JP7203321B2 - マイクロニードルアレイの製造方法 - Google Patents

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本発明は、中空状のマイクロニードルアレイを安価かつ高精度に製造するマイクロニードルアレイの製造方法及びそれにより得られるマイクロニードルアレイに関する。
投薬治療は、外科的処置と並び医療行為の高い割合を占めている。投薬治療は、経口投与と被経口投与に大別されるが、後者においては、注射器を用いた体内への薬剤の投与が主流となっている。注射器を用いる体内投与の利点は、皮下や血管内に直接薬剤を投与できる点にあるが、糖尿病患者に対するインスリン投与等の一部の例外を除き、患者が病院等の医療施設に出向き、医師や看護師等の有資格者による投与を受ける必要がある。また、注射による薬剤の投与には、痛みを伴うことや、投与回数の増大に伴い注射痕が残ること等の問題がある。
かかる状況に鑑みて、簡便な薬剤の体内投与の手段として、マイクロニードルアレイが注目されている。マイクロニードルアレイは、複数の先細の微細な針(マイクロニードル)が台座上に分散配置された形状を有するマイクロニードルの集合体であり、表面に薬剤を塗布したマイクロニードルアレイを皮膚に貼付することにより、真皮下に到達したマイクロニードルに塗布された薬剤を体内に投与することができる。マイクロニードルの長さを、皮下の無痛点に到達可能な程度にすることにより、痛みを伴うことなく、薬剤を皮下投与することが可能になる。マイクロニードルアレイは、薬剤の投与に関し多くの長所を有しており、今後の高齢化社会に大きく貢献する技術として期待されている。また、医療分野のみならず、美容分野等への応用も期待されている。
従来、マイクロニードルアレイの材料には、主に金属やシリコン等が用いられており、例えば、クリーンルーム内でのフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて針の形状を作製していた(例えば、特許文献1参照)。したがって、製造コストが非常に高騰するという課題があると共に、皮膚内における折損による体内残存リスクがあるため、マイクロニードルアレイについて、生分解性樹脂等の人体に対して安全な材料を用いた低コストな量産化技術が求められている。
例えば、先側がマイクロニードルアレイの形状に対応した凹部が形成された金型を用いて、射出成形により樹脂製の中実のマイクロニードルアレイを製造する技術が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
特開2016-2194号公報 特開2012-217653号公報 特表2012-523270号公報
しかしながら、特許文献2に記載の中実のマイクロニードルアレイは、マイクロニードルが単純円錐形等の単純な表面形状を有し、中空部を有しないため、保持することのできる薬剤の量は限られており、注射器に代わる薬剤投与手段として十分な機能を有していないという問題があった。薬液の高容量搭載を目的とした中空のマイクロニードルは、300μm以下の小さな針であるため、機械加工等を用いて中空部を作製すること及び複数の針について中空部の位置を合わせて加工又は成形する精度には限界がある。特許文献3に記載の方法においても、マイクロニードルの表面形状の形性及び中空部の形成に異なる型を用いるため、2つの型を用意する必要と、両者の位置決め精度について同様の問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、中空状のマイクロニードルアレイを安価かつ高精度に製造できるマイクロニードルアレイの製造方法及びそれにより得られる中空状のマイクロニードルアレイを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明、複数の先細の中空状のマイクロニードルが台座上に分散配置された形状を有する熱可塑性樹脂を基材とするマイクロニードルアレイを製造する方法であって、前記マイクロニードルアレイの表面形状の少なくとも一部と同一の表面形状を有する原型が形成されたマスター型を形成する第1の工程と、前記マイクロニードルアレイの基材となる第1の熱可塑性樹脂よりも融点が高い第2の熱可塑性樹脂製のブロックの少なくとも一部を、前記マスター型は熱変形せず、前記第2の熱可塑性樹脂が軟化する温度に加熱しながら前記マスター型に押圧し、前記原型の反転形状を前記第2の熱可塑性樹脂製のブロックに転写し、樹脂型を形成する第2の工程と、前記樹脂型に転写された前記原型の反転形状を有するキャビティ内に、前記第1の熱可塑性樹脂の融点よりも高く、且つ前記第2の熱可塑性樹脂が熱変形しない温度に加熱した前記第1の熱可塑性樹脂を充填する第3の工程と、前記第1の熱可塑性樹脂がキャビティ内に充填された樹脂型を、前記マスター型に押圧し、前記マイクロニードルの中空部を形成する第4の工程を有することを特徴とするマイクロニードルアレイの製造方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明係るマイクロニードルアレイの製造方法の前記第2の工程において、前記第2の熱可塑性樹脂製のブロックの、前記マスター型に押圧される面及びその近傍を加熱することが好ましい。
本発明係るマイクロニードルアレイの製造方法において、前記第1の熱可塑性樹脂が、生分解性熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明係るマイクロニードルアレイの製造方法において、前記生分解性熱可塑性樹脂が、ポリ乳酸、ポリグリコール酸及び乳酸-グリコール酸共重合体のいずれかであってもよい。
本発明係るマイクロニードルアレイの製造方法において、前記第2の熱可塑性樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はパーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)であることが好ましい。
本発明係るマイクロニードルアレイの製造方法の前記第3の工程において、前記キャビティのマイクロニードルの先端部に対応する部分に、生体内で溶解又は分解する素材を充填後に前記第1の熱可塑性樹脂を充填してもよい。
本発明のマイクロニードルアレイの製造方法では、マイクロニードルアレイの表面形状の形成及び中空部の形成に同一のマスター型を使用するため、マスター型の製作コストを低減できる。また、樹脂型の形成(第2の工程)からマイクロニードルの中空部の形成(第4の工程)までの一連の工程を、樹脂型及びマスター型を移動することなく連続的に行うことができる。そのため、微細な中空部の形成を高い位置決め精度で行うことができると共に、製造時のリードタイムを短縮でき、生産設備の簡略化も可能になる。
更に、本発明のマイクロニードルアレイの製造方法では、金型の代わりにマイクロニードルアレイの基材となる熱可塑性樹脂よりも高融点の熱可塑性樹脂からなるブロックに、マスター型の反転形状を転写した樹脂型を使用するため、金型よりも大幅に低コストに成形型を形成できる。
以上述べたように、本発明によると、複数の中空状のマイクロニードルが台座上に分散配置したマイクロニードルアレイを、低コストで高い工作精度で製造することが可能になる。
本発明の一実施の形態に係るマイクロニードルアレイの製造方法の第1の工程を示す概略図である。 同マイクロニードルアレイの製造方法の第2の工程を示す概略図である。 同マイクロニードルアレイの製造方法の第3の工程を示す概略図である。 同マイクロニードルアレイの製造方法の第4の工程を示す概略図である。 同マイクロニードルアレイの製造を単一の装置を用いて実施する場合の第2~第4の工程の実施手順を示す概略図である。 本発明の一実施の形態に係るマイクロニードルアレイの断面構造を示す概略断面図である。 形成されたマイクロニードルアレイのマスター型の形状の一例を示す顕微鏡写真である。 上記のマスター型を用いて形成された樹脂型の顕微鏡写真である。 上記のマスター型及び樹脂型を用いて形成されたマイクロニードルアレイの中空部を示す顕微鏡写真である。 上記のマスター型及び樹脂型を用いて形成されたマイクロニードルアレイの外形を示す顕微鏡写真である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の第1の実施の形態に係るマイクロニードルアレイの製造方法(以下、「マイクロニードルアレイの製造方法」又は「製造方法」と略称する場合がある。)は、図1~5に示すように、複数の先細の中空状のマイクロニードル11が台座(図示しない)上に分散配置された形状を有する熱可塑性樹脂を基材とするマイクロニードルアレイ10を製造する方法であって、下記の4つの工程を有している。
・第1の工程:マイクロニードルアレイ10の表面形状の少なくとも一部と同一の表面形状を有する原型23が形成されたマスター型20を形成する(図1参照)。
・第2の工程:マイクロニードルアレイ10の基材となる第1の熱可塑性樹脂よりも融点が高い第2の熱可塑性樹脂製のブロック31の少なくとも一部を、マスター型20は熱変形せず、第2の熱可塑性樹脂が軟化する温度に加熱しながらマスター型20に押圧し、原型23の反転形状を第2の熱可塑性樹脂製のブロック31に転写し、樹脂型30を形成する(図2、5参照)。
・第3の工程:樹脂型30に転写された原型23の反転形状を有するキャビティ32内に、第1の熱可塑性樹脂の融点よりも高く、且つ第2の熱可塑性樹脂が熱変形しない温度に加熱した第1の熱可塑性樹脂33を充填する(図3参照)。
・第4の工程:第1の熱可塑性樹脂33がキャビティ32内に充填された樹脂型30を、マスター型20に押圧し、マイクロニードル11の中空部12を形成する(図4、5参照)。
以下、各工程についてより詳細に説明する。
<第1の工程>
第1の工程において、マイクロニードルアレイ10の表面形状の少なくとも一部と同一の表面形状を有する原型23が形成されたマスター型20を形成する。マスター型20に用いられる材料としては、マイクロニードルアレイ10の表面形状の少なくとも一部と同一の表面形状を有する原型23の有する微細形状の加工が可能で、樹脂型30の形成に用いられる第2の熱可塑性樹脂(後述)よりも高い融点を有し、後述する第2の工程における樹脂型の成形の際に、変形や破壊を起こさない限りにおいて、任意の材質を特に制限なく用いることができる。マスター型20の形成に用いることができる材料の具体例としては、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ルビー等のセラミックス材料、金型用鋼材、炭素工具鋼、合金工具鋼、高速工具鋼等の工具鋼、超硬合金等の金属材料が挙げられる。また、マスター型20に原型23を形成するための加工法としては、マイクロニードルアレイ10の表面形状の少なくとも一部と同一の表面形状を有する原型23の有する微細形状の加工が可能な任意の公知の方法を特に制限なく用いることができる。マスター型20の形成に用いることができる加工方法の具体例としては、切削加工及び放電加工等が挙げられるが、好ましくは、図1に示すように、形状電極21を用いた放電加工である。図1に示す第1の工程の一例においては、テーパエンドミルTを用いてマイクロニードル11の反転形状を彫り込んだ電極(形状電極)21を用いて、マスター型の材料のブロック22の放電加工を行い、マスター型20を形成する。
マイクロニードル11の形状は、表皮を貫通できる限りにおいて任意の先細の形状を有するものであってよい。マイクロニードル11の形状の具体例としては、円錐台状、楕円錐台状、角錐台状、コニーデ状等が挙げられる。マイクロニードル11は、台座側と先端側で形状が異なっていてもよい。各マイクロニードル11の高さは、50~800μm、好ましくは300~500μmであり、基端の外径は、30~300μm、好ましくは50~300μmである。マイクロニードル11の高さ及び基側の外径を上記範囲にすることによって、マイクロニードルアレイ10の使用時(マイクロニードル11を皮膚に刺し込んだ際)に、マイクロニードル11が折損するのを抑制及び/又は防止することができると共に、マイクロニードルアレイ10の使用時に、各マイクロニードル11の先端を皮下の無痛点の深さに到達させて、痛みを感じにくくさせることができる。
マイクロニードル11は、台座の1cm程度の範囲に、例えば、10~3000本(好ましくは、50~1000本)程度、分散配置されている。したがって、台座の大きさは、マイクロニードル11を配置可能な面積を有すればよい。ここで、台座上に複数のマイクロニードル11が配置される領域の形状は、平面視して長方形、正方形、円形、楕円形、又は多角形等の任意の形状とすることができ、長方形であれば長辺が、正方形であれば一辺が、円形であれば直径が、楕円形であれば長径が、多角形(正多角形)であれば一辺が、例えば、5~50mm程度となっている。
<第2の工程>
第2の工程において、マイクロニードルアレイ10の基材となる第1の熱可塑性樹脂よりも融点が高い第2の熱可塑性樹脂製のブロック31の少なくとも一部を、マスター型20は熱変形せず、第2の熱可塑性樹脂が軟化する温度に加熱しながらマスター型20に押圧し、原型23の反転形状を第2の熱可塑性樹脂製のブロック31に転写し、樹脂型30を形成する。
マイクロニードルアレイ10の基材となる第1の熱可塑性樹脂としては、生体に害を及ぼさない限りにおいて任意のものを特に制限なく用いることができる。第1の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、変性デンプン、イソソルビド由来の生分解性ポリカーボネート樹脂、乳酸-グリコール酸共重合体等の生分解性樹脂が挙げられるが、使用時に皮下に到達したマイクロニードルが折損した場合の安全性等を考慮すると、生分解性樹脂であることが好ましく、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸及び乳酸-グリコール酸共重合体のいずれかであることがより好ましい。
樹脂型の成形に用いる第2の熱可塑性樹脂としては、第1の熱可塑性樹脂よりも融点が高い任意の樹脂を特に制限なく用いることができる。第2の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、変性デンプン、イソソルビド由来の生分解性ポリカーボネート樹脂、乳酸-グリコール酸共重合体等の生分解性樹脂が挙げられるが、高融点で表面エネルギーが小さいため、離型性がよく、樹脂型からマイクロニードルアレイを取り出す際にマイクロニードルの折損が起こりにくい点で、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はパーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)が特に好ましい。
反転形状の転写は、第2の熱可塑性樹脂のブロック31をマスター型20に押圧する面及びその近傍を、マスター型20は熱変形せず、第2の熱可塑性樹脂が軟化する温度に加熱しながらマスター型20に押圧することにより行われる。マスター型20を上下動可能なステージに、原型23が下を向くように固定し、第2の熱可塑性樹脂のブロック31に向けて上方からマスター型20を接近させ、押圧する。このとき、マスター型20の少なくとも一部が同時に加熱されてもよい。第2の熱可塑性樹脂のブロック31及びマスター型20の加熱温度は、同一であっても異なっていてもよく、両者の加熱温度及び温度差は、両者の熱膨張係数及び熱伝導率等の熱特性、第2の熱可塑性樹脂の融点等を考慮して適宜決定される。加熱は、任意の手段を用いて行うことができるが、局所的に加熱が可能であり、加熱温度の調節も容易な高周波加熱により行うことが好ましい。
<第3の工程>
第3の工程において、樹脂型30に転写された原型の反転形状を有するキャビティ32内に、第1の熱可塑性樹脂の融点よりも高く、且つ第2の熱可塑性樹脂が熱変形しない温度に加熱した第1の熱可塑性樹脂33を充填する。この際、まず、キャビティ31の先端部に、生体内で溶解又は分解する素材を充填し、その後第1の熱可塑性樹脂33を充填してもよい。生体内で溶解又は分解する素材の具体例としては、ヒアルロン酸等が挙げられる。
<第4の工程>
第4の工程において、第1の熱可塑性樹脂33がキャビティ31内に充填された樹脂型30をマスター型20に押圧し、マイクロニードル11の中空部12を形成する。図5及び図6に示すように、中空部12の形成には、第1の工程において形成したマスター型20を使用し、第2の工程における反転形状の転写の際よりも陥入深さを小さくすることにより、樹脂型30のキャビティ31内に充填された第1の熱可塑性樹脂33の一部を排除することにより、中空部12が形成される。樹脂型30へのマスター型20の陥入深さを調節することにより、マイクロニードル11の中空部12の容積及びマイクロニードル11の厚さを調節できる。第1の熱可塑性樹脂33が冷却固化した後、マスター型20及び樹脂型30から取り出すことにより、マイクロニードルアレイ10が得られる。
第3の工程において、マイクロニードル11の先端部に対応する位置に生体内で溶解又は分解する素材を充填した場合、中空部12の形成に際し、マスター型20の先端部が、キャビティ31内に充填された生体内で溶解又は分解する素材からなる先端部13に到達するようにマスター型20の陥入深さを調節することが好ましい。このようにすることで、マイクロニードルアレイ10の使用時に、生体内で溶解又は分解する素材からなるマイクロニードル11の先端部13が溶解又は分解した後、マイクロニードル11の先端に中空部12と連通する孔が形成されるため、中空部12に収容した薬剤を体内に放出できるようになる。このようにして形成される、本発明の第2の実施の形態に係るマイクロニードルアレイ10におけるマイクロニードル11の概略断面図を図6に示す。
マイクロニードル11の中空部12に薬剤を充填後台座の裏面側を封止し、或いはマイクロニードル11の表面に薬剤を塗布後乾燥することにより、マイクロニードルアレイ10が得られる。薬剤の種類は特に限定されず、経皮投与に適した任意の治療効果を有する薬剤又は皮膚に対する美容効果を有する成分を特に制限なく用いることができる。中空部の内部に収容される薬剤の形態は、固体状、粉末状、顆粒状、ゲル状等特に制限されない。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
(1)マスター型の形成
図1に示した手順にしたがい、テーパエンドミルを用いて電極材料に複数の円錐台形状の穴を形成した。このようにして得られた形状電極を用いて、金型用鋼材(ELMAX(登録商標))からなるブロックを放電加工し、マスター型(底部の直径250μm、高さ650μmの円錐状、密度100本/cm)を形成した。このようにして形成したマスター型の顕微鏡写真を図7に示す。
(2)樹脂型の形成
図2に示した手順にしたがい、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂製のブロックを280℃に加熱し、250℃に加熱したマスター型を押圧(マスター型を上下動可能なステージに、マイクロニードルの原型が形成された面側が下向きになるよう固定し、マスター型を下向きに移動し、ブロックに90秒間押圧)して、マスター型の外形を転写した樹脂型を形成した。このようにして形成された樹脂型の顕微鏡写真を図8に示す。
(3)マイクロニードルアレイの形成
図3、図5に示した手順にしたがい、マスター型を上昇させることにより樹脂型から取り外し、樹脂型のキャビティに200℃に加熱し溶融したポリ乳酸を充填した。再びマスター型を下降させ、ポリ乳酸が冷却固化するまで放置した。その後、マスター型を上昇させ、冷却固化したポリ乳酸を樹脂型から取りだした。このようにして得られたマイクロニードルアレイの中空部及び外形の顕微鏡写真を、それぞれ、図9、図10に示す。
10:マイクロニードルアレイ
11:マイクロニードル
12:中空部
13:先端部
20:マスター型
21:電極(形状電極)
22:マスター型の材料のブロック
23:原型
30:樹脂型
31:第2の熱可塑性樹脂のブロック
32:キャビティ
33:第1の熱可塑性樹脂
41:ステージ
T:テーパエンドミル

Claims (6)

  1. 複数の先細の中空状のマイクロニードルが台座上に分散配置された形状を有する熱可塑性樹脂を基材とするマイクロニードルアレイを製造する方法であって、
    前記マイクロニードルアレイの表面形状の少なくとも一部と同一の表面形状を有する原型が形成されたマスター型を形成する第1の工程と、
    前記マイクロニードルアレイの基材となる第1の熱可塑性樹脂よりも融点が高い第2の熱可塑性樹脂製のブロックの少なくとも一部を、前記マスター型は熱変形せず、前記第2の熱可塑性樹脂が軟化する温度に加熱しながら前記マスター型に押圧し、前記原型の反転形状を前記第2の熱可塑性樹脂製のブロックに転写し、樹脂型を形成する第2の工程と、
    前記樹脂型に転写された前記原型の反転形状を有するキャビティ内に、前記第1の熱可塑性樹脂の融点よりも高く、且つ前記第2の熱可塑性樹脂が熱変形しない温度に加熱した前記第1の熱可塑性樹脂を充填する第3の工程と、
    前記第1の熱可塑性樹脂がキャビティ内に充填された樹脂型を、前記マスター型に押圧し、前記マイクロニードルの中空部を形成する第4の工程を有することを特徴とするマイクロニードルアレイの製造方法。
  2. 前記第2の工程において、前記第2の熱可塑性樹脂製のブロックの、前記マスター型に押圧される面及びその近傍を加熱することを特徴とする請求項1に記載のマイクロニードルアレイの製造方法。
  3. 前記第1の熱可塑性樹脂が、生分解性熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロニードルアレイの製造方法。
  4. 前記生分解性熱可塑性樹脂が、ポリ乳酸、ポリグリコール酸及び乳酸-グリコール酸共重合体のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載のマイクロニードルアレイの製造方法。
  5. 前記第2の熱可塑性樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はパーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロニードルアレイの製造方法。
  6. 前記第3の工程において、前記キャビティのマイクロニードルの先端部に対応する部分に、生体内で溶解又は分解する素材を充填後に前記第1の熱可塑性樹脂を充填することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のマイクロニードルアレイの製造方法。
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