JP2017139216A - 面光源装置、透過型表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
面光源装置は、大きく分けて、各種光学シート等の光学部材の直下に光源を配置する直下型のものと、光学部材の側面側に光源が配置されるエッジライト型のものがある。このうち、エッジライト型の面光源装置は、光源を導光板等の光学部材の側面側に配置することから、直下型のものに比べて面光源装置をより薄型化できるという利点を有し、近年広く用いられている。
そして、導光板の背面に設けられた拡散パターンやプリズム形状等によって光の進行方向を変化させられることにより、出光面の導光方向に沿った各位置から少しずつ光がLCDパネル側へ出光していく(例えば、特許文献1参照)。
ここで、出光面から出射する光の多くは上述の斜面で反射する光となるが、この斜面で反射した光は、導光板の出光面側に配置される偏向光学シートの一部にまとまって入射する傾向がある。そのため、偏向光学シートから出射する光には、導光板の出光面に斜面の間隔と同じ間隔の明暗ムラが生じてしまう場合があった。また、このような面光源装置を用いた透過型表示装置では、偏向光学シートの出射面側に液晶パネル(透過型表示部)が配置されるため、この明暗ムラの間隔と液晶パネルの画素ピッチとが干渉してしまう場合があり、その場合、輝線状のモアレが発生し、液晶パネルに表示される画質を低下させてしまこととなる。
請求項1の発明は、光が入射する入光面(13a)と、前記入光面に交差し光が出射する出光面(13c)と、前記出光面に対向する背面(13d)とを有し、前記入光面から入射した光を導光方向に導光しながら前記出光面から出射する導光板(13)と、前記導光板の前記入光面に対面する位置に設けられ、前記入光面へ光を投射する光源部(12)と、前記導光板の前記出光面側に配置され、前記導光板から出射した光を、そのシート面の法線方向又は法線方向となす角度が小さくなる方向へ向ける偏向作用を有する偏向光学シート(15)とを備え、前記導光板の出光面と、前記偏向光学シートの前記導光板側の面との距離tは、t≧27μmであること、を特徴とする面光源装置(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の面光源装置において、前記導光板(13)の出光面(13c)と、前記偏向光学シート(15)の前記導光板側の面との距離tは、t≧500μmであること、を特徴とする面光源装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の面光源装置において、前記導光板(13)の出光面(13c)と、前記偏向光学シート(15)の前記導光板側の面との距離tは、t≦2000μmであること、を特徴とする面光源装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の面光源装置(10)において、前記偏向光学シート(15)は、前記導光板(13)の前記出光面(13c)と対向する面に、前記導光方向に複数配列された単位プリズム(151)を有すること、を特徴とする面光源装置である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の面光源装置(10)において、前記単位プリズム(151)は、前記光源部(12)側に位置する第1の面(151a)と、前記第1の面に対向する第2の面(151b)とから構成され、前記第2の面は、複数の面からなる折れ面状に形成されていること、を特徴とする面光源装置である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の面光源装置(10)において、前記導光板(13)の背面(13d)側に配置され、前記導光板の前記背面から出射した光を前記導光板側に反射する反射部材(14)を更に備え、前記反射部材は、正反射性を有していること、を特徴とする面光源装置である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の面光源装置(10)において、前記導光板(13)の前記背面(13d)には、背面側単位光学形状(131)が前記導光方向に複数配列され、前記背面側単位光学形状は、背面側に凸であり、その配列方向に平行であって前記導光板の厚み方向に平行な断面において、その断面形状が略四角形形状であり、入光面(13a)側に位置する第1斜面部(132)と、これに対向して他方側に位置して入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部(133)と、前記第1斜面部と前記第2斜面部との間に位置する頂面部(134)とを有し、前記頂面部は、前記背面側への高さが異なる複数の面(134a〜134d)が前記背面側単位光学形状の配列方向に沿って配列された階段状に形成されること、を特徴とする面光源装置である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記偏向光学シート(15)の前記導光板とは反対側に配置される偏光板を更に備え、前記偏光板は、前記偏向光学シートに対して全面で接合されていること、を特徴とする面光源装置(10)である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の面光源装置(10)と、前記面光源装置によって背面側から照明される透過型表示部(11)と、を備える透過型表示装置(1)である。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面(板面,フィルム面)とは、各シート(板,フィルム)において、そのシート(板,フィルム)全体として見たときにおける、シート(板,フィルム)の平面方向となる面を示すものであるとする。
図1は、本実施形態の透過型表示装置1を説明する図である。
本実施形態の透過型表示装置1は、LCDパネル11と面光源装置10とを備えている。透過型表示装置1は、LCDパネル11を背面側から面光源装置10で照明し、LCDパネル11に形成される映像情報を表示する。
なお、図1を含め以下の図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、透過型表示装置1の使用状態において、透過型表示装置1の画面に平行であって互いに直交する2方向をX方向(X1−X2方向)、Y方向(Y1−Y2方向)とし、透過型表示装置1の画面に直交する厚み方向をZ方向(Z1−Z2方向)とする。なお、Z方向においてZ1側が背面側であり、Z2側は観察者側である。
本実施形態の透過型表示装置1の画面は、LCDパネル11の最も観察者側の面(以下、表示面という)11aに相当し、透過型表示装置1の「正面方向」とは、この表示面11aの法線方向であり、Z方向に平行であり、後述するプリズムシート15のシート面への法線方向や導光板13の板面等への法線方向と一致するものとする。
このLCDパネル11は、略平板状である。LCDパネル11の外形及び表示面11aは、Z方向から見て矩形形状であり、X方向に平行な対向する2辺と、Y方向に平行な対向する2辺とを有している。
この面光源装置10を構成する導光板13、反射シート14、プリズムシート15、光学シート16等は、正面方向(Z方向)から見て矩形形状であり、X方向に平行な対向する2辺と、Y方向に平行な対向する2辺とを有している。
光源部12は、点光源121がY方向に所定の間隔で複数配列されて形成されている。この点光源121は、LED(Light Emitting Diode)光源を用いている。なお、光源部12は、例えば、冷陰極管等の線光源としてもよいし、Y方向に延在するライトガイドの端面に光源を配置した形態としてもよい。また、光源部12の発する光の利用効率を向上させる観点から、光源部12の外側を覆うように不図示の反射板を設けてもよい。
この導光板13は、光源部12が発する光を入光面13aから入射させ、出光面13cと背面13dとで全反射させながら、入光面13aに対向する対向面13b側(X2側)へ、主としてX方向に導光しながら、出光面13cからプリズムシート15側(Z2側)へ適宜出射させる。
以下、導光板13の各部について説明する。
図3は、本実施形態の背面側単位光学形状131を説明する図である。図3では、図2(b)に示す導光板13のXZ面に平行な断面の一部をさらに拡大して示している。
導光板13は、図2に示すように、出光面13cには、出光側単位光学形状135が複数配列して形成され、背面13dには、背面側単位光学形状131が複数配列されて形成されている。
出光側単位光学形状135は、図2(a)に示すように、その配列方向に平行であって導光板13の板面に直交する断面(YZ面)での断面形状が頂角をγとする二等辺三角形形状である。また、この出光側単位光学形状135の配列ピッチは、P2であり、配列ピッチP2は、出光側単位光学形状135の配列方向の幅W2に等しい(P2=W2)形態となっている。
配列ピッチP2がこの範囲よりも小さいと、出光側単位光学形状135の製造が困難となり、設計通りの形状が得られなくなる。また、配列ピッチP2がこの範囲よりも大きいと、LCDパネル11の画素とのモアレが生じやすくなったり、面光源装置10等としての使用状態において、出光側単位光学形状135のピッチが認識されやすくなったりする。従って、配列ピッチP2は、上記範囲とすることが好ましい。
背面側単位光学形状131は、図2(b)に示すように、その配列方向に平行であって導光板13の板面に直交する方向における断面(XZ面)における断面形状が略台形形状である。背面側単位光学形状131は、入光面側(X1側)に位置する第1斜面部132と、対向面側(X2側)に位置し、入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部133と、第1斜面部132及び第2斜面部133との間に位置する頂面部134とを有している。
この背面側単位光学形状131の配列ピッチは、P1であり、配列ピッチP1は、背面側単位光学形状131の配列方向の幅W1に等しい(P1=W1)形態となっている。本実施形態では、配列ピッチP1は、配列方向において一定である。
第1斜面部132は、背面側単位光学形状131内において入光面13a側に位置し、入光面側端部よりも対向面側(頂面部側)端部が背面側となるように傾斜しており、第1斜面部132には、入光面13a側から対向面13b側へ(X1側からX2側へ)導光する光が入射しにくい。
仮に、α≦1°であると、導光方向(X方向)に進む光が、第2斜面部133で全反射したとき、全反射前後での出光面13c(XY面に平行な面)となす角度の変化量が小さくなり過ぎ、十分に光を取り出すことができず、光の取り出し効率が低下する。
また、仮に、α>5°であると、導光方向(X方向)に進む光が、第2斜面部133で全反射したとき、全反射前後での出光面13c(XY面に平行な面)となす角度の変化量が大きくなり過ぎ、輝度ムラや、入光面13aから遠い領域での明るさの低下を招く。また、導光板13からの出光方向のばらつきも大きくなるので、後述するプリズムシート15での偏向作用が不十分となり、収束性が低下して、正面輝度が低下する。
以上のことから、角度αは、1°<α≦5°を満たすことが好ましい。
一例として、図3に示す頂面部134は、面134a,134b,134c,134dを有している。この面134a〜134dは、出光面13c(導光板13の板面)に平行な面であり、背面側単位光学形状131の長手方向(Y方向)を長手方向とし、背面側単位光学形状131の配列方向(X方向)に沿って配列されている。また、面134a〜134dは、それぞれ、背面側への高さhがそれぞれ異なる。
また、面134a〜134dの間に斜面134eが形成されている。この斜面134eは、導光板13の板面(XY面に平行な面)と角度βをなし、第1斜面部132に平行な斜面である。
なお、本実施形態では、面134a〜134dは、その配列方向における幅が等しい例を挙げて説明するが、配列方向における幅は、等しくなくてもよい。
背面側単位光学形状131の配列方向において、背面側単位光学形状131の幅W1とし、頂面部134の寸法Wa、第1斜面部132及び第2斜面部133が占める寸法Wbとする。
背面側単位光学形状131は、その配列方向において、配列ピッチP1、幅W1、角度α,βは一定である。しかし、背面側単位光学形状131の幅W1に対する、第1斜面部132及び第2斜面部133の寸法Wbの比Wb/W1が、配列方向に沿って入光面13aから離れるにつれて大きくなっている。また、背面側単位光学形状131の幅W1に対する頂面部134の寸法Waの比Wa/W1は、配列方向に沿って入光面13aから離れるにつれて小さくなっている。
対向面側(X2側)へ進むにつれて、図4(b)に示すように、次第に比Wa/W1が小さく、比Wb/W1が大きくなる。そして、図4(c)に示すように、対向面13b近傍では比Wb/W1が大きく、比Wa/W1が小さい。
このように、対向面側へ向かうにつれて、両斜面部(特に、第2斜面部133)が占める比率を大きくすることにより、効率よく光を出光させることができ、導光方向における明るさの均一性も向上する。
しかし、これに限らず、頂面部134を形成する面の数を一定とし、各面の幅を調整することにより、頂面部134の寸法Waを調整する形態としてもよい。
また、最も対向面側及びその近傍においては、頂面部134の幅Waは十分に小さく、反射シート14と頂面部134との光学密着による影響が小さいので、最も対向面側やその近傍に位置する背面側単位光学形状131では、頂面部134が、1つの面から形成される形態としてもよい。
このとき、背面側単位光学形状131の配列ピッチP1に対する接触部(もっとも背面側へ高さの高い面134d)の幅をWcとすると、比Wc/P1は、0.09≦Wc/P1≦0.40を満たすことが、反射シート14と導光板13との光学密着を防止する観点から好ましい。
また、仮に、Wc/P1>0.40である場合、接触部の寸法が大きく、導光板13と反射シート14との接触面積が大きくなり、光学密着が生じやすくなるという問題がある。
従って、比Wc/P1は、0.09≦Wc/P1≦0.40を満たすことが好ましい。
仮に、配列ピッチP1が、この範囲よりも小さいと、背面側単位光学形状131の製造が困難となり、設計通りの形状が得られなくなる。また、仮に、配列ピッチP1がこの範囲よりも大きいと、配列ピッチP1に比例して、接触部となる面134dの面積も大きくなり、光学密着が生じやすくなる。また、配列ピッチP1がこの範囲よりも大きいと、モアレが生じやすくなったり、面光源装置10等としての使用状態において、背面側単位光学形状131のピッチが認識されやすくなったりする。
従って、配列ピッチP1は、上記範囲とすることが好ましい。
なお、これに限らず、押出成形等により成形したシート状の部材の両面に、紫外線成形法によって、背面側単位光学形状131及び出光側単位光学形状135を一体に形成して、導光板13としてもよい。
図6は、比較例の面光源装置の導光板から出光する光の軌跡を説明する図である。
図7は、プリズムシートと導光板との距離tが変化した場合における光の軌跡の変化について説明する図である。
図8は、導光板に対するプリズムシートの配置例を示す図であり、導光方向(X方向)の中央部におけるYZ面に平行な断面を示す図である。
図9は、単位プリズムの他の形態を説明する図であり、図5に対応する図である。
なお、図6及び図7では、導光板の出光側単位光学形状と背面側単位光学形状の頂面部に形成された階段状の面の図示を省略しており、また、図8では、導光板の出光側単位光学形状及び背面側単位光学形状と、プリズムシートの単位プリズムの図示を省略している。
仮に、t<27μmで導光板とプリズムシートとが近接している場合、図7に示すように、プリズムシートの背面が破線Aの位置近傍に存在してしまうため、導光板の出光面から出光した光は、プリズムシートの背面の一部にまとまって入射することとなり、上述(図6参照)のように明暗ムラの要因となる。
なお、プリズムシート15の背面と、導光板13の出光面13cとの距離tとは、厚み方向(Z方向)におけるプリズムシートの背面に設けられた単位プリズム151の頂部と、導光板13の出光面13cに設けられた出光側単位光学形状135の頂部との距離をいう。
仮に、t<500μmとなる場合、導光板13の出光面13cとプリズムシート15の背面とが近くなりすぎてしまい、導光板13の出光面13c上の欠点が視認され易くなってしまうので望ましくない。
また、t>2000μmとなる場合、導光板13とプリズムシート15との隙間が大きくなりすぎてしまい、面光源装置10の全体の厚み(Z方向の厚み)が厚くなり、面光源装置10や透過型表示装置1の薄型化の妨げとなるので望ましくない。
図8(a)に示すように、LCDパネル11の背面に光学シート16を貼付し、光学シート16の背面にプリズムシート15を貼付する。ここで、LCDパネル11のZ方向から見た外形は、光学シート16及びプリズムシート15の外形よりも大きく形成されており、光学シート16及びプリズムシート15は、LCDパネル11の外周縁を覆わないようにして貼付されている。
導光板13の外周縁上に固定枠20を設け、光学シート16及びプリズムシート15を貼付したLCDパネル11の外周縁を、この固定枠20上に配置する。この固定枠20の導光板13との接触面と、LCDパネル11との接触面との距離(厚み)を所定の寸法に規定することによって、導光板13とプリズムシート15との間には、所定の距離tの隙間が設けられる。
仮に、上述の光学粘着剤を用いずにプリズムシート15とLCDパネル11の入光側の偏光板とを積層させただけの形態にした場合、両シートが部分的に光学密着してしまうため望ましくない。
このように、光学界面や、拡散成分を減らすことによって、上述の垂線方向から大きく傾いた光を減らすことができる。具体的には、出射光の最も多い方向(垂線方向)から50度傾いた方向へ出射する光の輝度を10%以下とすることで覗き見防止の効果が得られ、7%以下とすることで写り込み抑制の効果が高くなる。更に、5%以下に調整することにより、車載用ディスプレイ等に用いた場合に夜間においてもフロントガラスへの写り込みがほとんど気にならないレベルにすることができる。
また、必要に応じて、光学粘着剤には、光拡散作用を有する光拡散剤を添加するようにしてもよい。これにより、LCDパネル11とプリズムシート15間に光拡散作用を有する層を形成することができ、視野角を適度に広げたり、LCDパネル11の不図示の画素と単位プリズム151等とによって生じるモアレ等を低減したりすることができる。
なお、プリズムシート15とLCDパネル11の入光側の偏光板との密着性を向上させる観点から、プリズムシート15の背面(Z2側の面)を平滑面とすることが望ましい。仮に、プリズムシート15の背面に凹凸形状が形成されている場合、粘着剤が凹凸に埋まりきらず、空隙ができてしまう場合があり、その空隙により光が散乱してしまう可能性があるので望ましくない。また、凹凸形状を形成するコストを低減することもできる。
導光板13に対するプリズムシート15の配置は、上述の例に限定されるものでなく、別な方法によって、導光板13及びプリズムシート15間に所定の距離tを設けるようにしてもよい。
プリズム基材層152は、プリズムシート15のベース(基材)となる部分である。プリズム基材層152は、光透過性を有する樹脂製のシート状の部材が用いられている。
単位プリズム151は、導光板13側(Z1側)に凸となる三角柱形状であり、プリズム基材層152の背面側(Z1側)の面に、長手方向(稜線方向)をY方向とし、X方向に複数配列されている。即ち、単位プリズム151の配列方向は、透過型表示装置1の表示面の法線方向(Z方向)から見て、導光板13の背面側単位光学形状131の配列方向に平行であり、出光側単位光学形状135の配列方向と直交している。
単位プリズム151は、配列ピッチがP3、配列方向の幅がW3であり、配列方向において配列ピッチと配列方向のレンズ幅が等しい(P3=W3)形状となっている。
単位プリズム151の配列ピッチP3は、一般的に10〜200μmとすることができる。しかし、近年、単位プリズム151の配列の高精細化が急速に進んでおり、より効率よく導光板13からの光を正面方向へ向けるために、配列ピッチP3は、10〜40μmとすることが好ましい。配列ピッチP3が、10μmよりも小さいと、製造が困難であり、好ましい光学性能が得られない。また、配列ピッチP3が40μmよりも大きいと、LCDパネル11の画素との干渉によるモアレが生じやすくなったり、面光源装置10等としての使用状態において、単位プリズム151のピッチが筋状に認識されやすくなったりする。そのため、単位プリズム151の配列ピッチP1は、上記範囲が好ましい。
プリズムシート15は、導光板13から出射し、面151aから入射した光L1を面151bで全反射させることにより、その進行方向を正面方向(Z方向)又は正面方向に対してなす角度が小さくなる方向へ偏向(集光)する。
例えば、単位プリズム151は、上記断面形状が、図9(a)及び図9(b)に示すように、面151bが複数の面からなる折れ面状に形成されるようにしてもよい。このように単位プリズム151を形成することによって、導光板13の出光面13cから出光した光を導光方向に平行な方向(X方向)に広げることができ、上述のプリズムシート15から出射する光の明暗ムラの発生をより効率よく抑制することができる。
なお、これに限らず、例えば、プリズムシート15は、PC樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン共重合体)樹脂、PET樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂等の熱可塑性樹脂を押し出し成形することにより形成してもよい。
反射シート14は、光の利用効率等を高め、また、上述のプリズムシート15から出射する光の明暗ムラを抑制する観点等から、主として鏡面反射性(正反射性)を有するものが好ましい。反射シート14は、例えば、少なくとも反射面(導光板13側の面)が金属等の高い反射率を有する材料により形成されたシート状の部材、高い反射率を有する材料により形成された薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート状の部材等を用いることができる。
なお、これに限らず、反射シート14は、例えば、主として拡散反射性を有し、反射率の高い白色の樹脂製のシート状部材等としてもよい。
このような光学シート16を設けることにより、視野角を適度に広げたり、LCDパネル11の不図示の画素と単位プリズム151等とによって生じるモアレ等を低減したりする効果が得られる。
光学シート16は、各種汎用の光拡散性を有するシート状の部材を、面光源装置10及び表示装置1として所望される光学性能や、導光板13の光学特性等に合わせて、適宜選択して用いてよい。
また、輝度を向上させる機能を有するAPCF(日東電工株式会社製)を光拡散シートの代わりに光学シート16として配置するようにしてもよい。その他、光拡散シートに限らず、レンチキュラーレンズシート等を光学シート16として配置してもよい。
また、光拡散シートにより構成される光学シート16のLCDパネル11側に、さらに、上述のような偏光選択反射シートや各種光学シート等を配置するようにしてもよい。
図10は、本実施形態の導光板13における光の導光の様子の一例を示す図である。図10では、各導光板及び反射シート14のXZ面に平行な断面の一部を拡大して示している。
本実施形態の導光板13は、頂面部134が複数の面134a〜134dを有しており、最も背面側(Z1)側への高さが高い面134dのみで反射シート14と接触している。従って、本実施形態によれば、反射シート14との光学密着による影響を大幅に低減できる。
また、頂面部134は、入光面側に位置する面134aから対向面側に向かって次第に背面側への高さhが高くなる階段状であり、各面の間に位置する斜面134eが出光面13cに平行な面と角度βをなしている。また、各面の間の角度βをなす斜面134eには、入光面側から導光する光は、入射しにくく、仮に入射したとしても、その影響は小さい。そのため、本実施形態の頂面部134は、光学設計上は、出光面13cに平行な1つの面からなる頂面部に略等しい。
従って、本実施形態によれば、図10に示すように、頂面部134に入射した光L2は、全反射することができ、光学設計外の方向へ進む光が殆ど生じない。よって、明るさの面内均一性が高い良好な導光板13、及び、面光源装置10、透過型表示装置1とすることができる。
また、本実施形態によれば、背面側単位光学形状131は、配列方向における配列ピッチP1が一定であり、背面側単位光学形状131の幅W1に対する、両斜面部(特に、第2斜面部133)の寸法Wbの比Wb/W1を変化させているので、モアレ(自己モアレ及びプリズムシート15の単位プリズム151やLCDパネル11の画素とのモアレ)を大幅に低減できる。
次に、プリズムシートと導光板との距離tを変更した場合における、プリズムシートから出光する光の輝度の変化と、欠点の隠蔽性の評価結果について説明する。
図11は、プリズムシートから出光する光の輝度の測定状態を示す図である。なお、図11では、導光板の出光側単位光学形状の図示と、背面側単位光学形状の頂面部に形成された階段状の面の図示は省略している。
図12は、プリズムシートから出光した光の輝度分布の測定結果の一例を示す図である。ここで、図12の縦軸は輝度を示し、横軸は導光方向(X方向)の位置を示す。
各試験体は、導光板とプリズムシートとの間に設けられたスペーサの厚み、すなわち導光板の出光面とプリズムシートの背面との距離tがそれぞれ相違している。各試験体を構成する反射部材、導光板、プリズムシート、光源部は、それぞれ同じものが使用されている。
試験体1は、導光板の出光面上にスペーサを設けずにプリズムシートを配置しており、導光板及びプリズムシート間の距離tがt=0μmである。
試験体2は、導光板の出光面とプリズムシートとの間に厚さ27μmのスペーサを配置したものであり、導光板及びプリズムシート間の距離tはt=27μmである。
試験体3は、導光板の出光面とプリズムシートとの間に厚さ500μmのスペーサを配置したものであり、導光板及びプリズムシート間の距離tはt=500μmである。
試験体4は、導光板の出光面とプリズムシートとの間に厚さ300μmのスペーサを配置したものであり、導光板及びプリズムシート間の距離tはt=300μmである。
上記測定によって得られた測定結果及び評価結果を表1にまとめる。また、測定結果の一部の輝度分布を図12に示す。
なお、表1及び図12に示す相対輝度は、各測定点における輝度を、測定された全ての輝度の平均値で割ることによって規格化された値である。
これに対して、試験体2の輝度分布は、相対輝度が約0.98〜1.01間を周期的に変動しており、輝度の最大値と最小値との差が0.03となり、0.05以下となったので、明暗のムラの評価は「○」となった。しかし、プリズムシートと導光板との間の距離tが狭すぎたため、欠点の評価が「×」となった。
試験体3の輝度分布は、相対輝度が約0.99〜1.00間を周期的に変動しており、輝度の最大値と最小値との差が0.01となり、0.05以下となったので、明暗のムラの評価が「○」となった。また、プリズムシートと導光板との間の距離tが十分に大きかったため、欠点の評価も「○」となった。
試験体4の輝度分布は、相対輝度が約0.99〜1.00間を周期的に変動しており、輝度の最大値と最小値との差が0.01となり、0.05以下となったので、明暗のムラの評価は「○」となった。しかし、プリズムシートと導光板との間の距離tが狭すぎたため、欠点の評価が「×」となった。
以上より、導電体とプリズムシートとの間に27μm以上(t≧27μm)の隙間を設けることによって、プリズムシートから出光する光の輝度分布のばらつきが抑制され、明暗ムラが十分に抑制されることが確認された。
また、導電体とプリズムシートとの間に500μm以上(t≧500μm)の隙間を設けることによって、プリズムシートの表面から欠点が視認されてしまうのを抑制されることが確認された。
(1)面光源装置10は、導光板13の出光面13cと、プリズムシートの導光板側の面との距離tが、t≧27μmで形成されているので、導光板13の出光面13cから出光した光を、プリズムシート15の背面に到達するまでの間にX方向(導光方向)に広げることができる。これにより、面光源装置10は、導光板13から出射した光が、プリズムシート15の背面の一部にまとまって入射してしまうのを抑制することができ、明暗ムラが生じてしまうのを抑制することができる。
(2)面光源装置10は、上記距離tをt≧500μmにすることによって、導光板13から出射した光が、プリズムシート15の背面の一部にまとまって入射してしまうのを抑制するとともに、導光板13の出光面13c上に付着した塵等の異物や、微小な傷が要因となる欠点が視認されてしまうのを抑制することができる。
(4)面光源装置10は、プリズムシート15の単位プリズムの面151bが、複数の面からなる折れ面状に形成されているので、導光板13の出光面13cから出光した光を導光方向に平行な方向(X方向)に更に広げることができ、上述のプリズムシート15から出射する光の明暗ムラの発生をより効率よく抑制することができる。
(5)面光源装置10は、反射シート14が正反射性を有しているので、光の利用効率等を高めるとともに、上述のプリズムシート15から出射する光の明暗ムラを更に抑制することができる。
(7)面光源装置10は、プリズムシート(偏向光学シート)15の導光板13とは反対側に配置される光学シート16を更に備え、光学シート16は、プリズムシート15に対して全面で接合されている。これにより、プリズムシート15と光学シート16との間に空気層等の隙間が形成されるのを防ぎ、導光板側へ戻される光を減らすとともに、画面の正面側(Z2側)に到達する光を増やすことができ、光の利用効率を向上させることができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)背面側単位光学形状131は、導光方向に配列され、導光方向及び導光板13の板面に直交する方向における断面形状が前述の形態であれば、板面内において導光方向に直交する方向(Y方向)に不連続な島状に形成されていてもよい。
例えば、背面側単位光学形状131は、背面側に凸となる略四角台形状であり、導光方向及びこれに直交する方向(X方向及びY方向)に配列される形態としてもよい。
また、角度αに関しても、同様に、背面側単位光学形状131の配列方向において、段階的又は連続的に、変化する形態としてもよい。良好な光学性能を得るために、角度α,β,配列ピッチP1等は適宜設定してよい。
なお、背面側単位光学形状131についても同様である。
10 面光源装置
11 LCDパネル
12 光源部
121 点光源
13 導光板
131 背面側単位光学形状
132 第1斜面部
133 第2斜面部
134 頂面部
134a〜134d 面
135 出光側単位光学形状
14 反射シート
15 プリズムシート
16 光学シート
Claims (9)
- 光が入射する入光面と、前記入光面に交差し光が出射する出光面と、前記出光面に対向する背面とを有し、前記入光面から入射した光を導光方向に導光しながら前記出光面から出射する導光板と、
前記導光板の前記入光面に対面する位置に設けられ、前記入光面へ光を投射する光源部と、
前記導光板の前記出光面側に配置され、前記導光板から出射した光を、そのシート面の法線方向又は法線方向となす角度が小さくなる方向へ向ける偏向作用を有する偏向光学シートとを備え、
前記導光板の出光面と、前記偏向光学シートの前記導光板側の面との距離tは、t≧27μmであること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1に記載の面光源装置において、
前記導光板の出光面と、前記偏向光学シートの前記導光板側の面との距離tは、t≧500μmであること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の面光源装置において、
前記導光板の出光面と、前記偏向光学シートの前記導光板側の面との距離tは、t≦2000μmであること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記偏向光学シートは、前記導光板の前記出光面と対向する面に、前記導光方向に複数配列された単位プリズムを有すること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項4に記載の面光源装置において、
前記単位プリズムは、前記光源部側に位置する第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面とから構成され、
前記第2の面は、複数の面からなる折れ面状に形成されていること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記導光板の背面側に配置され、前記導光板の前記背面から出射した光を前記導光板側に反射する反射部材を更に備え、
前記反射部材は、正反射性を有していること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記導光板の前記背面には、背面側単位光学形状が前記導光方向に複数配列され、
前記背面側単位光学形状は、背面側に凸であり、その配列方向に平行であって前記導光板の厚み方向に平行な断面において、その断面形状が略四角形形状であり、入光面側に位置する第1斜面部と、これに対向して他方側に位置して入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部と、前記第1斜面部と前記第2斜面部との間に位置する頂面部とを有し、
前記頂面部は、前記背面側への高さが異なる複数の面が前記背面側単位光学形状の配列方向に沿って配列された階段状に形成されること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記偏向光学シートの前記導光板とは反対側に配置される偏光板を更に備え、
前記偏光板は、前記偏向光学シートに対して全面で接合されていること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の面光源装置と、
前記面光源装置によって背面側から照明される透過型表示部と、
を備える透過型表示装置。
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