JP7215922B2 - 覆蓋の製造方法および覆蓋 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 展示会名:下水道展’18 北九州 開催場所:西日本総合展示場(福岡県北九州市小倉北区浅野3-8-1) 展示日:平成30年7月24日~7月27日
本発明は、浄水場や下水処理場などの水処理施設の開口部に設置される覆蓋の製造方法および覆蓋に関するものである。
水処理施設等の開口部には、防臭や転落防止、危険物の投入防止などを目的として、覆蓋が設置されている。
図10に水処理施設で使用される一般的な把手付きの覆蓋の平面図を示す。
この図で10は覆蓋、11は把手である。把手11は、通常、覆蓋10の2ヶ所に取り付けられ、作業者が覆蓋10を運搬したり、水処理施設の開口部の側に覆蓋を取り外したりするときなどに使用されるものである。把手11はリベットなどにより覆蓋に取り付けられる。把手11は、必要に応じて取り付けられるものであり、必須のものではない。覆蓋10は、通常、水処理施設の開口部に設けられた受け枠(図示省略)に載置される。また、覆蓋にはロック装置(図示省略)を取り付けて、無断で覆蓋を受け枠から開けることがないようにすることもある。なお、図10に示される覆蓋は、上面に凹凸模様が形成されている。
従来は、覆蓋には鉄板やFRPなどの合成樹脂製のものが使用されてきた。
鉄板製の覆蓋は、高強度ではあるが、重量があり施設の点検時には蓋の開閉などの取扱いが困難であり、耐食性にも難がある。FRP製の覆蓋は、鉄板製のものに比べて比較的軽量であり耐食性も優れているが、作業員らの人が覆蓋の上に乗るとたわみが大きく、実用上問題がある。
そこで、上記の問題点を解決する覆蓋として、2枚のFRP製成形板の間隙に、硬質ポリウレタンフォーム材料を注入発泡して得られたサンドイッチパネルから所定のサイズに切り出し、切り口等発泡体面を合成樹脂で塗布することを特徴とする覆蓋が開発された(特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載の覆蓋においても、厚さが30mm程度では、作業者などの人が上に乗った場合にたわみが大きく、このたわみを小さくするにはFRP板の厚さを4mm以上に厚くするする必要があり、覆蓋の重量はかなり重くなる。また、厚さのあるFRP板は高価であり、その為得られた覆蓋も高価にならざるをえない。
特許文献1 特開平7-259111号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みて、耐食性が良好で、強度が高く、軽量な覆蓋の製造方法および覆蓋を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
[1]下型と上型が形成する成型空間が平板状の立体形状であり、下型のキャビティーの底面と側面を覆い、縁部が該キャビティーからはみ出すように第1のガラスマットを下型のキャビティーに敷設する工程、第1のガラスマットが下型のキャビティー内に形成する凹部の全域に、3次元網目構造の空隙部を有する発泡成形板を敷設する工程、発泡成形板の上面全域に第2のガラスマットを敷設する工程、下型の上に上型を載置して型締めした後に下型と上型が形成する成型空間を減圧し、次いで、該成型空間に熱硬化性樹脂の液体原料を注入して、該液体原料を発泡成形板の3次元網目構造の空隙部および第1および第2のガラスマットに充填する工程、充填された熱硬化性樹脂の液体原料を硬化する工程、および硬化した成型物を離型する工程を含むことを特徴とする覆蓋の製造方法。
[2]離型された前記成型物を切断し、切断により形成される切り口に合成樹脂を塗布する工程を含むことを特徴とする[1]に記載の覆蓋の製造方法。
[3]下型と上型が形成する成型空間が平板状の立体形状であり、下型のキャビティーの底面と側面を覆い、縁部が該キャビティーからはみ出すように第1のガラスマットを下型のキャビティーに敷設する工程、第1のガラスマットが敷設された下型のキャビティー内に形成する凹部の全域に、複数枚の3次元網目構造の空隙部を有する発泡成形板を少なくとも2段以上重ねて、該重ねた複数の発泡成形板が平板状になるように敷設する工程、少なくとも2段以上重ねて敷設された発泡成形板の上面全域に第2のガラスマットを敷設する工程、下型の上に上型を載置して型締めした後に下型と上型が形成する成型空間を減圧し、次いで、該成型空間に熱硬化性樹脂の液体原料を注入して、該液体原料を複数枚の発泡成形板の3次元網目構造の空隙部およびガラスマットに充填する工程、充填された熱硬化性樹脂の液体原料を硬化する工程、および硬化した成型物を離型する工程を含むことを特徴とする覆蓋の製造方法。
[4]離型された前記成型物を厚さ方向に切断し、切断により形成される切り口に合成樹脂を塗布する工程を含むことを特徴とする[3]に記載の覆蓋の製造方法。
[5]前記下型のキャビティーの底面に凹凸模様が形成されていることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の覆蓋の製造方法。
[6]ガラスマットに熱硬化性樹脂が充填され硬化して形成されたガラス繊維強化プラスチックの層が3次元網目構造の空隙部に熱硬化性樹脂が充填されて硬化している発泡成形板の周囲に形成され、該ガラス繊維強化プラスチックの層と該発泡成形板とが硬化した熱硬化性樹脂を介して一体的に結合している成型物からなることを特徴とする覆蓋。
[7]ガラスマットに熱硬化性樹脂が充填され硬化して形成されたガラス繊維強化プラスチックの層が3次元網目構造の空隙部に熱硬化性樹脂が充填されて硬化した発泡成形板の周囲に形成され、該ガラス繊維強化プラスチックの層と該発泡成形板とが硬化した熱硬化性樹脂を介して一体的に結合している成型物を厚さ方向に切断し、切り口に合成樹脂を塗布してなることを特徴とする覆蓋。
本発明により製造される成型物は、熱硬化性樹脂が3次元網目構造の空隙部に充填されて硬化している発泡成形板の周囲に、ガラスマットに充填されて硬化して形成されたガラス繊維強化プラスチックの層が形成され、該ガラス繊維強化プラスチックの層と該発泡成形板とが一体的に結合しているから、該成型物から製造される覆蓋は、耐食性が良好であるのみならず、強度が高く、かつ軽量である。
下型に敷設される第1のガラスマット、発泡成形板、第2のガラスマットおよび上型を模式的に示す。 発泡成形板を模式的に示す。 複数の発泡成形板が敷設される下型の模式的斜視図を示す。 複数の発泡成形板の1段目が敷設される下型の模式的断面図を示す。 複数の発泡成形板が2段重ねで敷設される下型の模式的断面図を示す。成型空間における複合体(覆蓋)を模式的に示す。 下型および吸引パイプと注入パイプが設けられた上型を模式的に示す。 下型と上型が形成する成型空間において硬化した成型物を模式的に示す。 型から離型された成型物の断面を模式的に示す。 成型物の表面を含む部位の断面を模式的に示す。 一般的な覆蓋の平面図を示す。
本発明の覆蓋は、以下の概略的に示した工程(1)~(6)、又は工程(1)~(7)を経て製造される。
(1)上型との間に平板状の立体形状の成型空間を形成する下型に第1のガラスマットを敷設する工程、
(2)第1のガラスマットの上に3次元網目構造の空隙部を有する発泡成形板を敷設する工程、
(3)この敷設された発泡成形板の上にさらに第2のガラスマットを敷設する工程、
(4)下型と上型を型締めして成型空間を減圧して、熱硬化性樹脂の液体原料を注入して成型する工程、
(5)注入された熱硬化性樹脂の液体原料を硬化する工程、
(6)硬化した成型物を離型する工程
(7)成型物を厚さ方向に切断し、切断切り口に合成樹脂を塗布する。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1に、成型空間を形成する下型と上型、この成型空間に配置される発泡成形板と第1及び第2のガラスマットの位置関係を模式的に示した。
ここで、1は成型装置の下型、2は成型装置の上型であり、下型1と上型2とは型締めされた時に平板状の立体形状の成型空間を形成するものである。3は第1のガラスマット、4は発泡成形板、5は第2のガラスマットである。図1では、上型2が下型1の上方に位置しており、下型1と上型2を型締めする前の状態が示されている。
ガラスマットとは、短く切ったガラス繊維をランダムに重ねてマット状(布状)に加工したものであり、繊維強化プラスチック(FRP)の基材とすることができるものである。ガラスマットは、種々の寸法のものが市販されており容易に入手できるものである。
<工程(1)について>
第1のガラスマット3は、下型1の底面及び側面に沿うように、かつ、図1、図3から分かるように、その縁部が下型1のキャビティーの周縁からはみ出るように、敷設される。したがって、敷設された第1のガラスマット3には、下型1のキャビティーの形状とほぼ相似の凹部が形成されることになる。
後述するように、第1のガラスマット3は、熱硬化性樹脂が充填(含浸)され、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の層を形成することになる。
<工程(2)について>
次に、この第1のガラスマット3の凹部に3次元網目構造の空隙部を有する発泡成形板4を敷設する。
図2に発泡成形板4を模式的に示した。発泡成形板4は板状の発泡成形体である。この図で、41は発泡粒子、42は空隙部である。この空隙部42は、発泡成形板4において、空隙が3次元網目状に形成されている部位であり、後述するように、熱硬化性樹脂が充填されることになる。
樹脂発泡成形板を構成する発泡粒子の樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレンサクシネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などを挙げることができる。
3次元網目構造の空隙部を有する発泡成形板4は、発泡粒子を連続的に移動するベルトによって形成される型内に連続的に供給して、成形領域を搬送しながらスチーム加熱し、発泡粒子を融着させることにより、あるいは平板状成形金型に充填して、スチーム加熱しつつ加圧成型して発泡粒子を融着させ型内成形を行うことなどにより製造することができる。また、発泡粒子の樹脂層をガラスなどの強化繊維で補強することもできる。
発泡成形体4の空隙部42は3次元網目状に形成されている。発泡成形板4の空隙率(発泡成形板に対して3次元網目構造の空隙部42が占める割合)は3~30体積%が好ましい。網目構造の空隙部には熱硬化性樹脂が充填(含浸)されるが、空隙率が3体積%未満であると、含浸(充填)できる熱硬化性樹脂の量が少なく、十分な強度の成型物や覆蓋を得ることができない。また、空隙率が30体積%を超えると、充填される熱硬化性樹脂の量が多くなり、軽量な覆蓋を得ることができない。また、発泡粒子の粒径は、熱硬化性樹脂の充填のし易さや発泡成形板と熱硬化性樹脂との複合体の強度向上の点から1.0~3.5mmが好ましい。
このような発泡成形板1は、株式会社ジェイエスピーなどの発泡プラスチックのメーカーから市販されている。
発泡成形板4は、下型1に敷設されて形成された第1のガラスマットの凹部の底面の全域を覆うように敷設されるが、凹部の底面の全域を覆うように敷設する発泡成形板4は、1枚物でもよいし、複数枚のものでもよい。市販されている発泡成形板1は、通常、寸法が規格化されており、長さや幅の寸法が上記凹部の長さや幅よりも小さい場合は、複数枚の発泡成形板4を敷設して、上記の凹部の底面全域を覆うようにする。
前者の1枚物の発泡成形板4を敷設する場合、第1のガラスマット3の凹部の底部の全域を覆う発泡成形板を使用することになる。1枚の発泡成形板4の厚さを使用して所望の厚さを有する覆蓋が得られない時は、2枚以上の発泡成形板を重ねて使用してもよい。
後者の複数枚の発泡成形板により第1のガラスマット3の凹部の底部の全域を覆うように敷設する場合は、複数枚の発泡成形板4を、少なくとも2段以上、隣接する発泡成形板4同士に隙間ができないようにして敷設する。同じ段の発泡成形板には厚さの等しいものを使用し、発泡成形板4を少なくとも2段以上に重ねて敷設することにより、所望の厚さの覆蓋を得ることができる。例えば、覆蓋の厚さが33mmの場合、厚さが15mmの発泡成形板を2段に、あるいは、1段目に10mm厚の発泡成形板と2段目に20mm厚の発泡成形板を重ねて敷設する。図3及び図4に、第1のガラスマット3の凹部の全域に1段目の発泡成形板4が敷設された下型の模式的斜視図と模式的断面図を示した。
図5には、第1のガラスマットの凹部の全域に発泡成形板4を2段重ねて敷設して、成型物を製造する場合の下型を示した。1段目の複数の発泡成形板4は、同じ厚さを有し、隣接する発泡成形板同士は隙間なく敷設される。2段目の複数の発泡成形板4も同様に、同じ厚さを有し、隣接する発泡成形板4同士は隙間なく敷設される。1段目と2段目の発泡成形板4の厚さは同じでもよいし、異なっていてもよい。また、各段の発泡成形板4は、厚さ以外の寸法は同一でなくともよい。
図5に示すように、2段目の隣接する発泡成形板4同士が形成する境目と1段目の隣接する発泡成形板4同士が形成する境目とが直線状に重ならないようにすることが望ましい。両者の境目が直線状に重なると、製造後の成型物や覆蓋の強度がこの境目が重なっている部位で少し曲げ強度が弱くなるからである。3段の発泡成形板を敷設する場合も、同様であり、各発泡成形板4同士が形成する境目が互いに直線状に重ならないようにすることが望ましい。
<工程(3)について>
第1のガラスマット3の凹部の全域に敷設された発泡成形板4の上に、該発泡成形板4の全面を覆うように、第2のガラスマット5が敷設される(図1参照)。1枚の第2のガラスマットで敷設された発泡成形板4の上面全域を覆うようにしてもよいし、第2のガラスマットを、複数枚、敷設して発泡成形板4の上面全域を覆うようにしてもよい。
図1から分かるように、敷設された発泡成形板4は、その周囲全面を第1のガラスマットと第2のガラスマットで覆われることになる。後述するように、第1のガラスマット3と同様に、第2のガラスマット5は、熱硬化性樹脂が充填され、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の層を形成することになる。
<工程(4)について>
以上のように、下型1のキャビティーに、第1のガラスマット3、発泡成形板4、第2のガラスマット5の敷設が完了すると、上型2を下型1に被せて押圧して型締めする。型締めされた状態で、下型1と上型2は、平板状の立体形状を有する成型空間を形成している。そして、真空ポンプなどの接続されている減圧吸引用のバルブ(図示省略)を開いて、図6から分かるように、上型2に設けた減圧吸引パイプ6から成型空間を減圧する。
熱硬化性樹脂の液体原料を充填する際には、減圧度が成型空間で均一にするため、減圧は、-0.01~-0.1MPa(G)の範囲とすることが望ましい。なお、(G)はゲージ圧を意味する。
減圧吸引パイプ6は、上型2の長手方向および幅方向の中央部に1つか2つ以上設ける。該パイプ6を2つ設ける場合は、上型の長手方向の中央部であって、幅方向に間隔を置いて設ければよい。図6は、上型の長手方向の中央部に設けられた減圧吸引パイプ6を示している。
次いで、熱硬化性樹脂の液体原料を成型空間に注入する。減圧と同時に樹脂の注入を開始してもよいが、減圧は熱硬化性樹脂の液体原料を添加する前に行われることが好ましい。熱硬化性樹脂の液体原料を注入する前に、成型空間全体を減圧することにより、成型空間内に注入する熱硬化性樹脂の液体原料を、第1のガラスマット3、発泡成形板4の3次元網目構造の空隙部42及び第2のガラスマット5に充填(含浸)することが可能となる。以下、熱硬化性樹脂の液体原料を単に「樹脂液体原料」ということがある。
樹脂液体原料の注入パイプ7は、上型2の長手方向の両端部近傍にそれぞれ1つ、計2ヶ所に設け、その2つの注入口を成型空間の長手方向の端部であって幅方向の中央部に位置させることが望ましい。注入の効率を上げるために、さらに上型2の長手方向の端部から少し距離を置いて幅方向の中央部に設けて、計3ヶ所以上に設けてもよい。図6には、減圧吸引パイプ6とともに、上型の長手方向の両端部近傍の2ヶ所に設けられた注入パイプ7を示した。
第1のガラスマット3、発泡成形板4および第2のガラスマットに充填(含浸)する熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、フェノ-ル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂およびこれらの変性樹脂等を挙げることができる。これらの熱硬化性樹脂は、架橋モノマー、硬化促進剤、添加剤等と混合した液体原料の状態で用いられる。また、このような熱硬化性樹脂に対応して、熱硬化性樹脂と反応して硬化物を生成し得る硬化剤を添加することが好ましい。
<工程(5)について>
充填が完了すると、樹脂液体原料の硬化が進行する。樹脂の硬化特性により充填とともに硬化が進行する場合もある。図7に成型空間での硬化する成型物8を模式的に示した。この図で、成型物8において、周縁部(斜線部)81が熱硬化性樹脂の充填(含浸)した第1および第2のガラスマットの部位であり、中央部(黒色部)82が熱硬化性樹脂の充填(含浸)した発泡成形板4の部位である。
<工程(6)>
硬化が完了した後に下型1と上型2から成型物8を離型する。
この成型物8には、図7から分かるように、下型1と上型2の周縁部で挟まれた第1のガラスマット3の縁部がバリ9として形成されるので、切削して除去する。図8には、離型後にバリ9が切削して除去された成型物8の断面が模式的に示されている。
この成型物8は、第1のガラスマット3及び第2のガラスマット5にも樹脂液体原料が充填され硬化しているから、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の層が発泡成形板4の周囲に形成される。
この発泡成形板4の周囲に形成されるガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の層は、厚さが1~3mm程度が好ましい。この層の厚さが大きくなるほど、成型物8の重量が大きくなり、覆蓋の軽量化を図ることができなくなる。
ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の層の厚さは、第1および第2のガラスマットの厚さを調整することで容易に調整することができる。
図9に成型物8の表面を含む断面を模式的に示した。この図で、斜線部が第1と第2のガラスマット3、5および発泡成形板4の空隙部42に充填され硬化した熱硬化性樹脂の部位を示している。
図9から分かるように、発泡成形板4の3次元網目構造の空隙部42にも、樹脂液体原料が充填され硬化しているから、発泡成形板4内には硬化物が3次元網目状に分布しており、発泡成形板自体も強度が飛躍的に向上したものになっている。そして、成型物8は、第1および第2のガラスマットに熱硬化性樹脂が充填され硬化して形成されたガラス繊維強化プラスチックの層と熱硬化性樹脂が3次元網目構造の空隙部に充填されて硬化した発泡成形板とが、硬化した熱硬化性樹脂を介して一体的に結合している。このことにより、成型物8はきわめて強度の高いものとなっている。
また、空隙部42に樹脂が充填された発泡成形板4は、空隙部42以外の部位は発泡粒子が占めているから、比較的軽量である。
下型1と上型2の寸法を調整して、両者が形成する成型空間が覆蓋の寸法と同一になるようにすれば、成型物8を覆蓋とすることができる。上述したように、この覆蓋は、空隙部42に充填された熱硬化性樹脂が硬化した発泡成形板4の周囲にガラス繊維強化プラスチックの層が一体的に結合しているから、強度が高く、また耐食性が良好であり、かつ軽量である。
また、成型物8は、以下の工程(7)に示すように、覆蓋の面積よりも大きく、厚さが覆蓋と同一のものを製造し、次いで、覆蓋の寸法に合わせて厚み方向に切断することにより、覆蓋とすることができる。
<工程(7)について>
成型物8を厚さ方向に切断して、所望の寸法の覆蓋を製造することができる。切断後の覆蓋の側面には発泡成形板の切り口が露出しているので、切り口の面には、耐久性や美観の観点から、不飽和ポリエステル樹脂等の合成樹脂を塗布する。
成型物を覆蓋の寸法に切断して、複数の覆蓋を製造する一例を示すと、以下のとおりである。
覆蓋の寸法が例えば長さ900mm、幅450mm、厚さ30mmである場合、寸法が長さ2700mm、幅900mm、厚さ30mmの成型物8を製造すると、該成型物8を切断して、6枚の覆蓋を製造することができる。また、成型物8の面積の範囲内であれば、切断して所望の寸法の覆蓋を製造することができる。
このように、工程(7)を経て製造される覆蓋は、切断の切り口以外の面では、空隙部42に充填された熱硬化性樹脂が硬化した発泡成形板4とガラス繊維強化プラスチックの層が一体的に結合し、切断の切り口の面には合成樹脂が塗布されているから、強度が高く、また耐食性が良好であり、かつ軽量である。
覆蓋の表面には、作業者が歩行しやすいようにするためや視覚への感知を効果的にするためなどにより、エンボス(浮き出し)模様を形成することがある。
下型1のキャビティーの底面にエンボス模様が転写される凹凸模様を形成しておけば、成型物8の下面にエンボス模様を形成することができることを利用して、覆蓋の表面にエンボス模様を形成することができる。なお、覆蓋の裏面には通常エンボス模様を形成しないので、凹凸模様の形成は下型1のキャビティーの底面のみでよい。
1 :下型
2 :上型
3 :第1のガラスマット
4 :発泡成形板
41:発泡粒子
42:空隙部
5 :第2のガラスマット
6 :減圧吸引パイプ
7 :注入パイプ
8 :成型物
81:周縁部
82:中央部
9 :バリ
10:覆蓋
11:把手

Claims (7)

  1. 下型と上型が形成する成型空間が平板状の立体形状であり、下型のキャビティーの底面と側面を覆い、縁部が該キャビティーからはみ出すように第1のガラスマットを下型のキャビティーに敷設する工程、
    第1のガラスマットが下型のキャビティー内に形成する凹部の全域に、3次元網目構造の空隙部を有する発泡成形板を敷設する工程、
    発泡成形板の上面全域に第2のガラスマットを敷設する工程、
    下型の上に上型を載置して型締めした後に下型と上型が形成する成型空間を減圧し、次いで、該成型空間に熱硬化性樹脂の液体原料を注入して、該液体原料を発泡成形板の3次元網目構造の空隙部および第1および第2のガラスマットに充填する工程、
    充填された熱硬化性樹脂の液体原料を硬化する工程、
    および硬化した成型物を離型する工程
    を含むことを特徴とする覆蓋の製造方法。
  2. 離型された前記成型物を切断し、切断により形成される切り口に合成樹脂を塗布する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の覆蓋の製造方法。
  3. 下型と上型が形成する成型空間が平板状の立体形状であり、下型のキャビティーの底面と側面を覆い、縁部が該キャビティーからはみ出すように第1のガラスマットを下型のキャビティーに敷設する工程、
    第1のガラスマットが敷設された下型のキャビティー内に形成する凹部の全域に、複数枚の3次元網目構造の空隙部を有する発泡成形板を少なくとも2段以上重ねて、該重ねた複数の発泡成形板が平板状になるように敷設する工程、
    少なくとも2段以上重ねて敷設された発泡成形板の上面全域に第2のガラスマットを敷設する工程、
    下型の上に上型を載置して型締めした後に下型と上型が形成する成型空間を減圧し、次いで、該成型空間に熱硬化性樹脂の液体原料を注入して、該液体原料を複数枚の発泡成形板の3次元網目構造の空隙部およびガラスマットに充填する工程、
    充填された熱硬化性樹脂の液体原料を硬化する工程、
    および硬化した成型物を離型する工程
    を含むことを特徴とする覆蓋の製造方法。
  4. 離型された前記成型物を厚さ方向に切断し、切断により形成される切り口に合成樹脂を塗布する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の覆蓋の製造方法。
  5. 前記下型のキャビティーの底面に凹凸模様が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の覆蓋の製造方法。
  6. ガラスマットに熱硬化性樹脂が充填され硬化して形成されたガラス繊維強化プラスチックの層が3次元網目構造の空隙部に熱硬化性樹脂が充填されて硬化している発泡成形板の周囲に形成され、該ガラス繊維強化プラスチックの層と該発泡成形板とが硬化した熱硬化性樹脂を介して一体的に結合している成型物からなることを特徴とする覆蓋。
  7. ガラスマットに熱硬化性樹脂が充填され硬化して形成されたガラス繊維強化プラスチックの層が3次元網目構造の空隙部に熱硬化性樹脂が充填されて硬化した発泡成形板の周囲に形成され、該ガラス繊維強化プラスチックの層と該発泡成形板とが硬化した熱硬化性樹脂を介して一体的に結合している成型物を厚さ方向に切断し、切り口に合成樹脂を塗布してなることを特徴とする覆蓋。
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