JP7202838B2 - レーザ加工用ノズル及びレーザ加工装置 - Google Patents
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Description
ノズルギャップは、レーザ加工ヘッドに内蔵された集束レンズにより調整されるレーザ光の焦点位置と高度に関連づけられている。
1) 一端側に突出して形成されレーザ加工ヘッドの筐体に装着可能なヘッド装着部,他端側に筒状に突出して形成されたキャップ装着部,及び前記筐体からのレーザ光の通路となる貫通孔を有するノズル本体部と、
開口孔を有し、前記キャップ装着部の先端面に当接すると共に前記先端面を覆い、前記キャップ装着部に着脱自在に取り付けられたノズルキャップと、を備え、
前記貫通孔の内面における前記キャップ装着部に対応した部分である前記キャップ装着部の内面、及び前記ノズルキャップの前記開口孔の内面は、前記レーザ光が外部に射出される先端の開口部の内面とされているレーザ加工用ノズルである。
2) 前記ノズルキャップは、環状の周壁部及び底部を有する椀状に形成され、
前記ノズルキャップの前記底部は、前記キャップ装着部の前記先端面に当接し、
前記底部に前記開口孔が形成され、
前記キャップ装着部の外周部と前記ノズルキャップの前記周壁部の内面が対向して前記ノズルキャップが前記キャップ装着部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする1)に記載のレーザ加工用ノズルである。
3) 前記キャップ装着部は外周部に雄ねじ部を有し、
前記ノズルキャップの前記周壁部の内面には前記キャップ装着部の前記雄ねじ部に螺合可能な雌ねじ部が形成されていることを特徴とする2)に記載のレーザ加工用ノズルである。
4) 前記キャップ装着部の内径と前記ノズルキャップの前記開口孔の内径とは同じであることを特徴とする1)~3)のいずれか一つに記載のレーザ加工用ノズルである。
5) 前記ノズル本体部の材質と前記ノズルキャップの材質とが異なることを特徴とする1)~4)のいずれか一つに記載のレーザ加工用ノズルである。
6) 前記ノズル本体部の材質が銅であり、前記ノズルキャップの材質がステンレス鋼であることを特徴とする5)に記載のレーザ加工用ノズルである。
7) 前記ノズルキャップが前記キャップ装着部の所定位置に装着された状態で、前記キャップ装着部の前記先端面の全範囲が前記ノズルキャップに覆われて外部から視認不能であり、前記キャップ装着部の内面が露出して外部から視認可能であることを特徴とする1)~6)のいずれか一つに記載のレーザ加工用ノズルである。
8) 1)~7)のいずれか一つに記載のレーザ加工用ノズルが装着されたレーザ加工ヘッドと、
前記レーザ加工ヘッドに前記レーザ光を供給するレーザ発振器と、
を備えたレーザ加工装置である。
本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置を、実施例のレーザ加工装置51により説明する。
レーザ加工装置51は、レーザ加工ヘッド1,レーザ発振器2,アシストガス供給装置3,及びNC装置4を含んで構成されている。
筐体13の内部には、コリメーションレンズ11及び集束レンズ12が配置されている。
また、筐体13は、レーザ加工用ノズル7の先端面とワークWの表面との間の距離であるノズルギャップGPを計測するためのノズルギャップセンサ8を有する。
以下、レーザ加工用ノズル7を、単にノズル7と称する。
レーザ光LSは、ノズル7の先端に開口する開口部7a(図2参照)から筐体13の軸線CL13に沿って外部に射出される。
筐体13内に備えられたレンズ駆動部(不図示)によって集束レンズ12を矢印DRaで示すように軸方向に移動させると、レーザ光LSの焦点位置が調整される。
アシストガス供給装置は、例えば窒素ガスをアシストガスAGとしてレーザ加工ヘッド1に供給する。
これにより、ノズル7の先端の開口部7aからは、軸線CL13上にレーザ光LSが射出し、射出するレーザ光LSを取り囲むようにアシストガスAGが噴出する。
図2に示されるように、ノズル7は、ノズル本体部71,ノズルキャップ72,及びインナノズル73を有する。ノズル本体部71及びインナノズル73によってダブルノズル構造が構成されている。以下、便宜的にノズル本体部71をアウタノズル71と称する。
用いる金属の例は、アウタノズル71及びインナノズル73は銅であり、ノズルキャップ72はステンレス鋼である。材質の詳細は後述する。
アウタノズル71は、上方側から、突筒部71b,フランジ部71a,傾斜部71c,及びキャップ装着部71dを有し、さらに中心位置において上下に貫く貫通孔71eを有する。
フランジ部71aと傾斜部71cとを合わせた部位を基部71kと称する。
図2に示されるように、雄ねじ部71b1は、レーザ加工ヘッド1の筐体13に形成された雌ねじ部13aに螺着可能である。すなわち、突筒部71bは筐体13に装着可能なヘッド装着部である。
傾斜部71cは、フランジ部71aから下方に向かうに従って、外径が小さくなる方向で断面の外形線が凹(内側に凸)となるよう傾斜した外周面を有する。
傾斜部71cの下端の面は、軸線CL71に直交する平坦なキャップ対向面71c1とされている。
図2に示されるように、キャップ装着部71dの内面71d3は、ノズル7としての開口部7aの内面の大部を占め、外部に露出して視認可能である。
また、キャップ対向面71c1の外径を直径Daとし、キャップ装着部71dの内径を内径Dcとする。
これにより、貫通孔71eの内周面71e1とインナノズル73の外周面73aとの間には、軸線Cl71に沿って延びる概ね環状の空間Vaが形成される。空間Vaは、アシストガスAGの流路となる。
図3に示されるように、インナノズル73をアウタノズル71に取り付けた状態で、インナノズル73の下端面73cの上下方向位置は、キャップ装着部71dの下端面71d2から上方に距離Hfだけ入り込んだ位置にある。
周壁部72eの内面には、アウタノズル71の雄ねじ部71d1に螺合可能な雌ねじ部72cが形成されている。
周壁部72eは、下方に向かうに従って外径が小さくなる方向で断面の外形線が凸(外側に凸)となるように傾斜した外周面を有する。
周壁部72eの上面は、軸線CL72に直交し外径が直径Dbのアウタノズル対向面72dとされている。直径Dbは、アウタノズル71におけるキャップ対向面71c1の直径Daと同じとされている。
底部72aの環状の上面は、軸線CL72に直交するアウタノズル当接面72fとされている。底部72aの厚さを距離Hdとする。
そのため、ノズルキャップ72の雌ねじ部72cを、アウタノズル71のキャップ装着部71dにおける雄ねじ部71d1に対し螺進させると、ノズルキャップ72のアウタノズル当接面72fがキャップ装着部71dの下端面71d2に当接してノズルキャップ72の上下方向の位置が所定位置として決められる。
また、キャップ装着部71dの下端面71d2は、全範囲がアウタノズル当接面72fにより覆われて外部から視認不能となる。
これにより、ノズルキャップ72を交換しても、距離Heは、所望の距離として常に高精度に維持され、レーザ加工ヘッド1を備えたレーザ加工装置51で行う倣い制御を伴うレーザ加工において、常に良好な加工品質が得られる。
ノズル7は、ノズルキャップ72が、アウタノズル71及びインナノズル73に対し別の部材として構成されている。そのため、ノズルキャップ72を、アウタノズル71及びインナノズル73とは異なる材質で形成できる。
倣い制御でレーザ加工を行う場合、ノズルギャップを小さく(狭く)すると、ノズルの先端がヒゲと擦れ、ノズル先端部が一様にではなく偏って摩耗する。
ノズル先端部の摩耗は、倣い制御のノズルギャップとレーザ光の焦点位置との関係に影響する。また、ノズル先端部の偏った摩耗は、アシストガスAGがノズル先端部とワークWとの間から外部へ吹き出す際の周方向の流速バランスを崩すため、加工性能に影響する。
そのため、ノズル先端部の材質は、銅やアルミニウムなどよりも硬くヒゲとの擦れにおいてより摩耗しにくいステンレス鋼などを用いることが望まれる。
ノズルの開口部の内面にドロスが多く付着すると、開口径が狭まる、開口径が真円ではない異形となる、などして、加工性能に影響する。
そのため、ノズルの開口部の内面の材質は、ステンレス鋼ではない例えば銅などを用いることが望まれる。
これに対し、既述のように、ノズル7は、先端部を構成するノズルキャップ72と開口部内面の大部分を構成するアウタノズル71とが別部材であり異なる材質で形成可能である。
そのため、レーザ加工するワークが鉄系金属の場合、ノズルキャップ72を摩耗しにくいステンレス鋼で形成し、アウタノズル71を鉄系金属のドロスが付着しにくい銅で形成することで、先端部の摩耗低減と開口部内面へのドロスの付着量抑制を同時に満たすことができる。
NC装置4は、レーザ加工ヘッド1を昇降させる昇降部(不図示)の動作を、レーザ光LSによるレーザ加工中にノズルギャップGPが予め設定された値で維持されるように制御する。
ノズルキャップ72は、ステンレス鋼で形成されているので、鉄系金属のワークWの加工において先端面72a1はヒゲなどに擦れても摩耗しにくい。
そのため、ノズルギャップGPは、長期間高精度に維持され、良好な加工品質が得られる。
ノズル7は、インナノズル73を有していないシングルタイプのノズルであってもよい。この場合、アウタノズル71は、ノズル本体部71と称する。
11 コリメーションレンズ、 12 集束レンズ、 13 筐体
13a 雌ねじ部、 13b 下面
2 レーザ発振器
3 アシストガス供給装置
4 NC装置
51 レーザ加工装置
7,7A,7B ノズル(レーザ加工用ノズル)
7a 開口部
71 ノズル本体部(アウタノズル)
71a フランジ部、 71a1 上面、 71b 突筒部
71b1 雄ねじ部、 71c 傾斜部、 71c1 キャップ対向面
71d キャップ装着部、 71d1 雄ねじ部、 71d2 下端面
71d3 内面、 71e 貫通孔、 71e1 内周面
71k 基部
72 ノズルキャップ
72a 底部、 72a1 先端面、 72b 開口孔
72b1 内面、 72c 雌ねじ部、 72d アウタノズル対向面
72e 周壁部、 72f アウタノズル当接面
72g1,72g2 カット面部
73 インナノズル
73a 外周面、 73b 貫通孔、 73b1 内面
73b2 傾斜部、 73c 下端面
8 ノズルギャップセンサ
AG アシストガス
CL13,CL71,CL72 軸線
Da,Db 直径、 Dc,Dd 内径
GP ノズルギャップ
Ha,Hb,Hf,Hc,Hd,He 距離、 Hg 隙間
LS,LSa レーザ光
Pa 分割部
SG1 検出信号
Va,Vb 空間
W ワーク
Claims (8)
- 一端側に突出して形成されレーザ加工ヘッドの筐体に装着可能なヘッド装着部,他端側に筒状に突出して形成されたキャップ装着部,及び前記筐体からのレーザ光の通路となる貫通孔を有するノズル本体部と、
開口孔を有し、前記キャップ装着部の先端面に当接すると共に前記先端面を覆い、前記キャップ装着部に着脱自在に取り付けられたノズルキャップと、を備え、
前記貫通孔の内面における前記キャップ装着部に対応した部分である前記キャップ装着部の内面、及び前記ノズルキャップの前記開口孔の内面は、前記レーザ光が外部に射出される先端の開口部の内面とされているレーザ加工用ノズル。 - 前記ノズルキャップは、環状の周壁部及び底部を有する椀状に形成され、
前記ノズルキャップの前記底部は、前記キャップ装着部の前記先端面に当接し、
前記底部に前記開口孔が形成され、
前記キャップ装着部の外周部と前記ノズルキャップの前記周壁部の内面が対向して前記ノズルキャップが前記キャップ装着部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工用ノズル。 - 前記キャップ装着部は外周部に雄ねじ部を有し、
前記ノズルキャップの前記周壁部の内面には前記キャップ装着部の前記雄ねじ部に螺合可能な雌ねじ部が形成されていることを特徴とする請求項2記載のレーザ加工用ノズル。 - 前記キャップ装着部の内径と前記ノズルキャップの前記開口孔の内径とは同じであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のレーザ加工用ノズル。
- 前記ノズル本体部の材質と前記ノズルキャップの材質とが異なることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ加工用ノズル。
- 前記ノズル本体部の材質が銅であり、前記ノズルキャップの材質がステンレス鋼であることを特徴とする請求項5記載のレーザ加工用ノズル。
- 前記ノズルキャップが前記キャップ装着部の所定位置に装着された状態で、前記キャップ装着部の前記先端面の全範囲が前記ノズルキャップに覆われて外部から視認不能であり、前記キャップ装着部の内面が露出して外部から視認可能であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のレーザ加工用ノズル。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載のレーザ加工用ノズルが装着されたレーザ加工ヘッドと、
前記レーザ加工ヘッドに前記レーザ光を供給するレーザ発振器と、
を備えたレーザ加工装置。
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