JP7213525B2 - 誘導発熱ローラ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導発熱ローラ装置に関し、特に二次導体が設けられたローラ本体に関するものである。
誘導発熱ローラ装置としては、磁性材からなるローラ本体と、当該ローラ本体内に設けられ、誘導コイルを有する誘導発熱機構とを備え、誘導コイルに商用周波数の交流電圧を印加してローラ本体を誘導発熱させるものがある。この誘導発熱ローラ装置では、ローラ本体が、磁束を通る磁気回路と、電磁誘導によって短絡電流が流れる電流回路との両方を構成する。このため、ローラ本体には、短絡電流を流しにくくするインピーダンスが生じてしまい、力率が低下してしまう。
力率の低下を防止する手段としては、特許文献1に示すように、ローラ本体の内側周面に非磁性材からなる二次導体を設けることが考えられている。
従来、二次導体をローラ本体の内側周面に設ける方法は、以下のとおりである。
まず、銅板を曲げ加工した後に銀ロー付けなどで接合することによって円筒状の管体を成形する。この管体に錆止め用の鍍金処理を施す。そして、鍍金処理が施された管体をローラ本体の内側周面にろう付けする。これにより、二次導体がローラ本体の内側周面に設けられる。なお、ろう付けの他に、ローラ本体に前記管体を圧入又は焼き嵌めして設ける方法もある。
しかしながら、上記の方法では、銅板から管体を製作する工程や、管体に錆止め用の鍍金処理をする工程、及び管体をローラ本体に装着する工程などの多くの加工工程が必要となってしまう。
その他、ろう付けによる取り付け方法では、管体の外側周面全面に亘ってろう付けすることが困難であることから、高速回転するローラ本体には適さない場合もある。また、圧入や焼き嵌めなどの取り付け方法では、ローラ本体と二次導体とが単に機械的に密着しているだけであり、ローラ本体と二次導体には熱膨張差があることから、ローラ本体と二次導体の温度変化の繰り返しによって緩んでしまう。その結果、ローラ本体と二次導体との間での熱伝導性が低下してしまうという問題もある。
実公昭45-29650号公報
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、ローラ本体の内側周面に二次導体を設けるのに必要な加工工程を少なくすることをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係る誘導発熱ローラ装置は、回転自在に支持されたローラ本体と、前記ローラ本体の内部に設けられ、前記ローラ本体を誘導発熱させるための誘導コイルを有する誘導発熱機構とを備え、前記誘導コイルに商用周波数の交流電圧を印加して前記ローラ本体を誘導発熱させる誘導発熱ローラ装置であって、前記ローラ本体の内側周面に、肉盛溶接により二次導体が形成されており、前記二次導体はアルミニウム青銅からなり、前記二次導体の表面に防錆処理が施されていないことを特徴とする。
このようなものであれば、肉盛溶接により二次導体を形成しているので、従来の管体成形工程及び管体装着工程を省略することができる。また、アルミニウム青銅には表面に薄い保護酸化被膜が形成されるので、高温での酸化を防ぐ特性を有し、腐食に強くなる。このアルミニウム青銅を二次導体に用いることによって、鍍金工程などの防錆処理工程を省略することができる。その結果、ローラ本体の内側周面に二次導体を設けるのに必要な加工工程を少なくすることができる。また、肉盛溶接するだけで良く、ローラ本体の内側周面への二次導体の取り付け作業を容易にすることができる。さらに、肉盛溶接により二次導体を形成しているので、ローラ本体と二次導体とが一体となり、高速回転にも適用可能であり、ローラ本体と二次導体との熱膨張率の差による緩みが無く、ローラ本体と二次導体との間の熱伝導性の低下も抑えることができる。
ここで、アルミニウム青銅の電気抵抗値は、銅の電気抵抗値に比べて約6倍大きく、銅と同等の効果を得るには約6倍の厚さが必要となる。しかし、商用周波数の誘導加熱におけるアルミニウム青銅の電流浸透深さは計算値で約22mm(20℃、60Hz)と深いため、必要な厚さは電流が浸透する厚み以下での設定が可能となる。必要な厚さとは、目標の力率(例えば80%以上)を得るための厚さであり、商用周波数の誘導加熱における等価電気回路図(図4参照)を用いれば計算することができる。
アルミニウム青銅は、アルミニウムの含有量が多くなればなるほど酸化物の保護特性は増大するが、6%以上のアルミニウムを添加しても酸化耐性はあまり改善されない(図5参照)。このため、前記アルミニウム青銅は、6%以上のアルミニウムを含有することが望ましい。
誘導発熱ローラ装置は、前記誘導発熱機構に電力を供給する電源部と、前記電源部を制御して前記ローラ本体の温度を制御する温度制御部とを備えており、温度制御部によってローラ本体の温度が所定値に制御される。
6%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム青銅では、500℃以下での酸化が極めて軽微であるが、500℃よりも高温になると、酸化による重量増加が問題となってしまう(図6参照)。このため、前記温度制御部による設定可能温度が500℃以下とされていることが望ましい。
肉盛り溶接したアルミニウム青銅は周方向や特に幅方向に若干の厚みムラを生じる。しかし、溶接するアルミニウム青銅の重量管理を行えば、誘導コイルの巻回幅における平均厚さは計算通りに製作することができる。その結果、電気容量及び力率を設計値通りに製作することが可能となる。
また、前記ローラ本体の肉厚内に、気液二相の熱媒体が減圧封入されたジャケット室が形成されていれば、アルミニウム青銅の厚さムラによる発熱ムラが生じても、ジャケット室の均温作用によりローラ本体の表面温度は均一な温度となる。このため、二次導体の厚さを均一化させる機械加工は必要ない。つまり、二次導体の表面に除去加工による平坦化処理を施す必要が無い。
ローラ本体の肉厚内のジャケット室は、ローラ本体の端面から軸方向に沿ってドリル穴加工を施してローラ本体の肉厚内にドリル穴を形成し、当該ドリル穴の開口を閉塞することによって形成される。ここで、ローラ本体は、軸方向寸法が長いことから、ドリル穴が直進せず曲がってしまう。肉厚の小さいローラ本体の場合には、ドリルがローラ本体の表面又は内側周面に突き抜けることがあり、作り直さなければならなくなってしまう。ローラ本体の表面は寿命を伸ばすために高周波焼き入れなどの硬化処理が施される場合があり、この場合には、ドリル穴は表面方向に曲がらずに、内側周面側に曲がることになる。
ところで、ローラ本体の内側周面に二次導体を肉盛り溶接した場合には、その組織は、外側から溶接金属、ボンド、熱影響部、母材原質部から成り立っている。ボンドは溶接金属と母材の境界線をいい、ボンドのすぐ母材側数mmを熱影響部という。溶接熱によって高温になった熱影響部はアークが通り過ぎると急激に温度が下がり始め急冷されるが、この加熱急冷によって元の母材とは異なる組織になることから、硬度が高くなる結果となる。アルミニウム青銅を肉盛り溶接した場合には、ローラ本体の内側周面の硬度が高くなることから、ドリル穴は内側周面側に曲がりにくくなり、ドリル穴がローラ本体の内側周面に突き抜けるような不具合を低減することができる。
誘導加熱において誘導コイルが発生する磁束はコイル中央に集中することから、ローラ本体の温度はその軸方向における中央が高くなる傾向となる。一方、二次導体を厚く肉盛りした部分は低抵抗となることから大きな電流が流れて発熱量が多くなる。したがって、誘導コイルの巻回幅における端部に対応する部分に厚く肉盛りすれば、ローラ本体における発熱量をその軸方向において均一化することができる。また、肉盛り厚を調整することによって、ローラ本体における発熱量を部分的に多くしたり少なくしたりすることができる。このためには、前記二次導体の厚みを前記ローラ本体の軸方向に沿って変化させることが望ましい。
前記二次導体は、前記ローラ本体の内側周面において間隔を空けてリング状に形成されていることが望ましい。このように間隔を空けて二次導体を形成することでその加工を容易にすることができる。
特に二次導体の加工を容易にしつつ、二次導体の連続加工を可能にするためには、前記二次導体は、前記ローラ本体の内側周面において間隔を空けてスパイラル状に形成されていることが望ましい。
各誘導発熱ローラ装置の電気特性を同一にするためには、前記誘導発熱ローラ装置の電気特性が、前記二次導体の重量により調整されていることが望ましい。例えば、各ローラ本体の仕様が同じであれば、加工する二次導体の重量を同じにすることで、力率及び電気容量も同じとなり、作業管理が極めて容易である。
また、本発明に係る誘導発熱ローラ装置は、回転自在に支持されたローラ本体と、前記ローラ本体の内部に設けられ、前記ローラ本体を誘導発熱させるための誘導コイルを有する誘導発熱機構とを備え、前記誘導コイルに商用周波数の交流電圧を印加して前記ローラ本体を誘導発熱させる誘導発熱ローラ装置であって、前記ローラ本体の内側周面に、肉盛溶接により二次導体が形成されており、前記二次導体は白銅(キュプロニッケル、銅とニッケルの合金)、洋銀(洋白、銅と亜鉛とニッケルの合金)、赤銅(銅と金の合金)、砲金(ガンメタル、銅と錫の合金)又はそれらの組み合わせからなり、前記二次導体の表面に防錆処理が施されていないことを特徴とする。白銅(キュプロニッケル)、洋銀(洋白)、赤銅、砲金(ガンメタル)も耐食性の高い非磁性銅合金である。これらを二次導体に用いることによっても、アルミニウム青銅を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
このように構成した本発明によれば、ローラ本体の内側周面に二次導体を設けるのに必要な加工工程を少なくすることができる。
本実施形態に係る誘導発熱ローラ装置の構成を模式的に示す図である。 同実施形態に係る二次導体の形成パターンを模式的に示す断面図である。 同実施形態に係る二次導体の形成方法を示す模式図である。 誘導発熱ローラ装置の等価電気回路図である。 アルミニウム青銅の各アルミニウム含有率における酸化物増加量と経過時間の関係を示す図である。 アルミニウム青銅の各アルミニウム含有率における酸化物増加量と温度との関係を示す図である。 変形実施形態に係る二次導体の形成パターンを模式的に示す断面図である。 変形実施形態に係る二次導体の形成パターンを模式的に示す断面図である。
以下に本発明に係る誘導発熱ローラ装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る誘導発熱ローラ装置100は、例えばプラスチックフィルム、紙、布、不織布、合成繊維、金属箔等のシート材又はウェブ材、線(糸)材等の連続材の連続熱処理工程等において用いられるものである。
<1.装置構成>
具体的にこのものは、図1に示すように、回転自在に支持された中空円筒状のローラ本体2と、このローラ本体2の内部に設けられた誘導発熱機構3とを備えている。
ローラ本体2の両端部には中空の駆動軸21が設けられており、当該駆動軸21は、転がり軸受等の軸受8を介して機台9に回転自在に支持されている。なお、駆動軸21は、ローラ本体2の軸方向端面に接続されるフランジ211を有している(図2参照)。駆動軸21を含むローラ本体2は、炭素鋼などの磁性材から形成されている。そして、ローラ本体2は、例えばモータ等の回転駆動機構(不図示)により外部から与えられる駆動力によって回転されるように構成されている。また、本実施形態のローラ本体2の肉厚部である側周壁201には、気液二相の熱媒体が減圧封入されたジャケット室2Aが形成されている。このジャケット室2Aは、側周壁201において、長手方向(回転軸方向)に延びており、周方向に複数且つ等間隔に形成されている。
誘導発熱機構3は、円筒形状をなす円筒状鉄心31と、当該円筒状鉄心31の外側周面に巻装された誘導コイル32とを備えている。
円筒状鉄心31の両端部には支持軸33が設けられており、当該支持軸33は、それぞれ駆動軸21の内部に挿通されて、転がり軸受等の軸受10を介して駆動軸21に回転自在に支持されている。これにより、誘導発熱機構3は、回転するローラ本体2の内部において、機台9(固定側)に対して静止状態に保持される。
また、誘導コイル32には、外部リード線L1が接続されており、この外部リード線L1には、商用周波数(50Hz又は60Hz)の交流電圧を印加するための電源装置5が接続されている。この電源装置5は、誘導発熱機構3に交流電力を供給する電源部51と、当該電源部51を制御してローラ本体2の温度を制御する温度制御部52とを有している。温度制御部52は、CPU、内部メモリ、入出力インターフェース、AD変換器などを有する専用乃至汎用のコンピュータであり、ユーザから入力される設定温度信号に基づいて、電源部51を制御して、ローラ本体2の表面温度を設定温度となるように制御するものである。なお、温度制御部52は、アナログ回路により構成してもよい。
このような誘導発熱機構3により、誘導コイル32に交流電圧が印加されると交番磁束が発生し、その交番磁束はローラ本体2の側周壁201を通過する。この通過によりローラ本体2に誘導電流が発生し、その誘導電流でローラ本体2はジュール発熱する。また、ジャケット室2Aにより、ローラ本体2の側周壁201の回転軸方向の温度分布が均一となる。
しかして本実施形態のローラ本体2の内側周面には、肉盛溶接により二次導体4が形成されている。ここで、二次導体4の材質(肉盛材料)は、アルミニウム青銅(アルミニウムと銅の合金)である。本実施形態のアルミニウム青銅は、6%以上のアルミニウムを含有するものである。
具体的には、二次導体4が、ローラ本体2の内側周面201aにおいて周方向全体に亘って形成されるとともに、ローラ本体2の回転軸方向に沿って連続的に形成されている。
ここで、二次導体4は、螺旋状(スパイラル状)に形成されており、互いに隣接する溶接部が互いに接触して連続するように形成されている。つまり、ローラ本体2の回転軸方向において誘導コイル32の巻回幅全体に亘って連続的に形成されている。言い換えれば、二次導体4は、ローラ本体2の回転軸方向に沿って形成された円筒形状をなしている。また、このように構成されたアルミニウム青銅からなる二次導体4の表面には、保護酸化被膜が形成されている。この保護酸化被膜により二次導体4は防錆機能を有することになる。
次に、ローラ本体2の内側周面201aに二次導体4を形成する肉盛溶接作業の一例について図3を参照して説明する。
ローラ本体2を回転させる回転装置11にローラ本体2を装着する。この状態のローラ本体2の内部に溶接トーチ12を挿入して、回転装置11によりローラ本体2を回転させながら、ローラ本体2に対して溶接トーチ12を回転軸方向に相対移動させることによって、螺旋状の二次導体4がローラ本体2の内側周面201aに形成される。この肉盛溶接において、ローラ本体2の予熱などの溶接前処理条件、溶接ワイヤのサイズ及び材質、トーチ角度、トーチ位置、電圧、電流、ローラ本体2の回転速度、溶接トーチ12の移動速度(引きピッチ)などの溶接条件、ローラ本体2の後熱などの溶接後処理条件を適宜設定することによって、種々の二次導体4を形成することができる。
このように構成された二次導体4の表面には、保護酸化被膜が形成されるため、錆止め用の鍍金処理を施す必要が無く、本実施形態では、当該鍍金処理を施していない。
また、ローラ本体3の側周壁201にジャケット室2Aが形成されているので、アルミニウム青銅の厚さムラによる発熱ムラが生じても、ジャケット室2Aの均温作用によりローラ本体3の表面温度は均一な温度となる。このため、本実施形態では、二次導体4の厚さを均一化させる機械加工は必要ない。つまり、二次導体4の表面に、凸部を除去するための除去加工による平坦化処理を施していない。
この誘導発熱ローラ装置100では、前記温度制御部52による設定可能温度は500℃以下とされている。つまり、ユーザが500℃よりも大きい温度に設定できないように構成されている。6%以上のアルミニウムを含有するアルミニウム青銅では、500℃以下での酸化が極めて軽微であるが、500℃よりも高温になると、酸化による重量増加が問題となってしまうためである。
次に、誘導発熱ローラ装置の力率試験の結果を示す。この試験で用いたローラ本体は、直径が237mmであり、面長が400mmであり、肉厚が22mである。また、ジャケット室は、ローラ本体の肉厚22mmの中心に、直径10mm、長さ380mmのものが30本等間隔で配置されている。二次導体の軸方向の幅は380mmである。電気仕様は、入力が単相60Hz220Vであり、容量は2次導体が無しの場合に5kWである。
以下の表1に、肉盛り無しの場合、銅を肉盛り溶接した場合(肉盛厚が0.5mm、1.0mm、1.5mm)、8%のアルミニウムを含有するアルミニウム青銅(アルミ青銅)を肉盛り溶接した場合(肉盛厚が1.5mm、3.0mm)それぞれにおける力率を示している。なお、肉盛厚(mm)は、軸方向の平均値である。
Figure 0007213525000001
表1から分かるように、アルミ青銅を肉盛り溶接して二次導体4を形成することによって、肉盛り溶接をしない場合に比べて、8%アルミ青銅を1.5mm以上とすることで力率が向上しており、目標とする力率(80%)以上となっている。なお、6%アルミ青銅であっても同様の効果を得ることができると考えられる。また、目標とする力率(80%)以上となる肉盛厚は、商用周波数の誘導加熱における等価回路図を用いれば計算することができる。
<2.本実施形態の効果>
このように構成した誘導発熱ローラ装置100によれば、肉盛溶接により二次導体4を形成しているので、従来の管体成形工程及び管体装着工程を省略することができる。また、アルミニウム青銅には表面に薄い保護酸化被膜が形成されるので、高温での酸化を防ぐ特性を有し、腐食に強くなる。このアルミニウム青銅を二次導体4に用いることによって、鍍金工程などの防錆処理工程を省略することができる。その結果、ローラ本体2の内側周面201aに二次導体4を設けるのに必要な加工工程を少なくすることができる。また、肉盛溶接するだけで良く、ローラ本体2の内側周面への二次導体4の取り付け作業を容易にすることができる。さらに、肉盛溶接により二次導体4を形成しているので、ローラ本体2と二次導体4とが一体となり、高速回転にも適用可能であり、ローラ本体2と二次導体4との熱膨張率の差による緩みが無く、ローラ本体2と二次導体4との間の熱伝導性の低下も抑えることができる。
<3.本発明の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、二次導体4は、ローラ本体2の回転軸方向に沿って厚み調節されたものであってもよい。つまり、二次導体4の厚みをローラ本体2の回転軸方向に沿って変化させてもよい。この構成であれば、ローラ本体2における発熱量を部分的に多くしたり少なくしたりすることができる。
また、前記実施形態の二次導体はアルミニウム青銅を用いて構成されているが、白銅、洋銀、赤銅、砲金又はそれらの組み合わせを用いて構成してもよい。これらは耐食性の高い非磁性銅合金であり、アルミニウム青銅と同様の効果を得ることができる。
さらに、二次導体は、ローラ本体の内側周面に円環状に形成されており、ローラ本体の回転軸方向に連続的に複数形成されたものであっても良い。
その上、二次導体はローラ本体の回転軸方向に間欠的に複数形成されたものであっても良い。例えば、図7に示すように、二次導体4をローラ本体2の内側周面201aにおいて間隔を空けてリング状に形成されているものであっても良いし、図8に示すように、二次導体4をローラ本体2の内側周面201aにおいて間隔を空けてスパイラル状に形成されているものであっても良い。このように二次導体4を間隔を空けて形成することによって、連続的に形成する加工に比べて、その加工を容易にすることができる。また、図8に示すように、スパイラル状に形成することで、二次導体4を連続加工することができる。
加えて、誘導発熱ローラ装置の電気特性を、二次導体の重量により調整することもできる。例えば、各ローラ本体の仕様が同じであれば、加工する二次導体の重量を同じにすることで、力率及び電気容量も同じとなり、作業管理が極めて容易である。以下の表は、二次導体の重量を同じにした場合の電気特性であり、二次導体の重量が同じであれば、電気特性は実質的に同じであることが分かる。なお、以下において、ロール本体の寸法は、直径300mm、内径280mm、面長189mmであり、二次導体は純銅で、その重量は約800gである。二次導体として純銅を用いた場合を示しているが、アルミニウム青銅を用いた場合でも同様である。
Figure 0007213525000002
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・誘導発熱ローラ装置
2・・・ローラ本体
201a・・・内側周面
3・・・誘導発熱機構
32・・・誘導コイル
4・・・二次導体

Claims (5)

  1. 回転自在に支持されたローラ本体と、前記ローラ本体の内部に設けられ、前記ローラ本体を誘導発熱させるための誘導コイルを有する誘導発熱機構とを備え、前記誘導コイルに商用周波数の交流電圧を印加して前記ローラ本体を誘導発熱させる誘導発熱ローラ装置であって、
    前記誘導発熱機構に電力を供給する電源部と、
    前記電源部を制御して前記ローラ本体の温度を制御する温度制御部とを備え、
    前記ローラ本体の内側周面に、肉盛溶接により二次導体が形成されており、
    前記二次導体はアルミニウム青銅からなり、
    前記二次導体の表面に防錆処理が施されておらず、
    前記温度制御部は、前記ローラ本体の温度を500℃以下となるように制御するものであり、
    前記アルミニウム青銅は、6%以上のアルミニウムを含有する、誘導発熱ローラ装置。
  2. 前記ローラ本体の肉厚内に、気液二相の熱媒体が減圧封入されたジャケット室が形成されており、
    前記二次導体の表面に除去加工による平坦化処理が施されていない、請求項1に記載の誘導発熱ローラ装置。
  3. 前記二次導体の厚みが前記ローラ本体の軸方向に沿って変化している、請求項1又は2に記載の誘導発熱ローラ装置。
  4. 前記二次導体は、前記ローラ本体の内側周面において間隔を空けてリング状に形成されている、請求項1乃至3の何れか一項に記載の誘導発熱ローラ装置。
  5. 前記二次導体は、前記ローラ本体の内側周面において間隔を空けてスパイラル状に形成されている、請求項1乃至3の何れか一項に記載の誘導発熱ローラ装置。
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