JP7204561B2 - 燃料ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、プランジャが往復動することにより加圧室の燃料を加圧して吐出する燃料ポンプに関する。
カムの回転に従動するリフタにプランジャの端部が接することで、プランジャが往復動する燃料ポンプは、特に高圧燃料ポンプとして一般的である(例えば、特許文献1参照)。
特開2010-196641号公報
特許文献1に開示された高圧燃料ポンプは、上下に往復動するプランジャの上方にポンプ室(加圧室)を有し、プランジャの往復動でポンプ室の容積を変化させ、ポンプ室の燃料を加圧して吐出する。
プランジャの下端部は、有蓋円筒状の案内体の蓋部の外側端面に当接している。
案内体の筒部内に摺動可能に駆動体(リフタ)が嵌入されており、駆動体の上端部が案内体の蓋部の内側端面に当接している。
駆動体の下端部に軸支されたローラが、2つのカムノーズが180度間隔で形成されるカムの外周のカム面に上方から接している。
カムの回転によって、カムノーズがローラを介して駆動体(リフタ)を押し上げると、駆動体に当接する案内体とともにプランジャを押し上げ、ポンプ室の燃料を加圧して吐出する。
また、カムの回転によりカムノーズがローラから離れると、スプリングによりプランジャは下方に押し戻され、ポンプ室に燃料が吸入される。
案内体の蓋部の内側端面は凹状の球面(凹状球面)をなし、この凹状球面に接する駆動体の上端面は、凸状の球面(凸状球面)をなし、案内体の凹状球面の方が駆動体の凸状球面より曲率半径が大きく、中心部の1点で点接触している。
球面と球面の弾性接触部分に掛かる圧力(ヘルツ面圧)は、1点で点接触しているので、接触面の許容限界値に近い大きな圧力となり、耐久性に課題がある。
また、駆動体は案内体に対して1点で点接触する以外は案内体から離れているので、案内体に対して駆動体は多少の傾きは許容されており、そのため駆動体が傾くと接触点が移動し、駆動体の押圧方向が球面の接触点での接線に対して垂直でなくなり、よって滑りが生じて摩耗し易くなり、耐久性に課題が残る。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、カムの回転に従動するリフタの押圧部とプランジャ側の端部との接触部分に掛かるヘルツ面圧が軽減し、滑りを抑制して、耐久性の向上を図ることができる燃料ポンプを供する点にある。
上記目的を達成するために、本発明は、
ポンプカム軸のカムの回転に従動するリフタの押圧部に、プランジャの一端部が接し、前記カムの回転により前記リフタを介して前記プランジャが往復動することにより燃料を加圧して吐出する燃料ポンプにおいて、
前記プランジャの一端部のプランジャ側接触曲面と前記リフタの前記押圧部のリフタ側接触曲面が、互いに接し、
前記プランジャ側接触曲面と前記リフタ側接触曲面は、一方の接触曲面が凸状球面をなし、他方の接触曲面が前記プランジャの中心軸であるプランジャ中心軸に関して対称な一対の凹状球面をなし、
前記凹状球面は、前記凸状球面より曲率半径が大きいことを特徴とする燃料ポンプを提供する。
この構成によれば、互いに接するプランジャのプランジャ側接触曲面とポンプカム軸のカムの回転に従動するリフタのリフタ側接触曲面は、一方の接触曲面が凸状球面をなし、他方の接触曲面がプランジャ中心軸に関して対称な一対の凹状球面をなし、凹状球面は、凸状球面より曲率半径が大きいので、凸状球面は、プランジャ中心軸に関して対称な一対の凹状球面にそれぞれ1点で点接触し、すなわち2点で点接触することになり、凸状球面と凹状球面の弾性接触部分に掛かる圧力(ヘルツ面圧)は、1点で点接触する場合に比べて半減することで、高圧燃料ポンプ50の耐久性が向上する。
また、プランジャに対してリフタが多少傾いたとしても凸状球面は一対の凹状球面に2点で接触することが維持されて滑りが抑制されるので、耐摩耗性に優れている。
したがって、ヘルツ面圧を低減し、耐摩耗性が増すことで、高圧燃料ポンプ50の耐久性が益々向上する。
本発明の好適な実施形態では、
前記凸状球面と一対の前記凹状球面の各接触点における接線が前記プランジャ中心軸に対してなす接触角度は、45度以上で65度以下である。
この構成によれば、凸状球面と一対の前記凹状球面の各接触点における接線がプランジャ中心軸に対してなす接触角度を、45度以上で65度以下とすることで、ヘルツ面圧を小さくすることができ、無理なく2点での点接触を維持することが可能で、滑りを可及的に抑制して耐摩耗性を増し、高圧燃料ポンプの耐久性を向上させることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記プランジャは、バネにより前記リフタに押圧付勢され、
前記バネは、前記プランジャの一端部の前記プランジャ側接触曲面とは反対側の他端部に作用するように設けられる。
この構成によれば、プランジャをリフタに押圧付勢するバネは、プランジャの一端部のプランジャ側接触曲面とは反対側の他端部に作用するので、プランジャに対する燃料圧縮に伴う荷重受け面とバネによる戻し荷重受け面(プランジャのプランジャ側接触曲面とは反対側の他端部の端面)が略同じとなり、プランジャの動きに伴う荷重の切り替わりに対してプランジャの挙動が安定し、球面の耐久性をより高めることができる。
また、プランジャのプランジャ側接触曲面とは反対側の端部に作用するバネは、加圧室に設けられることになり、燃料ポンプの小型化を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記プランジャは、前記プランジャ中心軸を上下方向に指向させた姿勢で、その下端部の前記プランジャ側接触曲面が前記凸状球面をなし、
前記リフタの上方に位置させた前記押圧部の前記リフタ側接触曲面が一対の前記凹状球面をなし、
前記リフタの前記押圧部は、一対の前記凹状球面の間に下方に凹んだ凹部を備える。
この構成によれば、プランジャはプランジャ中心軸を上下方向に指向させた姿勢で、その下端部のプランジャ側接触曲面が前記凸状球面をなし、リフタの上方に位置させた押圧部のリフタ側接触曲面が一対の凹状球面をなし、リフタの押圧部は一対の凹状球面の間に下方に凹んだ凹部を備えるので、リフタの押圧部の凹部にオイルが溜り、潤滑性を向上させるとともに、摩耗を低減して耐久性を向上させることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記カムは、円板状の偏心カムであり、
前記リフタは、前記偏心カムの外周面に相対回転自在に外装され、
前記リフタは、前記ポンプカム軸の回転中心軸に関して前記押圧部と反対側に重錘部を有する。
この構成によれば、円板状の偏心カムの外周面に相対回転自在に外装されるリフタは、ポンプカム軸の回転中心軸に関して押圧部と反対側に重錘部を有するので、リフタは、外力が加わらない限り、重錘部を下側に旋回して、反対側の押圧部を上側に位置させる一定の姿勢となるため、燃料ポンプの組立性を向上させることができる。
本発明は、互いに接するプランジャのプランジャ側接触曲面とポンプカム軸のカムの回転に従動するリフタのリフタ側接触曲面は、一方の接触曲面が凸状球面をなし、他方の接触曲面がプランジャの中心軸に関して対称な一対の凹状球面をなし、凹状球面は、凸状球面より曲率半径が大きいので、凸状球面は、プランジャの中心軸に関して対称な一対の凹状球面にそれぞれ1点で点接触し、すなわち2点で点接触することになり、凸状球面と凹状球面の弾性接触部分に掛かる圧力(ヘルツ面圧)は、1点で点接触する場合に比べて半減する。
また、プランジャに対してリフタが多少傾いたとしても凸状球面は一対の凹状球面に2点で接触することが維持され、滑りが抑制されるので、耐摩耗性に優れている。
したがって、ヘルツ面圧を低減し、耐摩耗性に優れることで、燃料ポンプの耐久性の向上を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の全体側面図である。 シリンダヘッドと高圧燃料ポンプの右側面図である。 図2のIII-III矢視によるシリンダヘッドと高圧燃料ポンプの断面図である。 図3のIV-IV矢視によるシリンダヘッドと高圧燃料ポンプの断面図である。 図4におけるプランジャとリフタの接触部分の拡大図である。 接触角度に対するヘルツ面圧の変化を示すグラフである。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図6に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る高圧燃料ポンプ50を備えた内燃機関3を搭載した鞍乗型車両である自動二輪車1の右側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
ただし、本明細書中で、前方および後方と表記した場合は、厳密な意味での前方および後方というのではなく、おおよそ前方および後方という意味である。
また、本明細書中で、上方と表記した場合も、同様におおよそ上方という意味である。
本自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ20からは、メインフレーム21が後方に燃料タンク16に上部から覆われて、若干下方に傾斜して延出した後に、下方に屈曲してピボットフレーム21aを形成している。
ヘッドパイプ20からはさらに車幅方向中央を斜め後下方に向けてダウンフレーム22が延出している。
内燃機関3におけるクランクケース30の前部が、ダウンフレーム22の下部の支持ブラケット22aに上下2か所でハンガーボルト3aにより取り付けられ、クランクケース30の後部が、ピボットフレーム21aにハンガーボルト3bにより取り付けられて、内燃機関3が車体フレーム2に支持される。
メインフレーム21の屈曲部からは図示しない左右一対のシートレール23が後方に延出しており、シートレール23とピボットフレーム21aの中央部とを連結したバックステー24がシートレール23を支持している。
ヘッドパイプ20にはフロントフォーク10が枢支され、その下端に前輪11が軸支され、フロントフォーク10の枢軸の上端に操舵ハンドル12が設けられる。
ピボットフレーム21aの下部に設けられたピボット軸25に前端を軸支されたリヤフォーク13が後方へ延出し、その後端に後輪14が軸支され、リヤフォーク13の中央部とバックステー24との間に図示しないリヤクッションが介装されている。
メインフレーム21には燃料タンク16が左右両側に跨るように架設され、燃料タンク16の後方にシート18がシートレール23に支持されて設けられている。
燃料タンク16内には、低圧燃料ポンプ17が内装されている。
自動二輪車1に搭載される内燃機関3は、空冷単気筒のSOHC型4ストロークサイクル内燃機関である。
該内燃機関3は、そのクランクケース30内の後部に多段変速機を一体に備えて、いわゆるパワーユニットを構成しており、そのクランク軸31を、自動二輪車1の車幅方向、すなわち左右方向に配向させて、車体フレーム2に支持される。
内燃機関3は、クランクケース30の斜め上方にシリンダブロック33およびシリンダヘッド34が順次重ねられて、シリンダブロック33のシリンダボアの中心軸であるシリンダ軸線Lcが前方に若干傾いた略上下方向に指向した前傾姿勢でクランクケース30から起立している。
シリンダヘッド34の上方は、シリンダヘッドカバー35が覆う。
シリンダヘッド34の後面から吸気管40が延出し、吸気管40にはスロットルボディ41が介装されている。
吸気管40に沿って設けられた燃料噴射弁43は、先端の噴射口が燃焼室に臨んでいる。
シリンダヘッド34の前面から延出した排気管45は車両下部右側を後方に延設されてマフラ46に接続している。
該内燃機関3のシリンダヘッド34の車幅方向右側部の上に、高圧燃料ポンプ50が設けられている。
高圧燃料ポンプ50は、前記燃料タンク16内の低圧燃料ポンプ17から供給された燃料を、丸棒状のプランジャ60の往復動により加圧して吐出する燃料ポンプであり、高圧燃料ポンプ50から吐出された高圧燃料は前記燃料噴射弁43に送られ、燃料噴射弁43から直接燃焼室に高圧燃料が噴射される。
図3および図4を参照して、高圧燃料ポンプ50のポンプハウジング51には、プランジャ60が往復動するプランジャ孔52と、プランジャ60により燃料が加圧される加圧室53と、燃料が加圧室53に吸入される燃料吸入通路54と、加圧室53で加圧された燃料が吐出される燃料吐出通路55等が、形成されている。
燃料吐出通路55の後端の下流端吐出通路部55zには、所定圧以上で開弁する吐出弁55vが設けられる。
高圧燃料ポンプ50は、燃料吸入通路54の途中に介装された吸入弁73を駆動して加圧室53からの燃料の吐出量を調整する吸入弁駆動装置70および燃料吸入通路54の前記吸入弁73より上流側に介装され燃料圧力の脈動を低減する円盤形状をしたパルセーションダンパ80が、ポンプハウジング51に組み込まれる(図2参照)。
図3を参照して、シリンダヘッド34に車幅方向に指向してカムシャフト36が支持されており、カムシャフト36は、クランク軸31との間に掛け渡されたカムチャーン(不図示)によりクランク軸31の回転が伝達されて回転する。
このカムシャフト36の右端に同軸にポンプカム軸61が連結され、一体に回転する。
ポンプハウジング51は、シリンダ軸線Lcの方向に上下2分割されており、シリンダヘッド34の上側合せ面に重ねられて、プランジャ孔52の下部を除きポンプカム軸61を覆うロアハウジング部51Lと、ロアハウジング部51Lの上側合せ面に重ねられ、前記プランジャ孔52、加圧室53およびパルセーションダンパ80のダンパ室等が形成されるアッパハウジング部51Uとからなる。
円盤形状をしたパルセーションダンパ80は、ダンパ蓋部材85により蓋をされたダンパ室に収容される。
図3を参照して、ポンプハウジング51のポンプカム軸61の上方にプランジャ60が往復動するプランジャ孔52が形成されており、プランジャ孔52の中心軸であり、丸棒状のプランジャ60の中心軸でもあるプランジャ中心軸Cpは、シリンダ軸線Lcに平行である。
図3および図4を参照して、ポンプカム軸61の中心軸は、シリンダヘッド34とロアハウジング部51Lの互いの合せ面上にあり、ポンプカム軸61の左右端部が、シリンダヘッド34とロアハウジング部51Lに挟まれるボールベアリング62,62により回転自在に軸支される。
ポンプカム軸61のボールベアリング62,62間に偏心カム61cが形成されている。
偏心カム61cは、ポンプカム軸61の中心軸より偏心した外周円周面を有し、この外周円周面にニードルベアリング64を介してリフタ63が相対回転自在に外装されている。
リフタ63は、内周面がニードルベアリング64のアウタレースに嵌合する円周面をなし、径方向外側に狭い中心角で突出した押圧部63pと径方向外側に比較的広い中心角で膨出した重錘部63wが、内周面の中心軸に関して互いに対称位置に形成されている。
したがって、リフタ63は、車幅方向水平に指向したポンプカム軸61にニードルベアリング64を介して外装されると、重錘部63wの重量により自然と重錘部63wを下方にして押圧部63pを上方に位置させる一定の姿勢となるために、上方に位置した押圧部63pにプランジャ60の下端部60pを接触させて高圧燃料ポンプ50を組み立てることが容易にでき、燃料ポンプの組立性を向上させることができる。
このリフタ63の上方に向いた押圧部63pに上方からプランジャ60の下端部60pが接する接触部分の拡大図(図4の要部拡大図)を、図5に示す。
同図5および図4を参照して、プランジャ60の下端部60pのリフタ63の押圧部63pが接するプランジャ側接触曲面60Cは、下方に突出した凸状球面60Cvをなす。
他方、リフタ63の押圧部63pのプランジャ60の下端部60pが接するリフタ側接触曲面63Cは、下方に凹んだ凹状球面63Ccをなす。
リフタ側接触曲面63Cは、図4に示すポンプカム軸61の軸方向視でプランジャ中心軸Cpに関して対称な前後一対の凹状球面63Cc,63Ccからなる。
リフタ63の押圧部63pにおけるリフタ側接触曲面63Cの凹状球面63Cc,63Ccの曲率半径Rcは、プランジャ60の下端部60pにおけるプランジャ側接触曲面60Cの凸状球面60Cvの曲率半径Rvより大きい。
図4に示されるように、プランジャ60の下端部60pのプランジャ側接触曲面60Cである凸状球面60Cvは、リフタ63の押圧部63pのリフタ側接触曲面63Cである一対の凹状球面63Cc,63Ccに挟まれるようにして2点で接して、リフタ63の回動が抑制される。
したがって、ポンプカム軸61の偏心カム61cが回転しても、リフタ63は自身の回動が抑制された状態で上下移動を含む円運動をする。
リフタ63の押圧部63pは、前後一対の凹状球面63Cc,63Ccの間に、下方に凹んだ凹部63dを備える。
凹部63dは、プランジャ中心軸Cp上にあって、そのコ字状の内面が前後の凹状球面63Cc,63Ccに連続して形成されている。
したがって、上方に開放した一対の凹状球面63Cc,63Ccは、プランジャ60の外周面を伝わったオイルや上方から降り注ぐオイルを受け止め、受け止められたオイルは凹状球面63Cc,63Ccに沿って下方に流れ、中央の凹部63dに溜まる。
リフタ63の押圧部63pとプランジャ60の下端部60pは互いに接して上下に往復動するので、凹部63dに溜まったオイルはリフタ側接触曲面63Cとプランジャ側接触曲面60Cを常に潤滑し、潤滑性の向上でリフタとプランジャの動きを円滑にするとともに、摩耗を低減して耐久性を向上させることができる。
ポンプハウジング51に形成されるプランジャ孔52は、大部分がアッパハウジング部51Uに形成され、下部がロアハウジング部51Lに形成される。
アッパハウジング部51Uのプランジャ孔52に円筒状のプランジャガイド65が嵌合され、このプランジャガイド65にプランジャ60が摺動自在に嵌装される。
プランジャ60は、プランジャガイド65にガイドされて上下方向に往復動し、プランジャ60の下部は、ロアハウジング部51Lのプランジャ孔52の下部を貫通して、ポンプカム軸61に回転可能に外装されたリフタ63の上方に向いた押圧部63pに接する。
アッパハウジング部51Uのプランジャ孔52の上方空間は、加圧室53となっており、加圧室53の天井面とプランジャ60の上端部60uとの間に圧縮バネ66が介装されている。
したがって、プランジャ60は、その上端部60uに圧縮バネ66のバネ力と加圧室53の圧力をともに受けて下方に付勢され、プランジャ60の下端部60pが上方からリフタ63の押圧部63pを押圧する。
高圧燃料ポンプ50のポンプ本体部は、上記のような構造をしており、カムシャフト36と一体にポンプカム軸61が回転すると、偏心カム61cの回転によりリフタ63の押圧部63pの一対の凹状球面63Cc,63Ccがプランジャ60の下端部60pの凸状球面60Cvを挟むようにして2点で接することにより、リフタ63が自身の回動を抑制されて円運動をして上下に往復動するので、リフタ63の押圧部63pに上方から圧縮バネ66により付勢されて接するプランジャ60を上下に往復動し、加圧室53の燃料を加圧して吐出することができる。
プランジャ60とリフタ63の接触部分の拡大図である図5を参照して、本高圧燃料ポンプ50のプランジャ60の下端部60pの凸状球面60Cvの曲率半径Rvは3.0(+0.05/0公差)mmであり、リフタ63の押圧部63pの凹状球面63Ccの半径(曲率半径)Rcは3.5(+0.2/-0.05公差)mmであり、凸状球面60Cvの曲率半径Rvより凹状球面63Ccの曲率半径Rcの方が大きい。
プランジャ60の下端部60pの凸状球面60Cvとリフタ63の押圧部63pの一対の凹状球面63Cc,63Ccの各接触点Xにおける接線Lxがプランジャ中心軸Cpに対してなす接触角度θに対する凸状球面60Cvと凹状球面63Ccの弾性接触部分に掛かる圧力であるヘルツ面圧Phの変化を図6に示す。
図5を参照して、本実施の形態のプランジャ60とリフタ63について、プランジャ60に加わる加圧室53内の燃圧が20MPaで、圧縮バネ66のバネ荷重が20.1Nとして、その合計荷重fがリフタ63に加わるとしたときに、リフタ63の凹状球面63Ccの接触点Xには接線Lxに垂直に、f/sinθの荷重が加わるとして、図6に示すヘルツ面圧Phを演算して求めている。
図6のグラフに示されるように、ヘルツ面圧Phは、接触点Xにおける接線Lxがプランジャ中心軸Cpに対してなす接触角度θが、約55度のときにヘルツ面圧Phは最小となる。
したがって、本実施の形態では、接触点Xにおける接線Lxがプランジャ中心軸Cpに対してなす接触角度θを55度として、ヘルツ面圧Phを最小としている。
以上のように、本高圧燃料ポンプ50は、プランジャ60の下端部60pの凸状球面60Cvが、リフタ63の押圧部63pのプランジャ中心軸に関して対称な一対の凹状球面63Cc,63Ccにそれぞれ接触点Xの1点で点接触し、すなわち2点で点接触することで、凸状球面60Cvと凹状球面63Cc,63Ccの弾性接触部分に掛かる圧力(ヘルツ面圧)は、1点で点接触する場合に比べて半減する。
さらに、接触点Xにおける接線Lxがプランジャ中心軸Cpに対してなす接触角度θを55度とすることで、各ヘルツ面圧Phを最小としている。
したがって、ヘルツ面圧Phが大幅に低減され、高圧燃料ポンプ50の耐久性の向上が図れる。
また、プランジャ60に対してリフタ63が多少傾いたとしても凸状球面60Cvは一対の凹状球面63Cc,63Ccに2点で接触することが維持されて滑りが抑制されるので、耐摩耗性が増すことで、高圧燃料ポンプ50の耐久性が益々向上する。
図3および図4に示されるように、プランジャ60をリフタ63に押圧付勢する圧縮バネ66は、プランジャ60のプランジャ側接触曲面60Cとは反対側の上端部60uに作用するので、プランジャ60に対する燃料圧縮に伴う荷重受け面と圧縮バネ66による戻し荷重受け面(プランジャのプランジャ側接触曲面60Cとは反対側の上端部60uの端面)が略同じとなり、プランジャ60の動きに伴う荷重の切り替わりに対してプランジャ60の挙動が安定する。
プランジャ60の動きが安定することで、プランジャ60の凸状球面60Cvとリフタ63の一対の凹状球面63Cc,63Ccとの接触部分の耐久性をより高めることができる。
また、プランジャ60の下端部60pのプランジャ側接触曲面60Cとは反対側の上端部60uに作用する圧縮バネ66は、加圧室53に設けられることになり、高圧燃料ポンプ50の小型化を図ることができる。
プランジャ60の下端部60pの凸状球面60Cvの曲率半径Rvとリフタ63の押圧部63pの凹状球面63Ccの曲率半径Rcの組み合わせには、種々あり、その曲率半径差(Rc-Rv)が小さい程、接触面積が大きくヘルツ面圧Phは小さくなる。
プランジャ60の凸状球面60Cvに対するリフタ63の凹状球面63Ccの配置の上で、リフタ63の押圧部63pの形状から凹状球面63Ccの上端角部に凸状球面60Cvの接触曲面が接触するのを回避するために、接触面積には限界があり、そのため、曲率半径差(Rc-Rv)に下限がある。
曲率半径差(Rc-Rv)が下限値以上での凸状球面60Cvの曲率半径Rvと凹状球面63Ccの曲率半径Rcの種々の実用的な組み合わせで、ヘルツ面圧Phを最も小さくするのは、図6を参考にして、凸状球面60Cvと凹状球面63Ccの接触点Xにおける接線Lxがプランジャ中心軸Cpに対してなす接触角度θが、45度以上で65度以下の範囲にある。
したがって、接触角度θを、45度以上で65度以下とすることで、ヘルツ面圧を小さくすることができ、無理なく2点での点接触を維持することが可能で、滑りを可及的に抑制して耐摩耗性を増し、高圧燃料ポンプ50の耐久性を益々向上させることができる。
以上、本発明に係る一実施の形態に係る高圧燃料ポンプについて説明したが、本発明の態様は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むものである。
したがって、本発明は、高圧燃料ポンプに限られるものではない。
また、本発明は、リフタの押圧部のリフタ側接触曲面が凸状球面をなし、プランジャの端部のプランジャ側接触曲面が凹状球面なす構成の燃料ポンプにも適用される。
Cp…プランジャ中心軸、Lc…シリンダ軸線、
1…自動二輪車、2…車体フレーム、3…内燃機関、10…フロントフォーク、11…前輪、13…リヤフォーク、14…後輪、16…燃料タンク、17…低圧燃料ポンプ、20…ヘッドパイプ、21…メインフレーム、22…ダウンフレーム、23…シートレール、
30…クランクケース、31…クランク軸、33…シリンダブロック、33f…冷却フィン、34…シリンダヘッド、34f…冷却フィン、35…シリンダヘッドカバー、36…カムシャフト、
40…吸気管、41…スロットルボディ、43…燃料噴射弁、45…排気管、46…マフラ、
50…高圧燃料ポンプ、51…ポンプハウジング、51L…ロアハウジング部、51U…アッパハウジング部、52…プランジャ孔、53…加圧室、54…燃料吸入通路、55…燃料吐出通路、55v…吐出弁
60…プランジャ、60u…上端部、60p…下端部、60C…プランジャ側接触曲面、60Cv…凸状球面、61…ポンプカム軸、61c…偏心カム、62…ボールベアリング、
63…リフタ、63p…押圧部、63C…リフタ側接触曲面、63Cc…凹状球面、63d…凹部、64…ニードルベアリング、65…プランジャガイド、
70…吸入弁駆動装置、73…吸入弁、80…パルセーションダンパ、85…ダンパ蓋部材。

Claims (4)

  1. ポンプカム軸(61)のカム(61c)の回転に従動するリフタ(63)の押圧部(63p)に、プランジャ(60)の一端部(60p)が接し、前記カム(61c)の回転により前記リフタ(63)を介して前記プランジャが往復動することにより燃料を加圧して吐出する燃料ポンプ(50)において、
    前記プランジャ(60)の一端部(60p)のプランジャ側接触曲面(60C)と前記リフタの前記押圧部のリフタ側接触曲面(63C)が、互いに接し、
    前記プランジャ側接触曲面(60C)と前記リフタ側接触曲面(63C)は、一方の接触曲面(60C)が凸状球面(60Cv)をなし、他方の接触曲面(63C)が前記プランジャ(60)の中心軸であるプランジャ中心軸(Cp)に関して対称な一対の凹状球面(63Cc,63Cc)をなし、
    前記凹状球面(63Cc,63Cc)は、前記凸状球面(60Cv
    c)より曲率半径が大きく、
    前記プランジャ(60)は、前記プランジャ中心軸(Cp)を上下方向に指向させた姿勢で、その下端部(60p)の前記プランジャ側接触曲面(60C)が前記凸状球面(60Cv)をなし、
    前記リフタ(63)の上方に位置させた前記押圧部(63p)の前記リフタ側接触曲面(63C)が一対の前記凹状球面(63Cc,63Cc)をなし、
    前記カム(61c)は、円板状の偏心カム(61c)であり、
    前記リフタ(63)は、前記偏心カム(61c)の外周面に相対回転自在に外装され、
    前記リフタ(63)は、前記ポンプカム軸(61)の回転中心軸に関して前記押圧部(63p)と反対側に重錘部(63w)を有することを特徴とする燃料ポンプ。
  2. 前記リフタ(63)の前記押圧部(63p)は、一対の前記凹状球面(63Cc,63Cc)の間に下方に凹んだ凹部(63d)を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
  3. 前記凸状球面(60Cv)と一対の前記凹状球面(63Cc,63Cc)の各接触点(X)における接線(Lx)が前記プランジャ中心軸(Cp)に対してなす接触角度(θ)は、45度以上で65度以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
  4. 前記プランジャ(60)は、バネ(66)により前記リフタ(63)に押圧付勢され、
    前記バネ(66)は、前記プランジャ(60)の一端部(60p)の前記プランジャ側接触曲面(60C)とは反対側の他端部(60u)に作用するように設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の燃料ポンプ。
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