JP7209700B2 - ホスホロチオエート化したヌクレオチドを含む二本鎖鎖状体dnaを使用するインビボrna又はタンパク質発現 - Google Patents

ホスホロチオエート化したヌクレオチドを含む二本鎖鎖状体dnaを使用するインビボrna又はタンパク質発現 Download PDF

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Description

本開示は、一般的には、二本鎖鎖状体DNAのインビボ転写及び/又は翻訳を伴うRNA又はタンパク質発現系に関する。本開示は、特に、ホスホロチオエート化したヌクレオチドを含む二本鎖鎖状体DNAを使用するインビボRNA又はタンパク質発現に関する。
種々のタンパク質及びRNAベースの適用が増加しているためにRNA及びタンパク質の大量生産の需要が高まってきた。これらの適用、特に治療適用の大半では、タンパク質/RNAは純度、効力、有効性及び安全性の点で厳しい品質基準を満たすことを求められる。所望のタンパク質の大量生産の期待に応えるためには、組換えタンパク質産生を用いる場合が多い。これらのタンパク質/RNA産物を商業的に実現可能にするには、より高い生産効率及びより低いコストが大いに望まれる。
従来、哺乳動物細胞におけるタンパク質のインビボ産生では、プラスミドDNAを使用する細胞トランスフェクションが主要ツールとして使用されてきた。望ましいタンパク質又はRNAの対応するDNA配列からの産生は、多数の真核細胞の使用を伴い、一般的には100L等の大容量スケールで実施される。インビボタンパク質産生では、安定な細胞株を生成し、適量まで増殖させて所望のタンパク質収量を得ることができる。更に、発現されたタンパク質が宿主細胞にとり致死性である場合は、一過性産生系を使用してよい。無細胞インビトロRNA又はタンパク質発現系を使用して、より短期間で著しくより多量のRNA又はタンパク質を発現してもよい。しかし、インビトロ転写-翻訳系ではより大量のDNA鋳型を必要とする場合が多い。
一般的には、プラスミドDNAはインビボ及びインビトロ転写-翻訳系において鋳型DNAとして使用される。しかし、一過性/安定なトランスフェクション又は無細胞発現に十分なプラスミドをより大規模に生産するのは多くの場合高価であり煩雑である。例えば、プラスミド生成の従来法は労働集約的なクローニング及びプラスミド精製を必要とする。更に、大規模なプラスミド調製の従来法は、外来性の細菌成分及び/又は精製試薬による汚染のリスクがあり、この汚染が下流RNA発現及びその後のタンパク質産生に影響を及ぼす可能性がある。
適切な操作されたDNA配列、特に、プロモーター及び目的の遺伝子のみを含有し、細菌中での維持に必要ないかなる望ましくないDNA配列(例えば、複製起点又は抗生物質耐性遺伝子)も欠いており、その後のRNA及び/又はタンパク質産生のための真核細胞におけるトランスフェクションに使用することが可能なDNA配列、の迅速でコスト効率の良い生産が非常に望ましい。ローリングサークル増幅(RCA)等の等温DNA増幅技法を用いれば、環状核酸鋳型から始めて、そのような大量の高品質DNAをより少ない労力、時間及び費用で生成しうる。例えば、RCAは、適切な操作されたDNA配列、例えば、プロモーター及び目的の遺伝子のみを含有するDNA配列の迅速な生産を可能にする。
Peter T. Loudon、Eric J. Yager、Debbie T. Lynch、Amithi Narendran、Cristy Stagnar、Anthony M. Franchini、James T. Fuller、Phil A. White、Julia Nyuandi、Clayton A. Wiley、Michael Murphey-Corb、及びDeborah H. Fuller、「GM-CSF Increases Mucosal and Systemic Immunogenicity of an H1N1 Influenza DNA Vaccine Administered into the Epidermis of Non-Human Primates」、PLoS One. 2010年; 5(6): e11021 Macken、C.、Lu、H.、Goodman、J.、及びBoykin、L.、「The value of a database in surveillance and vaccine selection.」In Options for the Control of Influenza IV. A.D.M.E. Osterhaus、N. Cox 及びA.W. Hampson (編) Amsterdam: Elsevier Science社、2001年、103~106頁
真核細胞株及びRCA産物DNAを使用するRNA及びタンパク質発現系で、現在利用可能であるものは数少ないが、しかし、それらの系は所望のタンパク質のかなり低い発現率が欠点であり、組換えタンパク質は収率が低くコストは高くなっている。商業的に実現可能なRNA及び/又はタンパク質の生産の著しい改善を提供する適切なインビボRNA及び/又はタンパク質発現系の必要性が存在する。
一部の実施形態では、インビボRNA又はタンパク質発現のための方法が提供される。方法は、二本鎖鎖状体DNAを真核細胞中に導入して所望のRNA又はタンパク質を生成する工程を含む。二本鎖鎖状体DNAは複数の縦列反復配列を含み、複数の縦列反復配列のそれぞれが発現配列を含む。二本鎖鎖状体DNAは1つ又は複数のホスホロチオエート化したヌクレオチドを含み、二本鎖鎖状体DNA中でのホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は少なくとも1対1600である。
一部の実施形態では、複数の縦列反復配列を含む外因性二本鎖鎖状体DNAを含む真核細胞が提供される。複数の縦列反復配列のそれぞれはホスホロチオエート化したヌクレオチドを含み、ホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は少なくとも1対1600である。
本発明のこれらの及び他の特長、態様及び利点は、以下の詳細な説明を読み添付の図を参照すればよりよく理解されるようになる。
超螺旋プラスミドDNA及びホスホロチオエート化したヌクレオチドを欠くRCA産物DNAと比べたホスホロチオエート化したヌクレオチドを含むRCA産物DNAのインビトロ安定性を図示するアガロースゲル電気泳動の画像である。 ホスホロチオエート化したヌクレオチドを含むRCA産物DNA、ホスホロチオエート化したヌクレオチドを欠くRCA産物DNA及び超螺旋プラスミドDNAを用いたHEK293細胞のトランスフェクション後の緑色蛍光タンパク質(GFP)のインビボ発現を図示するグラフである。シグナルは2日目に決定された相対的蛍光ユニットに正規化されている。 ホスホロチオエート化したヌクレオチドを含むRCA産物DNA及び超螺旋プラスミドDNAを用いたHEK293細胞のトランスフェクション後の赤色蛍光タンパク質(RFP)のトランスフェクション後2日目及び9日目のインビボ発現を図示するグラフであり、超螺旋プラスミドDNAと比べたホスホロチオエート化したヌクレオチドを含むRCA産物DNA(RCA-チオC、RCA-チオT又はRCA-チオAll)のインビボ安定性を示している。 超螺旋プラスミドDNAと比べた、ホスホロチオエート化したヌクレオチドを含むRCA産物DNA(RCAチオ-A又はRCAチオG)を用いたHEK293細胞のトランスフェクション後の赤色蛍光タンパク質(RFP)のインビボ発現を図示するグラフである。
以下の詳細な説明は例示的なものであり、本発明又は本発明の使用を限定することを意図されていない。本明細書全体を通じて、特定の用語の例証は非限定的例と考えられるべきである。単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「その(the)」は、文脈が別段明白に指示していなければ、複数の指示対象を含む。近似言語は、本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて本明細書で使用される場合、関係する基本的な機能に変化をもたらすことなく許される程度に変動することができると考えられる任意の量的表現を修飾するのに用いてもよい。したがって、「約(about)」等の用語が修飾する値は、明示される正確な値に限定されるべきではない。別段指示されなければ、本明細書及び特許請求の範囲において使用される成分の量、分子量等の特性、反応条件、等を表す数字はすべて、いかなる場合も、用語「約(about)」により修飾されていると理解されるべきである。したがって、反対の指示がされていなければ、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲で示されている数値パラメータは、本発明が得ようとしている所望の特性に応じて変動することがある近似である。必要に応じて、範囲が提供されており、それらの範囲はその間のすべての部分範囲を含めている。主張される本発明の主題をより明白で簡潔に記載し指摘するため、以下の定義は特定の用語について提供され、これらの用語は以下の説明及び添付の特許請求の範囲において使用される。
本明細書で使用される場合、用語「ホスホロチオエート化したヌクレオチド」とは、変更されたリン酸骨格を有するヌクレオチドのことであり、糖部分がホスホロチオエート結合により連結されている。オリゴヌクレオチド配列のリン酸骨格では、ホスホロチオエート結合は非架橋酸素原子の代替物として硫黄原子を含有する。この改変によりヌクレオチド間連結はヌクレアーゼ分解に対して抵抗性になる。
本明細書で使用される場合、用語「二本鎖鎖状体DNA」とは、連続して連結された同じDNA配列の複数のコピーを含有する二本鎖DNA分子のことである。
本明細書で使用される場合、用語「ローリングサークル増幅(RCA)産物DNA」とは、環状核酸鋳型(例えば、一本/二本鎖DNAサークル)がローリングサークル増幅反応機構を介して増幅する核酸増幅産物のことである。ローリングサークル増幅は、典型的には、環状核酸鋳型配列の縦列反復単位を含む鎖状体を産生する。ローリングサークル増幅(RCA)産物DNAは、線型の増幅反応速度を示す線型RCA(LRCA)(例えば、単一で特異的なプライマーを使用するRCA)により、又は指数関数的増幅反応速度を示す指数関数的RCA(ERCA)により生成しうる。ローリングサークル増幅産物DNAは、複数のプライマーを使用して生成してもよく(多重プライムローリングサークル増幅又はMPRCA)、ローリングサークル増幅産物DNAは超分岐鎖状体である。二重プライムRCAでは、1つのプライマーは、線型RCAの場合と同じように、環状核酸鋳型に相補的であってもよく、もう一方のプライマーはRCA産物DNAの縦列反復単位核酸配列に相補的であってもよい。RCA産物DNAは、Phi29 DNAポリメラーゼ等の適切な核酸ポリメラーゼを使用する等温条件下においてインビトロでRCAにより生成しうる。
本明細書で使用される場合、用語「発現配列」とは、RNA及び/又はタンパク質発現の能力のあるDNA配列のことである。タンパク質発現が求められる場合の実施形態では、発現配列は、1つ又は複数のオープンリーディングフレーム(ORF)に作動可能に連結された少なくとも1つのプロモーターを含む発現能力単位である。1つ又は複数のORFは1つ又は複数の同じ又は異なるタンパク質をコードしてもよい。一部の例では、発現配列は1つよりも多いORFに作動可能に連結された1つのプロモーターを含んでいてもよい。例えば、発現配列は、1つは抗体の重鎖をコードし、もう1つは軽鎖をコードする、2つの異なるORFに機能的に連結されているプロモーターを含んでいてもよい。発現配列は、効率的なタンパク質発現を支援するためのcap非依存性翻訳エレメント(CITE)等の配列を更に含んでいてもよい。RNA発現が求められる場合の実施形態では、発現配列は、少なくとも1つのプロモーター及び転写終結配列を含むRNA発現能力単位である。
1つ又は複数の実施形態は、二本鎖鎖状体DNAを使用してインビボ発現(インビボ転写及び翻訳)系により真核細胞において所望のRNA又はタンパク質を生成するための方法を対象とする。二本鎖鎖状体DNAは複数の縦列反復配列を含み、複数の縦列反復配列のそれぞれは発現配列を含む。二本鎖鎖状体DNAは1つ又は複数のホスホロチオエート化したヌクレオチドを含む。二本鎖鎖状体DNA中でのホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は少なくとも1対1600である。
インビボタンパク質発現は、一般的には、mRNAを生成するためのDNAの転写及び細胞においてタンパク質を発現するためのmRNAの同時翻訳を包含する。一部の実施形態では、RNAは二本鎖鎖状体DNAのインビボ転写により生成される。一部の実施形態では、タンパク質は二本鎖鎖状体DNAのインビボ転写及び翻訳により発現される。一部の実施形態では、二本鎖鎖状体DNAはRCA産物DNAである。RCA産物DNAは、追加のヌクレオチド類似体、修飾ヌクレオチド又はそれらの組合せを更に含んでもよい。追加のヌクレオチド類似体は、変更リン酸骨格、糖部分、核酸塩基又はそれらの組合せを有してもよい。例えば、追加のヌクレオチド類似体はロックド核酸(LNA)ヌクレオチド又はペプチド核酸(PNA)でもよい。本明細書で使用される場合、用語「修飾ヌクレオチド」とは、追加の部分がヌクレオチドに結合されているヌクレオチド(例えば、ビオチン化ヌクレオチド)のことである。これらのインビボ転写及び/又は翻訳反応はRNA及び/又はタンパク質のより高い発現を提供する。ホスホロチオエート化したヌクレオチドを含有する二本鎖鎖状体DNAは、増強されたヌクレアーゼ抵抗特性を提供する。
一部の実施形態では、複数の(例えば、2つ以上の)別々の二本鎖鎖状体DNAをインビボタンパク質発現に用いてもよく、別々の二本鎖鎖状体DNAのそれぞれは異なるタンパク質をコードする発現配列を含む。例えば、第1のRCA産物DNAが第1のタンパク質をコードする第1の発現配列を含み、第2のRCA産物DNAが第2のタンパク質をコードする第2の発現配列を含み、第1のタンパク質は第2のタンパク質とは異なっている、2つのRCA産物DNAを用いてもよい。
一部の実施形態では、二本鎖鎖状体DNAの縦列反復配列の少なくとも1つの配列は、1つ又は複数のホスホロチオエート化したヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、二本鎖鎖状体DNAの縦列反復配列のそれぞれは、1つ又は複数のホスホロチオエート化したヌクレオチドを含む。ホスホロチオエート化したヌクレオチドは、RCA反応においてα-S-dATP及びα-S-dTTP等のホスホロチオエート化したdNTPを使用することによりRCA産物DNAに組み込まれる。用語「ホスホロチオエート化した」ヌクレオチドは、以下では「チオエート化した」ヌクレオチドとして互換的に使用される。用語「全ヌクレオチド」とは、特定の核酸配列中のチオエート化したヌクレオチド及びチオエート化していないヌクレオチドの総数のことである。チオエート化したヌクレオチドは、二本鎖鎖状体DNAを産生するのに使用されるDNA増幅反応において1つ又は複数のチオエート化したdNTPを使用することにより組み込みうる。例えば、DNA増幅反応では、dATPの少なくとも一部はチオエート化したdATPで置き換えてもよい。一部の他の実施形態では、チオエート化したdATP、dGTP、dCTP及び/又はdTTPの組合せを、二本鎖鎖状体DNAの生成のために使用されるDNA増幅反応において使用しうる。α-S-dATP等のチオエート化したdNTPは、dATP、dGTP、dTTP及びdCTPの混合物等のチオエート化していないdNTP混合物のプールに添加される。チオエート化したdNTPの全dNTP(チオエート化した及びチオエート化していないdNTPを含む)に対する比は、チオエート化した及びチオエート化していないdNTPの混合物を含有する反応混合物に添加されるチオエート化したヌクレオチドの濃度を全ヌクレオチド(チオエート化した及びチオエート化していない)の濃度で割ることにより計算される。
一部の実施形態では、二本鎖鎖状体DNAは、ローリングサークル増幅により生成されるRCA産物DNAである。RCA産物DNAは直鎖状又は分岐鎖状体でもよい。一部の実施形態では、縦列反復配列のそれぞれはホスホロチオエート化したヌクレオチドを含む。ホスホロチオエート化したヌクレオチドを含むRCA産物DNAは、いかなるホスホロチオエート化したヌクレオチドも含有しないRCA産物DNAと又は超螺旋プラスミドDNAと比べても、制限消化に対する安定性の増加を示す(例えば、図1、チオエート化したRCA産物DNAがエキソヌクレアーゼ活性に抵抗性であることを明白に示す実施例2を参照)。チオエート化したRCA産物DNA(図1のレーン7~9)は、いかなるホスホロチオエート化したヌクレオチドも含有しないRCA産物DNA(図1のレーン4~6)又は超螺旋プラスミドDNA(図1のレーン1~3)と比べてもより高い安定性を示した。言及したように、「チオエート化したRCA産物DNA」とは、少なくとも1つのホスホロチオエート化したヌクレオチドを含むRCA産物DNAのことである。更に、「チオエート化していないRCA産物DNA」とは、いかなるホスホロチオエート化したヌクレオチドも含有しないRCA産物DNAのことである。
一部の実施形態では、二本鎖鎖状体DNA中でのホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は少なくとも1対1600(すなわち、0.001)~125対1600(すなわち、0.078)の範囲である。一部の他の実施形態では、二本鎖鎖状体DNA中でのホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は50対1600(又は0.031)~125対1600(又は0.078)の範囲である。ある特定の実施形態では、二本鎖鎖状体DNA中でのホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は75対1600(又は0.047)~125対1600(又は0.078)の範囲である。1つ又は複数の実施形態では、二本鎖鎖状体DNA中でのホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は125対1600(又は0.078)である。一部の実施形態では、二本鎖鎖状体DNA中でのホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は1対40(すなわち、0.025)である。ある特定の実施形態では、二本鎖鎖状体DNA中でのホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は1対16(すなわち、0.062)である。1つの別の実施形態では、二本鎖鎖状体DNA中でのホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は1対1である。そのような実施形態では、二本鎖鎖状体DNAは等しい数のチオエート化したとチオエート化していないヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、RCA産物DNA等の二本鎖鎖状体DNAのすべてのヌクレオチドはホスホロチオエート化されている。言い換えると、二本鎖鎖状体DNAは100%ホスホロチオエート化したヌクレオチドを含有する。
GFP(図2)及びRFP(図3~4)の増強された収率は、超螺旋プラスミドDNA及びチオエート化していないRCA産物DNAと比べて、チオエート化したRCA産物DNAを使用して示される。チオエート化したRCA産物DNA(例えば、1対1600、125対1600)を用いるタンパク質収率は、チオエート化していないRCA産物DNA及び超螺旋プラスミドDNAのタンパク質収率よりも高く、これは実施例3及び4に詳細に記載されており図2~4に描かれている。これらの実施例では、GFP及びRFPについてのインビボタンパク質発現は、GFPをコードするプラスミドpAcGFP1-Hyg-C1 DNA又はRFPをコードするプラスミドpCMV6-AC-mKate DNAから生成されたチオエート化したRCA産物DNAが発現されると、チオエート化していないRCA産物DNA(同じプラスミドDNAから生成される)及び超螺旋プラスミドDNAと比べて、増強された(図2~4)。更に、図2~4に示されるように、RCA産物DNAは、超螺旋プラスミドDNAと比べて、より高いインビボ安定性を示した。例えば、図2は、緑色蛍光タンパク質(GFP)の発現による、HEK293細胞内へのトランスフェクション後の超螺旋プラスミドDNA及びチオエート化していないRCA産物DNAと比べたチオエート化したRCA産物DNAのインビボ安定性の増加を図示している。図2は、チオエート化した及びチオエート化していないRCA産物DNAは、超螺旋プラスミドDNAと比べてインビボタンパク質発現中のより長時間(例えば、20日)無傷のままであることを示した。しかし、チオエート化したRCA DNAは、HEK293細胞へのトランスフェクションの20日後でさえ、最大の安定性及び活性を示した。図3~4は、赤色蛍光タンパク質(RFP)の発現による、HEK293細胞内へのトランスフェクション後の超螺旋プラスミドDNAと比べたチオエート化したRCA産物DNAのインビボ安定性の増加を図示している。図2~4は、RCA産物DNA中のホスホロチオエート化したヌクレオチドの量が増加すると共に増加する安定性及び高くなるタンパク質発現も示している。例えば、125対1600でチオエート化したRCA産物DNAは、1対1600と比べてより高い安定性及び増強されたタンパク質発現を示した。
一部の実施形態では、インビボタンパク質発現に使用される二本鎖RCA産物DNAはチオエート化したヌクレオチドを含む。ホスホロチオエート化したヌクレオチドを有するRCA産物DNAは、ローリングサークル増幅により産生される。これらの実施形態では、増幅中のRCA産物DNA中へのチオエート化した塩基の無作為な組込みのために、α-S-dATP又はα-S-dTTP等のチオエート化したdNTPをdNTP混合物にしてRCA反応に補充する。タンパク質発現は、チオエート化していないRCA産物と比べた場合、チオエート化したヌクレオチドを含むRCA産物がインビボ転写及び翻訳に使用されると改善される。一部の実施形態では、RCA産物DNA等の二本鎖鎖状体DNAを内部的にチオエート化しうる(α-S-dNTPを有する)。そのような実施形態では、内部的にチオエート化した二本鎖鎖状体DNAを生成するため、RCA反応にホスホロチオエート化したヌクレオチドを補充する。ホスホロチオエート化したヌクレオチドは、増幅中のチオエート化した塩基のRCA産物DNA中への無作為な組込みのために、dNTP混合物中に取り込まれる。一部の他の実施形態では、ホスホロチオエート化したヌクレオチドを含むRCA産物DNA等の二本鎖鎖状体DNAは、RCA反応のためにチオエート化したプライマー配列を用いることにより生成しうる(例えば、チオエート化した、α-S-dNTPを有する)。
インビボRNA又はタンパク質発現に使用されるRCA産物DNAは処理されたDNA又は処理されていないDNAでもよい。RCA産物DNAの「処理」は、目的のRCA産物DNAの制限消化、化学変性、熱変性、自己切断又は酵素的切断の作用を含んでいてよい。RCA産物DNAの「処理」は、目的のRCA産物DNAの精製も含んでいてよい。RCA産物の「処理」は、RCA産物の長さを物理的に又は酵素的に減少させることも含んでいてよい。この「処理」は、剪断、超音波処理、制限消化、トランスポサーゼ、プロテロメラーゼ、cas9/CRISPRを使用する処置、又は1つ若しくは複数のホスホロチオエート化したヌクレオチドを含有するRCA産物の長さを減少させるように利用することができると考えられる他の任意の酵素反応等の例を含むことができるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、RCA産物DNAは、いかなる精製もせずにインビボタンパク質発現のためのDNA鋳型として用いることが可能である。一部の実施形態では、二本鎖鎖状体DNAはトランスフェクションのための直鎖状又は環状DNA鋳型を形成するように処理してもよい。直鎖状鎖状体DNAは、真核細胞中にトランスフェクトする前にプラスミドベクター中に挿入しうる。そのような実施形態では、直鎖状鎖状体DNAは制限消化を受けて断片化されたDNAを産生し、続いて断片化されたDNAを組換え技術を使用してプラスミドベクター中に挿入しうる。更に、直鎖状鎖状体DNAは、リコンビナーゼ又はプロテロメラーゼ又は他の酵素を用いて処置して、環状化断片化DNAを補充しうる。一部の実施形態では、RCA産物DNAは、更にいかなる処理もせずに、真核細胞にトランスフェクト又は導入される。そのような実施形態では、RCA産物は、インビボタンパク質発現のためのDNA鋳型としてそれを使用する前に、より小さな断片を形成するいかなる種類の制限消化又は自己切断も受けない。一部の他の実施形態では、RCA産物は、インビボタンパク質発現のために真核細胞中に導入するためのDNA鋳型を用いる前に、RCA産物DNAを変性するいかなる化学変性も熱変性も受けない。しかし、一部の実施形態では、RCA産物DNAは、トランスフェクションに進む前に反応媒体から塩又はプライマー若しくはより小さな断片化DNA等の他のいかなる汚染物質も取り
除くために分離してもよい(例えば、沈澱により)。
RCA産物DNAは、多くの場合、プライマー、核酸ポリメラーゼ及び遊離のヌクレオチド(dNTP)等の試薬を用いるローリングサークル増幅反応により生成される。核酸ポリメラーゼは、Phi29DNAポリメラーゼを含むがこれに限定されないプルーフリーディング核酸ポリメラーゼでもよい。一部の実施形態では、RCAにおいて使用される試薬は、例えば、紫外線照射により前処置する、又はヌクレアーゼ及びその補助因子の存在下で試薬をインキュベートすることにより除染してもよい。増幅反応中、DNA鋳型は、dNTP(例えば、dATP、dGTP、dCTP又はdTTP)、修飾dNTP(例えば、α-S-dGTP、α-S-dCTP、α-S-dATP及び-S-dTTP等のチオエート化したdNTP)、又はそれらの組合せの存在下でポリメラーゼにより複製される。RCAは、illustra(商標)TempliPhi(商標)増幅キット(GE Healthcare Life Sciences社)等の市販のRCA増幅キットを使用して実施しうる。
RCA反応はランダムプライマー混合物又は特異的プライマーを使用して実施しうる。1つ又は複数のヌクレオチド類似体を含むプライマー配列も使用してよい。例えば、ヌクレオチド類似体は、ホスホロチオエート化したヌクレオチド、イノシン、ロックド核酸(LNA)ヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)ヌクレオチド、2-アミノ-デオキシアデノシン、2-チオ-デオキシチミジン、ポリカチオンヌクレオチド、Zip核酸(ZNA)ポリカチオン修飾ヌクレオチド、又はそれらの組合せを含んでもよい。1つ又は複数の実施形態では、ランダムプライマー混合物は、ヌクレアーゼ抵抗性プライマー(例えば、適切な位置にホスホロチオエート基を含むプライマー配列)、ランダムヘキサマー又はヘキサマープライマーを有する。
一部の実施形態では、RCA産物DNAは、約10μM~約10mMの範囲の最終濃度のdNTPを有するRCA反応を使用することにより生成される。RCA反応の1つ又は複数の実施形態では、dNTP濃度は10mM未満である。これらの実施形態では、dNTPの濃度は、RCA産物からのハイドロゲル形成を回避し、反応バッファー中に存在する二価カチオン(例えば、マグネシウム)の量よりも下の又はこれに等しい濃度にとどまるように10mM未満に保たれる。ハイドロゲル形成は高濃度のdNTPの存在下での増幅後に起こる場合があり、これはRCA産物のピペッティング及び処理等の下流の操作を更に複雑にする可能性がある。ハイドロゲル形成は、RCA反応に50mM又はそれよりも多いdNTP濃度が使用される場合に観察されることがある。
複数の縦列反復配列のそれぞれ中の発現配列は、コード配列、非コード配列又はそれらの組合せを含んでいてよい。一部の実施形態では、発現配列は、ポリA配列、翻訳エンハンサー配列、転写終結配列、リボソーム結合部位、翻訳終結配列、インスレーター配列又はそれらの組合せを更に含む。発現配列は、プレプロモーター配列、プロテアーゼ切断若しくはヌクレオチド切断のための配列、タンパク質精製のための配列又はそれらの組合せを更に含んでいてよい。
一部の実施形態では、発現配列はコード配列を含有し、コード配列は真核細胞において所望のタンパク質を産生する。コード配列は、目的の特定の遺伝子を含有する核酸配列である。一般に、コード配列は、プロモーター及びオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。コード配列は任意選択により、cap非依存性翻訳エレメント(CITE)を含んでいてもよい。一部の実施形態では、コード配列はリボソーム結合部位を更に含む。コード配列は、オープンリーディングフレームの外側であるが発現配列内に位置する転写終結配列を含んでいてよい。1つ又は複数の実施形態では、コード配列のオープンリーディングフレームは、コドン最適化配列、精製タグ配列、プロテアーゼ切断部位又はそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、発現配列はコード配列と非コード配列の両方を含む。
1つ又は複数の実施形態では、複数の縦列反復配列のそれぞれは少なくとも1つの発現配列を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの発現配列は少なくとも1つのコード配列を含む。そのような実施形態では、少なくとも1つの発現配列の少なくとも1つのコード配列は、少なくとも1つのプロモーター及び少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含む。一部の実施形態では、複数の縦列反復配列のそれぞれは2つ以上の発現配列を含む。コード配列を含む2つ以上の発現配列は、同じタンパク質又は異なるタンパク質をコードしてもよい。一部の実施形態では、発現配列は、少なくとも1つのオープンリーディングフレームに機能的に連結されている少なくとも1つのプロモーターを含む。例えば、一態様では、発現配列において、1つのプロモーターは1つのオープンリーディングフレームに機能的に連結されている。別の態様では、発現配列において、1つのプロモーターは2つの異なるオープンリーディングフレームに機能的に連結されている。一部の実施形態では、発現配列は、2つ以上のオープンリーディングフレームに機能的に連結されている2つ以上のプロモーターを含んでいてよい。
発現配列は、そのそれぞれがもう一方とは異なるタンパク質をコードしている第1のオープンリーディングフレームと第2のオープンリーディングフレーム等の2つの異なるオープンリーディングフレームに作動可能に連結されているプロモーターを含みうる。この例では、単一のプロモーターはcap非依存性翻訳エレメントを介して2つのオープンリーディングフレームに機能的に連結されている。オープンリーディングフレームのそれぞれは、翻訳開始及び翻訳停止配列を含む。翻訳終結又は停止配列は発現配列に必要であり、そうでなければ、無限のポリタンパク質が合成される場合があり、これは望ましくない。しかし、転写停止コドンは、転写すると多シストロン性mRNAの生成をもたらす第1のオープンリーディングフレームに対して任意選択であってよい。そのような例では、第1と第2のオープンリーディングフレームの間の介在配列は、インビボタンパク質発現すると、単一の多シストロン性mRNAが産生されても、そのmRNAは2つの異なるタンパク質に翻訳することが可能であるように選択しうる。第1のオープンリーディングフレームの翻訳による第1のタンパク質が合成されると、続いて第2のオープンリーディングフレームの第2の翻訳開始配列へリボソームスリッページ(ribosomal slippage)が起こり、第2のオープンリーディングフレームから第2のタンパク質の合成が開始されうる。これは、第1と第2のオープンリーディングフレームの間に「自己切断配列」を組み込むことにより達成しうる。ウイルスP2Aモチーフ等の適切な自己切断配列は、1つの単一mRNAからの2つ以上のタンパク質の創造を促進する。
一部の実施形態では、発現配列は非コード配列を含有し、非コード配列は所望のRNAを生成する。そのような発現配列はいかなるコード配列も含有していない。非コード配列はプロモーター及び転写終結配列を含む。非コード配列は一般にオープンリーディングフレームを欠く。非コード配列を含有する発現配列は、RNA発現配列とも呼ばれる。一部の実施形態では、発現配列は非コード配列から本質的になる。一部の他の実施形態では、発現配列はコード配列と非コード配列の両方を含み、RNAは発現配列の非コード配列から生成することができる。そのような実施形態では、所望のタンパク質はその後、同じ発現配列のコード配列からも生成しうる。一部の実施形態では、生成されたRNAは、異なる下流適用のために真核細胞から抽出してよい。一実施形態では、抽出されたRNAはその後、別の細胞に送達するレンチウイルス系にパッケージングしうる。非コード配列は、アンチセンスRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、マイクロRNA模倣物、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)又はそれらの組合せの配列を含みうるが、これらに限定されない。非コード配列は、CRISPR RNA(tracrRNA、crRNA、sgRNA又はgRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、Piwi結合RNA(piRNA)、テロメラーゼRNA、スプライセオソームRNA、エンハンサーRNA、レトロトランスポゾン、X不活性特異的転写物(X inactive specific transcript)(Xist)、RNAポリメラーゼI及びRNAポリメラーゼIIIによりコードされているRNA又はそれらの組合せも含みうる。
言及されたように、コード配列と非コード配列の両方がプロモーターを含む。例えば、T7 RNAポリメラーゼ又はCMVプロモーター配列を含む当技術分野で公知の適切なプロモーターのいずれでも本明細書に記載される方法において使用してよい。同様に、IRES、ポリAトラクト、種非依存性翻訳リーダー(species-independent translational leaders)(SITS)、コザック共通配列及びシャインダルガーノ配列を含むがこれらに限定されない当技術分野で公知の適切なリボソーム結合部位のいずれでも使用してよい。
オープンリーディングフレームは、翻訳開始及び翻訳停止配列を含む。一部の実施形態では、オープンリーディングフレームは、翻訳を増強するためのコドン最適化配列を含む。オープンリーディングフレームは、増強されたリボソーム認識のための配列内リボソーム進入部位(IRES)由来のアミノ末端ペプチド融合配列、所望のタンパク質の精製のためのタグ配列又はそれらの組合せを含みうる。CITEは、IRES、翻訳増強エレメント(TEE)又はそれらの組合せを含みうる。
所望のタンパク質はタグ配列により精製することが可能であり、タグ配列は、親和性精製のための融合タグ、プロテアーゼ切断のためのタグ又はそれらの組合せであることが可能である。親和性精製のための融合タグは、発現されたタンパク質の急速精製及び検出に使用しうる。これらのタグは親和性タグとも呼ばれる。親和性タグは、ポリヒスチジンタグ、グルタチオンS転移酵素タグ(GST)、赤血球凝集素(HA)、myc(c-myc遺伝子産物に由来)、FLAG(エンテロキナーゼ切断部位を含む8つのアミノ酸Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lysからなる)又はそれらの組合せを含みうる。融合タグは所望のタンパク質の急速精製又は検出に役立つが、タグは組換えタンパク質の永久的定着物又はドメインであるとは見なされない場合がある。したがって、融合タグの除去は、組換えタンパク質構造及び機能の高度に分析的な研究に必要とされることが多い。精製のためのタグは、プロテアーゼ切断タグ等の別のタイプのタグを使用することによりタンパク質から取り除いてもよい。プロテアーゼ切断タグを使用して、特定のタンパク質又はペプチド配列内の別個のペプチド結合を切断してもよい。プロテアーゼ切断タグは、例えば、PreScission(商標)プロテアーゼタグ(GE Healthcare Life Sciences社)又はトロンビンプロテアーゼタグ(GE Healthcare Life Sciences社)を含みうる。
言及したように、コード配列のオープンリーディングフレームは、コドン最適化配列を含んでいてよく、コドン最適化配列は、コドンバイアス、文脈的コドン選択(contextual codon preference)及び/又は個々のコドン選択等の異なる要因を考慮することにより生成される。オープンリーディングフレームのコドン最適化配列は、RCA産物の翻訳の速度又は質を増強しうる。コドン最適化すると一般に、目的の遺伝子の翻訳効率を増加することによりコード配列からのタンパク質発現が改善される。遺伝子の機能性も、カスタム設計遺伝子内でのコドン使用頻度を最適化することにより増加しうる。コドン最適化実施形態では、種における低頻度のコドンは高頻度のコドンで置き換えてもよく、例えば、ロイシンについて低頻度のコドンUUAは高頻度のコドンCUGで置き換えうる。コドン最適化をすると、mRNA安定性を増加し、したがって、タンパク質翻訳又はタンパク質ホールディングの速度を変更しうる。更に、コドン最適化をすると、転写及び翻訳制御がカスタマイズされ、リボソーム結合部位が変更され、又はmRNA分解部位が安定化されうる。
転写終結配列は、一般的には、DNA鋳型中の遺伝子の3'末端に位置している。転写終結配列は、新たに合成されたmRNA中に転写複合体からmRNAを放出するプロセスを開始するシグナルを提供し、これは所望のタンパク質産物の効果的な翻訳にも役立つことが可能である。インスレーター配列は、一般的には、リボソーム結合又は翻訳開始の効率を増強する。例えば、ポリヒスチジントラクトをコードする配列を含む、当技術分野に存在する適切なインシュレーター配列の数多くの例が使用しうる。一部の実施形態では、インスレーター配列は、リボソーム結合部位近くにスペーサー配列を挿入することにより又は発現されるタンパク質のN末端内のコドンを最適化する若しくはN末端内にコドンを挿入することにより経験的に決定しうる。
一部の実施形態では、発現配列は、コード配列、非コード配列又はそれらの組合せを含む。コード配列は、プロモーター、オープンリーディングフレーム、及び任意選択的にcap非依存性翻訳エレメント(CITE)を含む。コード配列のcap非依存性翻訳エレメント(CITE)は、配列内リボソーム進入部位(IRES)、翻訳増強エレメント(TEE)又はそれらの組合せであることが可能である。コード配列のオープンリーディングフレームは、翻訳を増強するためにコドン最適化されうる。オープンリーディングフレームは、所望のタンパク質の精製のためのタグ配列、増強されたリボソーム認識のためのIRES由来のアミノ末端ペプチド融合配列又はそれらの組合せを更に含みうる。発現配列は、ポリA配列、転写終結配列、インスレーター配列又はそれらの組合せを更に含む。
一部の実施形態では、発現配列は、宿主細胞におけるプラスミドの増殖に必要ないかなる外来性配列も欠く最小限発現配列(minimalistic expression sequence)である。所望のタンパク質を発現するための最小限発現配列は、最小限度にプロモーター、リボソーム結合部位及び翻訳終結配列を含む。所望のRNAを発現するための最小限発現配列は、最小限度にプロモーター、リボソーム結合部位及び翻訳終結配列を含む。一部の実施形態では、二本鎖RCA産物DNAは、最小限発現配列の縦列反復から本質的になる。そのような実施形態では、発現配列は、RCA産物DNAを鋳型として使用するインビボタンパク質発現又はRNA発現に実質的に影響を与えない配列を更に含有していてよい。例えば、発現配列は、翻訳エンハンサー配列、インスレーター配列又は転写終結配列等の配列を更に含んでいてよい。RCA産物DNAの最小限発現配列は、抗生物質選択遺伝子等のいかなる外来性配列も又は宿主細胞におけるクローニング、選択、スクリーニング及び/若しくは複製に必要な他のいかなるアクセサリー配列も排除する。RCA産物は、最小限発現配列の縦列反復を含有する直鎖状又は分岐鎖状体であることが可能である。RCA産物DNAの最小限発現配列は、最小限発現配列のみを含むDNAミニサークルに由来しうる。
二本鎖鎖状体DNAは、イノシン含有ヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)ヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)ヌクレオチド、2-アミノ-デオキシアデノシン、2-チオ-デオキシチミジン、ポリカチオンヌクレオチド又はそれらの組合せを更に含みうる。一部の実施形態では、イノシン含有ヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)ヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)ヌクレオチド、2-アミノ-デオキシアデノシン、2-チオ-デオキシチミジン、ポリカチオンヌクレオチド等の修飾ヌクレオチドは、ローリングサークル増幅に用いられるプライマー配列の一部である。
二本鎖鎖状体DNAは、エレクトロポレーション、ソノポレーション(sonoporation)、インペイルフェクション(impalefection)、形質導入、光学トランスフェクション、マグネトフェクション、ヌクレオフェクション(nucleofection)、流体力学送達(hydrodynamic delivery)、熱ショック媒介遺伝子送達、ナノ粒子媒介遺伝子銃送達、リン酸カルシウム媒介送達、カチオンポリマー媒介送達又はリポソーム媒介送達を含むがこれらに限定されないいかなる方法によっても真核細胞に送達されうる。
一部の実施形態では、複数の縦列反復配列を含む外因性二本鎖鎖状体DNAを含む真核細胞が提供される。複数の縦列反復配列のそれぞれはホスホロチオエート化したヌクレオチドを含み、ホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比は少なくとも1対1600である。真核細胞中へのトランスフェクションに用いられて前記細胞を生成する外因性二本鎖鎖状体DNAは、処理されていない又は処理されたRCA産物DNAでもよい。真核細胞は、原生動物、酵母細胞、昆虫細胞又は哺乳動物細胞でも可能である。
多種多様な方法を使用して、本発明の方法を用いて使用するためのDNAミニサークル鋳型を調製しうる。一部の実施形態では、直鎖状DNA鋳型を環状化して、DNAミニサークル鋳型を生成してもよい。一例の実施形態では、直鎖状DNA鋳型の環状化は、例えば、DNAリガーゼ等のライゲーション酵素と一緒にインキュベートすることにより、酵素反応によって行いうる。一部の実施形態では、直鎖状DNA鋳型の終末端は、終末端が近接するように核酸配列にハイブリダイズされる。次に、ライゲーション酵素と一緒にインキュベートすると、ハイブリダイズされた直鎖状DNA鋳型が環状化されて、DNAミニサークルを生成しうる。適切なDNAミニサークル鋳型は、適切なPCRプライマーを使用してより大きなDNA(例えば、ゲノムDNA又はDNAライブラリー由来のDNA)の一部をPCR増幅し、続いてPCR産物を環状化することによっても生成しうる。DNAミニサークルは、適切な直鎖状オリゴヌクレオチドを化学合成し、続いて合成されたオリゴヌクレオチドを環状化することによっても生成しうる。一部の実施形態では、合成された直鎖状オリゴヌクレオチドは、最小限発現配列から本質的になっており、DNAリガーゼを介して環状化を達成してDNAミニサークルを生成してもよい。
別段明記されなければ、実施例に記載される成分は、一般の化学薬品供給業者から市販されている。実施例セクションで使用される一部の略語は以下の通り元に戻される:「mg」:ミリグラム;「ng」:ナノグラム;「pg」:ピコグラム;「fg」:フェムトグラム;「mL」:ミリリットル;「mg/mL」:ミリリットルあたりのミリグラム;「mM」:ミリモル濃度;「mmol」:ミリモル;「pM」:ピコモル濃度;「pmol」:ピコモル;「μL」:マイクロリットル;「min」:分及び「h.」:時間。
材料:HEK293細胞はATCC(カタログ番号CRL-1573)から入手し、DMEM、L-グルタミン及び1%Pen/StrepはGibco(Thermo Fisher社、Waltham、MA、US)から入手した。TrisバッファーpH8はAmbion(登録商標)(MA、US)から入手した。10%ウシ胎仔血清(FBS)はThermo Fisher Scientific社(MA、USA)から購入した。リポフェクタミン2000(カタログ番号11668-027)はInvitrogen(Thermo Fisher社、Waltham、MA、US)であった。Hind III、ExoI及びExo III酵素はNew England Biolabs社(Ipswich、MA、USA)から購入した。Typhoonバリアブル方式撮像装置はGE Healthcare社(Piscataway、NJ、USA)から入手した。マイクロチューブ及び96ウェル細胞培養プレートはFisher Scientific社(Hampton、NH、US)から入手した。dNTP及びランダムヘキサマープライマーはGE Healthcare Life Sciences社(Piscataway、NJ、USA)から入手し、アルファ-チオ-dNTPのSpアイソマー(Sp-dTTPαS、Sp-dGTPαS、Sp-dATPαS及びSp-dCTPαS等の)はBiolog-Life Science Institute社(Bremen、Germany)から入手した。Phi29 DNAポリメラーゼ(1 mg/ml)はEnzymatics社製(Beverly、MA、USA)であった。オリゴヌクレオチド(RCA用のプライマー等の)はIntegrated DNA Technologies社(IDT社、Iowa、USA)から購入した。ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)、HEPESはHyClone、GE Healthcare社(Utah、US)から購入した。
プラスミドベクターpAcGFP1-Hyg-C1及びpCMV6-AC-mKateは、Clontech Laboratories社製(Mountain View、California、US)であった。プラスミドベクターは、ベクター配列にいかなる変更も加えずに、受け取ったままで使用した。ベクターごとのプラスミド地図及び配列はそれぞれの供給業者から入手可能である、
プラスミドRW218は、コドン最適化H1赤血球凝集素(HA)遺伝子を、ヒトサイトメガロウイルス最初期プロモーターを使用する発現カセットに挿入することにより生成した。発現を改善する追加の配列、特に、HBVプレ-S2 5'UTR、CMVエキソン1/2(天然のイントロンの欠失により1つにスプライスした最初の2つのCMV IEエキソンからなる)、ラットインスリンイントロンA、HBV envエンハンサー及びウサギベータグロビンポリA(rGpA)が含まれた。HAコード配列(Peter T. Loudon、Eric J. Yager、Debbie T. Lynch、Amithi Narendran、Cristy Stagnar、Anthony M. Franchini、James T. Fuller、Phil A. White、Julia Nyuandi、Clayton A. Wiley、Michael Murphey-Corb、及びDeborah H. Fuller、「GM-CSF Increases Mucosal and Systemic Immunogenicity of an H1N1 Influenza DNA Vaccine Administered into the Epidermis of Non-Human Primates」、PLoS One. 2010年; 5(6): e11021.)は、ヒト遺伝子に一般的に見出されるコドン使用パターン(Kazusa Genome Database、Kazusa DNA Res. Inst.)を使用して、インフルエンザ配列データベース(Macken、C.、Lu、H.、Goodman、J.、及びBoykin、L.、「The value of a database in surveillance and vaccine selection.」In Options for the Control of Influenza IV. A.D.M.E. Osterhaus、N. Cox & A.W. Hampson (編) Amsterdam: Elsevier Science社、2001年、103~106頁)から得られたインフルエンザA/ニューカレドニア/20/99(H1N1)赤血球凝集素タンパク質の完全長アミノ酸配列からGene
Art社(Regensburg、Germany)で合成された。
10mMのTris、pH8.0は、1MのTris、pH8(Ambion(登録商標)、MA、US)のストックから調製した。DMEM、10%のウシ胎仔血清(FBS)及び2mMのL-グルタミンを含有する完全培地は、細胞を培養するのに使用した。フローサイトメトリーでは、ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)を20mMのHEPES、pH8、16.8mMのD-グルコース、及び10%のFBSと一緒に含む培地が使用された。RCA産物DNAを調製するのに使用したdNTPのSpアイソマーとdNTP混合物は、1対1600及び125対1600比であった。
(実施例1): RCA産物DNAの生成
RCA産物DNAは、RCA反応により超螺旋プラスミドDNA鋳型(例えば、pAcGFP1-Hyg-C1、pCMV-AC-mKate2)から生成した。プラスミドRW218は対照として使用した。
プラスミドDNAのローリングサークル増幅(RCA)
試薬の調製:水、反応バッファー、プライマー及びphi29酵素を含むRCA試薬は、オフターゲット増幅を最小限に抑えるため、鋳型DNA及びdNTPの添加に先立って予め洗浄した。エキソヌクレアーゼ抵抗性プライマー及びヌクレオチド(dNTP)を含有するプライマー-ヌクレオチド溶液(プライマー-ヌクレオチド混合物)は、プライマー-ヌクレオチド混合物をエキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII及び一本鎖DNA結合タンパク質(SSBタンパク質)の組合せと一緒にインキュベートすることにより、除染した。DNAポリメラーゼを含有する酵素混合物は、任意選択的にエキソヌクレアーゼの存在下で二価カチオン(例えば、Mg2+)と一緒にインキュベートすることにより除染した。
RCA産物を生成するためのプライマー:RCA産物DNAを生成するためのプラスミドDNA鋳型の増幅は、pAcGFP1-Hyg-C1についてはランダムヘキサマーNNNN*N*N又はpCMV-AC-mKate2については配列W+W+N*N*Sを有するヘキサマープライマーを使用して実施し、「N」はランダムヌクレオチド(すなわち、NはA、C、G又はT/Uのいずれかであることが可能である)を表し、「at N」は2-アミノdA、2-チオdT、ノーマルG又はノーマルCのいずれかを表し、文字指示に先行するプラス(+)印は、その文字により指名されるヌクレオチドがロックド核酸(LNA)ヌクレオチドであることを表示しており、文字に先行する星印(*)印は、その文字により指名されるヌクレオチドがホスホロチオエート化修飾ヌクレオチドであることを表示する。
dNTP及び修飾dNTP:RCA産物DNAは、従来のdNTPの完全セットを使用して又は従来のdNTPとアルファ-チオ-dNTPのSpアイソマー(Sp-dTTPαS、Sp-dGTPαS、Sp-dATPαS及びSp-dCTPαS等の)の混合物を使用することにより合成した。アルファ-チオ-dNTPのSpアイソマーは、本明細書ではα-S-dNTPと互換的に使用される。例えば、Sp-ATPαSのSp-ATPαSとチオエート化していない従来のdNTPを含有する全dNTP混合物に対する1対1600比は1つの増幅で使用した。すべてのRCA反応では、dNTP濃度は、増幅されたRCA産物DNAのハイドロゲル形成を回避するために1mM(典型的には、400~800μM)より下に維持した。このハイドロゲル形成はRCA産物DNAの下流有用性を潜在的に複雑にすることがありうるからである。
プラスミドDNA鋳型:GFP遺伝子のインサートを含有するpAcGFP1-Hyg-C1プラスミドはGFPの発現に使用し、RFP遺伝子のインサートを含有するプラスミドpCMV-AC-mKateはRFPの発現に使用し、HA遺伝子のインサートを含有するプラスミドRW218は負の対照として使用した。10ナノグラム(10ng)のプラスミドDNAを、0.8mMのランダムヘキサマーの存在下でRCA産物DNAを生成するために反応混合物に添加した。
鋳型DNAの調製:プラスミドDNAは先ずEDTAの存在下でアルカリ変性により変性させた。変性では、約22μgの再懸濁したプラスミドDNA鋳型を含有する容積は、チューブ中0.4Nの水酸化ナトリウム及び0.4MのEDTAの等容積と混合させた。室温で5分間インキュベートした後、3Mの酢酸をチューブに添加して0.4Mの最終濃度を持たせ、続いて全容積の75%の最終濃度までエタノールを添加した。次に、チューブはドライアイスエタノール浴中で30分間インキュベートした。沈澱したプラスミドDNAは室温(30℃)で30分間20,000倍より大きな重力での遠心分離により収集した。遠心分離後に得られたプラスミドDNAペレットは約500μlの氷冷70%(v/v)エタノールで洗浄し、室温(30℃)で15分間20,000倍より大きな重力で再遠心分離した。再遠心分離後、変性されたプラスミドDNAは水に再懸濁し、濃度は分光光度法により決定した。変性されたプラスミドDNAは同じ日にRCA反応に使用してRCA産物DNAを産生した。二本鎖RCA(dsRCA)産物を産生するのに、非変性プラスミドDNA鋳型及びより小さなランダムヘキサマーを使用した。
ローリングサークル増幅(RCA):プラスミドDNA鋳型の増幅は、除染酵素混合物及びプライマー-ヌクレオチド混合物を使用して実施した。例えば、200ngのPhi29 DNAポリメラーゼを含有するポリメラーゼ溶液を、15mMのKCl、20mMのMgCl2、0.01%のTween-20及び1mMのTCEPを含有する50mMのHEPESバッファー(pH=8.0)の5μL中で0.1単位のエキソヌクレアーゼIIIと一緒にインキュベートした。インキュベーションは30℃で約60分間又は4℃で12時間実施した。除染したPhi29 DNAポリメラーゼ溶液を氷浴に移し、次に、エキソヌクレアーゼIIIの事前不活化なしで標的RCAアッセイに使用した。ローリングサークル増幅では、増幅反応混合物は、40μMのプライマー、400μMのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTPのそれぞれ400μM);約1~30ngの環状DNA鋳型(プラスミドDNA)、20ng/μLのphi29 DNAポリメラーゼ、50mMのHEPES(pH=8.0)、75mMのKCl、20mMのMgCl2、0.01%(v/v)のTween-20及び1mMのTCEPを含んでいた。インキュベーション終了時、反応混合物中のPhi29 DNAポリメラーゼは、反応混合物を65℃で10分間加熱することにより不活化した。一部の例では、チオエート化したdATPは、全dNTP溶液に対して1対1600比(例えば、0.01mMのアルファ-S-dATP)又は125対1600比で補充した。
pAcGFP1-Hyg-C1プラスミド、pCMV-AC-mKate2プラスミド及びプラスミドRW218を使用するRCA反応は、(i)ランダムヘキサマープライマー及びdNTPを使用して、(ii)ランダムヘキサマープライマー及びチオエート化したdNTPと混合されたdNTPを使用しての2つの異なる試験条件下で実施した。
(実施例2):制限消化でのRCA産物DNAの安定性を判定することによりローリングサークル増幅による二本鎖鎖状体DNAへのホスホロチオエート化したヌクレオチドの包含を確認する
この実施例では、非修飾RCA産物DNA(チオエート化していない)及び超螺旋プラスミドDNAと比べた修飾RCA産物DNA(チオエート化した)の安定性を判定した。RCA産物DNA等の二本鎖鎖状体DNAにホスホロチオエート化したヌクレオチドを包含させると一般に、制限酵素に曝露した際のDNAの安定性が増加する。チオエート化していないDNA及びプラスミドDNAと比べてチオエート化したDNA(RCA産物)の安定性が増加すれば、RCA産物DNAへホスホロチオエート化したヌクレオチドが首尾よく包含されたことも確かめられる。
DNAは超螺旋プラスミドDNAとして大腸菌由来のRW218発現プラスミドを精製することにより調製した、又は標準RCA反応若しくはアルファ-ホスホロチオエート化したdATPを増幅反応において全dNTPと比べて1対1600比で添加した反応を使用するローリングサークル増幅により調製した。赤血球凝集素(HA)遺伝子をコードするプラスミドDNA RW218を負の対照として用いた。チオエート化していないRCA産物DNA(RCA-RW218)及びチオエート化したRCA産物DNA(チオ-RCA-RW218)は、鋳型としてHAをコードするプラスミドDNAを使用することにより形成した。ヌクレアーゼ抵抗特性を判定するため、チオエート化したRCA産物DNA、チオエート化していないRCA産物DNA及び超螺旋プラスミドDNA等の200ngの異なるDNA試料を、50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、pH8、10mMのMgCl2及び80ユニットのHindIIIを含有する40μlの反応物においてHindIIIを用いた制限消化に晒した。反応物は37℃で1時間インキュベートし、次に80℃で15分間インキュベートしてHindIIIを不活化した。10ユニットのExoI及びExoIIIを12μlのアリコートの上記HindIII消化DNAに添加し、次に反応物は37℃でそれぞれ15及び30分間インキュベートした。これら3つのタイプのDNA(チオ-RCA-RW218、RCA-RW218及びプラスミドRW218)はHindIIIを使用して消化して、直鎖状DNA断片を生成し、続いてExoI及びExoIIIで制限消化した。ExoI及びExoIIIは、異なるDNA試料(チオ-RCA-RW218、RCA-RW218及びRW218プラスミド等の)及びHindIIIを含有する溶液に添加し、試料は37℃で0、30分又は60分間インキュベートした。
消化産物の試料のアガロースゲル電気泳動を実施し、電気泳動バンドのそれぞれの強度は既知の濃度のDNAを有する標準(DNAマーカー、図1にMとして表示されている)の強度と比較した。消化産物の試料は、0分(図1、レーン1、4、7)、15分(図1、レーン2、5、8)及び30分(図1、レーン3、6、9)で収集し、アガロースゲル電気泳動を受けさせた(図1)。図1は、超螺旋プラスミドDNA(レーン1~3)、又はRCA産物DNA(レーン4~6)及びチオエート化したRCA産物DNA(レーン7~9)の制限消化産物を図示している。図1は、チオエート化したRCA DNA(1600全ヌクレオチド中おおよそ1つのチオエート化した塩基を含有する)が、二本鎖DNAエキソヌクレアーゼ及び一本鎖DNAエキソヌクレアーゼによる制限消化での分解に抵抗性であることを示している(図1、レーン8及び9参照)。このデータは、RCA産物DNAがRCA反応中チオエート化したヌクレオチドを付加することによりチオエート化するという事実を更に確立している。
(実施例3):チオエート化したRCA産物DNAのインビボ安定性及びGFPの発現
細胞培養:接着細胞株HEK293を、修飾された塩基を持つRCAドナーDNAからの発現の持続性を評価する以下の実験に使用した。0日目、細胞を細胞培養培地処理96ウェルプレートに蒔いた。HEK293細胞株についてのプレーティング密度はウェルあたり30,000細胞であった。細胞は、5%CO2インキュベーターにおいて37℃で一晩の間定着させ、96ウェルプレートのウェルの内部表面への細胞の付着を誘導した。1日目、培養細胞は細胞トランスフェクション実験に使用した。トランスフェクション混合物を作り、培養液は細胞から吸引して離し、次に、トランスフェクション混合物を細胞に添加した。
GFP発現のためのリポフェクタミン2000での細胞トランスフェクション:RCA産物DNA及びpAcGFP1-Hyg-C1発現プラスミドDNA(100ng/μl)は10mM Tris、pH8.0中で調製した。100ngのRCA産物DNAを無血清培地(ペニシリン、ストレプトマイシン及びL-グルタミンなし)の25μLの最終容積に添加して、DNA試料を形成した。0.5μLのリポフェクタミン2000を別個のチューブ中24.5μLの無血清培地に添加して、リポフェクタミン溶液を形成した。それぞれのチューブ由来の25μLのDNA試料を25μLのリポフェクタミン溶液に添加し、穏やかに混ぜ合わせて全容積50μLのトランスフェクション混合物を形成し、これを室温で20分間インキュベートした。100μLの完全培地中ウェルあたり30,000細胞を蒔いた。全50μLのトランスフェクション混合物を細胞に添加し、続いて5%CO2環境下、37℃で一晩インキュベートした。次の日、培地は新鮮な完全培地で置き換えた。超螺旋プラスミドDNA(図2ではGFPプラスミドと呼ばれる)、チオエート化していないRCA産物DNA(図2ではGFP RCA)並びに1対1600(図2ではGFP RCA-チオA(1対1600)と呼ばれる)及び125対1600(図2ではGFP RCA-チオA(125対1600)と呼ばれる)の濃度でチオエート化したATPを有するRCA産物DNAを使用するトランスフェクション後2、5、10及び20日目に蛍光顕微鏡(IN Cell analyzer、GE Healthcare Life Sciences社)を使用することにより画像を撮った。
細胞試料はFC500(Beckman Coulter社)フローサイトメーターを使用して分析した。細胞は、試料中の全細胞数に応じて200~400μLのバッファー中に希釈した。細胞濃度は、細胞の濃度が適切なシグナルを得るのに十分高く、同時に濃度はフローサイトメーターの正確な範囲内で読み取るのに十分低くなるように最適化した。フローサイトメーターは、分析からすべての非細胞デブリを除去することにより細胞だと見なされるイベントすべてを強調した。更に、全細胞試料由来のすべてのGFP陽性細胞をはっきりさせた(parse out)。パーセントGFP細胞は全細胞集団から計算した。GFP陽性細胞の強度は、全細胞集団並びにGFP陽性細胞亜集団から測定することが可能である。GFPインサートを含有するRCA産物DNA(チオエート化したものとチオエート化していないものの両方)及びプラスミドDNAを細胞内にトランスフェクトすると、GFP陽性細胞のパーセントを定量化して、プラスミドDNA及びRCA産物DNAのインビボ安定性を評価した。図2は、GFP発現の正規化した(1日目のシグナルに関して)パーセントを表している。パーセントGFP発現は全細胞集団内でGFP発現について陽性であった細胞のパーセントである。
超螺旋プラスミドDNA、RCA産物DNA又はチオエート化したRCA産物DNAを用いたトランスフェクション後、HEK293細胞をフローサイトメトリー分析のために収穫した。指示された日後に残っているGFPシグナルの平均相対蛍光単位(RFU)は1日目に合わせて正規化され、結果は図2に描かれている。図2は、チオエート化していないRCA産物DNAとチオエート化したRCA産物DNAの両方が超螺旋プラスミドDNAと比べてインビボでは長い持続期間無傷で活性を持ったままでありうることを示している。図2は、チオエート化したRCA産物DNAの安定性がチオエート化していないRCA産物DNA又は超螺旋プラスミドDNAよりも上であることも図示している。比125対1600でチオAを有するチオエート化したRCA産物DNAは、全dNTPと比べて比1対1600でチオAを有するチオエート化したRCA産物DNAよりもはるかに優れた安定性を示した。
(実施例4):チオエート化したRCA産物DNAのインビボ安定性及びRFPの発現
RFP発現のためのリポフェクタミン2000での細胞トランスフェクション:RCA産物DNA及びmKate2-RFP発現プラスミドDNA(100ng/μl)は10mM Tris、pH8.0中で調製した。600ngのRCA産物DNAを無血清培地(ペニシリン、ストレプトマイシン及びL-グルタミンなし)の25μLの最終容積に添加して、DNA試料を形成した。2μLのリポフェクタミン2000を別個のチューブ中23μLの無血清培地に添加して、リポフェクタミン溶液を形成した。それぞれのチューブ由来の25μLのDNA試料を25μLのリポフェクタミン溶液に添加し、穏やかに混ぜ合わせて全容積50μLのトランスフェクション混合物を形成し、これを室温で20分間インキュベートした。トランスフェクションの日の前日の夜に24ウェルプレートにおいて500μLの完全培地中ウェルあたり100,000細胞を蒔いた。次の日、培地は450μLの無血清培地(ペニシリン、ストレプトマイシン及びL-グルタミン)で置き換えた。全50μLのトランスフェクション混合物を細胞に添加し、続いて5%CO2環境下、37℃で一晩インキュベートした。次の日、培地は新鮮な完全培地で置き換えた。例えば、チオエート化したCTPを有するRCA産物DNA(図3ではRFP RCA-チオC(1対1600)及びRFP RCA-チオC(125対1600)と呼ばれる)、チオエート化したTTPを有するRCA産物DNA(図3ではRFP RCA-チオT(1対1600)及びRFP RCA-チオT(125対1600)と呼ばれる)を使用して2日目及び9日目に蛍光顕微鏡(IN Cell analyzer、GE Healthcare Life Sciences社)を使用することにより画像を撮った。別の例では、トランスフェクション後、チオエート化したATPを有するRCA産物DNA(図4ではRFP RCA-チオA(1対1600)及びRFP RCA-チオA(125対1600)と呼ばれる)、チオエート化したGTPを有するRCA産物DNA(図4ではRFP RCA-チオG(1対1600)及びRFP RCA-チオG(125対1600)と呼ばれる)を使用して2、9、14及び21日目に同じ蛍光顕微鏡を使用することにより画像を撮った。試料はフローサイトメトリーにより分析した。
RFPインサートを含有するチオエート化したとチオエート化していないRCA産物DNAの両方及びプラスミドDNAを細胞中にトランスフェクトすると、RFP陽性細胞のパーセントを定量化して、プラスミドDNA及びRCA産物DNAのインビボ安定性を評価した。図3及び4は、RFP発現についての細胞の正規化した平均相対蛍光単位(RFU)を表しており、測定して正規化したRFPの平均パーセントRFUは、全細胞集団内でRFP発現について陽性であった細胞の総数により獲得されるRFPの相対蛍光単位である。
細胞試料は、実施例3に記載される通りに、FC500(Beckman Coulter社)フローサイトメーターを使用して分析した。超螺旋プラスミドDNA、チオエート化していないRCA産物DNA又はチオエート化したRCA産物DNAを用いたトランスフェクション後、HEK293細胞をフローサイトメトリー分析のために収穫した。指示された日後に残っているRFPシグナルの平均パーセントRFUは1日目に合わせて正規化され、結果は図3及び4に描かれている。
前述の実施例は本発明のいくつかの特長を例証しており、多様なあらゆる考えられる実施形態から選択された実施形態である。本発明は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化しうる。本発明のある特定の特長のみが説明され、本明細書に記載されたが、当業者であれば、本開示の恩恵が与えられたら、改変/変更を加えてパラメータを最適化することができる。したがって、前述の実施形態は、あらゆる点で本明細書に記載される本発明を限定するというよりはむしろ例証していると見なされるべきである。必要な場合には、範囲が与えられており、その範囲はその間のすべての部分範囲を含んでいる。

Claims (16)

  1. インビボRNA又はタンパク質発現のための方法であって、
    二本鎖鎖状体DNAを単離した真核細胞中に導入して所望のRNA又はタンパク質を生成する工程
    を含み、
    二本鎖鎖状体DNAが複数の縦列反復配列を含み、複数の縦列反復配列のそれぞれが発現配列を含み、
    二本鎖鎖状体DNAが1つ又は複数のホスホロチオエート化したヌクレオチドを含み、
    二本鎖鎖状体DNA中でのホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比が125対1600である方法。
  2. 二本鎖鎖状体DNAがローリングサークル増幅(RCA)産物DNAである、請求項1に記載の方法。
  3. 発現配列が、コード配列、非コード配列又はそれらの組合せを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. コード配列が、プロモーター、オープンリーディングフレーム、及びcap非依存性翻訳エレメント(CITE)を含む、請求項3に記載の方法。
  5. cap非依存性翻訳エレメント(CITE)が、配列内リボソーム進入部位(IRES)、翻訳増強エレメント(TEE)又はそれらの組合せを含む、請求項4に記載の方法。
  6. オープンリーディングフレームが、翻訳を増強するためのコドン最適化配列を含む、請求項4又は5に記載の方法。
  7. オープンリーディングフレームが、所望のタンパク質の精製のためのタグ配列、増強されたリボソーム認識のためのIRES由来のアミノ末端ペプチド融合配列又はそれらの組合せを含む、請求項45又は6に記載の方法。
  8. 非コード配列がプロモーター及び転写終結配列を含む、請求項3から7いずれか一項に記載の方法。
  9. 非コード配列が、アンチセンスRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、マイクロRNA模倣物、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、CRISPR RNA又はそれらの組合せの配列を含む、請求項3から8いずれか一項に記載の方法。
  10. 発現配列が、宿主細胞におけるプラスミドの増殖に必要ないかなる外来性の配列も欠く最小限発現配列である、請求項1から9いずれか一項に記載の方法。
  11. 発現配列が、ポリA配列、転写終結配列、インスレーター配列又はそれらの組合せを更に含む、請求項1から10いずれか一項に記載の方法。
  12. 二本鎖鎖状体DNAが、イノシン含有ヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)ヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)ヌクレオチド、2-アミノ-デオキシアデノシン、2-チオ-デオキシチミジン、ポリカチオンヌクレオチド又はそれらの組合せを更に含む、1から11いずれか一項に記載の方法。
  13. 二本鎖鎖状体DNAが、エレクトロポレーション、ソノポレーション、インペイルフェクション、形質導入、光学トランスフェクション、マグネトフェクション、ヌクレオフェクション、流体力学送達、熱ショック媒介遺伝子送達、ナノ粒子媒介遺伝子銃送達、リン酸カルシウム媒介送達、カチオンポリマー媒介送達又はリポソーム媒介送達により真核細胞に送達される、請求項1から12いずれか一項に記載の方法。
  14. 二本鎖鎖状体DNAが、イノシン含有ヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)ヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)ヌクレオチド、2-アミノ-デオキシアデノシン、2-チオ-デオキシチミジン、ポリカチオンヌクレオチド又はそれらの組合せを含むプライマーを使用して産生されるRCA産物DNAである、請求項1から13いずれか一項に記載の方法。
  15. 複数の縦列反復配列を含む外因性二本鎖鎖状体DNA
    を含む真核細胞であって、
    複数の縦列反復配列のそれぞれがホスホロチオエート化したヌクレオチドを含み、
    ホスホロチオエート化したヌクレオチドの全ヌクレオチドに対する比が125対1600である真核細胞。
  16. 真核細胞が、原生動物、酵母細胞、昆虫細胞、植物細胞又は哺乳動物細胞を含む、請求項15に記載の真核細胞。
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