JP7214120B2 - 硬質皮膜被覆部材及びその製造方法 - Google Patents

硬質皮膜被覆部材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、硬質皮膜被覆部材及びその製造方法に関する。
飛行機用ジェットエンジンの圧縮機ブレードやタービンブレードなどの回転部材では、外部から流入する硬質異物に対する耐エロージョン性を高めることが要求される。このため、これらの回転部材の表面を硬質皮膜によってコーティングすることにより、耐エロージョン性を高めることが検討されている。例えば特許文献1には、ガスタービンの動翼表面に溶射皮膜を形成して当該動翼表面を被覆することにより、耐エロージョン性を高めることが記載されている。
特開2005-140073号公報
圧縮機ブレードやタービンブレードなどの回転部材では、硬質異物に対する耐エロージョン性を高めるための硬度が求められるのに加えて、疲労寿命の向上も要求される。特許文献1に記載されたガスタービンの動翼では、硬度が高く且つ緻密な溶射皮膜が形成されているが、疲労寿命の向上において改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、疲労寿命が改善された硬質皮膜被覆部材及びその製造方法を提供することである。
本発明の一局面に係る硬質皮膜被覆部材は、TiAl金属間化合物からなると共に引張応力が繰り返し加わる条件下で使用される基材と、前記基材の表面を被覆する硬質皮膜であって、Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属の窒化物からなる前記硬質皮膜と、を有している。この硬質皮膜被覆部材において、X線回折法により測定される前記硬質皮膜の残留圧縮応力が7GPa以上となっている。
本発明の他の局面に係る硬質皮膜被覆部材は、Ti合金からなると共に引張応力が繰り返し加わる条件下で使用される基材と、前記基材の表面を被覆する硬質皮膜であって、Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属の窒化物からなる前記硬質皮膜と、を有している。この硬質皮膜被覆部材において、X線回折法により測定される前記硬質皮膜の残留圧縮応力が4GPa以上となっている。
本発明者らは、硬質皮膜被覆部材の疲労寿命の改善について鋭意研究を行い、その結果、以下の知見を得て本発明に想到した。
例えば圧縮機ブレードやタービンブレードなどの引張応力が繰り返し加わる基材の表面を硬質皮膜により被覆すると、当該硬質皮膜に対しても同様に引張応力が繰り返し加わる。これに起因して、硬質皮膜の表面においてクラックが発生し、硬質皮膜の疲労現象が起こる。
これに対し、本発明者らは、鋭意研究を行った結果、硬質皮膜の残留圧縮応力を、TiAl金属間化合物の基材上では7GPa以上とし、Ti合金基材上では4GPa以上とすることにより、疲労寿命が著しく改善されることを新たに見出した。本発明の硬質皮膜被覆部材によれば、残留圧縮応力が7GPa以上又は4GPa以上の硬質皮膜によって基材の表面を被覆することにより、当該基材を引張応力が繰り返し加わる条件下で使用した場合でも、皮膜表面におけるクラックの発生を防止し、疲労寿命を大幅に改善することが可能になる。
「TiAl金属間化合物」とは、Ti及びAlを主成分として含有するものであり、例えば、Ti-48Al-2Cr-2Nb、Ti-45Al-8Nb-0.2Cなどが挙げられる(at%、小数点以下四捨五入)。「Ti合金」とは、Tiを主成分として含有するものであり、例えば、Ti-6Al-4V、Ti-6Al-2Sn-4Zr-6Mo-0.1Siなどが挙げられる(mass%、小数点以下四捨五入)。また「主成分」とは、全体の成分のうち50at%以上(又はmass%以上)の成分を意味する。
上記硬質皮膜被覆部材において、前記硬質皮膜の成分組成がTiAlNであってもよい。これにより、硬質皮膜の耐酸化性を高めることができる。
本発明のさらに他の局面に係る硬質皮膜被覆部材の製造方法は、基材の表面に硬質皮膜を形成して硬質皮膜被覆部材を製造する方法である。この方法は、TiAl金属間化合物からなると共に引張応力が繰り返し加わる条件下で使用される前記基材を、成膜装置のステージ上に設置する基材設置工程と、Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有するターゲットを、前記成膜装置内に設置するターゲット設置工程と、前記成膜装置内が窒素ガスを含む雰囲気となった状態で前記ターゲットを蒸発させることにより、前記少なくとも一種の金属の窒化物からなる前記硬質皮膜を前記基材の表面に形成する成膜工程と、を含む。前記成膜工程では、前記ステージから前記基材に-60V又は-60Vよりも負の大きな値のバイアス電圧を印加しつつ前記硬質皮膜を形成する。
本発明のさらに他の局面に係る硬質皮膜被覆部材の製造方法は、基材の表面に硬質皮膜を形成して硬質皮膜被覆部材を製造する方法である。この方法は、Ti合金からなると共に引張応力が繰り返し加わる条件下で使用される前記基材を、成膜装置のステージ上に設置する基材設置工程と、Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有するターゲットを、前記成膜装置内に設置するターゲット設置工程と、前記成膜装置内が窒素ガスを含む雰囲気となった状態で前記ターゲットを蒸発させることにより、前記少なくとも一種の金属の窒化物からなる前記硬質皮膜を前記基材の表面に形成する成膜工程と、を含む。前記成膜工程では、前記ステージから前記基材に-40V又は-40Vよりも負の大きな値のバイアス電圧を印加しつつ前記硬質皮膜を形成する。
本発明者らが鋭意研究を行った結果、成膜工程において基材に印加するバイアス電圧を適切な範囲に調整することにより、残留圧縮応力が適切な範囲で付与された硬質皮膜を形成可能であることが明らかになった。したがって、この方法によれば、疲労寿命が改善された硬質皮膜被覆部材を製造することが可能になる。
上記硬質皮膜被覆部材の製造方法において、前記ターゲット設置工程では、Ti及びAlを含有する前記ターゲットを前記成膜装置内に設置してもよい。前記成膜工程では、TiAlNの成分組成を有する前記硬質皮膜を形成してもよい。これにより、耐酸化性に優れた硬質皮膜を基材の表面に形成することができる。
上記硬質皮膜被覆部材の製造方法において、アークイオンプレーティング法により前記硬質皮膜を形成してもよい。スパッタリング法を用いた場合には、アークイオンプレーティング法を用いた場合に比べて、蒸着粒子のイオン化率が低く、バイアス電圧の印加による圧縮応力付与の効果が働きにくい。これに対し、アークイオンプレーティング法によれば、蒸着粒子のイオン化率を高めることができるため、適切な残留圧縮応力が付与された硬質皮膜を形成することが可能である。したがって、アークイオンプレーティング法は、スパッタリング法に比べて疲労寿命の改善において有効である。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、疲労寿命が改善された硬質皮膜被覆部材及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る硬質皮膜被覆部材の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る硬質皮膜被覆部材の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る硬質皮膜被覆部材の製造方法において用いられる成膜装置の構成を模式的に示す図である。 疲労試験片を模式的に示す図である。 図4中の線分V-Vに沿った疲労試験片の断面図である。 本発明の実施例1におけるバイアス電圧と疲労寿命との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1におけるバイアス電圧と残留応力との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2におけるバイアス電圧と疲労寿命との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2におけるバイアス電圧と残留応力との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る硬質皮膜被覆部材及びその製造方法について詳細に説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る硬質皮膜被覆部材1について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る硬質皮膜被覆部材1は、TiAl金属間化合物からなる基材10と、当該基材10の表面11を被覆する硬質皮膜20と、を主に有している。
基材10は、引張応力が繰り返し(周期的に)加わる条件下で使用される部材であり、例えば、飛行機用ジェットエンジンの圧縮機ブレードや発電用蒸気タービンのブレードなどの高速回転する部材である。これらの回転部材では、特にブレードの根元部分において、高速回転に伴う遠心力に起因した大きな引張応力が加わる。そしてこの引張応力は、ブレードの回転速度が変化するのに伴い、時間と共に変動する。なお、基材10は回転部材に限定されるものではなく、例えば高速で振動する部材においても引張応力が繰り返し加わるため、これを基材10として用いることもできる。
硬質皮膜20は、例えばカソード型アークイオンプレーティング(AIP;Arc Ion Plating)法などの物理蒸着(PVD;Physical Vapor Deposition)法により、基材10の表面11を被覆するように形成されている。なお、硬質皮膜20の成膜方法については後に詳述する。
硬質皮膜20は、Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属の窒化物からなる。より具体的には、硬質皮膜20は、TiN、TiAlN、AlN、CrN、AlCrN又はTiCrAlNなどの成分組成を有している。なお、硬質皮膜20における各金属元素の原子比は、特に限定されない。
飛行機用ジェットエンジンの圧縮機ブレードや発電用蒸気タービンのブレードである基材10においては、高速回転中に外部から流入する硬質異物に対する耐エロージョン性が求められる。これに対し、上記成分組成を有する硬質皮膜20を基材10の表面11にコーティングすることにより、エロージョンによる基材10の損傷を防ぐことができる。
また硬質皮膜20の耐酸化性を高める観点から、硬質皮膜20の成分組成がTiAlNであることが特に好ましい。さらに硬質皮膜20は、Ti、Al、Cr及びN以外の元素として、例えばSi、C又はBなどの元素をさらに含有していてもよい。
硬質皮膜20は、その残留圧縮応力が7GPa以上となっている。これにより、ブレード(基材10)が回転する時の引張応力による皮膜表面でのクラックの発生を抑制し、残留圧縮応力が7GPa未満である場合に比べて硬質皮膜20の疲労寿命を大幅に改善することができる。これは、硬質皮膜20において7GPa以上の残留圧縮応力を発生させることにより、当該硬質皮膜20の表面21においてクラックの発生を抑止し得る程度の圧縮応力が加わるためである。したがって、硬質皮膜20の成分組成や基材10の種類などに依らず、硬質皮膜20の残留圧縮応力を上記範囲内とすることにより、疲労寿命改善の効果を得ることができる。
硬質皮膜20の残留圧縮応力は、8GPa以上であることが好ましく、9GPa以上であることがより好ましい。また当該残留圧縮応力の上限値は特に限定されないが、本実施形態における硬質皮膜20の残留圧縮応力は、例えば10GPa以下となっている。
硬質皮膜20の残留圧縮応力は、X線回折法により測定される。具体的な測定方法は、後述する実施例において説明する通りである。
次に、本発明の実施形態に係る硬質皮膜被覆部材の製造方法について、図2に示すフローチャートに従って説明する。この方法は、アークイオンプレーティング法により基材10の表面11に硬質皮膜20を形成して上記硬質皮膜被覆部材1を製造する方法である。まず、当該方法において硬質皮膜20の成膜に用いられる成膜装置2の構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、成膜装置2は、チャンバー31と、アーク電源32と、ステージ34と、バイアス電源35と、ヒータと、放電電源37と、フィラメント加熱電源38と、を主に有している。
チャンバー31には、硬質皮膜20の成膜を行うための空間が内部に形成されており、その壁部には、当該チャンバー31内を真空排気するためのガス排気口31Aと、当該チャンバー31内に成膜用ガス(窒素ガスなど)やアルゴンガスを供給するためのガス供給口31Bと、がそれぞれ設けられている。図3に示すように、チャンバー31の外には窒素ガス供給源39A及びアルゴンガス供給源39Bがそれぞれ配置されており、これらは、ガス導入経路36を介してガス供給口31Bに接続されている。またアーク電源32の正バイアス側は、チャンバー31に接続されている。
ステージ34は、チャンバー31内の中央に配置されており、回転可能に構成されている。ステージ34は、成膜対象である基材10を支持するための支持面を有している。バイアス電源35は、マイナス側がステージ34に接続されており、成膜中においてステージ34を通して基材10に負のバイアス電圧を印加する。またバイアス電源35のプラス側はチャンバー31に接続されている。
次に、本実施形態に係る硬質皮膜被覆部材の製造方法の手順について説明する。この方法では、まず、基材10を成膜装置2のステージ34上に設置する工程S10が行われる(基材設置工程)。この工程S10では、まず、基材10をエタノールなどの洗浄液を用いて洗浄する。そして、洗浄後の基材10をチャンバー31内に導入し、ステージ34上に設置する。
次に、ターゲットを成膜装置2内(チャンバー31内)に設置する工程S20が行われる(ターゲット設置工程)。この工程S20では、硬質皮膜20の金属元素の成分を有するターゲットを準備し、これをカソードとして作用させるために、アーク電源32の負バイアス側に接続された蒸発源にセットする。
ターゲットは、Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有するものであり、具体的には、Tiターゲット、TiAlターゲット、Alターゲット、Crターゲット、AlCrターゲット又はTiCrAlターゲットなどである。なお、ターゲットが2種類以上の金属元素を含有する場合には、硬質皮膜20における各金属元素の原子比に合わせて、当該ターゲットにおける各金属元素の含有比率が調整される。
次に、基材10をエッチングする工程S30が行われる(基材エッチング工程)。この工程S30では、まず、ガス排気口31Aからチャンバー31内を排気することにより当該チャンバー31内が所定の圧力まで減圧され、真空状態とされる。次に、ガス供給口31BからArガスがチャンバー31内に導入され、またヒータにより基材10が所定の温度まで加熱される。そして、基材10の表面11(被成膜面)がArイオンにより所定時間エッチングされる。これにより、基材10の表面11に形成された酸化皮膜などが除去される。なお、当該基材エッチング工程S30は、本発明の硬質皮膜被覆部材の製造方法における必須の工程ではなく、省略されてもよい。
次に、硬質皮膜20を基材10の表面11に形成する工程S40が行われる(成膜工程)。この工程S40では、まず、ガス供給口31Bから窒素(N)ガスをチャンバー31内に導入することにより、当該チャンバー31内が所定の成膜圧力に調整される。そして、チャンバー31内が窒素ガスを含む雰囲気となった状態で所定のアーク電流を流すことにより、ターゲットを蒸発させる。これにより、蒸発してイオン化した蒸着粒子が、チャンバー31内の窒素と反応すると共に基材10の表面11に堆積する。その結果、TiN、TiAlN、AlN、CrN、AlCrN又はTiCrAlNなどの成分組成を有する硬質皮膜20が基材10上に形成される。
この成膜工程S40では、ステージ34から基材10に負のバイアス電圧(直流電圧)を印加しつつ硬質皮膜20を形成する。このバイアス電圧の大小によって成膜中に基材10の表面11に入射する蒸着粒子のエネルギーが変化し、その結果、硬質皮膜20の残留圧縮応力を調整することができる。具体的に、本実施形態では、基材10に-60V又は-60Vよりも負の大きな値のバイアス電圧を印加しつつターゲットを蒸発させることにより、残留圧縮応力が7GPa以上の硬質皮膜20を形成することができる。当該バイアス電圧は、-70V又は-70Vよりも負の大きな値であることが好ましく、-80V又は-80Vよりも負の大きな値であることがより好ましく、-90V又は-90Vよりも負の大きな値であることがさらに好ましい。また当該バイアス電圧は、-100V又は-100Vよりも負の小さな値とされる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る硬質皮膜被覆部材及びその製造方法について説明する。実施形態2に係る硬質皮膜被覆部材は、基本的に上記実施形態1に係る硬質皮膜被覆部材1と同様の構成を備え且つ同様の効果を奏するものであるが、基材10がTi合金からなる点で上記実施形態1に係る硬質皮膜被覆部材1とは異なっている。また実施形態2に係る硬質皮膜被覆部材の製造方法は、基本的に上記実施形態1に係る硬質皮膜被覆部材の製造方法と同様に実施され且つ同様の効果を奏するものであるが、Ti合金からなる基材10を成膜対象物として用いると共に、成膜工程S40において基材10に印加するバイアス電圧の条件が上記実施形態1に係る硬質皮膜被覆部材の製造方法とは異なっている。以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
実施形態2に係る硬質皮膜被覆部材は、上記実施形態1と同様に、基材10と、当該基材10の表面11を被覆する硬質皮膜20と、を有しているが(図1)、当該基材10がTi合金からなっている。また当該基材10上に形成される硬質皮膜20は、X線回折法により測定される残留圧縮応力が4GPa以上の皮膜である。
実施形態2に係る硬質皮膜被覆部材の製造方法は、上記実施形態1と同様に、図2に示すフローチャートに従って実施される。ここで、実施形態2では、基材設置工程S10においてTi合金からなる基材10をステージ34上に設置し、また成膜工程S40においてステージ34から基材10に-40V又は-40Vよりも負の大きな値のバイアス電圧を印加しつつ硬質皮膜20を形成する。これにより、残留圧縮応力が適切な範囲(4GPa以上)に調整された硬質皮膜20を成膜することができ、疲労寿命が改善された硬質皮膜被覆部材を得ることができる。
次に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例により制限されるものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
<硬質皮膜の成膜>
図3に示す構成を備えた成膜装置(株式会社神戸製鋼所製 AIPSS002)を用いて、上記実施形態1で説明したアークイオンプレーティング法により、TiAlNからなる硬質皮膜を基材上に形成した。
基材としては、図4に示す形状に加工された疲労試験片3を用いた。また図5は、図4中の線分V-Vに沿った疲労試験片3の断面を示している。
疲労試験片3は、全長L1が100mmで且つ直径D1が12mmであり、試験部41と、当該試験部41の両端に連なる保持部42と、を有している。保持部42は、長さL2が25mmであり、直径D1が12mmとなっている。試験部41は、長さL3が20mmで且つ直径D2が3.5mmであり、鏡面加工が施されている。また図4に示すように、疲労試験片3は、保持部42から試験部41に向かって縮径するようにテーパ加工が施されている。また疲労試験片3は、TiAl金属間化合物(Ti-48Al-Cr2-Nb2(at%、小数点以下四捨五入)からなるものである。
ターゲットとしては、溶解法により作製したTiAl金属間化合物からなる直径100mmのものを用いた。当該ターゲットにおけるTi及びAlの各原子比は、それぞれ50%であった。
疲労試験片3をチャンバー31内に導入してステージ34上に設置すると共に、TiAlターゲットをアーク電源32の負バイアス側に接続された蒸発源にセットした。そして、チャンバー31内に窒素ガスを導入して当該チャンバー31内の圧力を4Paとし、またヒータを作動させてチャンバー31内の温度を500℃とした。その後、150Aのアーク電流を流すことによりターゲットを蒸発させ、疲労試験片3の表面上にTiAlNからなる硬質皮膜を3~5μmの厚さで形成した。成膜中、ステージ34から疲労試験片3に印加されるバイアス電圧(直流電圧)を-20~-100Vの範囲で変化させた。
<残留応力測定>
上述のようにして成膜した硬質皮膜の残留応力を、以下の通りX線回折法により測定した。X線ビームの入射角度を5°に固定し、2θをスキャンすることにより、TiAlN膜の(111)、(200)、(220)、(311)、(222)、(331)及び(420)の各結晶面由来の回折線ピークを測定し、測定された各ピークの標準回折位置からのズレを歪として計算した。この標準回折位置は、TiAlNをTiNとAlNの混合物として仮定し、TiN、立方晶AlNの各格子定数(0.424nm、0.412nm)とTi、Alの各原子比(50at%)とに基づいてTiAlNの格子定数を算出し(0.418nm)、当該格子定数から算出したものである。そして、当該歪を各回折線からのψ角と共にプロットし、multiple hkl法によりTiAlN膜の残留応力を計算した(根津他、リガクジャーナル、45巻、1号、2014年参照)。X線源はCuKα(1.54059Å)とし、励起電圧を40kV-40mA、スキャン速度を2°/minとして測定を行った。また残留応力計算時におけるTiAlN膜のヤング率及びポワソン比は各々500GPa及び0.22とした。
<疲労寿命測定>
成膜後の疲労試験片3を用いて、応力比0.1、応力幅190MPa、周波数20Hzの条件下において常温で疲労試験を行い、破断に至るまでのサイクル数を疲労寿命として測定した。具体的には、疲労試験片3に対して正弦波状に変化する引張応力を付与し、その周期を1サイクルとした。「応力比」とは引張応力の最大値に対する引張応力の最小値の比であり、「応力幅」とは「((引張応力の最大値)-(引張応力の最小値))/2」の値である。なお、疲労試験のサイクル数が10回に達してもなお疲労破断が起こらなかった場合には、その時点で試験を終了した。また成膜なしの疲労試験片3についても同様に疲労試験を行った。
図6は、実施例1における、成膜時のバイアス電圧(V、横軸)と疲労寿命(サイクル、縦軸)との関係を示している。図7は、実施例1における、成膜時のバイアス電圧(V、横軸)と硬質皮膜の残留応力(GPa、縦軸)との関係を示している。なお、図7における負(マイナス)の残留応力値は、圧縮側の残留応力であることを示している。
図6に示すように、バイアス電圧が-60Vよりも負の小さな値で成膜した場合には、成膜なしの場合よりも疲労寿命が短くなった。これに対し、バイアス電圧が-60V又は-60Vよりも負の大きな値の条件で成膜した場合には、疲労寿命が大幅に改善された。具体的に、成膜なしの場合には疲労寿命が137452サイクルであったのに対し、バイアス電圧-75Vで成膜した場合には疲労寿命が1084971サイクルまで延び、バイアス電圧-100Vで成膜した場合には10000000サイクルでも疲労破断が起こらなかった。
一方、図7に示すように、疲労寿命の改善が認められたバイアス電圧が-60V又は-60Vよりも負の大きな値の条件では、硬質皮膜の残留応力が-7GPa以下、つまり残留圧縮応力が7GPa以上となった。具体的に、バイアス電圧-75Vで成膜した場合には残留圧縮応力が7.5GPaとなり、バイアス電圧-100Vで成膜した場合には残留圧縮応力が約9.5GPaとなった。以上の結果より、TiAl金属間化合物を基材として用いた場合において、成膜時のバイアス電圧を-60V又は-60Vよりも負の大きな値にすることにより残留圧縮応力が7GPa以上の硬質皮膜が形成され、その場合に疲労寿命が大幅に改善されることが分かった。
(実施例2)
疲労試験片3として、Ti合金(Ti-6Al-2Sn-4Zr-2Mo-0.1Si)からなるものを使用し、疲労試験の条件を、応力比0.1、応力幅234MPa又は400MPa、周波数20Hzとした点以外は、上記実施例1と同様である。
図8は、実施例2における、成膜時のバイアス電圧(V、横軸)と疲労寿命(サイクル、縦軸)との関係を示している。図9は、実施例2における、成膜時のバイアス電圧(V、横軸)と硬質皮膜の残留応力(GPa、縦軸)との関係を示している。なお、図8中の白丸プロットは疲労試験時の応力幅が400MPaである場合のデータを示しており、一方で黒丸プロットは当該応力幅が234MPaである場合のデータを示している。
図8に示すように、いずれの応力幅の条件で疲労試験を行った場合でも、バイアス電圧が-40Vよりも負の小さな値で成膜した場合には、成膜なしの場合よりも疲労寿命が短くなったのに対し、バイアス電圧が-40V又は-40Vよりも負の大きな値の条件で成膜した場合に疲労寿命の改善が認められた。また図9に示すように、疲労寿命の改善が認められたバイアス電圧が-40V又は-40Vよりも負の大きな値の条件では、硬質皮膜の残留応力が-4GPa以下、つまり残留圧縮応力が4GPa以上となった。以上の結果より、Ti合金を基材として用いた場合において、成膜時のバイアス電圧を-40V又は-40Vよりも負の大きな値にすることにより残留圧縮応力が4GPa以上の硬質皮膜が形成され、その場合に疲労寿命が大幅に改善されることが分かった。
今回開示された実施形態及び実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 硬質皮膜被覆部材
2 成膜装置
10 基材
11 表面
20 硬質皮膜
34 ステージ

Claims (7)

  1. TiAl金属間化合物からなると共に引張応力が繰り返し加わる条件下で使用される基材と、
    前記基材の表面を被覆する硬質皮膜であって、Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属の窒化物からなる前記硬質皮膜と、を有し、
    X線回折法により測定される前記硬質皮膜の残留圧縮応力が7GPa以上であることを特徴とする、硬質皮膜被覆部材。
  2. Ti合金からなると共に引張応力が繰り返し加わる条件下で使用される基材と、
    前記基材の表面を被覆する硬質皮膜であって、Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属の窒化物からなる前記硬質皮膜と、を有し、
    X線回折法により測定される前記硬質皮膜の残留圧縮応力が4GPa以上であることを特徴とする、硬質皮膜被覆部材。
  3. 前記硬質皮膜の成分組成がTiAlNであることを特徴とする、請求項1に記載の硬質皮膜被覆部材。
  4. 基材の表面に硬質皮膜を形成して硬質皮膜被覆部材を製造する方法であって、
    TiAl金属間化合物からなると共に引張応力が繰り返し加わる条件下で使用される前記基材を、成膜装置のステージ上に設置する基材設置工程と、
    Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有するターゲットを、前記成膜装置内に設置するターゲット設置工程と、
    前記成膜装置内が窒素ガスを含む雰囲気となった状態で前記ターゲットを蒸発させることにより、前記少なくとも一種の金属の窒化物からなる前記硬質皮膜を前記基材の表面に形成する成膜工程と、を含み、
    前記成膜工程では、前記ステージから前記基材に-60V又は-60Vよりも負の大きな値のバイアス電圧を印加しつつ前記硬質皮膜を形成し、
    前記硬質皮膜被覆部材は、TiAl金属間化合物からなると共に引張応力が繰り返し加わる条件下で使用される基材と、
    前記基材の表面を被覆する硬質皮膜であって、Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属の窒化物からなる前記硬質皮膜と、を有し、
    X線回折法により測定される前記硬質皮膜の残留圧縮応力が7GPa以上であることを特徴とする、硬質皮膜被覆部材の製造方法。
  5. 基材の表面に硬質皮膜を形成して硬質皮膜被覆部材を製造する方法であって、
    Ti合金からなると共に引張応力が繰り返し加わる条件下で使用される前記基材を、成膜装置のステージ上に設置する基材設置工程と、
    Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属を含有するターゲットを、前記成膜装置内に設置するターゲット設置工程と、
    前記成膜装置内が窒素ガスを含む雰囲気となった状態で前記ターゲットを蒸発させることにより、前記少なくとも一種の金属の窒化物からなる前記硬質皮膜を前記基材の表面に形成する成膜工程と、を含み、
    前記成膜工程では、前記ステージから前記基材に-40V又は-40Vよりも負の大きな値のバイアス電圧を印加しつつ前記硬質皮膜を形成し、
    前記硬質皮膜被覆部材は、Ti合金からなると共に引張応力が繰り返し加わる条件下で使用される基材と、
    前記基材の表面を被覆する硬質皮膜であって、Ti、Al及びCrからなる群より選択される少なくとも一種の金属の窒化物からなる前記硬質皮膜と、を有し、
    X線回折法により測定される前記硬質皮膜の残留圧縮応力が4GPa以上であることを特徴とする、硬質皮膜被覆部材の製造方法。
  6. 前記ターゲット設置工程では、Ti及びAlを含有する前記ターゲットを前記成膜装置内に設置し、
    前記成膜工程では、TiAlNの成分組成を有する前記硬質皮膜を形成することを特徴とする、請求項4又は5に記載の硬質皮膜被覆部材の製造方法。
  7. アークイオンプレーティング法により前記硬質皮膜を形成することを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載の硬質皮膜被覆部材の製造方法。
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