JP7205840B2 - 好中球性炎症抑制剤及びその使用 - Google Patents

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Description

本開示は、概して好中球性炎症の抑制剤、並びに好中球関連疾患及び/若しくは障害の治療又は予防におけるその使用の分野に関する。
好中球は、微生物の侵入に対する宿主防御システムの必須成分を含む白血球の一種類である。損傷部位の細胞から放出される可溶性炎症性メディエーターに反応して、好中球は血管壁を通過して血流から組織に移動する。損傷部位では、活性化された好中球が、食作用によって、また酸化剤、プロテアーゼ及びサイトカイン等の細胞毒性化合物の放出によって外来細胞を殺す。これらの感染と戦う重要性にも関わらず、好中球自体が組織の損傷を促進することができる。異常な炎症反応の間、好中球は、血管壁又は無傷の組織で有毒物質を放出することによって、重大な組織損傷を引き起こすことができる。あるいは、毛細血管壁に付着する好中球は、虚血によって組織損傷を引き起こしうる。このような異常な炎症反応は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性肺損傷(ALI)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、肝障害、脂肪性肝炎、肝繊維症、虚血再灌流障害、心筋梗塞、ショック、脳卒中、臓器移植、血管炎、全身性紅斑性紅斑(SLE)、敗血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、関節炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、及び炎症性皮膚疾患を含むが、これらに限定されない、様々な臨床的障害の病因に関係する。
発明が解決するための課題
従って、炎症性疾患及び/又はそれに伴われる障害の治療及び/又は予防のための、好中球の異常な活性化を抑制することができる新規な治療薬を目的とする、未だ満たされていない医療ニーズがある。
本開示は、特定の新たに合成された化合物が強力な好中球抑制剤であり、好中球の異常な活性化から生じる炎症プロセスに拮抗することができ、従って、これらの化合物がARDS、ALI、COPD、肺線維症、慢性気管支炎、肺気腫、α1アンチトリプシン欠損症、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、肝障害、脂肪性肝炎、肝線維症、虚血及び再灌流によって引き起こされる損傷、心筋梗塞、ショック、脳卒中、臓器移植、潰瘍性大腸炎、血管炎、SLE、敗血症、SIRS、関節炎、乾癬、アトピー性皮膚炎及び炎症性皮膚疾患等の好中球の異常な活性化に伴われる疾患及び/又は障害を治療するための医薬の開発のためのリード化合物として有用であるとの予期せぬ発見に基づく。
従って、本開示の1つの側面は、式(I)の構造を有する新規の化合物、その塩又はその溶媒和物を提供することである。
Figure 0007205840000001
〔式中、Xは、N又はOである。
は、H若しくはアルキルであるか、又は存在しない。XがOの場合、Rは存在せず、XがNの場合、RはH又はアルキルである。
、R、R及びRは、独立してH、ヒドロキシル、スルフヒドリル、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR、-SR、-(C=O)R、又は-COOHである。
は、アルキル又はハロアルキルである。〕
本開示の1つの好ましい実施態様において、式(I)中、XがNであり、Rがメチルであり、R、R及びRが独立してHであり、Rがヒドロキシルである。
本開示はまた、好中球の異常な活性化に起因する疾患及び/又は障害の治療又は予防に適する医薬組成物を含む。医薬組成物は、式(I)の化合物、その塩又はその溶媒和物、及び薬学上許容される賦形剤を含む。
本開示にはまた、好中球の異常な活性化に伴われる炎症性疾患及び/若しくは障害を有する、又は有することが疑われる対象の治療又は予防のための方法が含まれる。この方法は、好中球の異常な活性化に伴われる炎症性疾患及び/又は障害の症状を改善、軽減及び/又は予防するために、治療上又は予防上有効量の式(I)の化合物、その塩又はその溶媒和物を対象に投与する工程を含む。
本開示の実施態様において、好中球の異常な活性化に伴われる炎症性疾患及び/又は障害が、ARDS、ALI、COPD、肺線維症、慢性気管支炎、肺気腫、α1アンチトリプシン欠損症、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、肝障害、脂肪性肝炎、肝線維症、虚血及び再灌流によって引き起こされる損傷、心筋梗塞、ショック、脳卒中、臓器移植、潰瘍性大腸炎、血管炎、SLE、敗血症、SIRS、関節炎、乾癬、アトピー性皮膚炎及び炎症性皮膚疾患からなる群から選択される。
本開示の1つの好ましい実施態様において、炎症性疾患及び/又は障害はARDSである。
本開示の1つの好ましい実施態様において、炎症性疾患及び/又は障害はALIである。
本開示の他の好ましい実施態様において、炎症性疾患及び/又は障害は乾癬である。
本開示のいくつかの実施態様において、式(I)の化合物が0.001~100mg/kgの量で対象に投与される。
本開示の好ましい実施態様において、対象はヒトである。
本開示の1以上の実施態様の詳細は、以下の明細書に記載される。本発明の他の特徴及び利点は、詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかである。
前述の一般的な記載及び以下の詳細な説明の両方は、例によるものであり、クレームされた発明の更なる説明を提供することが意図されていることが理解されるべきである。
本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の様々な側面の様々な例示的なシステム、方法、及び他の例示された実施態様を示す。添付の図面に照らして以下の詳細な説明を読むことで、本説明がよりよく理解される。
マウスのイミキモド誘発乾癬に対する化合物HKI-4971の効果を示す。(A)IMQ群(左)とHKI-4971群(右)のマウスの表現型を示す。(B)IMQ群マウスの皮膚の顕微鏡写真を示す。(C)HKI-4971群マウスの皮膚の顕微鏡写真を示す。スケールバー=1mm。 本開示の1つの実施態様の化合物HKI-4971で処置された乾癬マウスから採取された皮膚のH&E染色及び免疫組織化学染色を示す。スケールバー=100μm。 イミキモド誘発マウスの肝臓及び腎臓の機能に対するHKI-4971の効果を示す。(A)アラニンアミノトランスフェラーゼ、(B)アスパラギン酸トランスアミナーゼ、(C)血中尿素窒素、及び(D)クレアチニンを測定した。データは、平均値±SEM(n=3)で表される。 リポ多糖(LPS)によって誘発されるマウスの急性肺損傷(ALI)に対するHKI-4971の効果を示す。(A)肺組織のミエロパーオキシダーゼ(MPO)活性。(B)上のパネル:肺の代表的な写真。下のパネル:光学顕微鏡によるH&E及び免疫組織化学で染色された肺切片の顕微鏡写真。データは、平均値±SEM(n=3)で表される。スケールバー=100μm。***P<0.01。
添付の図面に関連して以下に提供される詳細な説明は、本開示の説明として意図され、本開示が構築又は利用される形態のみを表すことを意図したものではない。
1.定義
用語「アルキル」には、置換及び非置換の直鎖、分岐及び環状のアルキルが含まれる。特に明記されていない限り、アルキルの実例は、独立して任意に置換され、すなわち、非置換(「非置換アルキル」)であるか、又は1以上の置換基で置換(「置換アルキル」)される。化学構造又は化学基を説明するために使用される場合、用語「置換」は、1以上の水素原子が1以上のハロ、ハロアルキル又はヒドロキシで置換された化学構造又は化学基の誘導体を表す。特定の実施態様において、アルキルは非置換のアルキルであり、特に、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の1~6個の炭素原子を有するアルキル(すなわち、低級アルキル)である。特定の実施態様において、アルキルは、少なくとも1つの置換基で置換(例えば、ハロアルキル)される。
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、-F)、塩素(クロロ、-Cl)、臭素(ブロモ、-Br)、又はヨウ素(ヨード、-I)を表す。
用語「ハロアルキル」は、上で定義したアルキルに結合した、1、2、3、4、5、6又はそれ以上のハロゲン原子を有するアルキルを意味する。ハロアルキルには、フルオロアルキル、クロロアルキル、ブロモアルキル及びヨードアルキルが含まれる。「フルオロアルキル」は、アルキルに結合した、1、2、3、4、5、6又はそれ以上のフッ素原子を有するアルキルを表す。ハロアルキルは、1種類を超えるハロゲン原子を含んでもよい。例えば、フルオロアルキルには、1以上のフッ素原子と1以上の塩素原子を有するアルキルが含まれる。ハロアルキルは、ハロゲン原子ではない1以上の置換基で置換されていてもよい。
用語「アルコキシ」は、式:-OR’〔式中、R’は、任意に置換された、本明細書に記載されたアルキルである。]の基を表す。
本開示は、上記の例示的な置換基による態様に制限されることを意図していない。
用語「塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずに、ヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的な利益/リスクの比率が釣り合う薬学上許容される塩を表す。薬学上許容される塩は、当技術分野でよく知られている。本発明の化合物の薬学上許容される塩には、適切な無機及び有機の酸及び塩基に由来するものが含まれる。薬学上許容される無毒の酸添加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸等の無機酸と、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸等の有機酸と形成された、又はイオン交換等の当技術分野で知られている他の方法を用いて形成されたアミノ基の塩である。他の薬学上許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN(C1-4アルキル)塩が含まれる。代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が含まれる。更に、薬学上許容される塩には、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩等の対イオンを用いて形成される、無毒のアンモニウム、第四級アンモニウム及びアミンカチオンが含まれる。
用語「溶媒和物」は、通常は加溶媒分解反応によって溶媒に伴われた化合物の形態を表す。この物理的な会合には、水素結合が含まれうる。従来の溶媒には、水、メタノール、エタノール、酢酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル等が含まれる。本明細書中に記載される化合物は、例えば、結晶の形態で調製することができ、溶媒和されていてもよい。適切な溶媒和物には、薬学上許容される溶媒和物が含まれ、更に、化学量論的な溶媒和物と非化学量論的な溶媒和物の両方が含まれる。特定の例では、例えば、1以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、溶媒和物を分離することができる。「溶媒和物」には、溶液相と単離可能な溶媒和物の両方が含まれる。代表的な溶媒和物には、水和物、エタノール和物、及びメタノール和物が含まれる。
用語「水和物」は、水に伴われた化合物を表す。典型的には、化合物の水和物に含まれる水分子の数は、水和物中の化合物分子の数に対して明確な比率になる。従って、化合物の水和物は、例えば、一般式:R・xHO〔式中、Rは化合物であり、xは0より大きい数である。〕で表されてもよい。与えられた化合物は、例えば、一水和物〔xは1である。〕、低水和物〔xは0より大きく、1より小さい数である。〕、例えば、半水和物(R・0.5HO)、多水和物〔xは1より大きい数である。〕、例えば、二水和物(R・2HO)、六水和物(R・6HO)を含む、1つを超える種類の水和物を形成しうる。
用語「薬学上許容される賦形剤」は、医薬組成物中で他の成分と適合性があり、投与後に対象を危険にさらさない化合物を表す。
特に明記されていない限り、本明細書中で用いられる用語「有効量」は、望ましい応答をもたらすのに十分な化合物の量を表す。治療目的のために、有効量は、治療上有益な効果が化合物の毒性又は有害な影響がよりも上回る量でもある。特定の有効量又は十分な量は、治療される特定の状態、患者の身体的状態(例えば、患者の体重、年齢又は性別)、治療される哺乳動物又は動物の種類、治療期間、(もしあれば)併用療法の特性、用いられる特定の製剤、化合物又はその誘導体の構造等の要因で異なる。有効量は、例えば、グラム、ミリグラム、マイクログラム、又は体重1キログラム当たりのミリグラム(mg/kg)で表すことができる。又は、有効量は、モル濃度、質量濃度、体積濃度、モル濃度、モル分率、質量分率、混合比等の有効成分(例えば、本開示の式(I)の化合物)の濃度で表すことができる。更に、本関連技術の当業者は、動物モデルから決定された用量に基づいて、医薬品(例えば、本開示の化合物等)のヒト等価用量(HED)を計算することができる。例えば、当業者は、ヒト対象に使用する安全な最大用量を概算する際、米国食品医薬品局(FDA)が発行した“Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers”のタイトルの産業界向けガイダンスに従うことができる。
特に明記されていない限り、化合物の「治療上有効量」は、疾患若しくは状態の治療又は管理において治療上の利益を提供し、又はその疾患若しくは状態に伴われる1以上の症状を遅らせるか最小化するのに十分な量である。化合物の治療上有効量は、疾患若しくは状態の治療又は管理において治療上の利益を提供する、単独の、又は他の治療法と組み合わせた治療薬の量である。用語「治療上有効量」は、治療を全体的に改善する、症状若しくは状態の症状又は原因を軽減又は回避する、あるいは他の治療薬の治療効果を高める量を含むことができる。
特に明記されていない限り、化合物の「予防上有効量」は、疾患若しくは状態、又はその疾患若しくは状態に伴われる1以上の症状を予防し、あるいはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防上有効量は、疾患の予防において予防上の利益を提供する、単独の、又は他の薬剤と組み合わせた治療薬の量である。用語「予防上有効量」は、予防を全体的に改善するか、または別の予防薬の予防効果を高める量を含むことができる。
特に明記されていない限り、用語「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、患者が特定の疾患又は障害に苦しんでいる間に発生し、その疾患若しくは障害、又はその1以上の症状の重症度を低下させ、又はその疾患若しくは障害の進行を阻害し又は遅らせる作用を想定している。
用語「対象」又は「患者」は、本明細書で交換可能に使用され、本発明の化合物で治療可能であるヒト種を含む哺乳動物を意味することを意図している。用語「哺乳動物」は、ヒト、霊長類;ウサギ、ブタ、ヒツジ及びウシ等の飼育動物及び家畜;動物園、スポーツ又はペット動物;マウス及びラット等のげっ歯類を含む、哺乳網のすべての動物を表す。更に、用語「対象」又は「患者」は、一方の性別が具体的に示されていない限り、雄と雌の両方の性別を表すことを意図している。従って、用語「対象」又は「患者」は、本開示の治療方法から利益を得る可能性のある任意の哺乳動物を含む。「対象」又は「患者」の例には、ヒト、ラット、マウス、モルモット、サル、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、鳥及び家禽が含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施態様において、対象はヒトである。
化学構造又は化学構造の一部の立体化学が、例えば太線又は破線で示されていない場合、化学構造又は化学構造の一部が、その立体異性体のすべてを包含すると解釈すべきであることにも注意すべきである。同様に、1以上のキラル中心を有し、それらの中心の立体化学が特定されていない化合物の名前には、純粋な立体異性体とその混合物が含まれる。更に、図中で示される原子価が満たされていない原子は、原子価を満たすのに十分な水素原子に結合しているとみなされる。
本発明の広い範囲を定める数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体的な実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかし、数値には、それぞれの試験測定で見られた標準偏差に必然的に起因する特定の誤差が本質的に含まれる。また、本明細書で使用される用語「約」は、通常、指定された値又は範囲の10%、5%、1%又は0.5%以内を表す。あるいは、用語「約」は、当業者によって考慮された場合、許容可能な平均値の標準誤差内を意味する。操作例/実施例を除いて、又は特に明記されていない限り、本明細書中に記載される、材料の量、時間、温度、操作条件、量の比率等の数値範囲、量、値及びパーセントのすべては、すべての事例で用語「約」によって変更されていると理解するべきである。従って、異なって記載されていない限り、本開示及び添付の特許請求の範囲で規定される数値パラメータは、必要に応じて変更できる近似値である。最低でも、各数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の丸め手法を適用することで少なくとも解釈されるべきである。
単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈中に明確に異なって規定されていない限り、複数形の指示物を含むように、本明細書で使用される。
2.好中球抑制剤
本開示の発明者は、予期せずに、特定の合成化合物が好中球性炎症の強力な抑制剤であることを確認した。本開示の化合物は、好中球の異常な活性化によって引き起こされる炎症過程に拮抗することができることを見出した。従って、これらの化合物は、炎症性疾患及び/又はそれに伴われる障害を治療するための医薬の開発のためのリード化合物として有用である。
本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載の式(I)の構造、及びその薬学上許容される塩又は溶媒和物を有することができる。
Figure 0007205840000002
一部の実施態様において、それらの化合物は、式(I)の塩、溶媒和物又は水和物であることができる。
式(I)中、Xは、N又はOであることができる。あるいは、又は加えて、Rは、H若しくはアルキルであるか、又は存在しない。XがOの場合、Rは存在せず、XがNの場合、RはH又はアルキルである。更に、Rは、置換又は非置換であることができる。特定の実施態様において、Rは、メチルである。
あるいは、又は加えて、R、R、R及びRは、独立してH、ヒドロキシル、スルフヒドリル、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR、-SR、-(C=O)R、又は-COOHである。Rは、アルキル又はハロアルキルである。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、R、R、R及びRが独立してHである、化合物3であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、R、R及びRが独立してHであり、Rがフルオロである、化合物4であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、Rが-ORであり、Rがメチルであり、R、R及びRが独立してHである、化合物7であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、RがHであり、R、R及びRが独立して-ORであり、Rがメチルである、化合物8であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、Rが-(C=O)Rであり、Rがメチルであり、R、R及びRが独立してHである、化合物10であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、Rがヒドロキシルであり、R、R及びRが独立してHである、化合物11であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、Rがヒドロキシルであり、R、R及びRが独立してHである、化合物12であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、Rがヒドロキシルであり、R、R及びRが独立してHである、化合物13であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、R、R及びRが独立してHであり、Rがカルボキシルである、化合物15であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、Rがスルフヒドリルであり、R、R及びRが独立してHである、化合物16であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがNであり、Rがメチルであり、Rがクロロであり、R、R及びRが独立してHである、化合物17であることができる。
特定の実施態様において式(I)の化合物は、XがOであり、Rがヒドロキシであり、R、R及びRが独立してHである、化合物28であることができる。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、XがOであり、Rが3つのフルオロで置換されたアルキル(すなわち、トリフルオロメチル(-CF))であり、R、R及びRが独立してHである、化合物30であることができる。
本開示の化合物は、好中球の活性を選択的に抑制することができる。この好中球の活性の抑制には、スーパーオキシドアニオンの放出、活性酸素種の放出、ミエロパーオキシダーゼの放出、エラスターゼの放出、好中球の凝集、プラスチック表面への接着、血管内皮細胞への接着、化学走性、及び単層の内皮細胞を横切る移動である、好中球による活性の1以上の抑制が含まれる。いくつかの実施態様において、本開示の化合物は、ホルミル-L-メチオニル-L-ロイシル-L-フェニルアラニン(fMLF)活性化好中球から生成されるスーパーオキシドアニオンを抑制することができる。他の実施態様において、本開示の化合物は、fMLF活性化好中球からのエラスターゼの放出を抑制することができる。
本開示の化合物によるスーパーオキシドアニオン生成の抑制は、式(I)の化合物、その塩又は溶媒和物がfMLF活性化好中球と直接又は間接的に接触したときの、本開示の化合物の半数阻害濃度(IC50)値で測定することができる。特定の実施態様において、本開示の化合物のIC50値は、fMLF活性化好中球中のスーパーオキシドアニオン生成の抑制のために、最大で約4nM、最大で約0.5μM、最大で約5μM、最大で約8μM、最大で約10μMである。特定の実施態様において、本開示の化合物のIC50値は、fMLF活性化好中球のエラスターゼの放出の抑制のために、少なくとも約30nM、少なくとも約2μM、少なくとも約5μM、少なくとも約10μMである。
3.化合物の調製方法
本明細書に記載される化合物はいずれも、当技術分野で公知の通常の方法で、又は実施例に記載される方法で調製することができる。
一般に、本明細書に記載される化合物(例えば、式(I)の化合物)は、ピラゾロ[4,3-c]キノリン(すなわち、実施例1の化合物2a又は2b)を置換アニリン(例えば、2-メトキシアニリン、4-フルオロアニリン等)と処理(例えば、接触)することで調製できる。反応(例えば、接触の工程)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、エタノール、プロパノール等の非プロトン性溶媒中で行うことができる。反応は薄層クロマトグラフィー(TLC)又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で監視され、生成物はMS及びNMRスペクトルで同定される。
4.医薬組成物及びキット
本開示はまた、炎症性疾患及び/又は障害、特に好中球の異常な活性化に伴われるものの治療又は予防のための医薬組成物も含む。医薬組成物は、治療上又は予防上有効量の本開示の式(I)の化合物(例えば、化合物13)、その塩又はその溶媒和物、及び薬学上許容される賦形剤を含む。
式(I)の化合物は、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.1~99重量%で存在する。いくつかの実施態様において、式(I)の化合物は、医薬組成物の総重量に基づいて、少なくとも1重量%で存在する。特定の実施態様において、式(I)の化合物は、医薬組成物の総重量に基づいて、少なくとも5重量%で存在する。更に他の実施態様において、式(I)の化合物は、医薬組成物の総重量に基づいて、少なくとも10重量%で存在する。更にまだ他の実施態様において、式(I)の化合物は、医薬組成物の総重量に基づいて、少なくとも25重量%で存在する。
特定の医薬組成物は、患者への、経口、粘膜(例えば、経鼻、舌下、経膣、バッカル、又は経直腸)、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内、又は動脈内)、又は経皮投与に適した単一単位の剤形である。剤形の例には、錠剤;カプレット;ソフト弾性ゼラチンカプセル等のカプセル;カシェ剤;トローチ剤;分散剤;坐剤;軟膏;貼付剤(湿布);ペースト剤;散剤;包帯材;クリーム剤;絆創膏;溶液剤;パッチ剤;エアロゾル剤(例えば、経鼻スプレー又は吸入器);ゲル剤;懸濁液(例えば、水性又は非水性液体懸濁液、水中油型乳剤、又は油中水型液体乳剤)を含む、患者への経口又は粘膜投与に適した液体剤形;患者への非経口投与に適した液体剤形;及び、患者への非経口投与に適した液体剤形を提供するために再構成することができる滅菌固形物(例えば、結晶性又は非晶質固形物)が含まれるが、これらに限定されない。
製剤は、投与方法に適している必要がある。例えば、経口投与では、消化管内での分解から本発明の化合物を保護するために腸溶コーティングが必要である。同様に、製剤は、作用部位への有効成分の送達を容易にする成分を含んでもよい。例えば、分解酵素から化合物を保護し、循環系での輸送を促進し、細胞膜を越えて細胞内部位に送達するために、リポソーム製剤で化合物を投与してもよい。
同様に、難溶性化合物は、可溶化剤、乳化剤、界面活性剤、及び非水性溶媒を用いて、液体剤形(及び、再構成に適した剤形)に組み入れることができる。可溶化剤、乳化剤及び界面活性剤には、例えばシクロデキストリン(例えば、α-シクロデキストリン、又はβ-シクロデキストリン)が含まれるが、これらに限定されない。非水性溶媒には、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、生体適合性油(例えば、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、及びこれらの混合物(例えば、DMSO及びコーン油)が含まれるが、これらに限定されない。
剤形の組成、形状、及び種類は、その用途によって異なる。例えば、疾患の急性治療に用いらる剤形には、同じ疾患の慢性治療に用いられる剤形よりも多くの1以上の有効成分が含まれてもよい。同様に、非経口剤形には、同じ疾患の治療に用いられる経口剤形よりも少量の1以上の有効成分が含まれてもよい。本発明に含まれる特定の剤形が互いに異なるこれらの方法及び他の方法は、当業者に容易に明らかである。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,Easton PA(1990)を参照下さい。
4.1 経口剤形
経口投与に適する本発明の医薬組成物は、個別の剤形として提供することができる。この剤形には、錠剤(例えば、チュアブル錠剤)、カプレット、カプセル及び液剤(例えば、フレーバー・シロップ)等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの剤形には、所定量の有効成分が含まれ、当業者によく知られる調剤方法で調製することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,Easton PA(1990)を参照下さい。
典型的な経口剤形は、従来の医薬品調合技術に従って、少なくとも1つの賦形剤との密接な混合物中に有効成分を組み合わせることで調製される。賦形剤は、投与に望ましい調製物の形態に応じて、様々な形態を取ることができる。
投与の容易さのため、錠剤及びカプセルは最も有利な経口剤形を代表する。必要に応じて、錠剤は、標準的な水性又は非水性の技術で被覆することができる。一般に、医薬組成物及び剤形は、有効成分を液体担体、細かく分割された固体担体、又はその両方と均一に密接に混合し、必要に応じて組成物を成形することで調製される。迅速な溶解を容易にするために、崩壊剤を固形剤形に組み込むことができる。剤形(例えば、錠剤)の製造を容易にするために、潤滑剤を組み込むこともできる。
4.2 非経口剤形
非経口剤形は、様々な経路によって患者に投与することができる。その経路には、皮下、静脈内(ボーラス注射を含む)、筋肉内及び動脈内が含まれるが、これらに限定されない。一般に、これらの投与は汚染物質に対する患者の生来の防御を迂回するため、非経口剤形は、特に滅菌されているか、患者への投与前に滅菌することができる。非経口剤形の例には、注射の準備ができている溶液剤、注射用薬学上許容される媒体に溶解又は懸濁する準備ができている乾燥製剤、注射の準備ができている懸濁剤、及び乳剤が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の非経口剤形の提供のために用いることができる適切な媒体は、当業者によく知られている。その例には、水、水性媒体、水混和性媒体及び非水性媒体が含まれるが、これらに限定されない。水性媒体には、塩化ナトリウム溶液、リンゲル液、デキストロース溶液等が挙げられるが、これらに限定されない。水混和性媒体には、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されない。非水性媒体には、コーン油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル等が含まれるが、これらに限定されない。
4.3 経皮剤形、局所剤形及び粘膜剤形
経皮剤形、局所剤形及び粘膜剤形には、眼科溶液剤、スプレー剤、エアロゾル剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏、ゲル剤、溶液剤、乳濁剤、懸濁液、又は当業者に公知のその他の剤形が含まれるが、これらに限定されない。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,Easton PA(1990)を参照下さい。経皮剤形には、「リザーバー型」パッチ剤又は「マトリックス型」パッチ剤が含まれる。これらのパッチは、皮膚に貼付して、必要な量の有効成分が透過する特定の期間、着けることができる。
経皮剤形、局所剤形及び粘膜剤形の提供に用いることができる適切な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)及び他の材料は、製薬業界の当業者によく知られており、医薬組成物又は剤形に適用される特定の組織に依存する。
治療される特定の組織に応じて、本発明の有効成分による治療の前に、治療と併せて、又は治療に続いて、他の成分を用いることができる。例えば、有効成分の組織への送達を支援するために、浸透促進剤を用いることができる。
1以上の有効成分の送達を改善するために、医薬組成物若しくは剤形のpHを、又は医薬組成物又は剤形が適用される組織のpHを、調整することもできる。同様に、送達を改善するために、溶媒担体の極性、イオン強度又は張度を調整することができる。送達を改善するために、ステアリン酸塩等の化合物を医薬組成物又は剤形に添加して、1以上の有効成分の親水性又は親油性を有利に変更することもできる。この点に関して、ステアリン酸塩は、製剤の脂質媒体として、乳化剤又は界面活性剤として、及び送達促進剤又は浸透促進剤として機能することができる。得られる組成物の特性を更に調整するために、有効成分の異なる塩、水和物、又は溶媒和物を用いることができる。
4.4 キット
また、本開示中に、対象の好中球に関連する疾患及び/若しくは障害の治療又は予防に有用な材料を含む製品又は「キット」が含まれる。
1つの実施態様において、キットは、本開示の化合物を含む容器を含む。キットは、炎症性疾患及び/又は障害、特に好中球の異常な活性化に伴われるもの、例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎(CB)、肺気腫、α1アンチトリプシン欠損症、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、成人呼吸窮迫症候群、乾癬、関節リウマチ、潰瘍性胆管炎、敗血症、及び虚血及び再灌流によって引き起こされる損傷の治療又は予防に適する。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、注射器、ブリスターパック等が含まれる。容器は、ガラス、プラスチック等の様々な材料で形成されていてもよい。容器は、好中球の異常な活性化に伴われる炎症性疾患及び/若しくは障害の治療上又は予防上有効量の、本開示の化合物又はその医薬製剤を保持してよく、また、無菌のアクセスポートを有してよく、例えば、容器は、皮下注射針で貫通可能なストッパーを備えた静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい。キットは、更にラベル又は添付文書を容器上に又は容器に伴われて含んでもよい。ラベル又は添付文書は、その組成物が選択された症状を治療するために使用されることを示す。あるいは、又は加えて、キットは、更にリン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液、又はデキストロース溶液等の薬学上許容される緩衝液を含む第2の容器を含んでもよい。キットは、更に商業的観点及び使用者の観点から望ましい他の材料、例えば、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、注射器等を含んでよい。
キットは、更に本発明の化合物の投与に関する指示書、及び存在する場合、好中球の異常な活性化に伴われる炎症性疾患及び/若しくは障害を治療又は予防するための第2の製剤を含んでよい。例えば、キットが、本開示の化合物を含む第1の組成物と、第2の医薬製剤を含む場合、キットは、更に、第1及び第2の医薬組成物のそれを必要とする患者への、同時に、続いて又は個別に投与するための指示書を含んでよい。
他の実施態様において、キットは、本開示の化合物の固形経口形態の送達に適する。そのキットは、例えば、いくつかの投薬単位を含む。そのキットは、投薬単位を意図された使用の順序に合わせるカードを含む。そのキットの例は「ブリスターパック」である。ブリスターパックは包装業界でよく知られており、医薬品単位剤形の包装に広く使用されている。所望であれば、例えば、数字、文字若しくはその他のマークの形式で、又は投薬単位を投与する治療スケジュールの日を指定するカレンダー挿入物で、補助することができる。
1つの実施態様において、キットは、少なくとも(a)式(I)の本化合物を含む第1の容器;及び任意に(b)既知の抗炎症剤、抗生物質、抗新生物剤又は心血管薬のいずれかである第2の治療薬を含む第2の容器;及び(c)キットの使用方法を使用者に指示するためのキットに伴われた説明文を含んでもよい。説明文は、パンフレット、テープ、CD、VCD又はDVDの形式であってよい。
5.治療方法
本開示の化合物は、好中球シグナル伝達の活性化に拮抗することができるため、炎症性疾患及び/又は障害、特に好中球の異常な活性化に伴われるものを治療する医薬品の開発のためのリード化合物として有用である。従って、本発明は、ARDS、ALI、COPD、肺線維症、慢性気管支炎、肺気腫、α1アンチトリプシン欠損症、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、肝障害、脂肪性肝炎、肝線維症、虚血及び再灌流によって引き起こされる損傷、心筋梗塞、ショック、脳卒中、臓器移植、潰瘍性大腸炎、血管炎、SLE、敗血症、SIRS、関節炎、乾癬、アトピー性皮膚炎及び炎症性皮膚疾患等の好中球関連疾患及び/又は障害の治療又は予防のための式(I)の化合物の治療的使用に関する。
従って、本発明は、好中球の異常な活性化に伴われる炎症性疾患及び/又は障害を有する、又は有することが疑われる対象の治療又は予防のための方法を包含する。本方法は、好中球の異常な活性化に伴われる炎症性疾患及び/又は障害の症状を回復、軽減又は予防するように、治療上又は予防上有効量の式(I)の化合物、その塩又はその溶媒和物を対象に投与する工程を含む。
本開示の式(I)の化合物は、本開示の実施例で記載された方法に従って合成することができる。
本開示の実施態様において、好中球の異常な活性化に伴われる炎症性疾患及び/又は障害は、ARDS、ALI、COPD、肺線維症、慢性気管支炎、肺気腫、α1アンチトリプシン欠損症、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、肝障害、脂肪性肝炎、肝線維症、虚血及び再灌流によって引き起こされる損傷、心筋梗塞、ショック、脳卒中、臓器移植、潰瘍性大腸炎、血管炎、SLE、敗血症、SIRS、関節炎、乾癬、アトピー性皮膚炎及び炎症性皮膚疾患であることができる。
これらの疾患及び/又は障害の他の既存の治療法を、本治療法と一緒に使用することもできる。従って、本発明は、式(I)の化合物の投与の前に、一緒に、又は後に、好中球の活性化に伴われる炎症性疾患及び/又は障害を治療するために従来使用される他の治療薬の投与も包含する。炎症性疾患及び/又は障害を治療するために従来使用される治療薬は、既知の抗炎症薬(例えば、ステロイド)、抗生物質(例えば、ペニシリン)、抗新生物薬又は心血管薬であることができる。例えば、ARDSを治療する場合、式(I)の化合物、その塩又はその溶媒和物を喘息患者に投与することに加えて、本方法は、ARDSに伴われる気管支収縮又は気管支痙攣のレベルを減弱、減少又は緩和することが知られる任意の薬剤の投与を更に含むことができる。
本開示の実施態様において、対象に式(I)の化合物を、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007,0.008、0.009、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99及び100mg/kg等の約0.001~100mg/kgの量で、投与することができる。好ましくは、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89及び90mg/kg等の約0.01~90mg/kgの量で、投与することができる。より好ましくは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79及び80mg/kg等の約0.11~80mg/kgの量で、投与することができる。
式(I)の化合物、その塩又はその溶媒和物の量、投与経路及び投与スケジュールは、治療、予防又は管理される特定の適応症、及び患者の年齢、性別及び状態等の要因に依存する。これらの要因が果たす役割は、当技術分野ではよく知られており、日常的な試験によって調整することができる。
以下の実施態様を参照して、本発明をより具体的に説明する。これらは、限定ではなく説明の目的で示される。これらは、通常用いられるものを代表しており、これらに代えて、当業者に知られている他の手順、方法論又は技術を用いることができる。
材料及び方法
好中球の調製
ヒト好中球は、デキストラン沈降とフィコール遠心分離によって、リポ多糖を含まない状態で得られた。
動物
7~8週齢の雄のBALB/cマウスは、BioLASCO(台湾,台北)から購入し、12時間の明暗サイクルの部屋で飼育した。標準的な実験用固形飼料及び水を自由摂取させた。すべての動物実験手順は、長庚大学の動物実験委員会によって承認されたガイドラインに従って実施された。
・- 生成の測定
・-生成を、SOD阻害可能なフェリチトクロームcの還元に基づいて決定した。簡単に説明すると、0.5mg/mLフェリチトクロームc及び1mMCaを補充した後、37℃で様々な濃度(0.001~10μM)の候補化合物で好中球(6×10/mL)を5分間処理した。次に、サイトカラシンB(CB,1μg/mL)の3分間の前処理で、fMLF(0.1μM)で細胞を10分間活性化した。一定の攪拌を備えたsix-cell positionerダブルビーム分光光度計(U-3010,株式会社日立ハイテクサイエンス,日本,東京)で、550nmのフェリチトクロームcの還元による吸光度の変化を、継続的に監視した。フェリチトクロームc(ε=21.1mM-1/10mm)の還元の吸光係数で割ったSOD(100U/ml)の存在及び不存在の反応の違いに基づいて、計算した。
エラスターゼ放出の測定
エラスターゼ放出の測定のためのエラスターゼ基質として、メトキシスクシニル-Ala-Ala-Pro-Val-p-ニトロアニリドを用いた。簡単に説明すると、メトキシスクシニル-Ala-Ala-Pro-Val-p-ニトロアニリド(100μM)を補充した後、好中球(6×10/mL)を37℃で2分間平衡化し、様々な濃度の候補化合物と5分間インキュベートした。次に、CB(0.5μg/mL)の3分間の前処理で、fMLF(0.1μM)で細胞を10分間活性化した。405nmの吸光度の変化を継続的に監視して、エラスターゼの放出を評価した。その結果を、薬物の無い対照群のDMSOにおけるエラスターゼ放出のパーセントとして表す。
細胞生存率試験
市販のキット(Promega)を用いて乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)のレベルを測定することで、好中球に対する候補化合物の細胞毒性を評価した。LDHは、細胞膜が破壊された場合(すなわち、細胞死)にのみ放出される細胞質ゾルの酵素であり、従って細胞の生存率の指標として用いることができる。キットは、LDHがNADをNADHに還元する時の色の変化(λmax=450nm)を測定する。細胞毒性を、総LDH活性と比較した無細胞培地で得られたLDH活性のパーセントとして表した。総LDH活性を、37℃で30分間細胞を0.1%のTriton X-100で溶解することで決定した。
LPS誘発ALIモデル
10%DMSO及び20%Kolliphor EL(Sigma-Aldrich,米国)を含む50μlの生理食塩水に候補化合物(例えば、HKI-4971)を溶解し、マウスを候補化合物で静脈内注射で前処理した。投与の1時間後、マウスをゾレチル50(30mg/kg)及びキシラジン(6mg/kg)で麻酔し、40μlの通常の生理食塩水に溶解した50μgのLPS(Escherichia coli 0111:B4;Sigma-Aldrich,米国)の気管内エアゾールスプレーでチャレンジした。コントロールのLPSスプレーの無いマウスには生理食塩水を注射した。接種の5時間後、マウスを頸椎脱臼で犠牲にし、肺を除去した。肺の左葉は、組織学的検査のために10%中性緩衝ホルマリンで固定され、右4葉をMPO活性のために分析した。
ミエロパーオキシダーゼ(MPO)活性アッセイ
MagNA Lyser Instrument(Roche,ドイツ)を用いて、0.5%(w/v)ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HETAB)(Sigma-Aldrich,米国)を含むPBS(50Mm,pH6.0)で肺組織をホモジナイズした。更に、4℃で20分間12,000×gで遠心分離して不溶性物質を除去した。パーオキシダーゼ活性を、o-ジアニシジン二塩酸塩(Sigma-Aldrich,米国)の酸化で測定した。簡単に説明すると、ホモジネートに0.001%Hを含む0.2mg/mlのo-ジアニシジン二塩酸塩を加え、室温で10分間インキュベートした。吸収を405nmで分光光度的に決定した。MPO活性を、ブラッドフォード法(Bio-Rad,米国)に基づいてタンパク質濃度に正規化した。
マウスのイミキモド誘発乾癬様皮膚炎症
イミキモド誘発乾癬様プラークモデルの開発に、7~8週齢の雄のBALB/cマウスを用いた。マウスの背部皮膚を剃毛した。腹腔内注射による試験化合物(例えば、HKI-4971)の処置と共に、又は処置無しに、62.5mgの5%イミキモド(IMQ)クリーム(Aldara,MEDA Pharma,スウェーデン)を毎日7日間連続で背部皮膚に局所投与した。
組織病理学及び免疫組織化学
組織サンプルを10%中性緩衝ホルマリンで固定し、パラフィンブロックに埋め込んだ。5μmの厚さのサンプルの切片を準備し、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色した。免疫組織化学染色のために、切片をLy6g、MPO及びki67に対する一次抗体とインキュベートした。次に、一次抗体の検出のために、SuperPicture Polymer Detection Kit(Thermo Fisher,米国)の製造者の指示書に従って、二次抗体を適用した。最後に、続いて、切片のスライドをDAB発色団で染色し、ヘマトキシリンで対比染色した。
統計分析
その結果を平均±平均の標準誤差(SEM)で表し、スチューデントt検定を用いて比較した。0.05以下の確率が有意であると見なした。統計分析にソフトウェアSigmaPlotを用いた。
実施例1 式(I)の化合物の製造と特徴
1.1 式(I)の化合物の製造
一般に、式(I)の化合物は、スキームIに記載された手順に従って合成された。
Figure 0007205840000003
Figure 0007205840000004
4-クロロ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物2a:X=N,R =CH
EtOH(100mL)中の2,4-ジクロロ-3-シアノキノリン(5.48g,24.6mmol)及びメチルヒドラジン(2.21g,48.0mmol)の混合物を2時間還流した(TLC監視)。反応混合物を真空下で濃縮し、沈殿物を濾過して収集し、EtOH及びHOで洗浄し、乾燥して淡黄色固体を得た。粗生成物をEtOHで再結晶し、化合物2a(4.23g,74%)を得た。
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6):δ 7.65-7.78 (m, 2H, Ar-H), 7.92-7.96 (m, 1H, Ar-H), 7.39-7.44 (m, 1H, Ar-H)
4-クロロイソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物2b:X=O,R =H)
EtOH(30mL)中の2,4-ジクロロ-3-シアノキノリン(1.12g,5mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.03g,15mmol)及びKCO(2.07g,15mmol)の混合物を1時間還流した(TLC監視)。反応混合物を真空下で濃縮し、HO(100mL)を加えた。沈殿物をろ過して収集し、HOで洗浄し、乾燥して黄色固体を得た。粗生成物をMeOHで再結晶し、化合物2b(0.71g,65%)を得た。
mp.:194-196℃
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 7.52-7.60 (m, 1H, Ar-H), 7.73-7.78 (m, 2H, Ar-H), 8.06 (d, 1H, J = 7.6 Hz, Ar-H), 8.72 (br s, 2H, NH2)
4-置換-アニリノ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物3-18)及び4-置換-アニリノイソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物19-33)の合成の一般的な手順
DMF(25mL)中の化合物2a又は2b(2mmol)及び適切な置換アニリン(4mmol)の混合物を2~5時間攪拌しながら還流した(TLC監視)。混合物を冷却し、真空下で濃縮して残留物を得た。残留物をHO(50mL)で処理した。得られた沈殿物をHOで洗浄し乾燥して粗固形物を得た。粗固形物EtOHから再結晶化した。
各化合物を以下の測定で同定した。薄層クロマトグラフィー(TLC)(EM Laboratories,Inc製のプレコート(0.2mm)シリカゲル60F254プレート),UV光(254nm)で検出。融点(Electrothermal IA9100デジタル融点装置;未修正)。H及び13C NMRスペクトル(400及び100MHzのVarian-Unity-400分光計、又は200及び50MHzのVarian-Gemini-200分光計、内部標準(0ppm)としてSiMeを用いたppm単位の化学シフトδ、及びHz単位のカップリング定数J)。元素分析はHeraeus CHN-O-Rapid元素分析装置で実行され、その結果は計算値の±0.4%以内であった。
4-アニリノ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物3,HKI-4961)
収率:40%
mp.:186-187℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 4.19 (s, 3H, NCH3), 5.58 (br s, 2H, NH2), 6.99-7.03 (m, 1H, Ar-H), 7.33-7.37 (m, 3H, Ar-H), 7.52-7.56 (m, 1H, Ar-H), 7.67-7.70 (m, 1H, Ar-H), 7.95-7.97 (m, 2H, Ar-H), 8.22-8.24 (m, 1H, Ar-H), 8.25 (br s, 1H, NH)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 39.18, 99.13, 114.49, 119.93 (2C), 121.71, 121.96, 122.46, 126.96, 128.45 (2C), 128.51, 140.52, 140.67, 146.07, 147.29, 148.95
元素分析:C17H15N5として計算値:C 70.57, H 5.23, N 24.21;実測値:C 70.20, H 5.24, N 24.14
4-(4-フルオロアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物4,HKI-4962)
収率:62%
mp.:218-219℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 4.19 (s, 3H, NCH 3), 5.90 (br s, 2H, NH2), 7.24-7.28 (m, 2H, Ar-H), 7.37-7.41 (m, 1H, Ar-H), 7.55-7.59 (m, 1H, Ar-H), 7.72-7.74 (m, 1H, Ar-H), 7.84-7.87 (m, 2H, Ar-H), 8.24-8.26 (m, 1H, Ar-H), 9.26 (br s, 1H, NH)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 39.35, 97.75, 113.74, 115.39, 115.61, 112.36 (2C), 123.37, 123.84, 129.14, 135.390, 140.05, 142.33, 148.59, 157.37, 159.74
元素分析:C17H14FN5・0.3HClとして計算値:C 64.14, H 4.53, N 22.00;実測値:C 63.87, H 4.73, N 21.77
4-(2-メトキシアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物5,HKI-4966)
収率:74%
mp.:229-230℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 3.90 (s, 3H, OCH 3), 4.21 (s, 3H, NCH 3), 5.21 (br s, 2H, NH2), 6.98-7.08 (m, 3H, Ar-H), 7.32-7.36 (m, 1H, Ar-H), 7.53-7.57 (m, 1H, Ar-H), 7.73-7.75 (m, 1H, Ar-H), 8.22-8.24 (m, 1H, Ar-H), 8.69 (br s, 1H, NH), 8.99-8.02 (m, 1H, Ar-H)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 39.11, 56.04, 100.52, 110.55, 114.44, 119.16, 120.50, 121.46, 121.96, 122.43, 127.12, 128.50, 129.78, 140.20, 146.35, 147.28, 148.05, 149.12
元素分析:C18H17FN5Oとして計算値:C 67.70, H 5.37, N 21.93;実測値:C 67.37, H 5.39, N 21.85
4-(3-メトキシアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物6,HKI-4965)
収率:79%
mp.:284-286℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 3.80 (s, 3H, OCH 3), 4.19 (s, 3H, NCH 3), 5.58 (br s, 2H, NH2), 6.58-6.60 (m, 1H, Ar-H), 7.22-7.26 (m, 1H, Ar-H), 7.32-7.42 (m, 2H, Ar-H), 7.53-7.75 (m, 1H, Ar-H), 7.69-7.71 (m, 1H, Ar-H), 7.88(br s, 1H, NH), 8.23-8.26 (m, 2H, Ar-H)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 39.17, 54.93, 99.19, 105.43, 107.30, 112.12, 114.45, 121.97, 122.57, 126.97, 128.56, 129.11, 140.48, 141.86, 145.95, 147.24, 148.88, 159.49
元素分析:C18H17N5O・0.4HClとして計算値:C 64.72, H 5.26, N 20.97;実測値:C 64.96, H 5.29, N 21.08
4-(4-メトキシアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物7,HKI-4964)
収率:62%
mp.:193-194℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 3 .82 (s, 3H, OCH3), 4.20 (s, 3H, NCH3), 6.30 (br s, 2H, NH2), 7.06-7.08 (m, 2H, Ar-H), 7.43-7.47 (m, 1H, Ar-H), 7.59-7.63 (m, 3H, Ar-H), 7.81-7.83 (m, 1H, Ar-H), 8.26-8.28 (m, 1H, Ar-H), 9.74 (br s, 1H, NH)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 39.58, 55.37, 96.37, 112.90, 114.71 (2C), 121.28, 122.79, 124.23, 125.78, 129.59, 129.82, 138.43, 139.55, 148.50, 149.88, 157.43
元素分析:C18H17N5O・0.5HClとして計算値:C 64.02, H 5.23, N 20.74;実測値:C 64.13, H 5.42, N 20.69
4-(3,4,5-トリメトキシアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物8,HKI-4963)
収率:63%
mp.:219-220℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 3.68 (s, 3H, OCH3), 3.82 (s, 6H, OCH3), 4.19 (s, 3H, NCH3), 5.75 (br s, 2H, NH2), 7.38 (m, 3H, Ar-H), 7.56-7.60 (m, 1H, Ar-H), 7.72-7.76 (m, 1H, Ar-H), 8.24-8.26 (m, 1H, Ar-H)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 39.29, 55.79 (2C), 60.12, 98.54, 113.92, 122.24, 122.97, 123.13, 127.10, 129.00, 140.11, 148.59, 152.85
元素分析:C20H21N5O3・0.5HClとして計算値:C 60.39, H 5.46, N 17.61;実測値:C 60.08, H 5.57, N 17.36
1-メチル-4-(4-メチルチオアニリノ)-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物9,HKI-4967)
収率:84%
mp.:233-235℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 2.48 (s, 3H, SCH3), 4.18 (s, 3H, NCH3), 5.71 (br s, 2H, NH2), 7.29-7.37 (m, 3H, Ar-H), 7.53-7.57 (m, 1H, Ar-H), 7.69-7.71 (m, 1H, Ar-H), 7.86-7.88 (m, 2H, Ar-H), 8.22-8.24 (m, 1H, Ar-H)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 15.88, 39.22, 98.58, 114.15, 121.42, 122.10 (2C), 122.77, 125.80, 127.37 (2C), 128.74, 130.67, 137.67, 140.28, 144.66, 147.78, 148.65
元素分析:C18H17N5S・0.2HClとして計算値:C 63.08, H 5.06, N 20.43, S 9.36;実測値:C 63.01, H 5.19, N 20.43, S 9.39
4-(4-アセトイルアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物10,HKI-4968)
収率:60%
mp.:272-274℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6 + TFA-d):δ 2.65 (s, 3H, COCH3), 4.28 (s, 3H, OCH3), 7.62-7.74 (m, 4H, Ar-H), 7.93-7.95 (m, 1H, Ar-H), 8.14-8.17 (m, 2H, Ar-H), 8.39-8.41 (m, 1H, Ar-H)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6 + TFA-d):δ 26.89, 40.06, 96.94, 113.17, 119.71, 123.61, 123.98 (2C), 126.17, 130.46 (2C), 131.04, 135.22, 135.53, 140.11, 140.97, 147.68, 151.36, 197.17
元素分析:C19H17N5Oとして計算値:C 68.87, H 5.17, N 21.13;実測値:C 68.67, H 5.18, N 20.95
4-(2-ヒドロキシアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物11,HKI-4973)
収率:64%
mp.:233-235℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 4.21 (s, 3H, NCH3), 5.98 (br s, 2H, NH2), 6.91-6.95 (m, 1H, Ar-H), 7.03-7.04 (m, 1H, Ar-H), 7.13-7.14 (m, 1H, Ar-H), 7.24-7.45 (m, 1H, Ar-H), 7.58-7.62 (m, 1H, Ar-H), 7.81-7.83 (m, 2H, Ar-H), 8.26-8.28 (m, 1H, Ar-H)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 39.28, 97.06, 113.06, 116.81 (2C), 119.44 (2C), 122.25, 122.76, 123.97, 124.94, 126.56, 129.68, 139.58, 148.58, 149.38, 150.37
元素分析:C17H15N5O・1.0HClとして計算値:C 59.72, H 4.72, N 20.49;実測値:C 59.62, H 5.06, N 20.30
4-(3-ヒドロキシアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物12,HKI-4972)
収率:70%
mp.:190-191℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 4.21 (s, 3H, NCH3), 6.23 (br s, 2H, NH2), 6.66-6.69 (m, 1H, Ar-H), 7.07-7.09 (m, 1H, Ar-H), 7.22-7.26 (m, 2H, Ar-H), 7.45-7.4 (m, 1H, Ar-H), 7.61-7.65 (m, 1H, Ar-H), 7.83-7.85 (m, 2H, Ar-H), 8.27-8.29 (m, 1H, Ar-H), 9.75 (br s, 1H, OH)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 39.58, 97.14, 110.25, 113.13, 113.59, 122.81, 124.34, 129.83, 130.13, 138.38, 139.77, 148.14, 149.81, 158.31
元素分析:C17H15N5O・0.9HClとして計算値:C 60.36, H 4.77, N 20.71;実測値:C 59.99, H 5.06, N 20.31
4-(4-ヒドロキシアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物13,HKI-4971)
収率:79%
mp.:320-322℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 4.20 (s, 3H, NCH3), 6.47 (br s, 2H, NH2), 6.93-6.97 (m, 2H, Ar-H), 7.34-7.37 (m, 2H, Ar-H), 7.48-7.52 (m, 1H, Ar-H), 7.62-7.66 (m, 1H, Ar-H), 7.89-7.91 (m, 1H, Ar-H), 8.27-8.29 (m, 1H, Ar-H), 9.94 (br s, 1H, OH), 11.62 (br s, 1H, NH)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 39.29, 95.29, 112.33, 116.47 (2C), 119.27, 123.10, 125.00, 125.97, 127.36, 130.31, 135.59, 139.17, 148.35, 150.77, 157.17
元素分析:C17H15N5O・1.0HClとして計算値:C 59.72, H 4.72, N 20.49;実測値:C 59.64, H 4.85, N 20.41
4-(4-トリフルオロメチルアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物14,HKI-4974)
収率:59%
mp.:219-220℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,TFA-d):δ 4.28 (s, 3H, NCH3), 7.60-7.63 (m, 1H, Ar-H), 7.72-7.81 (m, 3H, Ar-H), 7.90-7.95 (m, 3H, Ar-H), 8.38-8.40 (m, 1H, Ar-H)
元素分析:C18H14F3N5・1.3HClとして計算値:C 53.40, H 3.81, N 17.30;実測値:C 53.00, H 4.12, N 17.20
4-[(3-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-4-イル)アミノ]安息香酸(化合物15,HKI-4970)
収率:68%
mp.:325-326℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 4.24 (s, 3H, NCH3), 7.59-7.59 (m, 1H, Ar-H), 7.69-7.79 (m, 3H, Ar-H), 7.87-7.89 (m, 1H, Ar-H), 8.04-8.06 (m, 1H, Ar-H), 8.34-8.37 (m, 1H, Ar-H), 8.27-8.29 (m, 1H, Ar-H)
13C-NMR (100MHz, DMSO-d6):δ 39.29, 97.33, 112.94, 120.22, 122.67, 123.15, 125.46, 127.67, 130.45, 130.91 (2C), 131.16, 136.34, 139.79, 141.47, 147.39, 150.81, 166.82
元素分析:C18H15N5O2・1.0HClとして計算値:C 58.44, H 4.36, N 18.93;実測値:C 58.04, H 4.50, N 18.79
2-[(3-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-4-イル)アミノ]ベンゼンチオール(化合物16,HKI-4975)
収率:42%
mp.:235-236℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 3.14 (s, 3H, NCH3), 5.03 (br s, 1H, SH), 6.05 (br s, 1H, NH2), 6.93-6.97 (m, 1H, Ar-H), 6.85-6.87 (m, 1H, Ar-H), 7.02-7.04 (m, 1H, Ar-H), 7.20-7.30 (m, 2H, Ar-H), 7.36-7.41 (m, 1H, Ar-H), 7.81-7.86 (m, 1H, Ar-H)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 35.75, 100.80, 111.46, 115.40, 116.44, 120.82, 121.33, 123.74, 125.82, 131.11, 131.31, 132.51, 140.24, 147.51, 152.11, 153.59, 161.85
元素分析:C17H15N5S・0.1HClとして計算値:C 62.82, H 4.68, N 21.55, S 9.86;実測値:C 63.03, H 4.72, N 21.55, S 9.88
4-(4-クロロアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物17,TCH-30o)
収率:82%
mp.:281-282℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 4.23 (s, 3H, NCH3), 7.53-7.61 (m, 3H, Ar-H), 7.66-7.71 (m, 3H, Ar-H), 7.88-7.90 (m, 1H, Ar-H), 8.33-8.34 (m, 1H, Ar-H), 12.19 (br s, 1H, NH)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 39.77, 96.36, 112.62, 119.49, 123.18, 125.36, 126.43 (2C), 129.74 (2C), 130.46, 130.99, 135.31, 135.70, 139.49, 147.76, 150.97
元素分析:C17H14ClN5・1.5HClとして計算値:C 53.93, H 4.13, N 18.50;実測値:C 54.09, H 4.44, N 18.53
4-(4-メチルアニリノ)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]キノリン-3-アミン(化合物18,TCH-30p)
収率:85%
mp.:253-255℃(EtOH)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 2.36 (s, 3H, CH3), 4.20 (s, 3H, NCH3), 6.22 (br s, 2H, NH2), 7.27-7.29 (m, 2H, Ar-H), 7.43-7.47 (m, 1H, Ar-H), 7.559-7.63 (m, 3H, Ar-H), 7.79-7.81 (m, 1H, Ar-H), 8.26-8.28 (m, 1H, Ar-H), 9.72 (br s, 1H, NH)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 20.63, 39.50, 97.08, 113.19, 122.14, 122.67 (2C), 123.14, 124.05, 129.65, 129.78 (2C), 134.30, 135.09, 139.44, 139.76, 148.34, 149.57
元素分析:C18H17N5・1.1HClとして計算値:C 62.93, H 5.32, N 20.39;実測値:C 62.80, H 5.73, N 20.44
4-アニリノイソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物19,HKI-4978)
収率:40%
mp.:266-267℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 7.42-7.45 (m, 2H, Ar-H), 7.54-7.71 (m, 6H, Ar-H), 7.96-7.99 (m, 1H, Ar-H), 10.04 (br s, 2H, NH2), 11.47 (br s, 1H, 2H, NH, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 82.82, 111.73, 123.07, 125.37, 125.61 (2C), 127.63, 129.80 (2C), 132.22, 135.07, 136.29, 148.52, 155.35, 168.52
元素分析:C16H12N4O・1.1HClとして計算値:C 60.71, H 4.18, N 17.70;実測値:C 60.94, H 4.45, N 17.45
4-(4-フルオロアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物20,HKI-4979)
収率:67%
mp.:271-272℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 7.39-7.44 (m, 3H, Ar-H), 7.60-7.70 (m, 4H, Ar-H), 7.96-7.98 (m, 1H, Ar-H), 7.96-7.99 (m, 1H, Ar-H), 10.02 (br s, 2H, NH2), 11.46 (br s, 1H, 2H, NH, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 82.69, 111.71, 116.70 (2C, J = 22.8 Hz), 118.97, 123.11, 125.39, 128.45 (2C, J = 8.3 Hz), 131.16, 132.26, 136.33, 148.87, 155.33, 161.34 (J = 242.6 Hz), 168.52
元素分析:C16H11FN4O・1.0HClとして計算値:C 58.08, H 3.66, N 16.94;実測値:C 57.97, H 3.95, N 16.85
4-(2-メトキシアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物21,HKI-4983)
収率:40%
mp.:261-262℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 3.79 (s, 3H, OCH3), 7.11-7.15 (m, 1H, Ar-H), 7.26-7.28 (m, 1H, Ar-H), 7.40-7.52 (m, 3H, Ar-H), 7.61-7.65 (m, 1H, Ar-H), 7.74-7.76 (m, 1H, Ar-H), 7.96-7.98 (m, 1H, Ar-H), 9.91 (br s, 2H, NH2), 10.99 (br s, 1H, 2H, NH, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 55.95, 82.11, 111.55, 113.24, 118.81, 121.19, 122.12, 123.25, 125.54, 128.55, 130.19, 132.50, 136.21, 148.49, 154.43, 155.19, 168.64
元素分析:C17H14N4O2・1.1HClとして計算値:C 58.92, H 4.40, N 16.17;実測値:C 59.01, H 4.58, N 15.92
4-(3-メトキシアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物22,HKI-4982)
収率:50%
mp.:262-263℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 3.80 (s, 3H, OCH3), 6.99-7.02 (m, 1H, Ar-H), 7.26-7.28 (m, 2H, Ar-H), 7.40-7.48 (m, 2H, Ar-H), 7.62-7.66 (m, 1H, Ar-H), 7.71-7.73 (m, 1H, Ar-H), 7.97-7.98 (m, 1H, Ar-H), 10.02 (br s, 2H, NH2), 11.44 (br s, 2H, NH, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 55.38, 82.50, 111.27, 111.74, 113.43, 117.60, 119.07, 123.05, 125.36, 130.57, 132.23, 136.08, 136.35, 148.48, 155.36, 160.20, 168.51
元素分析:C17H14N4O2・1.1HClとして計算値:C 58.92, H 4.40, N 16.17;実測値:C 58.92, H 4.56, N 15.85
4-(4-メトキシアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物23,HKI-4981)
収率:43%
mp.:257-259℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 3.84 (s, 3H, OCH3), 7.10-7.13 (m, 2H, Ar-H), 7.38-7.48 (m, 3H, Ar-H), 7.60-7.63 (m, 1H, Ar-H), 7.70-7.72 (m, 1H, Ar-H), 7.95-7.96 (m, 1H, Ar-H), 9.98 (br s, 2H, NH2), 11.17 (br s, 1H, NH), 11.32 (br s, 1H, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 55.45, 82.38, 111.61, 115.06 (2C), 118.97, 123.05, 125.19, 127.13, 127.66 (2C), 132.17, 136.42, 148.83, 155.31, 158.81, 168.42
元素分析:C17H14N4O2・1.1HClとして計算値:C 58.92, H 4.40, N 16.17;実測値:C 58.83, H 4.49, N 16.01
4-(3,4,5-トリメトキシアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物24,HKI-4980)
収率:63%
mp.:264-266℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 3.74 (s, 3H, OCH3), 3.79 (m, 6H, OCH3), 6.95 (s, 2H, Ar-H), 7.42-7.44 (m, 1H, Ar-H), 7.62-7.67 (m, 1H, Ar-H), 7.76-7.78 (m, 1H, Ar-H), 7.96-7.99 (m, 1H, Ar-H), 10.02 (br s, 2H, NH2), 11.34 (br s, 1H, NH), 11.44 (br s, 1H, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 56.12 (2C), 60.01, 82.50, 103.75 (2C), 111.62, 119.01, 123.03, 125.33, 130.14, 132.26, 136.27, 136.87, 148.50, 153.55 (2C), 155.31, 168.47
元素分析:C19H18N4O4・1.2HClとして計算値:C 55.64, H 4.72, N 13.66;実測値:C 55.65, H 5.01, N 13.51
4-(4-メチルチオアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物25,HKI-4984)
収率:42%
mp.:246-247℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 2.55 (s, 3H, SCH3), 7.39-7.52 (m, 5H, Ar-H), 7.61-7.69 (m, 3H, Ar-H), 7.95-7.97 (m, 1H, Ar-H), 10.02 (br s, 2H, NH2), 11.39 (br s, 2H, NH, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 14.67, 82.70, 111.69, 119.03, 123.04, 125.25, 126.35 (2C), 126.87 (2C), 131.69, 132.16, 136.44, 137.79, 148.55, 155.33, 168.43
元素分析:C17H14N4OS・1.1HClとして計算値:C 56.33, H 4.20, N 15.46, S 8.85;実測値:C 56.21, H 4.22, N 15.34, S 8.88
4-(3-アセトイルアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物26,HKI-4986)
収率:40%
mp.:249-250℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 2.62 (s, 3H, COCH3), 7.36 (m, 1H, Ar-H), 7.60-7.65 (m, 3H, Ar-H), 7.89-7.96 (m, 3H, Ar-H), 8.25 (m, 1H, Ar-H), 9.61 (br s, 2H, NH2), 10.94 (br s, 1H, NH), 11.27 (br s, 1H, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 26.89, 112.30, 122.96 (2C), 124.10, 124.63, 125.77, 128.83, 129.84, 131.92, 137.90, 148.66, 156,13, 167.86, 197.60
元素分析:C18H14N4O2・1.2HClとして計算値:C 59.69, H 4.23, N 15.47;実測値:C 59.50, H 4.62, N 15.19
4-(4-アセトイルアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物27,HKI-4987)
収率:50%
mp.:255-257℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 2.60 (s, 3H, COCH3), 7.36 (m, 1H, Ar-H), 7.60 (m, 2H, Ar-H), 7.79-7.80 (m, 2H, Ar-H), 7.94-7.96 (m, 1H, Ar-H), 8.04-8.06 (m, 1H, Ar-H), 9.45 (br s, 2H, NH2), 10.48 (br s, 1H, NH), 11.83 (br s, 1H, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 26.67, 84.16, 112.45, 121.48, 122.95 (2C), 123.33, 124.81, 125.15, 129.63 (2C), 130.57, 131.87, 133.32, 148.15, 156.25, 167.76, 196.85
元素分析:C18H14N4O2・1.3HClとして計算値:C 59.09, H 4.22, N 15.31;実測値:C 59.20, H 4.58, N 14.96
4-(2-ヒドロキシアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物28,HKI-4990)
収率:42%
mp.:240-241℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 6.87-6.96 (m, 2H, Ar-H), 7.10 (m, 1H, Ar-H), 7.21 (m, 1H, Ar-H), 7.34-7.36 (m, 2H, Ar-H), 7.50 (m, 1H, Ar-H), 7.88 (m, 1H, Ar-H), 8.46 (br s, 1H, NH), 8.78 (br s, 2H, NH2), 11.42 (br s, 1H, OH)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 83.79, 112.90, 119.13, 122.78, 123.03, 124.31, 124.92, 126.09, 128.00, 131.36 (2C), 145.30, 149.84, 150.29, 157.64, 166.34
元素分析:C16H12N4O2・0.7HClとして計算値:C 60.45, H 4.03, N 17.62;実測値:C 60.34, H 4.45, N 17.52
4-(4-ヒドロキシアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物29,HKI-4988)
収率:45%
mp.:236-237℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 6.80-6.85 (m, 2H, Ar-H), 7.19-7.23 (m, 1H, Ar-H), 7.44-7.52 (m, 4H, Ar-H), 7.86-7.88 (m, 1H, Ar-H), 8.88 (br s, 2H, NH2), 9.43 (br s, 1H, NH), 10.84 (br s, 1H, OH)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 83.55, 112.63, 113.98, 115.39 (2C), 116.15, 122.67 (2C), 122.98, 125.34, 127.16, 131.27, 149.09, 154.57, 157.10, 166.70
元素分析:C16H12N4O2・1.9HClとして計算値:C 58.84, H 4.88, N 17.16;実測値:C 58.74, H 4.59, N 17.01
4-(4-トリフルオロメチルアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物30,HKI-4991)
収率:42%
mp.:227-229℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 7.34 (m, 1H, Ar-H), 7.57 (m, 2H, Ar-H), 7.81-7.93 (m, 3H, Ar-H), 7.93-7.94 (m, 2H, Ar-H), 9.26 (br s, 2H, NH2), 10.16 (br s, 1H, NH), 11.65 (br s, 1H, OH)
元素分析:C17H11F3N4O・0.4HClとして計算値:C 56.88, H 3.20, N 15.61;実測値:C 56.59, H 3.34, N 15.35
4-[(3-アミノイソキサゾロ[4,5-c]キノリン-4-イル)アミノ]安息香酸(化合物31,HKI-4985)
収率:58%
mp.:308-310℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 7.44-7.46 (m, 1H, Ar-H), 7.61-7.72 (m, 4H, Ar-H), 7.98-8.09 (m, 3H, Ar-H), 10.05 (br s, 2H, NH2), 11.62 (br s, 1H, NH), 11.80 (br s, 1H, HCl), 13.01 (br s, 1H, COOH)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 83.57, 111.94, 119.23, 123.12, 124.74, 125.61, 129.03, 130.84 (2C), 131.16, 132.29, 136.40, 139.78, 148.40, 155.43, 166.75, 168.60
元素分析:C17H12N4O3・1.4HClとして計算値:C 54.96, H 3.64, N 15.08;実測値:C 54.97, H 3.95, N 15.303.
4-(4-クロロアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物32,TCH-30q)
収率:75%
mp.:268-269℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 7.41-7.46 (m, 1H, Ar-H), 7.59-7.69 (m, 6H, Ar-H), 7.97-7.99 (m, 1H, Ar-H), 9.94 (br s, 2H, NH2), 11.31 (br s, 2H, NH, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 83.09, 111.86, 119.17, 123.25, 125.67, 127.79 (2C), 129.99 (2C), 132.22, 132.45, 134.15, 136.45, 148.82, 155.48, 168.68
元素分析:C16H11ClN4O・1.0HClとして計算値:C 55.33, H 3.49, N 16.140;実測値:C 55.37, H 3.45, N 16.24
4-(4-メチルアニリノ)イソキサゾロ[4,5-c]キノリン-3-アミン(化合物33,TCH-30r)
収率:80%
mp.:173-175℃(ヘキサン)
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6):δ 2.40 (s, 3H, CH3), 7.37-7.45 (m, 5H, Ar-H), 7.61-7.65 (m, 1H, Ar-H), 7.70-7.72 (m, 1H, Ar-H), 7.95-7.98 (m, 1H, Ar-H), 9.92 (br s, 2H, NH2), 11.20 (br s, 2H, NH, HCl)
13C-NMR (100MHz,DMSO-d6):δ 20.88, 82.71, 111.75, 119.14, 123.20, 125.50, 125.92 (2C), 130.52 (2C), 132.20, 132.40, 136.42, 137.57, 148.78, 155.44, 168.63
元素分析:C17H14N4O・1.1HClとして計算値:C 61.78, H 4.61, N 16.96;実測値:C 61.63, H 4.62, N 16.97
1.2 実施例1の化合物の特性評価
1.2.1 式(I)の化合物はヒト好中球中のO ・- 生成及びエラスターゼ放出を抑制する
この実施例では、ヒト好中球中のスーパーオキシドアニオン生成及びエラスターゼ放出に対する実施例1の化合物(すなわち、式(I)の化合物)の阻害効果を測定した。その結果を表2にまとめる。
Figure 0007205840000005
表2から明らかなように、化合物6、9、16、19、21、24、25、27、30、31、32及び33を除いて、ほとんどの化合物は、スーパーオキシドアニオンの生成を抑制(IC50は約4nM~8.6μMの範囲)することができ、fMLFに応答して好中球から放出されるエラスターゼを抑制(IC50は約32nM~7.2μMの範囲)することができた。それらの中で、化合物13(HKI-4971)は、スーパーオキシドアニオンの生成を抑制するためのIC50が約3.7±1.7nMであり、エラスターゼ放出を抑制するためのIC50が32±17nMであり、最も強力であると思われた。従って、HKI-4971を実施例2及び3でその生物活性を更に評価するために選択した。
実施例2 HKI-4971はイミキモド誘発乾癬の発症を抑制する
実施例2では、イミキモド(IMQ)を用いて乾癬様皮膚炎症を誘発させた確立された乾癬動物モデルを用いて、乾癬の発症に対するHKI-4971(又は化合物13)の効果を調査した。簡単に説明すると、BALB/cマウスをHKI-4971(20mg/kg)の腹腔内注射で30分間前処理した。その後、5%IMQクリームを毎日7日間マウスの背中に局所投与した。これらの動物から採取した皮膚サンプルを顕微鏡検査及び免疫組織化学染色にかけ、血液サンプルを肝臓及び腎臓の機能の分析にかけた。その結果を、図1~3に示す。
図1(A)は、IMQ(左)とIMQ+HKI-4971(右)で処理された代表的な1匹のマウスの写真である。図1(B)及びと図1(C)の写真は、それぞれコントロールのIMQ処理マウス及びIMQ+HKI-4971処理マウスから採取した皮膚の顕微鏡像を示す。HKI-4971によって細胞増殖のマーカー(すなわち、ki-67)及び好中球のマーカー(すなわち、Ly6g及びMPO)が減少したことが、これらの動物から採取した皮膚サンプルの免疫染色で確認された(図2)。従って、HKI-4971が試験動物のIMQ誘発乾癬の重症度又は進行を軽減することができることが明らかである。
肝機能の評価のための指標として用いるアラニンアミノトランスフェラーゼ及びアスパラギン酸トランスアミナーゼのレベルについて、及び腎機能の評価のための指標として用いる血尿窒素(BUN)及びクレアチニン(CRE)のレベルについて、IMQ処置動物又はIMQ+HKI-4971処理動物から採取された血液サンプルを分析した。その結果を図3に示す。図3に示されるデータから明らかなように、単独若しくは併用でのIMQ処置又はHKI-4971処置は、肝臓又は腎臓の機能に有意な損傷をもたらさなかった。
以上より、HKI-4971がIMQ誘発乾癬に対する保護効果を示したことが、データで確認された。従って、例えば、細菌感染、外傷、自己免疫疾患及びアレルギーが含まれるが、これらに限定されない様々な傷害の後にしばしば発症する乾癬又は炎症性皮膚疾患を治療するための医薬品として、本化合物を用いることができる。
実施例3 HKI-4971はLPS誘発ALIを調節する
実施例3では、マウスにおけるグラム陰性菌のエンドトキシンLPS誘発ALIを用いて、ヒトのARDSを模倣し、HKI-4971の効果を評価した。簡単に説明すると、化合物HKI-4971(20mg/kg)の静脈内注射で、BALB/cマウスを1時間前処理した。その後、LPS(2mg/kg)の気管内注射で5時間チャレンジした。肺組織におけるMPO活性及び好中球のマーカー(Ly6g及びMPO)のレベルを、肺損傷の兆候として採用した。その結果を図4に示す。
図4(A)が示すように、LPSは、肺組織のMPO活性、すなわち肺組織の炎症細胞を兆候の急増を引き起こした。これは、HKI-4971の投与によって抑制された。図4(B)はH&Eで染色された肺切片及び光学顕微鏡で観察された好中球のマーカーの代表的な写真である。HKI-4971がLPS誘発好中球浸潤及び肺損傷を有意に軽減したことは明らかである。
以上より、HKI-4971がLPS誘発肺損傷に対する保護効果を示したことが、データで確認された。従って、例えば、敗血症、外傷及び肺炎が含まれるが、これらに限定されない様々な傷害の後にしばしば発症するALI又はARDSを治療するための医薬品として、本化合物を用いることができる。
上記の実施態様の説明は、例としてのみ与えられており、当業者によって様々な変更がなされても良いことが理解される。上記の明細書、実施例、及びデータは、本発明の構造及び例示的な実施態様の使用の完全な説明を提供する。本発明の様々な実施態様は、特定の程度の特殊性で、または1以上の個別の実施態様を参照して先に説明されたが、当業者は、本開示の精神及び範囲から離れることなく、開示された実施態様に多数の変更を加えることができる。

Claims (10)

  1. 式(I)の化合物、その塩又はその溶媒和物。
    Figure 0007205840000006
    〔式中、Xは、N又はOである。
    は、ルキルであるか、又は存在しない。XがOの場合、Rは存在せず、XがNの場合、Rルキルである。
    、R、R及びRは、独立してH、ヒドロキシル、スルフヒドリル、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR、-SR、-(C=O)R、又は-COOHである。
    は、アルキル又はハロアルキルである。〕
  2. XがNであり、Rがメチルであり、R、R及びRが独立してHであり、Rがヒドロキシルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(I)の化合物、その塩又はそ溶媒和物;及び薬学上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
    Figure 0007205840000007
    〔式中、Xは、N又はOである。
    は、ルキルであるか、又は存在しない。XがOの場合、Rは存在せず、XがNの場合、Rルキルである。
    、R、R及びRは、独立してH、ヒドロキシル、スルフヒドリル、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR、-SR、-(C=O)R、又は-COOHである。
    は、アルキル又はハロアルキルである。〕
  4. 式(I)の化合物において、XがNであり、Rがメチルであり、R、R及びRが独立してHであり、Rがヒドロキシルである、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 対象における炎症性疾患及び/又は障害の治療に使用するための請求項3又は4に記載の医薬組成物。
  6. 炎症性疾患及び/又は障害が、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性肺損傷(ALI)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、肝障害、脂肪性肝炎、肝繊維症、虚血再灌流障害、心筋梗塞、ショック、脳卒中、臓器移植、血管炎、全身性紅斑性紅斑(SLE)、敗血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、関節炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、及び炎症性皮膚疾患からなる群から選択される、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 炎症性疾患及び/又は障害がALIである請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 炎症性疾患及び/又は障害がARDSである請求項6に記載の医薬組成物。
  9. 炎症性疾患及び/又は障害が乾癬である請求項6に記載の医薬組成物。
  10. 対象がヒトである請求項5に記載の医薬組成物。
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