JP7204561B2 - 燃料ポンプ - Google Patents
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Description
案内体の筒部内に摺動可能に駆動体(リフタ)が嵌入されており、駆動体の上端部が案内体の蓋部の内側端面に当接している。
駆動体の下端部に軸支されたローラが、2つのカムノーズが180度間隔で形成されるカムの外周のカム面に上方から接している。
また、カムの回転によりカムノーズがローラから離れると、スプリングによりプランジャは下方に押し戻され、ポンプ室に燃料が吸入される。
また、駆動体は案内体に対して1点で点接触する以外は案内体から離れているので、案内体に対して駆動体は多少の傾きは許容されており、そのため駆動体が傾くと接触点が移動し、駆動体の押圧方向が球面の接触点での接線に対して垂直でなくなり、よって滑りが生じて摩耗し易くなり、耐久性に課題が残る。
ポンプカム軸のカムの回転に従動するリフタの押圧部に、プランジャの一端部が接し、前記カムの回転により前記リフタを介して前記プランジャが往復動することにより燃料を加圧して吐出する燃料ポンプにおいて、
前記プランジャの一端部のプランジャ側接触曲面と前記リフタの前記押圧部のリフタ側接触曲面が、互いに接し、
前記プランジャ側接触曲面と前記リフタ側接触曲面は、一方の接触曲面が凸状球面をなし、他方の接触曲面が前記プランジャの中心軸であるプランジャ中心軸に関して対称な一対の凹状球面をなし、
前記凹状球面は、前記凸状球面より曲率半径が大きいことを特徴とする燃料ポンプを提供する。
したがって、ヘルツ面圧を低減し、耐摩耗性が増すことで、高圧燃料ポンプ50の耐久性が益々向上する。
前記凸状球面と一対の前記凹状球面の各接触点における接線が前記プランジャ中心軸に対してなす接触角度は、45度以上で65度以下である。
前記プランジャは、バネにより前記リフタに押圧付勢され、
前記バネは、前記プランジャの一端部の前記プランジャ側接触曲面とは反対側の他端部に作用するように設けられる。
また、プランジャのプランジャ側接触曲面とは反対側の端部に作用するバネは、加圧室に設けられることになり、燃料ポンプの小型化を図ることができる。
前記プランジャは、前記プランジャ中心軸を上下方向に指向させた姿勢で、その下端部の前記プランジャ側接触曲面が前記凸状球面をなし、
前記リフタの上方に位置させた前記押圧部の前記リフタ側接触曲面が一対の前記凹状球面をなし、
前記リフタの前記押圧部は、一対の前記凹状球面の間に下方に凹んだ凹部を備える。
前記カムは、円板状の偏心カムであり、
前記リフタは、前記偏心カムの外周面に相対回転自在に外装され、
前記リフタは、前記ポンプカム軸の回転中心軸に関して前記押圧部と反対側に重錘部を有する。
したがって、ヘルツ面圧を低減し、耐摩耗性に優れることで、燃料ポンプの耐久性の向上を図ることができる。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る高圧燃料ポンプ50を備えた内燃機関3を搭載した鞍乗型車両である自動二輪車1の右側面図である。
ただし、本明細書中で、前方および後方と表記した場合は、厳密な意味での前方および後方というのではなく、おおよそ前方および後方という意味である。
また、本明細書中で、上方と表記した場合も、同様におおよそ上方という意味である。
ヘッドパイプ20からはさらに車幅方向中央を斜め後下方に向けてダウンフレーム22が延出している。
メインフレーム21の屈曲部からは図示しない左右一対のシートレール23が後方に延出しており、シートレール23とピボットフレーム21aの中央部とを連結したバックステー24がシートレール23を支持している。
ピボットフレーム21aの下部に設けられたピボット軸25に前端を軸支されたリヤフォーク13が後方へ延出し、その後端に後輪14が軸支され、リヤフォーク13の中央部とバックステー24との間に図示しないリヤクッションが介装されている。
メインフレーム21には燃料タンク16が左右両側に跨るように架設され、燃料タンク16の後方にシート18がシートレール23に支持されて設けられている。
燃料タンク16内には、低圧燃料ポンプ17が内装されている。
該内燃機関3は、そのクランクケース30内の後部に多段変速機を一体に備えて、いわゆるパワーユニットを構成しており、そのクランク軸31を、自動二輪車1の車幅方向、すなわち左右方向に配向させて、車体フレーム2に支持される。
シリンダヘッド34の上方は、シリンダヘッドカバー35が覆う。
吸気管40に沿って設けられた燃料噴射弁43は、先端の噴射口が燃焼室に臨んでいる。
シリンダヘッド34の前面から延出した排気管45は車両下部右側を後方に延設されてマフラ46に接続している。
高圧燃料ポンプ50は、前記燃料タンク16内の低圧燃料ポンプ17から供給された燃料を、丸棒状のプランジャ60の往復動により加圧して吐出する燃料ポンプであり、高圧燃料ポンプ50から吐出された高圧燃料は前記燃料噴射弁43に送られ、燃料噴射弁43から直接燃焼室に高圧燃料が噴射される。
燃料吐出通路55の後端の下流端吐出通路部55zには、所定圧以上で開弁する吐出弁55vが設けられる。
このカムシャフト36の右端に同軸にポンプカム軸61が連結され、一体に回転する。
円盤形状をしたパルセーションダンパ80は、ダンパ蓋部材85により蓋をされたダンパ室に収容される。
偏心カム61cは、ポンプカム軸61の中心軸より偏心した外周円周面を有し、この外周円周面にニードルベアリング64を介してリフタ63が相対回転自在に外装されている。
同図5および図4を参照して、プランジャ60の下端部60pのリフタ63の押圧部63pが接するプランジャ側接触曲面60Cは、下方に突出した凸状球面60Cvをなす。
リフタ側接触曲面63Cは、図4に示すポンプカム軸61の軸方向視でプランジャ中心軸Cpに関して対称な前後一対の凹状球面63Cc,63Ccからなる。
したがって、ポンプカム軸61の偏心カム61cが回転しても、リフタ63は自身の回動が抑制された状態で上下移動を含む円運動をする。
凹部63dは、プランジャ中心軸Cp上にあって、そのコ字状の内面が前後の凹状球面63Cc,63Ccに連続して形成されている。
リフタ63の押圧部63pとプランジャ60の下端部60pは互いに接して上下に往復動するので、凹部63dに溜まったオイルはリフタ側接触曲面63Cとプランジャ側接触曲面60Cを常に潤滑し、潤滑性の向上でリフタとプランジャの動きを円滑にするとともに、摩耗を低減して耐久性を向上させることができる。
アッパハウジング部51Uのプランジャ孔52に円筒状のプランジャガイド65が嵌合され、このプランジャガイド65にプランジャ60が摺動自在に嵌装される。
アッパハウジング部51Uのプランジャ孔52の上方空間は、加圧室53となっており、加圧室53の天井面とプランジャ60の上端部60uとの間に圧縮バネ66が介装されている。
したがって、本実施の形態では、接触点Xにおける接線Lxがプランジャ中心軸Cpに対してなす接触角度θを55度として、ヘルツ面圧Phを最小としている。
さらに、接触点Xにおける接線Lxがプランジャ中心軸Cpに対してなす接触角度θを55度とすることで、各ヘルツ面圧Phを最小としている。
また、プランジャ60に対してリフタ63が多少傾いたとしても凸状球面60Cvは一対の凹状球面63Cc,63Ccに2点で接触することが維持されて滑りが抑制されるので、耐摩耗性が増すことで、高圧燃料ポンプ50の耐久性が益々向上する。
また、プランジャ60の下端部60pのプランジャ側接触曲面60Cとは反対側の上端部60uに作用する圧縮バネ66は、加圧室53に設けられることになり、高圧燃料ポンプ50の小型化を図ることができる。
また、本発明は、リフタの押圧部のリフタ側接触曲面が凸状球面をなし、プランジャの端部のプランジャ側接触曲面が凹状球面なす構成の燃料ポンプにも適用される。
1…自動二輪車、2…車体フレーム、3…内燃機関、10…フロントフォーク、11…前輪、13…リヤフォーク、14…後輪、16…燃料タンク、17…低圧燃料ポンプ、20…ヘッドパイプ、21…メインフレーム、22…ダウンフレーム、23…シートレール、
30…クランクケース、31…クランク軸、33…シリンダブロック、33f…冷却フィン、34…シリンダヘッド、34f…冷却フィン、35…シリンダヘッドカバー、36…カムシャフト、
40…吸気管、41…スロットルボディ、43…燃料噴射弁、45…排気管、46…マフラ、
50…高圧燃料ポンプ、51…ポンプハウジング、51L…ロアハウジング部、51U…アッパハウジング部、52…プランジャ孔、53…加圧室、54…燃料吸入通路、55…燃料吐出通路、55v…吐出弁、
60…プランジャ、60u…上端部、60p…下端部、60C…プランジャ側接触曲面、60Cv…凸状球面、61…ポンプカム軸、61c…偏心カム、62…ボールベアリング、
63…リフタ、63p…押圧部、63C…リフタ側接触曲面、63Cc…凹状球面、63d…凹部、64…ニードルベアリング、65…プランジャガイド、
70…吸入弁駆動装置、73…吸入弁、80…パルセーションダンパ、85…ダンパ蓋部材。
Claims (4)
- ポンプカム軸(61)のカム(61c)の回転に従動するリフタ(63)の押圧部(63p)に、プランジャ(60)の一端部(60p)が接し、前記カム(61c)の回転により前記リフタ(63)を介して前記プランジャが往復動することにより燃料を加圧して吐出する燃料ポンプ(50)において、
前記プランジャ(60)の一端部(60p)のプランジャ側接触曲面(60C)と前記リフタの前記押圧部のリフタ側接触曲面(63C)が、互いに接し、
前記プランジャ側接触曲面(60C)と前記リフタ側接触曲面(63C)は、一方の接触曲面(60C)が凸状球面(60Cv)をなし、他方の接触曲面(63C)が前記プランジャ(60)の中心軸であるプランジャ中心軸(Cp)に関して対称な一対の凹状球面(63Cc,63Cc)をなし、
前記凹状球面(63Cc,63Cc)は、前記凸状球面(60Cv
c)より曲率半径が大きく、
前記プランジャ(60)は、前記プランジャ中心軸(Cp)を上下方向に指向させた姿勢で、その下端部(60p)の前記プランジャ側接触曲面(60C)が前記凸状球面(60Cv)をなし、
前記リフタ(63)の上方に位置させた前記押圧部(63p)の前記リフタ側接触曲面(63C)が一対の前記凹状球面(63Cc,63Cc)をなし、
前記カム(61c)は、円板状の偏心カム(61c)であり、
前記リフタ(63)は、前記偏心カム(61c)の外周面に相対回転自在に外装され、
前記リフタ(63)は、前記ポンプカム軸(61)の回転中心軸に関して前記押圧部(63p)と反対側に重錘部(63w)を有することを特徴とする燃料ポンプ。 - 前記リフタ(63)の前記押圧部(63p)は、一対の前記凹状球面(63Cc,63Cc)の間に下方に凹んだ凹部(63d)を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
- 前記凸状球面(60Cv)と一対の前記凹状球面(63Cc,63Cc)の各接触点(X)における接線(Lx)が前記プランジャ中心軸(Cp)に対してなす接触角度(θ)は、45度以上で65度以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
- 前記プランジャ(60)は、バネ(66)により前記リフタ(63)に押圧付勢され、
前記バネ(66)は、前記プランジャ(60)の一端部(60p)の前記プランジャ側接触曲面(60C)とは反対側の他端部(60u)に作用するように設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の燃料ポンプ。
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