JP7206851B2 - ろ過装置、ろ過方法およびろ過装置の洗浄方法 - Google Patents

ろ過装置、ろ過方法およびろ過装置の洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、ろ過装置、ろ過方法およびろ過装置の洗浄方法に関する。
ろ材を備えるろ過装置の内部に、集水管や送水管などの集水装置を設置することが知られている(特許文献1~6参照)。
特許文献1には、本ろ過槽の底壁のやや上方に設けた多孔の水平受板の上面に本ろ過材を重積し、被処理水を水平受板より上方に向けて流通させることによりろ過するようにした上向ろ過装置において、本ろ過材の上方に、外周面に多数の集水孔を穿設し、かつ外周面を円筒形のろ過材により覆った集水管をほぼ水平に配設した、上向ろ過装置が記載されている。
特許文献2には、活性炭塔の活性炭層下部の集水機構において、活性炭層を支持する支持層としての砂利層を、砂利の粒径が1~15mmの混合砂利層を一層で用い、かつ、支持層の最下部近くに、スリット幅50~300μmを有するウエッジワイヤスクリーンを設けた多孔管式集水装置、又はスリット幅50~300μmを有する多数のノズルを設けた多孔板式集水装置を有する、活性炭塔の下部集水機構が記載されている。
特許文献3には、ろ過槽を上下に区切りろ材層を支持する集水板に複数設置されている集水ストレーナを備えたろ過装置において、集水ストレーナは、周面にスリットが形成されチャンバー隔壁に雌螺子部が形成されている本体部と、雌螺子部と螺合する雄螺子部が形成されている筒状部とを備え、筒状部は、集水板に開孔されている真円でないストレーナ取付孔の横方向断面形状と同一形状でストレーナ取付孔の横方向断面の輪郭より一回り小さい輪郭の大きさで雄螺子部より下側に設置されている平板状の固定プレートと、固定プレートより上側で周方向に複数の凸部が設置されている共廻り防止リブとを備え、集水ストレーナが集水板に固定されたとき、筒状部の下端が集水板を天板とするろ過水室に開口し上端が周面とチャンバー隔壁とで形成されるストレーナドーム室に開口し、筒状部に開孔されている通気孔がチャンバー隔壁と集水板とで形成されるチャンバー室内に位置している、ろ過装置が記載されている。
特許文献4には、壁面に複数の開孔部を持つ中空円筒からなる支持体に、プレートを積層して上下のフランジで挟み込むことによって構成されるストレーナにおいて、プレートの外周縁よりも肉厚の内部リングを設け、プレートの外周縁の厚さ(a)と内部リングの厚さ(b)の差(b-a)をもってスリット幅を規定し、内部リングの外周部に一定間隔で表裏に貫通する切り欠き部を設けて液通路とし、内部リングの内周縁にツメ(4)を設けて積層する下部プレートの内部リング内周と嵌め合えるようにする、積層体型ストレーナが記載されている。
特許文献5には、ストレーナ本体が上部構造体、メネジを有するネジ止め部及び下部配管部からなり、上部構造体内に、ディスク押えボルト用のメネジを有する受部、その下部に水および空気の流入、排出用の開口部を、更にその下部にオネジを有するネジ止め部を有する一体成形の一体構造体を設け、更に空気流入口、空気排出口、水の流入、排出の開口等を有する下部配管部の内径より、小さい外径の配管をオネジを有するネジ止め部の内側に差し込み固定した、ディスク型ストレーナが記載されている。
特許文献6には、ろ材層を支持する下部集水装置の下方に空気を導入してろ材の空気洗浄を行うろ過設備において、空気洗浄後に下部集水装置の下方に残留した空気を排出する排気管を、管内面最上部が下部集水装置の下面と面一以上の高さになるように配設した、ろ過設備が記載されている。
特開2005-95714号公報 特開平8-243546号公報 特開2017-64601号公報 特開平10-258204号公報 特許第3662454号 特許第3548938号
ろ過された処理水の水質により、集水装置には汚れやスケールが付着し、これらが通水を妨げる要因となる。集水装置に付着した汚れやスケールの除去をするために、高圧水洗浄や酸による浸漬洗浄などで集水装置を洗浄することとなる。洗浄作業を行うためには、ろ過装置内のろ材を取り出す作業などが必要であり、煩雑な作業が発生している。集水装置の洗浄作業は、定常メンテナンスの項目ではなく、非定常作業として必要時にコストが発生するため、洗浄にかかるコストを低くすることが求められている。
しかしながら、特許文献1~6に記載の集水装置を用いるろ過装置は、洗浄にかかるコストが高いものであった。
本発明が解決しようとする課題は、洗浄にかかるコストが低いろ過装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者は、ろ材、支持層および集水装置とをこの順で有するろ過装置において、取出部と、取出部を着脱自在に固定できる固定部とを備える集水装置を用いることにより、ろ材や支持層に影響を与えずに、取出部を系外に取り出して被処理水に懸濁している濁質やSS等に起因する集水装置の汚れを洗浄することができ、上記の課題を解決できることを見出した。
ここで、特許文献1に記載のろ過装置は、本発明とは集水管の目詰まりの原因が異なり、ろ過材が集水管の外周面を覆うために集水管とろ過材が隣接する配置順であり、集水管の外周面を覆うろ過材ごと取出した後にろ過材を集水管から外して洗浄するものであった。また、特許文献2~6のろ過装置は、本発明とは集水管の目詰まりの原因が異なり、主としてろ材を洗浄するものであり、いずれの文献にも集水装置を取り外して洗浄することは記載されていなかった。
具体的には、本発明の構成および本発明の好ましい構成は、以下のとおりである。
[1] ろ材と、支持層と、集水装置とをこの順で有するろ過装置であって;
集水装置が、取出部と、取出部を着脱自在に固定できる固定部とを備え、
取出部が集水口および取り外し構造を備え、
固定部が、一次ストレーナおよび取り外し構造に対応する取り付け構造を備える、ろ過装置。
[2] 集水口の最小幅が、一次ストレーナの開口部の最小幅よりも狭い[1]に記載のろ過装置。
[3] 一次ストレーナの開口部の形状が、スリット形状または円形状である[1]または[2]に記載のろ過装置。
[4] 取り付け構造が、底面と、底面に対して略垂直方向に延在する側面とを備え;
取り付け構造の側面が、取出部を取り外す方向に対して略平行であり;
取り付け構造の側面が、ろ過装置の設置面に対して略平行に配置された[1]~[3]のいずれか一つに記載のろ過装置。
[5] 取り付け構造の側面のうち少なくともろ材側の領域に、一次ストレーナを備える[4]に記載のろ過装置。
[6] 集水口がスリット形状または円形状である[4]または[5]に記載のろ過装置。
[7] ろ過装置が集水装置を複数個有し、以下のいずれかの配列である[4]~[6]のいずれか一項に記載のろ過装置;
(配列A)ろ過装置の設置面と略平行な面内における集水装置が1個であり、複数個の集水装置はそれぞれ略鉛直方向に重ねて高さ方向に2段以上に配列される;
(配列B)ろ過装置の設置面と略平行な面内における集水装置が複数個であり、複数個の集水装置は高さ方向に1段に配列される;
(配列C)ろ過装置の設置面と略平行な面内における集水装置が複数個であり、複数個の集水装置はそれぞれ略鉛直方向に重ねて高さ方向に2段以上に配列される、
のいずれかの配列である。
[8] 取り付け構造がろ過装置の少なくとも1方の側壁を貫通し、
ろ過装置が、集水装置の底面とは反対側の領域に、取出部の取り出し口を備える[4]~[7]のいずれか一つに記載のろ過装置。
[9] 取り外し構造が、円筒状の側面構造と、この側面構造の端部に位置する取出部側フランジとを有し;
取り付け構造が、取り外し構造の円筒状の側面の外周表面に対応する形状の円筒状の側面構造と、この側面構造の端部に位置する固定部側フランジとを有する[4]~[8]のいずれか一つに記載のろ過装置。
[10] 取り付け構造が、底面と、底面に対して略垂直方向に延在する側面とを備え;
取り付け構造の側面が、取出部を取り外す方向に対して略平行であり;
取り付け構造の側面が、ろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された[1]~[3]のいずれか一つに記載のろ過装置。
[11] 取り付け構造の底面に、一次ストレーナを備える[10]に記載のろ過装置。
[12] 集水口がスリット形状または円形状である[10]または[11]に記載のろ過装置。
[13] 集水装置を複数個備える[10]~[12]のいずれか一つに記載のろ過装置。
[14] ろ過装置が、集水装置の支持層とは反対側の領域に、取出部の取り出し口を備える[10]~[13]のいずれか一つに記載のろ過装置。
[15] 取り外し構造がネジであり;
取り付け構造がネジに対応するネジ受けである[10]~[14]のいずれか一つに記載のろ過装置。
[16] [1]~[15]のいずれか一つに記載のろ過装置を用いるろ過方法であって、
被処理水を、ろ材、支持層および集水装置の順に通水する工程を備える、ろ過方法。
[17] [1]~[15]のいずれか一つに記載のろ過装置の洗浄方法であって、
固定部から取出部を取り出す工程と、
取出部をろ過装置の外部で洗浄する工程と、
固定部に取出部を固定する工程を備える、ろ過装置の洗浄方法。
本発明によれば、洗浄にかかるコストが低いろ過装置を提供することができる。
図1(A)は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略平行に配置された、第1の好ましい態様のろ過装置の一例の断面概略図である。 図1(B)は、図1(A)に示したろ過装置を紙面上方向から観察した場合の、断面概略図である。 図2は、図1(A)に示したろ過装置における、集水装置の拡大図である。 図3(A)は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略平行に配置された、第1の好ましい態様のろ過装置の他の一例の断面概略図である。図3(B)は、図3(A)に示したろ過装置における集水装置を紙面左方向から観察した場合の、断面概略図である。 図4は、図3(A)に示したろ過装置において、集水装置の取出部を取り出す態様を示す概略図である。 図5は、図3(A)に示したろ過装置における、集水装置の取出部の拡大図である。 図6(A)は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された、第2の好ましい態様のろ過装置の他の一例の断面概略図である。 図6(B)は、図6(A)に示したろ過装置を紙面上方向から観察した場合の、断面概略図である。 図7は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された、第2の好ましい態様のろ過装置において、集水装置の取出部を取り出す態様の一例を示す概略図である。 図8(A)は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された、第2の好ましい態様のろ過装置において、集水装置の取出部を取り出す態様の他の一例を示す概略図である。図8(B)は、図8(A)に示したろ過装置の一つの集水装置について、紙面上方向から観察した場合の、断面概略図である。 図9は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された、第2の好ましい態様のろ過装置において、集水装置の取出部を取り出す態様の他の一例を示す概略図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。本明細書において角度の規定は、ろ過装置の分野における通常の誤差を許容する範囲を含む。例えば、ある1組の面が「略平行」であると規定される場合、ある1組の面がなす角度が平行から好ましくは±20°、より好ましくは±10°、特に好ましくは±5°の範囲にあればよい。「略垂直」についても同様である。
[ろ過装置]
本発明のろ過装置は、ろ材と、支持層と、集水装置とをこの順で有するろ過装置であって;集水装置が、取出部と、取出部を着脱自在に固定できる固定部とを備え、取出部が集水口および取り外し構造を備え、固定部が、一次ストレーナおよび取り外し構造に対応する取り付け構造を備える。
この構成により、本発明のろ過装置は、洗浄にかかるコストが低い。
一般的に、被処理水中の濁質やSSなどに由来する汚れが集水装置に付着した場合は、こすり洗いや高圧水洗浄で除去される。従来の集水装置を用いたろ過装置では、ろ材の取り出しおよびろ材の再投入を行う煩雑な作業が生じ、これらの作業による工事コストが発生する。また、これらの作業では、ろ材の取り出し時にろ材から剥離した汚れや、ろ材を再投入する時の衝撃等によるろ材の破損が原因となり、ろ過装置内の水の濁りが発生していた。このろ過装置内の水の濁りに起因して、洗浄したばかりの集水装置がすぐに閉塞しやすくなることもあり、洗浄頻度の増加に伴う洗浄コストも高くなっていた。
一方、被処理水中の金属イオンに由来するスケールが集水装置に付着した場合は、こすり洗いや酸による浸漬洗浄で除去される。この場合、従来の集水装置を用いたろ過装置では、上述の汚れが集水装置に付着した場合の問題に加えて、集水装置をろ過装置内で洗浄する場合は洗浄用の酸の残留に起因する、特殊用途ろ材の機能性コーティング(マンガン砂など)の剥離や溶出の問題により、ろ材の交換頻度の増加に伴う材料コストも高くなっていた。
これに対し、本発明のろ過装置では、集水装置の取出部を系外に取り出した状態で集水装置の汚れやスケールを洗浄できる。そのため、ろ材の取り出しが不要となり、作業手順が簡略化できて洗浄時のコスト低下、洗浄不足や人為的なミスの防止、カルシウム・マグネシウムなどの硬度成分の高い水に対しても開口の小さい集水装置を使用することができる。また、ろ過装置内の環境(水質、pH、ろ材から剥離する汚れ、破損したろ材)を乱さずに洗浄できるため、再稼動までの時間の短縮によるコスト低下、機能を損ねずに洗浄後に即時のろ過装置の立ち上げができる。以上より、従来の集水装置を用いたろ過装置でコストが高くなる問題が生じず、集水装置の洗浄にかかるコストを低くできる。
さらに、本発明のろ過装置は、主として集水装置の形状を二重構造のようにすることに特徴があるため、ろ過装置の形状・寸法を選ばず、さまざまな形状・寸法のろ過装置に適用することができる。
以下、本発明のろ過装置の好ましい態様を説明する。
<ろ材>
本発明で用いられるろ材としては特に制限はない。例えば、砂や、不織布、織布等の紙材や、天然繊維や合成繊維などの繊維製のものや、活性炭や、多孔質セラミック類などを用いることができる。
また、表面に生物膜を形成させて、生物膜(接触酸化)処理をろ過と同時に行えるような担体を、ろ材として用いてもよい。
ろ材の形状は、粒子であることが好ましく、球形状の粒子であることがより好ましい。
<支持層>
支持層としては特に制限はなく、ろ材を支持できればよい。支持層の材料としては、ろ材よりも目の粗い材料を用いることができる。例えば、砂利、砕石などを挙げることができる。
本発明では、支持層と集水装置が隣接することが好ましい。特開2005-95714号公報の集水管の外周面を覆う円筒形のろ過材のように、集水装置と目の細かいろ材とを隣接させる場合と比較して、目の粗い支持層と集水装置が隣接することが集水装置の目詰まりを抑制する観点から好ましい。なお、本発明では、ろ過装置内における最も目の細かいろ材について、ろ材と、支持層と、集水装置とをこの順に有することが好ましい。
<集水装置>
本発明のろ過装置では、集水装置が、取出部と、取出部を着脱自在に固定できる固定部とを備える。
本発明のろ過装置では、取出部が集水口および取り外し構造を備える。
本発明のろ過装置では、固定部が、一次ストレーナおよび取り外し構造に対応する取り付け構造を備える。
ろ過装置を用いてろ過する場合、固定部の取り付け構造に取出部の取り外し構造を付けることにより、固定部に取出部を固定して用いる。ろ過装置を洗浄する場合、固定部の取り付け構造から取出部の取り外し構造を外すことにより、固定部から取出部を取り外して取出部のみを洗浄することができる。
ろ過装置は、集水装置を1個のみ有していてもよく、複数個有していてもよい。
(取出部)
本発明では、取出部が、集水口および取り外し構造を備える。
取出部には、集水口から集水された水を系外(ろ過装置の外部)に送るための、流路をさらに備えていることが好ましい。取出部を取り外す方向と、集水された水の流れ出る流路の方向は、略平行であることが好ましい。
-集水口-
集水口は、一次ストレーナを通過した水を集水するための開口である。水の流れに抵抗をつけることにより、均等に集水することができる。
本発明では、集水口の最小幅が、一次ストレーナの開口部の最小幅よりも狭いことが好ましい。一般的に、集水装置への汚れやスケールの付着は、集水装置の開口寸法が小さくなるほど、発生しやすくなる。大きな開口を有する一次ストレーナと、通過する水の均等分配および集水を可能とする開口の小さい集水口を組み合わせることにより、洗浄にかかるコストをより低くすることができる。特に、取出部の集水口には、一次ストレーナのスリットを通過できるサイズの濁質、SSまたは水質由来のスケールしか到達しなくなり、これらによる集水口の閉塞を起こり難くでき、集水口の洗浄も容易となる。
集水口の最小幅が、一次ストレーナの開口部の最小幅の1~80%であることが好ましく、1~50%であることがより好ましく、1~30%であることが特に好ましい。
-取り外し構造-
取り外し構造は、取出部を固定部から取り外すための機能を有する構造である。取り外し構造としては特に制限はない。例えば、ネジや嵌め合い凸部などを挙げることができる。
(固定部)
本発明では、固定部が、一次ストレーナおよび取り外し構造に対応する取り付け構造を備える。
なお、固定部に、集水口から集水された水を系外(ろ過装置の外部)に送るための、流路を設けてもよい。
-一次ストレーナ-
一次ストレーナの開口部の形状としては特に制限はない。例えば、スリット形状(例えば長方形、六角形、菱形、楕円形等の非等方的な図形形状)、または等方的な図形形状(例えば、円形状、正方形状、正六角形状等)とすることができる。等方的な図形形状の中では円形状であることが好ましい。一次ストレーナの開口部の形状は、スリット形状または円形状であることがより好ましく、長方形状または円形状であることが特に好ましい。
一次ストレーナの開口部の最小幅は、集水口の最小幅よりも広いことが、上述の理由で好ましい。一方、一次ストレーナの開口部の最小幅は、ろ材の長径よりも狭いことが、ろ材が流出しないようにする観点から好ましい。
-取り付け構造-
取り付け構造は、取出部を固定部に固定するための機能を有する構造である。取り付け構造としては、取り外し構造に対応するものであれば、特に制限はない。例えば、ネジ受けや嵌め合い凹部などを挙げることができる。
<その他の装置>
ろ過装置は、その他の装置を有していてもよい。
ろ過装置は、側壁、底面および上面などからなる外壁を備えることが、ろ過装置内にろ材、支持層および集水装置などを設置する観点から好ましい。ろ過装置の外壁の材料は特に制限はなく、例えば、鋼板製やコンクリート製の外壁を用いることができる。
例えば、被処理水を調整するための被処理水槽を、ろ材の上流に有していてもよい。また、集水装置で集水された処理水を溜める処理水槽を、集水装置の下流に有していてもよい。
ろ過と同時に、ろ材の表面での生物膜処理を行う場合は、曝気装置を任意の場所に設けてもよい。
<ろ過装置の好ましい態様>
以下、本発明のろ過装置の好ましい態様を、より詳細に説明する。
本発明のろ過装置は、取り付け構造が、底面と、底面に対して略垂直方向に延在する側面とを備え;取り付け構造の側面が、取出部を取り外す方向に対して略平行であり;取り付け構造の側面が、ろ過装置の設置面に対して略平行に配置された態様であることが好ましい。この態様を第1の好ましい態様という。
一方、本発明のろ過装置は、取り付け構造が、底面と、底面に対して略垂直方向に延在する側面とを備え;取り付け構造の側面が、取出部を取り外す方向に対して略平行であり;取り付け構造の側面が、ろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された態様であることも好ましい。この態様を第2の好ましい態様という。
以下、第1の好ましい態様および第2の好ましい態様について、図面を参照しつつ、順に説明する。ただし、集水装置の一次ストレーナや集水口の配置や形状や寸法は、通過する水の均等な分配・集水が可能なものであることが好ましいが、図面や本明細書中に示した態様に限定されるものではない。
(第1の好ましい態様)
図1(A)は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略平行に配置された、第1の好ましい態様のろ過装置の一例の断面概略図である。図1(A)に示したろ過装置では、ろ過装置100の内部に、紙面上方向から順にろ材1、支持層2および集水装置3が配置されている。
図1(A)に示したろ過装置では、取り付け構造の側面23aは取出部を取り外す方向に対して略平行であり、取り付け構造の側面23aがろ過装置の設置面111に対して略平行に配置される。すなわち、第1の好ましい態様では、取出部の取り外し方向が、ろ過装置の設置面111に対して略平行となる。
図1(A)に示したろ過装置では、集水装置3は、ろ過装置の側壁101の一部を貫通して備え付けられている。図1(A)に示したろ過装置では、取り付け構造の底面はろ過装置の側壁101に接していないが、後述の図3(A)に示すように取り付け構造の底面はろ過装置の側壁101に接して一体化されていてもよい。
図1(A)に示したろ過装置は、集水装置3の取り付け構造の底面とは反対側の領域に、取出部の取り出し口(取り付け構造の側面23aの端部に相当)を備える。取り出し口から取り出された取出部は、系外で洗浄することができ、洗浄後に再び取り出し口から固定部に固定することができる。
第1の好ましい態様では、ろ過装置が有する集水装置の個数は特に制限はない。例えば、ろ過装置が集水装置を1個有してもよく、複数個有してもよい。第1の好ましい態様では、ろ過装置の設置面と略平行な面内における集水装置は1個でも複数個でもよいが、ろ過装置の設置面と略平行な面内における集水装置は1個であることが保守・点検を容易とする観点から好ましい。第1の好ましい態様において、集水装置の個数は、ろ過装置の断面積が大きい場合や処理水量が多い場合は、それらにあわせて複数個以上としてもよい。
第1の好ましい態様では、ろ過装置が集水装置を複数個有することがより好ましい。ろ過装置が集水装置を複数個有する場合、以下のいずれかの配列であることが特に好ましい。
(配列A)ろ過装置の設置面と略平行な面内における集水装置が1個であり、複数個の集水装置はそれぞれ略鉛直方向に重ねて、高さ方向に2段以上に配列される。
(配列B)ろ過装置の設置面と略平行な面内における集水装置が複数個であり、複数個の集水装置は(それぞれの取り付け構造の側面が略平行となるように配列して、あるいは放射状に配列して)、高さ方向に1段に配列される。
(配列C)ろ過装置の設置面と略平行な面内における集水装置が複数個であり、複数個の集水装置はそれぞれ略鉛直方向に重ねて高さ方向に2段以上に配列される。
なお、図1(A)に示した集水装置3は、集水口から集水された水を系外に送るための流路(不図示)を有することが好ましい。
図1(B)は、図1(A)に示したろ過装置を紙面上方向から観察した場合の、断面概略図である。ろ過装置100の断面における、集水装置3の位置の制限はない。例えば、集水装置3の長軸が、ろ過装置100の断面の長軸(円形状の断面の場合は直径方向)と重なる位置に配置されることが好ましい。
図2は、図1(A)に示したろ過装置における、集水装置の拡大図である。第1の好ましい態様では、取り付け構造の側面のうち少なくともろ材側の領域に一次ストレーナを備えることが好ましく、図2のろ過装置のように取り付け構造23の側面の全領域に一次ストレーナ22を備えていてもよい。
図3(A)は、取り付け構造の側面23aがろ過装置の設置面に対して略平行に配置された、第1の好ましい態様のろ過装置の他の一例の断面概略図である。図3(A)に示したろ過装置では、集水装置の固定部21は、ろ過装置の側壁101の一部(紙面左側の側壁101)を貫通して備え付けられている。図3(A)では、取り付け構造の底面23bは、ろ過装置の側壁101(紙面右側の側壁101)に接して一体化されている。
図3(A)に示したろ過装置では、集水装置の固定部21は、取り付け構造の側面23aのろ材側の領域のみに一次ストレーナ22を備える。
図3(A)に示したろ過装置では、集水装置の取出部11は、固定部21の取り付け構造23の内部に固定されている。取出部11と固定部21の固定の仕方は特に制限はない。第1の好ましい態様では、取り外し構造13が、円筒状の側面構造と、この側面構造の端部に位置する取出部側フランジ14とを有することが好ましい。また、取り付け構造23が、取り外し構造の円筒状の側面の外周表面に対応する形状の円筒状の側面構造と、この側面構造の端部に位置する固定部側フランジ24とを有することが好ましい。これらの取出部側フランジ14と固定部側フランジ24とを公知の方法で固定することができる。例えば、これらのフランジを貫通する固定部材(例えば、ネジ)を用いて固定することができる。
図3(B)は、図3(A)に示したろ過装置における集水装置を紙面左方向から観察した場合の、一次ストレーナ22を含む断面における、集水装置の断面概略図である。
第1の好ましい態様における、取出部11と固定部21の位置関係は、取出部11が固定部21の内部に位置することが好ましい。取出部11と固定部21の形状の関係は、固定部21の取り付け構造23の側面構造が、取出部11の取り外し構造13の側面の外周表面に対応する形状であることが好ましい。そのような形状としては、取り外し構造13の側面構造および取り付け構造23の側面構造が、いずれも角柱状または円筒状であって、両者の断面の重心が同じ位置であることが好ましい。
取り外し構造13が円筒状の側面構造を有する場合、取り付け構造23が、取り外し構造13の円筒状の側面の外周表面に対応する形状の円筒状の側面構造を有することがより好ましい。取り外し構造13と取り付け構造23の断面が同心円であることが特に好ましい。
図3(B)に示したろ過装置は、固定部21の取り付け構造の側面のうち少なくともろ材側の領域に一次ストレーナ22を備える。
図3(B)に、一次ストレーナの開口部の最小幅Lの位置を示した。一次ストレーナの開口部の最小幅は、一次ストレーナの開口部の短軸長(円形状の断面の場合は直径)を意味する。
図4は、図3(A)に示したろ過装置において、集水装置の取出部を取り出す態様を示す概略図である。取出部側フランジ14と固定部側フランジ24との固定部材(不図示)の固定を解除することなどにより、取り付け構造23および取り外し構造13の固定を解除し、公知の方法で固定部21から取出部11を取り出すことができる。
図4に示したろ過装置では、取り付け構造の側面23aは、取出部11を取り外す方向31に対して略平行である。
図5は、図3(A)に示したろ過装置における、集水装置の取出部の拡大図である。 第1の好ましい態様では、集水口の形状に制限はなく、一次ストレーナの開口部の形状と同様の形状を挙げることができる。集水口12がスリット形状(特に図5に示すような長方形状)または円形状であることが、目詰まりを抑制して効果的に集水する観点から好ましい。集水口12には、ルーバー加工が施されていてもよい。
図5に、集水口の最小幅Mの位置を示した。集水口の最小幅は、集水口12の短軸長(円形状の断面の場合は直径)を意味する。複数の集水口12の最小幅は、それぞれ同じであることが好ましい。また、複数の集水口12は、均等に配列されていることが好ましい。いずれも、通過する水の均等分配および集水をしやすくするためである。
図3(A)、図3(B)、図4および図5に示したろ過装置では、複数の集水口12がそれぞれ複数の一次ストレーナ22に対応する位置に設けられていることが好ましい。また、集水口の最小幅Mが一次ストレーナの開口部の最小幅Lよりも狭いことが好ましい。
(第2の好ましい態様)
図6(A)は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された、第2の好ましい態様のろ過装置の他の一例の断面概略図である。図6(A)に示したろ過装置では、ろ過装置100の内部に、紙面上方向から順にろ材1、支持層2および集水装置3が配置されている。
図6(A)に示したろ過装置では、取り付け構造の側面23aは取出部を取り外す方向に対して略平行であり、取り付け構造の側面23aがろ過装置の設置面111に対して略垂直に配置される。すなわち、第2の好ましい態様では、取出部の取り外し方向が、ろ過装置の設置面111に対して略垂直となる。
図6(A)では、ろ過装置が、集水装置の支持層2とは反対側の領域に、取出部の取り出し口102を備えることが好ましい。取り出し口102は、点検口も兼ねることができ、点検時に人間が進入できることが好ましい。取り出し口102から取り出された取出部は、系外で洗浄することができ、洗浄後に再び取り出し口102から固定部に固定することができる。
第2の好ましい態様では、ろ過装置が有する集水装置の個数は特に制限はない。例えば、ろ過装置が集水装置を1個有してもよく、複数個有してもよく、設置数の上限の制約は特にない。第2の好ましい態様では、ろ過装置の設置面と略平行な面内における集水装置が複数個であることがろ過装置内で水の均等集水を行う観点から好ましい。第2の好ましい態様では、図6(A)に示したろ過装置100のように、ろ過装置の設置面111と略平行な面内における集水装置3が複数個であることが好ましい。
なお、図6(A)に示した集水装置3は、集水口から集水された水を系外に送るための流路(不図示)を有することが好ましい。
図6(B)は、図6(A)に示したろ過装置を紙面上方向から観察した場合の、断面概略図である。ろ過装置100の断面における、集水装置3の位置の制限はない。例えば、図6(B)に示すように、ろ過装置100の断面の面内に、複数の集水装置3を互いの距離が同程度となるように均等に配置することができる。
図7は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された、第2の好ましい態様のろ過装置において、集水装置の取出部を取り出す態様の一例を示す概略図である。ネジ13cを回転させてネジ受け23cから外すことにより、取り付け構造および取り外し構造の固定を解除し、公知の方法で固定部21から取出部11を取り出すことができる。
図7に示したろ過装置では、取り付け構造の側面23a(ネジ受け23cが形成されている部分)は、取出部11を取り外す方向31に対して略平行である。
図7に示したろ過装置では、取り付け構造の底面23bから取り付け構造の側面23aにわたる一次ストレーナ22を備えることが好ましい。
なお、図7~9における取出部11の、固定部21とは反対側の末端は、集水口から集水された水を系外に送るための流路(不図示)に接続されていないが、接続されていてもよい。図7~9における取出部11の、固定部21とは反対側の末端は、集水装置3の下部にある処理水の貯留部(不図示)に接続されており、貯留部の処理水は排水口(不図示)に接続された流路(不図示)から排出できる。
図8(A)は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された、第2の好ましい態様のろ過装置において、集水装置の取出部を取り出す態様の他の一例を示す概略図である。嵌め合い凸部13dを嵌め合い凹部23dから外すことにより、取り付け構造および取り外し構造の固定を解除し、公知の方法で固定部21から取出部11を取り出すことができる。
図8(B)は、図8(A)に示したろ過装置の一つの集水装置について、紙面上方向から観察した場合の、断面概略図である。
図8(B)に示すように、断面形状が円形状の固定部において、取り付け構造の端部の少なくとも1か所に、嵌め合い凹部23dを設けることができる。
図9は、取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された、第2の好ましい態様のろ過装置において、集水装置の取出部を取り出す態様の他の一例を示す概略図である。
第2の好ましい態様では、図9に示すように、取り付け構造の底面23bに、一次ストレーナ22を備えることが取出部の取り付けの容易さと、強固な一体構造とする観点から好ましい。ただし、図7および図8(A)に示すように、取り付け構造の底面23bから取り付け構造の側面23aにわたる一次ストレーナ22とすることも、強固な一体構造とする観点から好ましい。
図9に、集水口の最小幅Mの位置を示した。集水口の最小幅Mは、集水口12の短軸長(円形状の断面の場合は直径)を意味する。複数の集水口の最小幅Mは、それぞれ同じであることが好ましい。また、複数の集水口12は、均等に配列されていることが好ましい。いずれも、通過する水の均等分配および集水をしやすくするためである。
また、集水口の最小幅Mが一次ストレーナの開口部の最小幅Lよりも狭いことが好ましい。
第2の好ましい態様では、図9に示すように集水口12が円形状であってもよく、長方形状などのスリット形状であってもよい。
[ろ過方法]
本発明のろ過方法は、本発明のろ過装置を用いるろ過方法であって、被処理水を、ろ材、支持層および集水装置の順に通水する工程を備える。
<被処理水>
本発明のろ過装置では、特に制限は無く、さまざまな被処理水を用いることができる。
特に、濁質、SS濃度が高い被処理水や、カルシウム、マグネシウムおよびシリカなどが析出する濃度または薬品との反応で不溶解化する濃度の被処理水を用いてろ過する場合に、特に洗浄にかかるコストを低くすることができる。
濁質、SS濃度が高い被処理水としては、例えば、上水、工業用水、下水(特に前処理および本処理後の高度処理である3次処理に用いる下水)、産業排水、再利用される排水などを挙げることができる。
カルシウム、マグネシウムおよびシリカなどが析出する濃度または薬品との反応で不溶解化する濃度の被処理水としては、例えば、上水、工業用水、産業排水、再利用される排水などを挙げることができる。
ろ過における水の流れは、上向きであっても下向きであってもよい。図1(A)および図6(A)に示したろ過装置では、設置面に対して遠い方から順にろ材、支持層および集水装置を有する構成のろ過装置を用いて、ろ過における水の流れを下向きとして、ろ材、支持層および集水装置の順に通水することができる。また、ろ過における水の流れを上向きとした場合でも、本発明のろ過装置では構成を変えることなく、設置面に対して近い方から集水装置、支持層およびろ材の順に通水することができる。これにより、集水装置を容易に取り外して洗浄でき、洗浄にかかるコストが低いろ過装置を提供できるといった本発明の効果を遺憾なく発揮させることができる。なお、上向きに通水する場合は、設置面に対して近い方から順にろ材、支持層および集水装置を有する構成のろ過装置を用いて、ろ過における水の流れを上向きとして、ろ材、支持層および集水装置の順に通水することもできる。
[ろ過装置の洗浄方法]
本発明のろ過装置の洗浄方法は、固定部から取出部を取り出す工程と、取出部をろ過装置の外部で洗浄する工程と、固定部に取出部を固定する工程を備える。
ろ過装置の洗浄方法は、固定部から取出部を取り出す工程の前に、ろ過装置内の水抜き工程を備えることが好ましい。
固定部から取出部を取り出す工程は、取出部の固定を解除する工程を含むことが好ましい。取出部の固定を解除する工程は、固定部と取出部の固定方法に応じて、適宜行うことができる。例えば、固定部のフランジと取出部のフランジとの固定を解除する方法や、固定部のネジ受け(メネジ)から取出部のネジ(オネジ)を回転させて固定を解除する方法や、固定部の嵌め合い凹部から取出部の嵌め合い凸部を外して固定を解除する方法を挙げることができる。
同様に、固定部に取出部を固定する工程は、固定部と取出部の固定方法に応じて、適宜行うことができる。
ろ過装置の洗浄方法は、固定部に取出部を固定する工程の後に、ろ過装置内の水張り工程、ろ過装置内の洗浄(捨水)工程およびろ過装置の立ち上げ工程を備えることが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
図1に示した実施例1のろ過装置を製造した。
実施例1のろ過装置では、ろ材と、砂利である支持層と、集水装置とをこの順で配置した。実施例1のろ過装置は、集水装置を1個(取出部と固定部の1組)備え、集水装置の固定部が備える取り付け構造の側面がろ過装置の設置面に対して略平行に配置されている。集水装置の取出部が備える集水口の最小幅は、固定部が備える一次ストレーナのスリットの最小幅よりも狭くした。
<ろ過>
実施例1のろ過装置を用いて、ろ材、支持層および集水装置の順に被処理水を通水し、ろ過を行った。被処理水として、濁質およびSS濃度が高い下水、または、カルシウムイオン、マグネシウムイオンおよびシリカ成分が多い産業排水をそれぞれ用いた。いずれの被処理水を用いた場合も、集水装置の固定部の一次ストレーナにそのスリットの最小幅よりも大きい、濁質、SSまたは水質由来のスケールが付着した。しかし、一次ストレーナのスリットの最小幅が従来よりも比較的大きいため、閉塞は起こりにくいことがわかった。一方、集水装置の取出部の集水口には、一次ストレーナのスリットを通過できるサイズの濁質、SSまたは水質由来のスケールしか到達しないため、これらは集水口にわずかに付着したものの、閉塞をほとんど起こさなかった。すなわち、実施例1のろ過装置は、集水装置の閉塞が起こり難いことがわかった。
<ろ過装置の洗浄>
ろ過を行った後、実施例1のろ過装置の洗浄を行った。
まず、ろ過装置内の水抜きを行った。
次に、ろ過装置の下部に設けた、集水装置の取出部の取り出し口において、固定部のフランジと取出部のフランジとの固定を解除し、集水装置の固定部から取出部のみを取り出した。
取出部は、ろ過装置の外部で洗浄した。
取出部の洗浄後、固定部に取出部を固定した。
その後、ろ過装置内の水張り、ろ過装置内の洗浄(捨水)およびろ過装置の立ち上げを行った。
下記表1に、実施例1のろ過装置の洗浄における各工程の詳細と、各工程の作業時間をまとめた。
[比較例1]
比較例1では従来のろ過装置を用いた以外は実施例1と同様にして、ろ過を行った。
比較例1で用いたろ過装置では、ろ材と、砂利である支持層と、公知の集水管とをこの順で配置した。
比較例1のろ過装置に対していずれの被処理水を用いた場合も、集水管に濁質、SSまたは水質由来のスケールが付着し、集水管の閉塞が起こりやすかった。
<ろ過装置の洗浄>
ろ過を行った後、比較例1のろ過装置の洗浄を行った。
まず、ろ過装置内の水抜きを行った。
次に、ろ材の取出しを行った。
ろ材の取出しの後、集水管の全体を取り出した。
集水管は、ろ過装置の外部で洗浄した。
集水管の洗浄後、集水管を取り付けた。
集水管の取り付け後、ろ材の再投入を行った。
その後、ろ過装置内の水張り、ろ過装置内の洗浄(捨水)およびろ過装置の立ち上げを行った。
下記表1に、比較例1のろ過装置の洗浄における各工程の詳細と、各工程の作業時間をまとめた。
Figure 0007206851000001
以上の実施例1および比較例1の対比より、本発明のろ過装置は、洗浄にかかるコストが低いこと、すなわち洗浄効率が高いことがわかった。
特に、実施例1の洗浄方法では、ろ材の取り出し時に剥がれ落ちる汚れが生じず、ろ材の破損に起因するろ材の破片が生じず、ろ過装置内の環境(水質、pHなど)も乱さないため、「ろ過装置内の水張り」から「ろ過装置の立ち上げ」までの時間を短くすることができた。具体的には、実施例1ではろ過装置内の洗浄(捨水)の作業時間は1時間であり、比較例1の作業時間2時間と比較して、半減させることができることがわかった。
また、実施例1では洗浄の作業手順を簡略化でき、洗浄不足や人為的なミスを減らせることがわかった。
なお、実施例1のろ過装置は、ろ過時においても、集水装置の閉塞が起こり難かった。具体的には、実施例1のろ過装置を用いることで、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの硬度成分の高い被処理水に対しても、開口部の幅の小さい集水装置を使用できることがわかった。
1 ろ材
2 支持層
3 集水装置
11 取出部
12 集水口
13 取り外し構造
13c ネジ
13d 嵌め合い凸部
14 取出部側フランジ
21 固定部
22 一次ストレーナ
23 取り付け構造
23a 取り付け構造の側面
23b 取り付け構造の底面
23c ネジ受け
23d 嵌め合い凹部
24 固定部側フランジ
31 取り外し方向
100 ろ過装置
101 側壁
102 取り出し口
111 設置面
L 一次ストレーナの開口部の最小幅
M 集水口の開口部の最小幅

Claims (16)

  1. ろ材と、支持層と、集水装置とをこの順で有するろ過装置であって;
    前記支持層は前記ろ材よりも目の粗い材料からなり、
    前記集水装置が、取出部と、前記取出部を着脱自在に固定できる固定部とを備え、
    前記取出部が集水口および取り外し構造を備え、
    前記固定部は前記ろ過装置の内部に配置され、
    前記固定部が、一次ストレーナおよび前記取り外し構造に対応する取り付け構造を備え
    前記集水口の最小幅が、前記一次ストレーナの開口部の最小幅よりも狭く、前記集水口の最小幅が前記一次ストレーナの開口部の最小幅の1~50%である、ろ過装置。
  2. 前記一次ストレーナの開口部の形状が、スリット形状または円形状である、請求項に記載のろ過装置。
  3. 前記取り付け構造が、底面と、前記底面に対して略垂直方向に延在する側面とを備え;
    前記取り付け構造の前記側面が、前記取出部を取り外す方向に対して略平行であり;
    前記取り付け構造の前記側面が、前記ろ過装置の設置面に対して略平行に配置された、請求項1または2に記載のろ過装置。
  4. 前記取り付け構造の前記側面のうち少なくとも前記ろ材側の領域に、前記一次ストレーナを備える、請求項に記載のろ過装置。
  5. 前記集水口がスリット形状または円形状である、請求項またはに記載のろ過装置。
  6. 前記ろ過装置が前記集水装置を複数個有し、以下のいずれかの配列である、請求項のいずれか一項に記載のろ過装置;
    (配列A)前記ろ過装置の設置面と略平行な面内における前記集水装置が1個であり、複数個の集水装置はそれぞれ略鉛直方向に重ねて高さ方向に2段以上に配列される;
    (配列B)前記ろ過装置の設置面と略平行な面内における前記集水装置が複数個であり、複数個の集水装置は高さ方向に1段に配列される;
    (配列C)前記ろ過装置の設置面と略平行な面内における前記集水装置が複数個であり、複数個の集水装置はそれぞれ略鉛直方向に重ねて高さ方向に2段以上に配列される、
    のいずれかの配列である。
  7. 前記取り付け構造が前記ろ過装置の少なくとも1方の側壁を貫通し、
    前記ろ過装置が、前記集水装置の前記底面とは反対側の領域に、前記取出部の取り出し口を備える、請求項のいずれか一項に記載のろ過装置。
  8. 前記取り外し構造が、円筒状の側面構造と、この側面構造の端部に位置する取出部側フランジとを有し;
    前記取り付け構造が、前記取り外し構造の円筒状の側面の外周表面に対応する形状の円筒状の側面構造と、この側面構造の端部に位置する固定部側フランジとを有する、
    請求項のいずれか一項に記載のろ過装置。
  9. 前記取り付け構造が、底面と、前記底面に対して略垂直方向に延在する側面とを備え;
    前記取り付け構造の前記側面が、前記取出部を取り外す方向に対して略平行であり;
    前記取り付け構造の前記側面が、前記ろ過装置の設置面に対して略垂直に配置された、請求項1または2に記載のろ過装置。
  10. 前記取り付け構造の前記底面に、前記一次ストレーナを備える、請求項に記載のろ過装置。
  11. 前記集水口がスリット形状または円形状である、請求項または10に記載のろ過装置。
  12. 前記集水装置を複数個備える、請求項11のいずれか一項に記載のろ過装置。
  13. 前記ろ過装置が、前記集水装置の前記支持層とは反対側の領域に、前記取出部の取り出し口を備える、請求項12のいずれか一項に記載のろ過装置。
  14. 前記取り外し構造がネジであり;
    前記取り付け構造が前記ネジに対応するネジ受けである、請求項13のいずれか一項に記載のろ過装置。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載のろ過装置を用いるろ過方法であって、
    被処理水を、前記ろ材、前記支持層および前記集水装置の順に通水する工程を備える、ろ過方法。
  16. 請求項1~14のいずれか一項に記載のろ過装置の洗浄方法であって、
    前記固定部から前記取出部を取り出す工程と、
    前記取出部を前記ろ過装置の外部で洗浄する工程と、
    前記固定部に前記取出部を固定する工程を備える、ろ過装置の洗浄方法。
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