JP7213910B2

JP7213910B2 - 回転電機

Info

Publication number: JP7213910B2
Application number: JP2021074628A
Authority: JP
Inventors: 友平井; 勇気日高; 敏行吉澤
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 2021-04-27
Filing date: 2021-04-27
Publication date: 2023-01-27
Anticipated expiration: 2041-04-27
Also published as: JP2022168933A

Description

本願は、回転電機に関するものである。

回転電機においては回転子を冷却することが求められており、例えば、固定子磁極の内周側に、一定のギャップを隔てて配置された回転子は、シャフトに一体的に取り付けられ、先端部分に複数のＮ極及びＳ極を持つ爪部を形成した１対の対向配置された爪形磁極と、この爪形磁極に磁化力を発生させる界磁巻線と、対向配置された爪形磁極の爪部間に交互に配置された永久磁石とから構成され、永久磁石が配置される対向配置された爪形磁極の爪部間の距離Ｌ１を、永久磁石が配置されない対向配置された爪部磁極の爪部間の距離Ｌ２よりも狭くする回転電機が提案されている（例えば、特許文献１参照）。

特開平１１－９８７８７号公報

特許文献１の回転電機では、永久磁石が配置されている磁極間部と、永久磁石が配置されていない磁極間部とで、永久磁石の有無による重量の偏りが生じる。そのため、回転子の回転方向の重量バランスが取れておらず、回転子の耐遠心力強度が低下するという課題があった。

本願は、上述の課題を解決するためになされたものであり、回転方向の重量バランスが取れ耐遠心力強度が高い回転子を備えた回転電機を提供することを目的とする。

本願に開示される回転電機は、回転子と、回転子の外周にすきまを設けて配置された固定子とを備えた回転電機であって、回転子は、回転子巻線と、回転子巻線を覆うポールコア体と、永久磁石とを備え、ポールコア体は、第１ポールと第２ポールとを備え、第１ポールは、筒状の第１ボス部と、第１ボス部の軸方向の端部から径方向外側に延ばして設けられた棒形状である第１継鉄部と、第１継鉄部の径方向外側端部の軸方向端面から軸方向に伸び、外周部から軸方向側に延ばして設けられ、周方向に等ピッチに配置された第１爪状磁極部とを備え、第２ポールは、筒状の第２ボス部と、第２ボス部の軸方向の端部から径方向外側に延ばして設けられた棒形状である第２継鉄部と、第２継鉄部の径方向外側端部の軸方向端面から軸方向に伸び、外周部から軸方向側に延ばして設けられ、周方向に等ピッチに配置された第２爪状磁極部とを備え、第１ポールと第２ポールとは、第１爪状磁極部と第２爪状磁極部とが交互にかみ合うように組み合わされ、永久磁石は、第１爪状磁極部と第２爪状磁極部により周方向に等ピッチに配置された複数の磁極間部のうちの一部の磁極間部に配置され、第１爪状磁極部および第２爪状磁極部の固定子に対向する側の表面において、永久磁石を備えた側の回転方向端部に第１面取り部が設けられ、第１面取り部と反対側の回転方向端部に第２面取り部が設けられ、第１面取り部の回転方向の幅が第２面取り部の回転方向の幅よりも大きく、永久磁石を備えた側の回転方向端部の重量が永久磁石を備えていない側の回転方向端部の重量よりも軽くなる回転子の回転方向の重量の偏りを抑制するために、第１継鉄部および第２継鉄部は、径方向外側端部の軸方向端面で、かつ永久磁石が配置された側の回転方向端部にのみ爪根元溝部を備えたことを特徴とする。

本願に開示される回転電機は、第１継鉄部および第２継鉄部は、永久磁石が配置された側の回転方向端部にのみ爪根元溝部を備え、爪根元溝部の径方向の幅は、永久磁石の径方向の厚みよりも広いので、回転子の回転方向の重量バランスが取れ、耐遠心力強度を高くすることができる。

実施の形態１による回転電機を模式的に示す断面図である。実施の形態１における回転機部を示す斜視図である。実施の形態１における回転子を示す斜視図である。実施の形態１におけるポールコア体および永久磁石を示す斜視図である。実施の形態１における第１ポールおよび永久磁石を示す斜視図である。実施の形態１における第１ポール、第２ポールおよび永久磁石の正面図の一部を拡大した図である。実施の形態１による回転電機の動作を説明するための回路図である。実施の形態２における第１ポール、第２ポールおよび永久磁石の正面図の一部を拡大した図である。実施の形態２における対称軸を説明するための図である。実施の形態３における第１ポール、第２ポールおよび永久磁石の正面図の一部を拡大した図である。実施の形態４における第１ポール、第２ポールおよび永久磁石の正面図の一部を拡大した図である。比較試験の結果を示す図である。

以下、本願を実施するための実施の形態に係る回転電機について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一符号は同一もしくは相当部分を示している。各図は、本願を実施するための実施の形態に係る回転電機を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。また、図中に記載されている各寸法は、図中記載の座標軸を基に計算される値で定義される。符号の英文字は大文字と小文字とで別の要素を意味する。「固定する」は、対象物を固定できれば任意であり、その固定方法は問わない。「等しくなる」はほぼ同一であることを意味しており、寸法交差の範囲で異なるものであれば有している機能は同じとみなす。

実施の形態１．
図１は実施の形態１による回転電機１を模式的に示す断面図、図２は実施の形態１における回転機部２を示す斜視図、図３は実施の形態１における回転子１３を示す斜視図、図４は実施の形態１におけるポールコア体１５および永久磁石１９を示す斜視図である。

図１から図４において、車両用発電電動機としての回転電機１は、回転機部２と電気機器部３とに分けられ、電気機器部３には、ブラシ８およびスリップリング９を介して回転子巻線１８に電力を供給する構成が具備されている。回転機部２は、それぞれ椀形状でアルミ製のフロントブラケット４ａおよびリヤブラケット４ｂと、シャフト６をフロントブラケット４ａおよびリヤブラケット４ｂに軸受７を介して支持された回転子１３とを備えている。シャフト６の端部にはプーリ５を備えており、プーリ５はベルトを介してエンジンに接続される。フロントブラケット４ａおよびリヤブラケット４ｂの内側には、回転自在に設置された回転子１３と、回転子１３の軸方向の両端面に固定されたファン１４と、回転子１３に対して一定のすきまを設けて回転子１３の外周を取り囲んでフロントブラケット４ａおよびリヤブラケット４ｂに固定された固定子１０とを備えている。

固定子１０は、円筒状の固定子鉄心１１と、固定子鉄心１１に巻かれて回転子１３の回転に伴って回転子巻線１８からの磁束を受ける固定子コイル１２とを備えている。回転子１３は、ブラシ８およびスリップリング９を介して電気機器部３から供給される直流または交流の電流によって磁束を発生させる回転子巻線１８と、回転子巻線１８を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成されるポールコア体１５とを備えている。ポールコア体１５は、それぞれ例えばＳ１０Ｃなどの低炭素鋼で冷間鍛造製法によって作成された第１ポール１６および第２ポール１７に分割構成される。

図５は第１ポール１６および永久磁石１９を示す斜視図であり、図６は第１ポール１６、第２ポール１７および永久磁石１９の正面図の一部を拡大したものである。第１ポール１６は、端面を正円とする円筒体であり、シャフト挿通穴が軸心位置を貫通して形成された第１ボス部２３と、第１ボス部２３の軸方向の端部から径方向外側に延ばして設けられた厚肉リング状の第１継鉄部２４と、第１継鉄部２４の外周部から軸方向側に延ばして設けられた第１爪状磁極部２１とを有している。第１爪状磁極部２１は、径方向の最も外側の面の形状が台形であり、周方向の幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向の厚さが先端側に向かって徐々に薄くなる、先細り形状に形成され、第１継鉄部２４の外周部に周方向に等ピッチで設けられている。１つの第１ポール１６には、例えば、８つの第１爪状磁極部２１が設けられる。図において、永久磁石１９は、直方体として示しているが、形状は直方体に限定されるものではない。

第２ポール１７は、端面を正円とする円筒体であり、シャフト挿通穴が軸心位置を貫通して形成された図示しない第２ボス部と、第２ボス部の軸方向の端部から径方向外側に延ばして設けられた厚肉リング状の第２継鉄部２５と、第２継鉄部２５の外周部から軸方向側に延ばして設けられた第２爪状磁極部２２とを有している。第２爪状磁極部２２は、径方向の最も外側の面の形状が台形であり、周方向の幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向の厚さが先端側に向かって徐々に薄くなる、先細り形状に形成され、第２継鉄部２５の外周部に周方向に等ピッチで設けられている。１つの第２ポール１７には、例えば、８つの第２爪状磁極部２２が設けられる。

第１ポール１６と第２ポール１７とは、第１爪状磁極部２１と第２爪状磁極部２２とが交互にかみ合うように組み合わされる。第１爪状磁極部２１と第２爪状磁極部２２との間となる磁極間部２０の一部には、永久磁石１９が設置される。永久磁石１９は、例えば、図４に示されるように、第１爪状磁極部２１と第２爪状磁極部２２との間となる磁極間部２０に１つおきに配置される。第１爪状磁極部２１および第２爪状磁極部２２の固定子１０に対向する側の表面には、永久磁石１９を備えた側の回転方向端部に第１面取り部２６が設けられ、第１面取り部２６と反対側の回転方向端部、すなわち、永久磁石１９を備えていない側の回転方向端部に、第２面取り部２７が設けられている。

第１継鉄部２４および第２継鉄部２５は、永久磁石１９が配置された側の回転方向端部にのみ、爪根元溝部２８を備えている。爪根元溝部２８の径方向の幅は、永久磁石１９の径方向の厚みよりも広い。第１継鉄部２４および第２継鉄部２５は、永久磁石１９を備えていない側の回転方向端部には、爪根元溝部２８を備えていない。

次に、実施の形態１による回転電機１の車両用発電電動機としての動作について説明する。図７は、回転電機１の動作を説明するための回路図である。まず、回転電機１が電動機として動作する場合について説明する。バッテリ３０から直流電流がパワー回路３１に供給される。制御回路３２は、パワー回路３１の各スイッチング素子をＯＮ／ＯＦＦ制御する。これにより、パワー回路３１は、直流電流を交流電流に変換する。交流電流は、固定子１０の固定子コイル１２に供給される。一方、回転子巻線１８には、制御回路３２からの指令に基づいて、直流電流が供給される。回転子巻線１８によって発生した磁束および永久磁石１９による磁束が、固定子コイル１２に流れる交流電流に鎖交することにより、駆動トルクが発生する。発生した駆動トルクによって、回転子１３が固定子１０に対して回転する。

次に、回転電機１が発電機として動作する場合について説明する。エンジンが駆動している状態では、エンジンの回転トルクがシャフト６に伝達される。これにより、回転子１３が固定子１０に対して回転する。回転子巻線１８には、制御回路３２からの指令に基づいて、直流電流が供給される。回転子巻線１８によって発生した磁束および永久磁石１９による磁束が固定子コイル１２と鎖交することによって、固定子コイル１２に三相交流電圧が誘起される。これにより、パワー回路３１に交流電流が供給される。制御回路３２は、パワー回路３１の各スイッチング素子をＯＮ／ＯＦＦ制御する。これにより、パワー回路３１は、交流電流を直流電流に変換する。直流電流はバッテリ３０に供給され、バッテリが充電される。

以上のように、実施の形態１による回転電機１は、回転子１３と、回転子１３の外周にすきまを設けて配置された固定子１０とを備えた回転電機１であって、回転子１３は、回転子巻線１８と、回転子巻線１８を覆うポールコア体１５と、永久磁石１９とを備え、ポールコア体１５は、第１ポール１６と第２ポール１７とを備え、第１ポール１６は、筒状の第１ボス部２３と、第１ボス部２３の軸方向の端部から径方向外側に延ばして設けられた第１継鉄部２４と、第１継鉄部２４の外周部から軸方向側に延ばして設けられ、周方向に等ピッチで設けられた第１爪状磁極部２１とを備え、第２ポール１７は、筒状の第２ボス部と、第２ボス部の軸方向の端部から径方向外側に延ばして設けられた第２継鉄部２５と、第２継鉄部２５の外周部から軸方向側に延ばして設けられ、周方向に等ピッチで設けられた第２爪状磁極部２２とを備え、第１ポール１６と第２ポール１７とは、第１爪状磁極部２１と第２爪状磁極部２２とが交互にかみ合うように組み合わされ、永久磁石１９は、第１爪状磁極部２１と第２爪状磁極部２２との間となる磁極間部２０の一部に配置され、第１継鉄部２４および第２継鉄部２５は、永久磁石１９が配置された側の回転方向端部にのみ爪根元溝部２８を備え、爪根元溝部２８の径方向の幅は、永久磁石１９の径方向の厚みよりも広いので、回転子の回転方向の重量バランスが取れ、耐遠心力強度を高くすることができる。

実施の形態２．
図８は、実施の形態２における第１ポール、第２ポールおよび永久磁石の正面図の一部を拡大したものである。実施の形態２においては、第１継鉄部２４に備えられた爪根元溝部を第１爪根元溝部２８ａとし、第２継鉄部２５に備えられた爪根元溝部を第２爪根元溝部２８ｂとしている。さらに、図８において、右上の図は、第１ポール１６の第１継鉄部２４に備えられた第１爪根元溝部２８ａを拡大した図であり、右下の図は、第２ポール１７の第２継鉄部２５に備えられた第２爪根元溝部２８ｂを拡大した図である。図８に示す第１ポール１６および第２ポール１７においては、永久磁石１９を中心として向かい合う第１爪根元溝部２８ａおよび第２爪根元溝部２８ｂは、それぞれの形状が、永久磁石１９の重心を通り回転子１３の径方向に伸びる直線４０に対して互いに線対称である。言い換えると、永久磁石１９を中心として向かい合う第１爪根元溝部２８ａおよび第２爪根元溝部２８ｂは、それぞれの形状が、永久磁石１９の重心を通り回転子１３の径方向に伸びる直線４０に対して回転対称の２回対称である。図９は、第１爪根元溝部２８ａおよび第２爪根元溝部２８ｂの対称軸である直線４０を説明するための図であり、第２爪状磁極部２２、永久磁石１９および直線４０の位置関係を示している。直線４０は、永久磁石１９の重心を通り、回転子１３の回転軸４１と直交する直線である。実施の形態２による回転電機は、第１爪根元溝部２８ａおよび第２爪根元溝部２８ｂ以外は実施の形態１による回転電機とおなじである。

第１ポール１６の第１継鉄部２４に備えられた第１爪根元溝部２８ａの形状と、第２ポール１７の第２継鉄部２５に備えられた第２爪根元溝部２８ｂの形状とが、永久磁石１９の重心を通り回転子１３の径方向に伸びる直線４０に対して回転対称の２回対称であるので、永久磁石１９が配置されている磁極間部２０に隣接する、第１継鉄部２４および第２継鉄部２５の重量を等しくすることができるため、回転子の回転方向の重量の偏りをより少なくすることができ、耐遠心力強度をより高めることができる。

実施の形態３．
図１０は、実施の形態３における第１ポール、第２ポールおよび永久磁石の正面図の一部を拡大したものである。実施の形態３においては、第１爪状磁極部２１および第２爪状磁極部２２の固定子１０に対向する側の表面において、永久磁石１９を備えた側の回転方向端部に第１面取り部２６ａが設けられ、第１面取り部２６ａと反対側の回転方向端部、すなわち、永久磁石１９を備えていない側の回転方向端部に、第２面取り部２７ａが設けられている。図９に示す第１面取り部２６ａおよび第２面取り部２７ａにおいては、第１面取り部２６ａの回転方向の幅Ｗ１が、第２面取り部２７ａの回転方向の幅Ｗ２よりも大きい。

永久磁石１９を備えた側の第１面取り部２６ａの回転方向の幅Ｗ１が、永久磁石を備えていない側の第２面取り部２７ａの回転方向の幅Ｗ２よりも大きいので、第１爪状磁極部２１および第２爪状磁極部２２において、永久磁石１９を備えた側の回転方向端部の重量が永久磁石１９を備えていない側の回転方向端部の重量よりも軽くなる。その結果、実施の形態１または実施の形態２において爪根元溝部２８によって回転子の回転方向の重量の偏りを少なくしたことに加えて、第１爪状磁極部２１と第２爪状磁極部２２と永久磁石１９との回転方向の重量の偏りを少なくし、耐遠心力強度を高める効果をより大きなものとすることができる。

実施の形態４．
図１１は、実施の形態４における第１ポール、第２ポールおよび永久磁石の正面図の一部を拡大したものである。実施の形態４においては、第１爪状磁極部２１および第２爪状磁極部２２の固定子１０に対向する側の表面において、永久磁石１９を備えた側の回転方向端部に第１面取り部２６ｂが設けられ、永久磁石１９を中心として向かい合う第１面取り部２６ｂの形状が、永久磁石１９の重心を通り回転子１３の径方向に伸びる直線４０に対して互いに線対称である。言い換えると、永久磁石１９を中心として向かい合う第１面取り部２６ｂの形状が、永久磁石１９の重心を通り回転子１３の径方向に伸びる直線４０に対して回転対称の２回対称である。実施の形態４における対称軸の直線４０は、図８および図９に示した実施の形態２における対称軸の直線４０と同じであり、永久磁石１９の重心を通り、回転子１３の回転軸４１と直交する直線である。

永久磁石１９を中心として向かい合う第１面取り部２６ｂの形状が、永久磁石１９の重心を通り回転子１３の径方向に伸びる直線４０に対して互いに回転対称の２回対称であるので、永久磁石１９が配置されている磁極間部２０に隣接する、第１爪状磁極部２１および第２爪状磁極部２２の重量を等しくすることができるため、回転子の回転方向の重量の偏りをより少なくすることができ、耐遠心力強度をより高めることができる。

以下に、実施の形態１による回転電機１の比較試験の結果を示す。図１２は、比較試験の結果を示した図である。実施の形態１による回転電機１では、第１継鉄部２４および第２継鉄部２５は、永久磁石１９を備えた側の回転方向端部に爪根元溝部２８を備えていたが、比較例による回転電機では、全ての第１継鉄部２４および第２継鉄部２５において爪根元溝部２８を備えていない。比較例による回転電機は、爪根元溝部２８の有無以外については、実施の形態１による回転電機１と同じである。図１２は、比較例および実施の形態１による回転電機１を一定時間にわたって動作させたのちのポールコア体１５の径外方向への最大変形量を示しており、単位はミリメートルである。

比較例では、永久磁石１９が挿入されている磁極間部２０に隣接する第１継鉄部２４および第２継鉄部２５と、永久磁石１９が挿入されていない磁極間部２０に隣接する第１継鉄部２４および第２継鉄部２５とで、形状が同じである。そのため、永久磁石１９が挿入されている磁極間部２０の周辺の方が、永久磁石１９が挿入されていない磁極間部２０の周辺に比べて、永久磁石１９の重量の分だけ重くなる。その結果、それぞれの磁極間部２０の周辺において回転子１３の回転方向の重量バランスに偏りが生じる。

それに対して、実施の形態１による回転電機１では、第１継鉄部２４および第２継鉄部２５が、永久磁石１９を備えた側の回転方向端部にのみ、永久磁石１９の径方向の厚みよりも幅が広い爪根元溝部２８を備えている。第１継鉄部２４および第２継鉄部２５は、永久磁石１９を備えていない側の回転方向端部には、爪根元溝部２８を備えていない。これにより、永久磁石１９による回転方向の重量バランスの偏りを低減することができる。その結果、実施の形態１による回転電機１では、比較例に比べてポールコア体１５の最大変形量が小さくなっている。この結果から、実施の形態１による回転電機１は、比較例に比べて、耐遠心力強度が高まっていることが分かる。

本願は、様々な例示的な実施の形態が記載されているが、１つまたは複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
したがって、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも１つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも１つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。

１回転電機、２回転機部、３電気機器部、４ａフロントブラケット、４ｂリヤブラケット、５プーリ、６シャフト、７軸受、８ブラシ、９スリップリング、１０固定子、１１固定子鉄心、１２固定子コイル、１３回転子、１４ファン、１５ポールコア体、１６第１ポール、１７第２ポール、１８回転子巻線、１９永久磁石、２０磁極間部、２１第１爪状磁極部、２２第２爪状磁極部、２３第１ボス部、２４第１継鉄部、２５第２継鉄部、２６、２６ａ、２６ｂ第１面取り部、２７、２７ａ第２面取り部、２８爪根元溝部、２８ａ第１爪根元溝部、２８ｂ第２爪根元溝部、３０バッテリ、３１パワー回路、３２制御回路、４０直線、４１回転軸。

Claims

回転子と、前記回転子の外周にすきまを設けて配置された固定子とを備えた回転電機であって、
前記回転子は、
回転子巻線と、
前記回転子巻線を覆うポールコア体と、
永久磁石とを備え、
前記ポールコア体は、第１ポールと第２ポールとを備え、
前記第１ポールは、
筒状の第１ボス部と、
前記第１ボス部の軸方向の端部から径方向外側に延ばして設けられた棒形状である第１継鉄部と、
前記第１継鉄部の径方向外側端部の軸方向端面から軸方向に伸び、外周部から軸方向側に延ばして設けられ、周方向に等ピッチに配置された第１爪状磁極部とを備え、
前記第２ポールは、
筒状の第２ボス部と、
前記第２ボス部の軸方向の端部から径方向外側に延ばして設けられた棒形状である第２継鉄部と、
前記第２継鉄部の径方向外側端部の軸方向端面から軸方向に伸び、外周部から軸方向側に延ばして設けられ、周方向に等ピッチに配置された第２爪状磁極部とを備え、
前記第１ポールと前記第２ポールとは、前記第１爪状磁極部と前記第２爪状磁極部とが交互にかみ合うように組み合わされ、
前記永久磁石は、前記第１爪状磁極部と前記第２爪状磁極部により周方向に等ピッチに配置された複数の磁極間部のうちの一部の磁極間部に配置され、
前記第１爪状磁極部および前記第２爪状磁極部の前記固定子に対向する側の表面において、前記永久磁石を備えた側の回転方向端部に第１面取り部が設けられ、前記第１面取り部と反対側の回転方向端部に第２面取り部が設けられ、前記第１面取り部の回転方向の幅が前記第２面取り部の回転方向の幅よりも大きく、前記永久磁石を備えた側の回転方向端部の重量が前記永久磁石を備えていない側の回転方向端部の重量よりも軽くなる前記回転子の回転方向の重量の偏りを抑制するために、前記第１継鉄部および前記第２継鉄部は、前記径方向外側端部の軸方向端面で、かつ前記永久磁石が配置された側の回転方向端部にのみ爪根元溝部を備えたことを特徴とする回転電機。
前記爪根元溝部は、前記第１継鉄部に備えられた第１爪根元溝部、あるいは、前記第２継鉄部に備えられた第２爪根元溝部であり、
前記永久磁石を中心として向かい合う前記第１爪根元溝部および前記第２爪根元溝部は、それぞれの形状が前記永久磁石の重心を通り前記回転子の径方向に伸びる直線に対して互いに回転対称の２回対称であることを特徴とする請求項１に記載の回転電機。
前記永久磁石を中心として向かい合う前記第１面取り部の形状が、前記永久磁石の重心を通り前記回転子の径方向に伸びる直線に対して互いに回転対称の２回対称であることを特徴とする請求項１または２に記載の回転電機。