JP7215632B1 - レーザ式ガス分析計 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズの影響による測定誤差を低減できるレーザ式ガス分析計を提供することにある。【解決手段】本発明は、レーザ光を出射するレーザ素子(12)と、測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域で波長が掃引され、かつ変調されるように駆動電流をレーザ素子に供給する変調光生成部(11)と、を有する発光部(10)と、レーザ光を受光する受光素子(22)と、検出信号に対し、変調周波数の逓倍の周波数でロックイン検出して得られたロックイン検波波形の振幅に基づいて、測定対象ガスの分析を行う受光信号処理部(21)と、を有する受光部(20)と、を備え、受光信号処理部では、測定対象ガスを含む実ガス測定時に得られたロックイン検波波形を平滑化処理した測定信号波形と、測定対象ガスのスパンガス測定時に得られたロックイン検波波形を平滑化処理した基準信号波形との振幅比により、ガス濃度を算出することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、空間内に存在する測定対象ガスのガス分析を行うレーザ式ガス分析計に関する。
気体状のガス分子は、それぞれ固有の光吸収波長及び吸収強度を表す吸収線スペクトルを有する。また、レーザ光は、特定の波長でスペクトル線幅が狭い光である。レーザ式ガス分析計は、レーザ素子が、気体状のガス分子である測定対象ガスが吸収する光吸収波長のレーザ光を発光し、測定対象ガスにレーザ光を吸収させ、その光吸収波長におけるレーザ光の吸収量に基づいて測定対象ガスの有無を検出する。加えて、レーザ式ガス分析計は、光吸収波長におけるレーザ光の吸収量が測定対象ガスの濃度に比例するため濃度を検出することもできる。
このようなガス分析を行うレーザ式ガス分析計の従来技術が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1のレーザ式ガス分析計は、波長変調分光法により検出を行う。駆動電流によって波長を掃引し、かつ特定の周波数で変調したレーザ光を波長可変レーザ素子が出射し、そのレーザ光を受光素子が検出し、ロックイン増幅器が信号を変調周波数の逓倍でロックイン検出し、このロックイン検波波形の振幅からガス濃度を算出する。
特開2017-106742号公報
ところで、レーザ式ガス分析計では、レーザ光路上に配置される例えば、光学素子やレンズなどの光学素子の端面反射による戻り光など、異なる光路長のレーザ光が重なり合った光を受光することで、受光信号に光学干渉ノイズが重畳されることがあった。
光学干渉ノイズは、測定対象ガスのロックイン検波波形に重畳して現れるため、ガス濃度測定の誤差となった。一般的に、装置を構成する光学素子の窓やレンズに角度を付けたり、減反射コーティングするなど端面反射による戻り光を低減する対策が施される。
しかしながら、測定対象ガスの吸収線スペクトルの吸収強度が小さい場合や、低濃度ガスを測定する場合など、ロックイン検波波形の吸収振幅が小さくなると、相対的に光学干渉ノイズ影響が大きくなり、ガス濃度測定の誤差が顕著になる問題があった。
さらに、レーザの波長と電流、光量と電流の非線形性があるため、一定の正弦波ではなく、振幅が増減したり、位相が逆転したりといった変化を伴うため、単純な周波数フィルタや正弦波の当てはめによる光学干渉ノイズ除去は困難であった。
また、実際のレーザ式ガス分析計の設置環境によっては、測定系またはその周辺に高周波設備や電力機器などがある場合に、環境ノイズや周囲の電気機器からの回り込みノイズが測定信号に重畳し、測定動作の阻害要因となった。
特許文献1に記載のロックイン検波波形には、光学干渉ノイズや環境ノイズの影響が顕れてガス濃度測定誤差となる場合があった。
そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ノイズの影響による測定誤差を低減できるレーザ式ガス分析計を提供することにある。
本発明は、測定対象空間に存在する測定対象ガスのガス分析を行うレーザ式ガス分析計であって、
前記測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域のレーザ光を出射するレーザ素子と、前記測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域で波長が掃引され、かつ変調されるように駆動電流を前記レーザ素子に供給する変調光生成部と、を有する発光部と、前記測定対象空間を通過した前記レーザ光を受光する受光素子と、前記受光素子から出力された検出信号に対し、変調周波数またはその逓倍の周波数でロックイン検出して得られたロックイン検波波形を検出し、前記測定対象ガスの吸収を示す前記ロックイン検波波形の吸収振幅に基づいて、前記測定対象ガスの分析を行う受光信号処理部と、を有する受光部と、を備え、前記受光信号処理部では、測定レンジの最大目盛付近の目盛値の校正に使用するスパンガスを使用して、前記測定対象ガスのスパンガス測定時に得られた前記ロックイン検波波形を平滑化処理した基準信号波形を取得し、前記受光信号処理部では、前記測定対象ガスを含む実ガス測定時に得られた前記ロックイン検波波形を平滑化処理した測定信号波形と、前記基準信号波形との振幅比より、ガス濃度を算出する、ことを特徴とする。
本発明の一態様は、前記受光信号処理部では、前記スパンガスによる前記ロックイン検波波形を、前記測定対象ガスのゼロガス測定時に得られた検出信号を平滑化処理して取得したベースライン波形によりベースライン補正した後、平滑化処理して、前記基準信号波形を取得し、前記実ガスによる前記ロックイン検波波形を、前記ベースライン波形によりベースライン補正した後、平滑化処理して、前記測定信号波形を取得し、前記測定信号波形、前記基準信号波形及び前記ベースライン波形をフィッティング処理し、前記測定信号波形と前記基準信号波形との振幅比により、ガス濃度を算出する、ことを特徴とする。
本発明の一態様は、平滑化フィルタのフレーム長をa1、光学干渉ノイズの1周期相当のデータ長をa2としたとき、比(a1/a2)が、1.5以上3.0以下となるように、前記フレーム長a1が設定される、ことを特徴とする。
本発明によれば、実ガス測定時の測定信号波形を平滑化処理し、あらかじめ同様の平滑化処理をして取得したスパンガスの基準信号波形を用いて、フィッティング処理(行列計算)を行うことにより、光学干渉ノイズや環境ノイズの影響による測定誤差を低減でき、したがって、測定対象ガスのガス濃度を、高精度且つ高安定に測定するレーザ式ガス分析計を提供できる。
また、本発明では、信号処理によりノイズ影響を低減でき、装置の簡便化及び低コスト化を実現できる。
本実施形態に係るレーザ式ガス分析計の全体構成図である。 光学干渉ノイズが重畳したロックイン検波信号の波形図である。 図3Aは、フィルタ次数を2とし、比m(=a1/a2)が2となるようにフレーム長a1を設定し、図3Bは、フィルタ次数を2とし、比m(=a1/a2)が4となるようにフレーム長a1を設定して、それぞれ、実測したアンモニアガスのロックイン検波波形に平滑化処理を行った実験結果を示す。 本実施形態に係るレーザ式ガス分析計を用いたフローチャート図である。 図5Aは、フィルタ次数を2、比m=2で平滑化処理を行った、アンモニアガス15ppm計(光路長1m)のベースライン波形、基準信号波形、及び測定信号波形(スパンガスの50%波形)を示し、図5Aは、フィルタ次数を2、比m=4で平滑化処理を行った、アンモニアガス15ppm計(光路長1m)のベースライン波形、基準信号波形、及び測定信号波形(スパンガスの50%波形)を示す。
以下、本発明の実施の形態に係るレーザ式ガス分析計について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができる。
<レーザ式ガス分析計の全体構成図>
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ式ガス分析計1の全体構成図である。図1に示すように、レーザ式ガス分析計1は、発光部10及び受光部20を備えている。
レーザ式ガス分析計1は、測定対象空間に存在する測定対象ガスを分析する。レーザ式ガス分析計1は、発光部10から出射されたレーザ光30が、ガス管を構成する壁50a、50bの内部(測定対象空間)を流通する測定対象ガスに照射される。測定対象ガスを透過したレーザ光30が、受光部20に入射し、検出された光量から特定のガス濃度を求めることができる。また、ガス濃度が0や所定値以下であるならば、ガスが無いことを検出できるものであり、したがって、ガスの有無も検出できる。
発光部10及び受光部20は、ガス管を構成する壁50a、50bに着脱可能に取り付けられる。壁50a、50bは、特定のガスが存在する配管等の壁であり、それぞれに穴が開けられている。フランジ51a、51bは、溶接等によりそれらの穴に固定されている。発光部10及び受光部20に設けられた光軸調整フランジ52a、52bは、これらフランジ51a、51bに対して機械的に着脱可能に取り付けられる。発光部10と受光部20は、壁50a、50bを挟んで、相対する位置に配置されるが、光軸調整フランジ52a、52bにより位置調整することができる。
光軸調整フランジ52aは、レーザ光30の出射角を調整し、また、光軸調整フランジ52bは、レーザ光30の入射角を調整することができる。光軸調整フランジ52a、52bにより、発光部10から出射されるレーザ光30が受光部20において最大の光量で受光される。
[発光部10]
発光部10について説明する。図1に示すように、発光部10は、変調光生成部11と、レーザ素子12と、コリメートレンズ13と、発光部窓板14と、発光部容器15と、光軸調整フランジ52aと、を備えて構成されている。図1に示すように、変調光生成部11、レーザ素子12及びコリメートレンズ13は、発光部容器15の内部に配置されている。発光部容器15は、内蔵された各部品を外気から隔絶して風雨、塵埃、及び、汚れ等から保護する。
変調光生成部11は、測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域で波長が繰り返し掃引され、かつ、変調されるように生成された駆動電流を生成する。そして、変調光生成部11は、変調されたレーザ光を発光するための駆動電流をレーザ素子12に供給する。これにより、ガス濃度分析には、測定対象ガスの吸光特性に応じて、波長変調された変調光を照射することができる。
レーザ素子12は、測定対象ガスが吸収する特定の吸収線スペクトルの中心波長λ1、及びその周辺の波長で発光する。レーザ素子12は、駆動電流と温度制御により、発光波長を可変制御する。
レーザ素子12は、発光中心波長が測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長λ1となるように温度制御される。また、レーザ素子12から発光されるレーザ光30は、変調光生成部11から供給された駆動電流により、測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長の周辺の波長を時間的に掃引するように制御され、さらに、波長変調分光法(WMS:Wavelength Modulation Spectroscopy)により高感度に測定できるように、適切な正弦波を重畳して変調されている。波長変調分光法は、2f検出法とも呼ばれる。
使用するレーザ素子12は、特に限定されないが、例えば、DFBレーザダイオード(Distributed Feedback Laser Diode)、或いは、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)、又は、DBRレーザダイオード(Distributed Bragg Reflector Laser Diode)である。
コリメートレンズ13は、測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長λ1、及びその周辺の波長において透過率が高い材料で構成される。コリメートレンズ13により、レーザ光30は略平行光に変換され、拡散による損失を抑えながら受光部20まで伝送することができる。
レーザ素子12の発光点は、コリメートレンズ13の焦点付近に配置されている。レーザ素子12からの出射光は、拡散しつつコリメートレンズ13に入射して、略平行光であるレーザ光30に変換される。なお、本実施の形態では、平行光変換部としてコリメートレンズ13を用いるものとして説明するが、コリメートレンズに限定する趣旨ではない。例えば、平行光変換部として、コリメートレンズ13の代わりに放物面鏡を用いることもできる。
略平行光であるレーザ光30は、発光部窓板14を透過し、壁50a、50bの内部、すなわち測定対象ガスを含むガスが存在する空間に伝播する。発光部窓板14は、発光部容器15の一部に穴を開けてそれを塞ぐように備えられている。発光部窓板14は、レーザ光30の光路内にあり、レーザ光30を透過させつつ、特定の測定対象ガスを含むガスが発光部10の内部に進入しないようにする。これにより、発光部容器15の内部に配置された各部品が直接ガスに触れないことになり、発光部容器15内の各部品が保護される。
[受光部20]
受光部20について説明する。受光部20は、受光信号処理部21と、受光素子22と、集光レンズ23と、受光部窓板24と、受光部容器25と、を備えて構成されている。受光部容器25は、内部に受光素子22、光学部品、および、電気電子回路を内蔵し、それらを外気から隔絶して風雨、塵埃、および、汚れ等から保護する。
受光部20は、受光部窓板24を透過したレーザ光30を受光し、測定対象ガスの吸光特性により吸収された光について分析する。受光部窓板24は、受光部容器25の一部に穴を開けてそれを塞ぐように備えられている。受光部窓板24は、レーザ光30の光路内にあり、レーザ光30を透過させつつ、特定の測定対象ガスを含むガスが受光部20の内部に進入しないようにする。これにより、受光部20内に配置された各部品が直接ガスに触れないことになり、内部が保護される。レーザ光30は、集光レンズ23により集光されて、受光素子22に入射する。なお、本実施の形態では、集光レンズ23を用いているが、集光レンズ23に代えて、放物面鏡や、ダブレットレンズ、或いは回折レンズなどを採用することもできる。
受光素子22は、測定対象ガスを通過したレーザ光30を受光する。測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長λ、及びその周辺波長において、感度を有する受光素子を選択することができる。受光素子22からの受光信号は、受光信号処理部21に電気信号として送られる。
集光レンズ23は、測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長λ1、及びその周辺の波長において、透過率が高い材料で構成する。集光レンズ23により、レーザ光30は受光素子22に集光されるため、高い信号強度を得ることができる。
受光信号処理部21は、受光素子22で受光した電気信号を処理して、ガス濃度を算出する。
<本実施の形態に至る経緯>
レーザ式ガス分析計1では、測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域で波長を線形に掃引し、変調周波数またはその逓倍の周波数(一般的には、第2高調波)でロックイン検出して、検出されたロックイン検波波形の振幅が、スパンガス波形の何倍かを算出することでガス濃度を計算する。
図2は、実ガス測定時にて得られたロックイン検波信号の波形図である。「実ガス」とは、測定対象ガスを含む実際のガスを指す。図2に示すように、ロックイン検波信号が波打つ場合がある。これは、レーザ式ガス分析計1では、光学素子の端面反射等により異なる光路長のレーザ光を受光することで、異なる光路長の波が重なり合い、強め合ったり弱めあったりすることで、光学干渉ノイズが重畳したためである。なお、光学干渉ノイズは、図2に示すロックイン検波信号の全体に重畳している。また図2に示す横軸は、時間を、縦軸は、ロックイン検波波形の信号レベルを示している。
図2に示すロックイン検波波形は、吸収線スペクトルの2階微分で近似される形状をしている。図2に示すように、測定対象ガスの吸収を示す信号に対し、光学干渉特有の波状の波形が重畳している。これにより、ガス濃度測定時に誤差が生じ、特に、測定対象ガスの吸収線の吸収強度が小さい場合や、低濃度ガスを測定する場合など、ロックイン検波波形の吸収振幅が小さくなると、相対的に、光学干渉ノイズの影響が大きくなり誤差が顕著になる。
そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ロックイン検波信号に重畳したノイズの影響を小さくし、これにより、測定誤差を低減できるレーザ式ガス分析計を提供するに至った。
<検出信号波形に対する平滑化処理について>
本実施の形態では、検出信号に重畳したノイズの影響を低減するために、ロックイン検波波形に対して平滑化処理を行う。平滑化処理には、Savitzky-Golay平滑化フィルタを適用することが好ましい。Savitzky-Golay法(加重移動平均法)は、スペクトル等のノイズを含むデータを平滑化するために使用されており、ピークが鈍りにくい、平滑化処理を高速に行うことができるなどの特徴がある。
本実施の形態では、平滑化フィルタのフレーム長(窓長)をa1とし、光学干渉ノイズ(図2で示したロックイン検波信号の翼部に重畳した正弦波形状の波形)の1周期相当のデータ長をa2としたときの比m(=a1/a2)を適切な範囲内に調整することで、光学干渉ノイズによる波形の揺らぎを小さくし平滑化することができる。本実施の形態では、フィルタ次数を2次とし、比mが、1.5以上3.0以下の範囲となるように、フレーム長a1を適切に設定することで、ノイズの影響を低減した波形を取得できる。
図3Aは、フィルタ次数を2とし、比m(=a1/a2)が2となるようにフレーム長a1を設定し、図3Bは、フィルタ次数を2とし、比m(=a1/a2)が4となるようにフレーム長a1を設定して、それぞれ、実測したアンモニアガスのロックイン検波波形に平滑化処理を行った結果を示している。
図3A及び図3Bに示す実線は、実測したアンモニアガスのロックイン検波波形であり、点線は、該ロックイン検波波形を平滑化処理した測定信号波形である。図3Aに示すように、比m=2として平滑化した測定信号波形は、平滑化処理前のロックイン検波波形全体の形状にほぼ一致するとともに、光学干渉による波状の揺らぎ部分に対しては略中間を通り、光学干渉ノイズの影響を効果的に低減できていることがわかった。
これに対し、比m=4として平滑化した測定信号波形は、波状の揺らぎのない曲線に平滑化できるものの、平滑化処理前のロックイン検波波形のピークよりも鈍り(ピークの大きさが小さくなり)、該ロックイン検波波形の形状から乖離することがわかった。このため、比m=4となるように、フレーム長a1を調整すると、波状の揺らぎを抑制できるものの、元の波形形状から離れてしまい、かえってガス濃度検出精度が低下するので、適切な範囲内で平滑化フィルタのフレーム長a1を設定する必要がある。そこで、本実施の形態では、比m=1.5~3.0の範囲内となるように、平滑化フィルタのフレーム長a1を設定することが好ましいとした。
図4は、本実施形態に係るレーザ式ガス分析計1を用いたフローチャート図である。図4のステップST1では、ベースライン波形を取得する。すなわち、図1に示すレーザ式ガス分析計1を用いて、測定対象ガスを含まないゼロガスによる検出信号を取得する。「ゼロガス」とは、分析計の測定レンジにおいて、最小目盛値の校正に使用されるガスであり、測定対象ガス濃度は測定精度に実質的な影響を及ぼさない値であり、ゼロであることが好適である。受光信号処理部21では、ゼロガス測定時の検出信号に対して、平滑化処理を行う。このとき、上記のように、光学干渉ノイズ波形の1周期相当のデータ長a2に対するフレーム長a1の比m(=a1/a2)が、1.5~3.0となるように、平滑化フィルタのフレーム長a1を調整する。光学干渉ノイズ波形の1周期相当のデータ長a2は、ゼロガス測定時、実ガス測定時、或いは、スパンガス測定時にて得られた、いずれかの波形から求めることができる。
以上により得られた波形に対して多項式近似することで、ベースライン波形を取得し記録する。
次に、図4のステップST2では、図1に示すレーザ式ガス分析計1を用いて、測定対象ガスのスパンガス測定時のロックイン検波波形を取得する。スパンガスは、分析計の測定レンジにおいて、最大目盛付近の目盛値の校正に使用される。そして、スパンガスのロックイン検波波形から、ステップST1で得たベースライン波形を差し引いた後(ベースライン補正)、ステップST1と同様の平滑化処理を施し、測定対象ガスの基準信号波形を取得し記録する。
続いて、図4のステップST3では、図1に示すレーザ式ガス分析計1を用いて、実際の測定対象としての測定対象ガスを含む実ガスを流通して取得したロックイン検波波形を、図4のステップST2と同様に平滑化処理し、測定信号波形を取得する。すなわち、実ガス測定時に得られたロックイン検波波形から、ステップST1で得たベースライン波形を差し引いた後(ベースライン補正)、平滑化処理を施し、測定信号波形を取得し記録する。
次に、図4のステップST4では、ステップST3で得られた測定信号波形は、ステップST1で得られたベースライン波形、及びステップST2で得られた基準信号波形とを重ね合わせた波形で構成されるため、各波形からフィッティング処理を行い、フィッティング処理後の測定信号波形と基準信号波形の振幅比から、ガス濃度を算出する。フィッティング処理では既存の方法を用いることができ、例えば、行列計算を用いた最小二乗法によるフィッティングを用いることができる。
上記のように、本実施の形態では、ベースライン波形を取得せず、すなわち、図4のステップST1を飛ばして、ステップST2、ST3に移行し、この際、ベースライン補正せずに、測定信号波形と基準信号波形の振幅比から、ガス濃度を算出することも可能であるが、ベースライン波形を取得して、基準信号波形及び測定信号波形のベースライン補正を行い、フィッティング処理することで、より効果的に、測定対象ガスのガス濃度を、高精度且つ高安定に測定することができる。
図5Aは、フィルタ次数を2、比m=2で平滑化処理を行った、アンモニアガス15ppm計(光路長1m)のベースライン波形、基準信号波形、及び測定信号波形を示し、図5Aは、フィルタ次数を2、比m=4で平滑化処理を行った、アンモニアガス15ppm計(光路長1m)のベースライン波形、基準信号波形、及び測定信号波形を示す。ここで、測定信号波形は、スパンガスの50%ガスを用いて得た。図5A及び図5Bに示す「span」は、基準信号波形を示し、「half」は、測定信号波形を示し、「zero」は、ベースライン波形を示す。
この実験例では、測定レンジに対して、2%FS光学干渉による波形の揺らぎを1%FS未満に抑制でき、ノイズの影響による測定誤差のふらつきを低減できることがわかった。なお、図5Aは、比m=2の場合であり、ノイズ成分に伴う形状揺らぎを抑制できるとともに、波形形状が平滑化処理前後で略一致するため、図5Bの比m=4とした場合に比べて、ガス濃度検出精度を効果的に向上させることが可能である。
本発明のレーザ式ガス分析計は、ボイラ、ゴミ焼却等の燃焼排ガス測定用、燃焼制御用として最適である。その他、鉄鋼用ガス分析[高炉、転炉、熱処理炉、焼結(ペレット設備)、コークス炉]、青果貯蔵および熟成、生化学(微生物)[発酵]、大気汚染[焼却炉、排煙脱硫・脱硝]、自動車・船等の内燃機関の排ガス(除テスタ)、防災[爆発性ガス検知、有毒ガス検知、新建築材燃焼ガス分析]、植物育成用、化学用分析[石油精製プラント、石油化学プラント、ガス発生プラント]、環境用[着地濃度、トンネル内濃度、駐車場、ビル管理]、理化学各種実験用などの分析計としても有用である。
1 :レーザ式ガス分析計
10 :発光部
11 :変調光生成部
12 :レーザ素子
13 :コリメートレンズ
14 :発光部窓板
15 :発光部容器
20 :受光部
21 :受光信号処理部
22 :受光素子
23 :集光レンズ
24 :受光部窓板
25 :受光部容器
30 :レーザ光
50a、50b :壁
51a、51b :フランジ
52a、52b :光軸調整フランジ


Claims (3)

  1. 測定対象空間に存在する測定対象ガスのガス分析を行うレーザ式ガス分析計であって、
    前記測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域のレーザ光を出射するレーザ素子と、
    前記測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域で波長が掃引され、かつ変調されるように駆動電流を前記レーザ素子に供給する変調光生成部と、を有する発光部と、
    前記測定対象空間を通過した前記レーザ光を受光する受光素子と、
    前記受光素子から出力された検出信号に対し、変調周波数またはその逓倍の周波数でロックイン検出して得られたロックイン検波波形を検出し、前記測定対象ガスの吸収を示す前記ロックイン検波波形の吸収振幅に基づいて、前記測定対象ガスの分析を行う受光信号処理部と、を有する受光部と、を備え、
    前記受光信号処理部では、測定レンジの最大目盛付近の目盛値の校正に使用するスパンガスを使用して、前記測定対象ガスのスパンガス測定時に得られた前記ロックイン検波波形を平滑化処理した基準信号波形を取得し、
    前記受光信号処理部では、前記測定対象ガスを含む実ガス測定時に得られた前記ロックイン検波波形を平滑化処理した測定信号波形と、前記基準信号波形との振幅比より、ガス濃度を算出する、ことを特徴とするレーザ式ガス分析計。
  2. 前記受光信号処理部では、前記スパンガスによる前記ロックイン検波波形を、前記測定対象ガスのゼロガス測定時に得られた検出信号を平滑化処理して取得したベースライン波形によりベースライン補正した後、平滑化処理して、前記基準信号波形を取得し、
    前記実ガスによる前記ロックイン検波波形を、前記ベースライン波形によりベースライン補正した後、平滑化処理して、前記測定信号波形を取得し、
    前記測定信号波形、前記基準信号波形及び前記ベースライン波形をフィッティング処理し、前記測定信号波形と前記基準信号波形との振幅比により、ガス濃度を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ式ガス分析計。
  3. 平滑化フィルタのフレーム長をa1、光学干渉ノイズの1周期相当のデータ長をa2としたとき、比(a1/a2)が、1.5以上3.0以下となるように、前記フレーム長a1が設定される、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザ式ガス分析計。
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