JP5462691B2 - マイクロニードルシートの作製に用いられるスタンパの製造方法 - Google Patents

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本発明は、皮膚より薬物を注入するマイクロニードルシートを作製する為の、スタンパの製造方法に関する。
マイクロニードルシートは、微小な針(マイクロニードル)をシート基体上に所定の密度で配置したものである。マイクロニードルは、一般に根元から先端までの長さがおよそ1μmから600μmのおおよそ円錐形状に形成されており、その根元の径と長さとの比率が、1:1.5及至1:3と高いアスペクト比を有する。マイクロニードルシートは、人体の主として皮膚部分に当てて、マイクロニードルを皮膚の表皮部分に挿入し、薬物を注入するために用いられる。
マイクロニードルの長さは、上述のように数百μm程度であり、ほとんど痒痛を伴わないで使用できる。また、マイクロニードルシートを皮膚から離す際に、マイクロニードルが皮膚内に残留しても人体に支障が生じないように、マイクロニードル部分は自己溶解性物質で形成される。
図5を参照して、マイクロニードルシートの一般的な製造方法について説明する。マイクロニードルシートの製造工程は、突起を有する原版(図5(a))を用いてマイクロニードルシートの鋳型となるスタンパ(図5(b))を作製する工程と、作製されたスタンパにマイクロニードルの原料を流し込む工程(図5(c))と、スタンパに流し込まれた原料を乾燥させる工程と、乾燥して得られたマイクロニードルシートをスタンパから取り外す工程(図5(d))に大別できる。
図5(a)に示すように、原版90は、微細機械加工や真空処理、フォトリソグラフィー等の方法で、概ね平板状の原版板91の一面にマイクロニードルの個々に対応する複数の突起92を形成して作製される。突起92は錐形状であって、その長さLは上述したように数百μm以下であり、円、角、楕円などの断面形状を有する円錐状、角錐状である。この原版90の突起92側(原版90)がスタンパの母材81(以降、「スタンパ母材」)に押しつけられて、スタンパ母材81に突起92による凹部が形成される。
図5(b)に、原版90(突起92)によりスタンパ母材81に設けられた複数の凹部82を示す。上述のように、凹部82は、後にスタンパ80により作製されるマイクロニードルに対応する形状を有している。そして図5(c)に示すように、スタンパ80に樹脂ポリマーの溶解液又は薬物85が流し込まれ、流し込まれた樹脂ポリマー溶解液又は薬物85が乾燥されて、個々のマイクロニードルが形成される。ここで、樹脂ポリマーとしてはコンドロイチン硫酸、デキストラン、ヒアルロン酸等の水溶性洩糸性物質が好ましく、以降、樹脂ポリマー溶解液、薬物85又はそれらの混合物をマイクロニードル原料85と称する。図5(d)に示すように、形成されたマイクロニードルを固定基材88に貼り付けて、スタンパ80から剥離することにより、図5(d)に示すようなマイクロニードルシート77を得ることができる(特許文献1参照)。
スタンパの作製方法としては、母材に原版を押しつけるのではなく、原版の周囲に溶解した樹脂を流し込んで乾燥させた後、原版から剥離する方法もある(特許文献2参照)。そして、上述の如く作製されたスタンパに、樹脂ポリマーの溶解液又は薬物を加圧充填する方法も提案されている(特許文献3参照)。
特開2008−245955号 特開2008−006178号 特開2009−083125号
マイクロニードルは皮膚に貫入されるため、その先端はできるだけ尖鋭度を高くする必要がある。そのためには、ニードルの原料が流し込まれるスタンパの凹部の底(マイクロニードルの先端にあたる)の貫通穴径を数マイクロメートルで作製し、尖鋭度の高い凹みとする必要がある。この貫通穴は母材に原版を押し込む位置、原版及び母材の温度、挿入時間を細かく制御させながら加熱転写させて貫通させるが、母材が厚かったり、変形して厚くなることで貫通しない凹部が存在していた。一方母材が薄かったり、変形して薄くなると貫通穴が大きく開いてしまっていた。また母材の特性として熱収縮する特性がある為に、成形した貫通穴径が変化し、多数の貫通穴径のばらつきを少なくすることが困難であった。
上述のように、従来のスタンパ製造方法では、マイクロニードルに相当する凹部を所望の形状に形成することが困難、形成された凹部にマイクロニードルの原料の充填不良という問題を有している。よって、本発明においては、所望の形状のマイクロニードルが構成されるマイクロニードルシート作製に用いられるスタンパの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みて想到されたもので、具体的には、
シート状の母材と、突起を有する原版とを、第1の所定温度で加熱する加熱工程と、
前記原版の突起を前記母材に所定時間挿入して、当該母材の第1の表面から、当該第1の表面に対向する第2の表面に向かって、所定長だけ先細りに延在し、先端に開口を有する錐状の凹部を形成する貫通凹部形成工程と、
前記原版を、前記母材と共に、前記第1の所定温度より低い第2の所定温度まで冷却する冷却工程と、
前記冷却工程の後に、前記原版を、前記母材から離型する離型工程とを備えるマイクロニードルシートのスタンパの製造方法を提供する。
さらに本発明のスタンパの製造方法は、
前記母材が、密度が0.91g/cm以上、0.93g/cm以下のポリエチレンからなることを特徴とする。
本発明のスタンパの製造方法によると、同スタンパを用いて所望の形状のマイクロニードルが構成されたマイクロニードルシートを作製できる。
本発明の実施の形態に係るスタンパに設けられた凹部の側面形状を示す模式図である。 図1に示す実施の形態に係るスタンパの製造工程のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るスタンパの製造工程を示す図である。 本発明の実施の形態に係るスタンパを用いた、マイクロニードルシートの製造方法における工程を示す図である。 従来のスタンパを用いたマイクロニードルシートの製造工程を示す説明図である。
図1に、本実施の形態に係るスタンパ1aを示す。スタンパ1aは、シート状のスタンパ母材2に、スタンパ母材2の一方の表面から他方の表面に向かって、先端に開口4を有する錐状の凹部3aが形成されたものである。説明の便宜上、スタンパ母材2において、凹部3aの錐状の底部が開口している表面を上面Stとよび、凹部3aの開口4が形成された面を下面Sbと呼ぶ。つまり、上面Stと下面Sbとは、凹部3aによって連通されている。凹部3aはスタンパ母材2の上面Stでの開口部より、スタンパ母材2の下面Sbでの開口4に向かって先細りに成形されている。
凹部3aの開口4は、スタンパ母材2の下面Sbにおいて、所定の径danを有する。凹部3aはスタンパ1aの完成後に、マイクロニードル原料が流し込まれ、乾燥されて、マイクロニードルを形成させる鋳型として使用される。凹部3aの先端の開口4は、マイクロニードルの原料が凹部3aに確実に充填されるように、凹部に溜まった空気が抜ければよく、常に有限長の径の孔が空いていなくてもよい。すなわち、圧力がかかった際に空気が抜けさえすれば、通常は閉じているように見えてもよい。この目的から、開口4の径danは、具体的には十数μm若しくはそれ以下であるのが好ましい。
マイクロニードルの形状、設置本数、設置密度、及び設置分布等は特に限定されるものではなく、マイクロニードルシートの用途・目的によって随時決定される。よって、スタンパ1aにおいても、凹部3aは、作製されるマイクロニードルシートのマイクロニードルの形状、設置本数、設置密度や設置分布等の諸要求を満たすよう形成される。図1に於いては、紙面の都合上4本のマイクロニードルを有するマイクロニードルシートを作製するためのスタンパが例示されているが、任意のn本のニードルに対応するn個の凹部3aが設けられる。なお、n個の開口4の径daはそれぞれ、必要に応じて径da1〜danとして識別される。
次に図2及び図3を参照して、スタンパ1aの製造方法について説明する。図2に示すように、スタンパ1aの製造は、主にステップS2の「スタンパ母材及びスタンパ原版」の加熱工程、ステップS4の「貫通凹部形成」工程、ステップS6の「母材及び原版の冷却」工程、及びステップS8の「母材からの原版の離型」工程の4つの工程に大別が出来る。以下に、図2に示す各ステップにおける工程について、図3を参照しながら具体的に説明する。
先ず、ステップS2において、スタンパ1aの原版10a(以降、「スタンパ原版」)及びスタンパ1aの母材2(以降、「スタンパ母材」)は、それぞれ所定範囲の温度で加熱される。本例においては、スタンパ原版10aは、図3に示す様に、本体11の下面に、下面からその先端までの所定長Laを有するn個(n=1、2、…n個)の錐状の突起12aが形成されている。ここで、所定長Laは母材厚みLcより大きく、成形時にΔLだけ突出されることとなり、開口が形成される。突起12aがスタンパ1aに形成される凹部3aに対応することは上述の通りである。
スタンパ原版10aの材質は特に限定されないものの、金属が好適である。また、錐状の突起12aは微小である為、被切削性の高い材料が好ましい。例えば、銅、アルミ、ニッケル、ステンレス、シリコンなどが利用できる。突起12aは本体11からの削り出しによる加工のほか、フォトリソグラフィーを用いた方法で形成してもよい。
上述の所定長Laは、突起12aが本体11の下面から突出している長さ(以降、「突起長」)であり、1μmから600μm程度である。突起長Laは、上述のようにスタンパ1aにより作製するマイクロニードルの長さに基づいて決定される。マイクロニードルシートを用いて薬物等を注入する表皮は、角質層、顆粒層、有棘層、及び基底層で構成されるが、角質層は体の部位によって厚さが異なる。マイクロニードルの長さは、経皮投与させたい体の部位と薬物に応じて、適宜決定される。
突起12aの形状は、スタンパ1aによって形成されるマイクロニードルの形状に対応する。そのため、マイクロニードルの根元の断面径と長さとの比率が、断面径:長さ=1:1.5及至1:3の比較的高いアスペクト比を有するように、突起12aは形成される。マイクロニードルの形状も長さと同様に、使用する体の部位によって適宜決定される。突起12aの横断面形状には特に限定はなく、円形、楕円形、正方形を含む方形などである。また、突起12aの表面に溝が形成されていてもよい。その溝形状が反映されたマイクロニードルは、皮膚へのスムースな挿入を可能にする。
次に、ステップS4において、スタンパ母材2に複数の凹部3aが形成される。具体的には、図3に示すように、スタンパ母材2に、スタンパ原版10aの突起12aが押しつけられ、突起12aを、スタンパ母材2の上面Stに所定時間挿入する。この時、突起12aの先端がスタンパ母材2の下面Sbから所定長△Lだけ露出されると共に、この露出部により凹部3aの底部(先端部)に所定の径daを有する開口4が形成される。これにより、スタンパ母材2の上面Stから下面Sbに向かって錐状の貫通凹部3aが形成される。
スタンパ母材2はいわゆるプラスチックであるので、ステップS2において加熱された突起12aの温度がスタンパ母材2の軟化温度より高ければ、スタンパ母材2に容易に塑性変形を生じさせることができる。スタンパ母材2の材質は、低密度のポリエチレンが好適である。
次に、ステップS6において、スタンパ母材2およびスタンパ原版10aが冷却される。具体的には、図3で示した、突起12aがスタンパ母材2に挿入された状態で、スタンパ原版10aとスタンパ母材2とが、常温付近まで冷却される。これにより、上述のステップS8の「母材から原版の離型」工程に於いて、突起12aが挿入されたスタンパ母材2から、スタンパ原版10aを離型される際に、スタンパ母材2、特に下面Sb部分が熱を受けて変形することの防止を図っている。
スタンパ原版10aとスタンパ母材2との冷却は、短時間で行う方が、塑性変形されにくいため、ステップS8における離型後の変形が生じにくい。つまり、スタンパの下面Sbの開口4のサイズを、突起12aにより精度良く制御できる。これにより、所望のマイクロニードル形状、ニードル本数に応じて、より確実に、精度良く形成できる。本ステップにおいて、スタンパ母材2及びスタンパ原版10aの冷却が完了して、突起12aが挿入された状態でのスタンパ母材2の形状が安定した後に、上述のステップS8の工程が実行される。
ステップS8において、スタンパ原版10aがスタンパ母材2から離型される。結果、図1に示すように、スタンパ母材2の上面Stから下面Sbに向かって貫通する凹部3aが形成されたスタンパ母材2が得られる。スタンパ母材2として主に用いられる低密度のポリエチレンは、突起12aがスタンパ母材2の表面から圧着されると、一部塑性変形を生じるが、弾性変形の部分も残る。そのため、突起12aがスタンパ母材2から離型されると、凹部3aは突起12aによって押し広げられた形状よりも小さくなる場合がある。スタンパ原版10aの突起12aを、作製したいスタンパの凹部のサイズより割増したサイズとすることによって、この問題は解決できる。
次に、図4を参照して、上述の如く作製されたスタンパ1aを用いた、マイクロニードルシートの製造方法を説明する。図4(a)に示すように、マイクロニードルシートは、マイクロニードル原料85をスタンパ1aに充填後、図4(c)に示すように固定基材88を貼り付けた後、乾燥工程を経て、図4(d)に示すよう母材2より離型させることで作製される。マイクロニードル原料85は、体内に残留せずに排出される材料を用いるのが好適である。マイクロニードルシートを皮膚から剥がす際に、ニードル部分が折れたり、抜けたりする場合もあるが、ニードルが体内に残留しない材料であれば安全だからである。具体的には水溶性の洩糸性物質などを主成分とした材料であるのが好ましい。また、ニードル原料に薬物を予め混入させておいてもよい。また、図4(b)に示すようにニードルの先端部5に薬物量及び薬物濃度を集中化させて2層又は複数層の構成でもよい。
スタンパ1aは、貫通凹部3aの底に開口4が形成されているので、図4に示すようにマイクロニードル原料85をスタンパ1aに塗布するだけで、マイクロニードル原料85は凹部3aへ充填される。
上述のように、本実施の形態に係るスタンパは、凹部が、形成するマイクロニードルに応じて正確に形成できると共に、凹部の先端が、スタンパの対向する面で開口している。つまり、スタンパの一方の表面と他方の表面とが、凹部により連通する。これにより、スタンパの凹部に空気が溜まっていても、マイクロニードルの原料をスタンパに塗布する際に、空気は開口を通って容易に抜ける。従って、スタンパのすべての凹部にニードル原料を適正に充填することができ、予定された本数のマイクロニードルが形成されたマイクロニードルシートを得ることができる。
なお、スタンパを用いて作製されるマイクロニードルの先端を尖らせるために、開口4の径da(da1〜dan)は微小であることが好ましく、具体的には十数μm若しくはそれ以下であるのが好ましい。
(実施例)
上記の観点より、上述の如く形成されたスタンパ1aに関して、n個の貫通凹部3aの先端部、つまりスタンパ母材2の下面Sbにおける開口径da(da1〜dan)を測定した。
上述のように、スタンパ母材2の材質は、低密度のポリエチレンが好適である。実験の結果、貫通凹部の開口径のばらつきを抑えるには、スタンパ母材2の材質として、密度が0.91g/cm以上、0.93g/cm以下のポリエチレンが好適であることが分かった。突起12aによるスタンパ母材2の変形の抵抗、内部応力、さらに冷却時の残留応力除去に関して、ポリエチレンの密度が寄与しているものと思われる。
さらに、密度が0.91g/cm以上、0.93g/cm以下のポリエチレンをスタンパ母材2の材質として用い、ステップS2における、スタンパ母材とスタンパ原版の加熱温度及び、ステップS4における、スタンパ母材にスタンパ原版を押し付けて、母材に原版の突起を挿入する時間を様々に変化させて、作製されたスタンパ1aの開口部の有無及び、開口径da(da1〜dan)のばらつきを測定した。開口径のばらつきは、個々の開口径da1〜dan(n=100)の標準偏差を求めて、貫通率が75%以上且つ、開口径の標準偏差が10μm以下を良品として判定した。
母材2と原版10aの加熱温度と、貫通凹部3aの開口部の有無及び、開口径daのサイズのばらつき(標準偏差)を表1に示す。なお、スタンパ母材とスタンパ原版を加熱した後に、母材に原版を押し付けた時間は300秒である。
母材2と原版10aの加熱温度及び、母材2に原版10aの突起を挿入する時間と、凹部3aの有無及び、開口径daのサイズのばらつき(標準偏差)を表2に示す。
以上の結果より、母材に凹部を作製する前の工程における、母材と原版の加熱温度は、80℃以上95℃以下が好適であり、母材に原版の突起を挿入する時間は、10秒以上、300秒以下が好適であることが分かる。
比較例1として、密度が0.91g/cm未満のポリエチレンをスタンパ母材の材質として用いた場合の、母材2と原版10aの加熱温度と、貫通凹部3aの開口部の有無及び、開口径daのサイズのばらつき(標準偏差)を表3に示す。なお、スタンパ母材とスタンパ原版を加熱した後に、母材に原版を押し付けた時間は300秒である。
上記結果より、密度が0.91g/cm未満のポリエチレンをスタンパ母材の材質として用いると、開口を有する貫通凹部の成形は困難であることが分かる。
また、比較例2として、密度が0.95g/cmのポリエチレンをスタンパ母材の材質として用いた場合の、母材2と原版10aの加熱温度と、貫通凹部3aの開口部の有無及び、開口径daのサイズのばらつき(標準偏差)を表4に示す。なお、スタンパ母材とスタンパ原版を加熱した後に、母材に原版を押し付けた時間は300秒である。
以上、比較例1及び比較例2の結果より、密度が0.91g/cm以上、0.93g/cm以下の範囲以外のポリエチレンでは、貫通凹部の開口を均一に形成することができないことが分かる。
本発明は、薬物を表皮に注入するマイクロニードルシートのスタンパだけでなく、基材上に微小突起を形成する方法に広く利用することができる。
1a、1a’80 スタンパ
2、81 母材
3a 凹部
4 開口
5 ニードル先端部
10a 原版
11 原版本体
12a 突起
La、L 突起長
Lc 母材厚み
72 空気
77 マイクロニードルシート
82 凹部
85 マイクロニードル原料
88 固定基材
90 原版
91 原版板
92 突起

Claims (5)

  1. マイクロニードルシートの製造に用いられるスタンパの製造方法であって、
    密度が0.91g/cm以上、0.93g/cm以下のポリエチレンからなるシート状の母材と、突起を有する原版とを、第1の所定温度で加熱する加熱工程と、
    前記原版の突起を前記母材に所定時間挿入して前記突起を前記母材に貫通させ、当該母材の第1の表面から、当該第1の表面に対向する第2の表面に向かって、所定長だけ先細りに延在する錐状の凹部を形成する貫通凹部形成工程と、
    前記原版を、前記母材と共に、前記第1の所定温度より低い第2の所定温度まで冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程の後に、前記原版を、前記母材から離型する離型工程とを備える、マイクロニードルシートのスタンパの製造方法。
  2. 前記第1の所定温度が、80℃以上95℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載のスタンパの製造方法。
  3. 前記所定時間が10秒以上、300秒以下であることを特徴とする、請求項1に記載のスタンパの製造方法。
  4. 前記凹部の所定長は、1μm以上600μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のスタンパの製造方法。
  5. 前記凹部は円錐形状であり、その最大径と前記凹部の所定長との比が、1:1.5から1:3の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載のスタンパの製造方法。
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