eqの(メタ)アクリル等量と5,000~200,000の質量平均分子量を有し、
積層体における残留溶剤量が82mg/m2以下である、方法。 - 前記工程2において、少なくとも2つの乾燥炉が使用され、最後の乾燥炉における乾燥炉温度は最初の乾燥炉における乾燥炉温度よりも高い、請求項16に記載の方法。
- 前記工程2において、塗工物を60℃以上に加温可能な乾燥炉が少なくとも2つ使用され、
第1の乾燥炉における乾燥炉温度が60~90℃の範囲であり、第2の乾燥炉おける乾燥炉温度が100~130℃の範囲である、請求項16又は17に記載の方法。 - 前記基材層の厚さが、0.1mm~1.0mmであり、前記基材層の表面に塗工した樹脂組成物の層の厚さが、1.0μm~10μmである、請求項16~18のいずれかに記載の方法。
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