JP7216958B2 - 高純度固体アルミノキサン及びその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
(i)一般式(I)で示されるアルミノキサン(RAO)単位を含み、
(ii)アルミニウム含有量が38質量%から47質量%の範囲にあり、
(iii)一般式(II)で示される化合物の含有量が50mg/kg~10000mg/kgであり、かつ
[2]
有機化合物成分が芳香族有機化合物成分であり、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、テトラリンおよび上記一般(I)で示される化合物を除いた芳香族有機化合物成分の含有量が、100mg/kg以下である、[1]に記載の固体RAO。
[3]
アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、またはtert-ブチル基である[1]または[2]に記載の固体RAO。
[4]
アルキル基がメチル基である[1]~[3]のいずれかに記載の固体RAO。
[5]
30質量%以下のトリアルキルアルミニウム(以下、TRALと表記することがある)を含有する芳香族炭化水素溶媒に、0℃、1気圧において気体である酸素-炭素結合を有する化合物(以下、O-C化合物と表記することがある)を50℃未満の温度で接触させる工程と、接触させた後、50℃~200℃の範囲の温度で加熱して一般式(I)で示されるRAOとTRALを含有する固体RAOを析出させる工程を含む、固体RAOの製造方法。
[6]
アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、またはtert-ブチル基である[5]に記載の製造方法。
[7]
アルキル基が、メチル基である[5]または[6]に記載の製造方法。
[8]
O-C化合物が一酸化炭素、二酸化炭素、ホルムアルデヒドのいずれかである[5]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]
O-C化合物が二酸化炭素である[5]~[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]
[1]~[4]のいずれかに記載の固体RAOと、下記一般式(III)で表される遷移金属化合物を触媒成分として含有するオレフィン類の重合用触媒。
[11]
[10]に記載の触媒を用いてオレフィン類を重合することを含む、ポリオレフィン類の製造方法。
本発明の固体アルミノキサンは
(i)一般式(I)で示されるアルミノキサン(RAO)単位を含み、
(ii)アルミニウム含有量が38質量%から47質量%の範囲にあり、
(iii)一般式(II)で示される化合物の含有量が50mg/kg~10000mg/kgであり、かつ
R5、R6は、独立に水素、ハロゲン、またはC1~C10のアルキル基
R7、R8は、独立に水素、またはC1~C20のアルキル基
R9は、水素、ハロゲン、またはC1~C10のアルキル基
本発明の固体RAOの製造方法は、30質量%以下のトリアルキルアルミニウム(下、TRAL)を含有する芳香族炭化水素溶媒に、0℃、1気圧において気体である酸素-炭素結合を有する化合物(O-C化合物)を接触させる工程と、接触させた後、50℃~200℃の範囲の温度で加熱して一般式(I)で示されるRAOとTRALを含有する固体RAOを析出させる工程を含む。
本発明は、オレフィン類の重合触媒を包含する。本発明のオレフィン類の重合触媒は、上記本発明の固体RAOと下記一般式(III)で表される遷移金属化合物を触媒成分として含有する。
本発明は上記本発明の触媒を用いてオレフィン類を重合することを含む、ポリオレフィン類の製造方法を包含する。
(1)アルミニウム含量
溶液MAO組成物および固体MAO組成物のアルミニウム含量は、基本的に0.5Nの硫酸水溶液で加水分解した溶液に過剰量のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを加えた後に、ジチゾンを指示薬とし硫酸亜鉛で逆滴定することにより求めた。測定濃度が希薄な場合は、原子吸光分析法を用いて測定を行った。
MAO中のそれぞれの成分のモル分率は、MAOの1H-NMR測定により、それぞれの成分に帰属される面積比から求めた。MAOに由来するメチル基のモル分率をMe(PMAO)と表す。TMALに由来するメチル基のモル分率をMe(TMAL)と表す。以下にMAOの具体的なMe(PMAO)、Me(TMAL)のモル分率の求め方を例示する。
(ii) -1.1ppm付近のTMALに由来するMe基ピークを接線-1により切り出し、その積分値 I(TMAL-Me)を求める。
(iii) (ii)で求めたそれぞれの積分値を、(i)で求めた積分値 I(MAO)から引くとTMALを含まないMAOのみのMe-基の積分値I(PMAO-Me)を求めることができる。I(TMAL-Me)およびI(PMAO-Me)をI(MAO)で割って規格化すると、Me(PMAO)、Me(TMAL)のモル分率を求めることが出来る。
また、溶液MAO組成物の分析サンプルは、溶液MAO組成物約0.05mLに対しd8-THFを約0.5mL添加することにより調製した。固体MAOの分析サンプルは、固体MAO組成物10mgに対しd8-THFを0.5mL添加することにより調製した。
固体MAOスラリーを加水分解し、得られた有機層を分析して不純物を定量した。定量法は、ガスクロマトグラフィーによる検量線を用いる方法及びNMRの積分値を用いる方法を、用いた。
[二酸化炭素による固体MAOの調製]
磁気攪拌子を有する窒素置換した100mLステンレス製オートクレーブに、TMALのトルエン溶液(1.8M、5.0mL、9.0mmol)を導入し、さらに乾燥トルエン10mLで希釈した。この溶液にガス流量計およびシリンジ針を通して所定量の二酸化炭素ガス(100mL(4.2mmol))を20℃で10分かけて流通させた。オートクレーブを密閉した後、攪拌しながらオイルバスで130℃に加熱し、16時間反応させたところ、固体MAOのトルエンスラリーが得られた。
[二酸化炭素で調製した固体MAOによるプロピレンの重合]
磁気攪拌子を有し、実施例1で調製した固体MAOのトルエンスラリー(Al:9.0mmol、15mL)が入った100mLステンレス製オートクレーブに、乾燥トルエン14mLを導入した。続いてオートクレーブ内部を3秒間減圧し、溶液内に溶け込んでいる窒素ガスを追い出した後。20℃でプロピレンを固体MAOスラリーに導入し、飽和させた。プロピレンを流通させたままrac-エチレンビス(インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド(3.8mg、9.0μmol)をトルエン3.0mLに溶かした溶液を導入して重合を開始した。重合は20℃で10分間行い、少量の塩酸酸性メタノール溶液を反応器に加えて重合を停止させた。重合溶液を大量の塩酸酸性メタノール溶液に注ぎ込み、重合体を析出させた。重合体の濾別洗浄後に、60℃で6時間減圧乾燥することによりポリプロピレンを得た。DSCを用いて得られたポリプロピレンの融点を測定したところ、147℃であった。実施例2の結果を表1に示す。
[二酸化炭素で調製した固体MAOに含まれる不純物量]
実施例1と同じ操作で得た反応スラリーを回収し、固体MAO組成物をデカンテーションにより上澄み液を除去した後に、トルエン20mLで2度のデカンテーションによる洗浄操作を行った。得られた固体MAO組成物のアルミニウム濃度は、40wt%であった。得られた固体MAO組成物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、7.7mol%であった。得られた固体MAOスラリーに含まれる不純物を分析した。固体におけるα-メチルスチレン、t-ブチルベンゼン、1,1,3-トリメチル-3-フェニルインデン(TMPI)、2,4-ジメチル-2,4-ジフェニルペンタン(DMDPP)の量は検出限界以下であり、t-ブチルトルエンの含有量は261mg/kgであった。有機化合物不純物量は332mg/kg未満であった。
[安息香酸による固体MAOの調製]
磁気攪拌子を有する窒素置換した100mLステンレス製オートクレーブに、安息香酸(366mg,3.0mmol)を乾燥トルエン10mLに溶かした溶液を導入した。この溶液を室温で攪拌しながらTMALのトルエン溶液(1.8M,5.0mL,9.0mmol)を10分かけて滴下した。オートクレーブを密閉した後、攪拌しながらオイルバスで130℃に加熱し、16時間反応させたところ、固体MAOのトルエンスラリーが得られた。
[安息香酸で調製した固体MAOによるプロピレンの重合]
比較例1で得られた固体MAOスラリーを用いて実施例2と同じ手順でプロピレンの重合を行った。ポリプロピレンの収量は373mg(250kg・molZr-1h-1)であった。得られたポリプロピレンの分子量分布を測定したところ、Mn=7100、PDI=1.8であった。DSCを用いて得られたポリプロピレンの融点を測定したところ、144℃であった。
[安息香酸による固体MAOの調製と含有有機物の分析]
撹拌装置を有する内容積2Lのセパラブルフラスコに、TMAL 240.8g(3.34mol)、トルエン680.5gを入れた。この溶液を15℃にまで冷却し、これに安息香酸176.6g(1.43mol)を溶液の温度が25℃以下になるような速度でゆっくりと添加した。その後50℃で加熱熟成を1時間行った。この時、TMALと安息香酸の酸素原子のモル比は、1.17であった。反応液を70℃で32時間加熱し、その後60℃で6時間加熱することにより、MAO組成物のトルエン溶液を得た。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。反応液回収後に行ったアルミニウム分析結果より、アルミニウム原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のアルミニウム濃度は、8.67wt%であった。得られた溶液MAO組成物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、13.1mol%であった。
Claims (9)
- 有機化合物成分が芳香族有機化合物成分であり、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、テトラリンおよび上記一般式(II)で示される化合物を除いた芳香族有機化合物成分の含有量が、100mg/kg以下である、請求項1に記載の固体RAO。
- 一般式(I)で示されるアルミノキサンに含まれるアルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、またはtert-ブチル基である請求項1または2に記載の固体RAO。
- 一般式(I)で示されるアルミノキサンに含まれるアルキル基がメチル基である請求項1~3のいずれかに記載の固体RAO。
- アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、またはtert-ブチル基である請求項5に記載の製造方法。
- アルキル基が、メチル基である請求項5または6に記載の製造方法。
- 請求項1~4のいずれかに記載の固体RAOと、下記一般式(III)で表される遷移金属化合物を触媒成分として含有するオレフィン類の重合用触媒。
- 請求項8に記載の触媒を用いてオレフィン類を重合することを含む、ポリオレフィン類の製造方法。
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