JP7211058B2 - 画像読み取り装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像読み取り装置、及び、画像読み取り装置を備える画像形成装置に係わる。
光電変換素子(イメージセンサ)を使用している画像読み取り装置において、光学系の不均一性や撮像素子個々の画素の出力不均一性等による画像ムラを補正するため、主走査の基準となる白板(基準部材)を読み取り主走査分布を補正する処理、いわゆるシェーディング補正が行われている。
フラットベッド読み取り装置では、コンタクトガラスの端部に取り付けられた基準部材をキャリッジが通過する際に、基準となるシェーディングデータを読み取り、記憶部が読み取ったシェーディングデータを保存する。また、シートスルー読み取りでは、原稿読み取り毎にキャリッジがホームポジションから基準部材直下に移動してシェーディングデータを読み取り、記憶部が読み取ったシェーディングデータを保存する。
最近のシートスルー連続読み取りでは、基準部材を読み取るキャリッジ動作を原稿読み取りの数分ごとに1回、又は、数枚ごとに1回というように省略する、いわゆる間欠シェーディングが行われている。これにより、シェーディング補正のためのキャリッジ動作の回数を減らし、連続読み取り時の生産性向上を図っている。
しかし、間欠シェーディングを実施する際は、光源連続点灯の発熱による短期の光量低下の影響で、原稿の読み取りレベル(画素信号レベル)が経時で下がってしまう。このため、初期に取得したシェーディングデータを使ってシェーディング補正を行うと、最初と最後の読み取り原稿で濃度差が生じてしまうという問題がある。
間欠シェーディングにおける問題を解決するため、レベル補正係数を用いて、シェーディング補正された各画素の読み取りレベルを補正する制御方法(以下、レベル補正と表記する)が知られている。レベル補正では、まず原稿読み取り毎にキャリッジホームポジションの読取面にある基準部材のレベルをモニタし、基準部材の読み取りレベルの減衰量(変動量)を光量変動分として取得する。そして、基準部材の読み取りレベルの減衰量に応じて、原稿1枚ごとの利得調整値(レベル補正係数)を算出する。この算出したレベル補正係数を、シェーディング補正された各画素の読み取りレベルに乗算することで、適正な濃度の画像を得ることができる。
上述のレベル補正を用いた画像読み取り装置として、例えば、一部の受光素子から出力される信号レベルから残りの信号レベルを算出(補間)することで、基準部材データの主走査方向の1ライン全ての画素信号(シェーディングデータ)を生成してレベル補正係数を算出し、シェーディング補正を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上述のシェーディング補正においては、基準部材にゴミや汚れ等の異物が付着してしまった場合、基準部材のゴミ混入部分の数画素分の画素信号レベルが低くなる。このため、異物が付着した状態のシェーディングデータからレベル補正係数を算出すると、基準部材のゴミ混入部分の画素信号レベルがその前後の画素信号レベルよりも高い値のレベル補正係数となる。この結果、レベル補正後の出力画像では基準部材のゴミ混入部分において、縦スジ等による画像ムラが発生してしまう。
このような基準部材にゴミや汚れ等の異物が付着してしまった場合の対処法として、上述の特許文献1には、ゴミ等の異物を検出してレベル補正を行うことが記載されている。具体的には、シェーディングデータの画素信号レベルが閾値を超えた部分では、その部分にゴミ等の異物が有ると判断する。そして、ゴミ等の異物が存在すると判断した場合には、直前の画素のレベル補正係数を用いてシェーディング補正を行うことで、ゴミ等の異物による画像ムラの発生を抑制している。
特開2015-91036号公報
しかしながら、シェーディングデータにおいて画素信号レベルが閾値を超える部分は、基準部材のゴミ等の異物によるものとは限られない。例えば、基準部材以外の他の要因として、画像読み取り装置の読み取り部側の要因によって画素信号レベルが変動し、シェーディングデータに影響を与える場合がある。読み取り部側の要因としては、例えば、結露等の水滴による導光体の局所的な画素信号レベルの変動、結露等の水滴や水垢等のプラテンガラスの透過率変化による局所的な画素信号レベルの変動、及び、劣化による受光センサの局所的な感度の低下等が挙げられる。
これらの画像読み取り装置の読み取り部側の要因による画素信号レベルの変動は、基準部材を用いたシェーディングデータ生成用の読み取りだけでなく、原稿を読み取るジョブにおいても継続される。このため、上述の読み取り部側の要因は、基準部材上のゴミ等の異物と異なり、原稿読み取りの際の画像ムラに影響を与えない。従って、基準部材上のゴミ等の異物に起因する画素信号レベルの変動と異なり、上述の読み取り部側の要因による影響を含めたシェーディングデータを適用しないと、シェーディング補正による画像ムラを抑制することができない。
上述の特許文献1に記載されているシェーディング補正のように、画素信号レベルが閾値を超える部分を全て基準部材の異物によるものと判断すると、読み取り部側の要因による画素信号レベルの変動も補正されてしまう。この場合、シェーディング補正によって読み取り部側の要因の画素信号レベルの変動も補正されてしまうため、原稿を読み取った際の画素信号レベルが必要以上に補正されてしまう。この結果、シェーディング補正後の出力画像に画像ムラが発生してしまう。
このため、シェーディングデータにおける画素信号レベルの変動が、読み取り部側の要因とするか、基準部材のゴミ等の異物を要因とするかを判別し、読み取り画像に対して適切なシェーディング補正を行うことにより、出力画像の画像ムラを抑制することが可能な画像読み取り装置、及び、画像形成装置が求められている。
上述した問題の解決のため、本発明においては、画像ムラを抑制することが可能な画像読み取り装置、及び、画像形成装置を提供する。
本発明の画像読み取り装置は、基準部材と、2色以上の光を放出する光源と、基準部材からの反射光を受光する光電変換素子が実装されたセンサ基板と、基準部材と光源及びセンサ基板との間に配置された原稿ガラス板とを備える。さらに、光源の色毎の初期シェーディングデータを記憶する記憶部と、画像を読み取る際の光源の色毎の読み取りシェーディングデータと、記憶部に記憶されている色毎の初期シェーディングデータとの差分を抽出し、差分が基準部材を要因とするかどうかを判定するシェーディング補正判定部と、シェーディング補正判定部の判定結果に基づいて、読み取り画像にシェーディング補正を行うシェーディング補正部とを備える。
また、本発明の画像形成装置は、基準部材と、2色以上の光を放出する光源と、基準部材からの反射光を受光する光電変換素子が実装されたセンサ基板と、基準部材と光源及びセンサ基板との間に配置された原稿ガラス板とを備える。さらに、光源の色毎の初期シェーディングデータを記憶する記憶部と、画像を読み取る際の光源の色毎の読み取りシェーディングデータと、記憶部に記憶されている色毎の初期シェーディングデータとの差分を抽出し、差分が基準部材を要因とするかどうかを判定するシェーディング補正判定部と、シェーディング補正判定部の判定結果に基づいて、読み取り画像にシェーディング補正を行うシェーディング補正部と、用紙に画像を形成する画像形成部とを備える。
本発明によれば、画像ムラを抑制することが可能な画像読み取り装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
画像読み取り装置が搭載された画像形成装置の全体構成を示す図である。 画像読み取り装置の構成を示す図である。 初期シェーディングデータを示すグラフである。 基準部材に異物が存在する場合の画像読み取り装置の模式図である。 基準部材に異物が存在する場合の読み取りシェーディングデータを示すグラフである。 原稿ガラス板に水滴が付着した場合の画像読み取り装置の模式図である。 原稿ガラス板に水滴が付着した場合の読み取りシェーディングデータを示すグラフである。 画像読み取り装置におけるシェーディング補正を説明するためのフローチャートである。 画像読み取り装置の構成を示す図である。 第1の光源と第2の光源とを同時に駆動した場合の読み取りシェーディングデータを示すグラフである。 第1の光源による読み取りシェーディングデータと、第2の光源による読み取りシェーディングデータとを示すグラフである。 第1の光源による読み取りシェーディングデータと、第2の光源による読み取りシェーディングデータとを示すグラフである。 画像読み取り装置におけるシェーディング補正を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.画像読み取り装置、画像形成装置(第1実施形態)
2.画像読み取り装置(第2実施形態)
〈1.画像読み取り装置、画像形成装置〉
[画像形成装置 ]
以下画像読み取り装置、及び、画像読み取り装置を備える画像形成装置の具体的な実施の形態について説明する。図1に、画像読み取り装置が搭載された画像形成装置の全体構成を示す。
図1に示すように、画像形成装置は自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読み取り装置20と、画像形成部30と、自動両面ユニット40と、給紙部50と、給紙キャビネット60と、操作パネル70と、ファクシミリユニット90と、通信インターフェース(I/F)ユニット91と、制御部100及び記憶部120等を備える。
自動原稿搬送装置10は、原稿給紙トレイ12上にセットされた複数の原稿を1枚ずつ自動的に画像読み取り装置20の読み取りガラスであるプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、画像読み取り装置20により原稿画像の読み取りが行われると、原稿排紙トレイ上に排出する公知の装置である。また、自動原稿搬送装置10は原稿セットセンサ11を備え、原稿セットセンサ11は公知のタクトスイッチで構成され、原稿がセットされたか否かを検出し、その結果を制御部100に信号として送る。
画像読み取り装置20は、画像読み取り位置に搬送された原稿の大きさ等に応じて原稿画像を走査し、原稿画像に光源から照射された光の反射光を入射光として受光し、入射光を電気信号に変換して画像データとして制御部100に送る装置である。また、画像読み取り装置20は装置持ち上げセンサ13を備え、装置持ち上げセンサ13は公知の磁気センサで構成され、自動原稿搬送装置10が持ち上げられたか否かを検出し、その結果を制御部100に信号として送る。
操作パネル70は、公知のユーザインターフェースであって、タッチパネル入力部を兼ねた表示部71、キー入力部72を備える。さらに、操作パネル70は副電源スイッチ80を備える。副電源スイッチ80はユーザーが省電力動作モードであるスリープモードヘの移行を直接指示するためのスイッチである。
制御部100は、受け取った読み取りデータにシェーディング補正などの各種データ処理を施し、用紙の供給と同期して主走査ラインごとに読み出してレーザダイオードを駆動するための信号を出力する等、画像形成装置の全体を統括的に制御する。さらに本実施形態では、後述するように原稿画像の読み取り前にシェーディング補正用のシェーディングデータを取得して部分的なデータ置換処理を行う。
記憶部120は、例えばハードディスク装置(HDD)から構成され、制御部100から送られてくる画像データやその他のデータを記憶する。
ファクシミリユニット90は、公衆電話回線に接続し、画像データの送受信を行うためのインターフェースである。
通信I/Fユニット91は、パーソナルコンピュータ等が接続された外部ネットワークに接続するためのインターフェースである。外部ネットワークとしては、LANやUSBを備える。
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、感光体ドラム31a、31b、31c、31dと、露光走査ユニット32a、32b、32c、32dと、転写ベルト33と、図示しないがこれらユニットを保護する前扉カバー、前扉センサ34を備える。また、画像形成部30はイエロー、マゼンダ、シアン、黒の4色に対応している。制御部100から出力される駆動信号に基づいて、露光走査ユニット32a、32b、32c、32dで生成されたレーザ光が各感光体ドラム31a、31b、31c、31d上に露光走査される。前扉センサ34は公知のタクトスイッチで構成され、前扉カバーが開放されたかどうかを検出し、その結果を制御部100に信号として送る。転写ベルト33は、各色に対応する感光体ドラム31a、31b、31c、31d上のトナー像を全て重ね合わせて、給紙部50から搬送されてくる用紙に転写する。
自動両面ユニット40は、片面が印刷された用紙を裏表反転させるために、通紙経路上で一旦スイッチバックさせ、再度給紙させることによって両面印刷を可能にする。
給紙部50は、用紙を収納しておくための給紙カセット51と、この用紙を繰り出すためのピックアップローラ52を備え、画像形成部30に用紙を補給する。
給紙キャビネット60は、給紙部50と同様に、用紙を収納しておくための給紙カセット61、63、65と、この用紙を繰り出すためのピックアップローラ62、64、66を備え、給紙部50を経由して画像形成部30に用紙を補給する。
[画像読み取り装置]
図2 に画像読み取り装置20の構成図を示す。
図2に示すように画像読み取り装置20は、光源21、導光体22、原稿ガラス板23、基準部材27、結像レンズ24、及び、光電変換素子26と光量センサ28とが実装されたセンサ基板25を備える。また、画像読み取り装置20の全体を制御するための制御部100を備える。なお、制御部100は、画像読み取り装置20が単独で有していてもよく、画像形成装置と共通であってもよい。
画像読み取り装置20は、原稿ガラス板23上に搬送されてきた用紙に形成されている画像を読み取って画像データを生成する。また、ジョブ中に定期的にシェーディング補正を行うために、白色の基準となる基準部材27の位置に移動してシェーディングデータを取得する。
光源21は、複数の発光色を放出する発光体を備える。例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のLEDから構成される。点灯駆動回路を介して、制御部100によって点灯制御される。
導光体22は、画像読み取り装置20の読み取り位置に向けて光源21が射出される光を誘導し、主走査方向である原稿の幅方向に均一性を高める。
画像読み取り装置20では、結像レンズ24と、結像レンズ24の直下に配置された光電変換素子26とが、それぞれ主走査方向である原稿の幅方向に一列状に配置されている。結像レンズ24は、光源21から原稿ガラス板23を通して原稿や基準部材27に照射された光の反射光によって得られる光学像を、光電変換素子26に集光する。光電変換素子26は、結像レンズ24で集光された光を受光する。光電変換素子26は、例えば、原稿搬送方法と直交する方向に延びる一次元状の撮像領域を有し、結像レンズ24で集光された光学像を走査して、原稿に形成された画像を読み取るCCDカメラ等のラインセンサである。
光電変換素子26で光電変換された画像データは、センサ基板25においてアナログ信号がデジタル信号にA/D変換され、制御部100に送信される。制御部100は、CPU、ROM、RAM等を備えて構成される。CPUは光源21の点灯制御、デジタル信号に変換された画像データの処理を含む画像読み取り装置20の全体を統括的に制御する。
光量センサ28は、画像の読み取り前に予め光源21の各色(例えば、RGB)の光量レベルを取得する。そして、取得した光量レベルを制御部100に送信する。制御部100は、光量センサ28から取得した光源21の各色の光量レベルを基に、光源21の各色の光量を調整する。例えば、制御部100は、光源21の光量レベルが出荷時と比較して低下している場合には、光源21の該当する色の光量を増加させるように制御する。
制御部100は光源21の点灯制御、画像読み取りデータやシェーディングデータの取得、及び、画像データの処理等を含む画像形成装置の全体を統括的に制御する。また、制御部100は、シェーディング補正を行うための構成として、シェーディング補正判定部201、初期シェーディングデータ記憶部202、及び、シェーディング補正部203を備える。
初期シェーディングデータ記憶部202は、光源21の各色における初期シェーディングデータを記憶する。初期シェーディングデータは、画像読み取り装置20の初期使用(製造、出荷等)時に基準部材27を用いて取得したシェーディングデータである。
なお、制御部100において、初期シェーディングデータ記憶部202は、画像形成装置に形成された記憶部120で代用することもできる。また、初期シェーディングデータ記憶部202は、制御部100が読み出した記憶部120に記憶された初期シェーディングデータを、一時的に記憶するための記憶部であってもよい。
シェーディング補正判定部201は、画像を読み取る際の光源21の色毎の読み取りシェーディングデータと、初期シェーディングデータ記憶部202に記憶されている色毎の初期シェーディングデータとの差分を抽出する。そして、抽出した差分が基準部材27を要因とするかどうかを判定する。このシェーディング補正判定部201における、差分が基準部材27を要因とするかどうかを判定については後述する。
シェーディング補正部203は、シェーディングデータを用いて読み取り画像にシェーディング補正を行う。シェーディング補正部203は、シェーディング補正判定部201の指示に基づいて、画像読み取りの際に基準部材27を用いて取得した読み取りシェーディングデータ、初期シェーディングデータ記憶部202に記憶されている初期シェーディングデータ、読み取りシェーディングデータを初期シェーディングデータで補正した補正シェーディングデータのいずれかを選択して用いる。
[シェーディング補正判定部での判定]
(初期シェーディングデータ)
画像読み取り装置20の初期使用(製造、出荷等)時に基準部材27を読み取った初期シェーディングデータの一例を図3に示す。なお、図3において、横軸は主走査方向の画素位置を示し、縦軸は画素信号レベルの階調値を示す。また、主走査方向の右方向(紙面右方向)を+方向、左方向を-方向とする。また、図3では、初期シェーディングデータの一例として、光源21が赤色光を発光した際の初期シェーディングデータ101R、緑色光を発光した際の初期シェーディングデータ101G、青色光を発光した際の初期シェーディングデータ101Bを示している。
画像読み取り装置20は、光学系の不均一性や撮像素子個々の画素の出力不均一性等によって、光電変換素子の主走査方向の画素毎に画素信号レベルの階調ムラが発生する。このため、初期シェーディングデータ記憶部202に記憶されている初期シェーディングデータは、レンズや光源の特性等によって主走査方向の中央部より主走査方向の両端部の画素信号レベルが高くなり、主走査方向に湾曲した形状となる。
(基準部材を要因とするシェーディングデータ)
画像読み取り装置20の経時使用後において、原稿読み取りの際のシェーディングデータ(読み取りシェーディングデータ)を取得する際、紙粉等のゴミや原稿のトナーによる汚れ等による異物が基準部材27に付着する場合がある。基準部材27にゴミや汚れ等の異物が存在する場合の画像読み取り装置20の模式図を図4に示す。なお、図4では、光源21から射出される3色(R、G、B)の光線102と、基準部材27、原稿ガラス板23、及び、光電変換素子26のみを示している。
図4に示すように、光源21から射出された各色の光は、基準部材27で反射する際に、一部の光線102が基準部材27上の異物29によって吸収及び反射等の干渉を受けた後、光電変換素子26に入射する。このときの読み取りシェーディングデータを図5に示す。図5では、読み取りシェーディングデータの一例として、光源21が赤色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ103R、緑色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ103G、青色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ103Bを示している。図5に示すように、各色の読み取りシェーディングデータ103R,103G,103Bは、基準部材27上の異物29が付着した箇所に対応して、各色光の初期シェーディングデータ103R,103G,103B(図3参照)に大きな波形歪み (ノイズ)104R,104G,104Bが発生している。
このとき、赤色光の読み取りシェーディングデータ103Rの波形歪み104R、緑色光の読み取りシェーディングデータ103Gの波形歪み104G、及び、青色光の読み取りシェーディングデータ103Bの波形歪み104Bは、基準部材27上の異物の色や形状等に応じてそれぞれ異なる形状となる。例えば、異物が緑色の光を他の色の光よりも吸収しやすい場合には、図5に示すように緑色光の波形歪み104Gが、赤色光の波形歪み104Rや青色光の波形歪み104Bよりも小さくなる。このため、該当画素において、読み取りシェーディングデータ103R,103G,103Bの画素信号レベルと、初期シェーディングデータ101R,101G,101B(図3参照)の画素信号レベルの変動量が、各色光において異なる値となる。
図5に示す場合では、基準部材27の異物の位置において、読み取りシェーディングデータ103Rや読み取りシェーディングデータ103Bは、初期シェーディングデータ101R及び初期シェーディングデータ101Bから画素信号レベルの画素信号レベルの変動量が大きいのに対し、読み取りシェーディングデータ103Gは初期シェーディングデータ101Gから画素信号レベルの変動量が小さい。即ち、ゴミや汚れ等の異物によって基準部材27を要因とする場合は、読み取りシェーディングデータ103R,103G,103Bの波形歪み(ノイズ)104R,104G,104Bにおいて、各色光の初期シェーディングデータ101R,101G,101B(図3参照)との画素信号レベルの変動量に大きな差が発生する。
(基準部材を要因としないシェーディングデータ)
画像読み取り装置20の経時使用後において、原稿読み取りの際のシェーディングデータ(読み取りシェーディングデータ)を取得する際、原稿ガラス板23に付着した結露等の水滴による導光体の局所的な画素信号レベルの変動、結露等の水滴や水垢等のプラテンガラスの透過率変化による局所的な画素信号レベルの変動等が発生する場合がある。一例として、原稿ガラス板23に水滴Wが付着した場合の画像読み取り装置20の模式図を図6に示す。なお、図6では、光源21から射出される3色(R、G、B)の光線102と、基準部材27、原稿ガラス板23、及び、光電変換素子26のみを示している。
図6に示すように、光源21から射出された各色の光は、基準部材27で反射する際に、各光線102が原稿ガラス板23に水滴Wによって吸収及び反射等の干渉を受けた後、光電変換素子26に入射する。このときの読み取りシェーディングデータを図7に示す。図7では、読み取りシェーディングデータの一例として、光源21が赤色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ105R、緑色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ105G、青色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ105Bを示している。図7に示すように、各色の読み取りシェーディングデータ105R,105G,105Bは、原稿ガラス板23に水滴Wが付着した箇所に対応して、各色光の初期シェーディングデータ101R,101G,101B(図3参照)に対して大きな波形歪み(ノイズ)106R,106G,106Bが発生している。
このとき、上述の基準部材27に異物が存在する場合(図5参照)と異なり、赤色光の読み取りシェーディングデータ105Rの波形歪み106R、緑色光の読み取りシェーディングデータ105Gの波形歪み106G、及び、青色光の読み取りシェーディングデータ105Bの波形歪み106Bは、同様の形状となる。即ち、該当画素において、読み取りシェーディングデータ105R,105G,105Bの画素信号レベルと、初期シェーディングデータ101R,101G,101B(図3参照)の画素信号レベルの変動量が、各色光において同様の値となる。即ち、基準部材27を要因としない場合は、読み取りシェーディングデータ105R,105G,105Bの波形歪み(ノイズ)106R,106G,106Bと、初期シェーディングデータ101R,101G,101B(図3参照)とにおいて、各色光の画素信号レベルの変動量に大きな差が発生しない。
(各色光の画素信号レベルの変動量 )
各色光における画素信号レベルの変動量の求め方は、例えば、初期シェーディングデータと読み取りシェーディングデータとにおいて、光電変換素子26の隣接する画素同士の画素信号レベルを比較することで求められる。
例えば、初期シェーディングデータ101R,101G,101B(図3参照)と、読み取りシェーディングデータ103R,103G,103B(図5参照)又は読み取りシェーディングデータ105R,105G,105B(図7参照)とにおいて、光電変換素子26のN画素目と、N+1画素目との画素信号レベルの差分Xを求める。
[(N画素目信号レベル)-(N+1画素目信号レベル)=画素間信号レベル差分X]
そして、各色光の初期シェーディングデータと読み取りシェーディングデータとにおいて画素間信号レベル差分Xを、該当する画素間で比較する。即ち、該当する画素毎に、初期シェーディングデータの画素間信号レベル差分Xと、読み取りシェーディングデータの画素間信号レベル差分Xとから、両シェーディングデータ間の画素信号レベルの変動量Yを求める。
[(初期シェーディングデータの画素間信号レベル差分X)-(読み取りシェーディングデータの画素間信号レベル差分X)=シェーディングデータ間の画素信号レベル変動量Y]
このようにシェーディングデータ間の画素信号レベル変動量Yを求めることにより、初期シェーディングデータと読み取りシェーディングデータとにおいて、隣接画素間の画素信号レベルの差分の変動量を求めることができる。
(判定)
上述のように、読み取りシェーディングデータに初期シェーディングデータからの波形歪みが発生している場合は、隣接画素間の画素信号レベルの差分の変動量(画素信号レベル変動量Y)を求めることにより、上記波形歪みの発生が基準部材27を要因とするものかどうかを判定することができる。具体的には、上記波形歪みにおいて、各色光に画素信号レベルの差分の変動量(画素信号レベル変動量Y)で大きな差が発生している場合には、発生した波形歪みが基準部材27を要因とするものと判定することができる。
上述の図5に示す各色光の読み取りシェーディングデータ103R,103G,103Bにおいては、緑色光の波形歪み104Gによる変動量(画素信号レベル変動量Y)が、赤色光の波形歪み104Rや青色光の波形歪み104Bよる変動量(画素信号レベル変動量Y)よりも小さくなる。このため、図5に示すような読み取りシェーディングデータ103R,103G,103Bが得られた場合には、波形歪み104R,104G,104Bは基準部材27を要因とするものと判定することができる。
一方、上記波形歪みにおいて、各色光に画素信号レベルの差分の変動量(画素信号レベル変動量Y)で大きな差が発生していない場合には、基準部材27を要因としないものと判定することができる。
上述の図7に示す各色光の読み取りシェーディングデータ105R,105G,105Bにおいては、各色光の波形歪み106R,106G,106Bの変動量(画素信号レベル変動量Y)が、同程度である。このため、図7に示すような読み取りシェーディングデータ105R,105G,105Bが得られた場合には、波形歪み106R,106G,106Bは基準部材27を要因としないものと判定することができる。
[フローチャート]
図8に、画像読み取り装置におけるシェーディング補正を説明するためのフローチャートを示す。
まず、光源21を駆動し、各色光(RGB)を用いて基準部材27を読み取り、原稿に形成された画像を読み取る前の読み取りシェーディングデータを取得する(ステップS10)。読み取りシェーディングデータは、光電変換素子26で受光した画像データがセンサ基板25でデジタル信号に変換され、制御部100のシェーディング補正判定部201に出力される。
シェーディング補正判定部201は、取得した読み取りシェーディングデータと、初期シェーディングデータ記憶部202に記憶されている初期シェーディングデータとを比較する(ステップS11)。例えば、読み取りシェーディングデータにおける隣接画素間の画素信号レベルの差分と、初期シェーディングデータ記憶部202に記憶されている初期シェーディングデータにおける隣接画素間の画素信号レベルの差分とを比較する。この比較により、読み取りシェーディングデータにおける、基準部材27及び基準部材27以外を要因とした、初期シェーディングデータから大きく外れる波形歪みを検出する。
シェーディング補正判定部201が、読み取りシェーディングデータにおける各色光(RGB)の隣接画素間の画素信号レベルの差分を求めて比較し、基準部材を要因とする画素信号レベルの変動量を検出する(ステップS12)。これにより、シェーディング補正判定部201が、読み取りシェーディングデータの波形歪みについて、基準部材27を要因とするか、又は、基準部材27以外を要因とするかを判定する。
判定結果を基にシェーディング補正判定部201が、読み取りシェーディングデータに対して初期シェーディングデータを用いて補正をかけたシェーディングデータ(補正シェーディングデータ)を算出する(ステップS13)。基準部材27を要因とする波形歪みが発生している位置の読み取りシェーディングデータに対してのみ、初期シェーディングデータを適用することで、基準部材27を要因とする波形歪みを初期シェーディングデータで補正した補正シェーディングデータを算出する。これにより、基準部材27を要因とする波形歪みのみを補正した補正シェーディングデータを得ることができる。
光源21を駆動し、各色光(RGB)を用いて原稿に形成された画像を読み取る(ステップS14)。これにより、原稿に形成された画像データを取得する。そして、シェーディング補正部203が、シェーディング補正判定部201で算出した補正シェーディングデータを用いて読み取り画像データに対してシェーディング補正を行う(ステップS15)。これにより、基準部材27を要因とする波形歪みのみを初期シェーディングデータで補正し、且つ、基準部材27を要因としない波形歪みを補正せずに算出した補正シェーディングデータを用いて読み取り画像データのシェーディング補正を行うことができる。このため、原稿に形成された画像を読み取った際の画像ムラを抑制することができる。
〈2.画像読み取り装置〉
次に、画像読み取り装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態の画像読み取り装置は、光源と導光体とを複数箇所に備える構成である。なお、第2実施形態の画像読み取り装置も、上述の第1実施形態の画像読み取り装置と同様の画像形成装置に適用できる。
[画像読み取り装置]
図9に画像読み取り装置20の構成図を示す。
図9に示すように画像読み取り装置20は、第1の光源21A及び第2の光源21Bと、第1の光源21Aに対応して設けられた第1の導光体22A、及び、第2の光源21Bに対応して設けられた第2の導光体22Bとを備える。なお、光源及び導光体を除く他の構成は、上述の図2に示す画像読み取り装置20と同様の構成であるため、説明を省略する。
第1の光源21Aと、第2の光源21Bとは、それぞれ異なる方向から原稿ガラス板23を通して原稿や基準部材27に光を照射する。また、第1の光源21Aと、第2の光源21Bとは、それぞれ個別に駆動される。このため、第1の光源21Aと第2の光源21Bとを同時に駆動して第1の光源21Aと第2の光源21Bとの両方から、及び、第1の光源21Aと第2の光源21Bとを個別に駆動していずれか一方のみから、原稿や基準部材27に光を照射することができる。
このため、画像読み取り装置20においては、第1の光源21Aと第2の光源21Bとを同時に駆動した場合の読み取り画像データ、第1の光源21Aのみを駆動した場合の読み取り画像データ、及び、第2の光源21Bのみを駆動した場合の読み取り画像データの3種の読み取り画像データを取得することができる。同様に、シェーディングデータとして、第1の光源21Aと第2の光源21Bとを同時に駆動した場合のシェーディングデータ、第1の光源21Aのみを駆動した場合のシェーディングデータ、及び、第2の光源21Bのみを駆動した場合のシェーディングデータの3種を取得することができる。
このため、初期シェーディングデータ記憶部202は、少なくとも、初期シェーディングデータとして、第1の光源21Aと第2の光源21Bとを同時に駆動した場合の初期シェーディングデータを記憶している。さらに、初期シェーディングデータとして、第1の光源21Aのみを駆動した場合の初期シェーディングデータ、及び、第2の光源21Bのみを駆動した場合の初期シェーディングデータを記憶していてもよい。
画像読み取り装置20において、第1の光源21Aと第2の光源21Bとを備えることにより、より正確なシェーディング補正が可能となる。例えば、基準部材27上の異物によっては、光源21に含まれる各色光の反射率が同一程度の場合がある。この場合には、シェーディングデータの波形歪みが、基準部材27を要因とするがどうかの判定が困難となる場合がある。そこで、このような判定が困難な場合には、画像読み取り装置20において、第1の光源21Aと第2の光源21Bとを別々に駆動し、第1の光源21Aによる読み取りシェーディングデータと、第2の光源21Bによる読み取りシェーディングデータとを取得する。そして、取得した読み取りシェーディングデータを比較することで、読み取りシェーディングデータの波形歪みが基準部材27を要因とするがどうかを判定することができる。以下、判定方法の詳細について説明する。
[シェーディング補正判定部での判定]
(両側点灯)
画像読み取り装置20において、第1の光源21Aと第2の光源21Bとを同時に駆動した場合(以下、両側発光)の各色の読み取りシェーディングデータを図10に示す。図10に示す読み取りシェーディングデータは、第1の光源21Aと第2の光源21Bが赤色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ107R、緑色光を発光した際の初期シェーディングデータ107G、青色光を発光した際の初期シェーディングデータ107Bを示している。
また、図10に示す各色の読み取りシェーディングデータ107R,107G,107Bは中央において各色光の初期シェーディングデータ101R,101G,101B(図3参照)に対して大きな波形歪み108R,108G,108Bが発生している。上述の第1実施形態として記載した判定の仕方では、この波形歪み108R,108G,108Bは、各色光に初期シェーディングデータからの画素信号レベルの差分の変動量(画素信号レベル変動量Y)に大きな差が発生していない場合、基準部材27を要因としないものと判定される。
しかし、基準部材27上の異物の第1の光源21Aと第2の光源21Bの各色光に対する反射率が同程度の場合には、図10に示す波形歪み108R,108G,108Bのように、各色光において初期シェーディングデータからの変動量(画素信号レベル変動量Y)が同様になる場合がある。このため、波形歪み108R,108G,108Bが、各色光に対する反射率が同程度の異物によって基準部材27を要因とする場合にも、基準部材27を要因としないものと判定されてしまう。
図9に示す第1の光源21Aと第2の光源21Bとを備える画像読み取り装置20では、上述のような各色光に対する反射率が同程度の異物が存在する場合にも、基準部材27を要因とするどうかを正確に判定することが可能となる。具体的には、画像読み取り装置20において第1の光源21Aと第2の光源21Bとをそれぞれ個別に駆動して、各色光の読み取りシェーディングデータを取得する。そして、第1の光源21Aによる読み取りシェーディングデータと、第2の光源21Bによる読み取りシェーディングデータとを、色光毎に比較することで、波形歪み108R,108G,108Bが基準部材27を要因とするか、基準部材以外を要因とするかを判定することができる。
(片側点灯)
図11及び図12に、第1の光源21Aによる読み取りシェーディングデータと、第2の光源21Bによる読み取りシェーディングデータとを示す。なお、図11及び図12は、上述の図10に示す各色光の読み取りシェーディングデータ107R,107G,107Bにおける波形歪み108R,108G,108Bの部分のみを示している。
図11では、第1の光源21Aが赤色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ109R、緑色光を発光した際の初期シェーディングデータ109G、青色光を発光した際の初期シェーディングデータ109Bを示している。さらに、図11では、第2の光源21Bが赤色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ110R、緑色光を発光した際の初期シェーディングデータ110G、青色光を発光した際の初期シェーディングデータ110Bを示している。
また、図12では、第1の光源21Aが赤色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ111R、緑色光を発光した際の初期シェーディングデータ111G、青色光を発光した際の初期シェーディングデータ111Bを示している。さらに、図12では、第2の光源21Bが赤色光を発光した際の読み取りシェーディングデータ112R、緑色光を発光した際の初期シェーディングデータ112G、青色光を発光した際の初期シェーディングデータ112Bを示している。
図11に示す各色光の読み取りシェーディングデータ109R,109G,109B、及び、読み取りシェーディングデータ110R,110G,110Bは、画素信号レベルがそれぞれ異なる値を示している。一方、図12に示す各色光の読み取りシェーディングデータ111R,111G,111B、及び、読み取りシェーディングデータ112R,112G,112Bは、画素信号レベルがそれぞれ同様の値を示している。
図10に示す波形歪み108R,108G,108Bの発生要因が基準部材27の各色光に対する反射率が同程度の異物である場合は、この異物以外に読み取りシェーディングデータに影響を与える要因が存在しない。さらに、この異物による各色光の読み取りシェーディングデータの画素信号レベルが同様となる。このため、いずれの光源(第1の光源21A、第2の光源21B)を用いて読み取りシェーディングデータ(読み取りシェーディングデータ111R,111G,111B,112R,112G,112B)を取得しても、同様のシェーディングデータが得られる。従って、基準部材27を要因とする場合には、図12に示すように、読み取りシェーディングデータ111R,111G,111Bと、読み取りシェーディングデータ112R,112G,112Bとが同様の結果を示す。
一方、図10に示す波形歪み108R,108G,108Bの発生要因が基準部材27以外の場合、例えば、結露等の水滴による導光体の局所的な画素信号レベルの変動、結露等の水滴や水垢等のプラテンガラスの透過率変化による局所的な画素信号レベルの変動等である場合には、図11に示すように、読み取りシェーディングデータ111R,111G,111Bと、読み取りシェーディングデータ112R,112G,112Bとで、それぞれ異なる画素信号レベルを示す。このとき、読み取りシェーディングデータ111R,111G,111Bでは、各色光別の画素信号レベルの差分の変動量(画素信号レベル変動量Y)に大きな差が発生しない。同様に読み取りシェーディングデータ112R,112G,112Bとでは、各色光別の画素信号レベルの差分の変動量(画素信号レベル変動量Y)に大きな差が発生しない。
図9に示す第1の光源21Aと第2の光源21Bとを備える画像読み取り装置20では、第1の光源21Aと第2の光源21Bとで、基準部材27までの光路が異なる。このため、一方の光源の光路上に波形歪み108R,108G,108Bの発生要因がある場合には、その一方の光源を用いて取得した読み取りシェーディングデータにのみ波形歪みが発生する。即ち、上述の図11に示すように、第1の光源21Aを用いて取得した読み取りシェーディングデータ109R,109G,109Bと、第2の光源21Bを用いて取得した読み取りシェーディングデータ110R,110G,110Bとが、異なる形状となる。従って、図11に示すように、読み取りシェーディングデータ111R,111G,111Bと、読み取りシェーディングデータ112R,112G,112Bとが異なる結果を示す場合には、波形歪み108R,108G,108Bが基準部材27を要因としないものと判定することができる。
上述のように、一方の光源を用いて取得した読み取りシェーディングデータと、他方の光源を用いて取得した読み取りシェーディングデータとを比較することにより、依り正確にシェーディングデータの波形歪みが基準部材を要因とするかどうかを判定することができる。なお、これらの判定は、上述の第1実施形態におけるシェーディング補正判定部201での判定と同様の手法を用いて行うことができる。
[フローチャート]
図13に、上述の第2実施形態の画像読み取り装置におけるシェーディング補正を説明するためのフローチャートを示す。
まず、第1の光源21Aと第2の光源21Bとを同時に駆動し、各色光(RGB)を用いて基準部材27を読み取り、原稿に形成された画像を読み取る前の読み取りシェーディングデータを取得する(ステップS20)。読み取りシェーディングデータは、光電変換素子26で受光した画像データがセンサ基板25でデジタル信号に変換され、制御部100のシェーディング補正判定部201に出力される。
シェーディング補正判定部201は、取得した読み取りシェーディングデータと、初期シェーディングデータ記憶部202に記憶されている初期シェーディングデータとを比較する(ステップS21)。この比較により、読み取りシェーディングデータにおける隣接画素間の画素信号レベルの差分と、初期シェーディングデータ記憶部202に記憶されている初期シェーディングデータにおける隣接画素間の画素信号レベルの差分とを比較する。この比較により、読み取りシェーディングデータに、基準部材27及び基準部材27以外を要因とした、初期シェーディングデータから大きく外れる波形歪みが有るかどうかを判定する。
シェーディング補正判定部201が、読み取りシェーディングデータにおける各色光(RGB)の隣接画素間の画素信号レベルの差分を求めて比較し、画素信号レベルの変動量が基準部材27を要因とするかどうかを判定する(ステップS22)。これにより、シェーディング補正判定部201が、読み取りシェーディングデータの波形歪みが基準部材27を要因とするか、又は、基準部材27以外を要因とするかを判定する。
基準部材27を要因としない場合(ステップS22のNO)、第1の光源21Aと第2の光源21Bとを片側ずつ点灯して各色光(RGB)で基準部材27を読み取り、第1の光源21Aと第2の光源21Bとの片側点灯での読み取りシェーディングデータを取得する(ステップS23)。
取得した第1の光源21Aによる読み取りシェーディングデータ及び第2の光源21Bによる読み取りシェーディングデータと、初期シェーディングデータ記憶部202に記憶されている初期シェーディングデータとを比較する(ステップS24)。このとき、第1の光源21A又は第2の光源21Bによる読み取りシェーディングデータにおける隣接画素間の画素信号レベルの差分と、初期シェーディングデータ記憶部202に記憶されている初期シェーディングデータにおける隣接画素間の画素信号レベルの差分とを比較する。この比較により、第1の光源21A又は第2の光源21Bによる読み取りシェーディングデータにおける、基準部材27及び基準部材27以外を要因とした、初期シェーディングデータから大きく外れる波形歪みを検出する。
第1の光源21Aによる各色光(RGB)の読み取りシェーディングデータの隣接画素間の画素信号レベルの差分と、第2の光源21Bによる各色光(RGB)の読み取りシェーディングデータの隣接画素間の画素信号レベルの差分とを比較し、波形歪みが基準部材27を要因とするかどうかを判定する(ステップS25)。第1の光源21Aによる隣接画素間の画素信号レベルの差分と、第2の光源21Bによる隣接画素間の画素信号レベルの差分とが同様である場合には、波形歪みが基準部材27を要因とするものと判定する。また、第1の光源21Aによる隣接画素間の画素信号レベルの差分と、第2の光源21Bによる隣接画素間の画素信号レベルの差分とが大きく異なる場合には、波形歪みが基準部材27を要因とないものと判定する。
波形歪みが基準部材27を要因とするかどうかを判定(ステップS22のYES、及び、ステップS25)した後、判定結果を基にシェーディング補正判定部201が、読み取りシェーディングデータに対して初期シェーディングデータを用いて補正をかけたシェーディングデータ(補正シェーディングデータ)を算出する(ステップS26)。基準部材27を要因とする波形歪みが発生している位置の読み取りシェーディングデータに対してのみ、初期シェーディングデータを適用することで、基準部材27を要因とする波形歪みを初期シェーディングデータで補正した補正シェーディングデータを算出する。これにより、基準部材27を要因とする波形歪みを補正した補正シェーディングデータを得ることができる。
光源21を駆動し、各色光(RGB)を用いて原稿に形成された画像を読み取る(ステップS27)。これにより、原稿に形成された画像データを取得する。そして、シェーディング補正部203が、シェーディング補正判定部201で算出した補正シェーディングデータを用いて読み取り画像データに対してシェーディング補正を行う(ステップS28)。
以上の処理により、読み取りシェーディングデータの波形歪みにおいて、初期シェーディングデータからの変動量が各色光で同じである場合にも、基準部材27を要因とする波形歪みのみを検出することができる。このため、基準部材27を要因とする波形歪みのみを初期シェーディングデータで補正した補正シェーディングデータを用いて読み取り画像データのシェーディング補正を行い、原稿に形成された画像を読み取った際の画像ムラを抑制することができる。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
10 自動原稿搬送装置、100 制御部、101R,101G,101B 初期シェーディングデータ、102 光線、103R,103G,103B 読み取りシェーディングデータ、105R,105G,105B 読み取りシェーディングデータ、107R,107G,107B 読み取りシェーディングデータ、109R,109G,109B 読み取りシェーディングデータ、11 原稿セットセンサ、110R,110G,110B 読み取りシェーディングデータ、111R,111G,111B 読み取りシェーディングデータ、112R,112G,112B 読み取りシェーディングデータ、12 原稿給紙トレイ、120 記憶部、13 装置持ち上げセンサ、20 画像読み取り装置、201 シェーディング補正判定部、202 初期シェーディングデータ記憶部、203 シェーディング補正部、21 光源、21A 第1の光源、21B 第2の光源、22 導光体、22A 第1の導光体、22B 第2の導光体、23 原稿ガラス板、24 結像レンズ、25 センサ基板、26 光電変換素子、27 基準部材、28 光量センサ、29 異物、30 画像形成部、31a,31b,31c,31d 感光体ドラム、32a,32b,32c,32d 露光走査ユニット、33 転写ベルト、34 前扉センサ、40 自動両面ユニット、50 給紙部、51,61 給紙カセット、52,62 ピックアップローラ、60 給紙キャビネット、70 操作パネル、71 表示部、72 キー入力部、80 副電源スイッチ、90 ファクシミリユニット、91 通信I/Fユニット

Claims (8)

  1. 基準部材と、
    2色以上の光を放出する光源と、
    前記基準部材からの反射光を受光する光電変換素子が実装されたセンサ基板と、
    前記基準部材と前記光源及び前記センサ基板との間に配置された原稿ガラス板と、
    前記光源の色毎の初期シェーディングデータを記憶する記憶部と、
    画像を読み取る際の前記光源の色毎の読み取りシェーディングデータと、前記記憶部に記憶されている色毎の前記初期シェーディングデータとの差分を抽出し、前記差分が前記基準部材を要因とするものか、前記基準部材を要因としないものかどうかを判定するシェーディング補正判定部と、
    前記シェーディング補正判定部の判定結果に基づいて、前記基準部材を要因とする前記差分が発生している位置の前記読み取りシェーディングデータに対して前記初期シェーディングデータを適用して、読み取り画像データにシェーディング補正を行うシェーディング補正部と、を備える
    画像読み取り装置。
  2. 前記シェーディング補正判定部は、前記光源の色毎の前記読み取りシェーディングデータを画素毎に比較して、隣接画素間の前記読み取りシェーディングデータに色毎の差分がある場合に、前記シェーディング補正部は、前記初期シェーディングデータを用いて前記読み取り画像にシェーディング補正を行う
    請求項1に記載の画像読み取り装置。
  3. 前記シェーディング補正部は、前記シェーディング補正判定部の結果に基づいて、前記初期シェーディングデータを用いて前記読み取りシェーディングデータの補正を行い、補正した前記読み取りシェーディングデータを用いて前記読み取り画像にシェーディング補正を行う
    請求項1に記載の画像読み取り装置。
  4. 前記光源として、赤色の光源、緑色の光源、及び、青色の光源を備える
    請求項1に記載の画像読み取り装置。
  5. 前記記憶部、前記シェーディング補正判定部、及び、前記シェーディング補正部を制御する制御部を備える
    請求項1に記載の画像読み取り装置。
  6. 前記光源の光量レベルを観察するための光量センサを備え、前記光量センサで取得した前記光量レベルを基に前記制御部が前記光源の光量を制御する
    請求項5に記載の画像読み取り装置。
  7. 基準部材と、
    2色以上の光を放出する第1の光源と、2色以上の光を放出する第2の光源とからなる光源と、
    前記基準部材からの反射光を受光する光電変換素子が実装されたセンサ基板と、
    前記基準部材と前記光源及び前記センサ基板との間に配置された原稿ガラス板と、
    前記光源の色毎の初期シェーディングデータとして、前記第1の光源と前記第2の光源との両方を用いた色毎の前記初期シェーディングデータを記憶する記憶部と、
    画像を読み取る際の前記第1の光源と前記第2の光源との両方を用いた色毎の読み取りシェーディングデータと、前記記憶部に記憶されている色毎の前記初期シェーディングデータとの差分を抽出し、前記第1の光源を用いた色毎の前記読み取りシェーディングデータと、前記第2の光源を用いた色毎の前記読み取りシェーディングデータとを比較することにより、前記差分が前記基準部材を要因とするかどうかを判定するシェーディング補正判定部と、
    前記シェーディング補正判定部の判定結果に基づいて、読み取り画像にシェーディング補正を行うシェーディング補正部と、を備える
    画像読み取り装置。
  8. 基準部材と、
    2色以上の光を放出する光源と、
    前記基準部材からの反射光を受光する光電変換素子が実装されたセンサ基板と、
    前記基準部材と前記光源及び前記センサ基板との間に配置された原稿ガラス板と、
    前記光源の色毎の初期シェーディングデータを記憶する記憶部と、
    画像を読み取る際の前記光源の色毎の読み取りシェーディングデータと、前記記憶部に記憶されている色毎の前記初期シェーディングデータとの差分を抽出し、前記差分が前記基準部材を要因とするものか、前記基準部材を要因としないものかどうかを判定するシェーディング補正判定部と、
    前記シェーディング補正判定部の判定結果に基づいて、前記基準部材を要因とする前記差分が発生している位置の前記読み取りシェーディングデータに対して前記初期シェーディングデータを適用して、読み取り画像データにシェーディング補正を行うシェーディング補正部と、
    用紙に画像を形成する画像形成部と、を備える
    画像形成装置。
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