JP7211125B2 - 生体刺激装置 - Google Patents
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Description
網膜刺激型(STS:Suprachoroidal Transretinal Stimulation)に適合した装置である。この場合、眼球強膜に切り込みを入れて形成した切開創(フラップ)から電極41(電極ユニット40)が挿入され、電極41が脈絡膜に位置される。その結果、網膜に電極41を直接接触させずに電気刺激が可能となる。
図1に示すように、体外装置10は、眼鏡タイプのウェアラブルデバイスであり、本実施形態では顔に装着される。また、本実施形態の体外装置10は、カメラ12、処理装置13a、送信部15、を有する。
図2,3に示すように、体内装置20には、少なくとも、刺激制御ユニット30と、電極ユニット40と、を少なくとも有する。また、体内装置20は、帰還電極34を有する。
図4に示すように、刺激制御ユニット30は、少なくとも、刺激回路310と、検出部320と、を有する。本実施形態では、刺激回路310によって、刺激電流が発生される。より詳細には、双極性のパルス信号が、刺激電流として発生される。
電極ユニット40は、図3に示すように、網膜E1(視覚神経系の一例)の近傍に設置(埋植)され、各々の電極41からの刺激電流によって、網膜E1へ電気刺激を与える。刺激電流は、電極41と帰還電極34との間で流れる。このため、刺激する部位(組織)を挟むようにして、電極ユニット40と帰還電極34とは設置される。
本実施形態において、制御部300は、刺激制御ユニット30内に設けられている。制御部300は、体内装置20の動作を制御する。例えば、制御部300は、体内装置20の各部に対して、体外装置10から受信した制御信号に基づく各種の動作を実行させる。また、制御部300は、検出部320での検出結果(より詳細には、コンパレータ321の出力)に基づいて体内装置20における動作状態を監視する。監視の結果、異常が検出された場合、制御部300は、刺激動作を制止する。この処理は、体外装置10からの制御信号に基づく動作よりも優先される。異常としては、断線や回路の故障等がありうる。
体内装置20では、断線等が生じていない場合、刺激回路310-コンデンサC1-刺激電流経路510-電極切換スイッチSW11-電極41-生体-帰還電極34-第2刺激電流経路520-コンデンサC2-刺激回路310の経路(便宜上、経路Pと称する)で、生体に刺激電流を出力する。
そこで、本実施形態では、検出部320が所期する機能を発揮できない期間であるか否かが、以下のようなテスト動作に基づいて判別される。
本実施形態において、制御部300は、上記のテスト動作を、電源投入後の最初の刺激動作(より詳しくは、外界像に基づく電気刺激)に先んじて実行してもよい。その結果、十分な電源電圧Vhが昇圧回路424によって確保されていない状態で、外界像に基づく電気刺激が実行されることを、抑制できる。また、体内装置20の電源投入後、デマルチプレクサ421の駆動(電源供給)が開始されてから所定時間が経過したタイミングで実行してもよい(図6~図8参照)。
本実施形態において、制御部300は、テスト動作に基づいて刺激電流の発生動作を制止させた後、エラー報知を実行してもよい(図6参照)。例えば、制御部300は、体外装置10側へ、エラー信号を出力してもよい。体外装置は、エラー信号に基づいて音声等で、患者に、装置の状態が不安定である旨を報知してもよい。視覚障碍者にとって、刺激動作が停止していることと、外界像が暗闇であることの区別はつかないので、エラー報知が生じた場合は、装置の使用をやめることができる。
また、制御部300は、テスト動作に基づいて刺激電流の発生動作を制止させた後、デマルチプレクサの駆動動作を再度実施してから、テスト動作を実行してもよい(図7参照)。制止からテスト動作が再度行われるまでの時間は、例えば、常に一定であってもよいし、装置が所定の条件を満たすまでの時間であってもよい。
<ショーティング動作>
また、制御部300は、上記の電源投入直後に行われるテスト動作において、以下のショーティング動作を実行してもよい(図8参照)。ショーティング動作において、制御部300は、刺激回路310を制御して、第1および第2刺激電流経路510,520を含む刺激経路における容量成分を放電する。容量成分には、コンデンサC1,C2の容量の他、配線間、又は、配線―生体間等の寄生容量(例えば、電極41と体液との間の電気二重層容量)等が存在する。換言すれば、第1刺激電流経路510-電極41-生体-帰還電極32-第2の刺激電流経路520による経路に存在する容量成分における容量成分が、ショーティング動作において放電される。
制御部300は、上記のテスト動作を、外界像に基づく刺激動作の開始後に実行してもよい(図10参照)。例えば、所定フレーム分の刺激動作毎に、上記のテスト動作が実行されてもよい。ここでいう、1フレーム分の刺激動作には、少なくとも、1枚の外界像に対応する電気刺激出力が含まれる。テスト動作は、1フレーム毎に実行されてもよいし、複数フレーム毎に実行されてもよい。外界像に基づく刺激動作の開始後にテスト動作が実行されることにより、刺激経路における容量成分に電荷が蓄積した影響で不正な経路Qが有効か否かを、制御部300は検出できる。また、刺激動作中に断線等が生じた場合に、その断線によって不正な経路Qが有効か否かを、制御部300は検出できる。また、1stパルス、2ndパルスにおける極性(出力電流極性)に応じて、スイッチSW12が接続を第1端子422aと第2端子422bとの間で切換えられるので、デマルチプレクサ421(および入力端子425)の電位を許容電圧範囲内に抑えることができ(つまり、寄生ダイオードの逆バイアス状態を保持でき)、その結果として、不正な経路Q(図5参照)で電流が流れることを抑制できる。
刺激制御ユニット 30
電極ユニット 40
電極 41
制御部 300
刺激回路 310
検出部 320
デマルチプレクサ 421
第1刺激電流経路 510
第2刺激電流経路 520
Claims (5)
- 複数の電極、および、前記複数の電極と刺激電流経路との接続状態を切換えるデマルチプレクサ、を備える電極ユニットと、
前記刺激電流経路と接続されており、前記刺激電流経路を介して生体組織へ出力される刺激電流を発生させる刺激回路、および、前記生体組織への前記刺激電流の出力状態を、前記刺激電流経路を介して検出する検出部と、を備える刺激制御ユニットと、
前記刺激回路における前記刺激電流の発生動作を制御する制御部と、
を備える生体刺激装置であって、
前記制御部は、前記刺激電流経路が前記複数の電極の何れとも非接続となる状態に前記デマルチプレクサを設定したうえで、刺激電流の発生動作を前記刺激回路に実行させるテスト動作を実行し、テスト動作に基づいて前記刺激電流が前記生体組織へ出力されたことが前記検出部によって検出された場合に、その後の刺激電流の発生動作を制止する、生体刺激装置。 - 前記検出部は、前記刺激回路の出力電圧によって前記出力状態を検出する請求項1記載の生体刺激装置。
- 前記電極ユニットは電源回路を有し、
前記電極ユニットは、前記デマルチプレクサに対して、前記刺激回路の電源電圧よりも高い電源電圧を前記電源回路から供給される電力に基づいて印加する昇圧回路を有し、
前記制御部は、前記テスト動作を、電源投入時に実行する請求項1記載の生体刺激装置。 - 前記制御部は、前記テスト動作に基づいて前記刺激電流の発生動作を制止させた後、時間をあけて再度テスト動作を実行し、再度のテスト動作に基づいて、前記刺激電流が前記生体組織へ出力されなくなった場合には、前記刺激電流の発生動作を開始させる請求項1から3のいずれかに記載の生体刺激装置。
- 前記刺激電流経路とは異なる第2の刺激電流経路を介して前記刺激回路と接続される帰還電極と、
前記刺激電流経路につながる前記刺激回路の出力と、前記第2刺激電流経路につながる前記刺激回路の出力との間をショーティングさせるためのスイッチと、を持ち、
前記制御部は、前記テスト動作をさせる前に、前記スイッチを制御して、前記刺激電流経路-前記電極-生体-前記帰還電極-前記第2の刺激電流経路による経路に存在する容量成分をショーティングさせ、ショーティングの解除後に、前記テスト動作を開始させる、請求項1から4のいずれかに記載の生体刺激装置。
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