JP7214862B2 - 複合材成形方法および複合材成形装置 - Google Patents

複合材成形方法および複合材成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、複合材成形方法および複合材成形装置に関するものである。
従来、繊維基材が積層された複合材を成形する方法として、オートクレーブを用いた複合材の成形方法が広く用いられている。従来の成形方法では、硬化されていないマトリックス樹脂を含むプリプレグをバッグフィルムで覆い、バッグフィルムの内部を減圧し、外部気体との圧力差によりプリプレグを加圧状態にする。また、バッグフィルムの外部の空間を加熱した空気で満たすことにより、プリプレグを加熱状態にする。
また、近年では、空気よりも熱容量が大きい水蒸気を加熱源として用いる手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、プリプレグをシリコーンゴムバッグで覆い、プリプレグが配置される空間を減圧しながらプリプレグを水蒸気で加熱することにより、プリプレグの曲げ成形を行うことが開示されている。
特開2016-168684号公報
しかしながら、特許文献1では、シリコーンゴムバッグをプリプレグ上に敷いた後、外枠を載せてシリコーンゴムバッグと箱型冶具との間に隙間が生じないように万力でクランプすることによってプリプレグを密閉している。そのため、箱型冶具と外枠という特殊な冶具が必要であり、かつ万力によるクランプを行うという煩雑な作業が必要となってしまう。
そこで、例えば、プリプレグを載置する冶具成形面に対してバッグをシール材により接着することで、特殊な冶具や煩雑な作業を不要とすることが考えられる。しかしながら、シール材との接着強度が高い樹脂フィルムを用いる場合、樹脂フィルムが水蒸気による加水分解(化学的破壊)によって破壊する可能性がある。
また、高圧環境下で樹脂フィルムに吸収された水蒸気が低圧環境下で膨張し、樹脂フィルム内部から破壊(機械的破壊)する可能性がある。この場合、樹脂フィルムの破壊によって樹脂フィルムの内外の圧力差がなくなってプリプレグを適切に加圧することができない可能性がある。また、加熱源として水蒸気を用いているため、破壊された樹脂フィルムから流入する水蒸気がプリプレグに到達してプリプレグに吸収され、所望の性能の複合材を成形できない可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、水蒸気を用いて複合材料を効率よく加熱するとともに水蒸気が複合材料に到達することを防止することが可能な複合材成形方法および複合材成形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の複合材成形方法および複合材成形装置は、以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る複合材成形方法は、複合材を成形するものであって、密閉可能な圧力容器の内部空間に設置された成形用冶具の冶具成形面に複合材料を配置する第1配置工程と、前記複合材料を第1樹脂バッグで覆うとともに前記第1樹脂バッグと前記冶具成形面をシール材により接着して前記複合材料を気密に封止する第1封止工程と、通気空間を確保するための通気用部材を前記第1樹脂バッグを覆うように配置する第2配置工程と、前記通気用部材を第2樹脂バッグで覆うとともに前記第2樹脂バッグと前記冶具成形面を前記シール材により接着して前記通気用部材を気密に封止する第2封止工程と、前記第1樹脂バッグにより封止された第1空間を減圧する第1減圧工程と、前記第2樹脂バッグにより封止された第2空間を減圧する第2減圧工程と、前記圧力容器を密閉した状態で前記圧力容器の前記内部空間へ所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を供給して前記複合材料を熱硬化させる熱硬化工程と、を備える。
本発明の一態様に係る複合材成形方法によれば、複合材料を熱硬化させるため、熱硬化工程において、所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を圧力容器の内部空間へ供給している。そのため、加熱源として空気を用いる場合に比べ、空気よりも熱容量の大きい水蒸気により複合材料を効率よく迅速に加熱することができる。
また、第1樹脂バッグと冶具成形面をシール材により接着して複合材料を気密に封止し、さらに第2樹脂バッグと冶具成形面をシール材により接着して通気用部材を気密に封止し、第2減圧工程において第2樹脂バッグにより封止された空間を減圧している。そのため、通気用部材が配置される空間に水蒸気が侵入したとしても、侵入した水蒸気は減圧された空間内に分散し、最終的には空間の外部に排出される。複合材料は第1樹脂バッグにより気密に封止されているため、水蒸気が複合材料に到達することが防止される。さらに、水蒸気が第1樹脂バッグに到達せずに外部に排出されるため、第1樹脂バッグが水蒸気との加水分解等により破損して水蒸気が複合材料に到達することが防止される。
本発明の一態様に係る複合材成形方法において、前記第2樹脂バッグは、フッ素樹脂材料を主成分とするバッグであり、前記第1樹脂バッグは、前記フッ素樹脂材料よりも前記シール材との接着強度が高い樹脂材料を主成分とするバッグである構成でもよい。
本構成の複合材成形方法によれば、第2樹脂バッグがフッ素樹脂材料を主成分とするバッグである。フッ素樹脂材料を主成分とするバッグの水蒸気に対する耐性は、ナイロンを主成分とする樹脂フィルム等と比べて十分に高いため、水蒸気が積層体に到達することをより確実に防止することができる。また、第1樹脂バッグが、フッ素樹脂材料よりもシール材との接着強度が高い樹脂材料を主成分とする樹脂フィルムであるため、冶具成形面と樹脂フィルムとの接着部分から水蒸気が侵入することをより確実に防止することができる。ここで、第1樹脂バッグは、例えば、ナイロンまたはポリウレタンを主成分とする樹脂フィルムとすることができる。
上記構成の複合材成形方法において、前記第2樹脂バッグを覆うように前記通気用部材を配置する第3配置工程と、前記第2樹脂バッグを覆う前記通気用部材を第3樹脂バッグで覆うとともに前記第3樹脂バッグと前記冶具成形面を前記シール材により接着して前記通気用部材を気密に封止する第3封止工程と、前記第3樹脂バッグにより封止された第3空間を減圧する第3減圧工程と、を備え、前記第3樹脂バッグは、フッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主成分とする材料により形成されていてもよい。
上記の複合材成形方法によれば、第3樹脂バッグと冶具成形面をシール材により接着して通気用部材を気密に封止し、第3減圧工程において第3樹脂バッグにより封止された空間を減圧している。そのため、通気用部材が配置される空間に水蒸気が侵入したとしても、侵入した水蒸気は減圧された空間内に分散し、最終的には空間の外部に排出される。複合材料は第1樹脂バッグおよび第2樹脂バッグにより気密に封止されているため、水蒸気が複合材料に到達することが防止される。
さらに、水蒸気が第2樹脂バッグに到達せずに外部に排出されるため、第2樹脂バッグが水蒸気との加水分解等により破損して水蒸気が複合材料に到達することが防止される。また、第3樹脂バッグが、蒸気に対する耐性の高いフッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主成分とする材料により形成されているため、第3樹脂バッグを複数回の複合材の成形のために再利用することができる。
上記構成の複合材成形方法において、前記第2樹脂バッグを第3樹脂バッグで覆うとともに前記第3樹脂バッグと前記冶具成形面を前記シール材により接着して密閉空間を形成する密閉工程と、前記密閉空間に前記第2樹脂バッグへ前記水蒸気が接触することを防止するための液体を充填する充填工程と、を備え、前記第3樹脂バッグは、フッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主成分とする材料により形成されていてもよい。
上記の複合材成形方法によれば、第3樹脂バッグと冶具成形面をシール材により接着して第2樹脂バッグとの間に密閉空間を形成し、その密閉空間に水蒸気が第2樹脂バッグに接触することを防止するための液体が充填される。そのため、第3樹脂バッグが水蒸気による加水分解等により破損した場合であっても、密閉空間に侵入した水蒸気が第2樹脂バッグに到達することが防止される。
上記構成の複合材成形方法において、前記複合材料は、繊維基材が樹脂材料とともに積層された積層体であってよい。
複合材料が、繊維基材が樹脂材料とともに積層された積層体であるため、十分な硬度の複合材を成形することができる。
本発明の一態様に係る複合材成形装置は、複合材を成形するものであって、密閉可能な圧力容器と、前記圧力容器の内部空間に設置されるとともに樹脂材料を含む複合材料を配置するための冶具成形面を有する成形用冶具と、前記複合材料を覆うとともにシール材により前記冶具成形面に接着されて前記複合材料を気密に封止する第1樹脂バッグと、前記第1樹脂バッグを覆うように配置されるとともに通気空間を確保するための通気用部材と、前記通気用部材を覆うとともにシール材により前記冶具成形面に接着されて前記通気用部材を気密に封止する第2樹脂バッグと、前記第1樹脂バッグにより封止された第1空間および前記第2樹脂バッグにより封止された第2空間を減圧する減圧部と、前記圧力容器を密閉した状態で前記圧力容器の前記内部空間へ所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を供給して前記複合材料を熱硬化させる水蒸気供給部と、を備える。
本発明の一態様に係る複合材成形装置によれば、複合材料を熱硬化させるため、水蒸気供給部が、所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を圧力容器の内部空間へ供給している。そのため、加熱源として空気を用いる場合に比べ、空気よりも熱容量の大きい水蒸気により複合材料を効率よく迅速に加熱することができる。
また、第1樹脂バッグと冶具成形面をシール材により接着して複合材料を気密に封止し、さらに第2樹脂バッグと冶具成形面をシール材により接着して通気用部材を気密に封止し、第2減圧工程において第2樹脂バッグにより封止された空間を減圧している。そのため、通気用部材が配置される空間に水蒸気が侵入したとしても、侵入した水蒸気は減圧された空間内に分散し、最終的には空間の外部に排出される。複合材料は第1樹脂バッグにより気密に封止されているため、水蒸気が複合材料に到達することが防止される。さらに、水蒸気が第1樹脂バッグに到達せずに外部に排出されるため、第1樹脂バッグが水蒸気との加水分解等により破損して水蒸気が複合材料に到達することが防止される。
本発明によれば、水蒸気を用いて複合材料を効率よく加熱するとともに水蒸気が複合材料に到達することを防止することが可能な複合材成形方法および複合材成形装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る複合材成形装置を示す概略構成図である。 図1に示す複合材成形装置の縦断面図である。 図2に示す圧力容器の内部空間を上方からみた平面図である。 第1実施形態に係る複合材成形方法を示すフローチャートである。 図2に示す複合材成形装置の部分拡大図であり、第2樹脂バッグとシール材の隙間から水蒸気が侵入する状態を示す。 図2に示す複合材成形装置の部分拡大図であり、第2樹脂バッグの一部が破壊されて水蒸気が侵入する状態を示す。 本発明の第2実施形態に係る複合材成形装置を示す概略構成図である。 図7に示す複合材成形装置の縦断面図である。 第2実施形態に係る複合材成形方法を示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る複合材成形装置100およびそれを用いた複合材成形方法について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る複合材成形装置100を示す概略構成図である。図2は、図1に示す複合材成形装置100の縦断面図である。図3は、図2に示す内部空間を上方からみた平面図である。図3は、図2に示す圧力容器10の内部空間を上方からみた平面図である。
本実施形態の複合材成形装置100は、繊維基材が樹脂材料とともに積層されたプリプレグ(複合材料)Pを熱硬化させることにより所望の形状の繊維強化複合材を成形する装置である。ここで、プリプレグとは、繊維基材と未硬化のマトリックス樹脂を含み、熱硬化することにより繊維強化複合材となる材料をいう。また、繊維基材とは、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等である。また、マトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂であり、エポキシ、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ビスマレイミド、フェノール、シアネート、ポリイミド等である。1枚あるいは複数枚のプリプレグを熱硬化させることにより、繊維強化複合材が成形される。
図1および図2に示すように、本実施形態の複合材成形装置100は、密閉可能な圧力容器10と、成形用冶具20と、第1樹脂バッグ30と、ブリーザー(通気用部材)40と、第2樹脂バッグ50と、真空ポンプ(減圧部)70と、水蒸気供給部80と、制御装置90と、を備える。
圧力容器10は、不図示の開閉可能な扉が取り付けられ、扉を閉状態とすることにより密閉された内部空間ISを形成する密閉可能な容器である。圧力容器10の内部空間ISには、成形用冶具20と成形用冶具20に配置されるプリプレグPが収容される。
成形用冶具20は、圧力容器10の内部空間ISに設置されるとともにプリプレグPを配置するための冶具成形面21を有する板状に形成される部材である。成形用冶具20は、圧力容器10の内部空間ISに設けられた設置台11の上に配置される。成形用冶具20の冶具成形面21は、図2に示す水平方向に延びる面であり、冶具成形面21の上にプリプレグPが配置される。成形用冶具20は、例えば、アルミニウム合金、鉄等の耐熱性のある金属材料により形成される。
第1樹脂バッグ30は、プリプレグPの全面を覆うとともにシール材Seにより成形用冶具20の冶具成形面21に接着されてプリプレグPを気密に封止するシート状の部材である。第1樹脂バッグ30は、ナイロンまたはポリウレタンを主成分とする樹脂フィルムにより形成されている。第1樹脂バッグ30は、例えば、25μm以上かつ75μm以下の厚さとするのが望ましい。
ブリーザー40は、図2に示すように、第1樹脂バッグ30の全面を覆うように配置されるとともに第1樹脂バッグ30と第2樹脂バッグ50との間で気体を通過させることが可能な通気空間を確保するための部材である。ブリーザー40は、例えば、繊維状のポリエステルにより形成されたポリエステルマットである。ブリーザー40は、例えば、0.2mm以上かつ5mm以下の厚さである。
第2樹脂バッグ50は、図2に示すように、ブリーザー40の全面を覆うとともにシール材Seにより冶具成形面21に接着されてブリーザー40を封止するシート状の部材である。第2樹脂バッグ50は、フッ素樹脂材料を主成分とする樹脂フィルムにより形成されている。フッ素樹脂材料とは、例えば、FEP(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体)である。第2樹脂バッグ50は、例えば、25μm以上かつ75μm以下の厚さとするのが望ましい。
前述したように、第1樹脂バッグ30は、ナイロンまたはポリウレタンを主成分とする樹脂フィルムにより形成されている。ナイロンまたはポリウレタンを主成分とする樹脂フィルムは、フッ素樹脂材料を主成分とする樹脂フィルムよりもシール材Seとの接着強度が高い。そのため、第1樹脂バッグ30とシール材Seとの接着強度は、第2樹脂バッグ50とシール材Seとの接着強度よりも高い。よって、第1樹脂バッグ30の方が、第2樹脂バッグ50よりも、冶具成形面21への接着性の点で有利である。
図3に示すように、シール材Seは、第1樹脂バッグ30と冶具成形面21とを接着することにより、プリプレグPの全周を取り囲む第1シール領域SA1を形成する。また、シール材Seは、第2樹脂バッグ50と冶具成形面21とを接着することにより、プリプレグPの全周を取り囲む第2シール領域SA2を形成する。第2シール領域SA2は、第1シール領域SA1の外側を取り囲むように形成される。このように、シール材Seは、第1シール領域SA1および第2シール領域SA2の2重のシール領域により、圧力容器10の内部空間ISからプリプレグPが配置される第1空間S1を隔離する。シール材Seは、例えば、主成分がブチルゴムである材料により形成されている。
真空ポンプ70は、第1樹脂バッグ30により封止された第1空間S1および第2樹脂バッグ50により封止された第2空間S2を減圧する装置である。図1に示すように、真空ポンプ70は、開閉弁71を介して配管71aに接続され、開閉弁72を介して配管72aに接続されている。図3に示すように、配管71aは第1樹脂バッグ30に取り付けられた真空ポート71bに接続され、配管72aは第2樹脂バッグ50に取り付けられた真空ポート72bに接続されている。
真空ポンプ70と開閉弁71と開閉弁72は、それぞれ制御装置90から制御信号線(図1で破線で示す線)を介して伝達される制御信号により制御される。制御装置90は、真空ポンプ70を動作状態とし、かつ開閉弁71を開状態とすることにより、真空ポート71bを介して第1空間S1の空気を吸引して第1空間S1を真空状態まで減圧する。また、制御装置90は、真空ポンプ70を動作状態とし、かつ開閉弁72を開状態とすることにより、真空ポート72bを介して第2空間S2の空気を吸引して第2空間S2を真空状態まで減圧する。
水蒸気供給部80は、圧力容器10を密閉した状態で圧力容器10の内部空間ISへ所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を供給してプリプレグPを熱硬化させる装置である。図1に示すように、水蒸気供給部80は、開閉弁81を介して配管81aに接続されている。図3に示すように、配管81aは、圧力容器10の内部空間ISと連通している。
水蒸気供給部80および開閉弁81は、制御装置90から制御信号線を介して伝達される制御信号により制御される。制御装置90は、水蒸気供給部80を動作状態とし、かつ開閉弁81を開状態とすることにより、配管81aを介して水蒸気を内部空間ISへ供給する。水蒸気供給部80は、圧力容器10の内部空間ISへ供給する水蒸気として、例えば、飽和水蒸気を生成する。制御装置90は、例えば、飽和水蒸気の温度が160℃以上かつ190℃以下の範囲となるように水蒸気供給部80を制御する。飽和水蒸気圧は、温度に対して一意に定まる。そのため、飽和水蒸圧は、約6気圧(絶対圧)~約13気圧(絶対圧)の範囲となる。
制御装置90は、複合材成形装置100を制御する装置である。制御装置90は、図1に破線で示す制御信号線を介して、真空ポンプ70、開閉弁71、開閉弁72、水蒸気供給部80、および開閉弁81を制御する。
次に、図4を参照して、本実施形態の複合材成形装置100が実行する複合材成形方法について説明する。図4は、本実施形態に係る複合材成形方法を示すフローチャートである。
ステップS401(第1配置工程)において、プリプレグPが成形用冶具20の冶具成形面21に配置される。操作者は、例えば、運搬装置(図示略)を操作してプリプレグPを冶具成形面21に配置する。
ステップS402(第1封止工程)において、第1樹脂バッグ30でプリプレグPの全面を覆うとともに第1樹脂バッグ30と冶具成形面21をシール材Seにより接着してプリプレグPを気密に封止する。複合材成形装置100の操作者は、冶具成形面21または第1樹脂バッグ30の縁部にシール材Seを配置し、第1樹脂バッグ30でプリプレグPを覆うようにして第1樹脂バッグ30を冶具成形面21に接合する。
ステップS403(第2配置工程)において、第1樹脂バッグ30を覆うように第1樹脂バッグ30の上にブリーザー40を配置する。
ステップS404(第2封止工程)において、ブリーザー40を第2樹脂バッグ50で覆うとともに第2樹脂バッグ50と冶具成形面21をシール材Seにより接着してブリーザー40を気密に封止する。複合材成形装置100の操作者は、冶具成形面21または第2樹脂バッグ50の縁部にシール材Seを配置し、第2樹脂バッグ50でブリーザー40を覆うようにして第2樹脂バッグ50を冶具成形面21に接合する。
以上のステップS401からステップS404においては、圧力容器10を密閉せずに扉を開状態にしている。ステップS404が終了すると、複合材成形装置100の操作者は、扉を閉状態とし、圧力容器10を密閉する。
ステップS405(第1減圧工程)において、真空ポンプ70を動作状態とし、かつ開閉弁71を開状態とし、第1樹脂バッグ30により封止された第1空間S1を減圧する。制御装置90は、第1空間S1を真空状態に維持するように減圧する処理を、後述するステップS407を終了するまで継続する。
ステップS406(第2減圧工程)において、真空ポンプ70を動作状態とし、かつ開閉弁72を開状態とし、第2樹脂バッグ50により封止された第2空間S2を減圧する。制御装置90は、第2空間S2を真空状態に維持するように減圧する処理を、後述するステップS407を終了するまで継続する。
ステップS407(熱硬化工程)において、第1空間S1および第2空間S2が真空状態となったことに応じて、圧力容器10を密閉した状態で、圧力容器10の内部空間ISへ所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を供給するよう水蒸気供給部80および開閉弁81が制御される。
圧力容器10の内部空間ISに配置されるプリプレグPは、真空状態に減圧された第1空間S1の圧力と水蒸気により加圧された内部空間ISとの差圧によって加圧された状態となる。また、プリプレグPは、水蒸気から伝達される熱によって加熱された状態となる。プリプレグPは、加圧状態および加熱状態が所定時間継続することにより、マトリックス樹脂である熱硬化性樹脂が硬化し、所望の形状を維持した状態で硬化する。これにより、プリプレグPからマトリックス樹脂が硬化した複合材が成形される。
ステップS408において、真空ポンプ70および水蒸気供給部80の動作を停止させる。複合材成形装置100の操作者は、圧力容器10の内部空間ISが複合材を取り出すことが可能な温度および圧力となったことを確認し、圧力容器10の扉を開状態とする。その後、複合材成形装置100の操作者は、硬化した複合材を圧力容器10の内部空間ISから外部へ取り出す。また、複合材成形装置100の操作者は、成形用冶具20の冶具成形面21から第2樹脂バッグ50、ブリーザー40、第1樹脂バッグ30をこの順で取り外し、複合材を露出させる。以上のようにして、複合材が成形される。
ここで、本実施形態の複合材成形装置100がステップS407(熱硬化工程)を実行している際に発生し得る現象について説明する。図5は、図2に示す複合材成形装置100の部分拡大図であり、第2樹脂バッグ50とシール材Seの隙間Gから水蒸気が侵入する状態を示す。
本実施形態の第2樹脂バッグ50は、フッ素樹脂材料を主成分とする樹脂フィルムにより形成されている。フッ素樹脂材料を主成分とする樹脂フィルムは、ナイロンまたはポリウレタンを主成分とする樹脂フィルムに比べ、水蒸気への耐性が高い点で有利である。一方、フッ素樹脂材料を主成分とする樹脂フィルムは、ナイロンまたはポリウレタンを主成分とする樹脂フィルムよりもシール材Seとの接着強度が低い点で不利である。
図5は、第2樹脂バッグ50とシール材Seとの第2シール領域SA2の一部で第2樹脂バッグ50がシール材Seから剥がれて隙間Gが形成された状態を示す。図5に示す矢印が水蒸気Stを示しており、内部空間ISの水蒸気Stが隙間Gを介して第2空間S2へ侵入する。
この場合、水蒸気Stが第2空間S2へ侵入するが、第2空間S2の圧力が内部空間ISの圧力に比べて十分に低いため、水蒸気Stはブリーザー40が形成する通気空間に沿って第2空間S2で拡散する。そのため、隙間Gから侵入した水蒸気Stが第1樹脂バッグ30に直接的に接触することが防止される。
また、ステップS407(熱硬化工程)を実行している際に、真空ポート72bから真空ポンプ70は向けて第2空間S2内の気体が常時吸い出されている。そのため、隙間Gから第2空間S2へ侵入した水蒸気Stは、最終的には真空ポンプ70の吸引力によって真空ポート72bから真空ポンプ70へ導かれ、外部へ排出される。このように、ブリーザー40は、隙間Gから第2空間S2へ侵入した水蒸気Stに対して第1樹脂バッグ30を防御する役目を果たす。
ここで、本実施形態の複合材成形装置100がステップS407(熱硬化工程)を実行している際に発生し得る他の現象について説明する。図6は、複合材成形装置100を示す部分拡大図であり、第2樹脂バッグ50の一部が破壊されて水蒸気が侵入する状態を示す。
図6は、第2樹脂バッグ50の一部が破壊された状態を示す。第2樹脂バッグ50は、フッ素樹脂材料を主成分とする樹脂フィルムにより形成されているため、水蒸気に対する耐性が高いが、何らかの要因により一部が破壊されることがあり得る。図6に示す矢印が水蒸気Stを示しており、内部空間ISの水蒸気Stが第2樹脂バッグ50の破壊された部分を介して第2空間S2へ侵入する。
この場合、水蒸気Stが第2空間S2へ侵入するが、第2空間S2の圧力が内部空間ISの圧力に比べて十分に低いため、水蒸気Stはブリーザー40が形成する通気空間に沿って第2空間S2で拡散する。そのため、第2空間S2へ侵入した水蒸気Stが第1樹脂バッグ30に直接的に接触することが防止される。
また、ステップS407(熱硬化工程)を実行している際に、真空ポート72bから真空ポンプ70は向けて第2空間S2内の気体が常時吸い出されている。そのため、内部空間ISから第2空間S2へ侵入した水蒸気Stは、最終的には真空ポンプ70の吸引力によって真空ポート72bから真空ポンプ70へ導かれ、外部へ排出される。このように、ブリーザー40は、内部空間ISから第2空間S2へ侵入した水蒸気Stに対して第1樹脂バッグ30を防御する役目を果たす。
以上説明した本実施形態の複合材成形方法が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態の複合材成形方法によれば、プリプレグPを熱硬化させるため、熱硬化工程において、所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を圧力容器10の内部空間ISへ供給している。そのため、加熱源として空気を用いる場合に比べ、空気よりも熱容量の大きい水蒸気によりプリプレグPを効率よく迅速に加熱することができる。
また、第1樹脂バッグ30と冶具成形面21をシール材Seにより接着してプリプレグPを気密に封止し、さらに第2樹脂バッグ50と冶具成形面21をシール材Seにより接着してブリーザー40を気密に封止し、第2減圧工程において第2樹脂バッグ50により封止された第2空間S2を減圧している。そのため、ブリーザー40が配置される第2空間S2に水蒸気が侵入したとしても、侵入した水蒸気は減圧された第2空間S2内に分散し、最終的には第2空間S2の外部に排出される。
プリプレグPは第1樹脂バッグ30により気密に封止されているため、水蒸気がプリプレグPに到達することが防止される。さらに、水蒸気が第1樹脂バッグ30に到達せずに外部に排出されるため、第1樹脂バッグ30が水蒸気との加水分解により破損して水蒸気がプリプレグPに到達することが防止される。
本実施形態の複合材成形方法によれば、第2樹脂バッグ50がフッ素樹脂材料を主成分とするバッグである。フッ素樹脂材料を主成分とするバッグの水蒸気に対する耐性は、ナイロンを主成分とする樹脂フィルム等と比べて十分に高いため、水蒸気がプリプレグPに到達することをより確実に防止することができる。また、第1樹脂バッグ30が、フッ素樹脂材料よりもシール材Seとの接着強度が高い樹脂材料を主成分とする樹脂フィルムであるため、冶具成形面21と樹脂フィルムとの接着部分から水蒸気が侵入することをより確実に防止することができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態に係る複合材成形装置100Aおよびそれを用いた複合材成形方法について、図面を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
第1実施形態の複合材成形装置100は、プリプレグPの全面を、第1樹脂バッグ30および第2樹脂バッグ50で覆い、その間にブリーザー40を配置するものであった。それに対して、本実施形態の複合材成形装置100Aは、第2樹脂バッグ50の外側の全面をさらに第3樹脂バッグ60で覆い、第2樹脂バッグ50と第3樹脂バッグ60との間にブリーザー40を配置するものである。
図7は、本発明の第2実施形態に係る複合材成形装置100Aを示す概略構成図である。図7に示す複合材成形装置100Aは、開閉弁73と開閉弁73に接続される配管73aを備える点で図1に示す複合材成形装置100と異なる。図8は、図7に示す複合材成形装置100Aの縦断面図である。図8に示す複合材成形装置100Aは、配管73aと、真空ポート73bと、第3樹脂バッグ60と、第2樹脂バッグ50と第3樹脂バッグ60との間に配置されるブリーザー40を備える点で、図2に示す複合材成形装置100と異なる。
図7に示すように、真空ポンプ70と開閉弁73は、制御装置90から制御信号線(図7で破線で示す線)を介して伝達される制御信号により制御される。制御装置90は、真空ポンプ70を動作状態とし、かつ開閉弁73を開状態とすることにより、真空ポート73bを介して図8に示す第3空間S3の空気を吸引して第3空間S3を真空状態まで減圧する。第3空間S3は、第2樹脂バッグ50と第3樹脂バッグ60との間に形成される空間である。
図8に示すように、本実施形態の複合材成形装置100Aにおいて、第2樹脂バッグ50の上には、ブリーザー40が配置され、さらにブリーザー40を覆うように第3樹脂バッグ60が配置されている。第3樹脂バッグ60は、ブリーザー40を覆うとともにシール材Seにより冶具成形面21に接着されてブリーザー40を封止するシート状の部材である。第3樹脂バッグ60は、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムを主成分とする樹脂材料により形成されている。
第3樹脂バッグ60は、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムにより形成されているため、ゴム弾性を有するとともに水蒸気への耐性が高い。そのため、第3樹脂バッグ60は、複数回の複合材の成形のために再利用することができる。
次に、図9を参照して、本実施形態の複合材成形装置100Aが実行する複合材成形方法について説明する。図9は、本実施形態に係る複合材成形方法を示すフローチャートである。なお、図9に示すステップS901~S904は、図4に示すステップS401~S404と同様であるため、以下での説明を省略する。
また、図9に示すステップS907、S908は、図4に示すステップS405、S406と同様であるため、以下での説明を省略する。また、図9に示すステップS910、S911は、図4に示すステップS407、S408と同様であるため、以下での説明を省略する。
ステップS905(第3配置工程)において、第2樹脂バッグ50の全面を覆うように第2樹脂バッグ50の上にブリーザー40を配置する。
ステップS906(第3封止工程)において、ブリーザー40の全面を第3樹脂バッグ60で覆うとともに第3樹脂バッグ60と冶具成形面21をシール材Seにより接着してブリーザー40を気密に封止する。複合材成形装置100Aの操作者は、冶具成形面21または第3樹脂バッグ60の縁部にシール材Seを配置し、第3樹脂バッグ60でブリーザー40の全面を覆うようにして第3樹脂バッグ60を冶具成形面21に接合する。
ステップS909(第3減圧工程)において、真空ポンプ70を動作状態とし、かつ開閉弁73を開状態とし、第3樹脂バッグ60により封止された第3空間S3を減圧する。制御装置90は、第3空間S3を真空状態に維持するように減圧する処理を、ステップS910の熱硬化工程が終了するまで継続する。
本実施形態の複合材成形方法によれば、第3樹脂バッグ60と冶具成形面21をシール材Seにより接着してブリーザー40を気密に封止し、ステップS909(第3減圧工程)において第3樹脂バッグ60により封止された空間を減圧している。そのため、ブリーザー40が配置される第3空間S3に水蒸気が侵入したとしても、侵入した水蒸気は減圧された第3空間S3内に分散し、最終的には第3空間S3の外部に排出される。
プリプレグPは第1樹脂バッグ30および第2樹脂バッグ50により気密に封止されているため、水蒸気がプリプレグPに到達することが防止される。さらに、水蒸気が第2樹脂バッグ50に到達せずに外部に排出されるため、第2樹脂バッグ50が水蒸気との加水分解により破損して水蒸気がプリプレグPに到達することが防止される。また、第3樹脂バッグ60が、蒸気に対する耐性の高いフッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主成分とする樹脂材料により形成されているため、第3樹脂バッグ60を複数回の複合材の成形のために再利用することができる。
なお、本実施形態の複合材成形方法において、第2樹脂バッグ50と第3樹脂バッグ60の間にブリーザー40を配置するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、ブリーザー40に替えて、シリコン系オイルまたは吸水性ポリマーを主成分とし、第2樹脂バッグ50と水蒸気との接触から防御する液体を充填する変形例としてもよい。
この変形例の複合材成形装置においては、図7に示す開閉弁73および配管73a、並びに図8に示す真空ポート73bは設けられないものとなる。また、図9に示すフローチャートにおいて、ステップS905およびステップS909は削除される。
また、ステップS906は、第2樹脂バッグ50を第3樹脂バッグ60で覆うとともに第3樹脂バッグ60と冶具成形面21をシール材Seにより接着して密閉空間を形成する密閉工程となる。さらに、ステップS906の後に、密閉空間に第2樹脂バッグ50へ水蒸気が接触することを防止するための液体を充填する充填工程が追加される。
この変形例によれば、第3樹脂バッグ60と冶具成形面21をシール材Seにより接着して第2樹脂バッグ50との間に密閉空間を形成し、その密閉空間に水蒸気が第2樹脂バッグ50に接触することを防止するための液体が充填される。そのため、第3樹脂バッグ60が水蒸気により加水分解して破損した場合であっても、密閉空間に侵入した水蒸気が第2樹脂バッグ50に到達することが防止される。
10 圧力容器
20 成形用冶具
21 冶具成形面
30 第1樹脂バッグ
40 ブリーザー(通気用部材)
50 第2樹脂バッグ
60 第3樹脂バッグ
70 真空ポンプ(減圧部)
71,72,73,81 開閉弁
71a,72a,73a,81a 配管
71b,72b,73b 真空ポート
80 水蒸気供給部
90 制御装置
100,100A 複合材成形装置
G 隙間
IS 内部空間
P プリプレグ(複合材料)
S1 第1空間
S2 第2空間
S3 第3空間
SA1 第1シール領域
SA2 第2シール領域
Se シール材
St 水蒸気

Claims (9)

  1. 複合材を成形する複合材成形方法であって、
    密閉可能な圧力容器の内部空間に設置された成形用冶具の冶具成形面に複合材料を配置する第1配置工程と、
    前記複合材料を第1樹脂バッグで覆うとともに前記第1樹脂バッグと前記冶具成形面をシール材により接着して前記複合材料を気密に封止する第1封止工程と、
    通気空間を確保するための通気用部材を前記第1樹脂バッグを覆うように配置する第2配置工程と、
    前記通気用部材を第2樹脂バッグで覆うとともに前記第2樹脂バッグと前記冶具成形面を前記シール材により接着して前記通気用部材を気密に封止する第2封止工程と、
    前記第1樹脂バッグにより封止された第1空間を減圧する第1減圧工程と、
    前記第2樹脂バッグにより封止された第2空間を減圧する第2減圧工程と、
    前記圧力容器を密閉した状態で前記圧力容器の前記内部空間へ所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を供給して前記複合材料を熱硬化させる熱硬化工程と、を備え、
    前記第2樹脂バッグは、フッ素樹脂材料を主成分とするバッグであり、
    前記第1樹脂バッグは、前記フッ素樹脂材料よりも前記シール材との接着強度が高い樹脂材料を主成分とするバッグである複合材成形方法。
  2. 前記第1樹脂バッグは、ナイロンまたはポリウレタンを主成分とする樹脂フィルムにより形成されている請求項1に記載の複合材成形方法。
  3. 複合材を成形する複合材成形方法であって、
    密閉可能な圧力容器の内部空間に設置された成形用冶具の冶具成形面に複合材料を配置する第1配置工程と、
    前記複合材料を第1樹脂バッグで覆うとともに前記第1樹脂バッグと前記冶具成形面をシール材により接着して前記複合材料を気密に封止する第1封止工程と、
    通気空間を確保するための通気用部材を前記第1樹脂バッグを覆うように配置する第2配置工程と、
    前記通気用部材を第2樹脂バッグで覆うとともに前記第2樹脂バッグと前記冶具成形面を前記シール材により接着して前記通気用部材を気密に封止する第2封止工程と、
    前記第1樹脂バッグにより封止された第1空間を減圧する第1減圧工程と、
    前記第2樹脂バッグにより封止された第2空間を減圧する第2減圧工程と、
    前記圧力容器を密閉した状態で前記圧力容器の前記内部空間へ所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を供給して前記複合材料を熱硬化させる熱硬化工程と、を備え、
    前記第2樹脂バッグを覆うように前記通気用部材を配置する第3配置工程と、
    前記第2樹脂バッグを覆う前記通気用部材を第3樹脂バッグで覆うとともに前記第3樹脂バッグと前記冶具成形面を前記シール材により接着して前記通気用部材を気密に封止する第3封止工程と、
    前記第3樹脂バッグにより封止された第3空間を減圧する第3減圧工程と、を備え、
    前記第3樹脂バッグは、フッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主成分とする材料により形成されている複合材成形方法。
  4. 複合材を成形する複合材成形方法であって、
    密閉可能な圧力容器の内部空間に設置された成形用冶具の冶具成形面に複合材料を配置する第1配置工程と、
    前記複合材料を第1樹脂バッグで覆うとともに前記第1樹脂バッグと前記冶具成形面をシール材により接着して前記複合材料を気密に封止する第1封止工程と、
    通気空間を確保するための通気用部材を前記第1樹脂バッグを覆うように配置する第2配置工程と、
    前記通気用部材を第2樹脂バッグで覆うとともに前記第2樹脂バッグと前記冶具成形面を前記シール材により接着して前記通気用部材を気密に封止する第2封止工程と、
    前記第1樹脂バッグにより封止された第1空間を減圧する第1減圧工程と、
    前記第2樹脂バッグにより封止された第2空間を減圧する第2減圧工程と、
    前記圧力容器を密閉した状態で前記圧力容器の前記内部空間へ所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を供給して前記複合材料を熱硬化させる熱硬化工程と、を備え、
    前記第2樹脂バッグを第3樹脂バッグで覆うとともに前記第3樹脂バッグと前記冶具成形面を前記シール材により接着して密閉空間を形成する密閉工程と、
    前記密閉空間に前記第2樹脂バッグへ前記水蒸気が接触することを防止するための液体を充填する充填工程と、を備え、
    前記第3樹脂バッグは、フッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主成分とする材料により形成されている複合材成形方法。
  5. 前記複合材料は、繊維基材が樹脂材料とともに積層された積層体である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の複合材成形方法。
  6. 複合材を成形する複合材成形装置であって、
    密閉可能な圧力容器と、
    前記圧力容器の内部空間に設置されるとともに複合材料を配置するための冶具成形面を有する成形用冶具と、
    前記複合材料を覆うとともにシール材により前記冶具成形面に接着されて前記複合材料を気密に封止する第1樹脂バッグと、
    前記第1樹脂バッグを覆うように配置されるとともに通気空間を確保するための通気用部材と、
    前記通気用部材を覆うとともにシール材により前記冶具成形面に接着されて前記通気用部材を気密に封止する第2樹脂バッグと、
    前記第1樹脂バッグにより封止された第1空間および前記第2樹脂バッグにより封止された第2空間を減圧する減圧部と、
    前記圧力容器を密閉した状態で前記圧力容器の前記内部空間へ所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を供給して前記複合材料を熱硬化させる水蒸気供給部と、を備え、
    前記第2樹脂バッグは、フッ素樹脂材料を主成分とするバッグであり、
    前記第1樹脂バッグは、前記フッ素樹脂材料よりも前記シール材との接着強度が高い樹脂材料を主成分とするバッグである複合材成形装置。
  7. 複合材を成形する複合材成形装置であって、
    密閉可能な圧力容器と、
    前記圧力容器の内部空間に設置されるとともに複合材料を配置するための冶具成形面を有する成形用冶具と、
    前記複合材料を覆うとともにシール材により前記冶具成形面に接着されて前記複合材料を気密に封止する第1樹脂バッグと、
    前記第1樹脂バッグを覆うように配置されるとともに通気空間を確保するための第1通気用部材と、
    前記第1通気用部材を覆うとともにシール材により前記冶具成形面に接着されて前記第1通気用部材を気密に封止する第2樹脂バッグと、
    前記第2樹脂バッグを覆うように配置されるとともに通気空間を確保するための第2通気用部材と、
    前記第2通気用部材を覆うとともにシール材により前記冶具成形面に接着されて前記第2通気用部材を気密に封止する第3樹脂バッグと、
    前記第1樹脂バッグにより封止された第1空間と、前記第2樹脂バッグにより封止された第2空間と、前記第3樹脂バッグにより封止された第3空間とを減圧する減圧部と、
    前記圧力容器を密閉した状態で前記圧力容器の前記内部空間へ所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を供給して前記複合材料を熱硬化させる水蒸気供給部と、を備え、
    前記第3樹脂バッグは、フッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主成分とする材料により形成されている複合材成形装置。
  8. 複合材を成形する複合材成形装置であって、
    密閉可能な圧力容器と、
    前記圧力容器の内部空間に設置されるとともに複合材料を配置するための冶具成形面を有する成形用冶具と、
    前記複合材料を覆うとともにシール材により前記冶具成形面に接着されて前記複合材料を気密に封止する第1樹脂バッグと、
    前記第1樹脂バッグを覆うように配置されるとともに通気空間を確保するための通気用部材と、
    前記通気用部材を覆うとともにシール材により前記冶具成形面に接着されて前記通気用部材を気密に封止する第2樹脂バッグと、
    前記第2樹脂バッグを覆うとともにシール材により前記冶具成形面に接着されて前記第2樹脂バッグを気密に封止する第3樹脂バッグと、
    前記第1樹脂バッグにより封止された第1空間および前記第2樹脂バッグにより封止された第2空間を減圧する減圧部と、
    前記圧力容器を密閉した状態で前記圧力容器の前記内部空間へ所定の温度及び所定の圧力の水蒸気を供給して前記複合材料を熱硬化させる水蒸気供給部と、を備え、
    前記第2空間に前記第2樹脂バッグへ前記水蒸気が接触することを防止するための液体が充填され、
    前記第3樹脂バッグは、フッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主成分とする材料により形成されている複合材成形装置。
  9. 前記複合材料は、繊維基材が樹脂材料とともに積層された積層体である請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の複合材成形装置。
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