JP7215610B2 - 導光板、面光源装置、表示装置、導光板の製造方法 - Google Patents

導光板、面光源装置、表示装置、導光板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、導光板、面光源装置、表示装置、導光板の製造方法に関するものである。
従来、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示部を面光源装置によって照明し、映像を表示する表示装置が知られている。
面光源装置は、大きく分けて、各種光学シート等の光学部材の直下に光源を配置する直下型のものと、光学部材の側面側に光源が配置されるエッジライト型のものがある。このうち、エッジライト型の面光源装置は、光源を導光板等の光学部材の側面側に配置することから、直下型のものに比べて面光源装置をより薄型化できるという利点を有し、近年広く用いられている。
一般的に、エッジライト型の面光源装置では、導光板の側面である入光面に対面する位置に光源が配置されており、光源が発する光は、入光面から導光板に入射し、出光面とこれに対向する背面とで反射を繰り返しながら、入光面からそれに対向する対向面側へ、入光面に直交する方向(導光方向)に進む。
そして、導光板に設けられた凹凸形状等によって光の進行方向を変化させることにより、出光面の導光方向に沿った各位置から少しずつ光がLCDパネル側へ出光していく(例えば、特許文献1)。
このような導光板の一部は、樹脂を押し出して成形する押出成形法によって製造される場合があるが、その場合、入光面から入射した光の光漏れが発生し、出光面において輝線が視認されてしまう、いわゆる輝度ムラが生じてしまう場合があった。
特開2009-217283号公報
本発明の課題は、輝度ムラの発生を抑制することができる導光板、面光源装置、表示装置、及び、導光板の製造方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、光が入射する入光面(12a)と、前記入光面に交差し光が出射する出光面(12c)と、前記入光面に対向する対向面(12b)とを有し、前記入光面から入射した光を前記対向面側に導光しながら前記出光面から出射させる導光板(12)であって、前記入光面に垂直な方向における屈折率Nxは、前記出光面に平行であり、かつ、前記入光面に平行な方向における屈折率Nyより大きく、前記出光面には、前記入光面に垂直な方向に凸部(13a)と凹部(13b)とが交互に形成された凹凸部(13)が形成され、前記凹部の深さは、0.1μm以上3.0μm以下であり、前記凹部の底幅及び前記凸部の頂部幅は、1μm以上30μm以下であること、を特徴とする導光板である。
第2の発明は、光が入射する入光面と、前記入光面に交差し光が出射する出光面と、前記入光面に対向する対向面とを有し、前記入光面から入射した光を前記対向面側に導光しながら前記出光面から出射させる導光板であって、前記入光面に垂直な方向における屈折率Nxは、前記出光面に平行であり、かつ、前記入光面に平行な方向における屈折率Nyより大きく、前記出光面には、凸部と凹部とが交互に形成された凹凸部が形成され、前記凹凸部は、当該導光板の幅方向に対して斜めに伸びる形態、複数の錐状の凸部が平面視で縦横に配置されるような二次元的な形状を有する形態、複数の凸部が平面視でドット状に配置される形態のいずれかにより形成されること、を特徴とする導光板である。
第3の発明は、光が入射する入光面と、前記入光面に交差し光が出射する出光面と、前記出光面に対向する背面と、前記入光面に対向する対向面とを有し、前記入光面から入射した光を前記対向面側に導光しながら前記出光面から出射させる導光板であって、前記入光面に垂直な方向における屈折率Nxは、前記出光面に平行であり、かつ、前記入光面に平行な方向における屈折率Nyより大きく、当該導光板の前記出光面から前記背面までの距離は、0.1mm以上1.0mm以下であること、を特徴とする導光板である。
第4の発明は、第3の発明の導光板において、前記屈折率Nx及び前記屈折率Nyの屈折率差が0.002以上であること、を特徴とする導光板である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの導光板(12)と、前記導光板の前記入光面(12a)に対面する位置に設けられ、前記入光面へ光を投射する光源部(11)と、を備える面光源装置(10)である。
第6の発明は、第5の発明の面光源装置(10)と、前記面光源装置に設けられる前記導光板(12)の前記出光面(12c)側に配置される表示部(2)と、を備える表示装置(1)である。
第7の発明は、第6の発明の表示装置(1)において、前記表示部(2)は、反射型の表示部であること、を特徴とする表示装置である。
第8の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの導光板(12)を押し出し成形法によって製造する導光板の製造方法において、前記導光板を形成する樹脂を、前記導光板の形状に対応する凹凸形状部(73)を有する成形版(70)に押し出す樹脂押出工程と、前記樹脂押出工程によって押し出された前記樹脂を搬送しながら前記成形版に押圧し、前記導光板を成形する導光板成形工程を備え、前記成形版は、前記凹凸形状部の前記入光面(12a)に対応する面(73a)が前記樹脂の搬送方向(S)に直交するようにして配置されること、を特徴とする導光板の製造方法である。
本発明によれば、輝度ムラの発生を抑制することができる。
表示装置1を説明する模式図である。 導光板12を説明する図である。 導光板12の製造に用いられる賦形シートの詳細を説明する図である。 導光板12の製造方法を説明する図である。 実施例及び比較例の導光板に入射させた光の出光面における出光状態を示す写真である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、本実施形態に限定されるものではない。なお、実施形態の説明に用いる図面において、部材の大きさ、比率等は、必要に応じて変更又は誇張されている。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面(板面,フィルム面)とは、各シート(板,フィルム)において、そのシート(板,フィルム)全体として見たときにおける、シート(板,フィルム)の平面方向となる面を示すものであるとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の表示装置1を説明する図である。
図2は、本実施形態の導光板12を説明する図である。図2(a)は、出光面12c側から見た導光板12の平面図であり、図2(b)は、図2(a)のb部における部分断面図である。
なお、図1を含め以下の図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、表示装置1の使用状態において、表示装置1の画面に平行であって互いに直交する2方向のうち導光板12の入光面12aに直交する方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向とする。また、表示装置1の画面に直交する方向(厚み方向)をZ方向とする。なお、厚み方向(Z方向)のうち+Z側を観察者側とし、-Z側を裏面側とする。
本実施形態の表示装置1は、LCDパネル2と面光源装置10とを備えている。表示装置1は、LCDパネル2を観察者側から面光源装置10で照明し、LCDパネル2に形成される映像情報を表示する。
本実施形態の表示装置1の画面は、面光源装置10の最も+Z側(観察者側)の面(以下、表示面という)10aに相当し、表示装置1の「正面方向」とは、この表示面10aの法線方向であり、Z方向に平行であり、後述する導光板12の板面等の法線方向と一致するものとする。
LCDパネル2は、液晶表示素子により形成され、その表示面に映像情報を形成する反射型の表示部である。このLCDパネル2は、略平板状に形成されている。LCDパネル2の外形は、Z方向から見て矩形形状であり、X方向に平行な対向する2辺と、Y方向に平行な対向する2辺とを有している。
面光源装置10は、LCDパネル2を観察者側(+Z側)から照明する装置であり、光源部11、導光板12等を備えている。この面光源装置10は、エッジライト型の面光源装置(フロントライト)である。
光源部11は、LCDパネル2を照明する光を発する部分である。この光源部11は、導光板12のX方向の一方(+X側)の端面である入光面12a(後述する)に対面する位置に、Y方向に沿って配置されている。
光源部11は、点光源がY方向に所定の間隔で複数配列されて形成されている。この点光源は、LED(Light Emitting Diode)光源を用いている。なお、光源部11は、例えば、冷陰極管等の線光源としてもよいし、Y方向に延在するライトガイドの端面に光源を配置した形態としてもよい。
また、光源部11の発する光の利用効率を向上させる観点から、光源部11の外側を覆うように不図示の反射板を設けてもよい。
面光源装置10を構成する導光板12は、正面方向(Z方向)から見て矩形形状であり、X方向に平行な対向する2辺と、Y方向に平行な対向する2辺とを有している。
導光板12は、光を導光する略平板状の部材であり、光源部11から出射した光を入光面12aに入射し、導光板12内を導光させた上で、出光面12cから出射する。
本実施形態では、互いに対向する入光面12a及び対向面12bは、導光板12のX方向の両端部(+X側端部、-X側端部)に位置し、板面の法線方向(Z方向)から見てY方向に平行に延在する2辺である。
また、互いに対向する出光面12c及び背面12dは、導光板12のZ方向の両端部(-Z側端部、+Z側端部)に位置している。導光板12の板面は、XY面に平行であり、表示装置1の表示面10aとなる背面12dは、この板面に平行な面である。
互いに対向する第1側面12e及び第2側面12fは、導光板12のY方向の両端部(-Y側端部、+Y側端部)に位置し、板面の法線方向(Z方向)から見てX方向に平行に延在する2辺である。
この導光板12は、光源部11から発する光を入光面12aから入射させ、出光面12cと背面12dとで全反射させながら、入光面12aに対向する対向面12b側(X2側)へ、主としてX方向に導光しながら、出光面12cからLCDパネル2側(-Z側)へ適宜出射させる。
本実施形態の導光板12は、厚み方向(Z方向)から見た形状が長方形状に形成されており、より多くの光を導光する観点から、厚み方向に平行な面のうち、長手方向(Y方向)に平行な面を入光面12a及び対向面12bとしている。
本実施形態において、導光板12の出光面12cには、図2に示すように、入光面12aに垂直な方向(X方向)に交互に形成された微小な凹凸により構成される凹凸部13が形成されている。これにより、導光板12内に導光される光を適宜、出光面12cから出光させることができる。
凹凸部13は、図2(b)に示すように、導光板12のY方向に延在し、X方向に交互に形成された矩形断面の凸部13aと、矩形断面の凹部13bとから構成される。凹凸部13を構成する凹凸は、微細に形成されており、例えば、凹部13bの深さは0.1μm以上3.0μm以下程度である。また、凹部13bの底幅及び凸部13aの頂部幅は、1μm以上30μm以下程度である。
なお、凹凸部13の形状は上述の例に限られることなく、他の形態が適用されたり、複数の態様が複合して用いられたりしてもよい。
他の形態の凹凸部としては、例えば、所定の断面を有して導光板12の幅方向(Y方向)に対して斜めになるように延びる形態、複数の錐状の凸部が平面視で縦横に配置されるような二次元的な形状を有する形態、複数の凸部が平面視でドット状に配置される形態等が挙げられる。
導光板12は、種々の材料により形成することができる。例えば、脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体、メタクリル酸メチル-スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂のほか、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート系の反応性樹脂等を挙げることができる。これらは、導光板等の光学部材用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性及び加工性等を有するとともに、安価に入手可能である。
ここで、本実施形態の導光板12は、入光面12aに垂直な方向(X方向、入光面12aから対向面12bに向かう方向)における屈折率Nxが、出光面12cに平行であり、かつ、入光面12aに平行な幅方向(Y方向、第1側面12eから第2側面12fに向かう方向)における屈折率Nyよりも大きく(Nx>Ny)なるように形成されている。これにより、本実施形態の導光板12は、入光面12aから入光し、導光板12内に導光される光を出光面から均一に出光させることができる。
仮に、入光面12aに垂直な方向における屈折率Nxが、幅方向の屈折率Nyよりも小さい場合(Nx<Ny)、入光面から入射した光の光漏れが発生してしまう場合があり、その場合、出光面において輝線が視認され輝度ムラが生じるため、望ましくない。
これは、入光面に垂直なX方向(導光方向)の屈折率(Nx)が、Y方向の屈折率(Ny)に比して低い場合(Nx<Ny)、入射面から入射した光が導光方向(X方向)に進み易くなる傾向になり、光がX方向に集まりすぎて輝線として視認され易くなるものと考えられる。一方、X方向(導光方向)の屈折率が、Y方向の屈折率に比して高い場合(Nx>Ny)、入射面から入射した光の一部がX方向と交差する方向へ分散して進み、X方向に光が集まりすぎてしまうのが抑制されるので、輝線の発生が抑制されているものと考えられる。
本実施形態の導光板12は、光学異方性を有するポリカーボネート樹脂により形成されており、入光面12aに垂直な方向の屈折率Nxが1.59であり、第1側面12eに垂直な方向の屈折率Nyが1.58である。
ここで、導光板12は、本実施形態の表示装置1のように、フロントライトとして用いられる場合に特に有効である。
バックライトに用いられる導光板は、導光板の出光面上に、LCDパネルだけでなく、拡散板や、プリズムシート等が配置されるため、導光板の出光面に上述の輝線が生じたとしても、拡散板等によって目立ちにくくなる場合がある。これに対して、フロントライトに用いられる導光板12は、導光板の背面12dが、そのまま表示装置1の表示面10aとなるため、輝線が生じた場合に、視認される可能性が非常に高くなる。そのため、本実施形態の表示装置1のように、Nx>Nyを満たす導光板12を面光源装置10に設けることによって、上述の輝線が視認されてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態の表示装置1は、上述したように反射型のLCDパネル2を備えているので、LCDパネル2への外光等の入射光量が十分である場合は、面光源装置10に設けられた光源部11は消灯した状態で使用される。一方、LCDパネル2への入射光量が不十分であり、表示面10aに表示される画像が暗くなってしまう場合には、表示装置1は、光源部11を発光させた状態で使用される。
そのため、表示装置1が比較的明るい場所に配置されることが予定されている場合、光源部11は、点灯する時間が非常に短くなるため、表示装置1の低コスト化や、消費電力低減の観点等から、光源部11で使用する点光源の数を減らす場合がある。このような場合において、導光方向(X方向)の屈折率が、Y方向に比して低いとき(Nx<Ny)、点光源の間隔が広くなってしまうことから、より顕著に輝線が視認される恐れがあるが、本実施形態のように、導光方向(X方向)の屈折率をY方向に比して高く(Nx>Ny)することによって、このような場合においても輝線が視認されてしまうのを抑制することができる。
導光板12の厚み(導光板の厚み方向における出光面12c(凸部の頂部)から背面12dまでの距離)は、0.1mm~1.0mmであることが望ましい。仮に、導光板12の厚みが、0.1mm以下である場合、導光板内を導光する光の反射回数が多くなりすぎてしまい、また、1.0mm以上である場合、導光板内を導光する光の反射回数が少なくなりすぎてしまうため、いずれの場合も、導光板の出光面から光を均一に出光させ難くなるため望ましくない。なお、本実施形態の導光板12の厚みは、例えば、0.4mmである。
また、導光板12の屈折率Nx及び屈折率Nyの屈折率差(Nx-Ny)は、上述の輝線が視認されてしまうのをより効果的に抑制する観点から、0.002以上が望ましく、0.005以上がより望ましく、0.01以上であることが更に望ましい。ここで、この屈折率差は、導光板の厚みに応じて変動する、より具体的には、導光板の厚みが薄くなると屈折率差が小さくなる傾向になるため、導光板12の厚みが上述の好ましい範囲の下限値である0.1mmである場合、屈折率差は、0.002以上であることが望ましい。
(導光板12の製造方法について)
ここで、導光板12の製造方法の説明の前に、導光板12の成形に使用する賦形シート70について説明する。
図3は、導光板12の成形に使用する賦形シート70を説明する図である。
賦形シート70は、図3に示すように、基材部71及び成形層72が積層された長尺状の可撓性を有する樹脂により形成された成形版であり、導光板12の製造前においては巻き取られている。
基材部71は、賦形シート70の基礎となる基材であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成されている。
なお、PET樹脂の他、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂、メタクリル酸メチル・ブタジエン・スチレン(MBS)樹脂、メタクリル酸メチル・スチレン(MS)樹脂、アクリル・スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂等の透明樹脂を用いることも可能である。
成形層72は、基材部71側とは反対側の面(表面)に導光板12の凹凸部13に対応する凹凸形状部73が形成された層である。成形層72は、例えば、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化樹脂により形成されている。なお、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化樹脂の他、例えば、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート等の紫外線硬化樹脂を用いることも可能である。また、上述の紫外線硬化樹脂の他、エネルギー線硬化樹脂として、電子線硬化樹脂を用いることも可能である。
成形層72に設けられる凹凸形状部73は、導光板12を複数枚、同時に成形するために、成形層72の表面上に、複数配列して設けられている。本実施形態では、長尺状の賦形シート70の短辺に平行な方向に3列、長辺に平行な方向に複数段に渡って凹凸形状部73が形成されている。
次に、導光板12の押出成形による製造方法について説明する。
図4は、導光板12の製造方法を説明する図である。
まず、図4に示すように、巻き取られた賦形シート70を巻き出して、第1ロール81と、この第1ロール81に対して所定の間隙を有して配置される第2ロール82との間に順次搬送する。ここで、賦形シート70の搬送方向Sは、賦形シート70の短辺に垂直な方向に平行な方向である。
それから、賦形シート70の凹凸形状部73が形成された側の面と第2ロール82との間に、溶融した熱可塑性樹脂組成物85(導光板を形成する樹脂)をノズル86から押し出す(樹脂押出工程)。
次に、押し出された熱可塑性樹脂組成物85を賦形シート70とともに搬送しながら、第1ロール81及び第2ロール82間に挟み込んで押圧し、導光板12を成形する(導光板成形工程)。これにより、熱可塑性樹脂組成物85は、賦形シート70の成形層72(図3参照)の表面に設けられた凹凸形状部73内に充填され、第2ロール82及び大気(外気、製造装置の作業環境等)で冷却されることにより硬化し、賦形シート70の凹凸形状部73に沿った形状となる。
そして、熱可塑性樹脂組成物85は、第3ロール83及び第4ロール84を経て更に冷却され、最終的に形状が固定される。これにより、導光板12が縦横に多面付けされた導光板多面付けシート10’を得ることができる。
次に、剥離ロール87により、導光板多面付けシート10’を賦形シート70から離型する。
最後に、導光板多面付けシート10’に対して、打ち抜き、切断等の加工を施すことにより、個片化された複数の導光板12(図2(a)参照)を得ることができる。
ここで、本発明の発明者は、鋭意研究を重ねた結果、ノズル86から押し出された熱可塑性樹脂組成物85が搬送方向Sに延伸されているため、その搬送方向Sにおける屈折率が、搬送方向Sに垂直な方向の屈折率よりも高くなる傾向となることを発見した。
そこで、本実施形態では、賦形シート70に設けられる各凹凸形状部73は、図3に示すように、導光板12の入光面12a(導光板12の長手方向に平行な面)に対応する面73aが、賦形シート70の短辺w1と平行になるようにして形成されている。すなわち、賦形シート70に設けられる各凹凸形状部73は、導光板12の入光面12aに対応する面73aが、賦形シート70の搬送方向Sに直交するようにして成形層72上に配置されている。
そのため、ノズル86から押し出された熱可塑性樹脂組成物85は、凹凸形状部73の導光板12の入光面12aとなる面73aに垂直な方向に延伸されることとなる。これにより、作製された導光板多面付けシート10’(導光板12)は、導光板12の入光面12aに垂直な方向(導光方向)の屈折率Nxが、第1側面12eに垂直な方向の屈折率Nyよりも高くなるようにして形成されることとなる。
以上により、屈折率Nx>屈折率Nyを満たす導光板12が製造される。なお、屈折率Nx及び屈折率Nyの屈折率差の調整は、ノズル86から押し出される熱可塑性樹脂組成物85の樹脂温度や冷却温度、賦形シート70の搬送速度、搬送方向Sにおけるテンション(張力)等を適宜調整することによって行うことができる。
従来、導光板は、例えば、特開平10-142601等の公開特許公報に記載されているように、射出成型等により製造されていたため、本実施形態の導光板12のように、Nx>Nyを満たす導光板を製造することができなかった。また、光学異方性を有する樹脂フィルムの一方の面に凹凸部13を加工することによって、Nx>Nyを満たす導光板12を製造することも可能だが、この場合、所望の凹凸部を精度よく加工するのが非常に困難な場合があり、それに伴い製造コストも増大してしまう可能性があった。これに対して、上述のように賦形シート70を使用して、押出成形法を用いることにより、Nx>Nyを満たす導光板12をより容易に、より安価に製造することができる。
(輝度ムラの評価について)
次に、導光板の入光面に垂直な方向における屈折率及び各側面に垂直な方向における屈折率と、導光板の出光面における輝度ムラの発生との関係の評価結果について説明する。
図5は、実施例及び比較例の導光板に入射させた光の出光面における出光状態を示す写真である。図5(a)は、実施例の導光板の出光面に垂直な方向から撮影した写真であり、図5(b)は、実施例の導光板の出光面に対して45度傾斜した方向から撮影した写真である。また、図5(c)は、比較例の導光板の出光面に垂直な方向から撮影した写真であり、図5(d)は、比較例の導光板の出光面に対して45度傾斜した方向から撮影した写真である。
評価に使用した実施例の導光板は、上述の実施形態の導光板12と同様に形成されており、ポリカーボネート樹脂により形成されている。実施例の導光板は、入光面に垂直な方向(導光方向)の屈折率Nxが1.59であり、第1側面から第2側面に向かう方向(各側面に垂直な方向)の屈折率Nyが1.58であり、屈折率Nxが、屈折率Nyよりも大きくなる(Nx>Ny)ように構成されている。
比較例の導光板は、ポリカーボネート樹脂により形成されており、入光面に垂直な方向(導光方向)の屈折率Nxが1.58であり、第1側面から第2側面に向かう方向(各側面に垂直な方向)の屈折率Nyが1.59であり、屈折率Nxが、屈折率Nyよりも小さくなる(Nx<Ny)ように構成されている。
ここで、各導光板の屈折率Nx、Nyは、王子計測機器株式会社製のKOBRAシリーズの測定装置(KOBRA-WR)を用いて測定した。屈折率の測定に用いた実施例、比較例の導光板は、ともに出光面に凹凸部が設けられていない平板状の試料を使用した。
上述の測定装置は、光源部、ポラライザ(偏光子)、アナライザ(検光子)、受光部が順に配置されており、偏光子及び検光子間に試料の配置ステージが設けられている。上述の各試料を、配置ステージに配置して、光源部から単一波長光束を照射し、偏光子及び検光子を平行ニコルに保ちながら試料を光線軸回りに一回転させたときの、透過光強度の角度依存性から試料の位相差と配向角を求め、X方向及びY方向の屈折率が求められる。ここで、光源部から照射される光束には、波長が590nmの光束を用いた。
図5(c)及び図5(d)に示すように、比較例の導光板は、入光面から入射した光の光漏れが、出光面において輝線として視認されてしまうのが確認された。
これに対して、実施例の導光板は、図5(a)及び図5(b)に示すように、入光面から入射した光の光漏れを極力抑制し、出光面において輝線が視認されてしまうのを大幅に抑制し、光を均一に出光していることが確認された。
以上より、本実施形態の導光板12は、入光面12aから対向面12bに向かう方向(入光面12aに垂直な方向)における屈折率Nxが、第1側面12eから第2側面12fに向かう方向(各側面に垂直な方向)における屈折率Nyよりも大きく(Nx>Ny)なるように形成されている。これにより、導光板12は、出光面12cから出光する光に輝度ムラが生じてしまうのを抑制することができ、導光した光を出光面12cから均一に出光させることができる。
また、本実施形態の導光板12の製造方法は、賦形シート70の凹凸形状部73の導光板12の入光面12aに対応する面73aが、樹脂の搬送方向Sに直交するようにして配置されているので、屈折率Nx>屈折率Nyを満たす導光板12を容易に製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)上述の実施形態において、導光板12は、表示装置のフロントライトに用いられる例を説明したが、これに限定されるものでなく、透過型表示装置のバックライトに用いられるようにしてもよい。この場合、LCDパネルは、裏面側から光を透過する透過型である必要がある。また、LCDパネルと導光板との間にプリズムシートや、光拡散シート等の光制御シートを設けるようにしてもよい。
(2)上述の実施形態において、導光板12は、巻き出された賦形シート70により成形される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、賦形シートを用いる代わりに、円柱状の周側面に凹凸形状部が形成されたロール版を用いて製造されるようにしてもよい。
(3)上述の実施形態において、表示装置1の表示面10aは、導光板12の背面12dである例を示したが、これに限定されるものでなく、導光板12の背面12dに、導光板の傷付き抑制のための透明な保護シートを貼付し、その保護シートの表面を表示面としてもよい。
この場合、導光板12の背面12dと保護シートとを接合する接合層には、導光板12内における光の全反射を効率よく行う観点から、導光板12に使用される材料よりも屈折率が低い材料を適用するのが望ましい。上述の実施形態のように導光板12が、ポリカーボネート樹脂により形成されている場合、接合層には、ポリカーボネート樹脂よりも屈折率の低い、例えば、アクリル樹脂を用いることが望ましい。
(4)また、導光板12の出光面12cとLCDパネル2とは、透明な接合部材により接合されるようにしてもよい。このとき接合部材は、導光板12の出光面12cに形成された凹凸形状を埋めるようにして設けられてもよい。なお、この場合も、接合部材には、導光板12内における光の全反射を効率よく行う観点から、導光板12に使用される材料よりも屈折率が低い材料を適用するのが望ましい。
1 表示装置
10 面光源装置
11 光源部
12 導光板
12a 入光面
13 凹凸部
70 賦形シート
71 基材部
72 成形層
73 凹凸形状部

Claims (8)

  1. 光が入射する入光面と、前記入光面に交差し光が出射する出光面と、前記入光面に対向する対向面とを有し、前記入光面から入射した光を前記対向面側に導光しながら前記出光面から出射させる導光板であって、
    前記入光面に垂直な方向における屈折率Nxは、前記出光面に平行であり、かつ、前記入光面に平行な方向における屈折率Nyより大きく、
    前記出光面には、前記入光面に垂直な方向に凸部と凹部とが交互に形成された凹凸部が形成され、
    前記凹部の深さは、0.1μm以上3.0μm以下であり、
    前記凹部の底幅及び前記凸部の頂部幅は、1μm以上30μm以下であること、
    を特徴とする導光板。
  2. 光が入射する入光面と、前記入光面に交差し光が出射する出光面と、前記入光面に対向する対向面とを有し、前記入光面から入射した光を前記対向面側に導光しながら前記出光面から出射させる導光板であって、
    前記入光面に垂直な方向における屈折率Nxは、前記出光面に平行であり、かつ、前記入光面に平行な方向における屈折率Nyより大きく、
    前記出光面には、凸部と凹部とが交互に形成された凹凸部が形成され、
    前記凹凸部は、当該導光板の幅方向に対して斜めに伸びる形態、複数の錐状の凸部が平面視で縦横に配置されるような二次元的な形状を有する形態、複数の凸部が平面視でドット状に配置される形態のいずれかにより形成されること、
    を特徴とする導光板。
  3. 光が入射する入光面と、前記入光面に交差し光が出射する出光面と、前記出光面に対向する背面と、前記入光面に対向する対向面とを有し、前記入光面から入射した光を前記対向面側に導光しながら前記出光面から出射させる導光板であって、
    前記入光面に垂直な方向における屈折率Nxは、前記出光面に平行であり、かつ、前記入光面に平行な方向における屈折率Nyより大きく、
    当該導光板の前記出光面から前記背面までの距離は、0.1mm以上1.0mm以下であること、
    を特徴とする導光板。
  4. 請求項3に記載の導光板において、
    前記屈折率Nx及び前記屈折率Nyの屈折率差が0.002以上であること、
    を特徴とする導光板。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の導光板と、
    前記導光板の前記入光面に対面する位置に設けられ、前記入光面へ光を投射する光源部と、
    を備える面光源装置。
  6. 請求項5に記載の面光源装置と、
    前記面光源装置に設けられる前記導光板の前記出光面側に配置される表示部と、
    を備える表示装置。
  7. 請求項6に記載の表示装置において、
    前記表示部は、反射型の表示部であること、
    を特徴とする表示装置。
  8. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の導光板を押し出し成形法によって製造する導光板の製造方法において、
    前記導光板を形成する樹脂を、前記導光板の形状に対応する凹凸形状部を有する成形版に押し出す樹脂押出工程と、
    前記樹脂押出工程によって押し出された前記樹脂を搬送しながら前記成形版に押圧し、前記導光板を成形する導光板成形工程を備え、
    前記成形版は、前記凹凸形状部の前記入光面に対応する面が前記樹脂の搬送方向に直交するようにして配置されること、
    を特徴とする導光板の製造方法。
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