JP6269068B2 - マイクロニードルの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示の技術は、マイクロニードルの製造方法に関する。
薬剤等の送達物を皮膚から体内に投与する方法として、マイクロニードルを用いる方法が知られている。マイクロニードルの製造方法には、凹版を用いた成型が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、マイクロニードルの形成材料には、人体に及ぼす影響を抑えることを目的として、ポリグリコール酸、環状オレフィンコポリマー等の生体適用材料を形成材料とすることが提案されている。(例えば、特許文献2を参照)。
国際公開第2008/13282号公報 国際公開第2008/20632号公報
ところで、凹版を用いた成型に熱可塑性樹脂を適用する場合には、軟化した熱可塑性樹脂を凹版に充填したのちに当該熱可塑性樹脂を硬化させる必要がある。この際、軟化した熱可塑性樹脂と凹版との間の隙間に気泡が混入したままの状態で熱可塑性樹脂を硬化させてしまうと、マイクロニードルの外観形状において一部が欠けてしまったり、マイクロニードルの内部形状において空洞が形成されてしまったりする。
本開示の技術は、マイクロニードルの形状の精度を高めることが可能なマイクロニードルの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するマイクロニードルの製造方法は、マイクロニードルを形成するための凹部を凹部形成面に備えた凹版に、前記凹部を覆うように熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを設置する設置工程と、前記樹脂フィルムを軟化させ、前記軟化した樹脂フィルムを前記凹部形成面に対して押圧具で押圧しながら前記凹部形成面において押圧される部位を移動させる押圧工程と、前記凹部形成面から前記樹脂フィルムを離すことによって前記マイクロニードルを得る離型工程と、を備える。
上記構成によれば、軟化した樹脂フィルムが凹部形成面に対して押圧されることによって、その軟化した樹脂フィルムの一部は、凹版に対する押圧具の移動方向の下流へと押し出されて凹部に進入する。そして、凹部に進入した樹脂フィルムは、当該凹部の直上を押圧具が通過しているときに凹部の内側へと押圧される。これにより、軟化した樹脂フィルムが凹部の細部にまで充填される。こうした樹脂フィルムの流動にともなって、凹部内の空気は、押圧具よりも上記移動方向の下流において、凹部形成面と樹脂フィルムとの間の隙間を通じて凹部から排出される。すなわち、凹部形成面において押圧される部位が凹部形成面に対して樹脂フィルムを押圧した状態で移動することで、樹脂フィルムの流動が促され、凹部内の空気が外部へと排出されやすくなる。その結果、マイクロニードルの形状の精度が高まる。
上記マイクロニードルの製造方法において、前記押圧工程と前記離型工程との間に前記樹脂フィルムを融解させる融解工程をさらに含むことが好ましい。
上記構成によれば、樹脂フィルムを融解させることで、凹部の細部にまで樹脂フィルムがより充填されやすくなる。その結果、マイクロニードルの形状の精度が高まる。
上記マイクロニードルの製造方法では、前記融解工程において、前記凹版に対して前記樹脂フィルムが押圧されることが好ましい。
上記構成によれば、融解工程において凹版に対して樹脂フィルムが押圧されることから、凹部の細部にまで樹脂フィルムがさらに充填されやすくなる。その結果、マイクロニードルの形状の精度がさらに高まる。
上記マイクロニードルの製造方法では、前記融解工程において、前記凹版に対して前記凹部形成面に平行な平行面で前記樹脂フィルムが押圧されることが好ましい。
上記構成によれば、凹部形成面に平行な平行面によって樹脂フィルムが凹版に押圧されることから、凹部毎の樹脂フィルムの充填度合いについての均一化が図られる。その結果、マイクロニードルの形状の精度がさらに高まる。
上記マイクロニードルの製造方法において、前記融解工程と前記離型工程との間に前記融解した樹脂フィルムを冷却する冷却工程をさらに備え、前記冷却工程が、前記凹版に対して前記樹脂フィルムが押圧された状態で行われることが好ましい。
上記構成によれば、凹版に対して押圧された状態で樹脂フィルムが硬化することから、マイクロニードルの基体の厚みや大きさに関する自由度がさらに向上する。
上記マイクロニードルの製造方法において、前記樹脂フィルムが前記凹版からの熱を受けて軟化することが好ましい。
上記構成によれば、樹脂フィルムを凹版に設置したあとに軟化させることができる。
上記マイクロニードルの製造方法において、前記押圧具は、外周面を押圧面とするロールであり、前記押圧工程では、前記凹版に対する前記ロールの転動により、前記凹部形成面において押圧される部位が移動することが好ましい。
上記構成のように、ロールの転動によって樹脂フィルムが凹部形成面に対して押圧されることによって、凹版に対する押圧具の相対的な移動と、押圧具による樹脂フィルムの押圧とを円滑に行うことができる。
上記マイクロニードルの製造方法において、前記ロールは、前記凹版に設置される前の前記樹脂フィルムを外周面で支持し、前記凹版に前記樹脂フィルムを設置しながら前記凹版に対して転動することが好ましい。
上記構成によれば、凹版に対するロールの転動によって、設置工程と押圧工程とを並行して行うことが可能であることから、形成の精度が高いマイクロニードルについてサイクルタイムを短縮することができる。
本開示の技術によれば、マイクロニードルの形状の精度が高まる。
本開示の技術におけるマイクロニードルの製造方法で製造されるマイクロニードルの一例の斜視構造を示す斜視図。 図1に示すマイクロニードルの断面構造の一部を示す断面図。 第1実施形態において、マイクロニードルの製造方法の工程を模式的に示した図であって、(a)加熱台に凹版が配置された状態を示す図、(b)(c)設置工程と押圧工程とを並行して行っている状態を示す図、(d)融解工程において樹脂フィルムが押圧されている状態を示す図、(e)冷却工程においてプレス機が待避した状態を示す図、(f)凹版から離型されたマイクロニードルを示す図。 第2実施形態において、マイクロニードルの製造方法の工程を模式的に示した図であって、(a)設置工程において凹版に樹脂フィルムが設置された状態を示す図、(b)押圧工程において樹脂フィルムが凹部形成面に押圧されている状態を示す図。
以下、図1〜図4を参照して、本開示におけるマイクロニードルの製造方法の一実施形態について説明する。
[マイクロニードルの構成]
マイクロニードルの製造方法を説明するに先立ち、本製造方法にて製造されるマイクロニードルについて図1及び図2を参照して説明する。
図1に示されるように、マイクロニードル10は、基体11と、基体11の上面から突き出た複数の突起部12とを備えている。突起部12の底面は、基体11の上面と一体に形成され、基体11は、複数の突起部12の各々の基端を支持している。
基体11の形状は、平坦な板状であってもよいし、曲板状であってもよいし、直方体形状であってもよい。なお、基体11の可撓性が得られやすいことから、基体11は平坦な板状であることが好ましい。
突起部12の形状は、角錐形状であってもよいし、円錐形状であってもよい。また、突起部12は、例えば、円柱状や角柱状のように、先端が尖っていない形状であってもよい。また、突起部12は、例えば、円柱に円錐が積層された形状のように、2以上の立体が結合した形状であってもよい。要は、突起部12は皮膚を刺すことが可能な形状であればよい。なお、突起部12の数は任意である。
複数の突起部12の各々は、基体11の表面に規則的に並んでもよいし、不規則に並んでいてもよい。また、複数の突起部12は、基体11の上面における複数の箇所に偏って配置されてもよい。例えば、複数の突起部12は、格子状や同心円状に配列される。また、複数の突起部12の各々には、先端部に孔が設けられてもよい。この孔は、基体11の厚さ方向に貫通していてもよいし、貫通していなくともよい。
マイクロニードル10が使用されるとき、突起部12の先端が皮膚に向けられた状態で、基体11の下面は皮膚に向かって押圧される。このとき、マイクロニードル10の位置や向きを固定するためのアプリケータがマイクロニードル10に取り付けられてもよい。
図2に示されるように、突起部12は、皮膚に孔を形成するのに適した形状であることが好ましい。突起部12の高さHは、10μm以上1000μm以下であることが好ましい。突起部12の高さHは、基体11の上面から突起部12の先端までの長さである。突起部12の高さHは、上述した範囲内において、穿孔の対象に必要とされる孔の深さに応じて決定される。穿孔の対象が人体の皮膚であって、孔の底が「角質層内」に設定される場合、高さHは10μm以上300μm以下であることが好ましく、30μm以上200μm以下であることがより好ましい。孔の底が「角質層を貫通し、かつ、神経層へ到達しない深さ」に設定される場合、高さHは200μm以上700μm以下であることが好ましく、200μm以上500μm以下であることがより好ましく、200μm以上300μm以下であることがさらに好ましい。孔の底が「真皮に到達する深さ」に設定される場合、高さHは200μm以上500μm以下であることが好ましい。孔の深さが「表皮に到達する深さ」に設定される場合、高さHは200μm以上300μm以下であることが好ましい。
突起部12の幅Dは、基体11の上面と平行な方向における突起部12の長さの最大値である。突起部12の幅Dは、1μm以上300μm以下であることが好ましい。例えば、突起部12が四角錐形状や四角柱形状を有するとき、基体11の上面には、突起部12における底部の外形として、正方形が区画されている。突起部12の底部によって区画されたこの正方形における対角線の長さが、突起部12の幅Dである。また、例えば、突起部12が円錐形状や円柱形状を有するとき、突起部12の底部によって区画された円の直径が、突起部12の幅Dである。突起部12の幅Dに対する高さHの比であるアスペクト比A(A=H/D)は、1以上10以下であることが好ましい。
突起部12の先端が尖った形状に形成され、孔の深さが「角質層を貫通する深さ」に設定される場合、突起部12の先端角θは5°以上30°以下であることが好ましく、10°以上20°以下であることがより好ましい。先端角θは、基体11の上面と直交する断面において、突起部12の先端が形成する角度の最大値である。例えば、突起部12が四角錐形状を有するとき、突起部12の先端角θは、突起部12の底面の正方形の対角線を底辺とし、正四角錐の頂点を頂点とする二等辺三角形の頂角である。
突起部12の幅D、アスペクト比A、および、先端角θは、孔が必要とする容積等に応じて決定される。高さH,幅D、アスペクト比A、および、先端角θが上記の範囲内であれば、突起部12の形状が、皮膚に対する孔の形成に適した形状となる。
上述したマイクロニードルにより形成された孔を通じて皮内に送達される送達物としては、各種タンパク質、薬理活性物質、化粧品組成物等が挙げられる。送達物の種類は、目的に応じて選択される。
薬理活性物質としては、例えば、インフルエンザ等のワクチン、癌患者等のための痛み止め薬、インスリン、生物製剤、遺伝子治療薬、注射剤、経口剤、または、皮膚適用製剤等が挙げられる。マイクロニードル10を用いた経皮投与では、皮膚に形成された孔に薬剤が投与される。そのため、マイクロニードル10を用いた経皮投与は、従来の経皮投与に用いられる薬理活性物質以外に、皮下注射が必要な薬理活性物質の投与にも利用できる。特に、マイクロニードル10を用いた経皮投与は、投与の際に痛みを伴わないため、小児に対するワクチン等の注射剤の投与に適している。また、マイクロニードル10を用いた経皮投与は、投与の際に薬剤を飲む必要がないため、経口剤を飲むことが困難な小児に対する経口剤の投与に適している。
化粧品組成物は、化粧品あるいは美容品として用いられる組成物である。化粧品組成物としては、例えば、保湿剤、色料、香料、または、シワやニキビや妊娠線等に対する改善効果や脱毛に対する改善効果等の美容効果を示す生理活性物質等が挙げられる。送達物として芳香を有する材料を用いると、マイクロニードル10に匂いを付与することができるため、美容品に適したマイクロニードル10が得られる。
[マイクロニードルの製造方法]
[第1実施形態]
図3を参照して、上述したマイクロニードルを製造するマイクロニードルの製造方法の第1実施形態について説明する。なお、図3においては、マイクロニードルが有する突起部12の数が簡略化されている。
マイクロニードルの製造工程には、凹版に対して熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを設置する設置工程、加熱により軟化した樹脂フィルムを凹版に押圧する押圧工程、及び、樹脂フィルムを凹版に対してプレスしながら樹脂フィルムを融解させる融解工程が含まれる。また、マイクロニードル10の製造工程には、融解した樹脂フィルムを冷却する冷却工程、及び、凹版からマイクロニードル10を離す離型工程が含まれる。
図3(a)に示されるように、凹版21は、板状をなしており、上面である凹部形成面22には、マイクロニードル10の突起部12に対応する凹部23で構成されたパターンである凹部パターン24が形成されている。凹版21は、凹部形成面22が露出するように加熱台25に設置される。加熱台25は、凹版21を加熱するヒーターを含む。凹版21は、板状をなすポリエチレン製の基材に対して加熱した凸版原版をプレスしたのち、基材から凸版原版が剥離されることにより作製される。凸版原版は、銅めっきが施された金属、真鍮、ニッケル、アルミといった金属材を切削加工することにより作製されることが好ましい。
図3(b)及び図3(c)に示されるように、第1実施形態の製造方法は、設置工程と押圧工程とが並行して行われる状態を有する。ロール31は、押圧面である外周面31aを備える。ロール31には、凹版21に設置される前の樹脂フィルム30を外周面31aの一部で支持するように樹脂フィルム30が巻き付けられている。ロール31の外周面31aと凹版21の凹部形成面22との最短距離は、樹脂フィルム30の厚みよりも小さい値に設定されている。ロール31は、凹版21に対して、図中の矢印で示される移動方向に向かって転動する。凹版21は、加熱台25によって樹脂フィルム30のガラス転移点以上、且つ、融点未満の温度である設定温度まで加熱された状態にある。なお、設定温度は、樹脂フィルム30の材質に応じて適宜変更可能である。
図3(b)に示されるように、ロール31は、外周面31aと凹部形成面22とで樹脂フィルム30を挟んだ状態から転動を開始する。ロール31が転動すると、図3(c)に示されるように、ロール31の外周面31aに支持されていた樹脂フィルム30が、凹部形成面22に対して順次設置されるとともに凹部形成面22に接触することで軟化する。軟化した樹脂フィルム30は、転動するロール31によって凹部形成面22に対して順次押圧される。すなわち、凹版21に対するロール31の転動によって、先行する樹脂フィルム30の凹版21への押圧と、後続の樹脂フィルム30の凹版21への設置とが並行して行われる。
軟化した樹脂フィルム30の一部は、ロール31によって凹部形成面22に対して押圧されることで、ロール31の移動方向の下流へと押し出されて凹部23へと進入する。そして、凹部23に進入した樹脂フィルム30は、凹部23の直上をロール31が通過しているときに凹部23の内面へ押圧される。これにより、凹部23に樹脂フィルム30が充填される。こうした樹脂フィルム30の流動にともなって、凹部23内の空気は、ロール31で押圧されている部位よりもロール31の移動方向の下流における凹部形成面22と樹脂フィルム30との間の隙間を通じて凹部23の外部へと排出される。すなわち、凹部形成面22において押圧される部位が、凹部形成面22に対して樹脂フィルム30を押圧した状態で移動することで、凹部23内の空気が凹部23の外部へと排出される。その結果、凹部23内に空気が残存しにくくなる。ロール31が直上を通過した凹部23においては、凹部23に充填されていた樹脂フィルム30の弾性力によって樹脂フィルム30と凹部23との間に空気が排出された空間が形成される。
なお、凹版21に対するロール31の転動は、ロール31及び凹版21の少なくとも一方が搬送されることによって実現される。また、凹版21の凹部形成面22には、ロール31の移動方向に沿って複数の凹部パターン24が形成されていてもよい。こうした構成であれば、移動方向へのロール31の転動によって複数の凹部パターン24に対して樹脂フィルム30を設置することができる。この際の凹部パターン24は、同一のパターンに限られない。また、樹脂フィルム30は、ロール31と各凹部パターン24との相対位置に応じて適宜裁断されてもよい。
図3(d)に示されるように、押圧工程が終了すると、次に融解工程が行われる。融解工程において、凹版21は、加熱台25によって樹脂フィルム30の融点以上の温度に維持される。また、融解工程において、樹脂フィルム30は、凹部形成面22に平行な平行面であるプレス面32aを備えたプレス機32によって凹部形成面22に対してプレスされる。すなわち、融解工程において、樹脂フィルム30は、プレス機32によって凹部形成面22に対して押圧された状態で融点以上の温度まで加熱される。なお、プレス機32は、マイクロニードル10の基体11の厚みに応じて、凹部形成面22から所定距離だけ離れた位置にプレス面32aを配置する。
軟化状態にあった樹脂フィルム30が融解すると、凹部23内に形成されていた上記空間に樹脂フィルム30が再び流れ込むことで、凹部23の細部にまで樹脂フィルム30が充填される。また、プレス機32によるプレスによって、凹部23の細部にまで樹脂フィルム30が充填されやすくなる。なお、プレス面32aの表層は、後の冷却工程にて硬化する樹脂フィルム30が剥離されやすい層であることが好ましい。
図3(e)に示されるように、融解工程が終了すると、融解した樹脂フィルム30を冷却する冷却工程が行われる。冷却工程では、融解した樹脂フィルム30を冷却することで当該樹脂フィルム30を硬化させる。この際、プレス機32を待避させることなく樹脂フィルム30を硬化させる。このように、融解した樹脂フィルム30とプレス面32aとを接触させた状態のままで樹脂フィルム30を硬化させることにより、基体11の底面の平坦化が図られるとともに基体11の厚みや大きさに関する自由度も向上する。そして、樹脂フィルム30が硬化するとプレス機32が待避し、凹版21には、成型物として突起部12が凹版21に覆われた状態のマイクロニードル10が形成される。そして、図3(f)に示されるように、次の離型工程において凹版21からマイクロニードル10が離されることにより、マイクロニードル10が得られる。
[実施例1]
第1実施形態の製造方法の具体的な実施例である実施例1について説明する。
実施例1では、フィルム状の樹脂フィルム30としてポリグリコール酸のフィルムを準備し、ロール31の外周面の一部に巻き付けた。そして、加熱台25であるホットプレートで凹版21を300℃まで加熱し、ロール31を転動させて樹脂フィルム30を凹部形成面22に設置しながら同樹脂フィルム30を押圧した。凹版21に押圧された樹脂フィルム30は、融解して凹部23に充填される。そして、プレス面32aを所定の位置に配置した状態で融解した樹脂フィルム30を冷却し、硬化したフィルムを凹版21から剥離することでマイクロニードル10が得られた。このマイクロニードル10について突起部12の形状を調査したところ、欠損や空洞の形成が認められなかった。すなわち、上述した製造方法でマイクロニードル10が製造されることによって、マイクロニードル10の形状の精度が高められていることが認められた。
上記第1実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)凹部形成面22においてロール31で押圧される部位が移動することで樹脂フィルム30の流動が促され、凹部23内の空気が凹部23の外部へ排出されやすくなる。その結果、マイクロニードル10の形状の精度が高まる。
(2)ロール31による樹脂フィルム30の押圧によって、基体11の厚みや大きさの自由度も向上する。基体11の厚みを小さくすることにより、マイクロニードル10の基体11に可撓性を付与することも可能である。こうした構成によれば、突起部12を皮膚に刺す際に、基体11を皮膚の形状に追従させることができる。
(3)押圧工程のあとの融解工程によって、凹部23の細部にまで樹脂フィルム30が充填されることがより確実なものとなる。その結果、マイクロニードル10の形状の精度がより高まる。
(4)融解工程において樹脂フィルム30がプレス機32によって押圧されることで、凹部23の細部にまで樹脂フィルム30が充填されることがさらに確実なものとなる。その結果、マイクロニードル10の形状の精度がさらに高まる。
(5)プレス面32aが凹部形成面22に平行な面であることから、各凹部23に対する押圧力のばらつきが抑えられる。そのため、凹部23毎の樹脂フィルム30の充填度合いについての均一化が図られる。
(6)冷却工程においてプレス機32が待避しないことから、基体11の厚みや大きさの自由度がさらに向上する。
(7)樹脂フィルム30が凹版21からの熱を受けて軟化することから、凹版21に対して設置される前に樹脂フィルム30が軟化することが抑えられる。
(8)ロール31の転動により、凹版21に対するロール31の転動と、ロール31による樹脂フィルム30の押圧とを円滑に行うことができる。
(9)設置工程と押圧工程とが並行した行われることで、形状の精度の高いマイクロニードル10についてサイクルタイムを短縮することができる。
[第2実施形態]
図4を参照して、上述したマイクロニードルの製造方法の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態の製造方法と比較して、設置工程と押圧工程とが並行して行われることなく、設置工程のあとに押圧工程が行われる。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態と異なる部分である設置工程及び押圧工程について詳細に説明する。また、第1実施形態と同様の部分については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
図4(a)に示されるように、第2実施形態の設置工程では、加熱前の凹版21に対して樹脂フィルム30が設置される。このように加熱前の凹版21に対して樹脂フィルム30が設置されることで、設置中における樹脂フィルム30の軟化が抑えられる。
図4(b)に示されるように、押圧工程では、加熱台25によって凹版21が設定温度まで加熱されることで樹脂フィルム30が軟化するとともに、軟化した樹脂フィルム30を凹部形成面22に押圧しながらロール31が凹版21に対して転動する。
[実施例2]
第2実施形態の製造方法の具体的な実施例である実施例2について説明する。
実施例2では、樹脂フィルム30としてポリグリコール酸のフィルムを準備し、凹版21の凹部形成面22に設置した。その後、加熱台25であるホットプレートで凹版21を100℃まで加熱し、軟化した樹脂フィルム30をロール31で押圧した。そして、加熱台25の設定温度を270℃に変更し、樹脂フィルム30を融解させ、プレス機32によるプレスを行った。その後、融解した樹脂フィルム30を冷却し、硬化した樹脂フィルム30を凹版21から離すことでマイクロニードル10を得た。このマイクロニードル10について突起部12の形状を調査したところ、欠損や空洞の形成が認められなかった。すなわち、上述した製造方法でマイクロニードル10が形成されることによって、マイクロニードル10の形状の精度が高められていることが認められた。
上記第2実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1)〜(8)の効果に加えて、以下に列挙する効果を得ることができる。
(10)設置工程と押圧工程とが順番に行われることで、樹脂フィルム30を凹版21に設置する方法に関する自由度が向上する。その結果、樹脂フィルム30の大きさ、すなわち基体11の大きさの自由度が高くなることから、マイクロニードル10の形状に関する自由度が向上する。
なお、第1及び第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・例えば押圧具に熱源を内蔵することによって、樹脂フィルム30が押圧具からの熱を受けて軟化してもよい。
・冷却工程では、樹脂フィルム30が半硬化した状態でプレス機32を待避させてもよい。
・プレス機32のプレス面32aは、凹部形成面22に平行な平行面に限らず、例えば凹部形成面22に対して傾斜した傾斜面や凹凸を有する凹凸面など、基体11の設計事項に応じて適宜変更してもよい。
・融解工程では、凹版21に対して樹脂フィルム30を押圧することなく樹脂フィルム30を融解させてもよい。また、融解工程では、樹脂フィルム30が融解してから当該樹脂フィルム30を凹版21に対して押圧してもよい。
・押圧具は、ロール31のように凹版21に対して相対的に転動するものに限らず、樹脂フィルム30を凹部形成面22に対して押圧するものであればよい。そのため、押圧具は、ロール31に限らず、例えば、凹部形成面22に向かって張り出す湾曲面で樹脂フィルム30を凹部形成面22に押圧する押圧具であってもよい。
・マイクロニードル10の形成材料としての熱可塑性樹脂は、ポリグリコール酸、環状オレフィンコポリマー等の生体適用材料に限らず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネートが適用可能である。
θ…先端角、A…アスペクト比、D…幅、H…高さ、10…マイクロニードル、11…基体、12…突起部、21…凹版、22…凹部形成面、23…凹部、24…凹部パターン、25…加熱台、30…樹脂フィルム、31…ロール、31a…外周面、32…プレス機、32a…プレス面。

Claims (6)

  1. マイクロニードルを形成するための凹部を凹部形成面に備えた凹版に、前記凹部を覆うように熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを設置する設置工程と、
    前記樹脂フィルムを軟化させ、前記軟化した樹脂フィルムを前記凹部形成面に対して押圧具で押圧しながら前記凹部形成面において押圧される部位を移動させる押圧工程と、
    前記凹部形成面から前記樹脂フィルムを離すことによって前記マイクロニードルを得る離型工程と、を備え
    前記押圧具は、外周面を押圧面とするロールであり、
    前記押圧工程では、
    前記凹版に対する前記ロールの転動により、前記凹部形成面において押圧される部位が移動し、
    前記ロールは、前記凹版に設置される前の前記樹脂フィルムを外周面で支持し、前記凹版に前記樹脂フィルムを設置しながら前記凹版に対して転動する
    マイクロニードルの製造方法。
  2. 前記押圧工程と前記離型工程との間に前記樹脂フィルムを融解させる融解工程をさらに含む
    請求項1に記載のマイクロニードルの製造方法。
  3. 前記融解工程において、前記凹版に対して前記樹脂フィルムが押圧される
    請求項2に記載のマイクロニードルの製造方法。
  4. 前記融解工程において、前記凹版に対して前記凹部形成面に平行な平行面で前記樹脂フィルムが押圧される
    請求項3に記載のマイクロニードルの製造方法。
  5. 前記融解工程と前記離型工程との間に前記融解した樹脂フィルムを冷却する冷却工程をさらに備え、
    前記冷却工程が、前記凹版に対して前記樹脂フィルムが押圧された状態で行われる
    請求項3または4に記載のマイクロニードルの製造方法。
  6. 前記樹脂フィルムが前記凹版からの熱を受けて軟化する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロニードルの製造方法。
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