JP7214484B2 - 映像信号処理装置、映像信号処理方法、及びプログラム - Google Patents

映像信号処理装置、映像信号処理方法、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7214484B2
JP7214484B2 JP2019005137A JP2019005137A JP7214484B2 JP 7214484 B2 JP7214484 B2 JP 7214484B2 JP 2019005137 A JP2019005137 A JP 2019005137A JP 2019005137 A JP2019005137 A JP 2019005137A JP 7214484 B2 JP7214484 B2 JP 7214484B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conversion
gain
video signal
processing
sdr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019005137A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020113942A (ja
Inventor
貴之 須藤
明人 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2019005137A priority Critical patent/JP7214484B2/ja
Publication of JP2020113942A publication Critical patent/JP2020113942A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7214484B2 publication Critical patent/JP7214484B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Image Processing (AREA)
  • Picture Signal Circuits (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Description

本発明は、撮像等により取得された映像信号を処理する技術に関する。
従来、画像の暗部階調を維持しつつ、現行のTV信号では表現できなかった鏡面反射光などの明るい光を、より現実に近い明るさで表現するために、最大輝度値を拡大した輝度範囲に対応させた方式としてHDR(High Dynamic Range)がある。従来のTV信号が対応している輝度範囲の方式は、SDR(Standard Dynamic Range)と呼ばれ、SDRにおける最大輝度値が100nitであるのに対し、HDRでは1000nit以上まで最大輝度値を拡大することが想定されている。
近年さらに、HDR信号を記録・出力しながら、SDR信号を同時に記録・出力する機能(以下、HDR/SDRのサイマル機能または、単にサイマル機能と呼ぶ)を持ったビデオカメラの需要が出てきている。
特許文献1では変換元の映像信号のコード値を変換元に対応したEOTFを用いて輝度値に変換し、その輝度値を予め関係付けられた輝度値に変換した後、変換先に対応したEOTFを用いて変換先の映像信号のコード値に変換する方法について言及されている。例えばHDR信号をSDR信号に変換する場合には、HDR信号に対応したEOTFを用いてHDR信号のコード値を輝度値に変換し、何らかの利得を用いて輝度値を補正した後にSDR信号に対応したEOTFを用いてSDR信号のコード値に変換する。
HDR/SDRサイマル機能を実現する手法として、カメラ内で生成したHDR信号をさらに階調変換・色域変換することでSDR信号を生成する手法がある。具体的にはHDR信号に1次元のLook Up Table(1DLUT)による階調変換を施した後、3次元のLook Up Table(3DLUT)による色域変換処理を施す。ここで、上述のサイマル機能の対応において、露出設定は主信号であるHDR側で決められるため、SDR側の明るさが不適切となる撮影シーンもある。また適切な明るさにするための補正量は撮影シーンによって異なる上、その補正方向は明暗の両方向に存在する。そのため、SDR信号の明るさだけを調節する機能(以下、SDRゲイン機能と呼ぶ)が求められている。SDRゲイン機能を実現する手法としては、1DLUTだけでなく、3DLUTの変更も含めた処理を行う手法があり、これにより高輝度領域の色相変化の発生が抑えられ、画質の観点で良くなることが知られている。
特許第5948618号公報
しかしながら、3DLUTのデータ数が膨大である時、画像のフレーム更新処理の間にデータ転送が間に合わない場合がある。データ更新に時間がかかると、ユーザが明るさを調整する操作をした後に、操作後の画像を確認するまでに時間がかかってしまう。更には、画像が徐々に変化するということも起こり得るため、明るさ調整をリアルタイムに行うことができないという問題もある。一般的に、LUTの格子点が多いほど変換精度が向上する一方、データ数は増大する。
そこで、本発明は、設定値変更の確認をリアルタイムに行え、色相変化を低減した映像信号の生成を可能にすることを目的とする。
本発明の映像信号処理装置は、第一階調変換が施された第一映像信号を、第二映像信号へ変換する映像変換手段と、動作モードに応じて、前記第二映像信号に施す変換処理を制御する処理制御手段と、を有し、前記映像変換手段は、ゲイン変換処理を含む第二階調変換を行う階調制御手段と、3次元のルックアップテーブルを用いた変換処理を行う変換手段と、を含み、前記処理制御手段は、前記動作モードが、所定の操作により指示されたゲイン値に基づくゲイン制御を行うゲイン調整モードである場合には前記階調制御手段によるゲイン変更を行い、前記ゲイン調整モードでない場合には前記変換手段によるゲイン変更を行うように制御することを特徴とする。
本発明によれば、設定値変更の確認をリアルタイムに行えるようになり、色相変化を低減した映像信号を生成可能となる。
実施形態のデジタルビデオカメラの構成例を示すブロック図である。 第一の実施形態の主要部の構成を示すブロック図である。 基本制御のフローチャートである。 画質優先制御と処理負荷優先制御のフローチャートである。 設定画面例を示す図である。 画質優先制御のフローチャートである。 画質優先制御時のガンマ特性例を示すグラフである。 処理負荷優先制御時のガンマ特性例を示すグラフである。 第二の実施形態の主要部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例にすぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
図1は、本実施形態の映像信号処理装置の一適用例として、デジタルビデオカメラ100(以下、カメラ100とする。)の概略構成例を示すブロック図である。
図1において、撮影レンズ103は、ズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。絞り101は、光量調節を行うための絞り機構である。ND104は、撮像時に撮像部22へ入射する光量を減らす(減光)するための光学フィルタ(NDフィルタ)である。撮像部22は、撮影レンズ103により撮像面上に形成された光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成された撮像素子である。撮像部22の撮像素子からは、撮影中の映像やライブビュー映像のフレームごとのアナログ画像信号が出力される。バリア102は、カメラ100の、撮影レンズ103を含む撮像系を覆うことにより、撮影レンズ103、絞り101、ND104、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
A/D変換器23は、撮像部22から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。A/D変換器23から出力された画像信号(画像データ)は、後述する画像処理部24及びメモリ制御部15を介してメモリ32に、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。
メモリ32は、メモリ制御部15による制御の下で、撮像部22で撮像されてA/D変換器23でデジタル変換された画像データや、後述する表示部28への表示用の画像データなどを格納する。なお、メモリ32は、所定時間の動画像および音声のデータを格納するのに十分な記憶容量を備えており、また画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)も兼ねている。
画像処理部24は、A/D変換器23からの画像データ、又は、メモリ32に蓄積された後にメモリ制御部15によって読み出された画像データに対して、色変換処理、ガンマ補正、デジタルゲインの付加等の画像信号処理を行う。以下、画像処理部24による画像信号処理後のデータを第一映像信号と呼ぶ。画像処理部24における画像信号処理と第一映像信号の詳細については後述する。また、画像処理部24は、撮像部22で撮像されてA/D変換器23でデジタル変換された画像データを用いて所定の演算処理を行い、その演算結果をシステム制御部50に送る。このときのシステム制御部50は、画像処理部24から送られた演算結果に基づいて、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理などを行う。
映像変換部91は、画像処理部24による画像信号処理後の第一映像信号を、その第一映像信号の階調特性とは異なる階調特性の第二映像信号に変換する。映像変換部91における映像信号変換処理と第二映像信号の詳細については後述する。
映像出力部92は、HDMI(登録商標)などの映像出力端子である。
D/A変換器13は、メモリ32から読み出された画像表示用のデータをアナログ画像信号に変換して表示部28に供給する。
表示部28は、LCD等の表示装置であり、D/A変換器13からのアナログ画像信号に応じた画像等を表示する。また表示部28は、撮像部22で撮像されている画像を逐次表示するようなスルー画像表示(ライブビュー表示)により、電子ビューファインダとしても使用可能となされている。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能な記録媒体としてのメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムには、本実施形態のカメラ100において後述する各種フローチャートの処理を実行するためのコンピュータプログラムが含まれる。
システム制御部50は、少なくとも一つのプロセッサまたは回路を有する制御部であり、カメラ100全体を制御する。システム制御部50は、不揮発性メモリ56に記憶されているプログラムを実行することで本実施形態に係る各部の制御や各種の処理を実行する。また、システム制御部50は、メモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
システムメモリ52は、例えばRAMからなる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出されたプログラム等が展開される。
システムタイマー53は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを、動画記録モード、静止画記録モード、再生モード、各種設定等の調整モード等のいずれかに切り替える際にユーザが操作するスイッチである。動画記録モードや静止画記録モードに含まれるモードとしては、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。ユーザは、モード切替スイッチ60を操作することで、動画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。なお、モード切替スイッチ60で動画撮影モードに一旦切り換えた後に、動画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようになされていても良い。
録画スイッチ61は、ユーザが撮影待機状態と撮影状態とを切り替える際に操作されるスイッチである。システム制御部50は、録画スイッチ61からの切り替え信号により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体90への動画データの書き込みまでの一連の動作を開始する。
操作部70は、それぞれの図示は省略するが、ユーザにより操作される各操作部材と、それら各操作部材に対する機能の割り当てを制御し、その割り当てた機能に応じた情報を出力する機能制御部と、を有して構成される。機能制御部は、例えば表示部28に表示される種々の機能アイコンが選択されることなどにより、場面ごとに応じて、各操作部材に対して割り当てる機能を適宜変更制御する。これにより、操作部70の各操作部材は、それら割り当てられた各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えばメニューボタン、上下左右の4方向を指示する十字キー、SETボタン、終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えばユーザによりメニューボタンが押されると、そのメニューボタンに割り当てられた機能に応じた情報がシステム制御部50に送られる。この時のシステム制御部50は、そのメニューボタンの機能に応じた情報を基に、操作部70を介した各種設定等を可能とするメニュー画面等を表示部28に表示させる。これにより、ユーザは、表示部28に表示されたメニュー画面と、十字キーやSETボタン等とを用いて、直感的に各種設定を行うことができるようになる。また、本実施形態の場合、操作部70の機能制御部は、後述する図2に示すゲイン変更指示部205とモード設定部204の機能をも有している。なお、機能制御部は、システム制御部50内に設けられてもよい。
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電源スイッチ72のオン/オフ、電源部30の電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出などを行う。また電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体90を含む各部へ供給する。電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池からなり、ACアダプターが含まれていてもよい。
I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体90とのインターフェースである。記録媒体90は、撮影された画像データ等を記録可能な記録媒体であり、半導体メモリや光ディスク、磁気ディスク等から構成される。なお記録媒体90に記録されたデータは、I/F18によって読み出されてメモリ32に転送される。
<第一の実施形態>
以下、本発明に係る第一の実施形態として、画像処理部24で行われる画像信号処理と、画像信号処理後の第一映像信号を映像変換部91において第二映像信号に変換する映像信号変換処理とについて、図2から図8までの各図を参照しながら説明する。
ここで本実施形態のカメラ100は、HDR信号を記録・出力しながら、SDR信号を同時に記録・出力可能な機能(HDR/SDRのサイマル機能)を有しているとする。すなわち本実施形態のカメラ100では、HDR/SDRサイマル機能を実現するために、カメラ100内で生成したHDR信号をさらに階調変換・色域変換することでSDR信号を生成する機能を有している。具体的には、本実施形態のカメラ100は、HDR信号に対して、1次元のルックアップテーブル(以下、1DLUTとする)による階調変換を施した後、3次元のルックアップテーブル(以下、3DLUTとする)による色域変換処理を施す。また本実施形態のカメラ100は、SDR信号の明るさだけを調節する機能(SDRゲイン機能)を有しており、SDRゲイン機能では1DLUTだけでなく3DLUTの変更も含めた処理をも行う。ただし前述したように、3DLUTは格子点が多いほど変換精度が向上するがデータ数は増大し、そのため映像信号のフレーム更新処理の間にデータ転送が間に合わなくなったり、明るさ調整の確認をリアルタイムに行うことができなくなったりする虞がある。
このようなことから、本実施形態のカメラ100は、図2に示すような構成を備え、以下に説明するような処理を行う。図2は、第一の実施形態における画像信号処理および映像信号変換処理に関連した主要部を示した図である。なお、画像処理部24では、ホワイトバランス調整処理や輪郭強調処理などの一般的な画像信号処理も行われるが、ここではそれら一般的な処理に関する構成と説明は省略する。また図示や説明は省略するが、画像処理部24や映像変換部91は、システム制御部50を通じて、絞り値やNDフィルタ情報、シャッター速度などの露出パラメータを含めた、カメラ内部のあらゆるデータを取得可能であるとする。
図2に示すように、画像処理部24は第一階調制御部201を有し、映像変換部91は第二階調制御部202と3DLUT変換部203を有している。また、システム制御部50は変換処理制御部206を有し、操作部70の機能制御部はゲイン変更指示部205とモード設定部204の機能を有している。
第一階調制御部201は、A/D変換器23でデジタル変換された信号の入出力特性を変更する。ここでは第一階調変換処理として、いわゆるガンマ特性を変更する。この第一階調制御部201による第一階調変換処理後の画像データが、本実施形態に係る画像信号処理後の第一映像信号である。第一階調制御部201における階調変換処理の詳細は後述する。この第一映像信号は、I/F18を介して記録媒体90へ送られて記録され、また映像変換部91へも送られる。
第二階調制御部202は、第一階調制御部201による処理後の第一映像信号の入出力特性を変更する。ここでは第二階調変換処理として、ガンマ特性を変更する。第二階調制御部202における階調変換処理の詳細は後述する。この第二階調制御部202による第二階調変換処理後の映像信号は3DLUT変換部203へ送られる。
3DLUT変換部203は、3DLUTを適宜切り替えて第一映像信号を補正する。3DLUT変換部203における変換処理の詳細は後述する。この3DLUT変換部203による変換処理後の信号は第二映像信号として、映像出力部92に送られ、また、本実施形態のカメラ100に外部機器が接続されている場合にはその外部機器へ出力される。
モード設定部204は、HDR/SDRサイマル機能においてSDR側のゲインをユーザが手動で調整するモード(以下、SDRゲイン調整モードと呼ぶ)への設定変更を、ユーザからの指示に応じて行う機能部である。
ゲイン変更指示部205は、SDRゲイン調整モードにおいて、SDR側のゲイン変更指示を、ユーザからの指示に応じて行う機能部である。
システム制御部50の変換処理制御部206は、SDR信号に与えるゲイン値、動作モードなどに応じて、SDR信号への変換処理の内容を変更するゲイン制御を行う。詳細は後述するが、変換処理制御部206は、モード設定部204からの情報を基に、カメラ100の動作モードがSDRゲイン調整モードへ変更されたか否か、あるいは、動作モードがSDRゲイン調整モードでないか否かを判定する。そして、変換処理制御部206は、SDRゲイン調整モードであるか否かの判定結果と、ゲイン変更指示部205からの情報を基に、映像変換部91における処理を制御する。
第一の実施形態におけるこれらの各処理は、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現される。
次に、第一の実施形態のカメラ100における動作について説明する。初めに、第一の実施形態のカメラ100における基本制御の動作を説明し、その後、詳細制御について説明する。
図3は、第一の実施形態における基本的な制御の動作を示したフローチャートである。以下の説明では、図3のフローチャートの各処理のステップS301~ステップS305をS301~S305と略記する。このことは後述する他のフローチャートでも同様とする。
本実施形態のカメラ100では、画像処理部24においてHDR信号を生成し、映像変換部91においてHDR信号をSDR信号に変換する。以下、SDRゲイン調整モードと、それ以外のモードで、SDRゲインが変更された時のSDR信号への変換方法を変更する場合を例に挙げて説明を行う。以降の説明で用いる、SDRゲインまたはゲインは、SDR信号にのみ影響を与えるゲイン設定を指すとする。
まずS301の処理として、変換処理制御部206は、モード設定部204からの情報により、現在の動作モードがSDRゲイン調整モードに設定されているか否かを判定する。変換処理制御部206は、SDRゲイン調整モードではないと判定(No)した場合にはS302の処理に進み、一方、SDRゲイン調整モードであると判定(Yes)した場合にはS303の処理に進む。
S302に進むと、変換処理制御部206は、SDRゲインの変更が行われるか否かを判定する。そして、変換処理制御部206は、SDRゲインが変更されないと判定(No)した場合には図3のフローチャートの処理を終了し、一方、SDRゲインが変更されると判定(Yes)した場合にはS304の処理に進む。
そしてS304に進むと、変換処理制御部206は、画質を優先したSDR信号の変換処理が行われるように映像変換部91を制御する。この処理により、画質を低下させないことを優先して変換されたSDR信号が出力されることになる。なお、画質優先制御の詳細については後述する。
一方、S303に進んだ場合、変換処理制御部206は、例えばゲイン変更指示部205からの情報により、SDRゲインの変更が行われるか否かを判定する。そして、変換処理制御部206は、SDRゲインが変更されると判定(No)した場合には図3のフローチャートの処理を終了し、一方、SDRゲインが変更されると判定(Yes)した場合にはS305の処理に進む。
そしてS305に進むと、変換処理制御部206は、処理負荷を優先したSDR信号の変換処理が行われるように映像変換部91を制御する。この処理により、処理負荷を低下させることを優先して変換されたSDR信号が出力されることになる。なお、処理負荷優先制御の詳細については後述する。
このように本実施形態では、SDRゲイン調整モードの場合には処理負荷の低い処理を行うことで、ユーザが画像を見ながらリアルタイムにSDRゲインの調整を行えるようにしている。一方、SDRゲインの調整中でない場合には、画質の良いSDR画像をユーザが視聴できるようにしている。
図4は、本実施形態における詳細制御の流れを示すフローチャートである。図4のフローチャートでは、図3に示した基本的な制御の流れを、SDRゲインを例えば0dBから6dBに変更する場合を例に挙げてさらに詳細に説明する。本実施形態では、SDRゲイン調整モードである場合には、ユーザが画像を見ながらリアルタイムに明るさ調整を行えるように、処理負荷の軽減を優先したSDR信号のゲイン変換処理を行うような制御が行われる。本実施形態では、このような処理負荷の軽減を優先した制御を、処理負荷優先制御と呼んでいる。一方、SDRゲイン調整モードでない場合には、画質を優先したSDR信号のゲイン変換処理を行うような制御が行われる。本実施形態では、このような画質を優先した制御を画質優先制御と呼んでいる。なお、HDR信号には、PQ(Perceptual Quantizer)方式やハイブリッドログガンマ方式、SDR信号にはLogガンマなど各種記録設定が存在する。本実施形態における制御は、それら記録方式・形式によらずに適可能であるためそれらの詳細説明は省略する。
以下、画質優先制御と処理負荷優先制御との切り替えについて、SDRゲインの変更指示制御と合わせて説明する。なお図4のフローチャートの処理は、処理開始(Start)から処理終了(End)までの処理が所定の周期(例えば垂直同期Vの周期)で繰り返し行われるとする。
まずS401において、変換処理制御部206は、S301で説明したのと同様にSDRゲイン調整モードであるか否かを判定する。そして、変換処理制御部206は、SDRゲイン調整モードであると判定(Yes)した場合にはS407へと処理を進め、一方、SDRゲイン調整モードでないと判定(No)した場合にはS402へと処理を進める。ここで、変換処理制御部206は、SDRゲイン調整モードではない時のSDRゲイン値を、ゲイン値SG1として保存しておく。なお、SDRゲイン値の初期値は±0dBであるとする。SDRゲイン調整モードでないと判定された場合に進むS402以降の動作の説明は後ほど行う。
S401でゲイン調整モードであると判定されてS407に進むと、変換処理制御部206は、ユーザがSDRゲインを調整する際のゲイン値選択画面を、SDRに変換された画像に重畳するなどして、表示部28にともに表示させる。ゲイン値選択画面としては、一例として図5(a)に示すような画面が考えられる。図5(a)のゲイン値選択画面には、例えば、カーソル401と、複数のSDRゲイン値とが配されている。カーソル401は例えば操作部70の十字キーの操作に応じて画面上を移動可能となされており、ゲイン変更指示部205は、カーソル401の矢印により指示されているSDRゲイン値をユーザにより選択された値として取得する。そしてゲイン変更指示部205は、カーソル401の指示によりいずれかのSDRゲイン値が選択されている場合、その選択されているSDRゲイン値を変換処理制御部206に通知する。
次にS408の処理に進むと、変換処理制御部206は、SDRゲイン調整モードに入った時のSDRゲイン値の情報を取得し、ゲイン値SG2として保存する。
次にS409の処理に進むと、変換処理制御部206は、カーソル401が操作されてゲイン変更指示部205から通知されるSDRゲイン値を基に、SDRゲイン値が変更されたか否かを判定する。このS409における判定では、カーソル401操作で選択されてゲイン変更指示部205から通知されたゲイン値と、S408で保持されたSDRゲイン値SG2とを比較し、それらのゲイン値が異なる場合にSDRゲイン値が変更されたと判定する。図5(b)は、カーソル401が操作されて、例えば+6dBの値が選択された場合のゲイン値選択画面例を示している。そして、変換処理制御部206は、SDRゲイン値が変更されたと判定(Yes)した場合にはS411へ処理を進め、一方、SDRゲイン値が変更されていないと判定(No)した場合にはS410へ処理を進める。
S411の処理に進んだ場合、変換処理制御部206は、変更されたSDRゲイン値に応じて、処理負荷を優先したSDRゲインの変更処理が行われるように映像変換部91を制御する。この処理により、ユーザは変更後のSDRゲインの効果を表示中の画像を見ながら確認することができる。処理負荷優先制御に応じた映像変換処理の詳細は後述するが、次フレームの映像更新までの間に処理可能な映像変換が行われる。
S410の処理に進んだ場合、変換処理制御部206は、選択されている状態のSDRゲイン値を決定(確定)する決定操作がなされたか否かを判定する。SDRゲイン値の決定操作の判定は、例えば操作部70のSETボタンが押下されたか否かの押下検知を基に行われる。そして、変換処理制御部206は、SDRゲイン値の決定操作が行われたと判定(Yes)した場合には、S412の処理としてSDR調整モードを解除し、表示部28のゲイン値選択画面の表示をオフするような制御を行う。このS412の処理後、またS410においてSDRゲイン値の決定操作が行われなかったと判定(No)した場合、変換処理制御部206は、図4のフローチャートの処理を終了する。
S401においてSDRゲイン調整モードでないと判定(No)されてS402の処理に進んだ場合、前述したように、変換処理制御部206は、SDRゲイン調整モードではないと判定された時のSDRゲイン値SG1を保存する。
次にS403の処理に進むと、変換処理制御部206は、SDRゲイン値SG1が変更されたか否かを判定する。ここで、SDRゲイン値SG1が変更されたと判定されるのは、SDRゲイン調整モードでSDRゲイン値が変更された後、SDRゲイン値の決定操作がなされて、SDRゲイン調整モードが解除された時だけである。そして、変換処理制御部206は、SDRゲイン値SG1が変更されていないと判定(No)した場合には図4のフローチャートの処理を終了し、一方、SDRゲイン値SG1が変更されたと判定(Yes)した場合にはS404に処理を進める。
S404の処理に進むと、変換処理制御部206は、表示部28などの映像出力部に対し、一面(全面)が所定輝度レベルである一面黒の画像を出力する処理を行う。
次にS405の処理に進むと、変換処理制御部206は、画質優先制御に基づいたSDRゲインの変更処理が行われるように映像変換部91を制御する。詳細は後述するが、画質優先制御に応じた映像変換処理とは、処理負荷優先制御よりも画質が優位される一方で、次フレームの画像更新までに処理が間に合わなくなる可能性のある映像変換処理である。このため、画質優先制御による映像変換処理が終わるまでは、S404の処理で黒画を出力しておくことで、映像変換処理途中の画像を出力しないようにしている。
その後、S405の映像変換処理が完了すると、変換処理制御部206は、S406の処理として、黒画像の出画を解除した後、図4のフローチャートの処理を終了する。
本実施形態においては、前述のような制御を行うことにより、SDRゲイン調整モードでは処理負荷の少ない制御方法が採用されることになり、ユーザが画像を確認しながらリアルタイムに明るさ調整を行うことが可能となる。また本実施形態によれば、SDRゲインをユーザが決定した後、調整モードを抜けた後は画質を優先したSDR画像を視聴・記録することが可能となる。
次に、画質優先制御について図6のフローチャートを参照しながら説明する。
画質優先制御では、SDRゲイン値の変更を、3DLUTを利用した変換処理により行う。本実施形態では、SDR信号を生成する基となるHDR信号はカメラ100により主に記録・出力される信号であり前述した第一映像信号に相当する。また本実施形態では、そのHDR信号から変換されて生成されるSDR信号が第二映像信号に相当する。HDR信号の階調特性や色域、撮像部22での撮像によってHDR信号が取得された際の絞り値、シャッタースピード、ゲインなどは予め設定されているものとする。以後、第一映像信号の階調特性を表すEOTF(Electro-Optical Transfer Function)をEOTF1と表記する。
まずS601の処理として、変換処理制御部206は、第二映像信号の階調特性と色域の設定を行う。これらの設定はユーザが手動で行ってもよいし、カメラ100のシステム制御部50が自動で行ってもよい。以後、第二映像信号の階調特性を表すEOTFをEOTF2と表記する。
次にS602の処理に進むと、変換処理制御部206は、第一映像信号と第二映像信号とのゲイン差を設定する。前述した図5の例の場合、ゲイン差として6dBが設定されることになる。以後、S602で設定されたゲイン差に相当する倍率をkとする。
次にS603の処理に進むと、変換処理制御部206は、第二階調制御部202で行われる変換処理において飽和が発生しないような階調変換特性を算出する。このときの変換処理制御部206は、まず、飽和を考慮せずに単純にゲインと階調変換のみを行う階調変換特性とを求める。このときの階調変換特性は、図7の特性曲線701で示すような特性である。ここで、変換前の信号値をxとすると、階調変換特性f(x)は下記の式(1)で表される。
f(x)=EOTF2 -1(kEOTF1(x)) 式(1)
次に、変換処理制御部206は、式(1)の演算結果を用い、飽和を生じさせないようにするための利得sを求める。第一映像信号の取り得る最大の信号値をm、第二映像信号の取り得る最大の信号値をMとしたとき、利得sは、式(1)のf(x)を用いて次式(2)で表される。
s=M/f(m) 式(2)
したがって、第二階調制御部202に設定する階調変換特性g(x)は、下記の式(3)で表される。
g(x)=sf(x) 式(3)
これは図7の特性曲線702で示す階調変換特性にあたり、第二階調制御部202ではその階調変換特性を用いた階調変換が行われることになる。
このような階調変換特性はシステム制御部50の変換処理制御部206が都度算出する場合だけでなく、予め複数の階調変換特性を算出しておいて、それらを1DLUTとして不揮発性メモリ56に保持しておくようにしてもよい。本実施形態の場合、予め算出した階調変換特性の1DLUTを不揮発性メモリ56に保持しており、変換処理制御部206は、S601、S602の設定値に基づいて、それらに対応した階調変換特性を1DLUTから選択する。
次にS604に進むと、変換処理制御部206は、色域変換を行うための3DLUTを算出する。算出する3DLUTを用いた変換処理では、色域変換などを含めた色味の変換のみが行われ、階調変換は行わないが、S603で求めた階調変換特性には飽和を防ぐための利得が含まれている。このため、変換処理制御部206は、それを補償するための利得を3DLUTの特性に含める。すなわち変換処理制御部206は、S603で求めた階調変換特性に含まれる利得分を反転した利得である1/sを、3DLUTの特性に含めるようにする。
ここで、色域変換は、通常、線形な階調特性の状態に色域変換マトリクスを掛けて行われる。すなわち色域変換マトリクスをMGamutとし、色域変換前の信号のRGB値をr,g,bとし、色域変換後のRGB値をr',g',b'とすると、色域変換は次式(4)で表される。
Figure 0007214484000001
さらに式(4)に対し、S603で求めた階調変換特性に含まれる利得分を反転した利得である1/sを入れると、3DLUTの各要素の算出式は式(5)のようになる。
Figure 0007214484000002
ここで、EOTF2関数は引数となるベクトルの要素それぞれにEOTF2を適用しているものとする。また、EOTF2 -1関数も同様であるとする。ただし、この処理を単純に行うと、やはり飽和による色相変化(色つき等)が生じてしまうため、変換処理制御部206では、それを回避するための処理を3DLUTに含めている。例えば、色差が最少となるように表現可能な範囲にマッピングすることや、色相を維持しつつ色差が最少となるように表現可能な範囲にマッピングする処理などを3DLTUに含めている。これらの処理は一般的にガマットマッピングとして知られている内容であり、その中のどのような処理を用いてもよい。
3DLUTについても、前述の1DLUTの例と同様に、変換処理制御部206が都度算出する場合だけでなく、予め用意しておいて不揮発性メモリ56に保持しておくようにしてもよい。本実施形態の場合、変換処理制御部206は、予め用意した複数の3DLUTのなかから、S603での階調変換特性に含まれる利得を反転した利得を考慮した3DLUTを選択する。これにより、S603で設定した階調変換特性では飽和しないように抑え込まれていた分が元に戻り、適切な明るさの映像信号が得られるようになる。
次にS605に進むと、変換処理制御部206は、S603で算出または選択した階調変換特性の1DLUTを第二階調制御部202に設定する。
さらにS606に進むと、変換処理制御部206は、S604で算出または選択した3DLUTを3DLUT変換部203に設定し、その後、図6のフローチャートの処理を終了する。
前述したように、画質優先制御では、色域変換を行うための3DLUTを、階調変換処理の設定ゲイン値に応じて変換している。すなわち画質優先制御では、S603で求めた階調変換特性には飽和を防ぐための利得分を補償するための利得を3DLUTの特性に含めるように変換する。これにより、SDRゲイン調整で輝度レベルを上げた際の飽和部に生じる色つきのような色相変化を低減した映像信号を生成することが出来ることになる。なお、3DLUTの変更は演算時の処理負荷が大きく、一般的にLUTの格子点が多いほど変換精度が向上するがデータ数は増大することになるが、本実施形態の場合は画質優先制御の場合にのみ3DLUTの変更が行われる。一方、処理負荷優先制御では3DLUTの変更が行われないため、リアルタイム性が損なわれることはない。
続いて、処理負荷優先制御について、図8を用いて説明する。図8は、SDRゲイン変更前後のガンマ特性を示す図であり、縦軸が出力レベル、横軸がDレンジ(ダイナミックレンジ)を示している。
処理負荷優先制御を行う場合、変換処理制御部206は、SDRゲインの変更を、第二階調制御部202で行われるガンマ変換処理に含めるように制御する。また、処理負荷優先制御が行われる場合、変換処理制御部206は、SDRゲインの変更によらず、固定の3DLUTを用いるように3DLUT変換部203を制御する。図8の特性曲線801はSDRゲイン変更前のガンマ特性を示しており、特性曲線802はSDRゲイン変更後のガンマ特性を示している。SDRゲイン変更前後のゲイン差に相当する倍率をk倍とすると、特性曲線802は、特性曲線801で示す変更前のガンマ特性をDレンジ方向に1/k倍した特性となっている。
ここで、図8の特性曲線802の場合、D1レンジからD2レンジの領域の入力信号では、全て出力最大値をとるためクリップされる。そのため、画像の飽和領域付近では、R,G,Bの各色が飽和することによって色相が変化する現象が発生する。このような色相変化の減少は色曲りと呼ばれることがある。一方、ガンマ特性の変換時の処理負荷は、3DLUTの変更処理に比べて少なく、したがって例えば次フレームの映像更新までの間に変更処理を終えることができる。
ただし、SDRゲインを大きくするほど色曲りは目立つようになるため、システム制御部50は、例えばSDRゲインが所定値を超えた場合には表示部28の画面上に警告表示を行う。警告表示は、「調整モードのため、高輝度部に色付き発生」などの警告文を画面隅などに表示する手法や、高輝度領域の色曲りが起こり得る画像領域に所謂ゼブラ信号を重畳表示する手法などを用いることができる。警告表示の手法は特に限定されるものではない。
なお、3DLUT変換部203が3DLUTの格子点数を変更可能な構成である場合、変換処理制御部206は、処理負荷優先制御として、3DLUTの格子点数を減らした映像変換処理モードにする制御を行ってもよい。この場合、変換処理制御部206は、例えば次フレームの画像更新までの間に、SDRゲインに応じて3DLUTの格子点数を減らすようにする。なお、その後に画質優先制御が行われる場合には、3DLUTの格子点数を元の数に戻すように制御する。
以上説明したように、第一の実施形態の映像信号処理装置によれば、SDRゲイン機能の設定値変更の確認をリアルタイムに行うことが可能となる上、SDRゲイン決定後は色曲がりのような色相変化を低減したSDR信号を生成することが可能となる。
<第二の実施形態>
次に、本発明に係る第二の実施形態について説明する。第二の実施形態において、前述した第一の実施形態と重複する構成や処理については説明を省略する。
図9は、第二の実施形態において、画像処理部24で行われる画像信号処理と、映像変換部91で行われる第一映像信号を第二映像信号へ変換する映像信号変換処理とに関連する主要部を示した図である。図9の構成において、第一の実施形態の図2に示した構成との差は、画像処理部24に色補正部901が追加されている点である。色補正部901は、HDR側を含めた色の補正を行い、例えば色再現の補正や高輝度領域の彩度を落とす補正など色に関する補正を行う。それ以外の構成と処理は前述した第一の実施形態と同様であるためそれらの説明を省略する。
第二の実施形態における詳細制御の流れは図4と同様であるため、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
第二の実施形態の場合、S411の処理負荷優先制御とS405の画質優先制御とが、第一の実施形態とは異なっている。それらS411の処理負荷優先制御とS405の画質優先制御以外の処理は第一の実施形態と同様のため説明を省略する。
まず第二の実施形態におけるS411の処理負荷優先制御について説明する。なお、SDRのゲイン変更を第二階調制御部202で行われるガンマ変換処理に含めて制御を行うところは第一の実施形態と同様である。その後、変換処理制御部206は、第二映像信号の高輝度領域に色つきのような色相変化が発生しているかどうかを判定する。
高輝度領域の色つき判定方法については、例えば、第二映像信号に正のゲインをかけていれば高輝度領域に色つきが発生していると推定する方法を用いても良い。または、階調変換前後の信号を比較して色差や色相、彩度に差があれば高輝度領域に色つきが生じていると推定しても良い。他には、変換前後の信号のDレンジについて変換前のDレンジにSDRのゲインをかけたものが変換後のDレンジよりも大きい場合に高輝度領域に色つき生じていると推定しても良い。本実施形態では、これら高輝度領域の色つきの推定方法のいずれかを用いても良いし、さらにそれらを組み合わせた推定方法を用いても良い。
高輝度領域に色つきが発生しているかどうかの推定を行った結果、高輝度領域に色つきが生じていないと判定した場合、変換処理制御部206は、S411の処理負荷優先制御の処理を終了する。一方、高輝度領域に色つきが発生していると判定した場合、変換処理制御部206は、色補正部901に対し、高輝度領域の色つきを防ぐ色補正を行わせる。ここで、高輝度領域の色つきを防ぐ色補正とは、例えば高輝度領域の彩度を落とす補正である。
そして、色補正部901による色補正が行われた後、変換処理制御部206は、S411の処理負荷優先制御の処理を終了する。
次に第二の実施形態におけるS405の画質優先制御について説明する。
S405の画質優先制御において、変換処理制御部206は、S411の処理負荷優先制御で高輝度領域の色つきを防ぐ色補正を色補正部901で行っていた場合にはその補正を行わないようにする。その後の処理は、第一の実施形態の画質優先制御と同様であるため説明を省略する。
以上説明した第二の実施形態では、SDRゲイン調整モード時に高輝度領域に色相変化が生ずる設定になった場合に高輝度領域の色相変化を防ぐ色補正を行うことで、高輝度領域の色相変化を抑え、第二映像信号の露出変更を正確な判断で行うことが可能となる。また、第二の実施形態においては、SDRゲイン調整モードから抜ける際にゲイン補正と高輝度領域の色相変化を抑える補正を、3DLUTを用いて行う。これにより、SDRゲイン調整モード以外のモードでは第二映像信号の高輝度領域の彩度を落とすことなく撮影が可能となる。そして、第二の実施形態によれば、SDRゲイン機能による設定値変更の確認をリアルタイムに行うことが可能となる上、ゲイン決定後は色相変化を低減したSDR信号を生成することが可能となる。
以上、本発明の各実施形態について詳述してきたが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。また上述した第一、第二の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
前述した各実施形態の各機能やフローチャートの処理は、ハードウェア構成のみで実現されてもよいし、CPU等がプログラムを実行することによるソフトウェア構成により実現されてもよい。また、一部がハードウェア構成で残りがソフトウェア構成により実現されてもよい。このソフトウェア構成のためのプログラムは、予め用意されている場合だけでなく、不図示の外部メモリ等の記録媒体から取得されたり、不図示のネットワーク等を介して取得されたりしてもよい。
また前述の実施形態では、ビデオカメラへの適用例を挙げたが、動画撮影が可能なデジタルカメラ、監視カメラ、工業用カメラ、車載カメラ、医療用カメラ、動画撮影機能を備えたスマートフォン、タブレット端末などにも適用可能である。
本発明に係る信号処理における1以上の機能を実現するプログラムは、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給可能であり、そのシステム又は装置のコンピュータの1つ以上のプロセッサにより読また出し実行されることで実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
前述の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明は、その技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
24:画像処理部、50:システム制御部、70:操作部、91:映像変換部、92:映像出力部、100:デジタルビデオカメラ、201:第一階調制御部、202:第二階調制御部、203:3DLUT変換部、204:モード設定部、205:ゲイン変更指示部、206:変換処理制御部

Claims (10)

  1. 第一階調変換が施された第一映像信号を、第二映像信号へ変換する映像変換手段と、
    動作モードに応じて、前記第二映像信号に施す変換処理を制御する処理制御手段と、
    を有し、
    前記映像変換手段は、ゲイン変換処理を含む第二階調変換を行う階調制御手段と、3次元のルックアップテーブルを用いた変換処理を行う変換手段と、を含み、
    前記処理制御手段は、前記動作モードが、所定の操作により指示されたゲイン値に基づくゲイン制御を行うゲイン調整モードである場合には前記階調制御手段によるゲイン変更を行い、前記ゲイン調整モードでない場合には前記変換手段によるゲイン変更を行うように制御することを特徴とする映像信号処理装置。
  2. 前記動作モードを、前記ゲイン調整モードと前記ゲイン調整モードでないモードのいずれかに設定するモード設定手段を更に有し、
    前記処理制御手段は、前記モード設定手段により設定された動作モードに応じて、前記変換処理の制御を行うことを特徴とする請求項に記載の映像信号処理装置。
  3. ユーザからの指示に応じて、前記変換手段が用いるゲイン値を変更する変更指示手段を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の映像信号処理装置。
  4. 前記第二映像信号に対して変更指示されたゲイン値に基づいて、映像の色相変化を推定する推定手段と、
    前記ゲイン調整モードにおいて発生する色相変化の量が所定値を超える場合、表示装置に所定の警告表示を行わせる表示制御手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の映像信号処理装置。
  5. 前記警告表示は、映像信号に重畳するゼブラ信号または警告文であることを特徴とする請求項に記載の映像信号処理装置。
  6. 前記第二映像信号に対して変更指示されたゲイン値に基づいて、映像の色相変化を推定する推定手段と、
    前記ゲイン調整モードにおいて、ゲイン変更によって第二映像信号の高輝度領域に色相変化が生ずることが前記推定手段により推定された場合、前記高輝度領域の色相変化を補正する補正手段と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の映像信号処理装置。
  7. 前記補正手段は、前記高輝度領域の彩度を落とす補正を行うことを特徴とする請求項に記載の映像信号処理装置。
  8. 前記補正手段によって前記高輝度領域の色相変化に補正が行われていて、前記動作モードが前記ゲイン調整モードから別のモードに変更された場合、前記変換手段は、前記3次元のルックアップテーブルを用いて前記高輝度領域の色相変化を補正して、前記補正手段による前記補正を元に戻すことを特徴とする請求項またはに記載の映像信号処理装置。
  9. 映像信号処理装置が実行する映像信号処理方法であって、
    第一階調変換が施された第一映像信号を、第二映像信号へ変換する映像変換工程と、
    動作モードに応じて、前記第二映像信号に施す変換処理を制御する処理制御工程と、
    を有し、
    前記映像変換工程は、ゲイン変換処理を含む第二階調変換を行う階調制御工程と、3次元のルックアップテーブルを用いた変換処理を行う変換工程と、を含み、
    前記処理制御工程では、前記動作モードが、所定の操作により指示されたゲイン値に基づくゲイン制御を行うゲイン調整モードである場合には前記階調制御工程によるゲイン変更を行い、前記ゲイン調整モードでない場合には前記変換工程によるゲイン変更を行うように制御することを特徴とする映像信号処理方法。
  10. コンピュータを、請求項1からのいずれか1項に記載の映像信号処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
JP2019005137A 2019-01-16 2019-01-16 映像信号処理装置、映像信号処理方法、及びプログラム Active JP7214484B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019005137A JP7214484B2 (ja) 2019-01-16 2019-01-16 映像信号処理装置、映像信号処理方法、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019005137A JP7214484B2 (ja) 2019-01-16 2019-01-16 映像信号処理装置、映像信号処理方法、及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020113942A JP2020113942A (ja) 2020-07-27
JP7214484B2 true JP7214484B2 (ja) 2023-01-30

Family

ID=71667335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019005137A Active JP7214484B2 (ja) 2019-01-16 2019-01-16 映像信号処理装置、映像信号処理方法、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7214484B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009147463A (ja) 2007-12-11 2009-07-02 Canon Inc 撮像装置及びその制御方法
JP2015154270A (ja) 2014-02-14 2015-08-24 キヤノン株式会社 画像処理装置、データ作成装置、画像処理方法、及びデータ作成方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009147463A (ja) 2007-12-11 2009-07-02 Canon Inc 撮像装置及びその制御方法
JP2015154270A (ja) 2014-02-14 2015-08-24 キヤノン株式会社 画像処理装置、データ作成装置、画像処理方法、及びデータ作成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020113942A (ja) 2020-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5656579B2 (ja) 光学部材に起因する画質の低下を補正可能な撮像装置、撮像装置の制御方法およびプログラム
US6614996B2 (en) Image forming apparatus and image forming method
JP5347707B2 (ja) 撮像装置および撮像方法
JP5223686B2 (ja) 撮像装置および撮像方法
JP7129813B2 (ja) 画像処理装置およびその制御方法、プログラム並びに記憶媒体
JP6883971B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法、プログラム、並びに記憶媒体
JP5948997B2 (ja) 撮像装置及び撮像方法
JP2010103700A (ja) 撮像装置および撮像方法
US10325355B2 (en) Video signal processing apparatus, video signal processing method, and program
JP7214484B2 (ja) 映像信号処理装置、映像信号処理方法、及びプログラム
JP2012090041A (ja) 画像処理装置及び方法、並びにプログラム
JP2022066385A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法、プログラム
JP2017126920A (ja) 撮像装置
JP7257768B2 (ja) 画像処理装置およびその制御方法ならびにプログラム
JP5828663B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理装置の制御方法
JP2017163339A (ja) 映像処理装置、映像処理方法、及びプログラム
JP6795961B2 (ja) 画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、プログラム
JP7086155B2 (ja) 画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、プログラム
JP6624895B2 (ja) 画像処理装置、撮像装置、制御方法及びプログラム
JP2018061153A (ja) 撮像装置、撮像装置の制御方法およびプログラム
JP5145876B2 (ja) 撮像装置および撮像方法
JP4745672B2 (ja) 撮像装置及びその制御方法
JP2012129611A (ja) 撮像装置
KR20100096494A (ko) 플래시를 이용한 화이트 밸런스 조정 방법 및 장치, 이를 이용한 디지털 촬영 장치
JP2021002716A (ja) 撮像装置、撮像装置の制御方法、及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230118

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7214484

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151