典型的な地上セルラ電気通信ネットワークでは、複数のモバイルデバイスが、複数の電気通信インフラストラクチャ要素と通信する。この電気通信インフラストラクチャは、限定されるわけではないが、タワー、アンテナ、電波、トランシーバ、デジタル信号、プロセッサ、電気キャビネット、サーバ、コンピュータ等を含み得るハードウェアを備え得る。この電気通信インフラストラクチャは、典型的には、機能および接続により共に、サービスを受ける様々なモバイルデバイスの電気通信トラフィック量を管理するための統合システムとして編成される。この統合システムは、1つまたは複数のネットワークを備え得る。これらのネットワーク自体は、典型的には、様々なインタフェースおよびプロトコルを通じて互いに接続するようにも設計される。これらのプロトコルおよびインタフェースのうちのいくつかは、限定されるわけではないが、TCP/IP、ISDN、SS7等を含み得る。地上セルラネットワークおよびそれらの機能は、典型的なLTEセルラネットワークの文脈において用いられ得る。しかしながら、この種のネットワークよりも劣る構造および機能が、GSM(登録商標)、CDMA、EDGE、UMTS等のネットワークなど、他の地上セルラネットワークのために用いられ得る。
図1は、典型的なLTE地上セルラネットワークの高レベルアーキテクチャを示す。図1における各ノードは、ネットワーク内の動作中の「ノード」を表す。ノードは、いくつかの実施形態において、電子ハードウェアにより実行およびホスティングされるソフトウェアにより実装される。各ノードは、特定の機能または一組の機能にサービスを提供してよく、制御プレーンのシグナリングおよび/またはユーザプレーンのトラフィックルーティングを担ってよく、制御トラフィックまたはユーザトラフィックをルーティングするための、ネットワーク内の他のノードへのインタフェースを有する。訪問ネットワーク102が、無線アクセスネットワーク(RAN)106およびコアネットワーク108をホスティングし得る。訪問ネットワークは、ホームネットワーク104と相互作用し得る。ホームネットワーク104も、訪問ネットワークと同じかまたは同様の種類の無線アクセスネットワークおよびコアネットワークをホスティングする。簡潔さのために、全ての要素が示されていないことがある。ネットワークは、加入者エンドユーザに応じて、ホームネットワークまたは訪問ネットワークであってよい。
無線アクセスネットワークはE-UTRANであってよく、コアネットワークはEPCであってよい。E-UTRANは、エアインタフェース(Uu)を介したUE112との通信を可能にする基地局110を備え得る。基地局は、LTEネットワーク用の基地局であってよい。そのような基地局は、「進化型ノードB」基地局または「UTRANノードB」基地局であってよい。これらは各々、「eNodeB」または「基地局」と称されることが多い。基地局は、携帯電話ネットワークとモバイルハンドセット(UE)とを無線接続するためのハードウェアを含む。
基地局は、X2インタフェースを介して、互いに接続を維持することで制御シグナリングおよびユーザシグナリングを動かし得る。基地局は、制御プレーンおよびユーザプレーン、つまり、S1-CPおよびS1-UPを通じて、EPCに接続する。制御プレーンはMME114にインタフェース接続し、ユーザプレーンインタフェースはS-GW116にインタフェース接続する。MMEは、別の制御インタフェースを通じて、つまり、S11インタフェースを通じてS-GWに接続してよく、S10インタフェースを通じて他のMMEに接続してよく、S6aインタフェースを通じてHSSデータベース122に接続してよい。EPCもP-GW118をホスティングする。P-GWは、ホームネットワーク内のS5インタフェースを通じて、S-GWへの制御プレーンおよびユーザプレーンでの接続をする。同様の接続が、訪問ネットワークのS-GWとホームネットワーク120のP-GWとの間に存在し得る。この接続は、S8インタフェースであり、また、制御プレーンおよびユーザプレーンを含む。P-GWは、PCRF124で制御インタフェースを維持する。P-GWは、SGiインタフェースを通じたPDNサーバ126への接続を維持する。
図2は、LTEネットワーク内の各インタフェース用の制御プレーンプロトコルスタックを示す。これは、制御トラフィックを渡すための各ノード接続がどのように実装されるかを説明している。制御プレーンインタフェースは、有線式であってもよく、無線式であってもよい。UEスタック202は、アプリケーション層、IP層、PDCP層、RLC層、MAC層およびPHY層を動作させて、LTE-Uuインタフェース212を介して基地局スタック204と通信する。基地局スタックは、アプリケーション層パケットおよびIP層プロトコルパケットを中継するが、PDCP、RLC、MACおよびPHY層を用いてエアインタフェースの相互作用およびチャネル割り当ての変調スキームを調整することにより、HARQ、ARQ等の要件を符号化する。基地局スタックは、S-GWスタック206へのS1-Uインタフェース214を介して、UEからのトラフィックをコアネットワークへルーティングする。基地局とS-GWとの間でIPベースデータパケットを渡すために、トンネリングプロトコル、つまり、GTP-Uが用いられる。S5インタフェースおよびS8インタフェース216は、S1インタフェースとほぼ同一である。しかしながら、S-GWスタックは、IPパケットを中継し、P-GWスタック208は、IPデータパケットを受信する。P-GWは、UEと、エンドUEのためにバックエンドIPサービスを提供しているパケットデータネットワーク(PDN)スタック210との間のSGiインタフェース218を用いて、ルーティングIPトラフィック用のサービングノードとして機能する。UE上のアプリケーション層と互換性があるアプリケーション層は、アプリケーション層サービス(例えば、スマートフォンアプリケーション)を提供するPDN上に存在する。基地局スタック204は、X2-Uインタフェース220を介して互いに通信する。X2-Uインタフェースは、トンネリングプロトコルGTP-UおよびSCTP移送層を用いて、基地局等間のハンドオーバの間、エンドUE用のIPデータパケットをルーティングする。
図3は、LTEネットワーク内の各インタフェース用のユーザプレーンプロトコルスタックを示す。これは、ユーザトラフィックを渡すための各ノード接続がどのように実装され得るかを説明している。ユーザプレーンインタフェースは、有線式であってもよく、無線式であってもよい。UEスタック302は、LTE-Uuインタフェース316を介して基地局スタック304と通信する。非アクセス層(NAS)は、MMEスタック306とUEスタックとの間のLTE無線遠距離通信プロトコルスタック内の機能層である。NAS層は、ネットワークを通じて動くので、通信セッションの確立を管理するために、かつ、ユーザ機器との連続的な通信を維持するために用いられる。基地局スタックは、MMEとUEとの間のこの層を中継すると共に、PDCPを用いて、無線リソース制御メッセージをUEへ移送する。MMEスタックは、S1-Cインタフェース318を介して基地局スタックと通信する。MMEは、SCTPを用いて、NASシグナリングに基づくS1-APプロトコルセッションを移送する。MMEは、S11インタフェース320を介してS-GWスタック308と通信する。このインタフェースは、トンネリングプロトコルおよびUDPを用いて、IPパケットを移送する。また、S-GWスタックは、S11インタフェースと同様の構造を用いて、S5/S8制御プレーンインタフェース322を介してP-GWスタック310と通信する。UDPを用いてX2-APメッセージを移送する、UEスタック304間のX2-Cインタフェース324など、さらなるインタフェースが存在する。これは、UEハンドオーバ中の基地局間の制御シグナリングのために用いられる。MMEスタック306は、S10インタフェース326を介して通信する。これは、UDPを用いて、トンネリングプロトコルメッセージを移送する。また、MMEスタックは、S6aインタフェース328を介してHSSデータベース312と通信する。このインタフェースは、SCTPを用いて、直径メッセージを移送する。P-GWスタック310をPCRFデータベース314に接続するS7インタフェース330上で、同じスタックが用いられる。
[モバイルハンドセット/デバイス]
一般的に、個々のユーザは、ネットワーク上で動作するモバイルデバイスを携帯する。これらのモバイルデバイスは、典型的には、携帯電話またはセルラ式電話であり、より技術的な専門家の間では、ユーザ機器(UE)またはモバイルステーション(MS)と称されることが多い。モバイルデバイスは、マシンツーマシン(M2M)またはモノのインターネット(IoT)のセルラデバイスまたはセルラモジュールも含み得る。この説明において、説明されている、ネットワークの携帯電話またはエンドユーザデバイスは、UEと称され得る。
UEは、ハードウェアおよびSIMカードを備え得る。ハードウェアは、物理電話またはデバイス自体を含み得る。実際のハードウェアは、デバイスの国際携帯機器識別番号、すなわちIMEIとして知られる一組の数字を含み得る。この数字は、オンであり、かつ、ネットワーク上で物理デバイスが盗まれたとマーキングされているかどうかをチェックするために、また、他の目的で用いられるハードウェアの正確な部品に固有のものである。物理デバイスは、典型的には、エアインタフェースまたはRFインタフェースを介してセルラネットワークとインタフェース接続できるように、トランスミッタおよびレシーバを含む。トランスミッタおよびレシーバと共に、スクリーン/キーボードなどのデジタルインタフェース、またはGPIOピンなどの電気インタフェースが存在し得る。これらのインタフェースは、デバイスがどのようにネットワークにアクセスし、音声、テキストまたはデータペイロード/データパケットを送信および受信するかを制御するために用いられ得る。
また、UEは、典型的には、ファームウェアと、ユーザが特定の機能にアクセスすることを可能にするアプリケーション層ソフトウェアとを用いてロードされる。これらの機能は、音声通話、SMSメッセージの送信、インターネットのブラウジングまたは他のアプリケーション(例えば、メッセージング、ゲーム、ストリーミング等)の使用であってよい。UEは、モバイルネットワークとのエアインタフェースを介して特定のデータレートを実現するために、特定の信号レベルまたはQoSを必要とし得る。例として、SMSテクスティングは、比較的弱いリンクレベルで(かつ、故に、高符号化間接費率において低次変調スキームで、かつ、故に、低データレートで)正常に動作でき、一方、ビデオストリーミングは、合理的なダウンロード回数および品質のビデオストリームのために、より高いデータレート(かつ、故に、低符号化間接費率において高次変調スキーム、かつ、故に、より高いデータレート)を必要とし得る。典型的には、UEは、様々な可能な帯域(例えば、周波数)およびプロトコル(例えば、GSM、LTE、UMTS、CDMA等)でセルラネットワークにアクセスするように設計される。いくつかのスマートフォンは、「世界電話」と称され得る。なぜなら、それらは、エンドユーザが世界を旅行し、かつ、用いられているセルラプロトコルの違いにかかわらず世界中の様々な位置においてローカルセルラネットワークに接続できる状態のままであることを可能にする帯域およびプロトコルに対応するように設計されているからである。この理由は、LTE、GSM、CDMA等のプロトコルのための典型的なセルラ帯域割り当てが十分に確立されており、地球中の特定の国における特定のMNOに対してライセンスが割り当てられていることである。
加入者識別情報モジュール、すなわちSIMは、ユーザがネットワークを用いるための加入者識別情報を含む。SIM上に格納される様々な数および情報のうちの1つが、ネットワークの特定の加入者に対応する一意の数である国際移動電話加入者識別番号(IMSI)である。いくつかの電話は、複数のSIMカードを可能にする。これは、単一のデバイスが複数のIMSIを有し得ることを意味する。これにより、エンドユーザは、複数のネットワーク上で「ホーム」ユーザになることを望む場合、複数の国または同じ国においてでさえローカルプランを有することが可能になる。また、SIMカードは、加入者識別情報を変更して異なるネットワークに「ホーム」加入者として接続するために、デバイスの内部および外部でスワップされ得る。この技術は、旅行することが多く、かつ、旅行する度にローミング料金を支払うことを求めないユーザにとって有利であり得る。
[無線アクセスネットワーク]
ネットワークにアクセスすべく、UEは、セルラネットワークの無線アクセスネットワーク(RAN)とのエアインタフェースを用いる。RANは、名前が示唆するように、無線周波数通信を用いたアクセスを可能にするネットワークであり得る。RANは、ネットワーク上のモバイルデバイスと電気通信インフラストラクチャ自体のコアネットワークとの間のインタフェースとして機能する。
LTEアーキテクチャにおいて、RANは、進化型UMTS地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)と称されることが多い。E-UTRANは、典型的には、UEと共に物理インタフェースまたはUuを実装する機能要素である複数の基地局を備える。物理インタフェースは、タイムスロットおよびリソースブロック(RB)としての時間および周波数内で中断される。RBは、基地局のスケジューラによりUEに割り当てられる。これは、位置、配備構成、カバレッジ要件等に応じてトラフィックフローを最適化する様々なアルゴリズムのうちの1つにより駆動され得る。ネットワーク内の基地局は、X2インタフェースを通じ互いにインタフェース接続する。これにより、UEがネットワークについてモバイル方式で動作するときに基地局から基地局へのハンドオーバを主にサポートするための通話/テキスト/データパケットの転送およびシグナリングが可能になる。また、基地局は、S1インタフェースを通じて、UEをコアネットワーク、またはLTEネットワーク内の進化型パケットコア(EPC)に接続する。
[コアネットワーク]
コアネットワークは、LTEアーキテクチャ内の進化型パケットコア(EPC)と呼ばれることが多く、UEが通信する必要があり得る、UEと、ネットワーク、インターネットおよび他のネットワーク/デバイス上の他のUEとの間のインタフェースとして動作するセルラネットワーク内のほとんどの許可機能を保持する。他のネットワークおよびインターネットにアクセスすることにより、加入者は、ホームネットワーク上にいないユーザと通信したり、特定のアプリケーション/サーバのためにインターネットとの間でデータをアップロード/ダウンロードしたりすることが可能になる。UEが同じホームネットワーク上の他のUEとの通信を望む場合でも、EPCは、認証を処理することでUEのアクセスを可能にする。
LTEプロトコルを用いる場合、コアネットワークは、典型的には、モビリティ管理エンティティ(MME)と、サービングゲートウェイ(S-GW)と、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)と、ホーム加入者サーバ(HSS)とを備える。LTEにおいて、MMEは、訪問者位置レジスタ(VLR)をホスティングし、HSSは、ホーム位置レジスタ(HLR)、機器識別情報レジスタ(EIR)および認証センタ(AuC)をホスティングする。HLR、VLR、EIRおよびAuCは、EPCにより管理されるデータベースであり、後でより詳細に説明する。
[モビリティ管理エンティティ(MME)]
EPC内には、いくつかの制御プレーンインタフェースおよびユーザプレーンインタフェースが存在する。E-UTRANは、S1-CPインタフェースと呼ばれるMMEを有する制御プレーンを介してEPCとインタフェース接続する。S1-CPインタフェースは、非アクセス層(NAS)を用いて、通信セッションの確立を管理し、かつ、ユーザ機器が動くときにユーザ機器との連続的な通信を維持する。LTE S1-CPインタフェースは、基地局とMMEとの間のシグナリングプロトコルの配信を担う。S1-CPインタフェースは、IPを介したストリーム制御伝送プロトコル(SCTP)を備え、単一のSCTPアソシエーションを通じて複数のUEをサポートする。それは、保証型データ配信も提供する。アプリケーションシグナリングプロトコルは、S1-AP(アプリケーション)プロトコルである。LTE S1-CPは、進化型パケットシステム(EPS)ベアラセットアップ/解放手順、ハンドオーバシグナリング手順、ページング手順およびNAS移送手順を担う。
また、MMEは、S10インタフェースを通じた他のMMEとの制御プレーンインタフェースと、S11インタフェースを通じたS-GWと、S6aインタフェースを通じたHSSとを有する。
MMEとS-GWとの間のS11インタフェースは通常、多対多インタフェースである。これは、独自のS11インタフェースを各々が有する複数のS-GWを単一のMMEが処理できることを意味する。これらの接続は、EPC内のSAEベアラの確立を調整するために用いられ得る。SAEベアラセットアップは、MME(デフォルトSAEベアラ)またはP-GWにより開始され得る。S11インタフェースを用いることで、MMEノードは、IPセッションの生成または削除、デフォルトベアラの生成または削除、専用ベアラの生成または削除、専用ベアラを生成または修正/更新するためのルールの追加、UEハンドオーバの実行、S-GW再配置でのX2ベースUEハンドオーバの実行、S-GW再配置でのS1ベースUEハンドオーバの実行をできる。
[サービングゲートウェイ(S-GW)]
E-UTRANは、S1-UPインタフェースと呼ばれるS-GWを有するユーザプレーンを介してEPCとインタフェース接続する。S1-UPインタフェースは、基地局とS-GWとの間のLTEユーザプレーンプロトコルデータユニット(PDU)の非保証型データ配信を提供する。移送ネットワーク層は、IP移送およびGTP-U上に構築される。UDP/IPは、基地局とS-GWとの間のユーザプレーンPDUを保持する。無線ベアラ1個当たりのGTPトンネルは、ユーザトラフィックを保持する。S1-UPインタフェースは、基地局とS-GWとの間のユーザデータの配信を担う。IP差別化サービスコードポイント(DSCP)マーキングは、無線ベアラ1個当たりのQoSのためにサポートされる。
S-GWは、S5インタフェースまたはS8インタフェースを介してP-GWと接続することにより、GPRトンネリングプロトコル(GTP)を用いて、UEおよびコアネットワークとの間のパケット用のIPルーティングサービスを提供する。S5インタフェースが単一の(ホーム)ネットワークの内部で用いられるが、異なる事業者間でローミングする場合にS8インタフェースが用いられることを除き、原則的に、S5およびS8は、同じインタフェースである。非ローミングの場合、S-GWおよびP-GWの機能は、1つの物理ノード内で実行され得る。
S5/S8は、多対多インタフェースであり、ユーザプレーントンネリング、およびサービングGWとPDN GWとの間のトンネル管理を提供する。S8インタフェースは、UEのモビリティに起因するサービングGWの再配置のために、また、必要とされるPDN接続のために非併置PDN GWにサービングGWが接続する必要がある場合に用いられる。S5インタフェースは、VPLMN内のサービングGWとHPLMN内のPDN GWとの間のユーザプレーンおよび制御プレーンを提供するPLMN間基準点である。S8は、S5のPLMN間変形形態である。
[パケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)]
P-GWは、SGiインタフェースをPDNに向かって終端させるノードである。UEが複数のPDNにアクセスしている場合、そのUE用の1つよりも多くのP-GWが存在し得る。P-GWは、そのUEのトラフィックの出口ポイントおよび入口ポイントになることにより、外部パケットデータネットワークへの接続をUEに提供する。UEは、複数のPDNにアクセスするために1つよりも多くのP-GWとの同時接続を有し得る。P-GWは、ポリシの実施と、各ユーザのためのパケットのフィルタリングと、充電サポートと、合法的なインターセプトおよびパケットスクリーニングとを実行する。この基準点は、P-GWとパケットデータネットワークとの間の接続を提供する。SGiインタフェースは、外部パブリックまたはプライベートPDNおよび/または内部IMSサービス提供ネットワークを含む様々なネットワーク種類へのアクセスを提供できる。
[セルラネットワークデータベース]
LTEネットワークは、UEのモビリティを管理するための動作中のクエリのためにだけでなく、認証、課金、ポリシ管理等のためにも用いられる一連のデータベースを管理し得る。HSSは、ネットワークを用いることができる各加入者についての管理レベル情報を含むデータベースであるHLRのホームである。また、HLRは、ネットワーク内の加入者が最後に確認された位置をトラッキングするフィールドを含む。この情報は、通話、メッセージまたはデータがルーティングされる必要がある場合にデバイスを配置するためのものであり得る。ユーザが携帯電話またはモバイルデバイスを切り替えた場合、もしくは、それらがネットワーク内の別の位置エリアコード(LAC)へ移動した場合、または、おそらくいくつかの規則的な周期にわたって、モバイルデバイスは、HLRが最新の位置を常に把握するように、それらの位置を更新し得る。典型的には、デバイスの位置は、デバイスの実際の緯度位置/経度位置ではなく、ネットワークの文脈(例えば、デバイスがどの基地局にキャンプオンされているか)において保持される。典型的には、任意のネットワーク内にマスタHLRが1個だけ存在する。しかしながら、そのコピーが、動作効率の向上のために、様々なコアネットワークノードにわたって分配され得る。
HSSは、HLRとAuCとが連結されたものであり、プリIMS 2G/GSMネットワークおよび3G/UMTSネットワーク内に2つの機能が既に存在している。HSSのHLR部分は、ユーザの識別およびアドレス指定(これは、IMSI(国際移動電話加入者識別番号)およびMSISDN(モバイル加入者ISDN番号)または携帯電話番号に対応する)と、ユーザプロファイル情報(これは、サービス加入状態およびユーザ加入サービス品質情報(最大許容ビットレートまたは最大許容トラフィッククラスなど)を含む)とを含む(列挙は非包括的である)ユーザ加入情報を含むデータベースの格納および更新を必要な場合に担う。
HSSのAuC部分は、ユーザ識別キーからのセキュリティ情報の生成を担う。このセキュリティ情報は、HLRに提供され、さらに、ネットワーク内の他のエンティティに伝達される。セキュリティ情報は、ネットワークと端末との間で伝送されるデータおよびシグナリングが盗聴も変更もされないことを保証するためのネットワーク-端末の相互認証ならびに無線経路の暗号化および完全性保護のために用いられ得る。
VLRは、いくつかの態様のHLRのより小さい一時的なバージョンであり、HLRからの選択情報を含む。任意の「訪問者」、または、ホームネットワークの一部ではないEPCにより制御される基地局上でローミングするUEが、訪問ネットワークのVLR上に配置される。UEは通常、一度に1つのVLR内にのみ存在し得る。これは、そのUEへのトラフィックのネットワークルーティングにとって非常に重要であり得る。VLRに格納されたデータは、ユーザのホームネットワークHLRから収集されるか、または基地局を通じてUE自体から直接収集される。VLRは、トラフィックルーティングが別個のネットワーク間で完了され得るように、加入者の更新された位置のホームHSSをHLRに通知するために用いられる。ユーザは、典型的には正確に、設定された期間(各ネットワークについて構成され/設定され得る期間)にわたって加入者が非アクティブになった時、UEが新しいVLRドメイン位置エリアへローミングした時、または、ユーザがホームネットワーク上へ移行した時に、VLRから除外される。
VLRは、ホームネットワークの外部のローミング動作中に一時的な加入者識別情報として効果的に機能するTMSIを含む各IMSIのフィールド値の部分を含み得る。
EIRは、ネットワークに接続され得るか、またはネットワークへの接続を試み得る特定のハンドセットもしくはモバイル機器またはデバイスの情報を保持するデータベースである。このデータベースは、IMEIを用いて、ネットワークにアクセスする権限をデバイスが有しているか否かを判断する。典型的には、電話が盗まれたと報告された場合、デバイスのIMEIは、盗まれたデバイスとしてそれを関連付けるEIR内のリストに置かれる。そのように、デバイスがネットワークへの登録を試みた場合、ネットワークは、電話の潜在的な窃盗犯による不適切な使用を防ぐために、そのアクセスを拒否できる。
最終的に、AuCは、ネットワークに対するデバイス認証に関連する情報を含むデータベースである。AuCは通常、HLRにインタフェース接続され、ネットワーク上の特定のIMSI用の重要なキーを保持する。これらのキーも、UE SIM上に常駐している。これらのキーをマッチングすることにより、エアインタフェースチャネルを介したデバイスの認証および暗号化(または暗号化)の両方が可能になる。ローミングシナリオにおいて、この認証キー/情報は、ホームHLRからクエリされる。
[ネットワークオペレーションセンタ]
地上セルラネットワークの上で説明したコンポーネントは自律的に動作するが、典型的には、あるレベルのヒューマンインタラクションも実装される。ネットワークオペレーションセンタ、すなわちNOC(動作管理センタ、すなわちOMCとしても知られることがある)は、ネットワークインフラストラクチャの動作およびステータスの制御およびモニタリングを可能にするネットワークのコンポーネントである。ネットワーク内のこのノードは、図1に示されていないが、ネットワーク内の各要素への接続を維持するであろう。例えば、このノードは、基地局/E-UTRANサブシステムにおけるトラフィック負荷を制御することにさえ用いられ得る。NOCは、典型的には、LTEネットワーク内の各々の基地局、MMEノード、S-GWノード、P-GWノードへの接続を有する。
[A. ネットワーク手順の例]
ネットワークは、手順の長いリストを実装し得るが、特定の具体的な手順が、ほとんどの場合に用いられ、かつ、例えば、モビリティ管理、スペクトル使用等のネットワーク機能にとって重要であり得る。
[A.1 認証手順]
LTEネットワーク内の認証手順は、ユーザの識別番号の認証(例えば、それらの加入者番号の検証)およびネットワークへのアクセスの許可または禁止の両方のために用いられる。認証では、HSSに格納される一意のキーを活用し、ネットワークのUE側およびMME側に対する処理を実行することで、値を計算し、結果を比較して認証を検証する。非アクセススペクトル(NAS)(例えば、ネットワークルート上の信号/パケット)およびアクセススペクトル(AS)(例えば、UEと基地局との間のRFインタフェース上の信号/パケット)の暗号化(encryption)および暗号化(ciphering)には、同様の手順が用いられる。
図4は、LTEネットワーク内でのUE認証のための典型的な処理を示す。この処理は、UE402、基地局404、MME406およびHSS408を伴う。UEは、ネットワーク410へのアタッチの要求をMMEへ送信する。この要求で、UEは、UEとのエアインタフェースの認証および管理のためにネットワークが必要とし得るIMSIとUEハンドセット機能についての他の情報とを送信する。MMEは、ホームネットワークHSSへの認証データ要求412を行う。このメッセージは、応答のためにHSSが必要とするいくつかの他の情報と共に認証を必要とするIMSIのリストを含み得る。HSSは、認証ベクトルと呼ばれるものと共に、MME414への応答を提供する。
各認証ベクトルは、EPS AKAアルゴリズムと呼ばれるアルゴリズムの実行から得られる出力に関連するAUTN値、XRE値、KSAME値およびRAND値を含む。MMEは、基地局416を通じてRAND値およびAUTN値をUEに渡す。UEは、この情報を用いてEPS AKAアルゴリズムを実行し、次に、RES値を含む、MME418への応答を提供する。RES値は、HSSにより計算されてMMEに提供されるXRE値に等しくなるべきである。MMEは、420においてこれが当てはまることをチェックし、当てはまる場合には、UEは、ネットワークに対して認証される。
次に、MMEおよびUEは、さらなる手順段階422を実行して、UEとネットワークとの間のAS(RFインタフェース)セッションおよびNAS(ネットワーク制御インタフェース)セッションの暗号化(ciphering)および暗号化(encryption)を達成し得る。これらの手順は、UEノードおよび/または基地局ノードがアルゴリズムを実行して、ノード間のトラフィックを暗号化するために用いられる前にチェックおよび検証される一意のキーを計算し得るという点で、認証と同様の性質のものである。これらの手順が完了した後に、MMEは、UE424から元のアタッチ要求を受け入れてよく、ネットワークに正式にアタッチされ、トラフィックを動かすことができるようになってよい。
UEが最初にネットワークへのアクセスを要求した場合に認証がトリガされる。
[A.2 位置更新手順]
古典的なモバイルネットワークでは、ネットワークが情報を配信したりされたりする必要があるUEにどのように接触するかをネットワークが把握できるように、各デバイスの位置がトラッキングされ得る。ネットワークが用いる様々なトラッキングパラメータについては、本明細書の他の箇所で説明する。ネットワーク上でのUEの位置は、HSS内のマスタデータベースからトラッキングされる。UEの位置が変化した場合、それはHSSに反映される。UEが、その独自のホームネットワークではないネットワークに接続された場合、UEの位置は、HSSおよびVLRの両方によりトラッキングされる。VLRは、加入者認証情報と、そのネットワーク内でのUEの位置とを一時的に格納する。UEの位置が変化した場合、VLRは、HSSがUEのための位置の変化を管理できるように、位置更新の要求をHSSに対して行い得る。
特定のローミング条件下で、加入者が位置するMMEおよびVLRの物理位置は、認証のためにデバイスが必要とする重要な管理情報を保持するHSSから遠く離れていてよい。SS7、または様々な地上ネットワークをインタフェース接続する別の媒体を通じて、クエリがルーティングされ得る場合、認証が数分間にわたって行われることがあり得る。特にネットワーク手順に対して、トラフィック負荷が高く、かつ、データベースが遠く離れて位置する場合、これらのネットワーク間相互作用が減速し得る。結果として、外部ネットワークへの最初のアクセスが遅れることがあり得る。しかしながら、ひとたびアクセスが提供されると、典型的には、セルラサービスに関連して典型的なスピードが再開する。
UEが位置更新手順を開始し得る場合のトリガの例が表1に列挙される。
図5は、典型的な位置更新またはトラッキングエリア更新の手順を示す。示されている伴われるノードは、UE502、基地局504、新しいMME(例えば、新しいトラッキングエリア)506、古いMME(例えば、古いトラッキングエリア)508、S-GW510およびHSS512である。基地局とUEとの間でRRC接続セットアップが行われた後に、UEは、トラッキング更新要求を開始し得る(514)。基地局は、要求を新しいMMEへルーティングし得る(516)。新しいMMEは、UEとの認証/セキュリティ手順を実行するために用いる古いMMEからのコンテキスト要求を介して情報を要求し得る(518)。古いMMEは、それが要求した情報と共に新しいMMEに応答(520)し得る。次に、新しいMMEは、UEを認証する(522)。認証が成功した後に、新しいMMEは、古いMMEからの要求コンテキストに確認応答し得る(524)。次に、新しいMMEは、S-GWからのベアラ修正を要求し得る(526)。新しいMMEからのベアラ修正要求は、応答され(528)、新しいMMEは、HSSからの位置更新を直ちに要求する(530)。HSSは、古いMME上で保持されている現在の位置をキャンセルする(532)。キャンセルが古いMMEにより確認応答された(534)後に、536において、HSSは、新しいMMEからの位置更新要求に確認応答する。次に、新しいMMEは、UEのTAU要求538を受け入れ、UEは、位置更新手順の完了に確認応答する(540)。
[A.3 ハンドオーバ手順]
UEモビリティ中は、UEがネットワーク内の1つのセルから別のセルへ遷移する必要がある不可避な例がある。各セルが1つのeNBによりサービスを提供されてよく、複数のeNBが1つのS-GWおよび/またはMMEによりサービスを提供されてよい。eNBのハンドオーバのみが行われる必要があるシナリオが存在し、S-GWがハンドオーバされる必要がある他のシナリオも存在する。いくつかの例では、P-GWのハンドオーバさえ必要になり得る。
図6は、ハンドオーバが従来どのようにeNBとS-GWとの間で行われ得るかを示す。ハンドオーバ手順において、伴われる要素は、UE602、ソースeNB604、ターゲットeNB606、MME608、ソースS-GW610、ターゲットS-GW612およびP-GW614である。ハンドオーバは、ソースeNBおよびソースS-GWを通じてUEとP-GWとの間でIPセッションが既に確立された後に行われ得る(616)。UEからソースeNBへの測定制御メッセージにより、それとターゲットeNBとの間のハンドオーバの準備がトリガされ得る(618)。ターゲットeNBおよびソースeNBは、X2インタフェースを介してハンドオーバを実行できる(620)。ソースeNBは、データをUEへダウンリンクできるように(624)、ターゲットeNBへのデータの転送を始める(622)。この時点で、アップリンクデータは、ターゲットeNBを通過し、ソースS-GWを通過し、P-GWへ戻っている(626)。ダウンリンクは、UEに到達する前に、同じS-GWを通じてであるが、ソースeNBを通じてターゲットeNBに(X2インタフェースを通じて)提供される。ターゲットeNBは、ターゲットS-GWへのIPパケットの経路を切り替えるために、MMEに対して経路切り替え要求を行う(628)。
MMEは、ターゲットS-GWに対してセッション生成要求を行う(630)。ターゲットS-GWは、P-GWがUE用のベアラを修正することを要求する(632)。P-GWは、修正ベアラ応答を提供し、ターゲットS-GWへのベアラを修正する(634)。ターゲットS-GWは、ターゲットeNBを通じてUEからのIPトラフィックを搬送する準備ができていることを示すために、セッション生成応答でMMEに応答する(646)。MMEは、ターゲットeNBからの元の経路切り替え要求に確認応答し(638)、アップリンクデータおよびダウンリンクデータは、UEからターゲットeNBへ、ターゲットS-GWへ、P-GWへと流れる(640)。これはS-GWハンドオーバの完了を示すので、ソースeNBから転送されるためにダウンリンクデータが用いられるリンクは解放される(642)。MMEは、元のソースS-GWにより提供されるセッションを削除し(644)、ソースS-GWは、セッションを閉じた後に応答する(646)。S-GWハンドオーバの後に、UEは、トラッキングエリアを更新する必要があることがあり、MMEと共にそのようにする(648)。
[A.4 マスタ情報ブロック(MIB)およびシステム情報ブロック(SIB)伝送手順]
MIB、すなわちマスタ情報ブロックは、任意のユーザが存在しているかどうかにかかわらずLTE基地局によりブロードキャストされるメッセージまたは情報である。MIBは、やはり基地局によりブロードキャストされる他のシステム情報ブロックまたはSIBの中でも最初のものである。
MIBは、PBCH、すなわちダウンリンク上の物理ブロードキャストチャネルと呼ばれる物理層チャネルを用いて伝送される。MIBは、表2に示されるようにエンコードされる24ビット値である。
ペイロード内の情報とは別に、MIB CRCは、基地局により用いられる伝送アンテナの数も伝える。MIB CRCは、アンテナ固有のマスクを用いてスクランブルまたはXORされる。
各々がある周期で伝送され、かつ、ネットワークアクセスについての重要な情報を含む複数のシステム情報ブロックが存在し得る。例として、SIB1ブロックは、表3に記載される変数のうちの1つまたは複数を含み得る。
[B. LTEにおけるIPアドレスの割り当て]
LTEネットワークは、IPパケット内の全てのユーザトラフィックを配信し、「常時オンIP接続」をユーザに提供するという点で、全てがIPネットワークであることが多い。UEがLTEネットワークに参加する場合、パケットデータネットワーク(PDN)アドレス(すなわち、PDN内で用いられ得るもの)が、PDNへの接続のためにUEに割り当てられ、デフォルトベアラが、LTEネットワーク内に(すなわち、UEとP-GWとの間に)確立される。このデフォルトベアラは、UEがLTEネットワークからデタッチされるまで、接続されたままである(すなわち、最初のアタッチの間にUEに割り当てられたIPアドレスは、有効なままである)。デフォルトベアラは、ユーザが有する各APN(アクセスポイント名)について確立され、故に、一意のIPアドレスが各APNに割り当てられる。IPアドレスは、IPv4タイプ、IPv6タイプまたはIPv4/IPv6タイプであってよい。
UEは、最初にLTEネットワークにアタッチする場合、PDN接続を要求する。次に、P-GWが、UEによりPDNについて用いられるIPアドレス(すなわち、PDNアドレス)を割り当てると共に、それら2者を接続中のデフォルトベアラが確立されている間、それをUEへ転送する。このIPアドレスで、UEは、PDNを通じて提供されるサービスを利用できる。
IPアドレスは、LTEアーキテクチャ内で、静的に、または動的に割り当てられ得る。典型的には、IPアドレスは、各P-GW内のIPプールが限定されていることが原因で、動的に割り当てられる。IPアドレスの可用性が限定されていることは、典型的にはIPv4システムに関連するが、IPv6システムでは問題になることがより少ない。
動的IP割り当ての場合、ネットワーク(例えば、P-GW)は、UEのIPアドレスを自動的に選択する。ネットワーク事業者は、P-GWにおいて前もって供給されるIPプールを有する。その後、次に、UEがLTEネットワークへ最初にアタッチする場合、P-GWは、UEにIPアドレスを動的に割り当てる。したがって、新しい動的IPアドレスは、典型的には、あるUEがネットワークへ最初にアタッチする度に、その同じUEに割り当てられる。
静的IP割り当ての場合、ネットワーク事業者は各UEがネットワークに加入すると、それらに永久IPアドレスを割り当てる。事業者は、他の加入情報と共に、ネットワーク(HSS)内でUEのために供給される割り当てられた静的IPアドレスを有する。その後、次に、UEがLTEネットワークへ最初にアタッチする場合、P-GWは、HSSから静的IPアドレスを取得してUEへ転送する。したがって、UEがそれ以降最初にアタッチする度に、この特定のIPアドレスがUEに割り当てられる。
[C. セルラネットワークのナンバリングおよびアドレス指定]
モバイルネットワークは、典型的にはモバイルデバイスを管理しており、故に、異なるネットワークEPCノードにより管理されるネットワーク内の基地局にUEがアタッチしたり当該基地局からデタッチしたりするときに適切に機能すべく、異なる種類の地理的エリアおよびアドレスを実装し得る。
[C.1 地理的エリア]
MMEプールエリアは、特定のMMEまたは一組のMMEにより制御されるかまたはサービスを提供される地理的エリアである。MMEエリアは、モバイルデバイスにサービスを提供しているMMEが変更され得る前に当該モバイルデバイスが動作できる物理地域である。S-GWトラッキングエリアは、特定のS-GWまたは一組のS-GWにより制御されるかまたはサービスを提供される地理的エリアである。この地理的エリア内で、UEは、サービスを提供しているS-GWを変更することなく動作できる。
トラッキングエリアは、ネットワークにより用いられる最も小さい地理的エリアを指す。MMEプールエリアは、S-GWトラッキングエリアを含む。S-GWトラッキングエリアは、それら自体がこれらの小さいトラッキングエリアを含む。トラッキングエリアは、特定のセルタワーセルまたはセルタワーセルのグループくらい小さくてよい(おそらく、半径数kmから最大で半径100kmにわたるある半径の円により厳密に表される地理的範囲)。これらのトラッキングエリアは、GSM内で用いられる位置エリアコード(LAC)またはUMTS内で用いられるトラッキングエリアと同様であり、名前が示唆するように、スタンバイされている(例えば、ネットワークに接続されており、かつ、トラフィックを移動または受信する準備ができている)、ネットワーク上でのモバイル機器の位置をトラッキングするために用いられる。
したがって、LTEネットワークは、多くのMMEエリア、さらにより多くのS-GWトラッキングエリアおよびさらにより多くのトラッキングエリアを含む。
[C.2 ネットワーク識別]
また、ネットワークは、ネットワークレベルアドレスとして用いられる数値識別子のホストを管理する。ネットワークIDは、ネットワーク自体を定義するために用いられる。ネットワークは、モバイル国コード(MCC)およびモバイルネットワークコード(MNC)という2つの一意の識別子の組み合わせまたは連結である公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)コードを用いて識別される。MCCは3桁コードであり、MNCは2桁または3桁コードなので、それら2つが連結される場合、PLMNは、5桁または6桁コードになる。
ネットワーク内の各MMEには、MMEコード、すなわちMMECとして知られる一意の識別子が提供される。この識別子は、ネットワークMMEプールの各々における特定のMMEを識別する。同じMMEトラッキングエリア内でグループ化されるMMEには、MMEグループ識別情報、すなわちMMEGIと呼ばれるグループレベルコードが与えられる。ネットワーク内の各MMEについては、MMECおよびMMEGIを連結してMME識別子、すなわちMMEIを生成する別の識別子が用いられる。この識別子は、ネットワーク全体における特定のMMEを識別する。最終的に、PLMNおよびMMEIが連結され、グローバル一意MME識別子、すなわちGUMMEIが生成される。この識別子は、全世界のどこでも特定のMMEを識別する。
トラッキングエリアも、同様の方式のコードで識別される。トラッキングエリアコード、すなわちTACは、特定のネットワーク内の特定のトラッキングエリアを識別するために用いられる。この番号がPLMNに連結され、グローバル一意トラッキングエリア識別情報、すなわちTAIが生成される。この識別情報は、地球全体にわたって一意のトラッキングエリアを識別する。
また、UEと通信する必要がある特定のタワーが把握およびトラッキングされるように、ネットワーク内の各セルには、セルIDが提供される。このセルIDは、E-UTRANセル識別子、すなわちECIと称されることが多い。この値は、特定のネットワーク内のセルを一意に識別する。E-UTRANセルグローバル識別子、すなわちECGIも存在する。この識別子は、この惑星のどこでも一意のセルを識別する。典型的には0から503までの間の数値であり、かつ、近傍の地域内の近接するセルを自らと区別するために用いられるタワーの物理セルIDも存在する。
特定のUEハードウェアをそれがネットワーク上で動作するときにトラッキングするためのモバイル機器識別子が存在する。前に言及したように、各UEは、1つがハードウェア用で1つがSIM用である2つの一意の識別子を有する。国際携帯機器識別番号(すなわちIMEI)は、一意のハンドセットハードウェアを識別するために用いられる。国際移動電話加入者識別番号(すなわちIMSI)は、ネットワーク上の一意の加入者(例えば、SIM)を識別するために用いられる。サービングMMEに対して特定のUEを識別するために用いられるM型一時的移動体加入者識別情報(すなわちM-TMSI)も存在する。M-TMSIコードをMMECに連結することにより、ネットワークは、サービングMMEプールトラッキングエリアに対して特定のUEを識別するために用いられるS型一時的移動体加入者識別情報(すなわちS-TMSI)を生成する。最終的に、PLMN、MMEGIおよびS-TMSIを連結することにより、グローバル一意一時的識別情報、すなわちGUTIが生成される。GUTIは、この惑星のどこでも一意のUEおよびその一時的アドレスを識別する。
[D. 無線プロトコルアーキテクチャ]
無線プロトコルアーキテクチャは、制御プレーンおよびユーザプレーンという2つの別個のプレーンにより定義され得る。ネットワーク内の各ノードインタフェースは、制御プレーン、ユーザプレーン、またはその両方を実装し得る。制御プレーンは、ネットワーク内の様々なノードの間でネットワークシグナリングがパッケージ化および移送される場所である。制御プレーンでは、典型的には無線リソース制御(すなわちRRC)プロトコルが、UEとセルラネットワークとの間で情報がどのように渡されるかを制御するシグナリングメッセージを生成する。これらのシグナリングメッセージは、適切なシグナリングベアラを用いて移送される。
ユーザプレーンは、実際のデータまたは電気通信ペイロードがUE間かつネットワーク全体にわたって移送される場所である。典型的には、アプリケーションが、TCP、UDPまたはIPなどのプロトコルにより処理されるデータパケットを生成する。制御プレーンおよびユーザプレーンの両方について、情報またはシグナリングパケットが、ネットワークに接続されているUEへの無線伝送のために最終的に物理層、すなわちRF層に渡される前に、パケットデータ収束プロトコル、すなわちPDCP、無線リンク制御プロトコル、すなわちRLC、および媒体アクセス制御プロトコル、すなわちMACにより処理される。
図7は、基地局無線プロトコルスタックアーキテクチャを示す。基地局706が、必要とされる制御トラフィックおよびユーザトラフィックをそれぞれ移動させるために、MME704およびS-GW702とのインタフェースを維持する。基地局706は、MMEとの通信を処理する無線リソース制御機能(RRC)708を有する。無線リソース制御機能は、プロトコルスタック内の下位層へ送信される制御メッセージに関連するさらなる情報を提供するために用いられる、あるサポートスケジューリング機能を含み得る。PDCP710、RLC712、MAC714およびPHY716は共に、ネットワーク内のUEと適切な制御プレーンおよびユーザプレーンとの間でユーザトラフィックおよび制御トラフィックを移送する。PDCPは、移送層として機能し、ユーザメッセージおよび制御メッセージを受け取って共通移送チャンネルを生成する。無線リンク制御層は、ユーザ情報および制御情報をパケットへとパケット化する。
PHY716は、エアインタフェースを介してMAC移送チャンネルからの情報を保持し、リンク適合AMCと、電力制御と、最初の同期およびハンドオーバを目的としたセル検索と、LTEシステム内部およびRRC層用のシステム間での他の測定とに対処する。
MAC714層は、論理チャネルと移送チャンネルとの間のマッピングと、1つのまたは異なる論理チャネルから、移送チャンネル上で物理層に配信される移送ブロックTB上への、MAC SDUの多重化と、移送チャンネル上で物理層から配信される移送ブロックTBからの1つのまたは異なる論理チャネルからのMAC SDUの逆多重化と、情報報告のスケジューリングと、HARQを通じた誤り訂正と、動的スケジューリングによるUE間の優先順位付け処理と、1つのUEの論理チャネル間の優先順位付け処理と、論理チャネルの優先順位付けとを担う。
RLC712は、透明モード(TM)、未確認応答モード(UM)および確認応答モード(AM)という3つの動作モードで動作する。RLC層は、上位層PDUの転送、ARQを通じた誤り訂正(AMデータ転送についてのみ)、ならびにRLC SDUの連結、セグメント化および再アセンブリ(UMデータ転送およびAMデータ転送についてのみ)を担う。また、RLCは、RLCデータPDUの再セグメント化(AMデータ転送のみ)と、RLCデータPDUの再注文(UMデータ転送およびAMデータ転送についてのみ)と、複製検出(UMデータ転送およびAMデータ転送についてのみ)と、RLC SDUの破棄(UMデータ転送およびAMデータ転送についてのみ)と、RLCの再確立と、プロトコル誤差検出(AMデータ転送についてのみ)とを担う。
PDCP710層は、IPデータのヘッダの圧縮および圧縮解除と、データの転送(ユーザプレーンまたは制御プレーン)と、PDCPシーケンス番号SNの維持と、下位層の再確立時の上位層PDUのシーケンス内配信と、RLC AMでマッピングされる無線ベアラについての下位層の再確立時の下位層SDUの複製除去と、ユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータの暗号化および解読と、制御プレーンデータの完全性の保護および完全性の検証と、タイマベースの破棄、複製破棄とを担う。PDCPは、DCCHタイプおよびDTCHタイプの論理チャネル上でマッピングされるSRBおよびDRBのために用いられる。
無線リソース制御機能(RRC)708のサブ層のサービスおよび機能は、非アクセス層 NASに関連するシステム情報のブロードキャストと、アクセス層ASに関連するシステム情報のブロードキャストと、UEとE-UTRANとの間のRRC接続のページング、確立、維持および解放と、ポイントツーポイント無線ベアラのキーの管理、確立、構成、維持および解放を含むセキュリティ機能とを含む。
MME704およびUEにより用いられる非アクセス層 NASプロトコルは、ユーザ機器UEとMMEとの間の制御プレーンの層を形成する。NASプロトコルは、UEとP-GWとの間のIP接続を確立および維持するために、UEのモビリティと、セッション管理手順とをサポートする。
[D.1 ユーザプレーン]
基地局とUEとの間のプロトコルスタックは、PDCP、RLC、MACおよびPHY層を含む。ユーザプレーン内では、パケットが、特定のEPCプロトコルにおけるコアネットワーク内でパッケージ化され、S-GWおよび基地局を通じてP-GWとUEとの間でトンネリングされる。このプロトコルは、例として、IPプロトコルであってよい。
[D.2 制御プレーン]
制御プレーンは、無線リソース制御(すなわちRRC)層に加えて、ユーザプレーン内の層の各々を含む。RRC層は、プロトコルの下位層(PDCP層、RLC層およびMAC層)の構成および制御を担う。ユーザプレーンとは異なり、制御プレーンは、セルラネットワーク内のUEとRANとの間のエアインタフェース固有の機能を処理する。基地局は通常、RRCと、基地局が制御下の各UEのためにRB、タイムスロット、MCS等をどのように割り当てるかとを駆動するスケジューラアルゴリズムを使用する。典型的には、これらのスケジューラアルゴリズムは、PDCP層からRRCへの制御トラフィックフィードバックからだけ知らされる。これらのアルゴリズムは通常、所与の基地局セルにわたるスループットの最適化を試みる。
特定のUEの状態に応じて、セルラネットワークは、アイドルモードまたは接続モードという特定のモードでUEと相互作用し得る。
アイドルモードは、UEがセルに「キャンプ」オンするように言われる場合のものである。UEは、セルを選択した後にそのセルにキャンプオンできる。UEは、無線リンクの品質と、セルのステータスと、無線アクセス技術とを含む多くの要因に基づいてセルを選択する。アイドルモードでセルにキャンプオンしている間、UEは、ページングチャネルまたは制御チャネルをモニタリングして、着信を検出したり、重要なシステム情報を獲得したりし得る。このモードにおいて、制御プレーンプロトコルは、セルの選択および再選択の手順を含む。
接続モードは、UEがそれ自体とセルラネットワークとの間のトラフィックをアクティブに移動させている場合(例えば、通話中、またはインターネット接続セッション実行中等)のものである。このモードの間、UEは、現在選択されているセルおよび近接セルの情報のために、ダウンリンクチャネルの品質をRAN(例えば、E-UTRAN)に報告し得る。これにより、RANは、UEが利用するのに最も適切なセルを選択することが可能になる。この場合、制御プロトコルは、モバイルネットワーク側でのハンドオーバおよびモバイルセル選択性管理を最終的に行うRLCプロトコルを含む。
図8は、モバイルデバイスがネットワーク上およびネットワーク間で動作している場合に用い得る典型的なセル検索手順を示す。
[D.3 セルの同期および選択手順]
セルの同期は、UEが任意のセル上でのキャンプオンを望む場合のまさしく最初の段階である。このことから、UEは、物理セルID(PCI)、タイムスロットおよびフレーム同期を獲得する。これにより、UEは、特定のネットワークからシステム情報ブロックを読み取ることが可能になり得る。
UEは、自らがどの帯域をサポートしているかに応じて異なる周波数チャネルへと調整することにより、自らの電波を調整し得る。UEは、特定の帯域/チャネルへと現在調整されていると仮定すると、最初に、一次同期信号(PSS)を見つける。PSSは、無線フレームの最初のサブフレーム(サブフレーム0)の最初のタイムスロットの最後のOFDMシンボル内に位置する。これにより、UEは、あるサブフレームレベルで同期されることが可能になる。PSSは、サブフレーム5で繰り返される。これは、各サブフレームが1msなので、UEが5msベースで同期されることを意味する。PSSから、UEは、物理層識別情報(0から2)の取得もできる。
次の段階において、UEは、二次同期信号(SSS)を見つける。SSSシンボルは、やはりPSSの同じサブフレーム内ではあるが、PSSの前のシンボル内に位置する。SSSから、UEは、物理層セル識別情報グループ番号(0から167)を取得できる。
物理層識別情報およびセル識別グループ番号を用いることにより、UEは、自らのセルのPCIを把握する。LTE504では、物理層セル識別情報(PCI)が許容され、一意の168個のセル層識別情報グループへ分割される。各グループは、3つの物理層識別情報を含む。先述のように、UEは、PSSから物理層識別情報を検出し、SSSから物理層セル識別情報グループを検出する。物理層識別情報=1であり、セル識別グループ=2であると仮定すると、所与のセルのPCIは、PCI=3×(物理層セル識別情報グループ)+物理層識別情報=3×2+1=7である。
UEは、所与のセルのPCIをひとたび把握すると、セル基準信号の位置も把握する。基準信号は、チャネルの推定、セルの選択/再選択およびハンドオーバ手順において用いられる。
PCIの結果として、UEは、同じスペクトルブロック配備を用いて、他の基地局からターゲット基地局を識別できる。これにより、ほとんどの場合において、1つのネットワーク周波数再使用スキームが可能になる。セル同期手順の後に、UEは、マスタ情報ブロック(MIB)およびシステム情報ブロック(SIB)の読み取りに進み得る。MIBおよびSIBは、ダウンリンク制御チャネル上で伝送される情報ブロックである。この情報ブロックは、UEがエアインタフェースを介してネットワークに適切にアクセスするために必要とされる情報を含む。
[E. セルラネットワーク無線アクセス技術PHY]
説明してきたように、セルラネットワークは、RANを用いて、ネットワーク上のUEをインターネットまたは他のネットワークに接続するためのエアインタフェースまたはRFインタフェースを実装する。エアインタフェースリンク要件が満たされており、かつ、メンバーシップ要件が満たされているものと仮定すると、例えば、ネットワーク、またはネットワークが用いるサービスが、UEは、権限を有するグループのメンバである、またはそうでなければ、ネットワークにより提供されるサービスを利用する権限を有している、と判断するような方式でUEがそれ自体をネットワークに対して識別済みであると仮定すると、UEとRANとの間の通信用のプロトコルは、任意の標準的なUEが任意のRANと通信できるようにそれらが標準化されるようなものであってよい。エアインタフェースは通常、特定の無線アクセス技術(RAT)と称されることが多い特定のプロトコルを実装する。
いくつかの例示的なRATプロトコルは、2Gまたは「第2世代」ネットワークプロトコルと称されることがあるGSMプロトコルを含む。他の例は、GPR(汎用パケット無線サービス)プロトコル、EDGE(GSM進化型高速データレートまたはEGPRS)プロトコル、3G(3GPP機関により発展された第3世代3G UMTS規格)プロトコルまたは第4世代(4G)LTEアドバンストプロトコルを含む。
これらのプロトコルには、スペクトル帯域の使用、タイミング、符号化およびコンフリクト解決についてのルールが存在する。基地局が同時に多くのUEと通信しなければならい可能性があるので、利用可能な無線通信経路は、プロトコルに従って分割される。所与のプロトコルが、周波数毎、時間毎、コード毎またはそれらのうちの1つよりも多くのもの毎に分割される利用可能な無線通信経路を有し得る。これにより、複数のユーザが同じ無線通信経路を共有することが可能になる。
[F. RFエアインタフェースリンクバジェット]
UEとRANとの間のRFエアインタフェースは、UEとモバイルネットワークとの間の接続の品質を駆動し得るものである。RFエアインタフェース接続の信号品質が上がるので、このリンクが十分なビット誤り率で維持され得るデータレートも上がる。UEおよび基地局は、LTEプロトコルの制御プレーンを用いて、リンク接続の品質についての情報を互いにやり取りし得る。この情報を用いて、基地局は、変調および符号化スキーム(MCS)ならびにデバイス伝送電力などのリンク条件を管理することで、ビット誤り率が特定の閾値を超えないことを保証できる。所望されるサービスの種類に応じて、ビット誤り率閾値は、10^-2と10^-8との間またはそれより良い値のどこにでも変わり得る。SMSメッセージング、SMSブロードキャストまたは制御チャネルシグナリングなどのアプリケーションは、最も高いビット誤り閾値で動作してよく、高精細度ビデオストリーミングなどのアプリケーションは、最も低いビット誤り閾値で動作してよい。特定のビット誤り率(BER)を維持するために、基地局は、エアインタフェースを介して当該基地局が通信する各UEにどの変調および符号化スキーム(MCS)が用いられるかを管理し得る。
各MCSは、エアインタフェースを介して特定のデータレートを提供するが、より高いデータレートを可能にするMCSは、エアインタフェースを介して受信されているRF信号の品質についての異なる要件を有する。所与の変調スキームおよび符号化スキームを用いるエアインタフェースを介して明瞭に表現される波形は、対象信号の信号対干渉およびノイズ比、すなわちSINRの関数としての異なるビット誤り率を有し得る。SINRは、対象信号のエネルギーと、ノイズおよび干渉の組み合わせのエネルギーとの間の差の、dbで表される測定値である。QPSKなどの特定の変調スキームは、低SINRレベルで良好なビット誤り率を提供する。しかしながら、QPSK変調は、変調シンボル1個当たり2ビットのみ、および高次変調スキームよりも低いデータレートを用いる。64QAMなどの高次変調スキームは、非常に高いSINRレベルでのみ、良好なビット誤り率を提供する。しかしながら、64QAMは、変調済みシンボル1個当たり6ビット、および低次変調スキームと比較してより高いデータレートを提供する。
高次変調スキームは、シンボル1個当たりのビットを増やすために、位相変調に加え、振幅変調を活用する。しかしながら、これは、より精密な信号復調についての要件を駆動するものであり、結果として、特定のビット誤り率での十分な復調のために必要とされる信号エネルギーが増す。
表4は、信号エネルギー対ノイズ要件が変調スキームおよび符号化レートと共に変わり得ることを説明する。
[G. 他の検討事項]
地上モバイルコミュニケーションネットワークにおいて、基地局の配備は、ネットワークのカバレッジ地域を駆動する。ほとんどの場合、基地局無線機器は、収益が生み出され得る高人口密度の地理的エリアをカバーするために、タワー上に配置される。基地局機器をホスティングする典型的なタワーは、設置するのに、また、それがカバーする各平方マイルの関数として動作させるのに、特定の金額がかかり得る。コストは、電力、ユーティリティ、バックホール、メンテナンス、セキュリティ等を含んでよく、サイト、領域等の関数として変わり得る。基地局を配備する意味があるようにするためには、動作させるのに1平方マイルのカバレッジ当たりにかかるよりも、1平方マイル当たり少なくともより多くの収益を生み出す必要があるであろう。
人口密度が減少し、故にモバイルネットワーク事業者の潜在的な収益密度も減少する、世界の地方地域および遠隔地域では、基地局が配備されないことが多い。これらの遠隔地域および地方地域にサービスを有益に提供すべく、十分な人口にわたってスペクトルを拡散させる必要がある。基地局は、上空で動作する高高度プラットフォーム上に配備され得る。しかしながら、これらの解決手段は、技術的な課題があり、プラットフォームの制御が難しくなって動作が非効率的で整合性がないものになってしまう厳しい大気条件の対象となることが多い。追加的に、高高度プラットフォームは、依然として、真にグローバルなカバレッジ解決手段を自ら提供することができない。なぜなら、それらも、その量のカバレッジのためのコストが法外に高過ぎるであろうからである。
本明細書において説明する実施形態では、宇宙通信ネットワークが、地上モバイルセルラネットワークと共に通信を提供するように動作する。地上モバイルセルラネットワークと同様に、宇宙ネットワークは、地上ネットワークに対する相補的な宇宙コンポーネントとしてのRANおよびコアネットワーク機能を動作させる。地上ネットワークの拡張または補完として、宇宙コンポーネントは、宇宙モバイルRANおよび地上モバイルRANとの間でのモバイルデバイスの適切な認証およびハンドオフを可能にするコアネットワーク機能およびRAN機能を使用する。
以下の説明では、様々な実施形態を説明する。説明の目的で、実施形態についての完全な理解を提供すべく、特定の構成および詳細を記載する。しかしながら、当業者には、実施形態が具体的な詳細なしで実施され得ることも明らかになろう。さらに、説明する実施形態を不明瞭にしないよう、周知の特徴が省略または簡略化され得る。
人口密度が減り、故にモバイルネットワーク事業者の潜在的な収益密度が減る、世界の地方地域および遠隔地域では、基地局が配備されていないことが多い。大きい陸上帯状地帯にわたる標準的なUEデバイスへのリンクを閉じることにより専門クライアント機器の必要性を無くすための解決手段に、宇宙ベースモバイルコミュニケーションプラットフォームがなり得る。宇宙ベースLTEネットワーク用の標準的なUuインタフェースは、Speidel Iにおいて説明される開示内容と共に用いられ得る。Speidel Iでは、基地局、特にeNBを操作することにより、LTE-Uuインタフェース上での基地局とUEとの間の軌道リンクのドップラーシフトおよび伝搬遅延に対応するように基地局が拡張され得る方法を説明している。これを行う際、宇宙ベースインフラストラクチャは、地上モバイルネットワークを用いる既存のUEをサポートする電気通信ネットワーク用に用いられ得る。
基地局の宇宙ベースモバイルネットワークおよび他の古典的に地上モバイルネットワークインフラストラクチャを動作させることには、いくつかの課題がある。これらの課題は主に、ネットワーク内の基地局無線インタフェースリンクに地球低軌道を用いる必要があることに由来する。課題の1つが、トランスミッタとレシーバとの間のリンクを近付けることである。リンクを閉じることは、伝搬される信号が、レシーバにおいて十分なビット誤り率で正常に復調され得るように、トランスミッタとレシーバとの間の距離を横断し、かつ、ノイズフロアを上回る十分な信号エネルギーレベルを持っていくらか距離的に離れてレシーバに到達するように、トランスミッタからの信号を十分な電力で伝送することを伴う。
軌道周回基地局とUEとの間のサービス接続用の所望のデータレートに応じて、特定の信号対ノイズ比要件が存在し得る。アップリンクバジェットは主に、地上のUEの伝送電力により駆動され得る。LTEプロトコルでは、これは200mW(23dBm)であってよく、GSMプロトコルでは、これは2W(33dBm)であってよい。
地表上の200mWのデバイスを用いてリンクバジェットを閉鎖するために、かつ、1つの衛星セル/衛星ビームに過度のトラフィックが流入することを回避するために、基地局トランスミッタ/基地局レシーバを有する衛星は、指向性アンテナ技術を用いて地球低軌道で動作し得る。大型アンテナ技術により、軌道基地局の高度が、1000kmまたは同等程度に達し得る。サブ1GHzセルラスペクトルの使用は、伝搬特性について有利になり得ると共に、より有利な実施形態において用いられ得る。しかしながら、より小型のアンテナアレイは、ネットワークコストを減らすことで、いくつかの衛星をわずか300kmに配置し得る(基地局をホスティングする宇宙機に搭載されたスラスタシステムにより軌道が維持され得る場合)。
地球低軌道が必要であることが原因で、軌道基地局を有する惑星のユビキタスカバレッジの実現には、数千個の衛星が伴い得るが、これは依然として、同様のカバレッジに必要とされる地上基地局の数よりも少ない。それにもかかわらず、数千個の衛星を完全に配備するにはしばらくかかることがあり、本明細書において想定されるいくつかの実施形態において、衛星コンスタレーション事業者は、収益を生み出し始めることができ、かつ、惑星全体の連続的なカバレッジを提供し得ないが、惑星にわたる間欠的な基地局オーバーパスを提供し得る、より小さい衛星集団を含む地上の有意義なサービスを提供できる早期段階のネットワーク設計を使用し得る。より単純な設計を用いる第1の衛星集団を、それらが安価に発展され得るように、かつ、より迅速に配備され得るように作ることができるようになることは、有利であり得る。例えば、アンテナの選択は、衛星の差し迫った設計上の検討事項であり得る。検討事項の1つが、限定された範囲を有し、かつ、宇宙機の姿勢に基づいてのみ向けられ得る単一のアンテナであり得る。このオプションは、ビームが宇宙機の姿勢とは無関係に任意の方向に向けられ得るように、ビームフォーミング機能を有するフェーズドアレイアンテナなどの代替的な実施形態よりも設計、発展、構築および試験が単純であり得る。より単純なアンテナ技術が利用される場合、各基地局は、リンクバジェットの仰角に応じて、迅速なオーバーパス/セッションの機会(例えば、30~60分毎に2分間の接続)を有し得る。
アンテナの検討事項に加え、質量および電力に関する検討事項も存在し得る。最初の使用事例およびマーケットは、最初の衛星集団に対する電力要件を減らすために、意図的に選択され得る。例として、世界中の選択的な数の国における遠隔IoT/M2Mデバイスおよび携帯電話の中でも単純なSMSメッセージング用途のための間欠的なセルラサービスが、宇宙機の技術的要件の緩和を提供し得る。例として、最初の間欠的なサービスがオーストラリア、ニュージーランドおよびフィリピンという国で提供されている場合、これは、衛星が軌道上での時間のうちの5~10%でビームを伝送することのみを必要とし得る。結果として、宇宙機の動作用の最も高い電力モードは、5~10%でデューティサイクルされ得る。低データレート用途(例えば、(電気通信サービスについて密な都市エリアと比較して)比較的疎なユーザ用のSMS)にサービスを提供することにより、軌道周回基地局は、データトラフィック用の単一のLTEリソースブロックにわたって、またはさらに単一の200kHz幅のGSMキャリアにわたって伝送するだけでよい。各キャリアの伝送電力は、20から30Wでありさえすればよい。ペイロード用の電力増幅器は、宇宙機の電力バジェットを駆動し得る。容易に利用可能なクラスAまたはABの電力増幅器を用いることにより、P1dB(増幅器の線形性が1dBだけ低下する電力出力)で40~50%の効率が可能になり得る。結果として、増幅器からの消費電力は、75Wピーク電力以下であってよい。したがって、宇宙機の「ペイロード」は、100~125W(電力が無線、コンピュータ処理等に含まれた後)のピーク消費電力および10~12.5W以下の軌道平均電力を有し得る。軌道平均電力のこの範囲は、超小型衛星クラスのバス用にうまくサイズが合わされおり、長さ、幅および深さ数十センチメートル(例えば、6U超小型衛星は、約20cm×30cm×10cmであろう)のフォームファクタであってよい。このサイズの衛星は十分に、配備された太陽電池アレイから50~60Wの軌道平均電力を生成でき、かつ、高電力モードが必要とされている間は放電され得る電池にそのエネルギーを貯蔵できる。
基地局の軌道周回コンスタレーション用のサービスセット/製品ラインにさらなる使用事例およびサービスエリアが追加されるので、より多いスペクトル、より多くのユーザ、より高いデータレートおよびより多くの用途等にサービスを提供するためのより大きいサイズ、電力および機能を有する拡張型宇宙器が、所定の位置に配置され得る。これらの拡張型宇宙器は、商業的に実行可能なままであり得る最初のより限定された宇宙機集団と共存し得る。いくつかの実施形態において、基地局のコンスタレーションは、異なる宇宙機を備え得る。それらが対応できる異なる能力およびサービス(ならびにおそらく、どのような時間量またはどの特定の国)は単に、動作上の制約を考慮に入れて、限定された時間量のためのカバレッジを提供するためにサイズ設定され得る。
地球低軌道上での動作の別の結果は、セルは、地球に対して小さい(かつ故に、多くの衛星を必要とする)が、地上セルラネットワークに対してかなり大きいということである。典型的な地上セルは、20~30km以下の半径を有し得るが、周回軌道衛星は、300kmを上回るビーム半径を有し得る。結果として、軌道周回基地局と同時に動作し得る数百個の基地局セルが、地上に存在し得る。スペクトルが宇宙ネットワークだけに割り当てられるシナリオでは、このことは、いかなる課題も示し得ない。なぜなら、宇宙ネットワークと地上ネットワークとの間の周波数帯域が異なることで、干渉が防がれるからである。しかしながら、宇宙ネットワークが既存の地上ネットワークの拡張型として機能し、同様のまたは同じスペクトルを用いるいくつかの実施形態が存在し得る。これは、電気通信サービス用の専用スペクトルを獲得するのに財務およびビジネス上の困難があるいくつかの例において好ましいことがある。既存の地上ネットワーク事業者が所有し動作させるスペクトルのサブライセンスの使用は、より単純であり得る。本実施形態は、潜在的なセル間干渉を排除するために既存のセルラネットワークにより用いられるものに加え、いくつかのスペクトル管理技術を用い得る。
しかしながら、既存の地上ネットワークの動的な修正を含まない宇宙基地局と地上基地局との間のスペクトルを共有する代替的な実施形態と、既存のMNOネットワークインフラストラクチャの拡張型を用いない実施形態とが存在し得る。衛星が地上ネットワークに対して動くので、この管理技術は、スペクトルの配備が経時的に動的に管理される時間的な特徴を伴い得る。
地球低軌道上を動きつつカバレッジをUEに提供する衛星の場合、それらは、地上のUEよりもかなり速く(~7-7.8km/s)動く。結果として、ネットワークインフラストラクチャは、効果的にモバイルであり、地上のUEは、(それらがゆっくり動いている場合でも)静的であるとみなされ得る。宇宙ネットワークの観点からすると、所与の分、時間またはさらに日におけるUEの動きは、衛星が地上セルからのカバレッジを既に有していない場合、衛星が所与の時間において、いつおよびどのようなカバレッジを提供中であり得るかに関して、比較的取るに足らないものですらある。この特徴は、有利なことに、いくつかのネットワーキング解決手段において用いられ得る。
本開示は、基地局、S-GW、MMEおよび/またはP-GWの機能をホスティングする一組の軌道周回インフラストラクチャを管理するための実施形態を説明する。軌道周回コンスタレーションの動的な動きによってモビリティ管理がより複雑になるが、より独自の要件があれば、軌道ダイナミクスの予測可能性を活用して将来の状態空間をネットワークに通知でき、結果として、多くの機能について制御プレーンの動作を通知/予期できる。ネットワークレベルでは、待ち時間、ルーティングおよび理想的なカバレッジパターン/動作を理解することは、はるかに複雑な計算である。なぜなら、これらのものは、典型的には、地上モバイルネットワーク配備において静的または一定だからである。ネットワークIPトラフィックルーティングは、動的であってよく、軌道周回インフラストラクチャおよび地上インフラストラクチャが互いに相対的に動くにつれて、間欠的に接続および切断してよい。
モビリティ管理の課題に加え、基地局には、RAN配備の課題もある。地上RAN配備が直面する典型的な課題を別にすれば、各衛星の動きは本質的に、各衛星が任意の時点で地球上の全てのポイントをカバー中であり得ることを意味する。結果として、基地局は、軌道上の異なるポイントにおける異なる地上ネットワークの拡張型として動作し得る。地球の周囲で異なるように特定の周波数がライセンスされてよく、MCC、MNC、マスタ情報ブロックおよびシステム情報ブロックが変更され得る。用いられる特定の技術(2G、4G等)が変更され得る。結果として、これらの要件の記録、および、基地局がサービスを提供中である特定の位置に対応するように基地局の設定を動的に再構成するためのコントローラも存在し得る。
ユーザにとって任意の所与の衛星または利用可能な無線インタフェースが離れるわずか数分前に利用可能になり、別の異なるエアインタフェースが利用可能になり得ることにより、宇宙ベース電気通信ネットワークについて、ネットワーキングシグナリング待ち時間の他の課題も生じる。
良い例が認証の課題である。ネットワークへの接続を試みる任意のデバイスは、理想的には、衛星オーバーパス時間よりも短い時間枠内にネットワークに対して認証することを望み得る。そうでなければ、当該デバイスは、ネットワークに対して決して認証できない可能性がある。典型的には、ローミングネットワーク上での、またはホームネットワーク認証データベース(宇宙におけるネットワークなど)から遠く離れて動作するネットワーク上での認証には、衛星オーバーパスの時間量を凌ぎ得る時間量がかかり得る。ネットワークは、オーバーパス時間を増やすように設計され得るが、軌道周回電気通信インフラストラクチャのネットワークを考慮する場合には、急速な認証手順を可能にすること、または遅い認証に対処することが重要になる。
別の例は、(ローミングプロバイダとしての)宇宙ネットワークと(ホームネットワークとしての)地上ネットワークとの間の相互作用であり得る。衛星が数分毎に飛行するので、ネットワークは、衛星の各々のトラッキングエリアコードをどのように伝送するかを管理する必要があり得る。なぜなら、UEは、TACの変更を経る度に、または異なるVLR/MMEによりサービスを提供される度に、自らの位置を自動的に更新し得るからである。これは、ホームネットワークでのHSS更新を必要とし得ると共に、全てのユーザがそれらの位置を数分毎に更新する必要があり、かつ、グローバルネットワーク上のユーザの数が世界の大部分の地域にわたる典型的な電気通信加入者総数(数億人または場合によっては数十億人の加入者)を表す場合、実質的なネットワークオーバヘッドをもたらし得る。
最終的に、電気通信トラフィックのハンドオーバは、宇宙ベース電気通信ネットワーク内で複雑になり得る。各衛星が数分間から10分間、所与のエリアにわたってオーバーパスを有し得るのみなので、配備された軌道およびアンテナに応じて、カバレッジの変化に各衛星が対応するために、衛星ネットワーク内で永久的なハンドオーバシグナリングが行われる必要があり得る。UE間のハンドオーバに加え、衛星の位置の状態の変化および故にネットワーク待ち時間の状態のばらつきならびに軌道周回インフラストラクチャと、地上モバイルネットワーク、インターネット等へのゲートウェイとして機能する地上のインフラストラクチャとからのルートに基づく衛星間リンク内のハンドオーバに伴う課題が存在し得る。これらは、本明細書において説明する方法および装置を用いて対処し得る。
[ネットワーク設計の検討事項/概念]
可能にするために宇宙機セルラネットワークが求めるサービスのレベルと、どれくらいのユーザを対象とするかとに応じて、宇宙ネットワークRANのRFフロントエンドは、異なる構成で設計され得る。データレート要件が低く、かつ、デバイスが遠隔エリア内で疎に分散され得るIoTデバイスまたはM2Mデバイスなどのデバイスに関連するサービス用途では、所望の量のサービススペクトルに対するEIRP要件の低減が行われ得る。サービススペクトルの量は、衛星ネットワークがどれくらいのユーザにサービスを提供する必要があるかにより駆動され得る。特に、スペクトルは、衛星ネットワークを用いる必要がある単一のスポットビーム内の同時に存在するユーザの数に合うようにサイズ設定される必要がある。
衛星ベースモバイルネットワークは、下方の地上モバイルネットワークと連携して動作するように、したがって、十分なスペクトルのみを配備して、本明細書において説明する地上モバイルネットワークのギャップを埋めるように構成/設計され得る。この構成において、依然としてカバレッジがない低人口密度エリアのカバレッジ用の宇宙ネットワークに小さなスペクトルスライバーが割り当てられ得るが、大部分は、(地上セルがより小さい)地上ネットワークに割り当てられてよく、高人口密度領域内のカバレッジ用のスペクトルをより密に再使用できる。そのような構成は安価に購入され得る遠隔セルラベースIoTデバイス(例えば、GSMベースまたはLTEベース)向けのサービスのために採用され得る。IoTの使用事例では、信号レベル要件が低いことにより、ダウンリンクを所望のデータレートで閉じるためのリンクの衛星端でのより低いEIRPが可能になる。より低いEIRPにより、衛星Txの電力要件とアンテナのサイズとの間のトレードオフのある程度の低減が可能になる。アンテナのサイズは、アンテナ指向性およびビーム幅、ならびに故にスポットビームサイズなど、ネットワーク内の他の設計要因を駆動し得る。これにより、スペクトルがどれくらいの頻度で宇宙ネットワークにより再使用され得るかも駆動される。これは、惑星のユビキタスで連続的なカバレッジを実現すべく、より多くの衛星、または軌道からカバレッジを提供する衛星1個当たりより多くのスポットビームをトレードしたことによるものである。複数個のスポットビームが装備された各衛星は、スポットビームにより画定される地球の合計面積に対して、カバレッジエリアまたはカバレッジフットプリントと称されるカバレッジを提供する。
[A.1 衛星の最適数の決定]
衛星ネットワークは、各々がいくつかのカバレッジフットプリントを有する複数個の衛星と、各衛星用の複数個の潜在的なスポットビームとで設計され得る。衛星の数が限定されている場合にはカバレッジフットプリントが重複せず、地上のサービスは、間欠的になり得る。これは、地上カバレッジが存在しない世界の遠隔エリアにおける特定の使用事例にとって有用であり得る。衛星軌道およびフットプリントサイズ(ならびにフットプリント内のビームがどのように動作させられるか)に応じて、ネットワーク内の所与の衛星からの1分から15分のカバレッジ時間がどこにでも存在し得る。衛星の数と衛星が存在する軌道の数に応じて、12時間毎、6時間毎、1時間毎、30分毎、10分毎、1分毎等に1回、このレベルの接続が行われ得る。より多くの衛星がネットワークに追加されるので、接続の間欠がより少なくなり得る。
例として、以下の表5は、オーバーパスの数、接続分数およびオーバーパス間の時が衛星の数の関数としてどのように見積もられ得るかを説明し得る。この特定の例では、地球の周囲の503kmの円形軌道上にある、赤道に対して51.6度傾斜した衛星を解析する。衛星は、3つの一意の繰り返す地上トラッキング内で、地球の周囲で等間隔になっているであろう。この解析において、衛星基地局は、衛星フットプリントを表すおおよそ45度の最小仰角を有するものと想定されている。表5内の各行および各列の値の範囲は、赤道およびそれよりも高い所(または低い緯度)におけるサービスのバリエーションに対応し得る。特に、この場合、より良いサービス数(より多くのオーバーパス、より長い接続時間およびより短い間欠間隔)は、およそ北緯51.6度または南緯51.6度における全ての経度に対応する。より悪い2つの数は、赤道に対する全ての経度に対応する。
[A.2 軌道構成]
宇宙ベースインフラストラクチャは、おそらくGEO軌道、MEO軌道またはLEO軌道といった様々な異なる軌道に位置し得る。GEO軌道は、円形形状であってよく、地表から約35,786kmの高度で動作し得る。GEO軌道は、地球の所望のカバレッジダイナミクスまたはそれよりも下の他の軌道周回宇宙機に応じて、赤道上に存在してもよく、傾斜していてもよい。MEO軌道も、円形であり得ると共に、LEOの上縁(約高度2,000km)とGEOの上縁(約高度35,000km)との間の高度で赤道に対して何度か傾斜していてよい。LEO軌道も、カバレッジ要件に応じて傾斜していてよく、約250kmから2000kmの間の高度で動作し得る。高度450kmよりも下では、大気抵抗が、宇宙機推進力要件のかなりの促進要因である。
一般的に、傾斜角度は、所望の緯度カバレッジに対応する。極(90度傾斜)軌道は、南北緯度90度間の全ての経度(例えば、惑星全体)にカバレッジを提供できる。例として51.6度の傾斜などの中度傾斜軌道(国際宇宙ステーションの傾斜)は、南北緯度51.6度(加えて、そのカバレッジフットプリントの角半径または「半地球角度」)間の全ての経度にカバレッジを提供する。赤道上の軌道は、南北緯度の度単位でカバレッジフットプリントの地球角度の1/2の間の全ての経度にカバレッジを提供する。
ネットワーク内の特定の地域またはより低い軌道の反復的であるが拡張されたカバレッジを提供するために、非常に離心した軌道が用いられ得る。非常に離心した軌道は、軌道のより高い高度部分では、ゆっくりした移動速度を提供し(拡張された、またはより長引くカバレッジを提供し)、軌道のより低い高度部分では、より速い移動速度を提供する。離心軌道における地球のより高い高度部分の位置は、地球または所望のカバレッジエリアに対して動き得る。非常に離心した軌道は、近地点の引数の歳差運動により影響を受ける。しかしながら、赤道に対して63.4度だけ傾斜している場合には、この永年歳差運動がなくなる。そのような軌道は、モルニヤ軌道として知られてよく、地球上の特定の領域にわたる、またはより低い軌道(LEOなど)における軌道滞留時間を固定するために用いられ得る。
同じUE加入者プールにサービスを行い、かつ、モビリティ管理を提供しつつ地上ネットワークと通信する宇宙ネットワーク用のISLおよび地上局を通じてGEO、MEOおよびLEOまたはそれらのいくつかの組み合わせが様々なネットワーク要素をホスティングするコンスタレーションでは、様々な軌道が用いられ得る。
[A.3 宇宙ネットワーク配備の位相/スタイル]
宇宙ベースRANは、独自のスペクトル資産を有するその独自のネットワークとして配備され得る。これにより、特に、少数の衛星を用いる場合に、そのRAN周波数ライセンスの配備が比較的単純になる。
代替的に、宇宙ベースRANは、MNOとの合意で、既存の地上MNOスペクトルの使用のためのサブライセンスが存在するグローバル共有ローミングネットワークとして配備され得る。この場合において、宇宙コンポーネントにスペクトルが厳密に割り当てられないときは、スペクトルの配備には、地上MNOネットワークとの動的調整が必要となり得る。これは、宇宙コンポーネントからのカバレッジがLEO基地局によってのみ、数分毎、例えば、15分毎、30分毎、60分毎、120分毎または360分毎に利用可能になり得る間欠的コンスタレーションの場合、望ましいことではないことがある。
宇宙ネットワークが動作中ではない時間の間、地上ネットワークは、スペクトルを利用でき得るが、そうでなければ、軌道よりも上にいる間、動作するであろう。結果として、特定の衛星が、いつ、より下のネットワーク内の既存の地上セルと重複するカバレッジ上にあり、かつ、当該カバレッジを提供できるかを把握しておくのが望ましいことがある。
本明細書において説明する基地局のコンスタレーションの位相調整の進歩の点に加えて、ビームフォーミングアンテナがない衛星基地局とビームフォーミングアンテナがある衛星基地局とを備え得る衛星ネットワークの理想的な動作手順/行程を計算するために、新規な方法が用いられ得る。衛星は、典型的には、地上での規制によって課される要件に準拠するように、また、互いの干渉および他の地上セルとの干渉を回避するように制約を受ける。さらに、コンスタレーション(またはおそらくさらには、衛星の選択「集団」または「生産運転」)内の各衛星は、異なる技術的能力を有し得る。例には、最大消費電力要件、軌道平均電力取り入れ、電池容量、それが配備できるスペクトル帯域幅、ペイロード/基地局デューティサイクル要件、推力、姿勢制御、メモリ、処理能力等が含まれ得る。
共有通信ネットワーク内の宇宙機の間の技術的機能のばらつきは、これらの技術を用いて処理され得る。これは、コンスタレーションが構築フェーズにある場合に有用であり得る。数千個の衛星のコンスタレーションを発射するには数年かかることがあり、その間、衛星の小集団を開発して特定の使用事例用の最初のサービスを提供することが収益を生み出すベンチャー事業になり得る。特定の例は、間欠的かつ整合性がない方式での遠隔エリアにおける接続から恩恵を受け得るIoT/M2Mの使用事例であってよい。間欠的なサービスには、ハンドセットからのメッセージングの格納および転送SMSなど、他の使用事例も存在し得る。
早期の使用事例では、より少なく、かつ、より能力が低い衛星が望ましいことがある。なぜなら、それにより資金投資コストが減り得るからである。そのような例は、時間もうまく開発するための金もかかり得るビームフォーミングアレイであり得る。結果として、12個または24個の非ビームフォーミング衛星で構成される最初のコンスタレーションが、最初のサービスのためのLEOへ配備され得る。経時的に新しい衛星が開発および発射され得るが、古い設計でも動作し続け得る。最初の新しい衛星のソフトウェア互換性(またはアップグレード性)を、それらのソフトウェアが共に共生的に動作できるように保証するために、設計上の検討事項が取り入れられ得る。
経時的に、新しい衛星が段階的に導入および廃止されるので、それらの能力は、本開示により活用され後で説明されるデータベースに個々に記録され得る。この情報が追加および更新されるので、本明細書において説明するように実行される計算は、動作の変化に対応できる。
[A.4 ネットワークアーキテクチャの例]
宇宙ネットワークは、地上LTEネットワークと同様の構造を有するが、いくつかの拡張がなされ、EPCおよびE-UTRANの主に内部のさらなる要素を有するアーキテクチャを使用し得る。拡張により宇宙ベースセルラネットワークの最適な機能が可能になるが、それらは、任意の修正を必ずしも必要とすることなく、地球上の標準的な地上ネットワークと通信する機能を維持する。しかしながら、宇宙ベースネットワークと同様に、より洗練されたスペクトル共有技術との互換性を有するように地上モバイルネットワークも拡張される実施形態が、例として存在し得る。さらに、宇宙ベースセルラネットワークの拡張を念頭に置いてエンドユーザハンドセットが修正される別の実施形態では、拡張型UEが存在し得る。例として、それらは、EPC(地上または宇宙のいずれか)を通じて提供され得る。制御プレーンまたはユーザプレーン(例えば、ハンドセットアプリケーション)を用いて、宇宙ネットワークによる予想可能なオーバーパス機会これは、宇宙ネットワークへの接続を容易にするためのネットワークスキャン手順を、それが利用可能になり得ることをUEが把握している場合に最適化することに対して有利であり得る。
一実施形態におけるネットワークアーキテクチャの拡張は、MME、基地局、HSS、および場合によってはUEを伴い得る。本実施形態における宇宙ネットワークアーキテクチャには、宇宙ベースインフラストラクチャ内のネットワークノードの動作に直接影響を与えるか、または当該動作により影響を受けるさらなる要素が追加され得る。これらのさらなる要素は、ネットワークデータベース(ネットDB)と、ネットワークテレメトリ、トラッキング、制御、コマンドおよびデータ処理(TTCC&DH)機能と、宇宙機飛行ソフトウェアシステムとを含み得る。宇宙ネットワーク内のさらなる要素は、拡張型MMEにインタフェース接続され得る。このインタフェース接続は、ソフトウェア内で行われ得る。
宇宙ネットワークは、地球の周囲の衛星および地上局上の一組の分散インフラストラクチャコンポーネントとして動作し得る。各宇宙機は、衛星上の衛星間リンク無線および地上局無線にそれらが利用可能である場合にアクセスできるネットワークスイッチへインタフェース接続し得る飛行コンピュータまたは一組のコンピュータをホスティングし得る。各飛行コンピュータが、特定のネットワークノード機能(例えば、拡張型MME、S-GW、P-GW等)に対して割り当てられ得るか、または、単一の飛行コンピュータが、それらの機能を「ネットワークインボックス」として1つのパッケージで使用し得る。単一のコンピュータが、基地局(場合によっては複数の基地局)、拡張型MME、拡張型HSS、S-GW、P-GW等の仮想例を動作させることができ得る。別のコンピュータが、ガイド、ナビゲーションおよび制御(GNC)等のような機能のためのTTCC&DHソフトウェアおよび飛行ソフトウェアをホスティングし得る。
本明細書において説明するLTEアーキテクチャの拡張は、ネットワークのいくつかのノード上で実行されるソフトウェアとして、および特に、APIまたはソフトウェアライブラリとして実装され得る。これは、既存の製造/商用品質のLTEスタックソフトウェアの使用を伴い得る。よく試験された既存の製造コードの直接の修正の代わりに、拡張は、製造LTEスタック実装への既存のインタフェースの構成、制御または当該インタフェースとの通信により所望の拡張を実装するために用いられ得る別個のソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアライブラリまたはコードレポジトリ内で動作し得る。したがって、本開示は、LTEスタックノードの拡張を説明するが、これは、いくつかの既存のコンポーネントまたは全く新しいコンポーネントを用いて行われ得ることを理解されたい。いくつかの実装は、既存のLTEスタック内の各ソフトウェアノードまたは機能を文字通りに修正することを必要としないことがある。これはまた、任意の3GPPスタック(例えば、2G GSM/GPR、3G CDMA/UMTS等)に関連する。
ネットワークは、ネットワーク内の各衛星および各地上局上で、各コンピュータの静的IPアドレスを有効にするIPv6ネットワークとして動作し得る。衛星間リンク(ISL)および地上局リンク(GSL)は、軌道上の物理インフラストラクチャと地上の物理インフラストラクチャとの間の絶えずリンクされるIPトンネルとして動作し得る。地上では、電気通信ネットワークインボックスの例がIPv4/IPv6を介してインターネットおよび他の電気通信ネットワークとインタフェース接続するであろう。
各ISLおよび各GSLトンネルは、実際には、複数のベアラを備え得る。そのうちの1つまたはいくつかは、ネットワーク制御プレーントラフィック、ネットワークユーザプレーントラフィック、飛行コンピュータテレメトリ、トラッキング、コマンド等の専用のものであってよい。ベアラは、優先順位に基づいて重み付けされた方式で確立され得ると共に、いかなるデータレートリンクもエアインタフェースのために確立され得る利用可能な帯域幅を与えられ得る。ネットワーク内の地上局および他の衛星に対して動く、地球の周囲の衛星軌道として、トンネルが、再確立されたノードとベアラとの間でハンドオーバされ得る。各宇宙機は、例として、インターネットに対するサービングアクセスポイント名(APN)への完全なトンネル接続におけるギャップで不完全なハンドオーバに対応するためのある程度のメモリバッファを有し得る。
図9は、例示的なネットワークアーキテクチャを示す。拡張型LTEネットワーク902は、標準的な地上ネットワーク904および標準的な地上ネットワークUE924との互換性を維持できる一組の機能ノードを動作させ得る。拡張型ネットワークは、拡張型基地局926を備える拡張型E-UTRAN914を動作させ得る。拡張型EPC906は、地上EPCと同様の要素をホスティングし得るが、拡張型MME916、拡張型HSS910、状態空間データベース(SSDB)928、拡張型S-GW932、拡張型P-GW934、PCRF936、TTCC&DHシステム918および宇宙機飛行ソフトウェア908を用い得る。拡張型EPCは、標準的なEPCがPDNサーバ930に対して有する接続とは異なり得る、PDNサーバ938との独自の接続を維持し得る。拡張型MMEは、ホーム地上ネットワーク内の標準的なHSS920へのS6a接続を維持し得る。拡張型S-GWは、ホームネットワークPCRFデータベース922との標準的なインタフェースを管理し得る標準的なP-GW940との標準的なS8インタフェースを維持するであろう。拡張型UE912も、ネットワーク内で用いられ得る。
図10は、ハードウェアに関する宇宙ネットワークアーキテクチャを示す。ハードウェアは、宇宙ネットワークアーキテクチャをホスティング中であり得る。ネットワーク内の衛星1012および1014ならびにネットワーク内の地上局1016が存在し得る。衛星は、一実施形態においてIPv6ベアラトンネルであってよいISL1002を通じて互いに接続され得る。これらのトンネルには、異なる機能向けのベアラにわたって分割される特定の帯域幅が割り当てられ得る。そうでなければ従来技術の地上ネットワーク内で処理され得る、各インタフェース用の各衛星間リンクトンネル内のベアラが存在し得る。特に、(X2-CP、S11、S10、S6a、S5、さらなる制御インタフェース等を備える)ネットワーク制御プレーン1006、(X2-UP、S1-UP、S5、さらなる制御インタフェース等を備える)ネットワークユーザプレーン1008および(1つまたは複数のネットワークインタフェースを備える)TTCC&DHプレーン1010のためのベアラが存在し得る。衛星は、GSL1004を通じて地上局に接続され得る。
これらのGSLは、IPv6ベアラトンネルであってよく、特定のネットワークプレーン用のベアラにより分割されてもよい。接続を生成してこれらのトンネルを確立するために、各衛星には、無線機器および他の機器が装備される。ISL電波1018およびGSL電波1044は、他の衛星および地上局とそれぞれ通信するために、かつ、ISLおよびGSLのためのPHYプロトコルまたはL1プロトコルを実装するために用いられる。各衛星は、特定の機能を実装するソフトウェアを動作させるネットワークコンピュータ1022または飛行コンピュータ1038など、他のコンピュータを含み得る。例えば、ネットワークコンピュータは、状態空間データベース1024、拡張型HSSデータベース1026、拡張型S-GWおよびP-GW1028、拡張型MME1030ならびに拡張型基地局1032を実装し得る。拡張型基地局1032は、LTE-Uuインタフェースリンク1034用のPHYを実装し、かつ、既存の標準体なUE1036と互換性がある電波を制御するであろう。飛行コンピュータは、宇宙機上でホスティングされている様々なサブシステムを制御するために、TTCC&DH機能1040および飛行ソフトウェア1042を実装し得る(例えば、姿勢制御、スラスタ制御、アクチュエータ制御、電力システム制御、熱制御等)。宇宙セグメント衛星内の各コンピュータは、一実施形態においてIPv6スイッチであってよいネットワークスイッチ1020とインタフェース接続し得る。地上局は、基地局機能をネイティブで提供せず、かつ、場合によっては宇宙機上でホスティングされる飛行ソフトウェアパッケージ全体をホスティングしないネットワークコンピュータおよび飛行コンピュータを実装し得る。いくつかの実施形態において、地上局は、飛行ソフトウェアを実装し得る。
[A.5 モバイルネットワークインフラストラクチャをホスティングする衛星プラットフォーム]
説明したモバイルネットワーク用のインフラストラクチャを提供する軌道上の宇宙機は、例えばコンピュータ、電波、プロセッサ、メモリ、ワイヤ、ケーブル、アクチュエータ等の電子機器を収容するいくつかの構造を備え得る。宇宙機は、オペレーティングシステム上で動作する、処理およびメモリのためのオンボードコンピュータを用い得る。オペレーティングシステムは、衛星上で様々な機能を動作させるよう意図されるソフトウェアプログラムをホスティングし得る。これらのソフトウェアプログラムのうちの1つは、コンピュータに接続された無線インタフェースを制御する、(RANおよび/またはコアネットワークを実装するための)仮想化された電気通信ソフトウェアスタックであってよい。オペレーティングシステムは、センサからの、またはソフトウェア内で計算されたテレメトリおよびデータを収集し、かつ、内部フィードバック制御ループ(または地上で動作させられ得る外部フィードバック制御ループ)に基づいて自律的に実行されるか、または地上制御センタから手動で実行されるコマンドを処理する宇宙機上のコマンドおよびデータ処理システムを同時に制御するソフトウェアもホスティングし得る。宇宙機ソフトウェアは、その姿勢を管理するアクチュエータ(リアクションホイール、磁気トルク等)と、軌道上でのその速度/軌跡を管理するアクチュエータ(例えば、スラスタ)を制御するために用いられ得る。アクチュエータは、宇宙機上の配備可能な構造を拡張するかまたは後退させるためにも用いられ得る。
宇宙機は、太陽光パネルを有し得る。太陽光パネルは、太陽光電力を収集して、電池を充電し、宇宙機が動作に必要とする宇宙機内の様々なコンポーネントに必要なエネルギーを分配する。宇宙機は、ソフトウェアを動作させて、様々なテレメトリ読み取り値をモニタリングおよびトラッキングし、かつ、それらをメモリに格納するプロセッサを有し得る。これらのテレメトリ読み取り値は、位置、速度、加速度、向き、電池容量、アレイからの電力、質量、燃料の質量、慣性行列、コンポーネント健全性/テレメトリ読み取り値等を含む。
宇宙機は、その速度、位置および加速度をトラッキングおよび計算するためのオンボードGPSレシーバをホスティングし得る。GPSが利用可能ではない場合(例えば、衛星がGEO上にあるか、または場合によっては、MEO上で高過ぎるとき)、宇宙機の位置データおよび速度データをその内部コンピュータに提供するために、特定の位置の既知の地上局での信号測距およびドップラー測定など、他の技術が実装され得る。例えば、地球中心慣性など、特定の座標系における宇宙機の向きを計算するために、スタートラッカ、IMU、カメラ、水平センサ、ジャイロスコープ等のオンボードセンサが用いられ得る。追加的に、これらのオンボードセンサは、宇宙器が慣性空間内で回転するときの宇宙機の角速度を計算でき得る。
宇宙機には、例えば、回転、慣性の保持(例えば、慣性空間内での一定の向きの維持)、天底/天頂ポインティングの保持等、ポインティングに関連する特定のタスクを実行するようにプログラミングされ得る制御システムが装備され得る。追加的に、この制御システムは、飛行中の最適な操作を決定するための状態空間予測エンジンの出力におそらく基づいて、軌道の位置および維持の制御を実装し得る。この制御システムは、状態測定を改善するためにカルマンフィルタを実装してよく、PIDコントローラにより実装されるものなど、制御法に基づいて、特定の操作を特定の期間にわたって行ってよい。
宇宙機には、宇宙機の機体座標系におけるそのポインティングベクトル
が把握されるように、宇宙機上に機械的な方式で配向されたアンテナが装備され得る。宇宙機は、ビームフォーミングができるフェーズドアレイを実装し得る。この場合、それは、フェーズドアレイカバレッジフットプリント内のあるビームiについて、
をトラッキング、モニタリングおよび変更し得る。これらのアンテナ技術は、UEとのLTE-Uuリンクのために用いられ得る。ISLは、異なる宇宙機上でホスティングされ得る重要なネットワークノード(例えば、基地局、MME、S-GW、P-GW、PDN等)間の接続として機能でき、フィーダリンクは、宇宙ネットワークと既存の地上ネットワーク(例えば、地上モバイルネットワーク、インターネット等)との間の接続として機能できる。
宇宙機プラットフォームは、テレメトリまたは健全性データの格納を事業者が所望し得る多数のシステムを有し得る。宇宙機のテレメトリは、例えば、電圧測定値、電流測定値、温度読み取り値、電力指標、電池充電、太陽光電力取り入れ、消費電力、動作モード、ソフトウェアアプリケーションのステータス等、宇宙機の正確な測定値として格納され得る。宇宙機からのテレメトリは、衛星の機能と、故障の結果としてのあらゆる動作制約を決定するために処理され得る。特に、衛星または地上システムは、テレメトリインテリジェンスを用いて、他の衛星、地上ゲートウェイまたはUEとの接続を生成するという宇宙機の能力をなくし得るか、または妨げ得る。これは、衛星からのテレメトリダウンリンクに基づいてネットワーク状態予測エンジンにおけるノード接続機会のオンおよびオフを自動的にトグルするロジックを生成するために用いられ得る。
[B. 拡張型モビリティ管理エンティティ(MME)]
セルラネットワークにおいて、UEがセルラネットワークインフラストラクチャへの接続を期待し得るカバレッジエリアは、セルへ分割されるカバレッジエリアであってよく、いくつかのセルは、他のセルおよびカバレッジエリアと重複し、場合によっては、いかなるセルカバレッジも有しないいくつかのエリアを囲む。典型的には、カバレッジエリア内のセルが静的とみなされ得るのは、セルのカバレッジが固定位置および固定能力を有する固定タワーまたは固定トランシーバの存在に由来する場合などである。そのようなトランシーバは、典型的には、カバレッジが予想される場所、および/または、それらのセル内に多数のUEが存在することが予想されると仮定して費用対効果が高い場所に配置される。
軌道ステーションによりサービスが提供される無線ネットワークにおいて、カバレッジエリアは、GEOよりも地表に近い衛星が地表に対して動いているとき、短い期間にわたって変化するものと予想され得る。地上ベースセルラネットワークノードと軌道ベースセルラネットワークノードとの異なる特性は、異なる周波数帯域、異なる符号化等を用いて干渉の重複を回避することにより2つのネットワークが共存し得るという点で、それらが別個のプロトコルおよび通信規格を用いている場合、懸念とする必要はない。しかしながら、地上ネットワークノードとのリンクを閉じるためにUEが用いるものと同じプロトコルおよび通信規格を用いてUEが軌道ネットワークノードとのリンクをシームレスに閉じることを可能にするように、地上ネットワークノードおよび軌道ネットワークノードが同じプロトコルおよび通信規格を用いる場合、調整および共存は、軌道ネットワークノードの軌道が動くことに起因して、部分的により複雑になる。本明細書において説明するように、これは、ネットワークノード間の調整で解決され得る。
エアネットワーク用のカバレッジエリアであって、そのカバレッジエリア内に存在するUE用の無線カバレッジを提供する、カバレッジエリアは、複数のポリゴンにより論理的に表され得る。ポリゴンについて参照が行われるが、本明細書において説明する方法および装置は、楕円、円、およびいくつかの曲がった境界といくつかの直線境界とを有する不規則形状など、厳密にはポリゴンではない閉じた形状で等しくよく機能するであろうことを理解されたい。いくつかの例において、カバレッジエリアのいくつかのポリゴンは、地上セルラネットワークセルに対応する。カバレッジエリアまたはカバレッジエリアのうちの少なくとも一部をポリゴンでカバーすることは、予測される使用の関数、特定のポリゴン(例えば、特定の国の一部をカバーするポリゴン、法的管轄権自体を有しない外洋をカバーするポリゴン等)に適用可能な管轄権、および/またはカバレッジの実現可能性であってよい。
いくつかの実施形態において、カバレッジエリアはまず、一組のメッシュポイントにより特徴付けられ、それらのメッシュポイントは、ポリゴンへ集約される。一方で、他の実施形態では、ポリゴンは、必ずしもメッシュポイントを参照することなく画定される。一組のポリゴンを表すデータベースにおいて、ポリゴンベースの記録は、ポリゴンの境界と、ポリゴン内で適用可能な法的管轄権と、そのポリゴン内で無線リンクを確立する場合に用いられるプロトコルおよび規格と、そのポリゴンについての他の情報とに関する詳細を含み得る。メッシュは、地球または一組のポリゴンの有限の要素モデル等を仮想的に表すグリッドまたはある他の方式を備え得る。カバレッジデータベースは、メッシュポイントとポリゴンカバレッジエリア備え得る。ポリゴンカバレッジエリアは、それぞれの基地局についてカバレッジデータベース内で参照され、それぞれの基地局は、少なくともいくつかの静的カバレッジ地上基地局と、ビームフォーミングを用いる少なくともいくつかの静的カバレッジ軌道基地局と、少なくともいくつかの動的カバレッジ軌道基地局であって、少なくともいくつかの動的カバレッジ軌道基地局がそれぞれの軌道上で移動するときにカバレッジエリアにわたって動く動的ビームを用いる、少なくともいくつかの動的カバレッジ軌道基地局とを含む。
カバレッジエリアが地上ネットワークノードおよび軌道ネットワークノードの両方によりサポートされる場合、これらのノードは、調整され得る。例において、地上ネットワークノードは、セルラネットワークブロードキャストタワーの一部であるトランシーバであり、軌道ネットワークノードは、衛星の一部であるトランシーバである。タワーは、複数のノードをサポートしてよく、衛星は、複数のノードをサポートしてよい。調整は、モビリティ管理エンティティにより行われ得る。モビリティ管理エンティティは、ソフトウェアを実行し、かつ、モビリティ管理エンティティがノードから情報を取得して情報をノードへ送信することを可能にする通信チャネルを有するコンピュータシステムの形態であってよい。1つのアプローチにおいて、モビリティ管理エンティティ(MME)は、特定の期間にわたってカバレッジエリア用の一組のポリゴンを計算すると共に、これをその期間の前に行うことができる。これにより、その情報を必要とする前にその情報を用いるであろうノードに伝搬される一組のポリゴンの詳細のための十分な時間が可能になる。
一組のポリゴンは、本明細書の他の箇所において説明する処理に従って計算され得るが、衛星上のノードの予測される状態(例えば、位置、電力、向き、ノード自体が宇宙を通じて動くときに、ノードがカバレッジエリア内の一定のビームを維持できるかどうか等)を考慮し得る。本明細書において説明するように、ノードが動くので、一組のポリゴンは、変化することがあり、特定のポリゴン内のリンクニーズをカバーするために割り当てられるノードも変化することがある。ポリゴン内のリンクニーズをカバーするために第1のノードが割り当てられ、第2のノードがそのように割り当てられないが、第2のノードが第1のノードと同じプロトコル、チャネルおよび規格を用いて伝送できる場合、第2のノードは、それらのリンクニーズをカバーするために第1のノードが割り当てられている期間中はそれらのプロトコル、チャネルおよび規格を延期し、使用しないようにプログラミングされ得る。
ノードは、時分割多重化フレーム内のある期間、ある周波数チャネル、あるタイムスロット等で動作しないように、一組のポリゴンと、MMEが利用可能な他のデータとを考慮してスケジューリングされ得る。あるノードが軌道ノードである場合(またおそらく、これは地上ノードにも当てはまり得る)、当該ノードは、ノードが利用可能な電力またはその欠如と、ノードにおける発熱と、カバレッジエリアについて利用可能なノードの動作状態を考慮した他の検討事項とに基づいて、特定の時間にわたって非アクティブであるようにスケジューリングされ得る。
いくつかの軌道ノードは、ある期間にわたってビームが地表のあるエリア上に留まることを可能にするビームフォーミングアンテナを有し得る。一方で、他の軌道ノードは、衛星に対して一定であるビームに限定され得る。したがって、ビームは、地表のあるエリア上に留まるのではなく、地表上を動く。軌道ノードのビームが特定のポリゴンのカバレッジをカバーしているか、またはそれに近づいている場合、軌道ノードは、その特定のポリゴン内のUEのリンクニーズを処理するために割り当てられ得るが、その特定のポリゴンに到達し得る地上ノードは、軌道ノードにより用いられるエアリソースを延期し、使用しないよう命令される。重複するカバレッジを有する隣接するノードが同時に動作するが、それらが完全に破壊的に干渉しないよう、別個の周波数、コード、タイムスロット等で動作するように、延期の完了に加え、いくつかの調整が、ノード間で行われ得る。
MMEが状態情報を取得し、割り当てを計算し、それらの割り当てを前もって伝達することにより、セルラネットワークは、ネットワークのノードのうちのいくつかが、いくつかが軌道ノードよりもはるかにUEに近いことがある地上ノードに対して迅速に動きながら、かつ地上ノードと重複しながら軌道上にある場合でも、効率的に動作できる。いくつかの場合、例えば、ドローン、バルーン等、いくつかの動いている地上ノードが存在し得るが、それらは、軌道ノードに対して静止しているものとして扱われ得る。
MMEのより具体的な拡張をここで説明する。
ネットワークの将来の状態に関する実行可能知能を生成すべく、MMEの拡張は、一連のデータベースを用いて軌道ダイナミクスの仮想シミュレーションを通知する状態空間予測エンジンと、衛星のナビゲーション、ガイドおよび制御と、ペイロード動作と、別個のネットワークノード間のRFリンクバジェット等とを含む。この実行可能知能は、シミュレーションから推論され、時間ベースで格納されたコマンドのようなものへパッケージ化され得る。コマンドのようなものは、MME内、基地局内、またはさらにはUE内のネットワークシグナリングイベントを起動またはトリガする。これにより、ネットワークルーティング、ネットワークノードの接続、ネットワークインフラストラクチャの消費電力、スペクトルリソース割り当て、基地局の動作、宇宙機の動作等が最適化され得る。所望の最適化アルゴリズムは、データベースとして格納され得る。このデータベースは、時間で変わり得ると共に、緊急事態/災害などの外部の変化/影響に応じて(例えば、NOCにより)アクセスおよび再構成され得るように可読かつ書き込み可能であり得る。
MMEの拡張は、MMEと同じコンピュータ上で、またはおそらく別個のプロセッサ上で動作する周辺アプリケーションの形態を取り得る。拡張は、4個の、場合によっては別個のデータベースを利用する。データベースは、宇宙ネットワーク内のNOCまたはTTCC&DHシステムにより通知を受け得る。
履歴ネットワーク状態空間(HNSS)データベースは、衛星の位置と、速度と、姿勢と、姿勢レートと、ネットワーク動作/状態と、ネットワークログファイルとを含む履歴データを含み得る。HNSSデータベースは、衛星がそれらのテレメトリデータをダウンリンクしたか、または衛星テレメトリデータが収集された場合、TTCC&DHシステムにより通知を受ける。
ネットワークモデル(NM)データベースは、シミュレーションされる必要がある環境と、ネットワーク内の衛星の各々の動作能力/動作特性とを特徴付けるデータを含み得る。衛星がネットワークに追加され、衛星が機能不全になるか、または駄目になったとき、NOC、またはTTCC&DHシステムからの異常テレメトリにより、各宇宙機の動作特性のステータスが変更され得る。
コンスタレーションロケーションレジスタ(CLR)データベースは、HLR特徴との宇宙ベースの対応関係であり、UEとネットワーク関連対象ポイントとについての位置情報を格納する。UEの位置情報は、各UE用の記録されたトラッキングデータにより更新され得る。トラッキングデータは、CLRおよびHSSの両方へ送信されるために格納される。NOCは、ネットワーク動作の関連する対象ポイントを更新、削除または追加し得る。
コンスタレーションポリシおよびルール(CPR)データベースは、ネットワーク空間ハードウェア用の飛行動作ルールについての情報、ならびにネットワーク用の関連する仮想対象ポイントについてのポリシおよびQoS要件を格納する。CPRは、NOCにより更新され得る。
これら4つのデータベースは、ネットワーク状態空間予測エンジンにより用いられる情報を含む。ネットワーク状態空間予測エンジンは、軌道ダイナミクス処理、宇宙機姿勢ダイナミクス/制御処理およびリンクバジェット/RFシステム処理を用いて、将来の時間内における宇宙ベースネットワークの状態を正確にシミュレーションおよび予測する。ネットワーク状態空間予測エンジンは、データベース内のポリシ、ルール等に基づいてネットワーク動作を最適化するいくつかの最適化処理を活用し得る。
ネットワーク状態空間予測エンジンは、宇宙ネットワーク内の様々な要素のための一連の行程を生成し得る。一実施形態において、3つの別個の行程のセットが存在し得る。1つは、宇宙ネットワーク内の飛行ソフトウェアによる使用向けであり得る宇宙機行程であってよい。別のものは、各衛星内の拡張型MME機能への配信向けであり得るコアネットワーク行程であってよい。最終的に、衛星ネットワーク内の基地局による使用向けであろうRAN行程が存在し得る。各宇宙機がEPCおよび/または基地局のホストなので、これらの行程は、状態空間(SS)データベースと呼ばれる共通のデータベースへパッケージ化され得る。このデータベースは、宇宙機の各々による使用のために、ネットワーク全体にわたって分散され得る。
図11は、拡張型MMEにより用いられるさらなる特徴として実装され得る手順を説明するフロー図を示す。拡張型MMEは、ネットワークの将来の状態空間を予測する処理を用いてモビリティを管理し得る。これを行うために、拡張型MMEは、4つのデータベース、すなわち、履歴ネットワーク状態空間データベース1102、ネットワークモデルデータベース1104、コンスタレーションロケーションレジスタ1106ならびにコンスタレーションポリシおよびルールデータベース1108を活用し得る。これらのMMEは、TTCC&DHシステムまたはNOCのいずれかから情報を受信し、その情報をそれらのデータベースに格納し得る。これらのMMEは、ネットワーク状態空間予測エンジン1110へ情報を供給し得る。ネットワーク状態空間予測エンジン1110は、軌道メカニクスおよび姿勢ダイナミクスならびにリンクバジェット予測ソフトウェアを用いて、(基地局、ISL、GSL等についての)可能なネットワーク接続シナリオを解析するであろう。この解析から、ネットワーク状態空間予測エンジンは、行程、すなわち、宇宙機行程1112、E-UTRAN行程1114およびEPC行程1116を生成するであろう。これらの行程は、TTCC&DH制御プレーン、EPC制御プレーンおよびE-UTRAN制御プレーンにおいてどのように管理し/動作させるかについての関連情報(例えば、時間ベース制御プレーンシグナリングコマンド)を含み得る。これらの行程は、拡張型MMEをサポートするために構築される1つの共通の状態空間データベース1118へと組み合わされ得る。なぜなら、将来のある程度の時間のための宇宙ベースインフラストラクチャ用のネットワーク動作情報を含むからである。
[B.1 履歴ネットワーク状態空間(HNSS)データベース]
図12は、履歴ネットワーク状態空間データベース1202の例示である。データベース1202は、ネットワーク衛星の記録された位置1204、ネットワーク衛星の記録された速度1206、ネットワーク衛星の記録された姿勢/向き1208、ネットワーク衛星の記録された姿勢レート1210、記録されたネットワーク状態空間データ1212および記録されたネットワークログファイル1214を含み得る。
[B2. 基地局、UEおよびGSの位置および速度のデータベース]
図13は、トラッキングされてよく、かつ、それらの状態空間が格納されてよいネットワーク内の様々なプラットフォームのシナリオを示す。軌道周回基地局1302は、例えばGSM、EDGE、CDMA、LTE等のある3GPPプロトコルを利用する標準的なUE1330への通信リンクを閉じ得る通信システム(例えば、アンテナおよびRFフロントエンド)を利用してある軌道高度1324で地球の軌道を周回し得る。軌道周回基地局は、インターネットおよび他のMNOプロバイダネットワークへのアクセスのために、地上局IPスイッチ1328を介した地上への接続を維持し得る。軌道周回基地局は、位置
1310、速度
1312、加速度
1314および向き
1316という一連の状態空間ベクトルにより最も良く説明される位置、速度、加速度および向き(または姿勢)を有し得る。これらの状態空間ベクトルは、任意の座標系において表され得る。衛星の状態ベクトルは、地球中心、地球固定(ECEF)でトラッキングされることが多い。衛星は、地球の本体または地球中心慣性(ECI)で回転し、慣性空間座標系において固定されたままとなる。
ネットワークコンピュータまたは軌道周回基地局は、式1に示されるように、3次元座標系における衛星の位置を表すためにおそらくサイズ3×1のベクトルとして表される慣性空間内での軌道周回物体の位置の表示を維持し得る。
ネットワークコンピュータまたは軌道周回基地局は、軌道周回物体の速度の表示を維持してよく、加速度は、式2および式3に示されるものと同様の方式で格納され得る。
様々なコンポーネントが位置、速度、加速度等の表示を格納できる。1つの格納方法は、3次元座標系における剛体の向きを格納することである。1つの表示は、回転基準座標系または固定基準座標系で表される3つの軸を中心とした度単位の回転を表す3×1ベクトルで格納される3つの角度であるオイラー角度を用いる。1つの表示は、回転している物体の機体座標系におけるz軸を中心とした軸回転、次に、機体座標系のy軸および最終的に機体座標系のx軸を表すロール、ピッチおよびヨーを用いる(z-y'-x''回転として示されることが多い)。別の表示は、固定座標系のz軸、次にx軸、および次に再びz軸(z-x-z)を中心とした軸回転を表す章動、歳差運動およびスピンを用いる。さらに別の表示は、回転軸および角度を表す4×1ベクトルである4元数としての向き情報または姿勢情報を格納する。オイラー角度として格納される軌道周回物体の向きベクトルは、式4に示される形態を取り得る。
軌道周回物体は、典型的には、3次元空間内での自らの向きを決定し、次に(宇宙機剛体へのトルクを提供するためのアクチュエータを用いて)制御し得る姿勢決定および制御システム(ADCS)をホスティングし得る。このシステムを用いて、姿勢再配向操作が計画されてよく、基地局の角速度
がトラッキングされ、さらには将来へ向けて予測され得る。
軌道周回基地局は、地上のあるカバレッジフットプリント1326の範囲内のUEにカバレッジを提供し得る。このカバレッジフットプリントは、十分なRFカバレッジを提供するために複数の開口、フェーズドアレイ等の技術を利用する単一または複数のスポットビームを含み得る。
軌道周回基地局より下には、慣性空間内またはおそらく地球固定座標系におけるある位置、速度、加速度および向きをやはり有するドローン1308、バルーン1306またはタワー1304上で動作する他の基地局が存在し得る。軌道周回基地局と同様に、それらも、複数のアンテナまたはアレイにより生成されるカバレッジエリアをおそらく含むカバレッジフットプリントを有するであろう。基地局に加え、座標系における位置、速度、加速度および向きをやはり有するUE1330も存在し得る。
各基地局の位置および速度が把握されるので、ネットワーク内の各基地局の互いに対する位置および速度を定義するベクトルについて計算が行われ得る。同様に、各UEの位置および速度が把握されていることで、軌道周回基地局に対するUEの相対位置および相対速度を表すベクトルについての計算が可能になる。例えば、軌道周回eNBとUEとの間の関係を表すこれらのベクトルは、相対位置1318、相対速度1320および相対加速度1322であり得る。
現在のセルラアーキテクチャでは、三角測量を介した相対配置により既知の座標系に基づく特定の位置結果が生成され得るように、トランスミッタタワーのGPS位置が記録および格納されることが多い。UEの位置は、あるネットワークレベルでトラッキングされるが、特定のサービングタワーまたはサービングトランスミッタまたはサービング基地局を識別するネットワーク位置コードおよびネットワーク位置IDよりも正確ではない。トラッキングは、サービングMMEだけに限定されることがあり、その場合には、そのMMEによる制御下にある基地局のいずれかによりカバーされる特定の地域または領域のみが指定され得る。結果として、典型的な地上ネットワークは、RFエアインタフェースおよび制御プレーンを介してUEの位置および速度についての知識を有しない。いくつかのアプリケーションは、GPS位置をログし、サーバを介したバックエンドトラッキングを可能にし得る。しかしながら、これらのシナリオでは、ユーザは、デバイスに関するGPS読み取りをトラッキングしている適切なIPサーバへの接続を有している場合に限り、トラッキングされ得る。
Speidel Iにおいて説明されているように、提案されている軌道周回モバイルネットワークは、RACH上のUEからのRF信号に基づくエアインタフェース測定(例えば、ハンドセットGPSは必要とされない)を実装することで、格納するために十分正確に位置および速度を測定でき、モビリティ管理に用いられ得る、これらの状態ベクトルのデータベースを維持できる。これについては、本明細書においてより詳細に説明する。
軌道周回基地局を用いた提案されているアーキテクチャは、絶えずかつ非常に迅速に動いているネットワークインフラストラクチャを用いてネットワーク通信およびトラフィックルーティングを管理する必要があるという課題を示している。しかしながら、軌道メカニクス、およびテレメトリ測定と組み合わされた十分なモデル化により、軌道周回基地局集団全体についての将来の状態ベクトルの正確な予測が可能になり得る。
ネットワーク要素の位置および速度のデータベースは、衛星ネットワークにサービスを提供している多くの地上局の位置および住所も含み得る。データベースは、アンテナが向いている方向を衛星がトラッキングされている座標系に関連付ける、ある座標系におけるゲートウェイの向きさえ格納し得る。
[C. ネットワークモデル(NM)データベースの説明]
図14は、ネットワークモデルデータベース1402を示す。データベースは、地球の重力モデル1404と、地球の大気密度のモデル1406と、地球の磁場のモデル1408と、宇宙機バスシステムのモデル1410と、例えばスラスタ、姿勢制御等の宇宙機アクチュエータのモデル1412と、主にリンクバジェットのアンテナ放射パターンである、各宇宙機上のネットワーク内の各アンテナのモデル1414と、太陽、月、惑星等の位置を含む太陽系のモデル1416とを含み得る。
[C.1 地球の重力モデル]
地球の重力場モデルのデータベースは、衛星に対する地球の重力からの力が衛星の存在と将来の位置とに基づき得るように利用され得る。地球の重力モデルは、様々な形態を取り得る。そのうちのいくつかは、計算の精度と適時性との間のトレードオフを提供する。例えば、地球の単純な球状重力モデルが実装されてよく、地球のWGS-84楕円重力モデルが実装されてよく、または、地球の帯域調和重力場を説明する係数を用いた項のn次の総和が、実装されてよい(例えば、J4を通じた高調波は、十分に正確であり得る)。様々なオプションが、加速度の計算の様々な忠実度および適時性を提供する。ECEF座標系に対する衛星の位置の関数としての加速度を計算するために関数が呼び出され得るように、多くのモデルが格納され得る。
衛星に対する重力勾配力から生じるトルクは、衛星に作用する重力と、衛星の重力中心に対する衛星の質量中心の位置を表すベクトルとのクロス乗積と同等であってよい。式5でのように、重力は、衛星の重力中心を通じて作用し、衛星は、その質量中心を中心として回転する。
[C.2 地球の大気モデル]
ドラッグに起因する軌道摂動および姿勢摂動の計算を支援するために、地球の大気モデルも格納され得る。例えばNRLMSISE-00、Jacchia、JB2008等、実装される大気モデルは、1つであってもよく、多くてもよい。状態空間予測を支援するためのこれらのモデルの出力は、密度および温度であってよい。これらは、衛星に対する大気抵抗力を駆動する大気特性である。大気密度に加え、衛星の弾道係数も大気抵抗の計算を駆動する。
式6でのように、衛星に対するドラッグ力は、衛星の軌道上での位置、軌道上での速度、日/時(モデルに応じて)、用いられる大気モデルおよび衛星の向きの関数として計算され得る。
衛星に対する大気抵抗力から生じるトルクは、衛星に作用するドラッグ力と、衛星の圧力中心に対する衛星の質量中心の位置を表すベクトルとのクロス乗積と同等であってよい。式7でのように、ドラッグ力は、衛星の圧力中心を通じて作用し、衛星は、その質量中心を中心として回転する。
[C.3 地球の磁場モデル]
地球の磁場もモデル化され得る。このモデルは、姿勢の決定および制御のために宇宙機に対して磁気が用いられる場合に有用であり得る。これは、LEO軌道上で特に有用である。LEO軌道では、地球の磁場は、オンボード磁気トルクを用た測定および押し付けの両方が容易な絶対値である磁場モデルは、地球の重力モデルと同様に、様々な形態を取り得る。このモデルにより、衛星の位置における
場を衛星の位置と所望の測定の日時との関数として計算またはルックアップすることが可能になり得る。式8でのように、磁場モデルの例は、国際標準地球磁場(IGRF)、世界磁気モデル(WMM)または拡張磁気モデル(EMM2105)等である。
式9でのように、衛星に対する磁力から生じるトルクは、宇宙機の磁気ダイポール(磁気アクチュエータにより意図的に引き起こされるが、衛星に搭載される電子機器等によっても意図せずに引き起こされる)にその時点での衛星の周囲の磁場を乗じたクロス乗積と同等であってよい。
[C.4 宇宙機バスモデル]
宇宙機バスモデルは、宇宙機のサブシステムの仕様に関するデータを含み得る。宇宙機の技術的な特性および性能について格納され得るデータの量はとてつもないが、以下では、適用可能な実施形態において有用であり得るのいくつかのデータの列挙を説明する。宇宙機バスモデルは、TTCC&DHシステムにより通知を受けるであろう。なぜなら、テレメトリが、動作中に宇宙機から取得されるからである。しかしながら、耐用期間の開始時点では、このモデルは、例として、地上試験の後の最初の性能に基づいて確立され得る。
データベース内の宇宙機についての構造情報/質量情報が存在し得る。宇宙機バスモデルは、宇宙機の乾燥質量、湿潤質量、現在質量、慣性モーメント行列等を格納し得る。これは、宇宙機上で利用可能な燃料の現在質量も含み得る。このデータは、宇宙機上のテレメトリ読み取り値からのものであり得ると共に、経時的に更新され得る。慣性状態行列は、宇宙機におけるオンボード測定値により改善され得る。なぜなら、慣性状態行列では、バスに印加される既知のトルクからの姿勢レート値を測定するからである。操作が行われるので、衛星の角回転速度のモデル化された変更(外乱トルクを測定するために用いられ得る)および/または慣性状態行列の変更には、誤差が測定され得る。質量値に加え、宇宙機の慣性テンソルも格納され得る。これは、宇宙機の慣性モーメントを表す3×3アレイであってよい。宇宙機の厚さおよび構造サイズならびにその付属項目についての構造情報がさらに存在し得る。拡張型MMEにおける電力および熱のシミュレーションが、有限要素解析シミュレーションにおいてParasolidを活用するためのものであった場合には、各宇宙機のParasolidモデルさえ格納され得る。
質量情報に関連して、衛星の弾道係数などのドラッグ特性も格納され得る。衛星のドラッグ係数は、衛星の速度ベクトルに対する迎角または向きの関数として変わり得る。ドラッグ係数のデータベースは、行および列が速度からの角度オフセット(仰角および方位角)を示す行列として格納され得る。同様に、衛星の太陽光反射率は、向き(この場合を除き、衛星に対する太陽の位置に対する向き)の関数として変わり得る。式10でのように、弾道係数は、状態空間予測関数からのモデル化された軌跡上で測定された誤差に基づき、軌道に関して経時的に較正および/または改善され得る。
同様の方式で、データベースは、衛星の圧力中心および重力中心が宇宙機の向き(地球に対するもの、およびその速度ベクトル)の関数としてどのように変わるかも格納し得る。
データベースは、宇宙機についての熱情報も格納し得る。これは、各面の吸収率値および放射率値を保持する宇宙機の各面の全く単純なベクトルであってよい。宇宙機全体にわたる熱導電性経路を表す他のベクトルも存在し得る。
電力システムもモデル化され得る。ここでは、特定のモードで動作している場合に、またはどのコンポーネントが電力分配を受けているかの関数として、宇宙機の消費電力が定量化される。電池もモデル化され得る。ここでは、試験での充電および放電の率および曲線が記録される(また、軌道上での動作後のテレメトリから更新される)。この情報は、消費電力および記憶容量に関する制限外で動作するようネットワーク状態空間予測子が衛星にコマンドしないことを保証するために、電力シミュレーションにおいて用いられ得る。
[C.5 宇宙機アクチュエータモデル]
アクチュエータモデルを格納するデータベースは、スラスタの性能、アクチュエータの姿勢制御等を定量化できる。アンテナおよび太陽光アレイのような他のシステムの配備のためのアクチュエータについて格納されるデータも存在し得る。
推進システムでは、データベースは、スラスタにより提供されるベクトルの起動についての機械的情報を含み得る。これは、宇宙機の機体座標系におけるベクトルであってよい。また、推進システムは、例えば推力、Isp、質量流量等の性能を、場合によっては動作レジーム(例えば、圧力、温度、電力入力等)の関数として有し得る。燃料量は、飛行中にモニタリングされ、起動時の性能からの推力、電力等の測定された変化に基づいてモデルを通知/更新するであろう。
姿勢制御システムでは、データベースは、姿勢制御システムの機械的レイアウトを示す一連のベクトルであってよい。リアクションホイールでは、これらのベクトルは、宇宙機の機体座標系における車輪に対する正常なベクトルであってよい。トルクコイルでは、これは、コイルの面であってよい。動作レジーム(例えば、アクチュエータに印加される電流等)の関数として印加され得るトルクなど、システムについての他の情報が格納され得る。
[C.6 ネットワークアンテナの向きのデータベース]
宇宙ネットワーク用に用いられる宇宙機は、地上の基地局とUEとの間の通信、ISL(ISL)を介した軌道上の基地局と他の基地局(またはおそらく、軌道上のMME)との間の通信、および/または、軌道基地局/MMEとさらなるMME、P-GWまたはS-GWとして機能する地上ゲートウェイアンテナとの間の通信のための一連のアンテナをホスティングし得る。宇宙機が設計される場合、これらのアンテナの位置の選択は通常、既知であり、文書化されており、個々の宇宙機設計特性が保存されるであろうデータベースへ保存され得る。
宇宙機上のアンテナは、様々な種類または1つの種類のものであってよい。アナログアンテナ技術により、アンテナを特定の方向へ物理的に向けることで、指向性またはゲインを表すRFの放射パターンを、アンテナのボアサイトに対する向き/角度(典型的には、その方向/向き)の関数として生成することが可能になる。このように挙動するアンテナは、放物型アンテナ、ホーンアンテナ、らせんアンテナ、4線巻アンテナまたはパッチアンテナであってよい。デジタル方式でステアリングされるアンテナアレイも用いられ得る。デジタル方式でステアリングされるアンテナ、すなわちフェーズドアレイは、アレイ状に配置された、らせん、パッチ、ダイポール等のような複数のアナログ要素を備え得る。これにより、特定の使用帯域幅に対する特定のゲイン要件に対応するためのスペーシングが可能になる。フェーズドアレイは、ボアサイトを画定する機械的に固定された向きを有し得るが、ビームは、フェーズドアレイ内の各要素を通じて伝送される信号の位相をオフセットすることにより、そのボアサイトベクトルからデジタル方式でステアリングオフされ得る。故に、フェーズドアレイは、1つの
を有してよく、複数のビーム
を有してよい。したがって、
により説明されるベクトルは、明瞭に表現された位相差の関数であってよく、その実装は、2つの角度として、またはフェーズドアレイ内の各機械的要素における位相オフセットを表す位相オフセットのベクトルとして保存され得る。
宇宙機に搭載されるアンテナの性能特性は、飛行前に地上で測定および較正され得る。アンテナのゲイン、指向性、VSWR等を
および/または
に対する周波数および向きの両方の関数として表すデータセットは、各宇宙機基地局およびその伝送開口/要素について保存および格納され得る。
特定の実施形態において、ペイロードアンテナは、サブの1GHzの範囲のセルラ帯域でUEと通信し得る。単一のアンテナと、RFフロントエンドフィルタ/LNAバンクとは、600MHzと960MHzとの間の多くのセルラ帯域に対応するように設計され得る。衛星間リンクアンテナおよび地上局リンクアンテナは、S帯域、X帯域、Ku帯域、Ka帯域、V帯域またはW帯域など、より高い周波数を利用し得る。S帯域、X帯域、Ku帯域、Ka帯域との互換性を有するハードウェア、RFコンポーネントおよび地上局が有り余るほど普及していることが、これらの伝送リンクについての設計上の判断を駆動し得る。
図15は、使用対象の様々なアンテナビームを宇宙機1502がどのようにホスティングして、ISL接続、GSL接続またはUEへの接続を生成し得るかを示す。宇宙機の機体基準座標系1506は、地球中心座標系、地球固定(ECEF)座標系など、ある他の基準座標系1504に対して配向され得る。様々な通信経路をサポートするアンテナは、宇宙機の本体上の物理的な向きを有し得る。これらのアンテナは、特定の向きにある場合、例として、
1508、
1516および
1512といったポインティングベクトルを有する。多くのベクトルは、ECEF座標系におけるある向きを有し得る。各アンテナは、それらをあるベクトル
1510、
1518および
1514に向けること、また、それらの多くをECEF座標系におけるある向きに向けることを可能にするある位相シフトネットワークに基づいて明瞭に表現され得る複数個のビームに対応でき得る。
アンテナポインティングベクトルに対するビームベクトルの関係は、宇宙機の機体座標系に対するある軸および角度に対応するある回転行列として定義され得る。それは、アンテナの後方のRFネットワークのある位相シフトにも対応するであろう。これにより、ビームフォーミングが可能になる。アンテナ開口ベクトルからの位相シフトとビームオフセットとの間の関係は、あるデータベースに保存され得る。
各ビームおよび各アンテナは、一意の指向性、ゲイン、VSWR等を、リンクバジェットジオメトリに対する向きの関数(例えば、
および/または
からの角度オフセットを用いてこれらの変数を表す3次元メッシュ)として有し得る。
この情報は、宇宙機上を飛行するアンテナのゲイン放射パターンとして、データベースに数値的に保存され得る。これは、行と列とで表されるdBの行列であってよい。ここで、行は、EフィールドおよびHフィールドにおける角度オフセットを示す。データベースは、宇宙機の機体座標系におけるアンテナの位置および向きについての情報も含み得る。これにより、アンテナの向きは、任意の姿勢を仮定して、慣性空間内で計算され得る。
フェーズドアレイアンテナの場合、放射パターンは、行、列およびレーンで表される、dB値の3次元行列として保存され得る。ここで、行および列は、アレイにより形成されているビームの方向に対する、EフィールドおよびHフィールドにおける角度オフセットを示し、レーンは、ボアサイトからの特定の角度でのビームフォーミングのための所与の位相オフセットでの放射パターンを示す。
式11でのように、特定の方向への、例えば、UEに向かうビームにより提供されるゲインは、衛星の向きと、アンテナの向きと、ビームの向きと、アンテナに対するUEの位置を表すベクトルとを用いて関数が呼ばれ得るように、前に説明した3次元行列によりモデル化され得る。
[C.7 惑星、月および太陽の位置のデータベース]
必ずしも衛星の軌道ダイナミクスを駆動しないが、状態空間予測の精度のためにモデル化されるべき測定可能な軌跡偏差を生成できる軌道摂動の計算を支援するために、さらなるデータベースが格納され得る。この種のデータベースの例は、太陽系(太陽および地球の月を含む)における惑星の位置のマップであってよい。式12でのように、太陽の周囲のそれらの軌道上の惑星の位置は、所望の日時に基づいて将来の惑星の位置を計算できる単純な多項式を用いてモデル化され得る。
[D. コンスタレーションロケーションレジスタ(CLR)]
コンスタレーションロケーションレジスタは、状態空間予測エンジンがネットワーク基地局のトランスミッタのカバレッジダイナミクスを解析するために必要とされる多くの情報を保持するデータベースである。このデータベースは、ネットワークの対象である地表に対する位置のリストとして実装され得る。
図16は、コンスタレーションロケーションレジスタ1602を示す。このデータベースは、地球の周囲のメッシュポイント1604と、宇宙ベース基地局の位置1606と、地上基地局のカバレッジポリゴンの位置1608と、宇宙ネットワーク基地局用の「静的」カバレッジポリゴンの位置1610と、宇宙ネットワークからの動的カバレッジポリゴンの位置1612と、UEの位置(例えば、GPS座標)1614とを含み得る。
[D.1 メッシュポイントのデータベース]
宇宙ベースネットワークのコンポーネントは、地球のモデルを開発する。これは、ポイントのメッシュとして行われてよい。これらのコンポーネントは、これをデータベースに格納し得る。このポイントのメッシュは、ランダムに、おそらく1回または繰り返しそのように生成され得る。代替的に、このメッシュは、地球の周囲の構造化グリッドを表し得る。例えば、地球の周囲に等間隔に存在する100万個のポイントのメッシュは、約500平方kmグリッド(約22km×22kmの平方)の地理空間的忠実度を提供し得る。
特定の実施形態において、メッシュは、セルがより小さく、かつ、よりきつく詰め込まれる人口密度に基づいて重み付けされ得る。また、メッシュは、特定の地理的位置におけるネットワーク性能の解析の特定の改善のために作成されてよく、故に、メッシュは、特定の地域では高密度化される。
別の実施形態では、多くのメッシュが、種類(例えば、海路のみ、特定の国のみ、特定の州のみ等)に基づいて作成およびフィルタリングされ得る。
任意の所与の時点におけるデータベース内の各メッシュポイントについて、メッシュ内のそのポイントについてのルールまたはポリシのリストが存在し得る。メッシュ内の特定のポイントの各々は、ルールを有しなくてもよく、どの周波数がそこで用いられ得るか、または、どれくらいの信号エネルギーが所与の周波数で特定の帯域幅にわたってメッシュ内のそのポイントに対して放射され得るかなど、多くのルールを有してもよい。これらのルールの各々は、ポリゴンにより定義されてよく、メッシュ内の各ポイントは、複数のポリゴンにカバーされている結果として、複数のルールを有してよい。このデータは、他のポリシ/動作要件または制約と共に、コンスタレーションポリシおよびルール(CPR)データベースと呼ばれる別個のデータベースに格納され得る。
[D.2 基地局ポリゴンのデータベース]
一実施形態において、地上基地局セル縁を表す中心ポイントにより説明される地上セルを表すポリゴンのデータベースが存在し得る。例えば、セルID、MCC、MNC、S-GW、P-GW、およびおそらく、カバレッジのプロトコル(例えば、GSM、LTE)、周波数、アンテナゲイン、ポリゴンの内側/上部の各ポイントにおけるセルおよび近接セルからのRSSIなどのカバレッジ情報等、ポリゴンについてのさらなる情報も格納され得る。
宇宙ネットワーク用のターゲットカバレッジセルを表すさらなるポリゴンがこのデータベースに格納され得る(例えば、ネットワークプロバイダが同意済みの特定の地理的領域が、そのエリア内に配備され得る。なぜなら、そこでは、他のタワーがスペクトルを配備していないからである)。これらのカバレッジセルは、地表上で静的であってよく、かつ、軌道周回基地局上の一組のアンテナがその周波数でカバーできるサイズ(例えば、軌道の高さ、ゲイン、およびビーム幅)に直径が対応していてよい。これらのポリゴンは、特定の緯度座標、経度座標、高度座標を有する中心ポイントおよび縁ポイントならびに一連のさらなるデータポイントと共に格納され得る。これらのデータポイントの各々について、どの周波数がその位置での宇宙ネットワークによる使用に対してライセンスされ得るか、その位置についての帯域幅要件(例えば、MCS、帯域幅、データレート等)、おおよその加入者密度、宇宙ネットワークからの最小RSSI、宇宙ネットワークからの最大RSSI、近接セル、近接セルのRSSI、MCC、MNC、LAC等が存在し得る。共通のカバレッジ要件(例えば、周波数等)地理的エリアであってよいカバレッジエリアを示すための特定のポリゴンがデータベース内に生成され得る。各ポリゴンは、自らがメッシュ内のどのポイントをカバーするかまたは含むかを定義するために、中心ポイントおよび縁ポイントにより説明され得る。中心ポイントについての格納されたデータは、ポリゴンの縁におけるポイントについて格納されたデータとは異なり得る(例えば、中心におけるRSSIは、縁におけるRSSIとは異なり得る)。
図17は、ポイントのメッシュデータベースがどのように実装され得るかを示す。示されているのは、メッシュ内のポイントであってよい一連のポイントである。各ポイントは、ECEF座標系における位置ベクトルを示す3つの値を有するベクトルとして格納され得る。ビームステアリング機能を有する、軌道上のいくつかの衛星1722が存在し得る。また、ビームステアリング機能がない他の衛星1724が存在し得る。ビームステアリングアレイは、ポリゴンの1712の内側に含まれ、かつ、縁1708上にある、メッシュの一連のポイントとして説明され得る、地上の静的ポリゴン基地局セル1710に向いていてよい。ビームステアリングがないアレイは、動く地球に対してスポットビームを使用し得る。これらは、データベースにおいて、動的ポリゴン基地局セルとして説明され得る。同様に、静的セルには、動的セル1714の内側に含まれ、かつ、いくつかがセル1716の縁上に含まれる、メッシュのポイントが存在し得る。地上基地局ポリゴンは、保存されてよく1706、それらも、それら1704の内側と、縁1702とにメッシュポイントを有してよい。いくつかの実施形態において、UE1720の位置もメッシュ内に含まれ得る。メッシュは、惑星の表面全体をカバーしてよく、いくつかのメッシュポイント1718が既存のポリゴン(地上またはその他)の外側で含まれることが可能である。
[D.3 ポリゴンの位置および速度のデータベース]
軌道周回モバイルネットワークは、いくらか重要である地表上の特定のポリゴンまたはサービスエリアについての情報を含むデータベースを利用し得る。例として、地表上の静的ポリゴンは、周回軌道衛星ネットワークにより用いられる特定の周波数に対するライセンス領域を表し得る。代替的に、軌道周回トランスミッタからその地域に対して有意義にサービスを提供すべく、特定のレベルのサービス(例えば、データレート、1平方km当たりデータレート等)を必要とする特定のサービスエリアを画定するポリゴンが存在し得る。データベース内のいくつかのポリゴンは、動いていてよく、したがって、位置および速度は、時間と共に変化している。これは、例として、別の衛星カバレッジフットプリントであってよい。
[D.4 静的セルカバレッジゾーン]
衛星用のカバレッジエリアは、地表上の特定の緯度経度ポリゴンとして予め定義され得る。これらのポリゴンは、衛星からの利用可能なスペクトルと、所望のカバレッジエリアの人口密度とに基づくいくつかの要件に基づいて、大きくてもよく、小さくてもよい。地上で画定されるポリゴンに対してビームがうまく合い得るように、ポリゴンは、軌道上にいる間の様々な姿勢での開口のいくつかの既知の放射パターンに基づく形状であることが理想的であろう。ポリゴンは、重複していてもよく、重複していなくてもよい。隣接セルの干渉緩和制御が十分であれば、地表に対する信号エネルギー放射の1dBまたは2dB程度のわずかな誤差は、ネットワークの問題を示さないはずである。代替的に、開口は、スポットビームがアンテナの正常なベクトルに対してある角度だけボアサイトからずれて明瞭に表現されることを可能にするであろうフェーズドアレイを利用し得る。これらのポリゴンは、規制要件、無線伝送ライセンス境界、サービスエリア要件および/または衛星コンスタレーション設計によっても駆動され得る。ポリゴンは、ある特性(例えば、あるピーク信号、次にセル縁へと低下する)を有する個々のスポットビームくらい、または、ある国の国境くらい、もしくは、宇宙ネットワークからの信号の要件が一定(広拡散)かつ最小(低信号エネルギー)である、惑星全体の大きい領域/帯状地帯くらい、小さくてよい。
静的セルカバレッジゾーンは各々、例えば、位置中心、位置形状(例えば、ある半径の円、ある長さまたは幅の矩形等)、および/または測地緯度、経度および高度などのある座標系でポリゴンの境界を表すベクトルといったある程度の情報を有するデータベース内でポリゴンとして定義され得る。ポリゴン情報も、そのセル内でのサービスの仕様と共に格納され得る。これは、セルのターゲットカバレッジ統計情報を通知するためのピーク電力、最小電力またはある他の信号エネルギーもしくはサービス品質特性、および、衛星がオーバーパスの間に(姿勢の観点またはTx電力の観点およびビームフォーミングの観点のいずれかから)どのように挙動し得るかを含み得る。静的セルがネットワークについて予め定義されるので、それらは、衛星ネットワーク内または地上ネットワーク内のいずれかのデータベースに格納されてよく、衛星ネットワークによりアクセスされ得る。個々の静的セルカバレッジゾーンには、カバレッジのためのネットワーク内の特定の衛星が割り当てられ得る。静的カバレッジゾーンをカバーする衛星は、静的セルにカバレッジを提供し得る場合に特定の衛星番号が所与のタイムスタンプについて格納されるタイムラインに格納され得る。所与の静的セルは、一度に2つの衛星によりカバレッジを提供されることができ得る。ソフトウェアは、オーバーパス中にどの衛星(ソフトウェアがそれを用いてカバレッジを提供して可能な競合を解決できるもの)が静的セルラゾーンを伝送およびカバーすべきかを地上ネットワーク上または宇宙ネットワーク内で計算するために実行され得る。このソフトウェアは、各衛星のための惑星上の各ポリゴンの各中心における予測されるリンクバジェット条件を用い得る。どの衛星がその時点でセルとの最善のリンクバジェットを有していても、そのセル用のカバレッジを維持し得る。このソフトウェアは、どの衛星が電力使用量に基づいてカバレッジを提供しているかについてのデータも提供し得る。おそらく、特定の電池容量が各衛星に対して所望され、より多くの電池容量を有するものが先行する。
特定の中心点を有する特定の形状としてカバレッジゾーンがデータベース内で定義されるので、これは、カバレッジをどのように最適化すべきかを通知するために、リンクの衛星端上で用いられ得る。各カバレッジゾーンは、定義されたレベルのサービス(例えば、衛星によるサービスのために、そのセルにおいて、少なくともどの信号レベルが所望されるか)を受け得る。定義されたサービスレベルと、ポリゴンにより定義されるカバレッジエリアが原因で、ネットワーク内の各衛星は、カバレッジをポリゴンに提供するような装備を有しないことがあり、ポリゴンを無視して、カバレッジを提供するよう意図されている(かつ、カバレッジを提供するよう設計されている)他のエリアにカバレッジを提供するであろう。ポリゴンにカバレッジを提供できる衛星が、データベース内で文書化されてよく、おそらくさらには、所望される最小カバレッジ要件を提供するためにその衛星が必要とする構成(例えば、カバレッジのために必要なビームの数)も同様である。特に、スポットビームが中心に来る必要があるであろう正確な位置が、データベース内で指定され得る(例えば、ポリゴンYをカバーするために、第1のスポットビームは、特定の座標に向けられてよく、第2のスポットビームは、他の座標に向けられてよい)。
地上の特定の位置におけるアンテナを回転させて向きを変えるために姿勢決定システムが用いられた場合、セルカバレッジに対する回転角により、衛星フットプリントまたはカバレッジエリア用のカバレッジの面積が拡大するであろう。地球上で画定されるカバレッジポリゴンに応じて、カバレッジは、この拡大に対応してよく、故に、おそらく地表上で楕円の形態を取り得る。
[D.5 動的セルカバレッジゾーン]
ビームフォーミング能力がない衛星は、地表上の静的ポリゴンにビームを容易に向けることができないことがある。代わりに、当該衛星は、宇宙機の機体座標系に対して常に同じ方向を向いたビームを開口から伝送し得る。アンテナを天底に向けるように衛星が制御されるシナリオでは、これは、通過するような動きで地表を横断するスポットビームをもたらすであろう。したがって、経時的に、衛星トランスミッタによりカバーされているポリゴンの位置は、地球を表すメッシュに対して動的であり、ポリゴンの縁および中心は、異なる時点において、データベース内の異なるメッシュ位置であり得る。
動的セルが地球に対して動くので、動的ポリゴンは、可変的なポリシ要件等で地表上のメッシュポイントの上方を移動中であろう。例として、大西洋の中央と太平洋の中央との間の総面積を画定する大きいメッシュ帯状地帯が存在してよく、それらのポリゴン内のメッシュポイントは、動的セルが地球の大きい帯状地帯を通過するときに用い得る1つのスペクトルスライバーについて同じポリシ要件を有し得る。言い換えると、ネットワークスペクトル割り当ては、地球を通過中の動的セルに対応するために、かつ、静的ポリゴンにより多いスペクトルをより厳密に割り当てるために、広い帯状地帯にわたってより緩やかなルールで分配され得る。静的ポリゴンがサービスを受けることができない場合、それを含むメッシュは依然として、特定の時点においてそれを偶然通過している動的セルを用いてサービスを受けることができる。
軌道周回基地局は、衛星カバレッジエリアにより定義されるリンクバジェット条件のために選択されたアンテナが十分に対応できるある範囲内の任意のLTE帯域で伝送できるように、ソフトウェア定義型無線機能を有する宇宙機として構成され得る。このようにして、軌道周回基地局は、地上基地局と機能が同等であるものとしてUEに扱われ得る。
カバレッジセルが地球を通過中であり得る場合、伝搬データを含むデータベースは、衛星からのセルラカバレッジが所与の位置においていつ利用可能になり得るかを予測するために用いられ得る。そのように、宇宙ネットワークと協働してスペクトルの利用を調整する必要がある、ネットワークに近接する地上のセルの位置が、静的セルカバレッジゾーンと同様にデータベースに格納され得る。
タワーの位置を用いて、そのタワーのセルに退位する入射信号エネルギーが計算され得る。タワーがUEとの通信のために同じスペクトルチャネルを共有している場合に地上セルと衛星との間のタワー信号がいつコンフリクトして干渉を生じ得るかを判断するために、特定の時間が計算され得る。この時点で、ネットワークは、その時に偶然にも領空侵犯になる宇宙ネットワークオーバヘッド中に衛星により用いられている特定の周波数帯域、チャネル等の制御を自動的に解放するようにプログラミングされていることがある。そのようにする際、スペクトルは、時間的に共有されてよく、最適化されたカバレッジ条件状態を仮定すると、より効果的に用いられ得る。故に、所与のチャネルを介した制御または優先順位は、軌道基地局がどこに存在するかに基づいて、経時的に変化し得る。
どれに優先順位があるかなどのサービス指標が含まれるデータベースにいくつかのポリゴンが追加されてよく、通信がほとんどそれらの地理的エリアによって必要とされる緊急事態の場合、これらは、動的に追加されてよい。優先順位は、時間の関数としてさえ設定され得る。したがって、ネットワークは、近づきつつある緊急事態に対して前もって準備し得る。優先順位が将来に存在する場合、ネットワークは、必要としているポリゴン/ネットワーク使用量の増加をもたらす可能性がある気象または他の緊急事態による影響を受けているポリゴンにより多くのスペクトル利用を割り当てるための電力を保持でき得る。いくつかの実施形態において、ポリゴンは、厳密にはポリゴンではなく、いくつかの曲がった境界を有し得るが、一般的には、ある有限の面積を有する閉鎖形状として扱われ得る。
図18は、動的および静的ポリゴンスキームがどのように見え得るかを示す。衛星は、ある地上トラッキング1820を有する軌道1802上で動作する。ある最初の時点t0 1804と、ある後の時点t1 1806とにおける、ビームフォーミングアンテナS1がない衛星が、図18に示される。S1は、最初の時点t0で、動的ポリゴン1822に対してカバレッジを提供し得る。軌道上で移動した後、S1は、地球に対してカバレッジの提供を続けてよく、時点t1で動的ポリゴン1812に対してカバレッジを提供している。
ある最初の時点t0 1808と、後の時点t1 1810とにおける、ビームフォーミングアンテナS2を有する別の衛星が、この図に示される。S2は、最初の時点t0で、静的ポリゴン1816に対してカバレッジを提供してよく、軌道上で移動した後、S2は、地球に対するカバレッジの提供を続けてよく、時点t1で、同じ静的ポリゴン1816に対してカバレッジを提供してよい。示されるように、ビームフォーミング衛星は、複数の静的ポリゴンにカバレッジを提供し得る。
他の静的ポリゴン1818が、データベース内に存在することがあり、時々、カバレッジを取得しないことがある。これは、拡張型MME内の状態空間予測エンジンのタイミングおよび結果に依存し得る。視認性を維持するためにこの図には示されていないのが、地表にわたって示され得る微細なメッシュである。各ポリゴンは、いくつかのメッシュポイントをカバーしてよく、いくつかの特定のメッシュポイントは、描写されているポリゴンの中心および縁である。やはり静的であるが、既存の地上基地局からのカバレッジポリゴンである他のポリゴン1814が存在し得る。
[E. コンスタレーションポリシおよびルール(CPR)データベース]
上で言及したように、CPRは、宇宙ベースセルラネットワークトランスミッタを位置にわたって動作させるか、またはこれらのルールがマッピングされているポリゴンを動作させるためのルール、規制、ポリシ等を記載した一組のデータを含み得る。ネットワークに対する対象位置を表すメッシュについてのこれらのルールは、規制関連のもの(例えば、周波数、電力レベル等)およびサービス品質関連のもの(例えば、データレート、技術要件等)であってよい。
追加的に、CPRは、そこでの軌道、姿勢、熱および電力に関するどの制約が軌道上の個々の宇宙機の各々を動作させるためものであるかについての情報のデータベースを保持し得る。
図19は、コンスタレーションポリシデータベース1902およびそのコンテンツを示す。データベースは、宇宙機の姿勢および軌道制御システムについての動作飛行ルールのデータベース1904と、宇宙機の熱の要件/制約についての動作飛行ルールのデータベース1906と、宇宙機の電力/電池要件/制約についての動作飛行ルールのデータベース1908と、ネットワーク内の位置/ポリゴン/メッシュポイントについての規則のデータベース1910と、ネットワーク内の位置/ポリゴン/メッシュポイントについてのサービス品質ルールのデータベース1912と、軌道から取得されるスペクトル解析/干渉データのデータベース1914とを含み得る。
[E.1 姿勢および軌道制御飛行ルールのデータベース]
姿勢および軌道制御飛行ルールは、様々な形態でデータベースに格納されてよく、ここで説明される。
力モデルと宇宙機特性を用いる予測エンジンをサポートするために、計画された将来のスラスタ操作を推力の行程またはデルタ-Vの行程のいずれかとして格納するデータベースが存在し得る。これらの計画された操作は、ベクトルとして格納され得る。各ベクトル要素は、スラスト状態を時間内に表す。ベクトルは、スラスタの可能なアクチュエータについてどの制御レベルが用いられるかを示す、電圧値または電流値についてのものでさえあり得る。将来の推力およびデルタVの計算は、衛星の軌跡と、特定の軌道上での、または軌道上の制御ボックス内での衛星の動作を保持するために必要とされる補正とに基づいて予測され得る。例として、この制御ボックスは、動的であってよく、ネットワーク制御NOCによるコマンドに基づいて変化する。これは、NOCコマンド1個当たりの正しい軌道位置を実現するためのデルタV操作の再計算をもたらし得る。その時点で、飛行操作用のデータベースは、更新されるであろう。
デルタV操作と同様に、宇宙機姿勢制御システムを利用するためのCONOP要件が存在し得る。宇宙機は、実行される必要があるトルクベクトルを表すベクトル、または衛星の軌跡にわたる慣性空間内で将来に位置合わせするためのポインティングベクトルをデータベースに格納し得る。例は、衛星が、その本体の特定の面を地球に向け、別の面をその前方の衛星に向け、かつ、別の面をそれら2つのベクトルに垂直な方向に向けることを求めるということであり得る。デルタV要件が将来に予測され得ると同様に、姿勢制御法も予測され得る。これは、剛体ダイナミクスシミュレーションを用いて行われてよく、これらは、テレメトリが宇宙機姿勢および制御システムに関して報告されるときに、結果を補正するために反復的に行われてよい。
姿勢ダイナミクスシミュレーションは、典型的には、長い時間スケールにわたってシミュレーションするのが軌道機構よりもはるかに難しく、結果として、状態空間予測子のボトルネックになり得る。適格な「姿勢モード」に基づく姿勢(例えば、天底を向いている、天頂を向いている等)を単に仮定するために、技術が実装され得る。このように、将来の姿勢は、計算(または数値積分法)を必要とすることなく推論されてよく、軌道メカニクスシミュレーションからの宇宙機の状態空間位置(例えば、位置、速度、軌道角モメンタムベクトル等)が、宇宙機本体についてのポインティングベクトルを推論するために用いられ得る。
[E.2 熱要件のデータベース]
熱要件のデータベースが、単に各宇宙機内の各コンポーネントについての熱動作閾値のリストとして維持され得る。(宇宙機バスデータベース内の)各宇宙機の機械的/導電特性を表す一組のデータと、軌道メカニクスシミュレーションと、姿勢シミュレーションと、動作レジーム(例えば、軌道上の各ポイントにおいてどのコンポーネントの電源がオンになっているか)とに基づいて、宇宙ベースネットワークのコンポーネントは、宇宙機の熱特性を経時的にシミュレーションでき、軌道上に何らの過熱もない(または寒過ぎない)ことを保証できる。
このデータベースに格納され、その状態空間予測エンジンに通知するために用いられ得るさらなる熱管理要件が存在し得る。
[E.3 電力管理要件のデータベース]
熱要件と同様に、電力管理要件は、特定の電池容量閾値についての閾値のリストとして現れ得る。おそらく、軌道上で電力システムを健全に保持するために、これらの閾値は、その電池が特定の容量で動作している場合にどの動作モードが宇宙機にとって許容可能であるかを示す特定のモード(おそらく各々、複数のモード)に割り当てられ得る。
このデータベースに格納され、その状態空間予測エンジンに通知するために用いられ得るさらなる電力管理要件が存在し得る。
[E.4 メッシュ/ポリゴンについての規則のデータベース]
前に説明したように、対象エリアまたは対象位置についてのカバレッジ統計情報を決定するために地表上の仮想位置および地域を定義するメッシュまたはポリゴンのデータベースが存在し得る。
これらのポリゴンおよび位置は当然、地球の周囲に存在してよく、異なる規制要件を有してよい。例として、特定のポリゴンのみが、特定の帯域を用いてサービスを受けることができ得る。これは、リソースブロックのリスト、ARFCN等として格納されてよく、宇宙ネットワークに割り当てられ得る(かつおそらく、地上ネットワークのみにどのスペクトルも割り当てられるかも格納される)。周波数要件に加え、伝送電力要件が存在し得る。メッシュ内の各ポイントは、宇宙ネットワークがそのサービスを提供するために使用を許容されているリソースブロック、および、宇宙ネットワークがサービスの提供を許容されていないリソースブロックの両方についての伝送電力要件(例えば、RSSI、電力束密度、電力スペクトル密度等)を有し得る。このように、宇宙機が1つのポリゴンに割り当てられたリソースブロック上の位置に対して伝送する場合、隣接するポリゴン(および対応するメッシュ位置)は、他のポリゴンへの伝送が隣接するポリゴン/メッシュについての規制要件に違反しないことを保証するように評価され得る。
伝送電力および周波数の要件に加え、特定のポリゴンについのて他の優先順位要件も存在し得る。例として、データベースに格納されるいくつかのポリゴンは、既存の地上基地局ポリゴンであってよい。災害の場合または災害が予測される場合(例えば、ハリケーンの場合)、倒れたか、または倒れると予想されるタワーに関連するポリゴンには、必要とされる時間中にこれらのポリゴンのカバレッジをサポートする必要があることを宇宙ネットワークが前もって、またはリアルタイムで把握することを可能にする指標が提供され得る。これらのカバレッジエリアが衛星ビームに対して小さい可能性があるので、それらは、大きいポリゴンへ集約され得る。これにより、それらの全てが倒れた場合、衛星は、それらの合計カバレッジエリアの全てを画定するポリゴンをカバーする。規制データベースは、そのような時に優先順位を提供されるべき特定の第1のレスポンダIMSI、および、衛星がそのセルのカバレッジの間にどれくらいのスペクトルを用いる必要があり得るかを含み得る。
災害など、必要とされる時間中、電力および熱の制限/制約要件が更新されるか、または緩められることにより、衛星の動作を、それらが必要なエリアへのカバレッジを提供する必要がある短時間にわたって引き延ばすことが可能になり得る。
このデータベースに格納され、その状態空間予測エンジンに通知するために用いられ得るさらなる規則/要件が存在し得る。
[E.5 メッシュ/ポリゴンについてのQoSルールのデータベース]
各メッシュ/ポリゴンについての規制要件と同様に、QoS要件も存在し得る。これらの要件は、特定の地域におけるマーケットの要求、特定のポリゴン内の人口密度により駆動されてよく、日の時刻等によって変わり得る。結果として、各メッシュ/ポリゴンは、地球の特定の領域内の人口または加入者、密度を示すデータのような「センサス」を含み得る。国、およびおそらく、その国の価格データに基づいて、各ポリゴンの収益密度も計算され得る。
サービス品質要件は、配備に必要とされる帯域幅の量と、(おそらくアップリンクおよびダウンリンク上で)必要とされる正味スループットと、セル内の必要とされる最小MCSと、地上PDNまたはAPNへの必要とされる待ち時間と、セルにサービスを提供するためにどの種類の無線アクセス技術(例えば、GSM、LTE等)が用いられ得るかと、複数である場合には、どちらが好ましいかとを含み得る。
商業的な観点から、各ポリゴンは、優先順位等級も有し得る。これは、ビームステアリング衛星が、例えば、1つよりも多くのポリゴンに対してカバレッジを十分に提供できるが、1つに対してのみカバレッジを提供でき、かつ、どの1つのポリゴンかを選択し得る場合、コンフリクトを調整するために、状態空間予測エンジン内で用いられ得る。これは、衛星コンスタレーションが部分的に充填されており、間欠的なカバレッジを提供している場合に行われ得る。優先順位等級のための連結の場合、連結は、そのオーバーパスに関するサービスを受けるポリゴンを選択するために(例えば、どのポリゴンも最善のサービスを受ける)、ネットワーク内の内部連結遮断器により遮断され得る。このデータベースは、最後の24時間、48時間、72時間等にポリゴンが受信したカバレッジの量を示す値を含み得る。このデータベースは、ネットワークカバレッジを決定する際に連結遮断器を評価するための有用な情報であり得る、最後のオーバーパス以降の時間を示す値も有し得る。収益密度などの商業的な促進要因が、カバレッジを決定するためのアルゴリズムにおいて用いられ得る。
このデータベースに格納され、かつ、その状態空間予測エンジンに通知するために用いられ得るさらなるQoS要件が存在し得る。
[E.6 スペクトル解析/干渉データのデータベース]
基地局スタックの拡張は、本明細書における他の箇所で実装をより詳細に説明し得るスペクトル解析機能を使用し得る。このスペクトル解析機能の出力は、拡張型基地局スタックから収集される生データの信号解析処理結果の行列またはベクトルであってよい。スペクトル解析器は、軌道上にいる間、特定のRF帯域をリッスンし、レシーバから生のIデータおよびQデータを記録し得る。フーリエ変換(FFT)およびおそらく他のデジタル信号処理技術を用いて、ネットワークは、どのリソースブロック、ARFCN等が軌道上の位置の関数としてより干渉傾向があり得るかを判断できる。この情報は、将来の基地局について予測されるリンクバジェットにおける干渉マージン要件を予測する際に有用であり得る。
干渉データベースは、本開示の実施形態毎に複雑性が異なり得る。いくつかの場合、静的であり、時々更新される干渉レベルが、サービスを提供している衛星の軌道上での位置に基づき、各メッシュまたは各ポリゴンについて格納され得る。より複雑な実施形態において、干渉情報は、空間、周波数および時間の関数として格納され得る(例えば、これにより、リンクバジェット性能のばらつきと干渉とが日にわたって、場合によっては週にわたって予測され得る)。干渉環境は、予想されるノイズフロアを上回るdbの値として格納され得る。
このデータベースに格納され、その状態空間予測エンジンに通知するために用いられ得るさらなるRF信号インテリジェンス、処理等のデータが存在し得る。
[F. ネットワーク状態空間予測エンジン]
ネットワーク状態空間予測エンジンは、モビリティ管理エンティティ(MME)の拡張の一部である。ネットワーク状態空間予測エンジンは、将来の衛星の軌道ダイナミクスシミュレーションを計算するための一連の段階を実行する。これらのシミュレーションは、信頼できる部分である。なぜなら、それらは、飛行全体にわたって比較的整合性がある、宇宙機の位置、速度および質量(例えば、弾道係数)について、かなり頻繁にプレディケートされるからである。軌道ダイナミクスが解決された後に、これは、姿勢ダイナミクスおよび制御シミュレーションを用いて補完され得る。各衛星の姿勢維持のためのいくつかの予め定義される一組の制約に基づいて、経時的な向きが計算され得る。
位置と、速度と、向きと、トランシーバ/アンテナの動作についてのいくつかの仮定とに基づいて、ネットワーク内の仮定リンク間のリンクバジェットは、リンクバジェット予測を介して計算され得る。リンクバジェット予測結果に基づいて、ネットワーク状態空間予測エンジンは、最適なネットワーク状態空間を予測し得る。これは、動作温度または電力限界を超える衛星を用いるという選択が行われた場合、フィードバックが提供され、解析が再び実行され得るように、各衛星についてのCPRデータベース内の電力および熱の要件または制約に関するチェックを伴い得る。ネットワーク状態空間予測エンジンの出力は、衛星と、地上局と、UEとの間で実装され得る選択された無線インタフェースの行列により表され得るネットワーク状態空間予測テーブルである(例えば、どの基地局がアクティブであるか、どのISLがアクティブであるか、およびどのGSLがアクティブであるか)。
図20は、一実施形態におけるネットワーク状態空間予測エンジン2002のコンポーネントを示す。最初に、ネットワーク状態空間予測エンジンは、上で説明したデータベースからの情報をネットワーク内の衛星の動き(および相対的な動き)を正確に予測するために用い得る軌道伝搬関数2004を実装し得る。次に、上で説明したサポート用データベースからの情報をコンスタレーション内の各衛星の姿勢および姿勢レートを経時的に計算するためにやはり用い得る姿勢伝搬関数2006が実行され得る。この関数は、計算上多用されてよく、いくつかの実施形態において、「想定される」姿勢CONOP(例としての軌道伝搬関数からの結果に基づく)を用いて簡略化されてよい。これにより、計算強度の低減およびモデル精度の維持が可能になるであろう。
宇宙ネットワークの軌道および姿勢を伝搬した後に、ネットワークリンクバジェット予測関数2008が実装され得る。この関数は、軌道および姿勢シミュレーションの結果を取得して、ネットワークが全ての時点で利用可能であり得る可能なISL伝送リンク、GSL伝送リンクおよび基地局伝送リンクの解析結果を生成し得る。リンクバジェット予測の結果は、ネットワーク状態空間予測関数2010に渡され得る。ネットワーク状態空間予測関数2010は、(基地局、ISLおよびGSLのために)どのリンクがネットワーク内に生成されるべきかを選択するアルゴリズムまたはアルゴリズムを活用し得る。これらのアルゴリズムは、ルール、ポリシ、制約等についての、また、メッシュ、ポリゴン、衛星等についての、上で説明したデータベースに格納されたデータを活用し得る。これらの処理の結果により、どのリンクが作成されてどのリンクが作成されないかについての決定を編成するために用いられ得るネットワーク状態空間予測行列2012が提供され得る。この状態空間予測行列は、ネットワーク動作を通知するために用いられる行程の状態空間予測データベースを生成するために用いられ得る。
[F.1 軌道伝搬関数:位置および速度の伝搬]
各宇宙機は、その独自の位置および速度を把握するように装備されているので、この情報を内部コンピュータ上で用い、および/または、トラッキング、履歴ログまたは地上のコンピュータでの使用のために、これを地上ネットワークに報告することもできる。
所与の時点での宇宙機の位置、速度および向きが与えられると、これは、将来の宇宙機の位置を正確に予測するために用いられ得る。軌道メカニクスにより、軌道上の宇宙機の動きが制御され、最初の条件である位置および速度が与えられると、加速度を計算でき、数値積分法により、ある時間スパンにわたって将来の位置および速度を伝搬することが可能になり得る。ネットワークのより正確な状態空間予測を生成すすべく、前に説明したデータベースが用いられ得る。
宇宙の軌道周回物体の加速度は、当該物体に作用する力の和を当該物体の質量で除算したものとして定義され得る。式13は、特定の時点における特定の位置および速度での軌道周回物体の加速度を正確に説明し得る。
重力モデル、大気モデル、惑星モデルおよび宇宙機ドラッグ特性についての情報をデータベースが格納しているので、式13は、経時的に計算された宇宙機の位置および速度を得るためのルンゲークッタ法またはシンプレクティック積分器などの技術を用いて、数値的に積分され得る。状態空間予測子のこの要素は、利用されるモデルの忠実度に応じて、宇宙機の位置および速度を時間、日または週にわたってかなりのレベルの精度で正確に予測し得る。
宇宙機が推力を提供する場合、その推力の結果として与えられたトルクも存在し得る。このトルクは、姿勢伝搬関数におけるモデルにとって貴重であり得る。所与の推力の場合、宇宙機に対して与えられるトルクは、推力と、推力ベクトルが宇宙機に押しかかる点に対する宇宙機の質量中心の位置(例えば、推力ノズル自体の位置)を表すベクトルとのクロス乗積であってよい。これは、式14において説明される。
燃料がスラスタから用いられるので、これは、項
および項
を変化させ得ることに留意されたい。
[F.2 姿勢伝搬関数:経時的な宇宙機姿勢の伝搬]
向きまたは角度位置および角速度は、宇宙機により測定され、将来の宇宙機の向きの状態ベクトルを計算するために用いられ得る。宇宙機の慣性状態ベクトルおよびそれが燃料の使用等と共に経時的にどのように変化し得るかならびに制御法則に基づく計画されたトルク操作または所望のポインティングベクトルについての知識を用いて、宇宙機の将来の向きが予測され得る。
剛体ダイナミクスを制御する法則は、式15に示されるようにモデル化され得る。
式15におけるトルク法則の項についての所望のベクトルを計算することがより適切であり得る。宇宙機の回転角速度
および回転角速度率
についての所望の状態が存在し得る。既知の全ての他の項と所望の
とを用いて、この式は、
を求めるために並べ替えられ得る。
一実施形態において、姿勢ダイナミクスにより宇宙機の機体座標系がその軌道および地球に対して特定の方向に向けられるものと想定される場合、姿勢ダイナミクスは、より急速にモデル化され得る。例えば、衛星は、下方の天底に向いた1つの本体軸、またはある既知の角度オフセット天底、おそらく(例えば、潜在的な近接する衛星と同一平面内の)その速度方向を向いた別の本体軸で飛行するものと想定され得る。3番目の軸は、直交本体軸座標系を生成するために、慣性空間内の最初の2つに垂直であろう。
[F.3 リンクバジェット予測:宇宙機の位置と地上局の位置との間のリンクバジェット]
慣性空間内での軌道周回基地局の位置、速度および向きに基づいて、基地局と慣性空間内(例えば、地上または軌道上)の任意の位置との間のリンクバジェット(アップリンクおよびダウンリンク)が計算され得る。さらに、リンクバジェットは、衛星間の潜在的なリンクおよび地上局と衛星との間のリンクについても計算され得る。
一実施形態において、リンクバジェット予測は、同じフォーマットを用いて、全てのリンクについてのリンクバジェット計算を実装し得る。例として、式16および式17が、基地局とUEとの間の接続を表すリンクバジェットを説明する。
式16および式17において、EIRPは、信号のアンテナゲインおよび伝送電力のデシベル表示を指す。基地局の場合、これは、リンク内で用いられている周波数と、その特定の基地局宇宙プラットフォームの伝送電力との関数であってよい。UEについてはこれが同様に当てはまり得るが、一実施形態では、これはやはり、特定のプロトコル(例えば、GSMは、MSアップリンク電力を200kHz帯域幅当たり2Wに制限しており、LTEは、UEアップリンク電力を180kHz帯域幅当たり200mWに制限している)について、特定のデバイスの想定される定数として十分正確にモデル化され得る。式16および式17において、Gは、リンクの端部における受信アンテナのゲインである。これは、同様に、周波数または定数の関数であってよい。
残りの項は、リンク内の損失、ノイズおよび干渉である。ポインティング損失
は、周波数およびレシーバとトランスミッタとの間の距離の関数である。
の項は、UEと基地局との間のリンクバジェットポインティングオフセットに起因するポインティング損失である。ポインティング損失(例えば、ビームパターン)は、周波数に非常に依存していることがあり、信号を受信または伝送しているアンテナの方向からのオフセットの関数としてのゲインの減少を表し得る。このオフセットは、対象座標系に対する、基地局およびUEの位置
および
ならびにそれらの向き
および
に基づいて計算され得る。基地局側でのポインティング損失は、宇宙機のCONOPに基づいて想定され得るビーム方向
の関数であってもよい。
大気損失
およびシンチレーション損失
は、周波数およびリンクバジェットジオメトリ(例えば、大気を通じた伝搬の長さ、また、どの角度なのか)に非常に依存している。したがって、それらは、
および
を用いて計算でき、特定の、多くの場合、より高い周波数の信号に対してはるかに大きい影響を与え得る。ISLについては、高度は、大気作用で減衰した媒体を通じて信号が伝搬することがなくなるかまたは非常に少なくなり、大気損失およびシンチレーション損失をほとんどまたは全く生じない程度に十分高くてよい。
式16および式17における残りの項は、熱ノイズフロア、レシーバのノイズフィギュア、およびリンク内の干渉である。熱ノイズフロアは、リンクの帯域幅と、受信アンテナが「見ている」ものの温度とに基づいて推定され得る。一実施形態において、この値は、290~300Kの間のどこかで一定であるものと想定され得る。レシーバのノイズフィギュアは、周波数毎に異なり得るか、または定数として表され得る。UEデバイスの典型的な仕様は、最悪でも7dBのノイズフィギュアを必要とする。サブ1GHz帯域における適切に設計された衛星レシーバは、2dBのノイズフィギュアを有し得る。リンク内の干渉は、リンク周波数ならびにレシーバの位置および向きの関数であってよい。この値は、アップリンクの計算においてより重要であってよく、拡張型基地局により提供されるスペクトル解析データにより知らされ得る。ダウンリンク上では、干渉は、その場における測定値により知らされても知らされなくてもよく、既知の地上eNBからの信号についてデータベースに格納された値であってもそうでなくてもよい(衛星と地上カバレッジセルとが重複する場合)。いずれの場合も、干渉は、一定としてモデル化されてもよく、全くモデル化されなくてもよい。この式における干渉は、リンクに干渉が加わる熱ノイズフロアを上回るデシベルの数を表す複数個のデシベルであろう。
式16および式17は、所与のリンクのSINRを計算するために用いられ得る。さらなるリンクバジェットパラメータも計算され得る。LTEプロトコルおよびGSMプロトコルのビットレートがプロトコル変調および符号化スキームテーブルに基づいて指定されるので、これに対応して、EbN0、およびビットの予測ビット誤り率も計算され得る。PHY層制御を通知するために、ドップラーシフトおよび伝搬遅延などのさらなる物理層品質が予測および活用され得る。
将来の宇宙インフラストラクチャの位置、速度および向きを予測する能力を用いて、軌道上および地上の特定のノード間の可能な将来のリンクバジェットが計算され得る。これは、一組の動作制約(例えば、リンクの最大距離)、ルール(例えば、最大ドップラーシフト)等に基づいてネットワーク全体の動作を正確に予測および最適化するための機会を提示する。
図21は、可能な基地局リンク2122、GSL2116およびISL2104のリンクバジェットジオメトリを示す。基地局リンク2122は、基地局衛星2114およびUE2138に基づいて評価される。衛星基地局アンテナボアサイト2120は、ボアサイトからずれたある角度2124だけアンテナビーム方向2118とは異なり得る。リンクジオメトリにより、対応するポイントまたは対象UEのアンテナゲインおよびEIRPを計算するために用いられ得るポインティングオフセット2112が生成され得る。UEも、その向きに基づくビーム方向2128を有し得る。基地局リンクは、地上のメッシュにわたって評価されることで、計算可能になるスポットビーム2130の輪郭、およびそのビーム2134の外側の他のメッシュポイントをもたらし得る。いくつかの地上タワー2132は、ビームエネルギー内であってよく、干渉は、地上基地局ポリゴンを表すメッシュ2136において評価されてよい。
衛星間リンク2104は、2つの基地局衛星2114および2108の間で評価され得る。ISLアンテナ2106および2102のビーム方向(基地局アレイのようにやはりボアサイトからずれて向き得るが、簡潔さのために、ここでは示されていない)を用いて、そのリンク上での通信のためのそれらのアンテナビームの向きを表すベクトル2126および2110を有する基地局衛星2108と地上局2140との間で、GSL2116が評価され得る。
図21には示されていないが、リンク内での損失は、本開示において前に説明したジオメトリに基づく周波数、経路損失、ポインティングオフセット、偏光オフセット、線損失、本体損失等に基づいて計算され得る。
[F.4 リンクバジェット予測子およびネットワーク状態空間予測子の手順]
リンクバジェットエンジンは、RAN(例えば、基地局)カバレッジ配備およびコアネットワークトンネリング接続の両方を予測するために用いられる。これを行うために、リンクバジェットエンジンは、各対象ポリゴン内の様々なポイントおよび地球全体のメッシュ内の各ポイントでの様々な可能な衛星ビーム用の可能な(理にかなった)リンクバジェットを計算し得る。一実施形態において、メッシュ全体または複数のメッシュは、対象ポリゴンであってよい(例えば、リンクバジェットが、格納されるポイントにわたって計算される)。さらに、ISL用のビームとGSリンクビームとが、同様の手順を経てよい。この解析の結果により、ある種のモンテカルロシミュレーションとみなされ得る一組のリンクバジェットシナリオが生成される。モンテカルロシミュレーションにより、相互に排他的(例えば、各ビームが一度に1つのポリゴンのみにサービスを提供できる)であってよく、かつ、ソフトウェアにより評価されてよい一組のシナリオが生成される。
[F.5 ビームフォーミング衛星および静的ポリゴンについてのネットワーク状態空間予測]
リンクバジェット予測子および状態空間予測子は、いくつかの実施形態においてネットワークコンポーネントにより実行される反復段階において連続して実装され得る。説明した実施形態において、この手順は、ビームフォーミング衛星による静的カバレッジエリアの基地局カバレッジについてのシナリオを評価する最初の反復ステージを有し得る。リンクバジェットは、ビームトランスミッタの距離内の各ポリゴンについて、軌道/姿勢シミュレーションにおける各時間ステップで、各ビームについて計算され得る。各ビームの想定されるビーム方向が、評価中の静的ポリゴンに最適化されたカバレッジを提供するように作られ得る。この手順は、それが急速に計算され得るようにベクトル化され得る。基地局リンクバジェットが、ビームフォーミング衛星について、様々な時間ステップで、範囲内の静的ポリゴンについてひとたび計算されると、衛星セット内の各ビームがカバレッジを提供し得る特定のポリゴンが、各時点で選択される。
図22は、開示される実施形態における説明した最初の反復ステージにより実装され得る手順を示す。手順は、ソフトウェアとして実装されてよく、手順フローは、その文脈において説明される。手順は、forループと計算の反復とを含む。しかしながら、ソフトウェアは、例えば、ベクトル化された方式で命令を実行してハードウェアデプロイ上で計算を急速に行うプログラムへコンパイルされ得る。
段階1 2202は、基地局とビームフォーミングアンテナ技術とを有するネットワーク内の衛星に対するforループの開始であってよい。
段階2 2204は、ループスルーされている衛星上の利用可能なビームに対するforループの開始であってよい。
段階3 2206は、CLR内の静的ポリゴンに対するforループの開始であってよい。
段階4 2208は、衛星の軌道ダイナミクスおよび姿勢ダイナミクスのシミュレーションをステップスルーするためのforループの開始であってよい。
段階5 2210は、選択された時点での選択されたビームと選択された静的ポリゴンとが合理的なリンクバジェットを可能にする互いからの距離内にあることを保証するためのソフトウェア内でのチェックであってよい。この距離閾値は、動的に設定されてよく、過度の計算を回避するために用いられてよい。距離のチェックが満たされない場合、ソフトウェアは、ループを出て、次の時間ステップに向かい得る。
段階6 2212は、その時間ステップにおける静的ポリゴンに対応するためのビームのビーム方向を判断することであってよい。これは、慣性空間内または宇宙機の機体座標系におけるベクトルであって、ビームをどのように方向付け得るかについてのコマンドを通知するためのベクトルであり得る。
段階7 2214は、サービスを提供されている静的ポリゴンが利用可能なリソースブロックをステップスルーするためのforループを開始し得る。
段階8 2216は、アップリンク方向およびダウンリンク方向におけるリンクバジェットを計算することで、その時間ステップにおける衛星の距離閾値内にあるCLRデータベース内のメッシュ全体にわたって信号電力を決定し得る(例えば、ビーム方向を仮定した後に、ポリゴンだけでなく、メッシュ全体にわたってリンクバジェットを計算し得る)。リンクバジェットは、SINR、SNR、EbN0、ドップラーシフト、待ち時間/遅延等を含む様々な変数を計算し得る。これらの変数の多くは、基地局の性能だけでなく、干渉されないはずであるメッシュのエリア内でのその潜在的な干渉の評価において用いられ得る。リンクバジェットを計算するために、衛星の伝送電力について、いくつかの仮定が行われる必要があり得る。各衛星は、デフォルト伝送電力を有し得る。
段階9 2218は、リンクバジェットの結果を取得し、それらをポリシデータベース内のルールに対してチェックまたは解析し得る。特定のポリシに対する違反があったことを解析結果が示唆している場合、伝送スキームは、ダウンリンクチャネル上のより低いEIRPでリンクバジェットを再評価することにより、補正され得る。これにより、フットプリントのブリードオーバが減少し、前のリンク伝送スキームからの可能な規制侵害が解決され得る。規則を満たすことができない場合、ループから出てよく、次のリソースブロックが反復される。
段階10 2220は、規制要件と、ポリゴンについてのサービス品質要件に対するチェックとに合格しているというリンクバジェット結果を取得し得る。
段階11 2222では、QoSが満たされている場合、伝送が保存される。それらが満たされておらず、かつ、QoS要件が堅固ではない場合(例えば、任意のカバレッジが他のものよりも良くない場合)、それらは、ともかく同様に保存され得る。QoS要件が厳密であるシナリオでは、リンクバジェットは、(SNR、SINR、EbN0等の関数である)所望のデータレート、MCS等を提供できない場合、破棄され得る。
段階12から段階16(2224、2226、2228、2230および2232)は、各衛星、各ビーム、各ポリゴンおよび各時間ステップを通じてループを閉じる。
段階17 2234は、静的ポリゴンカバレッジオプティマイザを動作させる。静的ポリゴンカバレッジオプティマイザは、静的ポリゴンおよびビームフォーミング基地局のための状態空間予測子であり、段階1から段階16の結果を用いて、ビームフォーミング衛星からのどのビームが当該静的ポリゴンにカバレッジを提供できるかを判断するソフトウェア機能であってよい。このソフトウェア機能は、各時間ステップを漸進的にステップスルーし、各時間ステップにおける任意の静的ポリゴンが利用可能なビームの数が1よりも大きいかどうかをチェックし得る。そうである場合、このソフトウェア機能は、ある最適な条件を満たすポリゴンをカバーし得る、これらのビームのうちの1つを選択し得る(例えば、各セルは、衛星を用いて最も長いカバレッジを今後提供し、それができなくなるまで、カバレッジを提供する)。所与の時間ステップにわたってポリゴンのためのビームが存在しなかった場合、ポリゴンは、カバレッジを受信しない。特定のポリゴンを他のポリゴンに対して優先するポリシ検討事項が存在し得る。また、ポリシ検討事項は、そのポリゴンについてのトラフィック推定値に基づき時間内に変動することがあり、またはおそらく、そのポリゴンは、宇宙ネットワークによるサービスのために最近追加されている。なぜなら、地上タワーが、地上で倒れてしまっており、元に戻ろうと試みている間、そのサービスをバックアップするための衛星を必要としているからである。ステップスルー時間により、どの衛星がどのポリゴンにカバレッジを提供し得るかが識別され、複数個のバックアップ衛星が示される(現在と将来との間で衛星が故障した場合)。これにより、他の衛星が十分なサービスを提供するというその能力を超えている場合、ハンドオーバ衛星について、静的ポリゴンへのサービス提供を最終的に再開し得る者を理解することも可能になり得る。いくつかの場合、静的ポリゴンおよびビームが、特定の時間ステップ中、互いに割り当てられないことがある。これらの時間ステップは、リンクバジェット予測子と状態空間予測子との間の手順の次の反復について留意され得る。
[F.6 残りのビームフォーミング衛星および残りの静的ポリゴンならびに非ビームフォーミング衛星および残りのメッシュ/動的ポリゴンについてのネットワーク状態空間予測]
2番目の反復ステージにおいて、ネットワーク状態空間予測子は、残りの静的カバレッジエリア(前に説明した反復における特定の時点においてサービスが割り当てられていない静的カバレッジエリアに関して)および動的カバレッジエリアの両方の、残りの基地局カバレッジについてのシナリオを評価し得る。ビームフォーミング型であり、かつ、以前に割り当てられていない衛星ビームだけでなく、非ビームフォーミング型である衛星ビームが、この反復において、カバレッジについて評価される。2番目の反復は、衛星ビームを通時的に反復するという点で、最初のものと同様である。しかしながら、この場合、ビームは、既知の静的ポリゴンによってガイドされない(各時間ステップにおいてビームフォーミング衛星によりカバーされ得る静的ポリゴンが、前の反復において考慮される)。結果として、ビームは、あるポインティング方向を有するものと想定される。これは、衛星の姿勢により、または残りのビームフォーミングビームの場合における遠隔エリア内の人口密度などのいくつかの他の促進要因により駆動され得る。
想定されたビーム方向が作られた後に、リンクバジェットが計算されてよく、ポリシ要件およびQoS要件に関する同様のチェックが、リンク構成(この場合、可能であるときは、おそらく、ビーム方向)に関する反復の前に行われ、次に、リンクバジェットが保存されるか、または保存されない。反復ループの終了時に、伝送し得る残りのビームが、各時間ステップについて決定される。特定の時点においてビームが伝送していると判断された後に、利用されているスペクトルを調和する必要があり得る。同じ周波数帯域内のどの周波数帯域またはリソースブロックが各基地局に割り当てられているかを判断するために、関数が用いられ得る。ひとたびこれが確立されると、各時間ステップにおける各基地局についてのさらなる基地局動作要件、例えば、どのMIB、SIB、TAC等をそれらが基地局制御として実装する必要があり得るか等が、決定され得る。
図23は、開示される実施形態における説明した2番目の反復ステージにより実装され得る手順を示す。手順は、ソフトウェアとして実装されてよく、故に、手順フローは、その文脈において説明される。手順は、ソフトウェアとして実装されてよく、forループと計算の反復とを含む。しかしながら、ソフトウェアは、ベクトル化された方式で命令を実行してハードウェアデプロイ上で計算を急速に行うプログラムへコンパイルされ得る。
段階1 2302は、割り当てられなかったか、またはまだ割り当てられていないビームフォーミングビームを有する基地局を各々が有するネットワーク内の衛星だけでなく、ビームフォーミングビームがない基地局を有するネットワーク内の全ての衛星に対するforループの開始であってよい。
段階2 2304は、ループスルーされている衛星上で利用可能なビームに対するforループの開始であってよい。
段階3 2306は、各衛星の軌道ダイナミクスおよび姿勢ダイナミクスのシミュレーションにおける時間ステップをステップスルーするためのforループの開始であってよい。
段階4 2308は、評価中のビームの方向を判断するソフトウェア機能を実装し得る。これは、ビームステアリングビーム用である場合、静的ポリゴンの最も近い部分、またはおそらく、地上基地局により接続されていない加入者の人口密度が高い遠隔メッシュポイントに基づいて、方向を評価し得る。ビームがステアリングしていない場合、方向は、単に、その時点での宇宙機の姿勢から導出され得る。
段階5 2310は、その時間ステップにおける衛星の視野内にある、メッシュが利用可能なリソースブロックをステップスルーするためのforループを開始し得る。
段階6 2312は、アップリンク方向およびダウンリンク方向におけるリンクバジェットを計算することで、その時間ステップにおける衛星の距離閾値内にあるCLRデータベース内のメッシュ全体にわたって信号電力を決定し得る(例えば、ビーム方向を仮定した後に、ポリゴンだけでなく、メッシュ全体にわたってリンクバジェットを計算し得る)。リンクバジェットを計算することは、SINR、SNR、EbN0、ドップラーシフト、待ち時間/遅延等を含む様々な変数を計算することを含み得る。これらの変数の多くは、基地局の性能だけでなく、干渉されないはずであるメッシュのエリア内でのその潜在的な干渉の評価において用いられ得る。リンクバジェットを計算するために、衛星の伝送電力について、いくつかの仮定が行われる必要があり得る。各衛星は、デフォルト伝送電力を有し得る。
段階7 2314は、リンクバジェットの結果を取得し、それらをポリシデータベース内のルールに対してチェックまたは解析し得る。特定のポリシに対する違反があったことを解析結果が示唆している場合、伝送スキームは、ダウンリンクチャネル上のより低いEIRPでリンクバジェットを再評価することにより、補正され得る。これにより、フットプリントのブリードオーバが減少し、前のリンク伝送スキームからの可能な規制侵害が解決され得る。伝送電力を減らしても規則を満たすことができない場合、ソフトウェアは、ビーム方向に関して反復し(可能な場合)、リンクバジェット計算のための処理を繰り返し得る。これが依然として失敗する場合、ループを出て、次のリソースブロックが反復され得る。ビーム方向に関する反復は、計算時間を保存する目的のものに限定され得る。
段階8 2316は、規制要件と、下方の地上のメッシュポイントについてのサービス品質要件に対するチェックとに合格しているというリンクバジェット結果を取得し得る。この段階は、スキップされてもよく、非ビームフォーミングアレイについてのQoS要件が低減されてもよい。
段階9 2318では、QoSが満たされている場合、伝送が保存される。それらが満たされておらず、かつ、QoS要件が堅固ではない場合(例えば、任意のカバレッジが他のものよりも良くない場合)、それらは、ともかく同様に保存され得る。QoS要件が厳密であるシナリオでは、リンクバジェットは、(SNR、SINR、EbN0等の関数である)所望のデータレート、MCS等を提供できない場合、破棄され得る。リンクバジェットが保存される場合、カバレッジポリゴンの縁(周波数毎に異なり得る)を決定するために、伝送結果が用いられ得る。これは、動的ポリゴンカバレッジエリアの縁を計算するために用いられ得る。一実施形態において、これは、それぞれの技術、つまり、GSM(例えば、200kHz当たり-105dBm)およびLTE(例えば、180kHz当たり-115dBm)のための、地上のセル縁用に用いられる信号レベルであってよい。セル縁またはセル中心にあるメッシュ内のポイントが、各時間ステップにおいて示され得る。
段階10から段階13(2320、2322、2324および2326)は、各衛星、各ビーム、時間ステップおよび各リソースブロックを通じてループを閉じる。
段階11 2328は、動的ポリゴンカバレッジオプティマイザを動作させる。動的ポリゴンカバレッジオプティマイザは、残りのビームフォーミング基地局および非ビームフォーミング基地局を通じて実装される動的ポリゴン用の状態空間予測子である。この関数は、段階1から段階10からの結果を用いて、残りのビームフォーミング衛星および非ビームフォーミング衛星からのどのビームが地球に対して(それらの特定の動的ポリゴンにわたって)カバレッジを提供できるかを判断するソフトウェアであってよい。このソフトウェアは、例として、各時間ステップにおけるカバレッジシナリオの可能な並べ替えの計算を含み、かつ、どの衛星が電力使用量を最小化しつつカバレッジを最大化するために伝送を必要としているかを判断するグローバル最適化アルゴリズムを実装し得る。別の実施形態は、スペクトル割り当てに伴う干渉の課題を回避するために、セルの重複の最小化を保証し得る。異なる変数が最適化のために選択され得る。
段階12 2330は、ネットワーク内の各衛星基地局およびまた可能な地上基地局にどのリソースブロックが割り当てられたかを判断するために用いられるソフトウェア機能であってよいスペクトル使用予測子を実装し得る。このソフトウェアは、各静的セルにおける非ビームフォーミング衛星用のリンクバジェットを評価し得る(地上でサービスを提供される静的ポリゴン基地局の位置および軌道上でサービスを提供される静的ポリゴン基地局の位置の両方)。このソフトウェアは、ビームフォーミング衛星から、地上基地局だけである静的セル上へのリンクバジェットも決定し得る。宇宙軌道周回無線インフラストラクチャからの信号レベルが、地上タワー、リソースブロックまたは周波数キャリアにより用いられるものに等しいか、またはそれらよりも高い場合、共有が必要であり得る。
衛星からの信号レベルがいつ高過ぎになり得るかが把握され、かつ、厳密にどのRBでこれが起こり得るかが把握されるので、宇宙ネットワークは、影響を受け得る地上セルを用いて、これを地上ネットワーク内のMMEに伝達し得る。これに基づいて、地上セルは、それらの伝送電力を一時的に増やすか、または、それらのスペクトル配備のいくつかの使用を一時的になくし得る。各時間ステップについてトランスミッタ(および場合によっては、各時間ステップについて一組のバックアップ)が確立された後に、ネットワークは、どのリソースブロックをどのトランスミッタに割り当てるべきかを決定し得る。割り当てテーブルと、各基地局ビームにおける伝送についてのRBルールとに基づいて、適切なRB分割が実装され得る。これは、RBと衛星ネットワーク内の各伝送基地局との適切な比を割り当てるべく、人口密度カバレッジ、既知の遠隔UEカバレッジ、予想されるトラフィックモデル等により最適化され得る。技術的に、衛星ダウンリンクは、ほとんどの地上タワーダウンリンクよりも弱いであろう。各基地局でのリンクバジェットのための計算結果は、リソースブロックを共有するのにリンクバジェットが適切だったかどうかを判断するために計算され得る。技術的に、地上基地局は、そのカバレッジセル内の衛星ダウンリンクに対して0dB超のSINRを有するダウンリンク信号を生成できる必要があるであろう。これにより、0.33符号化レートでQPSKを用いて、少なくとも最も低い次数のLTE MCSテーブル設定であるMCS-1が可能になるであろう。
段階13 2332。手順における最後の段階により、衛星についての基地局制御要件が完結され得る。各トランスミッタ用の周波数ドメインがひとたび把握されると、将来の予測される各基地局にも、領域ベースネットワーク特性について、それらが必要とされる場合には、その情報リソースブロック(例えば、MIB、SIB等)上で伝送しているはずである、どのようにそれ自体を(例えば、どのMCC、MNC、TAC等を)構成するかに関する一組の情報が提供され得る。
図24は、データ構造2428を示す。データ構造2428は、各時点において対象として伝送するよう衛星基地局が命令される、リンクバジェット予測子および選択手順を表す行列、行列のセルアレイ、または行列の行列であってよい。メッシュ2402は、個々のメッシュポイント2414へ分解される。各メッシュポイントは、地球上の3軸座標を表し得る。ポリゴンは、複数のメッシュポイントを備えてよく、ポリゴンは、地上静的基地局2408、宇宙静的基地局2406または宇宙動的基地局2404からの基地局カバレッジを表してよい。リンクバジェットは、メッシュポイントならびに基地局ビームフォーミングビーム2410(例として、b1、2412)および基地局非ビームフォーミングビーム2424(例として、b10、2422)について評価される。リンクバジェットは、基地局衛星の位置、速度および向きが既知である個別の時点2416において評価され得る。各時点における各メッシュポイント用のリンクバジェット2426は、リソースブロック2432にわたって、性能変数2430の所望のリストについて評価され得る。これらの計算の結果として、ネットワーク状態空間予測子は、どのビームフォーミング衛星が各時間ステップ2418において宇宙静的基地局にカバレッジを提供しているかだけでなく、どの非ビームフォーミング衛星が宇宙動的基地局2420にカバレッジを提供しているかを判断し得る。
典型的なLTE基地局は、1MHz、4MHz,5MHz、10MHzまたは20MHzのブロックを使用し得る。これらのブロックの各々は、帯域幅の広さが180kHzであり、かつ、帯域幅が15kHzである12個の直交サブキャリアを自ら含む複数個のリソースブロック(RB)を含み得る。リンクのダウンリンク部分において、基地局は、任意の1つの時点で、多くのRBにわたって通信し得る。しかしながら、各モバイルデバイスには、その特定のデバイス用の単一のRBのみが割り当てられ得る。結果として、デバイスは、単一の180kHzのアップリンクRBのみを基地局へ伝送する。
宇宙ベースLTE通信システムを動作させる場合、10MHz、5MHzまたはさらには1.4MHzのブロック全体を宇宙ネットワークに割り当てることは不便であり得る。ほとんどの電気通信トラフィックは、地上の地上基地局を通過し得る。結果として、宇宙ネットワークに割り当てられるスペクトルの量は、それが移動するものと予想するトラフィックに比例するはずである。
地上ネットワークおよび宇宙ネットワークは、宇宙ネットワークのみがLTEキャリア帯域内の特定のリソースブロックを利用する実装を決定できる。例えば、地上のセルラタワーは、5MHzのLTEキャリア帯域を使用し得るが、そのキャリア帯域幅内のリソースブロック(RB)のうちのアップリンクリソースブロックを、例えば1、2または3ではそのモバイルデバイスのいずれにも割り当てるべきではないことを把握している。なぜなら、相補的な宇宙ネットワークがそれらのリソースブロックの利用を求めるからである。これらのRBは、周波数、量および時間内で、宇宙ネットワークに動的に割り当てられ得る。世界の特定のエリアにわたって、宇宙ネットワークの処分時には、より多くのリソースブロック(RB)が存在し得る。また、宇宙ネットワーク用に確保されているこれらのリソースブロックにわたる特定の時間スロットのみが存在し得る。
この実装は、地上ネットワークが電気通信トラフィックモデル(またはおそらく他のもの)に基づいて特定の位置における特定のリソースブロックまたは時間スロットの割り当てを阻止するように定義されるソフトウェアである「スペクトルテーブル」としてのソフトウェア内で行われ得る。自らの軌道軌跡からのエフェメリスを用いる宇宙ネットワークは、世界の任意の特定の部分に対するアクセスを有していることを把握しているRBまたはタイムスロットにわたって通信トラフィックを管理するためのソフトウェア定義型の無線および飛行コンピュータを再構成できる。これは、衛星オンボードで、内部マップとしてメモリに格納され得る。このマップは、アップデート可能かつ再構成可能なように設計されるであろう。なぜなら、地上の電気通信トラフィックが、日、月、年または10年等のいずれかにわたって減衰し、流れるからである。
図25は、図24において説明したシナリオがそれ自体をどのように現実の座標系に出現させ得るかと、おそらく特定の基地局への特定のスペクトルスライスをおそらく特定の時点で(または、別の実施形態では永続的に)可能にするためにLTEブロックが「スライス」される方式で、リソースブロックがその時間ステップについて宇宙ネットワークにどのように動的に割り当てられ得るかとを示す。図25において、各基地局カバレッジポリゴンは、「eNB」として示され得るが、以下の説明では、単に「基地局」と称される(例えば、基地局5は、eNB5である)。各衛星2502には各々、1つのビーム2518が装備され得る。宇宙でカバーされる基地局5から基地局8が互いに伝送しているように示されるだけでなく、地上でカバーされる基地局1から基地局4も示されている。各基地局カバレッジポリゴンには、あるビームによるカバレッジが提供される(例えば、ビームb1は、静的ポリゴン基地局5にカバレッジを提供するために用いられる)。
各基地局カバレッジポリゴン内には、対応するメッシュポイントが存在し得る(例えば、基地局1のカバレッジポリゴンは、メッシュポイントm1およびm2を含み、基地局5のカバレッジポリゴンは、メッシュポイントm10~m13およびm28~m39を含む)。スペクトルのブロック2510は、5MHzのLTEブロック内の非干渉トラフィックチャネルの経時的な分割割り当てを必要とし得る(例として。だが、ブロックは、LTEが許容するような幅であってよい)。軌道周回基地局および地上基地局は、中心の6個のリソースブロックを制御チャネル用に共有してよく、ダウンリンク制御チャネルの区別可能な使用のためにPCIコードの動的割り当てを用いてよい。宇宙ネットワークと地上ネットワークとの間のPRACHプリアンブルの数の動的な割り当てが行われ得る。宇宙ネットワークと地上ネットワークとの間で割り当てられるのは、使用済みのリソースブロック2512、制御リソースブロック2514および未使用のリソースブロック2516である。これらのリソースブロックは、様々な態様で割り当てられ得るが、重複するカバレッジゾーン、ビーム等を有する基地局間に重複するリソースブロックがないように行われ得る。周波数リソースは、時間の関数としてさえ割り当てられ得る。ここでは、どこかに特定のリソースブロックおよびタイムスロットが割り当てられる。宇宙ネットワークは、GPSを用いて実装されてよく、故に、タイムスロットが各基地局時分割多元アクセス実装に対して含まれる場合を理解するように同期され得る。これは、重複する衛星カバレッジゾーンが、衛星間で特定のタイムスロットをそのリソースブロック上で割り当てることにより、同じリソースブロックを同時に共有できることを意味する。
[F.7 ISLおよびGSLについてのネットワーク状態空間予測]
ネットワーク状態空間予測関数は、ISLおよびGSLのためのリンクバジェットを評価し得る。ISLおよびGSLのためのリンクバジェット結果に基づいて、ネットワークは、各時間ステップにおいてどの接続を実行するのが最善であるかを判断できる。いくつかの衛星は、ISLまたはさらにはGSを介して複数のリンクをサポートするように設計され得る。どのネットワークに優先順位があるかに応じて、ネットワーク接続は、様々な基準(例えば、最も長い可能なリンクデータレート、待ち時間等)に基づいて選択され得る。おそらく、各時点においてネットワークに接続されると予測される各UEについてのネットワーク待ち時間の二乗平均平方根を低減すべく、ネットワークリンクが選択される。最も理想的なリンクおよびリンク代替物がひとたび時点について決定されると、ネットワークは、IPシグナリングおよびネットワーク制御シグナリングを動かすためにどのトンネリング/ルーティングリンクが利用可能であるかを判断できる。追加的に、ネットワーク内のIPトラフィック接続の切断を回避すべく、ネットワークは、これを用いて、トンネリングルートがいつハンドオーバされる必要があるかを予測できる。
図26は、ネットワーク状態空間予測エンジンがどのようにISLおよびGSLを評価し得るかを示す。
段階1 2602は、ネットワーク内の衛星に対するforループの開始であってよい。
段階2 2604はネットワーク内の地上局だけでなく、段階1においてループされていないかまたはループスルー済みのネットワーク内の他の衛星に対するforループの開始であってよい。
段階3 2606は、衛星の軌道ダイナミクスおよび姿勢ダイナミクスのシミュレーションにおける時間ステップをステップスルーするためのforループの開始であってよい。
段階4 2608は、複数の衛星または1つの衛星および地上局がリンクバジェット計算に値する合理的な十分な距離内に存在していることを保証するために、距離のチェックを実装し得る。
段階5 2610。リンク距離が計算に値するものとみなされた場合、1つの衛星または複数の衛星および複数の地上局のビーム方向が決定され得る。地上局は、ディッシュまたはフェーズドアレイビームステアリング技術を用い得る。衛星は、ビームステアリングアレイ、機械的にステアリングされた開口または静的な機械的に取り付けられたアンテナ開口をISLのために用い得る。
段階6 2612は、ISLおよびGSLについてのアップリンク方向およびダウンリンク方向におけるリンクバジェットを計算し得る。リンクバジェットジオメトリおよび伝送電力を仮定すると、リンクバジェットは、ネットワーク内の多くの衛星および地上局において両方の方向で評価され得る。リンクは、各リンクに割り当てられた個別の周波数チャネルにわたって評価され得る。これは基地局リンクバジェットがどのようにリソースブロックにわたって評価されるかと同様であってよい。この情報は、どのレベルの干渉が特定のISL内に存在し得るかを判断するために用いられ得る。これにより、伝送電力の低減、帯域幅/スペクトル分割の適切な動的割り当てまたは干渉があるリンクの使用の完全な拒絶がトリガされ得る。
段階7 2614は、リンクバジェットの結果を取得してよく、許容できない可能性があり、かつ、リンクの再構成(おそらく、ジオメトリまたは電力の変更を含む)を必要とし得る他の衛星との干渉について、それらをチェックまたは解析し得る。必要な場合、段階は、再構成されたリンクパラメータに基づくリンク計算に戻る。
段階8 2616が、図24に示されるものと同様に、リンクバジェットをリンク状態空間へ保存する。
段階9からを段階11(2618、2620、2622)は、各伝送衛星、各受信衛星および/または各地上局および時間ステップを通じてループを閉じる。
段階12 2624は、リンク状態空間行列結果を用いて、どのリンクが用いられるべきかをネットワークルーティング最適化アルゴリズムに基づいて判断する。ネットワークは、例として、パケットを遠隔UEから地上局へ移動させるために、二乗平均平方根時間/待ち時間を最小化することを所望し得る。選択されているリンクの各々について、同様または近傍の周波数を用いて、他のリンクへの近接度に基づき、所与の周波数帯域幅が決定されるべきである。各衛星の周波数機能と、どの周波数を他の衛星と共に用いるかとを説明するスペクトル戦略がデータベースに実装され得る。または、プレーンを共有している周波数は、衛星コンスタレーション設計において固有であり得る(例えば、全ての他のISLが周波数の使用を繰り返す)。
段階13 2626は、ネットワーク内のノード間の制御トラフィック、ユーザトラフィックおよびTTCC&DHトラフィックを移動するIPベアラ用の各トンネルについて、どの帯域幅割り当てが存在しているかを判断し得る。これは、予測ロードに基づき、一定または動的であってよい。
図27は、基地局ならびにISLおよびGSリンクの決定のリンク状態空間行列のグラフィカルな実施形態を示す。この図において、各基地局カバレッジポリゴンは、「eNB」として示され得るが、以下の説明では、単に「基地局」と称される(例えば、基地局5は、eNB5である)。上述のように、メッシュ2704は、静的基地局2770および動的基地局2706を構成するポイント2718を備え得る(簡潔さのために、図27では、地上ベース基地局または宇宙ベース基地局のいずれかに簡略化されている)。メッシュは、ネットワーク2712の加入者である特定のUEの地球上での位置を表すポイント2720も備え得る。地球上のポイントのメッシュと同様に、地上局の位置2708を表す他のポイント2716と、衛星の位置2710を表すポイント2714とを備える一組のネットワークノード2702が存在し得る。この状態空間は、ビームフォーミング衛星2742および非ビームフォーミング衛星2756という2つのグループへ分割され得る衛星2744間のリンクバジェットシナリオを表すであろう。この特定の実施形態において、本開示の説明の簡潔さを維持するために、各衛星は、1つのビームのみを有し得る。各ビームフォーミング衛星は、地球上の静的ポリゴンにカバレッジを提供するように選択され(2746)得る。ここに示すように、衛星S4は、静的カバレッジポリゴンであり得る基地局3にカバレッジを提供している。また、非ビームフォーミング衛星は、動的基地局にカバレッジ2748を提供するように選択される。ここに示されるように、衛星S5は、基地局5にサービスを提供するように、時間ステップt0 2740において選択される。同様に、各地上局は、衛星と通信してよく、それらのリンク2754が選択されてよい。そこに示されるように、S9は、時間ステップt0において、GS1およびGS3の両方と通信している。同様に、ISLも、各タイムスロットについて選択され(2752)得る。2750へのカバレッジを提供されているUEも、リンク状態空間行列において計算され得る。図27において、例えば、UE1およびUE2は、静的ポリゴンである基地局1内のビームフォーミング衛星であるS1によりカバレッジを提供されている。各メッシュ2758についての各基地局リンクバジェット予測は、リソースブロックRB1 2760からRBn 2768までの任意の帯域幅に及び得る。同様に、ISLおよびGSリンクバジェット2762は、各リンク2764から2766について、可能な周波数に及び得る。ISL、GSLおよび基地局リンクは、SINR、RSSI、データレート、待ち時間、ドップラーシフト等について評価され得る。
図28は、図27のリンク状態空間行列がどのように地球の座標系における宇宙ネットワークに現れ得るかを示す。この図において、各基地局カバレッジポリゴンは、「eNB」として示され得るが、以下の説明では、単に「基地局」と称される(例えば、基地局5は、eNB5である)。S10 2804は、GEO軌道2802上に存在してよく、S9 2814は、MEO軌道2806上に存在してよい。UEにカバレッジを提供している基地局は、LEO軌道2822上に存在し得る。S1 2816は、ビームフォーミング衛星として、UE1 2818およびUE2にサービスを提供している基地局1を介して、ハワイ島にカバレッジを提供していてよい。S5 2808は、西カナダにおける基地局5を介してUE3およびUE4にカバレッジを提供している非ビームフォーミング衛星であってよい。ISL 2810および2820ならびにGSL 2812は、LEO、MEOおよびGEOならびにGS 2824の間に存在し得る。結果として、トラフィックは、このシナリオでは、UE1からS1へ、そしてS2へ、そしてS3へ、そしてS4へ、そしてS5へ、そしてS10へ、そしてGS2へ、そしてインターネットを通じてGS1へ、そしてS9へ、そしてS8へ、そしてUE5へとルーティングされ得る。
[G. 状態空間データベース]
ネットワーク状態空間予測エンジンは、どのトランスミッタおよびレシーバが将来の各時点における一次ルートで互いに話しているかと、どのトランスミッタおよびレシーバが将来の時点における一次ルートへのバックアップとして互いに話しているであろうかとを効果的に定義する行列/ベクトルの3次元セルアレイまたは論理的同等物を生成する。この結果に基づいて、IPルーティングテーブル生成処理が、各時点についてトラフィックをネットワーク内の1つのノードから別のノードへルーティングするために用いられ得る。基地局リンク、ISLおよびGSLにわたるトランスミッタとレシーバとの間の接続がハンドオーバされて変化するので、IPルーティングテーブル処理により、更新された最適なルーティングが生成され得る。
ネットワーク状態空間予測エンジンにより生成される所望のネットワーク状態空間を実現するために、シミュレーションの他に最適化されたものを適切に起動すべく個々の衛星の各々が時間内に取得し得るコマンドまたは時間ベースで格納される動作行程を定義する行列/ベクトルの別のセルアレイが生成され得る。この新しい3次元セルアレイは、状態空間データベースとして格納され得る。
状態空間(SS)データベースは、ネットワーク状態/動作条件についての動作またはインテリジェンスを反映する一組の行程を含む。行程のうちの1番目は、宇宙機行程であってよい。これは、宇宙機ビームの動作(例えば、ビームフォーミング方向等)、スラスタの利用(例えば、軌道維持のためのスラスタ操作)、姿勢制御およびポインティング(例えば、宇宙機の向きの経時的な制御または操作)および/または動作電力モードを表すベクトルまたは行列の3次元セルアレイであってよい。各宇宙機上のコアネットワークおよび基地局についての行程も存在し得る。これらの行程は、ネットワーク動的IPルーティングテーブルと、衛星と地上局との間のトンネルを通じて確立されるIPベアラ用のネットワークレベルハンドオーバと、基地局フロントエンド構成(例えば、どの帯域が用いられているか)と、電力制御(例えば、どのEIRP限界か)と、動的マスタ情報ブロックおよびシステム情報ブロック情報構成と、基地局ハンドオーバと、スペクトル解析器の制御と、デジタル信号処理解析とを含み得る。
状態空間データベースは、状態空間データベースのネットワーク分散向けの特定のベアラ上の衛星間リンクトンネルおよび地上局リンクトンネルを介してネットワークを通じて分散され得る。このベアラは、TTCC&DHトンネルベアラの一部であってよい。IPv6ネットワークとして、衛星に割り当てられる各静的IPアドレスは、状態空間データベースからの必要な情報を含む一意のパケットを送信するために用いられ得る。これは、その独自の状態空間データベーススライバー、および、将来にそれとリンクすることを意図するか、または予測時点と発生時点との間のネットワーク衛星の異常事態もしくは故障の場合に将来のリンクのためにバックアップされる(おそらくさらには、バックアップのバックアップ)衛星の状態空間データベーススライバーだけであり得る。状態空間予測エンジンのための自動フィードバックを提供するために、宇宙機の健全性および操作性のテレメトリモニタリングがTTCC&DHシステムに実装される。衛星の位置、速度、姿勢についての新しい情報が入って来ると共に、他の不可欠なシステム機能情報(例えば、スラスタ、電池、トランスミッタ、コンピュータ等)が宇宙ネットワークから、多くの計算を行っている地上ノードへ降りて来る。予測子は、将来のネットワーク状態空間を更新し、新しい状態空間ベクトルを送出できる。
リアルタイムで、行程において計画された接続またはハンドオーバの実行を試みて失敗している各衛星は、ネットワーク内の2番目の優先順位のリンクを、1番目のものが機能していない場合にチェックするようにプログラミングされ得る。このように、状態空間データベースの更新には、ネットワークが負の影響を受ける前に、ある遅延が生じ得る。
図29は、3つの行程セットを含み得るネットワーク状態空間データベースを示す。宇宙機行程2902は、宇宙機ビーム動作2904と、スラスタ利用/動作2906と、姿勢CONOPおよび制御2908と、動作電力モード2910とを含み得る。コア行程2912も存在し得る。コア行程は、ネットワーク動的IPルーティングテーブル2914と、スポットビームと、衛星と、地上ゲートウェイと、UEハンドオーバ2916とを含み得る。追加的に、無線アクセスネットワーク行程2918が存在し得る。これらは、基地局フロントエンド/電力構成2920と、基地局無線リソース制御2922と、ダウンリンク制御チャネル構成2924と、基地局ハンドオーバ2926と、スペクトル解析器制御2928とを含み得る。
状態空間予測エンジンにより生成される行程は、シミュレーション環境が正確にモデル化できる任意の実現可能なタイムラインにわたって生成され得る。特に、軌道メカニクスおよび姿勢ダイナミクスのモデル化は、ネットワーク状態空間予測の忠実度を(例えば、位置、速度、姿勢および姿勢レートに関して)駆動でき、これは、より精密な力モデル(例えば、重力、大気、磁気等)がシミュレーションにおいて用いられるときのようにより精密である。地球低軌道軌跡は、リミッタであってよいが、依然として、将来の1時間、12時間、24時間、数日、または場合によってはさらに1週間、正確に予測され得る。これは、ネットワーク状態空間も将来にこれだけ長く予測され得ることを意味する。
急速な低コスト起動および宇宙へのアクセスがノルムである世界には、ロケットの起動機会およびその後数週間をネットワーク状態空間予測結果に基づいて解析するコントローラを実装する用法が存在してよく、例として、さらなる宇宙資産を軌道へ発射して、高まる要求を支援することが要求され得る。
[H. ネットワークハンドオーバ]
ネットワーク状態空間予測エンジンは、ネットワーク内の軌道周回飛行体の各々についてのハンドオーバ行程を生成し得る。これらのハンドオーバ行程は、ISLトンネルおよびGSトンネルの両方ならびに基地局カバレッジポリゴンの所有権の移転をシグナリングするためのタイマによりトリガされ得る。ハンドオーバのタイミングは、拡張型MME内のリンク状態空間予測子により決定され得る。ハンドオーバは、特定の時刻で指定されてよく、ビームの伝送電力をゆっくり構築するための、または伝送電力をゆっくり低下させるための行程が付随してもよい。
ネットワークは、いくつかハンドオーバをある程度従来の方式で実装し得る。これは、個々の衛星が一組の基地局として動作する場合、特定の用途のものであってよく、したがって、同じUEにカバレッジを内部的に提供することにより、同じ衛星上で共有されるビーム間の急速かつシームレスなハンドオーバが行われ得る。これらのハンドオーバは、同じコンピュータにおけるソフトウェア内で、または基地局ソフトウェアを動作させている同じ衛星内の2つのコンピュータ間で行われ得る。しかしながら、衛星間では、ハンドオーバはより複雑であり得る。ビームフォーミングアレイがない衛星が重複するビームを有する場合、それらは、UEがハンドオーバされるエリアとして、重複部分を用い得る。これは、基地局に戻される典型的なUE信号測定報告で行われてもよく、既知の経時的なネットワークの動きと、ハンドオーバ時点でのGPS座標におけるUEの既知の位置とに基づき、自動的に行われてもよい。
図30は、CLR内のメッシュで表される静的基地局ポリゴンのカバレッジをネットワークがどのようにハンドオーバし得るかを示す。第1の衛星3004は、UE1、UE2およびUE3(3010、3012および3014)にカバレッジを提供中であり得る。カバレッジは、場合によっては、ビームカバー静的基地局ポリゴン3016により提供される。静的基地局ポリゴンに向かって軌道周回中である、第2の後を追うまたは近傍の衛星3002が存在し得る。ある時間の後に、第1の衛星は、セルを第2の衛星へハンドオーバする必要があり得る。おそらく、ISLまたはある他のネットワークトンネルルートを通じて(例えば、GSを通じて)、第2の衛星は、第1の衛星によりカバーされている静的セルを介して伝送を始め得る。この第2の衛星は、ビーム3006を生成し得るが、第1の衛星は、そのビーム3008の伝送電力を減らし始める。第1の衛星は、そのビームサイズ3022を低減するので、静的ポリゴンの中心から最も遠いUE(例えば、図30におけるUE1)で開始し、そのスポットビーム内の各UEを第2の衛星ビーム3020に対して漸進的にハンドオーバできる。これにより、第1の衛星は、よりスムーズな、場合によってはネットワークシグナリングトラフィックの課題を減らす遷移/ハンドオーバをもたらし得る態様でUEを第2の衛星へハンドオーバすることが可能になる。静的基地局セルの別のハンドオーバの準備をし得る第2の衛星に続く第3の衛星3018が存在し得る。最終的に、第2の衛星は、カバレッジビームをもはや有さなくてよく、静的基地局カバレッジセル3024の制御を再開する。第2の衛星は、同様に、ハンドオーバを行う準備をする。
図30において説明した実施形態は、S1、S2およびS3の全てが同じ6個の中心RBをダウンリンク制御チャネル用に利用し、かつ、UEがセルIDに基づいて衛星基地局を区別する場合、特に有用であり得る。UEは、別の基地局よりも低い信号エネルギーレベルで動いている1つの基地局からの相対信号エネルギーレベルの変化を検出した場合、相手として現在通信している基地局にこれを報告する。これにより、さらにより良い信号を有する次の基地局へハンドオーバを送り出す。また、この処理は、ハンドオーバを行わなければならない最初の衛星により、自動的に開始され得る。静的ポリゴン上の第1の衛星の電力の低減は、衛星におけるトランスミッタでのアクティブな電力制御が原因ではなく、静的ポリゴンからより遠く離れて動いたことの自然な結果であり得る。
図31は、ビームフォーミング基地局アンテナ技術を有する衛星とビームフォーミング基地局アンテナ技術を有しない衛星との間でハンドオーバがどのように行われ得るかを示す。この技術は、有益であろう。なぜなら、宇宙ネットワークは、非ビームフォーミング衛星を有する衛星からビームフォーミングアレイを有するものへ漸進的にアップグレードされるからである。結果として、両方が存在する。第1のビームフォーミング衛星3104は、ビーム3108を用いて、UE1、UE2およびUE3(3110, 3112, 3114)にカバレッジを提供し得る。第2の非ビームフォーミング衛星3102は、第1の衛星の後を追っていてもよく、ビーム3106を伝送するその静的基地局カバレッジポリゴンに向かって動いていてもよい。ある時間の後に、第2の衛星ビーム3116は、静的基地局カバレッジポリゴン3120と重複し始じめることがある。第1の衛星は、これをISL接続から、または状態空間予測子から把握でき、自らの伝送電力を低減し、ビーム3118を(状態空間データベースが原因で自らが知識を有しているであろう)第2の衛星ビームから離れたフロント縁へシフトさせる。第1の衛星は、静的基地局ポリゴン3128の上方にい続けるとき、ゆっくりと、ビーム電力3126を低減し、UEを第2の衛星ビーム3124へハンドオーバする。この図では、UE3が最初にハンドオーバされる。ビームが低減するので、それは、漸進的にシフトし続けることで、必要とするUEのカバレッジを、ハンドオーバが行われるまで保持し得る。
追加的に、第2の衛星の後方に第3の衛星3122(ビームフォーミング型)が存在し得る。最終的に、第1のビームフォーミング衛星のビームは、無くなり、第2の衛星は、動的ビーム3134を用いて、静的ポリゴン3132のほぼ完全なカバレッジを有する。しかしながら、第3の衛星は、ビーム3130の伝送を始め得る。伝送は、第2の衛星ビームのバックエンドで始まり、静的基地局ポリゴンカバレッジゾーンへとゆっくり増大するように、かつ、UEのカバーの制御を引き継ぐように計画される。
図32は、ネットワークが所与のライセンス地域におけるスペクトルの使用をどのように遷移させ得るかを示す。これらの非ビームフォーミング衛星3202は、動的ポリゴンをカバーするビーム3204を生成し得る。衛星が特定の周波数を介して伝送できない、接近中の境界線3206が存在し得る。最終的に、衛星スポットビームは、境界3208に到達する。衛星は、動き続けるので、境界にわたって干渉エネルギーを放射しないことを保証するために、ビーム3212の伝送電力を低減する。正常な電力を放射している場合、ビームは、境界3210を越えてカバレッジを提供し得る。衛星が境界にさらに接近するので、スポットビーム3214は、境界の近接により衛星による伝送が完全に防止されるまで、さらに低減される。
別の実施形態において、衛星は、戻るために、また、境界の正しい側のカバレッジを提供し続けるために、姿勢を回転させ得る。姿勢もしくは伝送電力またはいくつかの他の方法を介して境界縁に対応するためにスポットビームが修正されるあらゆる実施形態が、本発明に関連する。
[I. 拡張型基地局]
拡張型基地局は、宇宙ネットワークの一部としての宇宙におけるより最適な動作を可能にするいくつかの改良を標準的な基地局に対して提供し得る。
図33は、拡張型基地局3306の実施形態を示す。拡張型MME3304は、標準的なS1-CPインタフェースを通じて基地局とインタフェース接続し得る。しかしながら、基地局は、基地局状態空間コントローラ3308と呼ばれるさらなる機能を動作させ得る。状態空間コントローラは、基地局スタックを適切に動作させるべく、拡張型MMEから命令および行程動作を受信し得る。特に、基地局状態空間コントローラは、特定のMACおよびPHY制御信号3334をRRCに渡し得る。エアインタフェースがUEへの基地局LTE-Uuリンクを介してドップラーシフトおよび伝搬遅延を管理できるように、RRCは、拡張型MAC制御3322および拡張型PHY制御3324を可能にするよう拡張され得る。拡張型基地局スタックは、拡張されたコマンドを受信するための拡張型PHY3318と、拡張型MAC3316と、無線リンク制御層3314と、パケットデータ収束制御層3312と、標準的なS-GW3302へのユーザプレーンとの接続とを含み得る。基地局状態空間コントローラは、RFフロントエンド/ビームフォーマ3320を動的に制御する(3330)ようプログラミングされてもよい。これは、基地局が世界のその位置上で動作している所望の周波数帯域で伝送および受信すべく、オーバーパス中にビームをステアリングすること、および/または様々なフィルタバンク、LNAステージおよび増幅器ステージへ切り換えることを伴い得る。
また、基地局状態空間コントローラは、DSP機能を制御し得る(3326)。拡張型MME基地局は、スペクトル解析機能を支援するためのレシーバ専用フロントエンド3332を含み得る。所望のRFをフィルタリングまたはサンプリングするために用いられる層1信号処理ブロック3328も存在し得る。サンプリングの結果により、RFサンプルからのIおよびQが生成され、DSPブロック3310に渡され得る。DSPブロックは、基地局状態空間コントローラにより制御されてよく、解析の結果は、DSPブロックからそれに戻され得る。この情報は、ネットワークモビリティ管理機能(ドップラーシフトと遅延測定値とに基づく、UEのトラッキングなど)のために、拡張型MMEに戻され得る。基地局状態空間コントローラは、基地局用のスタンドインスケジューラとして機能してもよく、状態空間予測エンジンの出力に基づく、衛星および地上セルのスペクトルスライスおよびスペクトル共有の量に必要な動的制御を効果的に実装する。
[I.1 拡張型MACおよび拡張型PHY]
典型的な3GPP基地局プロトコルを修正する拡張型MAC層および拡張型PHY層は、Speidel Iにおいて説明されているとおりであってよい。そこで説明されている拡張は、衛星プラットフォームの動作にとって一般的であり得るが、衛星の視野のどの部分がカバレッジを提供されているかに応じて、構成上の違いを有し得る。周波数(および故に、動作領域に応じて異なるドップラーセル輪郭)およびビームフォーミングアンテナ(および故に、最も近いターゲットと最も遠いターゲットとの間の動的測距ならびにスポットビームにわたる絶対ドップラーシフト)の動的な変更が、MAC制御およびPHY制御の拡張のために実装され得る。
拡張型MMEから生じる状態空間予測と行程とに基づいて、基地局は、Speidel Iにおいて説明されているものの動的制御を受け入れ得る。この動的構成は、効果的に基地局スケジューラとして機能する基地局状態空間コントローラにより制御され得る。
Speidel Iにおいて定義されているように、UEから軌道周回基地局への信号のドップラーシフトは、UEの機能の特定の実装なしに、ドップラーシフトおよび伝搬遅延についてモニタリングされ得る。ドップラーシフトおよび伝搬遅延は、PHYにおいて測定され、基地局状態空間コントローラに戻され得る。これにより、衛星は、衛星のフットプリント全体の内側の2つの小さいグリッドのうちの1つの内側にUEを配置することが可能になる。これらのグリッドの位置は、衛星の速度ベクトルを定義するベクトルを中心として互いに対称であってよい。ドップラーシフトおよび伝搬遅延の測定がますます正確になっているので、このグリッドのサイズは、2つの単一のポイントに収束し得る。衛星フットプリントが1つよりも多くのスポットビームを含む場合、デバイスとの通信を行うために用いられたスポットビームは、UEがおおよそのGPS位置に存在している場所の連結を遮断するための情報として用いられ得る。これは計算され得る。なぜなら、軌道上の基地局のGPS位置は既知であってよく、衛星速度ベクトルに対するユーザの位置を表すベクトルは既知であるからである。この情報を用いて、デバイスのGPS位置は計算され得る。このGPS位置は、宇宙ベースネットワーク内のMMEにより用いられるVLRまたはHSS内のさらなる要素として格納され得る。
衛星フットプリントが1つのスポットビームを含む場合、本明細書において説明するように、わずかに異なるジオメトリ内のUEの上方で軌道周回している別の衛星からの第2のドップラー伝搬遅延サンプルに基づいて、正確な位置が計算され得る。
[I.2 スペクトル解析機能]
拡張型基地局上のスペクトル解析機能は、さらなる要素DSP3310、層1信号処理3328およびレシーバフロントエンド3332を含む。これらの要素は共に、リンクバジェット計算のための干渉テーブル1914を通知するために基地局状態空間コントローラを通じて拡張型MMEへ戻され得るデータセットを生成するように構成され得る。レシーバフロントエンドは、特定の対象帯域に集中するように構成可能であってよく、基地局PHYにより用いられるフロントエンドと同様であってよい。フロントエンドは、いくつかの対象リソースブロックにわたる信号のフィルタリングおよび低ノイズ増幅を担い得る。層1信号処理は、信号のA/D変換およびデジタルフィルタリングを実行し得る。これは、基地局状態空間コントローラにより再プログラミングまたは再構成され得るFPGAを伴い得る。
デジタル方式でフィルタリングされた信号は、層1信号処理から得られるRFサンプルからのIおよびQであってよく、さらなる処理のためにDSPブロックへ戻され得る。20MHzブロックのスペクトルに達するスペクトルからのIおよびQを16ビットの解像度においてデジタル方式でサンプリングするためにスペクトル解析器フロントエンドが用いられる場合、スペクトル解析器フロントエンドは、帯域幅の少なくとも2倍またはより高いレート(例えば、40MHz)でサンプリングする必要があり得る。データが必ずしもあるビットレートで復調される必要がないので、スペクトル解析を行う場合、サンプリングレートは、いくつかの実施形態において低減され得る。このレートで、20MHzのLTEアップリンクブロックの10msのサンプル(例えば、1LTE無線時間枠)は、任意のパケットオーバヘッド手順またはパケット圧縮手順の前に、1.6メガバイト(MB)を生成することになる。連続的にサンプリングするように放置された場合、スペクトル解析器は、1.28ギガビットのレートでデータを生成し得る。これは、メモリ、データバッファ等を満たす前に、データをサンプリングおよび記録できるよりも速いレートで生データをダウンリンクする、という宇宙機の能力を超えてもよく、超えなくてもよい。結果として、コンスタレーション配備の特に早期段階において、スペクトル解析データのサイズを管理すべく、デジタル信号処理および圧縮アルゴリズムが所望され得るか、または必要とさえなり得る。これは、DSPブロックの理由である。
このブロックは、状態空間予測エンジン内の実行可能知能として用いられるあるより小さいサイズの数値データセットを生成する計算または処理を行うことにより収集されるデータのサイズを低減するためのアルゴリズムを実装し得る。例えば、DSPブロックは、特定のリソースブロックに対してタイムスロットにわたってFFTを実行してよく、180kHzのリソースブロックにおいて予想されるノイズフロアを上回る干渉マージン(dBで表される)を評価してよい。干渉は、時間ウィンドウおよびリソースブロックにわたって評価されてよく、特定の時点における特定の周波数チャネル上の干渉環境を表す数の行列として戻され得るようにタイムタギングされてよい。
スペクトル解析機能は、ネットワーク上でのUEの配置のためのサポート機能としても用いられ得る。状態空間予測エンジンの動作中、ビームを方向付け、かつ、別の基地局(ビームフォーミング型または非ビームフォーミング型のいずれか)によりカバーされている静的ポリゴンだけのためのレシーバとして機能することを要求する基地局のために生成される行程が存在し得る。
第1の基地局は、静的ポリゴンにカバレッジを提供するようにスケジューリングされたものであってよい。このカバレッジ中、第1の基地局は、正常な軌道周回基地局能力として、LTE-Uuインタフェースを介してUEと通信することになる。第2の基地局は、静的ポリゴンに対して受信専用動作を実行するようにスケジューリングされたものであってよい。第1の基地局および第2の受信専用基地局は、異なる軌道上で、またはおそらく同じ軌道プレーンにおいて互いに後方で、動作し得る。これら2つの基地局は、ISLを通じて、またはGSLを通じて互いに接続を有し得る。これらのリンクは、どこで周波数をスキャンすべきかと、制御チャネルまたはトラフィックチャネル、第1の基地局向けのUEからの信号をいつ受信すべきかとを第2の基地局が把握できるように、第1の基地局がフレーミング/タイミング情報を第2の基地局に伝達するために用いられ得る。衛星間リンクまたは地上局リンクが存在しない場合、第2の受信専用基地局は、行程を有し得る。当該行程では、ある時間枠を介してRFスペクトルを受信し、タイムスタンプである生のIおよびQを、第1の基地局においてUEからの(例えば、履歴ネットワーク状態空間データベースに格納されるログファイルからの)アップリンク信号のタイムスタンプが把握されてから後で後処理され得るように記録する。両方の衛星において受信されたUEからのRFに基づいて、各測定時点での各基地局のドップラーシフト、伝搬遅延(またはそれらの間のばらつき)およびGPS位置が、GPS座標におけるUEの位置を計算するために用いられ得る。
[I.3 基地局状態空間コントローラ]
基地局状態空間コントローラは、基地局の拡張のための中央オーケストレータである。基地局状態空間コントローラは、拡張型MMEからRAN行程についての情報を受信し、この情報を用いて、基地局eNB間の動作を調整する。これは、基地局フロントエンド/電力制御および構成と、基地局無線リソース制御と、ダウンリンク制御チャネル構成と、衛星上のeNBと他の衛星上のeNBとの間のハンドオーバと、スペクトル解析器制御とを含み得る。行程データの受信に加え、基地局状態空間コントローラはまた、位置が計算され得るように、ドップラーシフトに関するデータ、UEの伝搬遅延測定値を拡張型MMEに折り返し報告する。基地局状態空間コントローラは、干渉データベース1914に通知するために、DSP解析の結果に関しても折り返し報告する。
[I.3.a PSS、SSSおよびセルID]
UEによる基地局への最初のアクセスはまず、ダウンリンク制御チャネル上で基地局により伝送される同期信号を用いた、ダウンリンク基地局のスロットおよびフレームタイミングへの同期で開始する。一次無線フレーム同期チャネル(P-SCH)および二次シンボル同期チャネル(S-SCH)は、一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)の伝送専用の周波数帯域(1.08MHz)内の6個の中央リソースブロックを5ms毎に用いる。PSSは、UEが把握している一組の3個のlength-62Zadoff-Chuシーケンス(1つはDCにおけるゼロサブキャリア)のうちの1つである。1つの時点でのみ、UEセル検索器/同期信号相関器は、周期的にシフトされたシーケンスがPSSタイミング基準信号と正しく同期されていることを示す。SSSは、論理的かつ正常に物理的なセルIDを共に形成するセルグループID[0,...,167]およびセクタID[0,1,2]に従って、既知のm個シーケンスオフセットのペアから生成される。結果として、合計で168×3=504個の一意のセルIDが存在し得る。また、これらの同期信号は、周波数帯域内のこの中心的な6個のRBを共有している他のセルの中からあるセルをUEが識別するのに役立つ。4G LTEの専門用語では、9ビットのセルIDは、無線ネットワーク内のセルを識別し、同期信号を形成するコードシーケンス内でエンコードされる。
UEは最終的に、基準信号を用いてダウンリンク制御情報およびCRCチェックを決定することで、物理ブロードキャスト制御チャネル(PBCCH)などの他のダウンリンク制御チャネル上でUEに提供される情報を復号する。この復号された情報は、マスタ情報ブロック(MIB)、SIB1およびSIB2である。SIB1は、SIB2の復号について同一である。これにより、UEは、最初のアップリンク伝送位置がどこであるか(例えば、周波数ブロックおよびタイミング)を通知される。
1つまたは複数のUEは、ダウンリンクチャネルと同期した後に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)上でプリアンブルを送信する。PRACH手順は、同じタイムスロット内でのUEによる同一のプリアンブルの伝送間で衝突がある場合の競合解決手順を含む。
地上ネットワークとスペクトルを共有するが、地上のeNBタワーセルと同じ中心的な6個のRBまたは1.08MHzの周波数を用いること。宇宙基地局は、どのリソースブロックが制御ブロックとして扱われ、どの他のリソースブロックが制御ブロックとして用いられ得ないかについての既存の知識を有し得る。さらに、ネットワーク内に504個のセルIDオプションが存在するので、宇宙ネットワークには、理想的には4よりも大きいある有限数だけそれらが割り当てられ得る。これにより、周波数再使用パターンが非ビームフォーミング衛星カバレッジエリア間で用いられ得る。重複があまり一般的ではない、より少ない衛星が存在する場合、より少ないセルIDが宇宙ネットワークい割り当てられ得る。これらのセルIDは、場合によっては、軌道上で経時的に動的であってよく、行程は、基地局内の状態空間コントローラにより実装されるであろう。
追加的に、ネットワークは、衛星ネットワークと地上ネットワークとの間のスペクトルスライスにより、特定のリソースブロックのみを割り当てるであろう。このように、衛星基地局には、特定のリソースブロック、タイムスロット、またはリソースブロックおよびタイムスロットの帯状地帯が割り当てられ、地上の地上タワーは、それらのリソースブロックまたはリソースブロックの帯状地帯の使用が妨げられるか、または、地上eNBとの干渉を生じる距離内で宇宙基地局がそれらを動作させている場合にそれらを共有するようプログラミング/制御される。
本開示で説明する宇宙ベース通信システムは、既存のモバイル地上ネットワークの拡張型として最も良く実装され得る。それらのコア要素およびRAN要素の例が、それらの地上カバレッジを拡張するために宇宙ベースインフラストラクチャ上でホスティングされるが、同じデバイスについてそれらの地上カバレッジと同じスペクトルを用いてそのようにすることにより、それが既存の地上のスペクトル/波形配備と共に適切に挙動することを可能にする場合。このシナリオでは、これらnリソースブロックおよびPSS/SSS信号またはセルIDは、地上のMNOと共に調整される必要があり得る。それらは、動的に調整され得る。MNOは、メッシュの一部であり得るポリゴンについてのポリシ、QoS等の要件の変更について、宇宙ネットワークNOCにデジタル方式で通知できる。結果として、これは、将来の状態空間予測および行程の世代用に拡張型MMEに実装されるであろう。また、それに応じて、基地局は、基地局内の状態空間コントローラを用いて、エアインタフェースを介して通信を行うであろう。
[I.3.b トラッキングエリアコード]
RAN行程の最も重要な要素のうちの1つがダウンリンク制御チャネル構成である。なぜなら、これは、ネットワークが特定の態様での制御を望み得る、UEにおける特定の挙動をトリガするために用いられ得るからである。重要なダウンリンク制御チャネル構成の特定の例がトラッキングエリアコードである。
宇宙のネットワークにおいて、基地局は、LEO上で動作してよく、衛星とUEとの間の迅速なオーバーパスウィンドウを経てよい。典型的には、セルラネットワークでは、UEの位置は、HSSにログされたトラッキングエリアに基づいて追跡される。一般的に、HSSにログされた位置は、特定のトラッキングエリアのアドレスであり、特定の基地局または一組の基地局によるカバレッジが提供される。したがって、セルラネットワークは、ネットワーク内で動作している場合、ユーザが存在する特定のセルのみをトラッキングし、正確な位置を有しない(ユーザは、大きい35kmのセルまたは35kmのセルのグループ内のどこにでも存在し得る)。セルラネットワークは、州、郡よりも良い忠実度内にユーザを配置できないことがある。
衛星ネットワークは、それらの軌道上での衛星の相対位置に応じて数分(おそらく、1分、5分、10分、30分または60分)毎にUEをオーバーパスする衛星を有し得る。ネットワーク内の全ての衛星が、ネットワークインボックスとして動作させられ、かつ、独自のMMEおよびS-GWによりホスティングされる場合、UEは新しい衛星がオーバーパスを提供する度に、ネットワークトラッキングエリアの変化を感知するであろう。結果として、UEは、単一のオーバーパス毎に(例えば、数分毎に)、HSSに対して自らの位置を更新するであろう。これにより、ネットワークにとって多くの比較的無用な制御シグナリングオーバヘッドが生成されるであろう。なぜなら、ネットワークの観点からだと、デバイスは本当に、ほとんど、またはさらには全く動いていないからである。
結果として、衛星は、地上に対するネットワーク整合性のある様相を維持する必要があり得る。地上のユーザが動いていないので、宇宙ネットワークは、余分である場合には更新要求が行われないように、自らの位置を変更していないことをユーザに伝えるであろう。
基地局がダウンリンク制御チャネル上で伝送する場合、基地局は、UEが受信し、かつ、そのトラッキングエリアが変更されているか否かと、トラッキングエリア更新を行う必要があるか否かとを把握するために用いるSIB1でトラッキングエリアコードを伝送する。ネットワーク上でのトラッキングエリア更新手順をトリガする、前に上述した他のトリガが存在する。これは、新しい衛星がUEにサービスを提供するために低空飛行する度に、新しいMMEと通信していたとしてもネットワーク上のトラッキングエリアを変更していないとUEが思うようにスプーフィングするために用いられ得る。
上で説明したように、拡張型MMEの内部には、ネットワーク状態を予測し、予測された状態に基づいてネットワーク動作の行程を開発したソフトウェアが存在し得る。このネットワークは、IPv6ネットワークとして、ネットワーク内の各飛行コンピュータおよび各衛星をその独自の(おそらくさらには静的な)IPアドレスとして動作させ得る。結果として、それは、MME内での違い、および、どのMME(または衛星)が各時点において各UEにカバレッジを提供しているかを区別できる。衛星の位置(および場合によっては、任意の時点でどの静的ポリゴンにカバレッジを提供しているか)に応じて、MIB情報およびSIB情報は、異なり得る。これは、地球の周囲のトラッキングエリア設計実装と整合するSIB情報およびMIB情報と共にメッシュが通知されるCLRに格納され得る。
一実施形態において、全ての単一の衛星が、衛星コンスタレーションネットワーク内の基地局と共に、SIB-1ブロックに関する同じ16ビットのトラッキングエリアコードをダウンリンク制御チャネル上で伝送し得る。各衛星基地局は、異なるセルIDおよび他のダウンリンク制御情報を有し得るが、このようにして、UEは、衛星オーバーパス毎に位置の変化を感知しないであろうし、ネットワークにアクセスしてHSSと共にトラッキングエリア更新を行うためにアップリンク上で(地上もしくは当該衛星またはある衛星のいずれかで)スペクトルを用いないであろう。地上のHSSの観点からだと、場合によってはUEホームネットワークからの観点だと、デバイスの位置を「宇宙ネットワーク上」として感知できるので、UEにアクセスする必要がある場合、どの衛星がトラフィックを送信すべきかを管理する必要がない。代わりに、「宇宙ネットワーク」として感知するMME上にUEがあることを把握するだけであり、トラフィックは、中央/ホーム地上局に対応する宇宙ネットワーク内のMMEにルーティングされるであろう。このノードには、拡張型HSSおよび拡張型MMEが存在するであろう。これらは共に、ネットワーク内のUEの実際の位置(例えば、どの衛星がそれにカバレッジを提供する予定であるか)を現在および将来の両方において予測、管理および格納し得る。結果として、宇宙ネットワークは、どの衛星基地局がトラフィックを配信する適切な衛星になり得るかと、厳密にどのルートがトラフィックをそこへ到達させるのに最適な経路であるか(例えば、ネットワークの周囲で最も速いルート、最もバランスが取れたトラフィック負荷等)とをインテリジェントに判断し得る。
[I.3.c モバイル国コードおよびモバイルネットワークコード]
宇宙ネットワークは、パートナになっている事業者のモバイル国コードまたはモバイルネットワークコードをブロードキャストするために実装され得る。代替的に、宇宙ネットワークには、地球全体にわたって用いる独自の一意のモバイル国コードおよびモバイルネットワークコードが割り当てられ得る。
[J. 拡張型HSS]
宇宙ネットワーク内のデータベース管理の手順および機能は、ネットワークが軌道上で動作するように構成される場合に特に重要になり得る。例えば、HSSは、ユーザの配置、ユーザの認証、ユーザへの請求、ユーザへのサービス等の提供のために用いられ、古典的には、地上ネットワーク内のBTS機能およびBSC機能から離れた所に位置する。多くの場合、HLRの存在は、ネットワーク内の少数の位置のみに限定される。なぜなら、その「状態」の妥当性は、適切なネットワーク機能のために非常に重要だからである。サービス提供および課金は、軌道上で完了され得るが、これらの機能は、必ずしも必要ではなく、古典的な実装では、地上に残されたままである可能性があり得る。しかしながら、宇宙ネットワークがLEO衛星を備え得るので、モバイルデバイスと、宇宙ネットワーク内でそれが通信している特定の基地局との間の相互作用時間は、非常に短時間のウィンドウに限定され得る(おそらく、衛星の軌道構成、リンクバジェットおよびカバレッジフットプリント設計に応じて数分または1分未満のことがあり、UEはスポットビーム等に含まれる。)。
Speidel Iにおいて定義されたように、かつ、本明細書において簡潔に説明したように、UEから軌道周回基地局への信号は、UEのGPS位置を決定するために、ドップラーシフトおよび伝搬遅延についてモニタリングされ得る。結果として、状態空間予測エンジンは、厳密にどの衛星の厳密にどのビームが将来UEにカバレッジを提供するように計画されているのかを容易に判断できる。この情報は、状態空間データベースの拡張としてHSSに保存され得る。標準的なHSSは、自らへのクエリが当然に行われ得るように保存され得る。しかしながら、クロックおよび最新の状態空間データベースをネットワークのためにチェックして、その提供下で各IMSIのHSS内のフィールドを更新する別個の機能が存在し得る。このHSSデータベースは、宇宙ネットワークの内部にあってよく、ネットワークがそのUEに特にアクセスする必要がある場合、マスタとしてではなく、単に例についての「チェック」として扱われてよい。UE用のマスタHSSが、地上で保持されてよく、そのUEの各クエリが最初に向けられるマスタHSSとして扱われてよい。「宇宙ネットワーク」がUEにサービスを提供中であるか、または最後にサービスを提供されたと判断されると、トラフィックは、「宇宙ネットワーク」内の地上ノードにルーティングされ得る。次に、それは、トラッキングエリアコードのこの内部専用ネットワークマッピングに経時的に基づくネットワークトラフィックをどの衛星がルーティングするかを決定し得る。
[J.1 認証戦略]
認証手順およびネットワークアクセス許可手順がISLを通じて行われ、次に、地上ホームネットワーク上のHSSに対するクエリをバウンスするために地上へ戻され得る場合、処理は、いかなる単一のオーバーパス時間よりも長く拡張し得る。コンスタレーションがユビキタスカバレッジ用に設計される場合、応答手順は、それをオーバーパスする次の衛星を通じて、地上のユーザへ戻り得る。オーバーパス周期よりも長い時間が認証にかかる場合、ネットワークは、ネットワーク内のどの衛星が次に利用可能な衛星であり得るかを計算して、認証手順を完了できる。これにより、デバイスを用いて認証手順を管理するための認証中のハンドオーバが、当該手順が完了する前にそれが異なる衛星との接続セッションから接続セッションへと移動する間、可能になり得る。
[J.1.a 急速な認証をサポートするための集中型ISL用の軌道上中継器]
完全にユビキタスなシステムの場合に、また、分散セルラノードの小集団の場合に、以下の技術が用いられ得る。
[J.1.a(i) P-GW拡張型としてのGEO中継器、MEO中継器およびLEO中継器]
LEO上の衛星から(または地上のUEへのエアインタフェースを提供して)地上ネットワーク内のP-GWへの「常時単方向」衛星間リンクとして、軌道中継器が用いられ得る。各衛星「ネットワークインボックス」と通信する軌道中継器P-GW(または単に、地上のP-GWへの曲げられたパイプまたは中継器であってよい)。この場合、P-GWは、より高い軌道、おそらくLEO、MEOもしくはGEOまたはそれより遠くで動作し得る。さらなる衛星中継器を用いると、より多くの地上の視認が可能になり、中継器のグローバルカバレッジのために必要とされ得る地上局がより少なくなる。この技術を用いると、LEOネットワーク内の全ての衛星が、最長で250msの待ち時間通信リンクを介して、地上局ゲートウェイへの、そしてそこから地上セルラネットワークへのアクセスを有するであろう(250msは、LEO衛星からGEO衛星への、そして地上局への下りの軽度の待ち時間のスピードである)。
単方向200~300msという音声待ち時間要件がこの中継リンクに損なわれ得る。なぜなら、この計算は、地上局に当たった後、および、地上の地上コアネットワークへ送信される前の地上ネットワークを通じた処理時間または待ち時間を含んでいないからである。しかしながら、これらの待ち時間要件は、メッセージングサービスおよびデータサービスについて満足できる以上のものである。
GEOを用いた地上への連続的な接続では、軌道中継器は、4個のP-GWノード、すなわちP-GW中継器をGEO軌道上で用い得る。
[J.1.a(ii) ネットワーク用のMME/S-GWとしての中継器]
代替的に、軌道中継器は、コアネットワーク全体を収容してよく、LEOシステム全体用の(VLRおよびHSSを保持する)MME/S-GWノードとして機能してよく、その場合、基地局衛星を備えるであろう。これにより、LEO内の多くの衛星の複雑性が低減され得ると共に、より重いコアネットワーク機能が、より高い軌道上の、より少なく、能力がより高く、耐用期間がより長い衛星へとシフトされ得る。
軌道中継器を用いる両方の場合において、地上局の位置は、様々なローミングパートナネットワークのHSSデータベースと非常に近い近接度で、または当該HSSデータベースと同じ位置で選択され得る。具体的に言うと、様々なローミングパートナのHSSデータベースは、任意の衛星から容易に格納およびアクセスできるように、高軌道衛星に格納され得る。これは、宇宙ベースネットワークから、それらの地上ネットワークが到達しないそれらの遠隔エリア内の加入者へのより多くの最適なサービスをMNOが有するようにするためにさえ、サービスとして提供され得る。中継リンクについてダウンリンク位置が地上に近いことで、認証クエリがより迅速に完了され、例えばSS7等のより低速な接続を通じたリンクが回避され得る。
[J.1.b HSS認証キャッシュ]
以下は、軌道構成について一般的である。言い換えると、この実装は、唯一のLEOネットワークを介して、またはさらなる中継衛星を有するネットワーク内で用いられ得る。軌道上のHSSおよび/またはVLRを備える宇宙ベースセルラネットワークが関連し得る。
典型的なローミング認証は、UEが認証し得る度に、必要な認証情報を集めることをホームネットワークHSSにクエリする訪問ネットワークを伴う。一般的に、これは、訪問加入者がその独自のものではないネットワーク上にローミングする度に行われる。理論上、訪問ネットワークは、クエリの結果をホームHSSにキャッシュし、データベース内のそのIMSIのために認証情報を保存し得る。認証情報がキャッシュされるので、ホームネットワークHSSに対する認証手順が最初に成功した後、それから、格納された衛星HSSを介して、軌道上で認証が起こり得る。このように、ハンドオーバ技術は、地上を通じた最初の認証手順を通じてIMSIを取得するために最初に用いられ得る。その先の2番目の試みは、急速な認証のための軌道上のデータベースに依存し得る。
衛星ネットワークを使用する権限を有するIMSIが前もって把握されているか、または経時的に把握された場合、認証の手順は、デバイスからの最初のクエリの前に、ホームネットワークHSSに対してスプーフィングされ得る。このように、クエリの結果(「認証ベクトル」)は、最初の認証手順が行われる前に、軌道上のHSSおよびAuCデータベースにキャッシュおよび保存され得る。このように、全ての認証手順は、必要なAuC情報の格納されたHSS-AuCを介して、軌道上で行われ得る。
[J.1.c 認証スプーフィング]
地上への接続セッションを全体的に回避する場合、ネットワークは、認証処理もスプーフィングし得る。言い換えると、ネットワークに対する認証を試みる多くのユーザは、基地局と共に認証手順を完遂する。しかしながら、宇宙ネットワークは、計算または格納された「ダミー」認証ベクトル値を(HSSからクエリされたかのように)用いてよく、それらをUEに渡してよい。これらの認証ベクトル値を用いた認証手順の結果により、ネットワークに対するデバイスの認証が可能になり得ると共に、ネットワークは、IMSIに基づいてユーザの認証を可能にするために把握するだけである。
[J.1.d 軌道上認証]
宇宙ネットワークは、各衛星に搭載されたそのサービスを用いるよう供給されるユーザのための完全なHSSデータベースを使用し得る。この構成において、宇宙ネットワークは、実際には、ホームネットワークであってよく、UEキーを実際に格納してよい。このように、ユーザがネットワークに対する認証を試みる場合、衛星は、衛星間リンクまたは地上へのフィーダリンクを用いなければならないわけではなく、(AuCからの)必要な認証ベクトルを集めることを軌道上データベース内で単にクエリし、急速な方式(数秒以下)で、かつ、ユーザ用の所与のオーバーパスの時間内に、認証を完了できる。
[K. 衛星に搭載されるアプリケーションサーバ/IMSコア]
PDNサーバ内のアプリケーション層の2つの例の間のIPパケットの格納および転送のための急速なIPベアラ生成として機能するように衛星に搭載されるアプリケーションサーバの例を動作させることについての説明。
前に説明したコンスタレーション構成のいくつかのフェーズには、間欠的な接続が存在し得る。この接続では、遠隔UEが衛星基地局と通信するためのアクセスを有するが、その衛星基地局は、アプリケーションサーバまたはIMSサーバにアクセスできる場所である地上ネットワークへのアクセスをまだ有していない。結果として、アプリケーションサーバとモバイルデバイスとの間でIPトラフィックを移動させることが困難または不可能になることにより、インターネットへのアクセスまたはバックエンドサポートを必要とするアプリケーションの使用の可能性がなくなり得る。衛星が地上へのアクセスを有しないシナリオにおいてでさえ、それは、瞬間的であり得るか、または、UEと対象PDNサーバとの間のデータの有用な伝送のためには十分ではない、UEと当該PDNサーバとの間の待ち時間を必要とし得る。
この問題の解決手段は、コンスタレーションネットワーク内の衛星であって、サーバ側のコードのライトバージョンをホスティングすることにより、UEがアプリケーションのロードに一時的に十分な状態で通信が処理され得ると共に、タイムアウトまたはアプリケーションのロードの失敗なしにデータがサーバから要求されることが可能になり得る、衛星であろう。衛星コンスタレーションは、ユーザがインターネット上でアクセスする「普及している」サーバの仮想化コピー、キャッシュまたはミラーを使用するために、コンピュータおよびメモリをホスティングし得る。コンピュータおよびメモリは、この機能専用のものでさえあってよく、ウェブサイトまたはアプリケーションを管理しており、世界中のユーザに対してそれらのサービスまたはウェブサイトの使用またはアクセスの促進を望む企業に販売または賃貸されてよい。例として、1つの国におけるサーバを動作させる、普及しているウェブサイトは、他の国における需要の高まりを見ている。非常にそうなので、ネットワークのボトルネックを緩和し、ホームサーバ上のDNSトラフィックを緩和させるには、サーバのより多くのローカルな例が必要とされる。それらのキャッシュされたコピーを軌道上に配置することにより、世界中でのそれらの物理伝搬によって、元のサーバから遠く離れた遠隔ユーザが必要とするデータへのより容易に利用可能なアクセスが可能になる。元のサーバのこれらのキャッシュされたコピーまたはミラーコピーは、元のサーバが「マスタ」として機能し、かつ、当該サーバの「スレーブ」コピーの更新をプッシュする「スレーブ」コピーとして機能し得る。結果として、軌道上のサーバは、わずかに「遅延」しているか、または古いデータを有し得る。
さらに、アプリケーションサーバまたはウェブサイトサーバのライトバージョンが、デバイスからの(例えば、遠隔UEからのWhatsAppメッセージとしての)IPパケットの受け入れを処理できる軌道上で用いられ得る。IPパケットは、データパケットが受信され、かつ、メッセージが意図された受信者のためにアンパックされる適切な地上アプリケーションサーバに格納および転送され得る。メッセージは、ひとたびサーバに到達すると、正常な地上シナリオに存在し得るのと同様に、適切な受信者UEにルーティングされ得る。サーバのライトバージョンを動作させることにより、それは、比較的単純なプロセッサと少量のメモリとを有するシングルボードコンピュータと同程度に小型かつ低電力(「マスタ」コピーをホスティングする実際のサーバと比較して)のハードウェア上に仮想化できるようになり得る。
同様の技術がIMSコアと共に使用されることにより、拡張されたライト方式で、最先端式に動作するRCSなどのIMSベースサービスが可能になり得る。
[L. 拡張型ユーザ機器(UE)] [L.1 拡張型ネットワークオーバーパス予測]
宇宙ベースセルラネットワークで機能をサポートするために、ユーザ機器は、わずかな拡張から恩恵を受け得る。UEは、場合によっては、拡張型MMEにより計算されるリンク状態空間のメッシュ内のポイントであり得る。結果として、ネットワーク上のハンドセットの行程も生成され得る。
主に、単独のGPS位置に基づいて、UEは、独自の状態空間予測エンジンを用いて、衛星からの次の一組のオーバーパスを計算するようにプログラミングされ得る。同様に、地上の拡張型MMEにより開発される宇宙機、無線アクセスおよびコアネットワークの行程は、現在のUEのGPS位置に対するカバレッジの例をUEが計算するであろう一組のカバレッジを定義し得る。宇宙ネットワーク用の状態空間データベース(またはデバイスの位置に基づくその部品)は、インターネット/サーバへの接続およびアクセスの外部にある場合に格納および使用され得るようにUEへプッシュされ得る。また、UEは、ハンドセット上のネットワーク状態空間伝搬関数をホスティングして、縁でも計算を行い得る。典型的な地上セルのカバレッジの外部にある場合、UEは、そのセル検索基準を修正し得ると共に、オーバーパスしている衛星が自らを通り過ぎ、次の5秒間、10分間、30分間等にカバレッジを自らに提供している可能性があることを把握し得るに過ぎない。
衛星オーバーパスの予測は、ユーザインタフェース側(例えば、スマートフォンアプリ)のアプリケーション層において実装され得る。これにより、アプリケーションは、衛星オーバーパスを予測し、メッセージアプリケーションにおける電話間で送信されるデータ/メッセージ/SMSの格納および転送を容易にすることが可能になり得る。アプリケーションは、そのメッセージを特定の時点で送信するよう試みることを把握しているであろうし、ソフトウェアアプリケーションは、それを行うよう電話にコマンドし得る。追加的に、ソフトウェアアプリケーションは、スマートフォンの機内モードをトグルし得る。これにより、利用可能なネットワークを見つけるために、電話が即座にスキャンモードへ移行する(例えば、デバイスの電源を効果的にオンおよびオフする)であろう。
衛星オーバーパスの予測は、UEとネットワークとの間の制御プレーンに同様に通知する行程により提供され得る。例として、モバイルデバイスUE用の典型的な検索手順は、オーバーパス用の提供された行程に対する時刻をチェックするタイマを含むように修正され得る。タイマに基づいて、UEは、例えば、その時点で他の地上基地局または軌道基地局が利用可能ではない場合、特定のLTE ARFCN帯域幅について軌道基地局からのPLMNコードおよび/またはセルIDコードをスキャンするための手順を実装し得る。典型的には地上カバレッジの外部にある場合、これにより、デバイス上の電池の電力を容易に節約し得る。なぜなら、それは、軌道周回基地局からの新しく利用可能なネットワークアクセスのためにスキャンを厳密にいつ始めるべきかを把握しているからである。さらに、軌道周回基地局に接続した後に、UEがその衛星をどのくらいの期間だけ利用可能であるかについての既存の知識が存在し得る。この期間に基づいて、UEは、どの双方向通信が実現可能であるかと、おそらく、所与のオーバーパスに対してどの優先順位を付けるべきかとを判断し得る。さらに、この時点までに、行程は、無線アクセス技術(例えば、GSMまたはLTE)、データレート期待値等に関しての所与のオーバーパスのためのサービスレベルについての情報を含み得る。この情報は、どのアプリケーション/データをネットワークとの間で要求し/移動させるべきかについてのデバイスの判断を駆動し得る(例えば、デバイスにとって、GSM上では、デバイスが移動を求めるSMS/低データレートトラフィックが有利であり得るが、LTE上では、より高いデータレート要件等を有するアプリケーションが有利であり得る)。
拡張型MMEにより提供される行程は、UEがネットワークまたはバックエンドサーバ/PDNサーバとの接続セッションを行う必要がある場合に宇宙基地局ネットワークへのアクセスをUEがいつ要求すべきかについての特定のタイムスタンプを含み得る。上で説明したタイミングは、UEの計画されたネットワークアクセス要求信号が互いに離れてタイムデュプレックスされることで、即時PRACHアクティビティおよぎUE間での競合という潜在的な課題が改善されるように、UEに提供され得る。行程は、どのPRACHチャネルを特定のUEまたはさらには一組のUEが利用可能であるかを含み得る。さらなる制御チャネルシグナリングが、UEおよびトラッキングエリア更新、認証などについても予測または自動化され得る。
[L.2 拡張型伝送電力]
UEは、基地局へのアップリンクのための伝送電力の増大を含むようにも拡張され得る。本開示の利益は、UEが、典型的な地上セル位置では標準的な伝送電力を用い得るが、干渉するタワーがない遠隔エリアでは、LTEについては200mW(かつGSMについては2W)よりも高い電力で衛星へアップリンクし得ることであり得る。
アップリンクでの伝送電力は、ネットワークのMCCおよびMNCコードのような特定の基準に基づいてより高くなるように(例えば、ネットワークが宇宙ベースネットワークである場合には、アップリンクの閉鎖をサポートするためにより高い伝送電力を可能にするように)トリガされ得る。SIBブロックおよびMIBブロックは、どの最大伝送電力がそのセルに対して許容されるかをUEに示すために用いられることが多い。宇宙ネットワーク基地局は、UEが理解および対応するよう拡張され得る、地上セルよりも高い値の送信を許容され得る。
既存のUEは、GSMプロトコルおよびLTEプロトコルとの互換性があり得る。そのように、LTE通信で用いられることがGSMにおいて許容される2Wのピーク伝送電力を活用できる既存の構成設定が存在し得る。
これにより、高減衰環境でリンクを閉じることが可能になり得る。デバイスが一時的に電力をサージして上方の衛星へのリンクの閉鎖のサポートを望み得る場合である災害中は、これに対するニーズがプロトコルに存在し得る。
[L.3 アンテナの拡張]
衛星でのリンクバジェット条件の向上に加えて、円偏波アンテナが拡張型UEに用いられ得る。円形偏波衛星信号を用いることで、円偏波アンテナは、リンクマージンの3dBの増大(3dBから)0dBへの偏光損失の減少)を可能にし得る。これは、(環状に偏波された)GPSアンテナを活用することにより行われ得る。モバイルデバイス内の既存のGPSアンテナは、GPS L帯域周波数の外側では、調整されないか、またはうまく一致しないことがあるが、GPS L帯域チャネルおよび近帯域セルラ周波数(例えば、700MHz、800MHz、900MHz、1.8GHz、1.9GHz等)の両方と互換性がある新しいアンテナは、設置され得る。
円形偏光アンテナ特徴の追加は、もはや受信アンテナと同じ偏光をもたらさない1回の反射が信号バウンスにより生じ得るので、環状に偏波した信号がマルチパス効果により劣化し得ることにもかかわらず、機能し得る。結果として、1回の反射を容易に受信できず、視線が欠如するので、通信がかなりのリンクインヒビタになり得る。地上通信におけるマルチパスは、おそらく複数の線形化角度で線形的に偏波した信号に、これらの信号のうちの1つのオフ角偏光受信をサポートするために依拠していることがある。
地上システムでは古典的に、タワーに対するリンクの水平ジオメトリが原因で、リンクに対して視線が利用可能ではなく、故に、リンクは、(バウンス信号がリンクに対して優位である)レイリーフェージングを用いたリンクとしてモデル化され得る。衛星通信では、視線がリンクに対して優位であることが多くてよく、円偏波アンテナが特に有用になり得る。一実施形態において、UE内の円偏波アンテナは、衛星との通信のために有効化されてよく、そうでなければ無効化されてよい。しかしながら、このアンテナは、線形信号を受信でき得る。
[L.4 UE-基地局エアインタフェースプロトコルの拡張]
地表上のUEと軌道上の衛星基地局との間の通信のカバレッジの増大をサポートするためにより有利なリンクバジェットプロトコルが用いられ得るセルラネットワーク上で用いられるUEのさらなる拡張が存在し得る。これは、衛星と、建物内または屋根の下、金属コンテナの中等にあるUEとの間の通信をサポートするためにも行われ得る。これは、地上タワーとの通信の距離の増加のためにも用いられ得る。これらのプロトコルの中心は、拡張または修正された波形であろう。当該波形は、UEと衛星基地局との間で用いられ、アップリンク上の信号の電力スペクトル密度を増大させるか、伝送ダイバーシティのいくつかの要素(例えば、周波数ダイバーシティまたはコードダイバーシティ)を活用するか、またはおそらく、UEおよび基地局からの信号をノイズフロアから取得するためにあるさらなる信号処理ゲインを活用する。
軌道周回基地局では、UEと軌道周回基地局との間のNB-IoTを用いることで、LTEプロトコル上の単一の15kHzのサブキャリアのみにわたって200mWの信号電力をUEが伝送するのを可能にすることにより、リンクバジェットの20dBの増加を提供し得る。既存のLTEリソースブロック構造を用いることにより、UEからのNB-IoTをサポートするために、ベースバンド波形を実装する既存のUEハードウェアの修正が実装され得る。
NB-IoTプロトコルが衛星ネットワーク上でのみ用いられる実施形態が存在し得る。代替的に、NB-IoTプロトコルが衛星へのアップリンク上でのみ用いられるが、ダウンリンク上で通信するためにLTEなどの異なるRFインタフェースが用いられる(かつ、リンクをその方向にのみ閉じるために、十分により多くの電力がダウンリンク上で用いられる)実施形態が存在し得る。
ある帯域幅を介して低データレート信号を拡散させて、かなり制限された通信リンク下にある(例えば、地下、建物内、かなりのRF干渉があるエリア内にある)UEと通信するためのメカニズムを提供するためにいくつかの符号化または周波数ホップされた信号を用いて通信するために既存のセルラ帯域、WiFi帯域(2.4GHz)またはISM帯域(902~928MHz)のいずれかを活用するあるプロトコルによりUEが拡張されるさらなる実施形態が存在し得る。
[M. 代替的な拡張の説明]
上で説明したネットワークの拡張型についての実施形態が存在し得る。この実施形態では、UEは、5G NRエアインタフェース用にKa帯域またはKu帯域で割り当てられている、より高い周波数で通信するように装備される。これらの周波数では、特に、軌道から地上への衛星通信を用いる場合、アンテナは非常に小型になり得るが、経路損失は大きくなり過ぎることがある。
このようなシナリオでは、伝送電力が限定されており、かつ、デバイス上のアンテナゲインが低減されていると、UEは、アップリンク上のリンクを閉じることができない可能性がある。しかしながら、衛星は、(実質的により多くの伝送電力、および場合によってはビームフォーミング機能をUEに備え付けることなく)他の方向ではなく、軌道からUEへと下るKu帯域またはKa帯域での通信ができ得るのに十分に足るサイズであってよい。
この例では、本開示における通信ネットワークは、周波数が非同期の通信動作を実装し得る。低周波数セルラ帯域により、UEから直接的に軌道周回eNBへ接近するための低データレートアップリンクが可能になる。アップリンク上で、デバイスは、高データレートダウンリンクサービス(シームレスな映画ストリーミング、またはインターネットからダウンロードする大きいデータセットなど)へのアクセスを要求し得る。衛星ネットワーク内のeNBは、低周波数セルラ帯域でUEと双方向で通信でき得るが、高電力を提供する能力、場合によってはUEへのダウンリンク信号をビームフォーミングする能力を用いて一組のダウンリンクリソースブロック、キャリア、時間スロット等を直交周波数帯域(Ka帯域またはKu帯域など)内で割り当てて、サービスが要求する高データレート要件を提供するようにやはり拡張され得る。
ダウンリンク衛星は、UEアップリンク信号を受信した衛星基地局とは異なる宇宙機でさえあってよい。ダウンリンク宇宙機は、リンクバジェットと、所望のデータレートでの閉鎖についての要件との特性に応じて、LEO、MEOまたはGEOに配置され得る。
大きいダウンリンクチャネルを可能にするために薄型アップリンクチャネルが必要とされる使用事例のために配備されるセルラ宇宙ネットワークについての実施形態が存在し得る。例として、車のような車両上のGEOからハイスループット衛星ダウンリンクデータ(エンターテイメント用)を受信できるデバイスが存在し得る。しかしながら、車両は、バックアップをGEO衛星に伝達してダウンリンクを制御するための態様を有していないことがある。薄型アップリンクに車を接続して、GEOからの特定のハイスループットダウンリンクを実行するためのコマンドを送信すべく、セルラモデムが用いられ得る。
一実施形態によれば、本明細書において説明した技術は、ファームウェア、メモリ、他のストレージまたはそれらの組み合わせにおけるプログラム命令に従って当該技術を実行するようプログラミングされた1つのまたは一般化されたコンピューティングシステムにより実装される。デスクトップコンピュータシステム、ポータブルコンピュータシステム、ハンドヘルドデバイス、ネットワーキングデバイス、またはハードワイヤードロジックおよび/またはプログラムロジックを統合して当該技術を地球ベースプラットフォームまたは軌道プラットフォームに実装する任意の他のデバイスなど、専用コンピューティングデバイスが用いられ得る。実行のためのプロセッサへの1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスの搬送には、様々な形態の媒体が伴われ得る。例えば、命令は最初に、遠隔コンピュータの磁気ディスクまたはソリッドステートドライブで搬送され得る。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリへロードし、ネットワーク接続を介して命令を送信できる。
本明細書に別段の記載がない限り、または文脈上別途明確に矛盾しない限り、本明細書において説明した処理の動作は、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書において説明した処理(またはそれらの変形および/または組み合わせ)は、実行可能命令と共に構成された1つまたは複数のコンピュータシステムの制御下で実行されてよく、ハードウェアまたはそれらの組み合わせにより1つまたは複数のプロセッサ上でまとめて実行されるコード(例えば、実行可能命令、1つまたは複数のコンピュータプログラムまたは1つまたは複数のアプリケーション)として実装されてよい。コードは、例えば、1つまたは複数のプロセッサにより実行可能な複数の命令を含むコンピュータプログラムの形態で、コンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的なものであってよい。
別段の記載がない限り、または文脈上別途明確に矛盾しない限り、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」または「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」という形式の語句などの接続文言は、そうでなければ、項目、用語等がAまたはBまたはCであってもよく、AおよびBおよびCのセットの任意の空白ではないサブセットであってもよいことを示すように一般的に用いられる文脈で理解される。例えば、3つのメンバを有するセットの例示において、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」および「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」という接続語句は、{A}、{B}、{C}、{A、B}、{A、C}、{B、C}、{A、B、C}というセットのいずれかを指す。故に、そのような接続文言は一般的に、Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つの各々が存在することを必要とする特定の実施形態を黙示するようには意図されていない。
本明細書において提供されるあらゆる例または例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、本発明の実施形態をより良く解明するよう意図されているに過ぎず、別段の主張がない限り、本発明の範囲に対する限定を課すものではない。本明細書における文言は、特許請求されていない要素がいずれも本発明の実施に不可欠であることを示すものと解釈されるべきではない。
前述の明細書では、実装毎に異なり得る多数の具体的な詳細を参照して、本発明の実施形態を説明した。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的なものとみなされるべきである。本発明の範囲の唯一かつ排他的な指標と、本発明の範囲になることを出願人が意図するものとは、あらゆる後続の補正を含む、そのような特許請求の範囲が生じる特定の形式の、本願から生じる一組の特許請求の範囲の文字通りかつ同等の範囲である。
当業者には、本開示を読了した後にさらなる実施形態が想定され得る。他の実施形態において、上で開示された発明の組み合わせまたは部分的組み合わせが有利に行われ得る。コンポーネントの例示的な配置は、例示の目的で示されており、組み合わせ、追加および再配列等が本発明の代替的な実施形態において想定されていることを理解されたい。故に、例示的な実施形態に関して本発明を説明したが、当業者であれば、多数の修正が可能であることを認識するであろう。
例えば、本明細書において説明した処理は、ハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネントおよび/またはそれらの任意の組み合わせを用いて実装され得る。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的なものとみなされるべきである。しかしながら、特許請求の範囲に記載される本発明のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく様々な修正および変更がそれらに対して行われてよく、本発明が以下の特許請求の範囲内の全ての修正および均等物を包含するよう意図されていることが明らかになるであろう。
[例示的な項目]
本開示の実施形態は、以下の項目を考慮して説明し得る。
[項目1]
第1のノードレコードの第1のデータベーステーブルであって、第1のノードレコードは、地上基地局を表し、上記第1のノードレコードは、上記地上基地局の動作詳細を含む、第1のデータベーステーブルと、第2のノードレコードの第2のデータベーステーブルであって、第2のノードレコードは、軌道基地局を表し、上記第2のノードレコードは、上記軌道基地局の動作詳細を含む、第2のデータベーステーブルと、上記第1のデータベーステーブル内に表される基地局と上記第2のデータベーステーブル内に表される基地局とへの接続のためのリンクバジェットを計算してネットワーク使用データセットを形成する状態空間予測コンピュータと、少なくともいくつかが上記ネットワーク使用データセットから導出される複数の状態空間レコードを有する状態空間データベースであって、上記複数の状態空間レコードのうちのある状態空間レコードは、カバレッジエリア内の複数のメッシュポイントについて、どのアクティブ基地局が上記カバレッジエリア内でリンクサービスを提供しているか、および、どの延期基地局が共有プロトコルと上記アクティブ基地局により共有される共有周波数帯域とのそれらによる使用を一時停止しているかを示す、状態空間データベースとを備えるセルラネットワーク管理システム。
[項目2]
上記延期基地局は、ネットワークリソースの割り当てに基づいて、上記共有プロトコルのそれらの使用を一時停止し、上記ネットワークリソースの割り当ては、軌道基地局に割り当てられた、割り当てられたネットワークリソースを除外することにより、上記延期基地局が、一時停止要求を認識させるために上記延期基地局をプログラミングする必要なく、それらによる使用を一時停止するようにする、項目1に記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目3]
上記アクティブ基地局は、少なくとも1つのアクティブ軌道基地局を含み、上記延期基地局は、少なくとも1つのパッシブ地上基地局を含み、上記少なくとも1つのパッシブ地上基地局は、上記少なくとも1つのアクティブ軌道基地局が上記カバレッジエリア用のカバレッジを提供するものと予測される場合、上記ネットワーク使用データセットに基づくパッシブ状態にある、項目1または2に記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目4]
上記空間予測コンピュータは、上記軌道基地局の将来のカバレッジの予測において地球重力モデル、地球大気密度モデル、磁場モデル、宇宙機機能モデルおよび/またはアンテナ放射パターンモデルを考慮するためのロジックを有する、項目1から3のいずれかに記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目5]
メッシュポイントとポリゴンカバレッジエリアとを有するカバレッジデータベースをさらに備え、ポリゴンカバレッジエリアは、それぞれの基地局について上記カバレッジデータベース内で参照され、上記それぞれの基地局は、少なくともいくつかの静的カバレッジ地上基地局と、ビームフォーミングを用いる少なくともいくつかの静的カバレッジ軌道基地局と、少なくともいくつかの動的カバレッジ軌道基地局であって、上記少なくともいくつかの動的カバレッジ軌道基地局がそれぞれの軌道上で移動するときに上記カバレッジエリアにわたって動く動的ビームを用いる、少なくともいくつかの動的カバレッジ軌道基地局とを含む、項目1から4のいずれかに記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目6]
上記状態空間データベースは、緊急事態であって、軌道基地局によるカバレッジが上記緊急事態に基づいて変わるであろう、緊急事態を含むカバレッジダイナミクスを考慮する、項目1から5のいずれかに記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目7]
上記緊急事態は、予測される自然災害を含み、上記カバレッジダイナミクスは、上記予測される自然災害により影響を受けるエリア内での容量の増加を含む、項目6に記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目8]
上記緊急事態は、予測される自然災害を含み、上記カバレッジダイナミクスは、第1のレスポンダにより提供される入力データに基づく、エリア内での容量の増加を含む、項目6に記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目9]
地上ネットワークハンドオーバプロトコルと整合する信号を用いて第1の軌道基地局から第2の軌道基地局へのリンクの差し迫ったハンドオーバをユーザ機器にシグナリングするハンドオーバロジックをさらに備える、項目1から8のいずれかに記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目10]
地上ネットワークハンドオーバプロトコルと整合する信号を用いて第1の軌道基地局から第2の軌道基地局へのトンネリングリンクへの接続の差し迫ったハンドオーバをユーザ機器にシグナリングすることにより、上記ユーザ機器と上記セルラネットワーク管理システムにより管理されるセルラネットワークから離れたコンピュータシステムとの間のトンネリングデータリンクを維持するハンドオーバロジックをさらに備える、項目1から9のいずれかに記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目11]
地上ネットワークハンドオーバプロトコルと整合する信号を用いて、ユーザ機器(UE)デバイスをセルラネットワークに対して認証し、かつ、第1の軌道基地局から第2の軌道基地局へのリンクのハンドオーバにわたって上記UEデバイスの認証を維持する認証ロジックをさらに備える、項目1から10のいずれかに記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目12]
上記認証ロジックは、認証軌道基地局に実装され、認証は、上記第1の軌道基地局および/または上記第2の軌道基地局における使用のためにキャッシュされる、項目11に記載のセルラネットワーク管理システム。
[項目13]
少なくとも1つが地上基地局であり、かつ、少なくとも1つが軌道基地局である複数の基地局を有するセルラネットワークにおいて用いるための行程生成器であって、宇宙機行程を生成するための第1の生成器と、衛星機能行程を生成するための第2の生成器と、上記宇宙機行程および上記衛星機能行程を格納する状態空間データベースと、上記状態空間データベースに基づいて、基地局の静的位置を格納し、かつ、どの軌道基地局がカバレッジエリア内のどの領域に対してカバレッジを提供しているかを示すカバレッジ表示を出力するネットワークプランナコンピュータと、上記状態空間データベースのコピーを複数の宇宙機ネットワークノードの各々に分配するデータベースディストリビュータとを備える、行程生成器。
[項目14]
上記ネットワークプランナコンピュータと通信するコマンドおよび制御システムであって、状態の変化に応答して上記状態空間データベースを調節するために使用可能である、軌道基地局の状態を管理するめのロジックを有する、コマンドおよび制御システムをさらに備える、項目13に記載の行程生成器。
[項目15]
上記軌道基地局の状態は、温度、電力レベル、燃料レベル、プロセッサ健全性および/または電波健全性のうちの1つまたは複数を含み、行程が上記状態に基づいて調節される、項目14に記載の行程生成器。
[項目16]
上記状態空間データベースは、以前に生成された衛星機能行程の使用を状態条件が除外している場合に用いるための少なくとも1つのバックアップ行程を有する、項目13から15のいずれかに記載の行程生成器。
[項目17]
上記状態空間データベースは、一組のルールまたはサービス品質要件のうちの1つまたは複数に基づいて最適化された行程を有する、項目13から16のいずれかに記載の行程生成器。
[項目18]
上記状態空間データベースは、上記ネットワーク内の地上局または軌道要素について計算された行程を有する、項目13から17のいずれかに記載の行程生成器。
[項目19]
セルラネットワーク用のカバレッジを決定する方法であって、複数のメッシュポイントのデータベースを格納する段階であって、各メッシュポイントは、カバレッジエリア内の位置とそのメッシュポイントにおけるサービスについてのメタデータとを有する、格納する段階と、有限エリアを各々が有し、かつ、ポリゴン境界を少なくともいくつかが有する複数のカバレッジ領域のデータベースを格納する段階と、上記複数のメッシュポイントを割り当て時間にわたってカバレッジ領域に割り当てる段階であって、カバレッジ領域は、軌道基地局の軌道に基づいて、経時的に変わる、割り当てる段階と、カバレッジを、割り当てられた割り当て時間にわたって、割り当てられたカバレッジ領域に提供するように基地局を制御する段階とを備える、方法。
[項目20]
モビリティ管理エンティティを制御する方法であって、軌道メカニクス、姿勢ダイナミクスおよびリンクバジェットについて物理シミュレーションを実行して、上記モビリティ管理エンティティにより管理されるネットワークの一組の将来のリンク状態を導出する段階と、上記一組の将来のリンク状態に基づいて、宇宙機動作と、無線アクセスネットワーク動作と、コアネットワーク動作とのための行程を決定する段階とを備える、方法。
[項目21]
セルラネットワークのユーザ機器(UE)デバイスと通信する複数の軌道基地局を管理する方法であって、上記複数の軌道基地局のうちの第1の軌道基地局用の第1のカバレッジエリアを決定する段階と、上記複数の軌道基地局のうちの第2の軌道基地局用の第2のカバレッジエリアを決定する段階と、上記第1のカバレッジエリアと上記第2のカバレッジエリアとが重複する場合のための上記第2の軌道基地局からの信号の修正を決定する段階であって、上記修正は、固定基地局間の信号強度の損失と解釈することにより上記第1の軌道基地局へのハンドオフの要求をトリガするようUEデバイスがプログラミングされる上記信号の変更を含む、決定する段階とを備える、方法。
[項目22]
カバレッジエリア全体における位置を各々が表す複数のメッシュポイントを生成する段階と、上記複数のメッシュポイントをカバーする複数のポリゴンを生成する段階と、上記複数のメッシュポイントのうちの所与のメッシュポイントについてリンクバジェットを決定する段階と、上記所与のメッシュポイントについて一組の適用可能な無線通信制約を決定する段階と、上記所与のメッシュポイントのカバレッジを有する特定のポリゴンと一致する複数の基地局ビームの各々について、上記特定のポリゴン内の上記所与のメッシュポイントに対する上記一組の適用可能な無線通信制約に基づいてビームパラメータを決定する段階とをさらに備える、項目21に記載の方法。
[項目23]
計算およびモバイル無線通信が可能なユーザ機器(UE)デバイスであって、オペレーティングシステムと、アプリケーションプログラムコードとノード可用性テーブルとを格納するためのメモリであって、上記ノード可用性テーブルは、軌道プラットフォームに実装されるノード用の軌道ダイナミクスに少なくとも部分的に基づいて決定される将来の予め計算された期間において利用可能であると予測される、無線ネットワークのノードを示す、メモリと、
上記アプリケーションプログラムコードを実行するための、かつ、上記ノード可用性テーブルにより示されるノード可用性と合わせるための上記アプリケーションプログラムコードのタイミング通信処理のためのプロセッサと、上記ノード可用性テーブルの少なくとも表示を受信するために、かつ、上記無線ネットワークと通信するために使用可能な通信回路とを備える、UEデバイス。
[項目24]
上記ノード可用性テーブルは、上記軌道プラットフォームに実装されるノード用のリンクバジェット計算によりさらに決定される上記将来の予め計算された期間において利用可能であると予測される、上記無線ネットワークのノードを示す、項目23に記載のユーザ機器(UE)デバイス。