JP2023159724A - レーザ式ガス分析計 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、温度変化にもかかわらず、駆動電流と波長との関係を精度よく導出でき、正確なレーザの発光波長を出力することができる。【解決手段】本発明は、測定対象空間に存在する測定対象ガスのガス分析を行うレーザ式ガス分析計(1)であって、レーザ素子(12)と、前記測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域で波長を掃引し、かつ波長が変調されるように駆動電流を前記レーザ素子(12)に供給する変調光生成部(11)と、受光素子(22)と、前記受光素子(22)から出力された検出信号に基づき前記測定対象ガスの分析を行う受光信号処理部(21)と、前記前記測定対象空間内に存在する気体の吸収波形の複数のピーク点から、前記駆動電流と前記波長との関係を算出する算出部(125)と、を有し、前記関係に基づいて、前記駆動電流を出力することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、空間内に存在する測定対象ガスの有無や濃度を分析するレーザ式ガス分析計に関する。
レーザ式ガス分析計は、発光部側にて、レーザ素子により、気体状のガス分子である測定対象ガスが吸収する光吸収波長のレーザ光を発光し、測定対象ガスにレーザ光を吸収させ、受光部側にて、その光吸収波長におけるレーザ光の吸収量に基づいて測定対象ガスのガス分析を行う。
レーザ式ガス分析計にあっては、測定対象ガスの吸収線を適切に捉えるために、使用するレーザ光の波長を正確に制御する必要があった。波長は、レーザ素子に印可される電流や温度によって制御されるが、特に、温度を正確に制御することが困難であった。さらに個々のレーザ特性のバラつきもあることから、同条件で装置を製作しても同じ波長で発光するとは限らない問題もあった。
そこで、計測中に測定ガスの吸収ピークを検知することで、制御パラメータをフィードバックし制御する方法もある。ただし、測定ガスが存在しない場合や測定ガスが無いことを計測する装置の場合、同じ方法で波長を制御することはできない問題があった。
特許文献1におけるガス分析装置では、受光素子が所定距離の大気中を通過したレーザ光を受信し、大気中の水分の吸収線の中心電圧を得る。中心電圧設定手段は、水分の吸収線の中心位置に対応するレーザ発振素子の中心電圧を駆動電圧に設置する。この構成により、水分の分析はもちろん、水の吸収のある波長帯の近辺に吸収周波数を持つ物質を含むガス分析を行うことができるとしている。
特開2017-106742号公報 Chen, J., Hangauer, A., Strzoda, R. et al. Tunable diode laser spectroscopy with optimum wavelength scanning. Appl. Phys. B 100, 331-339 (2010). https://doi.org/10.1007/s00340-010-3973-2
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、測定する水分の吸収線はピークが1点だけであり、一点で波長を特定する場合、正確な電流と波長の関係を得ることができない問題があった。そのため、正確なレーザの発光波長を導出することができず、常にレーザ式ガス分析計が求める波長を出力し続けることができなかった。
さらに、ロックイン検出による2f波形を用いてガス濃度を算出するときの波長制御について考察すると、濃度計算に用いる吸収波形が最大となるタイミングは、図11に示すように、瞬間的になる。図11は、ある気体の吸収における波長と吸収強度との関係を示すグラフである。吸収波形が最大となるタイミングでの温度制御限界(A)は、図11では、±0.1pm程度である。このため、レーザのIL(順電流-光出力)特性や駆動電流に依存する波長乱れにより、濃度指示値がふらつくことがあり、これを解決するために複数回波形を掃引し、平均化することで、ふらつきの低減を図ることができる。
例えば、非特許文献1では、波長が一定になるように駆動電流を与えることで、ガス吸収が最大となる時間を長くとって、発光波形を生成している。この方法により、1回の掃引で平均化処理を複数回実施して、ガス濃度指示値のふらつきを低減している。
ただし、レーザの発光波長は、駆動電流及び、レーザ共振器温度に依存している。例えば、図11示すように、半値幅25pm程度の気体の吸収においては、ふらつき精度(B)を1%以内に収める場合、±2pm程度のシビアな波長制御範囲(C)を実現する必要があった。そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであって、レーザ式ガス分析計が求める波長のレーザ光を出力し続けることができ、特に、温度変化が激しい環境下にあっても、安定した波長のレーザ光を出力できるレーザ式ガス分析計を提供することにある。
本発明は、測定対象空間に存在する測定対象ガスのガス分析を行うレーザ式ガス分析計であって、前記測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域のレーザ光を出射するレーザ素子と、前記測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域で波長を掃引し、かつ波長が変調されるように駆動電流を前記レーザ素子に供給する変調光生成部と、前記測定対象空間を通過した前記レーザ光を受光する受光素子と、前記受光素子から出力された検出信号に基づき前記測定対象ガスの分析を行う受光信号処理部と、前記測定対象空間内に存在する気体の吸収波形の複数のピーク点から、前記駆動電流と前記波長との関係を算出する算出部と、を有し、前記関係に基づいて、前記駆動電流を出力すること、を特徴とする。
本発明の一態様は、前記気体は、大気中あるいは測定対象ガス中の水分であることを特徴とする。
本発明の一態様は、前記気体は、前記測定対象ガスの吸収ピークの±1nm以内に吸収ピークをもつことを特徴とする。
本発明の一態様は、前記気体の吸収波形の複数のピーク点を、順次抽出すること、を特徴とする。
本発明の一態様は、前記気体の吸収波形を複数に時分割し、前記区間ごとにピーク抽出を行うこと、を特徴とする。
本発明は、温度変化にもかかわらず、駆動電流と波長との関係を精度よく導出でき、正確なレーザの発光波長を出力することができる。
本実施形態に係るレーザ式ガス分析計の全体構成図である。 本実施形態に係るレーザ式ガス分析計の信号処理のブロック図である。 本実施形態に係る電流と波長の関係の算出を示したフロー図である。 水分吸収の時間と吸収波形(電圧)の関係示した図である。 水分吸収の電流とピーク波長との関係を示した図である。 水分吸収のピーク波長をもとにフィッティングしたレーザダイオードの駆動電流と波長の関係を示した図である。 フィッティングにより推定したレーザダイオードの波長と駆動電流の関係示した図である。 波形取得をピーク順に抽出して、複数のピークを取得する図である。 波形取得を時分割により、複数のピークを取得する図である。 本実施の形態のガス分析計を用いた場合、ガスの波形吸収に関わる波長のみの出力を示した波形図である。 半値幅25pm程度の気体の吸収における波長制御の図である。
以下、本発明の実施の形態に係るレーザ式ガス分析計について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができる。
<レーザ式ガス分析計の全体構成図>
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ式ガス分析計の全体構成図である。図1に示すように、レーザ式ガス分析計1は、発光部10及び受光部20を備えている。
レーザ式ガス分析計1は、測定対象空間に存在する測定対象ガスを分析する。レーザ式ガス分析計1は、発光部10から出射されたレーザ光30が、ガス管を構成する壁50a、50bの内部(測定対象空間)を流通する測定対象ガスに照射される。測定対象ガスを透過したレーザ光30が、受光部20に入射し、検出された光量から特定のガス濃度を求めることができる。また、ガス濃度が0や所定値以下であるならば、ガスが無いことを検出できるものであり、したがって、ガスの有無も検出できる。
発光部10及び受光部20は、ガス管を構成する壁50a、50bに着脱可能に取り付けられる。壁50a、50bは、特定のガスが存在する配管等の壁であり、それぞれに穴が開けられている。フランジ51a、51bは、溶接等によりそれらの穴に固定されている。発光部10及び受光部20に設けられた光軸調整フランジ52a、52bは、これらフランジ51a、51bに対して機械的に着脱可能に取り付けられる。発光部10と受光部20は、壁50a、50bを挟んで、相対する位置に配置されるが、光軸調整フランジ52a、52bにより位置調整することができる。
光軸調整フランジ52aは、レーザ光30の出射角を調整し、また、光軸調整フランジ52bは、レーザ光30の入射角を調整することができる。光軸調整フランジ52a、52bにより、発光部10から出射されるレーザ光30が受光部20において最大の光量で受光される。
[発光部10]
発光部10について説明する。図1に示すように、発光部10は、変調光生成部11と、レーザ素子12と、コリメートレンズ13と、発光部窓板14と、発光部容器15と、光軸調整フランジ52aと、を備えて構成されている。図1に示すように、変調光生成部11、レーザ素子12及びコリメートレンズ13は、発光部容器15の内部に配置されている。発光部容器15は、内蔵された各部品を外気から隔絶して風雨、塵埃、及び、汚れ等から保護する。
変調光生成部11は、測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域で波長が繰り返し掃引され、かつ、変調されるように生成された駆動電流を生成する。そして、変調光生成部11は、変調されたレーザ光を発光するための駆動電流をレーザ素子12に供給する。これにより、ガス濃度分析には、測定対象ガスの吸光特性に応じて、波長変調された変調光を照射することができる。
レーザ素子12は、測定対象ガスが吸収する特定の吸収線スペクトルの中心波長λ1、及び、その周辺の波長で発光する。レーザ素子12は、駆動電流と温度制御により、発光波長を可変制御する。
レーザ素子12は、発光中心波長が測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長λ1となるように温度制御される。また、レーザ素子12から発光されるレーザ光30は、変調光生成部11から供給された駆動電流により、測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長の周辺の波長を時間的に掃引するように制御され、さらに、波長変調分光法(WMS:Wavelength Modulation Spectroscopy)により高感度に測定できるように、適切な正弦波を重畳して変調されている。波長変調分光法は、2f検出法とも呼ばれる。
使用するレーザ素子12は、特に限定されないが、例えば、DFBレーザダイオード(Distributed Feedback Laser Diode)、或いは、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)、又は、DBRレーザダイオード(Distributed Bragg Reflector Laser Diode)である。
コリメートレンズ13は、測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長λ1、及びその周辺の波長において透過率が高い材料で構成される。コリメートレンズ13により、レーザ光30は略平行光に変換され、拡散による損失を抑えながら受光部20まで伝送することができる。
レーザ素子12の発光点は、コリメートレンズ13の焦点付近に配置されている。レーザ素子12からの出射光は、拡散しつつコリメートレンズ13に入射して、略平行光であるレーザ光30に変換される。なお、本実施の形態では、平行光変換部としてコリメートレンズ13を用いるものとして説明するが、コリメートレンズに限定する趣旨ではない。例えば、平行光変換部として、コリメートレンズ13の代わりに放物面鏡を用いることもできる。
略平行光であるレーザ光30は、発光部窓板14を透過し、壁50a、50bの内部、すなわち測定対象ガスを含むガスが存在する空間に伝播する。発光部窓板14は、発光部容器15の一部に穴を開けてそれを塞ぐように備えられている。発光部窓板14は、レーザ光30の光路内にあり、レーザ光30を透過させつつ、特定の測定対象ガスを含むガスが発光部10の内部に進入しないようにする。これにより、発光部容器15の内部に配置された各部品が直接ガスに触れないことになり、発光部容器15内の各部品が保護される。
[受光部20]
受光部20について説明する。受光部20は、受光信号処理部21と、受光素子22と、集光レンズ23と、受光部窓板24と、受光部容器25と、を備えて構成されている。受光部容器25は、内部に受光素子22、光学部品、および、電気電子回路を内蔵し、それらを外気から隔絶して風雨、塵埃、および、汚れ等から保護する。
受光部20は、受光部窓板24を透過したレーザ光30を受光し、測定対象ガスの吸光特性により吸収された光について分析する。受光部窓板24は、受光部容器25の一部に穴を開けてそれを塞ぐように備えられている。受光部窓板24は、レーザ光30の光路内にあり、レーザ光30を透過させつつ、特定の測定対象ガスを含むガスが受光部20の内部に進入しないようにする。これにより、受光部20内に配置された各部品が直接ガスに触れないことになり、内部が保護される。レーザ光30は、集光レンズ23により集光されて、受光素子22に入射する。なお、本実施の形態では、集光レンズ23を用いているが、集光レンズ23に代えて、放物面鏡や、ダブレットレンズ、或いは回折レンズなどを採用することもできる。
受光素子22は、測定対象ガスを通過したレーザ光30を受光する。測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長λ、及びその周辺波長において、感度を有する受光素子を選択することができる。受光素子22からの受光信号は、受光信号処理部21に電気信号として送られる。
集光レンズ23は、測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長λ1、及びその周辺の波長において、透過率が高い材料で構成する。集光レンズ23により、レーザ光30は受光素子22に集光されるため、高い信号強度を得ることができる。
受光信号処理部21は、受光素子22で受光した電気信号を処理して、ガス濃度を算出する。波長変調されたレーザ光30の変調周波数の高調波をロックイン検出し、その検出波形の振幅情報を算出し、高感度なガス検出が可能となっている。
測定対象空間に存在する複数ガスの組成が定まっている場合には、測定対象ガスの吸光によって得られるロックイン検波波長の振幅は波長変調振幅の関数であり、極大値が存在する。したがって、標準ガスを校正する際には、ロックイン検波波形の振幅が極大となるように波長変調振幅を調節して、信号ノイズ比を最大化することができる。
図1に示すように、通信線40は、発光部10と受光部20と接続して、構成されている。発光部10と受光部20間で電気信号により通信する。また、通信線に代えて無線や光通信のような通信部を採用しても良い。
<本実施の形態のレーザ式ガス分析計を構成するブロックの説明>
図2は、本実施形態に係るレーザ式ガス分析計の信号処理のブロック図である。図2を用いて、本実施の形態に係るレーザ式ガス分析計の信号処理について説明する。なお、図2のブロック図では、図1に示すレーザ式ガス分析計1の発光部10及び受光部20のうち、特に、変調光生成部11及び受光信号処理部21を詳しく説明するが、図2に示されていなくても、レーザ式ガス分析計1が通常備える構成については備えているものとする。
図2に示すように、発光部10は、レーザ素子12及び変調光生成部11を備え、変調光生成部11は、波長掃引・変調電流設定部113を備えて構成されている。
波長掃引・変調電流設定部113は、レーザ素子12の発光するレーザ光30の波長が測定対象ガスの吸収線スペクトルの中心波長λ1の吸収線付近で掃引されるように、かつ、所定信号で変調されるように、レーザ素子12の駆動電流を制御する。また、後述するように、波長掃引・変調電流設定部113では、受光部20が必要とする発光部10の情報を光変調信号として生成する。
受光部20は、受光素子22及び受光信号処理部21を備えて構成され、受光信号処理部21は、IV変換回路122、検波部123、ガス濃度演算補正部124、及び算出部125、を備える。
受光素子22は、レーザ光30の波長に感度を有する素子であり、受光素子22には、例えばフォトダイオードなど、レーザ光30の波長や信号強度により適宜、選ぶことができる。
IV変換回路122は、受光素子22からの電流信号を電圧信号に変換する回路である。例えば、受光素子22がフォトダイオードであれば、フォトダイオードからの電流を電圧に変換しつつ増幅するトランスインピーダンスアンプを選ぶことができる。ここでは、レーザ光30が最も減衰されない条件、すなわち光路上にダストなどが存在しない条件において、信号が飽和しない程度に、適宜、図示しない増幅回路により増幅を行っても良い。
検波部123は、ガス吸収測定における各種処理を行う。図示しないが、検波部123には、各種フィルタ、増幅回路、及びロックイン検出部などが設けられる。ロックイン検出は、受光素子22から出力された検出信号に含まれる波長掃引・変調電流設定部113における変調周波数を基準として整数倍(例えば、2倍)の周波数で位相検波を行う。ロックイン検出されたロックイン検波信号は、AD変換器に送られてアナログデジタル変換され、ガス濃度演算補正部124にて、測定対象ガスのガス濃度とロックイン検出波形の振幅の対応関係(比例関係など)に基づいて、ガス濃度が演算される。
算出部125は、受光素子22から出力された検出信号に基づいて、測定対象空間内に存在する気体の吸収波形の複数のピーク点から、駆動電流と波長との関係を算出する。この時、気体の吸収ピーク点は、ガス吸収の時間と吸収波形(電圧出力)の関係から複数のピークを抽出できる。
本実施の形態における、駆動電流と変調される波長の関係を算出に用いる気体は、特に限定はしないが、測定対象ガスの吸収ピーク近傍に吸収ピークがあることが好ましく、例えば±1nm以内に吸収ピークがあることが好ましい。また、測定対象ガスを含まない大気中の水分(水蒸気)であったり、測定対象ガス中に含まれる水分(水蒸気)であることが好ましい。このように、本実施の形態における測定対象空間内に存在する水分は、液体の水が気体になったものである。
<本実施の形態に至る経緯>
レーザ式ガス分析計1で使用するレーザは、波長を正確に制御する必要があるが、電流及び温度によって波長を制御する必要があるところ、温度制御が困難であった。このため、発光部内部の温度変化は、掃引する波長制御に影響を与え、掃引する波長のずれを誘発してしまう。例えば、波長のずれが生じたとき検波部123より出力される検波波形が小さくなる場合、このような検波波形の変化が、ガス濃度が低下したことによるものか、温度変化によるふらつきなのか判断することが難しい。その結果、計測精度が低下する問題となった。
そこで本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、測定対象空間内に存在する気体の吸収波形の複数のピーク点から、駆動電流と前記波長との関係を算出し、駆動電流を制御することで、温度変化によらず、波長制御を正確に行えることができるレーザ式ガス分析計を発明するに至った。
このように、本実施の形態では、温度変化にもかかわらず、駆動電流と波長との関係を精度よく導出でき、正確なレーザの発光波長を出力することができる。この結果、測定対象ガスが存在しない環境であっても、波長を見失うことなく濃度を計測し続けることができる。また、正確な波長の電流値の導出は、シビアな発光部による波長制御を実現できる。温度変化が激しい環境であっても安定した波長の光線を出力し続けることができる。
本実施の形態に係る駆動電流と波長の関係を算出について、図3の算出フローを用いて説明する。
[駆動電流と波長の関係を算出フロー]
図3は、本実施形態に係る電流と波長の関係の算出を示したフロー図である。
図3のステップS01では、波長掃引・変調電流設定部113が、測定対象ガスの吸収を持つ波長前後で水分の吸収が含まれる帯域まで範囲を広げて波長掃引し、レーザ素子12がレーザ光30を出射する。
レーザ光30は受光素子22に受光され、図2に示す算出部125が、例えば、一回の掃引の中で、測定対象空間内に存在する大気中の水分の吸収波形の複数のピーク点を抽出し、取得する(ステップS02)。
さらに、算出部125は、ステップS02で得られた複数のピークを用いて、水分波形のピーク値となる電流値と既知の水分の吸収波長の関係から、レーザの駆動電流と波長の関係を求める(ステップS03)。
さらに、算出部125が、レーザの駆動電流と波長の関係を、取得した複数の電流値と波長との関係から、2次関数でフィッティングし、駆動電流と波長の関係式を導出する(ステップS04)。ステップS05に至る前に、再度の算出が必要な場合は、S01に戻る。
再度の算出が必要ない場合は、ステップ04で導出した関係式に基づいて、求める波長に対する駆動電流値を導き出して、波長掃引・変調電流設定部113が、該駆動電流値により、測定対象ガスに応じたレーザ波長を掃引し、レーザ素子12がレーザ光30を出射する(ステップS05)。これにより、レーザ波長のずれを抑制でき発光できる。
[駆動電流と波長の関係の算出方法の具体例]
以下では、測定対象ガスをアンモニアとして説明する。ただし、測定対象ガスは、アンモニアに限定されるものではなく、目的や測定対象に応じて変更することができる。
図4は、水分吸収の時間と吸収波形(電圧)の関係を示した図である。図4では、駆動電流を、アンモニアの吸収が存在する1500nm近傍の波長付近で掃引した際の測定空間を通過する時間と受光電圧の関係(掃引結果)を示している(図3のステップS01)。図4に示すように、測定空間内に存在する大気中の水分波形が3つのピークとして現れる。アンモニアの吸収線の近辺において、例えば、水分は、1512.9nm、1513.2nm、1513.5nmで吸収をもつことが知られているため、水分波形のピークが表れていると推定できる。これにより、水分波形の複数のピークを抽出できる(図3のステップS02)。
図4では、3点のピークを含む波長範囲を掃引し、各ピークを取得しているが、算出に用いるピークの個数は複数点以上であれば、特に限定されない。正確な波長の電流値の導出できることから、算出に用いるピークの個数は、2点以上が好ましく、3点以上がより好ましい。
図5は、水分吸収における電流とピーク波長との関係を示した図である。水分波形のピーク値となる電流値と既知の水分の吸収波長の関係から、図4で表される3点の各ピークを、図5のように、電流とピーク波長との関係にプロットし直した(図3のステップS03)。このプロットを用いて、レーザの駆動電流と波長の関係を導出する。
図6は、水分吸収のピーク波長をもとにフィッティングしたレーザダイオードの駆動電流と波長の関係を示した図である。図6は、図5で示したピーク点を2次関数でフィッティングした(図3のステップS04)。
図7は、図6の軸を反転させたグラフであり、この関係を用いて、必要な波長(吸収波長)の出力が可能となる(図3のステップS05)。
以上により本実施の形態に係るガス分析計1を用いることで、測定対象空間内に存在する水分の吸収波形の複数のピーク点から、駆動電流と波長との関係を算出し、正確な波長の電流値の導出が可能となり、正確な波長制御を実現できる。
このように、実施の形態に係るガス分析計1を用いることで、常にレーザは求める波長を出力し続けることができ、この結果、測定対象ガスが存在しない環境であっても、波長を見失うことなく濃度を計測し続けることができる。また、正確な波長の電流値の導出が可能となり、シビアな発光部による波長制御を実現できる。温度変化が激しい環境であっても安定した波長の光線を出力し続けることができる。また、本実施の形態では、大気中の水分を利用して、短周期で校正を行うことで、レーザの発光波長を高い頻度で補正でき、正確なガス濃度測定を行うことができる。
[ピーク抽出の方法]
図8は、複数のピークを含む波長範囲を掃引し、ピークを分割取得するときの概念図である。複数のピークを同時に取得しようとする場合、水分波形でないピークも誤って出力してしまうことがある。
そこで、水分波形のピークを一つずつ順次抽出するアルゴリズムを提供する。例えば、図8に示すように、時間(a1)の範囲内から水分波形のうち局所的最大値を有する第1のピーク(I)を抽出する。次に、第1のピーク点(I)を起点として、時間と吸収強度の関係を再出力し、時間(a2)の範囲内から水分波形のうち、第1のピーク(I)に近い第2のピーク(II)を抽出し、同様に時間(a3)の範囲内から水分波形のうち、第2のピーク(II)に近い第3のピーク(III)を抽出する。この構成により、ピーク数は問わず、複数のピークを順番に抽出することで、誤りを減少することができる。なお、複数のピークを順次抽出することができれば、図8の方法に限定されるものではない。
図9は、波形取得を時分割によりピークを抽出して、ピークを分割取得する図である。長い区間を掃引すると、ピーク幅が狭くなるため、抽出が困難になる。そこでピーク数に合わせ、波形を複数に分割することで、波形を抽出しやすくすることができる。例えば、図9のように時間あたり数mA間隔の区間(b1~b12)に分割してピーク抽出してもよい。
図9において、時間あたりの間隔は、特に限定はしないが、例えば、水分の吸収波形の変化が見えることが望ましく、0.01nm/mA程度の特性を持つレーザの場合には、10mA程度変化させることがより好ましい。
図10は、本実施の形態のガス分析計を用いた場合、ガスの波形吸収に関わる波長のみの出力を示した波形図である。本実施の形態のガス分析計に取得した正確な波長を用いて、検波部123で取得した測定対象ガスの検出信号において、必要とする同一波長の部分を抽出することができる。例えば、図10は、検波部123で取得した測定対象ガスの時間の検出信号において、同一波長出力(c1)の信号部分のみを抽出することが可能となる。
同一波長出力(c1)の信号部分のみを抽出することにより、発光部による波長制御の精度を上げることができ、高精度なガス分析が可能となる。これにより、濃度指示ふらつきを低く抑えることができる。
上記では、大気中の水分波形のピークを複数取得して、駆動電流と波長との関係を算出したが、水分以外の大気中または雰囲気中に存在する気体(例えば、酸素など)の吸収を利用してもよい。なお、「気体」には測定対象ガスを含まない。また、「気体」は、測定対象ガスの吸収ピーク近傍に吸収ピークがあることが好ましく、例えば±1nm以内に吸収ピークがあることが好ましい。
本発明のレーザ式ガス分析計は、ボイラ、ゴミ焼却等の燃焼排ガス測定用、燃焼制御用として最適である。その他、鉄鋼用ガス分析[高炉、転炉、熱処理炉、焼結(ペレット設備)、コークス炉]、青果貯蔵および熟成、生化学(微生物)[発酵]、大気汚染[焼却炉、排煙脱硫・脱硝]、自動車・船等の内燃機関の排ガス(除テスタ)、防災[爆発性ガス検知、有毒ガス検知、新建築材燃焼ガス分析]、植物育成用、化学用分析[石油精製プラント、石油化学プラント、ガス発生プラント]、環境用[着地濃度、トンネル内濃度、駐車場、ビル管理]、理化学各種実験用などの分析計としても有用である。
1 レーザ式ガス分析計
10 発光部
11 変調光生成部
12 レーザ素子
13 コリメートレンズ
14 発光部窓板
15 発光部容器
20 受光部
21 受光信号処理部
22 受光素子
23 集光レンズ
24 受光部窓板
25 受光部容器
30 レーザ光
40 通信線
50a、50b 壁
51a、51b フランジ
52a、52b 光軸調整フランジ
113 波長掃引・変調電流設定部
122 IV変換回路
123 検波部
124 ガス濃度演算補正部
125 算出部


Claims (5)

  1. 測定対象空間に存在する測定対象ガスのガス分析を行うレーザ式ガス分析計であって、
    前記測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域のレーザ光を出射するレーザ素子と、
    前記測定対象ガスの吸収線スペクトルの光吸収波長を含む波長帯域で波長を掃引し、かつ波長が変調されるように駆動電流を前記レーザ素子に供給する変調光生成部と、
    前記測定対象空間を通過した前記レーザ光を受光する受光素子と、
    前記受光素子から出力された検出信号に基づき前記測定対象ガスの分析を行う受光信号処理部と、
    前記測定対象空間内に存在する気体の吸収波形の複数のピーク点から、前記駆動電流と前記波長との関係を算出する算出部と、を有し、
    前記関係に基づいて、前記駆動電流を出力することを特徴とするレーザ式ガス分析計。
  2. 前記気体は、大気中あるいは測定対象ガス中の水分であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ式ガス分析計。
  3. 前記気体は、前記測定対象ガスの吸収ピークの±1nm以内に吸収ピークをもつことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザ式ガス分析計。
  4. 前記気体の吸収波形の複数のピーク点を、順次抽出する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザ式ガス分析計。
  5. 前記気体の吸収波形を複数に時分割し、各区間ごとにピーク抽出を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザ式ガス分析計。

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