JP7216236B1 - 折り構造体、剛体折り構造体および折り構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の折り構造体と比較して、高い強度や柔軟性を有し、開閉前後の表面積比が大きい上に折り畳み易く、コンパクトに折り畳むことが要求される様々な構造体に応用することができる折り構造体、剛体折り構造体および折り構造体の製造方法を提供する。【解決手段】 単位基本形2を組み合わせてなる折り構造体1であって、単位基本形2は山折り部21と谷折り部22とを有し、X方向に沿う単位基本形2からなる第一帯状部11と、表裏を反転させた単位基本形2からなる第二帯状部12とが、中間帯状部13を介して交互に配置され、中間帯状部13はY方向長さが単位基本形2の一辺の長さの半分であり、中間谷折り部23と中間山折り部24とを有し、第一帯状部11と第二帯状部12とはX方向において単位基本形2の一辺の長さの半分ずらして配置されている。【選択図】 図1
Description
本発明は、新規の折り構造体、剛体折り構造体および折り構造体の製造方法に関するものである。
従来、ミウラ折り(登録商標)のような特殊な折り畳み方によって折り畳まれた折り構造体が提案されている。例えば、実公昭56-25023号公報には、ミウラ折りによって折り畳まれた地図が開示されている(特許文献1)。かかる地図は開けば大きな地図でありながらコンパクトに折り畳むことができて携帯にも便利とされる。
また、一般的に折り畳まれた構造体は、大きな表面積のシート状のものを小さな体積にまとめることが可能であり、折りたたみ方によっては強度や柔軟性等の物性を向上させることができる。このような折り構造体の特性は、活用次第では従来の課題や問題を解決しうる可能性を秘めており、様々な分野への応用が期待される。
しかしながら、従来の折り畳み方によって折り畳まれた折り構造体には、強度、柔軟性、開閉前後の表面積比、および折り易さ等の観点において、まだまだ改善の余地があり、多様な技術分野において実用化されるまでには至っているとはいえない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、従来の折り構造体と比較して、高い強度や柔軟性を有し、開閉前後の表面積比が大きい上に折り畳み易く、コンパクトに折り畳むことが要求される様々な構造体に応用することができる折り構造体、剛体折り構造体および折り構造体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る折り構造体は、従来の折り構造体と比較して、高い強度や柔軟性を有し、開閉前後の表面積比が大きい上に折り畳み易く、コンパクトに折り畳むことが要求される様々な構造体に応用するという課題を解決するために、正方形状の単位基本形を組み合わせて構成される折り構造体であって、前記単位基本形は、周囲四辺および二等分線のそれぞれで山折りされる山折り部と、二本の対角線で谷折りされる谷折り部とを有しており、前記二等分線と直交する方向(X方向)に沿って前記単位基本形が複数個隣接して帯状に配置される第一帯状部と、表裏を反転させた前記単位基本形が前記X方向に沿って複数個隣接して帯状に配置される第二帯状部とが、前記二等分線の方向(Y方向)において、中間帯状部を介して交互に配置されており、前記中間帯状部は、前記Y方向に沿う長さが、前記単位基本形の一辺の長さの半分であるとともに、前記第一帯状部の前記二等分線と一直線状に配置される中間谷折り部と、前記第二帯状部の前記二等分線と一直線状に配置される中間山折り部とを有しており、前記第一帯状部と前記第二帯状部とは、前記X方向において、前記単位基本形の一辺の長さの半分だけずらして配置されている。
また、本発明の一態様として、前記第一帯状部と前記第二帯状部との間に任意の屈曲角度を付与するという課題を解決するために、前記第二帯状部を構成する前記単位基本形には、前記中間帯状部に接する二辺に沿って設けられる谷折り部の代わりに、前記二等分線上に設けられ前記二等分線の中点に関して点対称の位置にある二つの対称点のそれぞれから、前記単位基本形の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で谷折りされる角度変更用谷折り部が設けられるとともに、前記二等分線は前記各対称点から外側が山折りされていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、前記第一帯状部と前記第二帯状部との間に任意の屈曲角度を付与するという課題を解決するために、前記第一帯状部を構成する前記単位基本形には、前記中間帯状部に接する二辺に沿って設けられる山折り部および前記谷折り部の代わりに、前記二等分線上に設けられ前記二等分線の中点に関して点対称の位置にある二つの対称点のそれぞれから、前記単位基本形の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で山折りされる角度変更用山折り部が設けられるとともに、前記二等分線は前記各対称点から外側が谷折りされ、前記周囲四辺のうち前記Y方向に沿う二辺は谷折りされていてもよい。
また、本発明の一態様として、前記第一帯状部と前記第二帯状部との間に任意の屈曲角度を付与するという課題を解決するために、前記第二帯状部を構成する前記単位基本形に前記山折り部が設けられる代わりに、前記第二帯状部の両側に隣接する前記中間帯状部には、前記中間山折り部上に設けられ前記二等分線の中点に関して点対称の位置にある二つの対称点のそれぞれから、前記単位基本形の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で山折りされる角度変更用山折り部が設けられるとともに、前記中間山折り部は前記各対称点から内側が谷折りされていてもよい。
また、本発明に係る剛体折り構造体は、剛体によって折り構造体を構成するという課題を解決するために、前記折り構造体を複数の剛体プレートによって構成してなる剛体折り構造体であって、前記単位基本形は、二本の対角線で分断される四つの直角二等辺三角形のうち、前記二等分線によって分断されない直角二等辺三角形状の大三角プレートと、前記二等分線によって二等分された直角二等辺三角形状の小三角プレートとから構成されており、前記中間帯状部には、前記中間谷折り部と前記中間山折り部との間に形成される正方形状の四角プレートが、前記X方向に沿って複数個隣接して帯状に配置されており、前記大三角プレート、前記小三角プレートおよび前記四角プレートの継ぎ目には、各剛体プレートを互いに回動可能に連結する連結部材が設けられている。
また、本発明の一態様として、剛体折り構造体を折り易くするという課題を解決するために、前記大三角プレートは、前記連結部材によって等辺同士が連結された一対の前記小三角プレートによって構成されており、および/または、前記四角プレートは、前記連結部材によって底辺同士が連結された一対の前記小三角プレートによって構成されているとともに、前記底辺が前記対角線と略一直線となるように配置されていてもよい。
また、本発明に係る折り構造体の製造方法は、折り構造体を簡単かつ迅速に製造するという課題を解決するために、シート状物体を折って前記折り構造体を製造する折り構造体の製造方法であって、前記シート状物体に、縦方向に沿う等間隔の縦折り目と、前記縦方向に垂直な横方向に沿う等間隔の横折り目と、前記縦折り目と前記横折り目との交点を結ぶ対角線に沿う斜め折り目とを付ける折り目付与工程と、前記横折り目に対して順番に、谷折りしてから山折りする段折りと、山折りしてから谷折りする逆段折りとを1本の折り目を隔てて交互に繰り返す段折り工程と、前記縦折り目に対して順番に、山折りと谷折りとを交互に繰り返す蛇腹折り工程と、前記蛇腹折り工程において表面側で谷折りされた箇所および裏面側で谷折りされた箇所のそれぞれを立ち上げるように中割り折りする中割折り工程と、を有する。
また、本発明の一態様として、折り構造体を所望の形状に変形するという課題を解決するために、前記中割折り工程において裏面側で中割折りされた箇所のそれぞれをさらに所定の角度で折り返すように中割折りする再中割折り工程と、前記再中割折り工程によって重なった部分を引き出して、前記所定の角度をずらすように折る角度付与工程と、を有していてもよい。
さらに、本発明の一態様として、折り構造体を所望の形状に変形するという課題を解決するために、任意の前記第一帯状部に関して前記折り構造体を裏面側に押し倒すように折り、前記第一帯状部における前記周囲四辺のうち前記Y方向に沿う二辺を山折りから谷折りに変更するとともに前記対角線の折り目を伸ばす変形工程と、前記変形工程において変形された箇所のうち、前記中割折り工程において表面側で中割折りされた箇所のそれぞれをさらに所定の角度で折り込むように中割折りする再中割折り工程と、前記再中割折り工程によって重なった部分を引き出して、前記所定の角度をずらすように折る角度付与工程と、有していてもよい。
本発明によれば、従来の折り構造体と比較して、高い強度や柔軟性を有し、開閉前後の表面積比が大きい上に折り畳み易く、コンパクトに折り畳むことが要求される様々な構造体に応用することができる。
以下、本発明に係る折り構造体、剛体折り構造体および折り構造体の製造方法の実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態の折り構造体1は、図1の展開図に示すように、正方形状の単位基本形2を組み合わせて構成されており、主として、単位基本形2を複数個隣接して帯状に配置した第一帯状部11と、表裏を反転させた単位基本形2を複数個隣接して帯状に配置した第二帯状部12と、第一帯状部11と第二帯状部12との中間に介在される中間帯状部13とを有している。以下、各構成部について説明する。
なお、折り構造体1の素材は、折り畳み可能なシート状物体10であれば、特に限定されるものではなく、紙、布、プラスチック、ゴム、金属等、様々な素材を使用することができる。また、シート状物体10の形状も特に限定されるものではなく、折り構造体1を適用しようとする構造体に応じて、様々な形状のシート状物体10を使用することができる。
単位基本形2は、折り構造体1の基本構造をなすものであり、図1に示すように、正方形状に形成されている。また、単位基本形2は、周囲四辺および二等分線のそれぞれで山折りされる山折り部21と、二本の対角線で谷折りされる谷折り部22とを有している。なお、図面において、山折りする箇所は一点鎖線で図示し、谷折りする箇所は点線で図示している。
また、以下の説明では、図1に示すように、単位基本形2の二等分線と直交する方向をX方向とし、単位基本形2の二等分線の方向をY方向として説明する。
第一帯状部11では、図1に示すように、X方向に沿って、単位基本形2が複数個隣接して帯状に配置されている。また、第二帯状部12では、X方向に沿って、表裏を反転させた単位基本形2が複数個隣接して帯状に配置されている。なお、図1の展開図を裏面から見た場合、山折りと谷折りの関係が反対になるため、表面における第一帯状部11は裏面において第二帯状部12となり、表面における第二帯状部12は裏面において第一帯状部11となる。
中間帯状部13は、第一帯状部11と第二帯状部12との中間に介在されるものである。中間帯状部13は、図1に示すように、Y方向に沿う長さが、単位基本形2の一辺の長さの半分に形成されている。また、中間帯状部13は、第一帯状部11の二等分線と一直線状に配置される中間谷折り部23と、第二帯状部12の二等分線と一直線状に配置される中間山折り部24とを有している。
そして、第一帯状部11と第二帯状部12とは、図1に示すように、Y方向において、中間帯状部13を介して交互に配置されているとともに、X方向において、単位基本形2の一辺の長さの半分だけずらして配置されている。
つぎに、本実施形態の折り構造体1の製造方法(折り方)により、シート状物体10を折って折り構造体1を製造する方法について説明する。
まず、図2に示すように、シート状物体10に、縦方向(Y方向)に沿う等間隔の縦折り目と、縦方向に垂直な横方向(X方向)に沿う等間隔の横折り目と、縦折り目と横折り目との交点を結ぶ対角線に沿う斜め折り目とを付ける(折り目付与工程)。これにより、折り構造体1を簡単かつ迅速に折り易くなる。なお、本実施形態では、正方形状のシート状物体10を使用しているが、この形状に限定されるものではない。
つぎに、図2に示すように、横折り目に対して順番に、谷折りしてから山折りする段折りと、山折りしてから谷折りする逆段折りとを1本の折り目を隔てて交互に繰り返す(段折り工程)。これにより、図3に示すように、Y方向におけるシート状物体10の長さが1/3となり、折り構造体1がコンパクト化される。また、表面側には第一帯状部11が露出され、裏面側には第二帯状部12が露出された状態となる。
つづいて、図3に示すように、縦折り目に対して順番に、山折りと谷折りとを交互に繰り返す(蛇腹折り工程)。これにより、X方向において、図4に示すように、折り構造体1が蛇腹折りされた状態となるため、全ての折り目を折り畳んだ折畳状態と全ての折り目を展開させた展開状態との間で伸縮自在な構造となる。
最後に、蛇腹折り工程において表面側で谷折りされた箇所および裏面側で谷折りされた箇所のそれぞれを立ち上げるように中割り折りする(中割折り工程)。具体的には、表面側では、図5(a)に示すように、第一帯状部11における一つの単位基本形2につき、谷折りされた箇所が上下に二つあるため、それぞれを手前側に立ち上げるように中割り折りする。これにより、二本の対角線に沿う谷折り部22で谷折りされた状態となる。そして、全ての単位基本形2について、同様の作業を繰り返すと、図5(b)を経て図5(c)の状態となる。
同様に、裏面側では、図6(a)に示すように、第二帯状部12における一つの単位基本形2につき、谷折りされた箇所が上下に二つあるため、それぞれを手前側に立ち上げるように中割り折りする。これにより、二本の対角線に沿う谷折り部22で谷折りされた状態となる。そして、全ての単位基本形2について、同様の作業を繰り返すと、図6(b)を経て図6(c)の状態となる。なお、本実施形態において、X方向の両端部分は、図6(b)および図6(c)に示すように、手前側に立ち上げて対角線に沿って谷折りする。
以上の工程により、シート状物体10から図7(a),(b)に示すような本実施形態の折り構造体1が製造される。以上のような本実施形態の折り構造体1および折り構造体1の製造方法によれば、以下のような効果を奏する。
1.折り構造体1の強度を向上することができる。
本実施形態の折り構造体1は、シート状物体10の大きさに対して、折り畳んだ状態の大きさが小さく、高密度な構造を有している。一方、各単位基本形2の頂点(中心)は尖った形状となるため、構造的には脆弱になりやすい。しかしながら、本実施形態では、各頂点が蛇腹折り工程によって形成される蛇腹構造によって保護および補強される。したがって、本実施形態の折り構造体1は、高密度で脆弱な箇所が少ない構造となるため、後述の実施例1で示されるとおり、従来の折り構造体1と比較して高い強度を有している。
本実施形態の折り構造体1は、シート状物体10の大きさに対して、折り畳んだ状態の大きさが小さく、高密度な構造を有している。一方、各単位基本形2の頂点(中心)は尖った形状となるため、構造的には脆弱になりやすい。しかしながら、本実施形態では、各頂点が蛇腹折り工程によって形成される蛇腹構造によって保護および補強される。したがって、本実施形態の折り構造体1は、高密度で脆弱な箇所が少ない構造となるため、後述の実施例1で示されるとおり、従来の折り構造体1と比較して高い強度を有している。
2.折り構造体1の柔軟性を向上することができる。
本実施形態の折り構造体1は、後述の実施例2で示されるとおり、従来の折り構造体1と比較して、伸縮、湾曲、ねじれ等の変形がし易く、高い柔軟性を有している。このため、容易にアーチ状にしたり、ねじったりでき、図7(c)に示すように、左右端を接着すればリング状に形成することもできる。
本実施形態の折り構造体1は、後述の実施例2で示されるとおり、従来の折り構造体1と比較して、伸縮、湾曲、ねじれ等の変形がし易く、高い柔軟性を有している。このため、容易にアーチ状にしたり、ねじったりでき、図7(c)に示すように、左右端を接着すればリング状に形成することもできる。
3.折り構造体1を変形することができる。
本実施形態の折り構造体1は、図7(d)に示すように、第一帯状部11または第二帯状部12に関して、二つ折りするように変形することができる。このような変形性は、従来の折り構造体1にはない特徴であり、この変形によってコンパクト化でき、ねじれ角が向上するため柔軟性が一層増大する。さらに、変形の角度を調節することで様々な角度を付与することもでき、後述する変形例1~3のように、筒状の略多角柱に変形することもできる。
本実施形態の折り構造体1は、図7(d)に示すように、第一帯状部11または第二帯状部12に関して、二つ折りするように変形することができる。このような変形性は、従来の折り構造体1にはない特徴であり、この変形によってコンパクト化でき、ねじれ角が向上するため柔軟性が一層増大する。さらに、変形の角度を調節することで様々な角度を付与することもでき、後述する変形例1~3のように、筒状の略多角柱に変形することもできる。
4.開閉前後の表面積比を大きくすることができる。
本実施形態の折り構造体1は、段折り工程によってY方向の寸法が1/3となり、X方向には自由自在に伸縮可能なため、開閉前後の表面積比が極めて大きい。このため、搬送や携行、収納する場合など、使用しないときはコンパクトに折り畳めて、使用するときに大きく展開されることが要求される構造体に適している。
本実施形態の折り構造体1は、段折り工程によってY方向の寸法が1/3となり、X方向には自由自在に伸縮可能なため、開閉前後の表面積比が極めて大きい。このため、搬送や携行、収納する場合など、使用しないときはコンパクトに折り畳めて、使用するときに大きく展開されることが要求される構造体に適している。
5.折り構造体1の折り易さを向上することができる。
ミウラ折りやナマコ折り等に代表される従来の折り構造体1は、製造の過程において、最初に付けた折り目の山と谷の関係を入れ替えながら折る必要がある。これに対し、本実施形態の折り構造体1の製造方法によれば、一度折った折り目の山と谷を入れ替えることなく折ることができる。このため、作製が容易であり、自動折り機等によって工業的に製造する場合には低コスト化に寄与する。
ミウラ折りやナマコ折り等に代表される従来の折り構造体1は、製造の過程において、最初に付けた折り目の山と谷の関係を入れ替えながら折る必要がある。これに対し、本実施形態の折り構造体1の製造方法によれば、一度折った折り目の山と谷を入れ替えることなく折ることができる。このため、作製が容易であり、自動折り機等によって工業的に製造する場合には低コスト化に寄与する。
6.折り構造体1の形状を安定して保持することができる。
本実施形態の折り構造体1は、外力が付与されない限り変形しにくく、折った後の形状を安定して保持することができる。このため、伸ばしたり縮めたりしやすく、様々な工業製品の構造として適用できる。
本実施形態の折り構造体1は、外力が付与されない限り変形しにくく、折った後の形状を安定して保持することができる。このため、伸ばしたり縮めたりしやすく、様々な工業製品の構造として適用できる。
つぎに、本実施形態の折り構造体1の変形例1~3について説明する。これらの変形例1~3は、折り構造体1における第一帯状部11と第二帯状部12との間に任意の屈曲角度を付与することにより、様々な形状に変形することを可能とするものである。
(1)変形例1
変形例1の折り構造体1は、上述した本実施形態の折り構造体1とほぼ同様の構造を有している。異なる点としては、第二帯状部12を構成する単位基本形2には、図8に示すように、中間帯状部13に接する二辺に沿って設けられる谷折り部22の代わりに、二等分線上に設けられ二等分線の中点25に関して点対称の位置にある二つの対称点26,26のそれぞれから、単位基本形2の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で谷折りされる角度変更用谷折り部27が設けられる点と、および二等分線は各対称点26から外側が山折りされる点である。
変形例1の折り構造体1は、上述した本実施形態の折り構造体1とほぼ同様の構造を有している。異なる点としては、第二帯状部12を構成する単位基本形2には、図8に示すように、中間帯状部13に接する二辺に沿って設けられる谷折り部22の代わりに、二等分線上に設けられ二等分線の中点25に関して点対称の位置にある二つの対称点26,26のそれぞれから、単位基本形2の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で谷折りされる角度変更用谷折り部27が設けられる点と、および二等分線は各対称点26から外側が山折りされる点である。
なお、本変形例1では、図8に示すように、各補助線分が、中間帯状部13に接する辺に対して22.5°の傾斜角をなすように対称点26を設定している。しかしながら、対称点26の位置は、この位置に限定されるものではなく、二等分線の中点25に関して点対称の位置であればよい。また、図8では、上端部にのりしろを設けているが、必ずしも設ける必要はない。
以上のような変形例1の折り構造体1を製造する場合、上述した本実施形態の折り構造体1と同様、図9に示すように、シート状物体10に、縦折り目と、横折り目と、斜め折り目とを付与する(折り目付与工程)。なお、本変形例1では、縦横比が2:1の長方形状のシート状物体10を使用しているが、この形状に限定されるものではない。
つぎに、図9に示すように、横折り目に対して順番に、段折りと逆段折りとを1本の折り目を隔てて交互に繰り返すと(段折り工程)、図10に示す状態となる。この状態から縦折り目に対して順番に、山折りと谷折りとを交互に繰り返すと、図11に示すように蛇腹折りされた状態となる(蛇腹折り工程)。そして、図12(a),(b)に示すように、蛇腹折り工程において表面側で谷折りされた箇所(第一帯状部11)を中割り折りすると、図12(c)の状態となり、図13(a)に示すように、蛇腹折り工程において裏面側で谷折りされた箇所(第二帯状部12)を中割り折りすると(中割折り工程)、図13(b)の状態となる。
つづいて、本変形例1では、図14(a)に示すように、中割折り工程において裏面側で中割折りされた箇所(第二帯状部12を構成する単位基本形2)のそれぞれをさらに所定の角度で折り返すように中割折りする(再中割折り工程)。これにより、角度変更用谷折り部27が形成される。そして、再中割折り工程を任意の第二帯状部12において繰り返すことにより、図14(b)の状態となる。
なお、本変形例1において、再中割折り工程では、全ての第二帯状部12における上下それぞれの中割り折り箇所を22.5°の角度で再中割り折りしている。しかしながら、この構成に限定されるものではなく、形成しようとする折り構造体1の形状に応じて、角度を付与したい中割り折り箇所にのみ、任意の角度で再中割り折りしてもよい。
つぎに、再中割折り工程によって重なった部分を引き出して、再中割り折りした所定の角度(22.5°)をずらすように折る(角度付与工程)。この角度付与工程を一つの第二帯状部12における一方側(上方側)の再中割り折り部分(図14(b)のA部分)について繰り返すと、図15(a)に示すように、当該第二帯状部12に関して、再中割り折りした角度の2倍の角度(45°)だけ、裏面側に屈曲された状態となる。
同様に、他方側(下方側)の再中割り折り部分(図14(b)のB部分)について繰り返すと、図15(b)に示すように、当該第二帯状部12に関して、再中割り折りした角度の2倍の角度(45°)だけ裏面側に屈曲し、トータルで90°裏面側に屈曲した状態となる。そして、他の第二帯状部12における上下の再中割り折り部分について、同様の作業を繰り返すと、図16(a)に示すように、360°屈曲して筒状となるため、端部同士をのりしろで接着すると、その内部は図16(b)に示すように、四角柱状の空洞となる。
なお、本変形例1では、角度変更用谷折り部27を22.5の傾斜角で設けているため、四角柱状の空洞となっている。しかしながら、当該傾斜角を適宜変更することにより、折り構造体1を任意の多角柱形状やその他の形状に形成することができる。
(2)変形例2
変形例2の折り構造体1は、上述した本実施形態の折り構造体1とほぼ同様の構造を有している。異なる点としては、第一帯状部11を構成する単位基本形2には、図17に示すように、中間帯状部13に接する二辺に沿って設けられる山折り部21および谷折り部22の代わりに、二等分線上に設けられ二等分線の中点25に関して点対称の位置にある二つの対称点26,26のそれぞれから、単位基本形2の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で山折りされる角度変更用山折り部28が設けられる点、二等分線は各対称点26から外側が谷折りされる点、および周囲四辺のうちY方向に沿う二辺が谷折りされる点である。
変形例2の折り構造体1は、上述した本実施形態の折り構造体1とほぼ同様の構造を有している。異なる点としては、第一帯状部11を構成する単位基本形2には、図17に示すように、中間帯状部13に接する二辺に沿って設けられる山折り部21および谷折り部22の代わりに、二等分線上に設けられ二等分線の中点25に関して点対称の位置にある二つの対称点26,26のそれぞれから、単位基本形2の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で山折りされる角度変更用山折り部28が設けられる点、二等分線は各対称点26から外側が谷折りされる点、および周囲四辺のうちY方向に沿う二辺が谷折りされる点である。
なお、本変形例2においても、変形例1と同様、図17に示すように、各補助線分が、中間帯状部13に接する辺に対して22.5°の傾斜角をなすように対称点26を設定している。
以上のような変形例2の折り構造体1を製造する場合、上述した変形例1の折り構造体1と同様、まず、折り目付与工程、段折り工程、蛇腹折り工程および中割折り工程のそれぞれを同様に実行する。
つぎに、本変形例2では、図18(a)に示すように、任意の第一帯状部11に関して折り構造体1を裏面側に押し倒すように折り、図18(b)に示すように、第一帯状部11における周囲四辺のうちY方向に沿う二辺(図18(b)の矢印部分)を山折りから谷折りに変更するとともに対角線の折り目を伸ばす(変形工程)。これにより、シート状物体10は表面側から見ると図19(a)に示す状態となり、右側面から見ると図19(b)に示す状態となる。
つづいて、図20に示すように、変形工程において変形された箇所のうち、中割折り工程において表面側で中割折りされた箇所のそれぞれをさらに所定の角度で内側に折り込むように中割折りする(再中割折り工程)。これにより、角度変更用山折り部28が形成される。そして、再中割折り工程を任意の第一帯状部11において繰り返した後、再中割折り工程によって重なった部分を引き出して、所定の角度をずらすように折る(角度付与工程)。
この角度付与工程を一つの第一帯状部11における一方側(上方側)の再中割り折り部分について繰り返すと、当該第一帯状部11に関して、再中割り折りした角度の2倍の角度(45°)だけ、裏面側に屈曲された状態となる。
同様に、他方側(下方側)の再中割り折り部分について繰り返すと、当該第一帯状部11に関して、再中割り折りした角度の2倍の角度(45°)だけ裏面側に屈曲し、トータルで90°裏面側に屈曲した状態となる。そして、他の第一帯状部11における上下の再中割り折り部分について、同様の作業を繰り返すと、図21(a)に示すように、360°屈曲して筒状となるため、端部同士をのりしろで接着すると、その内部は図21(b)に示すように、四角柱状の空洞となる。
(3)変形例3
変形例3の折り構造体1は、上述した本実施形態の折り構造体1とほぼ同様の構造を有している。異なる点としては、図22に示すように、第二帯状部12を構成する単位基本形2に山折り部21が設けられる代わりに、第二帯状部12の両側に隣接する中間帯状部13には、中間山折り部24上に設けられ二等分線の中点25に関して点対称の位置にある二つの対称点26,26のそれぞれから、単位基本形2の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で山折りされる角度変更用山折り部28が設けられる点、および中間山折り部24は各対称点26から内側が谷折りされる点である。
変形例3の折り構造体1は、上述した本実施形態の折り構造体1とほぼ同様の構造を有している。異なる点としては、図22に示すように、第二帯状部12を構成する単位基本形2に山折り部21が設けられる代わりに、第二帯状部12の両側に隣接する中間帯状部13には、中間山折り部24上に設けられ二等分線の中点25に関して点対称の位置にある二つの対称点26,26のそれぞれから、単位基本形2の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で山折りされる角度変更用山折り部28が設けられる点、および中間山折り部24は各対称点26から内側が谷折りされる点である。
なお、本変形例3においては、図22に示すように、各補助線分が、中間帯状部13に接する辺に対して22.5°の傾斜角をなすように対称点26を設定している。しかしながら、対称点26の位置は、この位置に限定されるものではなく、二等分線の中点25に関して点対称の位置であればよい。
以上のような本変形例3の折り構造体1を360°屈曲させて筒状に形成した場合、図23に示すように、変形例1における第二帯状部12のデザインが異なった折り構造体1とすることができる。
以上のような変形例1~3によれば、第一帯状部11と第二帯状部12との間に任意の屈曲角度を付与することができるため、折り構造体1を様々な形状に変形することができる。
つぎに、本実施形態の折り構造体1を複数の剛体プレートによって構成してなる剛体折り構造体3について説明する。なお、本発明において、剛体とは、厳密な意味での剛体(大きな力を加えても形状・体積が変わらないと仮想された物体)ではなく、剛体折り構造体3の通常の使用環境において、簡単に折り曲がることがない物体をいうものとする。
本実施形態の剛体折り構造体3は、プラスチックや金属等で板状に形成された複数の剛体プレートによって構成されている。具体的には、図24に示すように、本実施形態の剛体折り構造体3を構成する単位基本形2は、二本の対角線で分断される四つの直角二等辺三角形のうち、二等分線によって分断されない直角二等辺三角形状の大三角プレート31と、二等分線によって二等分された直角二等辺三角形状の小三角プレート32とから構成されている。
また、本実施形態の剛体折り構造体3を構成する中間帯状部13には、図24に示すように、中間谷折り部23と中間山折り部24との間に形成される正方形状の四角プレート33が、X方向に沿って複数個隣接して帯状に配置されている。そして、大三角プレート31、小三角プレート32および四角プレート33の継ぎ目には、各剛体プレートを互いに回動可能に連結する連結部材4が設けられている。この連結部材4としては、ヒンジ(蝶番)、高強度のテープ、リング等を使用することができる。
また、上記構成のうち、大三角プレート31は、図25に示すように、連結部材4によって等辺同士が連結された一対の小三角プレート32によって構成されていてもよい。これにより、接続部材等の部品数が増える一方、折り畳む際の自由度が向上するとともに、大三角プレート31を用意する必要がなくなるため、製造コストが低減する。
さらに、上記構成のうち、四角プレート33は、図25に示すように、連結部材4によって底辺同士が連結された一対の小三角プレート32によって構成されていてもよい。この場合、各小三角プレート32の底辺が、単位基本形2の対角線と略一直線となるように配置される。これにより、剛体折り構造体3としての強度は低下する一方、折り畳む際の折り畳みやすさが向上するともに、四角プレート33を用意する必要がなくなるため、製造コストが低減する。
つぎに、以上のような本実施形態の剛体折り構造体3を折り畳む場合について説明する。なお、以下の説明では、折り畳みやすい実施形態として、単位基本形2における大三角プレート31はそのままで、中間帯状部13においては、四角プレート33の代わりに一対の小三角プレート32で構成した剛体折り構造体3を用いて説明する。
まず、図26(a)に示すように、横方向(X方向)の継ぎ目に対して順番に、谷折りしてから山折りする段折りと、山折りしてから谷折りする逆段折りとを交互に繰り返し(段折り工程)、図26(b)の形状に折り畳む。つぎに、図27(a)に示すように、縦方向(Y方向)の継ぎ目に対して順番に、山折りと谷折りとを交互に繰り返し(蛇腹折り工程)、図27(b)の形状にする。
つづいて、図28(a)に示すように、表面側において、蛇腹折り工程において重なった箇所を立ち上げるように中割り折りする(中割折り工程)。また、両端部の小三角プレート32も手前側に立ち上げるように折り畳む。そして、図28(b)に示すように、中割折り工程を表面側の他の部分についても同様に繰り返すと、図28(c)の状態となる。
さらに、裏面側についても、図29(a)に示すように、蛇腹折り工程において重なった箇所を立ち上げるように中割り折りする(中割折り工程)。そして、図29(b)に示すように、この中割折り工程を裏面側の他の部分についても同様に繰り返すと、図29(c)の状態となり、上述した本実施形態の折り構造体1と同様の構成となる。
なお、上述した本実施形態では、中間帯状部13において、四角プレート33の代わりに一対の小三角プレート32を用いている。このため、表面側の中割折り工程と裏面側の中割折り工程とを別々に行うことができ、折り易いという特徴がある。一方、中間帯状部13の剛体プレートとして四角プレート33を用いた場合、表面側と裏面側を同時に中割り折りしなければ折り畳めないため、やや折り畳み難くなる。
以上のような本実施形態の剛体折り構造体3によれば、剛体によって折り構造体1を構成することができる。このため、高い強度が要求される様々な工業製品についても、本実施形態の折り構造体1を適用することが可能となる。
つぎに、本発明に係る折り構造体1、剛体折り構造体3および折り構造体1の製造方法の具体的な実施例について説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の実施例によって示される特徴に限定されるものではない。
本実施例1では、本発明に係る折り構造体1の強度を確認する実験を行った。具体的には、以下に示す用紙を用いて以下に示す各種の折り構造体を作製し、以下に示す測定器具によって圧縮強度を測定した。
本実験で使用した用紙、折り構造体および測定器具は以下のとおりである。
<用紙>
(1)A4判上質紙(大王製紙 New OAペーパー typeH)
(2)A4判クラフト紙(Kyowa KRAFT PAPER)
<使用用具>
(1)引張圧縮試験機(A&D 卓上型引張圧縮試験機 MCT-2150)
(2)糊(トーヨー おりツールのり)
<折り構造体>
(1)ナマコ折り
(2)ハニカム構造
(3)ミウラ折り
(4)本発明に係る折り構造体1
(5)蛇腹折り
<用紙>
(1)A4判上質紙(大王製紙 New OAペーパー typeH)
(2)A4判クラフト紙(Kyowa KRAFT PAPER)
<使用用具>
(1)引張圧縮試験機(A&D 卓上型引張圧縮試験機 MCT-2150)
(2)糊(トーヨー おりツールのり)
<折り構造体>
(1)ナマコ折り
(2)ハニカム構造
(3)ミウラ折り
(4)本発明に係る折り構造体1
(5)蛇腹折り
本実験では、まず、上記2種類の用紙のそれぞれについて、用紙の短辺をそれぞれ8等分、16等分および32等分の幅に折ったものを3種類用意し、上記5種類の各折り構造体を5個ずつ作製した(計150個)。
図30は、本実施例1で作製したナマコ折りの折り構造体である。同様に、図31はハニカム構造の折り構造体であり、図32はミウラ折りの折り構造体であり、図33は本発明に係る折り構造体1であり、図34は蛇腹折りの折り構造体である。また、図30~図34における(a)~(f)はそれぞれ以下の用紙・折り幅のものである。
(a)A4判上質紙・8等分
(b)A4判上質紙・16等分
(c)A4判上質紙・32等分
(a)A4判クラフト紙・8等分
(b)A4判クラフト紙・16等分
(c)A4判クラフト紙・32等分
(a)A4判上質紙・8等分
(b)A4判上質紙・16等分
(c)A4判上質紙・32等分
(a)A4判クラフト紙・8等分
(b)A4判クラフト紙・16等分
(c)A4判クラフト紙・32等分
なお、ハニカム構造の作製には、はさみと糊を使用した。また、ミウラ折りとハニカム構造は、そのままでは引張圧縮試験機にセットできないため、長辺を三等分したものを使用した。蛇腹折りは、短辺を三等分したものを使用した。また、各折り構造体の広がり具合は自然長とした。
つぎに、図35に示すように、引張圧縮試験機に各折り構造体をセットし、上方から10mm/minの速さで圧力を加えた。なお、引張圧縮試験機の治具は、断面積Dが900πmm2のものを使用した。つづいて、各折り構造体に荷重をかけていった時、その折り構造体が耐え切れる最大の荷重Lを測定し、下記式によって最大圧縮強度Sを算出した。
S[kPa]=L[N]*103/D[mm2]
そして、各折り構造体について同様に作製した5個分の最大圧縮強度(kPa)の平均値を算出した。その結果を図36に示す。
S[kPa]=L[N]*103/D[mm2]
そして、各折り構造体について同様に作製した5個分の最大圧縮強度(kPa)の平均値を算出した。その結果を図36に示す。
また、本実施例1の実験結果のうち、上質紙の結果をグラフ化したものを図37に示し、クラフト紙の結果を図38に示す。なお、各グラフには、誤差範囲(最大値・最小値)および本発明に係る折り構造体1の強度値を他の折り構造体の強度値で除算した値についても記載した。
図36および図37に示すように、上質紙で作製した折り構造体においては、本発明に係る折り構造体1の圧縮強度が、少なくともナマコ折りの1.7倍以上、ハニカム構造の3.1倍以上、ミウラ折りの2.1倍以上、および蛇腹折りの5.1倍以上であった。また、図36および図38に示すように、クラフト紙で作製した折り構造体においては、本発明に係る折り構造体1の圧縮強度が、少なくともナマコ折りの1.7倍以上、ハニカム構造の2.1倍以上、ミウラ折りの2.5倍以上、および蛇腹折りの10.5倍以上あった。
以上のような本実施例1によれば、本発明に係る折り構造体1は、従来の折り構造体と比較して、高い圧縮強度を有していることが示された。
本実施例2では、本発明に係る折り構造体1の柔軟性を確認する実験を行った。具体的には、同一の用紙を用いて以下に示す7種類の折り構造体を作製し、以下に示す方法によって圧縮強度を測定した。
<折り構造体>
(1)ナマコ折り
(2)ミウラ折り(折り目の傾斜角45°)
(3)ミウラ折り(折り目の傾斜角60°)
(4)ミウラ折り(折り目の傾斜角84°)
(5)本発明に係る折り構造体1
(6)蛇腹折り
(7)ハニカム構造
<折り構造体>
(1)ナマコ折り
(2)ミウラ折り(折り目の傾斜角45°)
(3)ミウラ折り(折り目の傾斜角60°)
(4)ミウラ折り(折り目の傾斜角84°)
(5)本発明に係る折り構造体1
(6)蛇腹折り
(7)ハニカム構造
上記7種類の折り構造体のそれぞれについて、図39に示す丸付き数字の1~6の各方向に伸縮または湾曲させたときの柔軟性を評価した。なお、図39において、X方向およびY方向は上述した本実施形態におけるX方向およびY方向に対応しており、Z方向は高さ(折り構造体の厚さ)方向である。また、評価基準としては、各操作を行ったときに折り目のパターンが破壊されずに変形した場合を○とし、破壊された場合を×とした。その結果を図40に示す。
図40に示すように、本発明に係る折り構造体1は、Y方向における伸縮動作を除く全ての操作について、折り目のパターンを破壊することなく行うことができた。一方、他の折り構造体においては、少なくとも2つ以上の操作において、折り目のパターンが破壊されていた。
以上のような本実施例2によれば、本発明に係る折り構造体1は、従来の折り構造体と比較して、高い柔軟性を有していることが示された。
なお、本発明に係る折り構造体1、剛体折り構造体3および折り構造体1の製造方法は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
また、本実施形態の折り構造体1は、ソーラーパネル、マスク、ランプシェード等の他、ヘルメット、フィルター、緩衝材、建築物、防災マント、タイヤ、パンフレット、折り畳み地図、モニュメント、パズル、カーテン等のように、開閉することを必要とする様々な製品の構造として適用することができる。
1 折り構造体
2 単位基本形
3 剛体折り構造体
4 連結部材
10 シート状物体
11 第一帯状部
12 第二帯状部
13 中間帯状部
21 山折り部
22 谷折り部
23 中間谷折り部
24 中間山折り部
25 中点
26 対称点
27 角度変更用谷折り部
28 角度変更用山折り部
31 大三角プレート
32 小三角プレート
33 四角プレート
2 単位基本形
3 剛体折り構造体
4 連結部材
10 シート状物体
11 第一帯状部
12 第二帯状部
13 中間帯状部
21 山折り部
22 谷折り部
23 中間谷折り部
24 中間山折り部
25 中点
26 対称点
27 角度変更用谷折り部
28 角度変更用山折り部
31 大三角プレート
32 小三角プレート
33 四角プレート
Claims (9)
- 正方形状の単位基本形を組み合わせて構成される折り構造体であって、
前記単位基本形は、周囲四辺および二等分線のそれぞれで山折りされる山折り部と、二本の対角線で谷折りされる谷折り部とを有しており、
前記二等分線と直交する方向(X方向)に沿って前記単位基本形が複数個隣接して帯状に配置される第一帯状部と、表裏を反転させた前記単位基本形が前記X方向に沿って複数個隣接して帯状に配置される第二帯状部とが、前記二等分線の方向(Y方向)において、中間帯状部を介して交互に配置されており、
前記中間帯状部は、前記Y方向に沿う長さが、前記単位基本形の一辺の長さの半分であるとともに、前記第一帯状部の前記二等分線と一直線状に配置される中間谷折り部と、前記第二帯状部の前記二等分線と一直線状に配置される中間山折り部とを有しており、
前記第一帯状部と前記第二帯状部とは、前記X方向において、前記単位基本形の一辺の長さの半分だけずらして配置されている、折り構造体。 - 前記第二帯状部を構成する前記単位基本形には、前記中間帯状部に接する二辺に沿って設けられる谷折り部の代わりに、前記二等分線上に設けられ前記二等分線の中点に関して点対称の位置にある二つの対称点のそれぞれから、前記単位基本形の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で谷折りされる角度変更用谷折り部が設けられるとともに、前記二等分線は前記各対称点から外側が山折りされる、請求項1に記載の折り構造体。
- 前記第一帯状部を構成する前記単位基本形には、前記中間帯状部に接する二辺に沿って設けられる山折り部および前記谷折り部の代わりに、前記二等分線上に設けられ前記二等分線の中点に関して点対称の位置にある二つの対称点のそれぞれから、前記単位基本形の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で山折りされる角度変更用山折り部が設けられるとともに、前記二等分線は前記各対称点から外側が谷折りされ、前記周囲四辺のうち前記Y方向に沿う二辺は谷折りされる、請求項1に記載の折り構造体。
- 前記第二帯状部を構成する前記単位基本形に前記山折り部が設けられる代わりに、前記第二帯状部の両側に隣接する前記中間帯状部には、前記中間山折り部上に設けられ前記二等分線の中点に関して点対称の位置にある二つの対称点のそれぞれから、前記単位基本形の角部のうち最も近い二つの角部までを結ぶ補助線分で山折りされる角度変更用山折り部が設けられるとともに、前記中間山折り部は前記各対称点から内側が谷折りされる、請求項1に記載の折り構造体。
- 請求項1に記載の折り構造体を複数の剛体プレートによって構成してなる剛体折り構造体であって、
前記単位基本形は、二本の対角線で分断される四つの直角二等辺三角形のうち、前記二等分線によって分断されない直角二等辺三角形状の大三角プレートと、前記二等分線によって二等分された直角二等辺三角形状の小三角プレートとから構成されており、
前記中間帯状部には、前記中間谷折り部と前記中間山折り部との間に形成される正方形状の四角プレートが、前記X方向に沿って複数個隣接して帯状に配置されており、
前記大三角プレート、前記小三角プレートおよび前記四角プレートの継ぎ目には、各剛体プレートを互いに回動可能に連結する連結部材が設けられている、剛体折り構造体。 - 前記大三角プレートは、前記連結部材によって等辺同士が連結された一対の前記小三角プレートによって構成されており、および/または、
前記四角プレートは、前記連結部材によって底辺同士が連結された一対の前記小三角プレートによって構成されているとともに、前記底辺が前記対角線と略一直線となるように配置されている、請求項5に記載の剛体折り構造体。 - シート状物体を折って請求項1に記載の折り構造体を製造する折り構造体の製造方法であって、
前記シート状物体に、縦方向に沿う等間隔の縦折り目と、前記縦方向に垂直な横方向に沿う等間隔の横折り目と、前記縦折り目と前記横折り目との交点を結ぶ対角線に沿う斜め折り目とを付ける折り目付与工程と、
前記横折り目に対して順番に、谷折りしてから山折りする段折りと、山折りしてから谷折りする逆段折りとを1本の折り目を隔てて交互に繰り返す段折り工程と、
前記縦折り目に対して順番に、山折りと谷折りとを交互に繰り返す蛇腹折り工程と、
前記蛇腹折り工程において表面側で谷折りされた箇所および裏面側で谷折りされた箇所のそれぞれを立ち上げるように中割り折りする中割折り工程と、
を有する、折り構造体の製造方法。 - 前記中割折り工程において裏面側で中割折りされた箇所のそれぞれをさらに所定の角度で折り返すように中割折りする再中割折り工程と、
前記再中割折り工程によって重なった部分を引き出して、前記所定の角度をずらすように折る角度付与工程と、
を有する、請求項7に記載の折り構造体の製造方法。 - 任意の前記第一帯状部に関して前記折り構造体を裏面側に押し倒すように折り、前記第一帯状部における前記周囲四辺のうち前記Y方向に沿う二辺を山折りから谷折りに変更するとともに前記対角線の折り目を伸ばす変形工程と、
前記変形工程において変形された箇所のうち、前記中割折り工程において表面側で中割折りされた箇所のそれぞれをさらに所定の角度で折り込むように中割折りする再中割折り工程と、
前記再中割折り工程によって重なった部分を引き出して、前記所定の角度をずらすように折る角度付与工程と、
有する、請求項7に記載の折り構造体の製造方法。
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2022
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三谷純,折り紙研究ノート(三谷純),[online],2020年03月15日,https://web.archive.org/web/20200315090145/https://mitani.cs.tsukuba.ac.jp/origami/main.html |
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