以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1を参照して照明装置1の構造を説明する。照明装置1は、例えば、建物内の天井に設置される照明装置や、非常用照明装置、床面に設置され床面を照らすフロア用照明装置、競技場などの比較的大型の施設を照らす照明装置、道路を照らす照明装置、間接照明、可搬性の照明装置等の任意の照明装置である。照明装置は1つの空間に1つないし複数台配設される。照明装置1は、通信部2、制御部3、発光部4を備える。なお第1の照明システム5は、複数台の照明装置1によって構成される。
通信部2では、有線通信、無線通信、赤外線通信などの通信手段を介して情報の送受信を行うための、受信部10と送信部11を有する。受信部10で受信する信号や送信部11で送信する信号は、例えば、照明装置1の制御に関わる情報や制御信号、設定信号などである。受信部10と送信部11は、少なくとも第1の通信手段である赤外線通信を用いて信号や情報を送受信でき、赤外線通信ではない第2の通信手段(例えば、無線通信や有線通信)を用いて信号や情報を送受信できる構造となっている。つまり、少なくとも2種類の通信手段で信号や情報を送受信可能である。
受信部10は、第1受信部を備えており、いずれの通信手段(例えば、有線通信、無線通信、赤外線通信の3つの通信手段)で送信された信号や情報も、第1受信部で受信する形態としても良い。また例えば、3つの受信部(第1受信部、第2受信部、第3受信部)を備えていても良く、例えば、第1受信部で有線通信での情報を、第2受信部で無線通信での情報を、第3受信部で赤外線通信での情報を受信する形態としても良い。
送信部11は、第1送信部を備えており、いずれの通信手段(例えば、有線通信、無線通信、赤外線通信の3つの通信手段)で送信された信号や情報も、第1送信部で送信する形態としても良い。また例えば、3つの送信部(第1送信部、第2送信部、第3送信部)を備えていても良く、例えば、第1送信部で有線通信での情報を、第2送信部で無線通信での情報を、第3送信部で赤外線通信での情報を送信する形態としても良い。
照明装置1の受信部10が受信する情報は、照明装置1の外部から送信された情報であり、大きく分けて、リモコンやスマートフォンなどの制御端末100を用いて外部から照明装置1へ送信された情報(制御端末100から照明装置1への経路)と、照明装置1の周囲に配設された他の照明装置1から照明装置1へ送信された情報(他の照明装置1から照明装置1への経路)と、の2パターンの経路が存在する。
なお、1台の照明装置1においては、受信部10で受信する情報の通信手段と、送信部11から送信される情報の通信手段と、は必ずしも同一である必要はなく、例えば、受信部10で、通信手段として、赤外線通信を用いて送信された情報を受信し、送信部11から所定の電波の無線通信を用いて情報を送信する形態としても良い。
例えば、通信部2はNIC(Network Interface Card)によって実現される。
次に、制御部3を説明する。制御部3は通信部2と接続されており、通信部2で受信した情報を制御部へ渡したり、制御部3から通信部2へ送信情報を渡したりすることができる。制御部3は、記憶部20、処理部21、電源部22を備えている。
記憶部20は、照明装置1の発光部4に関する設定情報などが記録され、少なくとも通信部2と接続されている。記憶部20は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現されても良い。記憶部20に記録される情報は制御端末100から赤外線通信を用いて送信された信号によって書き込み、編集、削除などが可能である。
図2を参照して、記憶部20が記憶する設定情報の一例を説明する。図2は、本実施形態に係る記憶部20が記憶する設定情報の一例を示す図である。図2の例では、設定情報として、「照明装置ID」、「中継設定」、「グループ識別子」、「発光状態設定」といった項目を有する。
「照明装置ID」は、自装置に付与された識別情報を示すもので、例えば、個々の照明装置1に個別のIDが付与されても良いし、比較的大きな集合ごとにIDが付与されても良い。比較的大きな集合ごとに照明装置IDを付与する例としては、2つの部屋に渡って複数の照明装置1が配設された照明システムにおいて、一方の部屋に配設された照明装置1には照明装置ID「1」を、他方の部屋に配設された照明装置1には照明装置ID「2」を付与するケースなど挙げられる。
「中継設定」は、照明装置1が受信した情報をさらに他の照明装置1に送信(以下、「再送信」と述べる)するかどうかに関する設定を示す。例えば、中継設定に「ON」が格納されている場合は、照明装置1は再送信を行い、中継設定に「OFF」が格納されている場合は、照明装置1は再送信を行わないといった設定であっても良い。なお、中継設定はデフォルトで「ON」もしくは「OFF」に設定される構成であっても良い。例えば、中継設定が空欄の場合はデフォルト設定で再送信を行い、中継設定に「OFF」が格納されている場合のみ再送信を行わない構成でも良い。
ここで、「中継設定」は、情報を受信した通信手段に応じた設定であってもよい。例えば、中継設定に「赤外線」が格納されている場合は、照明装置1は赤外線通信を介して受信した情報については再送信を行い、有線通信もしくは無線通信を介して受信した情報については再送信を行わないといった設定であってもよい。
また、最終的に中継を行うかどうかの判断は、通信強度に応じて決定されても良い。このとき中継処理を行うかどうかの判定には閾値を用い、その閾値は、例えば照明装置1の記憶部20に記憶される。中継設定が「ON」に設定された照明装置1で情報を受信した際に、通信強度が閾値を超えるかどうか照明装置1の処理部21で判断する。通信強度が閾値以上の場合は中継処理を行うことなく処理を終了し、、通信強度が閾値未満の場合は受信した情報を送信する。すなわち、通信強度が閾値未満の場合のみ、被制御装置100は、中継処理を行う。これにより、自身の近くから送信された情報については再送信を行わないため、中継処理による通信負荷を抑制することができる。
「グループ識別子」は、自装置が属するグループの識別子を示すものである。例えば、複数の照明装置1が配設され、一部の照明装置1にグループ#1が付与、残りの照明装置1とグループ#2が付与された照明システムにおいて、グループ#1が付与されたグループ#1の照明装置1のみを照明制御する際などに参照される。照明装置1が外部から情報を受け取った後、受け取った情報に付与されたグループ識別子と、記憶部20のグループ識別子を比較して、一致する場合は後述する制御を行う。
照明装置1が受け取った情報に付与された「グループ識別子」が空欄、つまりグループを指定しない場合は、すべての照明装置1で制御が行われる構成でも良い。
「発光状態設定」は、制御端末100を利用する利用者により指定された、発光部4の発光状態に応じた設定に関する情報を示し、「シーン識別子」、「強度」といった項目を有する。「シーン識別子」は、細かく設定されたシーンの識別子を示す。例えば、「シーン識別子:1」は赤色LEDのみを点灯させるといったシーンの情報が記録、設定されている。「強度」は、制御端末100を利用する利用者により、「シーン識別子」に格納された情報に対応するシーンが指定された際に発光部4に指示される点灯の強度を示す。
これら記憶部20の設定情報は、制御端末100によって書き込み、編集、削除などが可能である。例えば、「中継設定」であれば、制御端末100が自装置に向けられた状態で利用者の所定の操作(例えば、制御端末100の入力装置(ボタン)の押下など)に応じて制御端末100から送信される制御内容の中継を指示する旨の情報を受け付ける。そして、記憶部20の「中継設定」の項目に「ON」を格納する。また、自装置に対し制御端末100から制御内容の中継しないことを指示する旨の情報を受け付けた場合、記憶部20の「中継設定」の項目に「OFF」を格納する。
処理部21は、少なくとも通信部2と記憶部20とに接続されている。処理部21では、通信部2の受信部10で受信した信号や記憶部20に記憶された設定情報を参照して、例えば、送信部11から情報を送信するという判断を下したり、発光部4の制御内容を判断して後述する電源部22へ制御指令を与えたり、といった動作が行われる。処理部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等を備える。また処理部21は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されても良い。
電源部22は、少なくとも処理部21と接続されており、処理部21から渡された制御指令に基づいて、発光部4を制御する。例えば、記憶部20に記録された発光強度情報に基づいた制御指令を処理部2から受け取って、指定された発光強度で発光部4が点灯するよう制御する。電源部22は発光部4へ電力を供給するだけでなく、通信部2や処理部21にも電力を供給しても良い。
発光部4は、基板、この基板に実装された複数の発光素子(半導体発光素子)を有しており、制御部3と接続されている。発光素子は、例えば表面実装形のLEDが用いられる。なお、発光素子は、LEDに限らず、有機ELなどの他の素子を用いてもよい。基板には、1色のLEDのみが実装されていても良いし、2色以上のLEDが実装されていても良い。基板に1色のLEDのみを実装した場合は、制御部3での制御は、発光強度を変更する調光制御のみであるが、基板に2色以上のLEDを実装した場合は、電源部22で発光部4の色を変更する調光制御を行うことも可能となる。
なお、記憶部20が記憶する設定情報としては、「制御状態」を有していても良い。「制御状態」は照明装置1において、発光部4の制御方式を示すものであり、例えば、どの形式で通信された制御信号に基づいて発光部4を制御する状態かどうかを示すものである。「制御状態」に格納される状態は、例えば、手元の制御端末100から送信された制御情報を優先して処理する「手元操作優先」状態、赤外線通信で送信された制御情報を優先して処理する「赤外線通信優先」状態、無線通信で送信された制御情報を優先して処理する「無線通信優先」状態、有線通信で送信された制御情報を優先して処理する「有線通信優先」状態などが挙げられる。例えば、「手元操作優先」状態の照明装置1に、制御端末100と他の照明装置1から制御情報を受信した場合、受信の順番は関係なく制御端末100の制御情報を優先して実行する。また、例えば、制御状態にに「赤外線通信優先」が格納されている場合は、照明装置1は赤外線通信を介して受信した制御情報を優先して実行し、有線通信もしくは無線通信を介して受信した情報については実行しない。
さらに、記憶部20が記憶する設定情報として「継続時間」が設けられても良い。「継続時間」は「制御状態」の設定状態が継続される時間を示し、数分~数時間単位の時間が設定される。例えば、「制御状態」に「手元操作優先」、「継続時間」に「10分」が格納された場合、10分間は制御端末100から送信された制御情報を優先して実行する状態を継続し、10分後はいずれの方式で送信された制御情報も実行される。「継続時間」が空欄の場合は、「継続時間」の設定が上書きされない限り継続される(継続時間が無限大)と判断されても良い。
なお「継続時間」が0の場合は、「制御状態」の設定は無効と判断されても良い。例えば、照明装置1のデフォルト設定の「制御状態」は「後優先」で、「制御時間」に「赤外線通信優先」と「継続時間」に「1時間」が格納されているとする。つまり、現在は1時間の間、赤外線通信優先状態で制御されることとなる。この状態において「継続時間」に「0」を上書きすることで、この状態を強制的に解除することが可能となる。つまり、制御端末100から送信された設定情報によって、照明装置1における「制御状態」を解除して、デフォルト設定の制御状態とすることが可能となる。なお、「後優先」は2つの制御信号を時間差で受信した場合、後に受信した制御信号に基づいて制御を行う制御方式である。
また、初期状態では有線通信や無線通信での信号や情報の送受信は行わない構成としても良い。つまり、初期状態の記憶部20の設定情報から、いずれか1つの設定情報において赤外線信号によって上書き、追加されるまでは、「中継設定」に関わらず、有線通信や無線通信での信号や情報の送受信は行わない構成としても良い。この場合、例えば、照明器具1に制御端末100から赤外線通信でグループ設定を行い、記憶部20の「グループ識別子」にグループが格納されて初期状態から値が変動することで、始めて赤外線通信以外の通信(例えば、無線通信)での信号や情報の送受信が有効となる。初期状態で有線通信や無線通信での信号や情報を受信可能な場合、遠隔操作による意図しない制御が生じてしまう虞があった。このようにユーザーが制御したい器具を設定した後に、有線通信や無線通信による遠隔制御が有効になる構成とすることで、意図しない照明制御状態になるリスクを低減することが可能となる。
また、制御端末100から赤外線通信によって「無線オフ」信号を送信することで、「無線オフ」状態に設定されても良い。「無線オフ」状態では、無線通信での信号の送受信は行われず、赤外線通信や有線通信でのみ信号の送受信や制御が行われる。この場合、「無線オフ」信号を受信部10で受信した後に、記憶部20の「制御状態」に「無線オフ」が格納される。また、「無線オフ」状態にするには、「無線オフ」信号を送信するだけではなく、照明装置1の電源を一度切って、素早く電源を入れる(例えば、2秒以内)ことでなっても良い。
「無線オフ」状態になった場合は、解除されるまではその状態が継続される。解除の手段としては、制御端末100から赤外線通信によってリセット(「制御状態」を上書きする)信号を送信したり、予め照明装置1に設定された所定時間が経過した段階で解除されても良い。この所定時間は、ダイヤルなどで照明装置1に設定されていても良いし、記憶部20に格納(例えば、「継続時間」として)されていても良い。また、照明装置1の電源を一度切って、2秒以上経過してから電源を入れることで解除されても良い。いずれの手法においても、例えば記憶部20の設定状態の「制御状態」を別の制御状態に書き換えたり、空欄にすることで解除される。
また、「無線オフ」になった場合は、現在の制御状態に関わらず強制的に100パーセントの出力で点灯する状態に設定されても良い。「無線オフ」状態に設定するケースとしては、無線制御を乗っ取られて意図しない制御状態になったケースが挙げられる。この状態で手元の制御端末100から「無線オフ」状態して照明が消灯してしまうと暗闇になってしまい危険な状態になってしまう虞がある。強制的に100パーセントで点灯することで、「無線オフ」状態にすることで暗闇になってしまうことを防ぐことができる。また、点灯状態を変更することで「無線オフ」状態になったことを周囲の人に認知させる効果も有する。なお、点灯状態は100パーセントの出力に限定されるものではなく、任意の点灯状態で良い。例えば、50パーセントの出力で点灯したり、緑色のLEDが点灯したり、点滅したりしても良い。さらに、点灯状態に違和感を感じさせないように、「無線オフ」状態になっても点灯状態が変わらないように設定されていても良い。
また上述した「無線オフ」状態は、「有線オフ」状態であったり、「無線+優先オフ」状態であっても良い。
また設定情報として「制御状態」を有していない場合や、「制御状態」に何も設定しない(空欄)の場合は、デフォルト設定として、任意の「制御状態」で制御される形態としても良い。このような場合は、有線通信、無線通信、赤外線通信、いずれの通信手法で送信された制御情報でも制御されうる状態であるが、例えば、赤外線通信で送信された制御情報を受信したら、有線通信または無線通信で送信された制御情報を無視して、赤外線通信で送信された制御情報を優先する「赤外線通信優先」で制御される形態としても良いし、後から送信された制御情報に基づいて制御される「後優先」で制御される形態としても良い。
また、照明装置1の「制御状態」を解除する手段としては、照明装置1の電源を切ることで達成されても良い。発光部4の消灯ではなく、照明装置1の電源を切ることで通信部2や制御部3への電源供給が止まる。この電源供給が止まった際に、例えば、記憶部20が記憶する設定情報の「制御状態」をリセットして空欄にしたり、あるいは、記憶部20が記憶する設定情報の「継続時間」に「0」が入力されたりすることで、照明装置1の「制御状態」が解除され、デフォルト設定の制御状態となる構成としても良い。
なお反対に、照明装置1の電源を切っても照明装置1の「制御状態」は解除されない構成としても良い。照明装置1の通信部2や制御部3への電源供給が止まっても、記憶部20が記憶する設定情報は保持され、リセット、上書き等されることはない。そのため、照明装置1の電源が再度投入された際は、電源を切る前と同じ「制御状態」で制御される構成となる。このような構成とすることで、停電などで意図せず電源供給が止まった際にも安定した制御を行うことが可能となる。
さらに、記憶部20が記憶する設定情報として「チャンネル」が設けられても良い。チャンネルを設定することで通信する無線周波数を切り替えることが可能となる。本実施形態の照明装置1では、全ての照明装置1において初期状態では「チャンネル」は「1」に設定されており、所定の無線周波数で通信が行われる。そのため、「チャンネル1」を点灯する制御を行った場合、全ての照明装置1が点灯する。この場合、例えば同一フロアに2つの会社が存在し2社とも本実施形態の照明装置1を用いているとすると、一方の会社の照明装置1に使用された制御情報を、他方の会社の照明装置1が受け取って意図しない制御を行ってしまう虞がある。この場合は「チャンネル」設定を変更することで、意図しない制御情報を受信しないようにすることが可能となる。
なお、記憶部20の設定情報において、頻繁に設定情報が切り替えられるものは、スイッチやダイヤルなどで物理的に切り替えられる構造であっても良い。例えば「中継設定」は、ON/OFFスイッチで切り替えられ、「継続時間」はダイヤルによって時間が設定される構成であっても良い。
また、照明装置1の点灯状態によって記憶部20の設定情報の状態を確認することができても良い。制御端末100から設定情報確認のための赤外線信号を受信した場合、設定情報に応じて照明装置1が点灯状態を変更し確認することが可能となる。ここでの確認可能な設定状態は例えば、「照明装置ID」、「中継設定」、「グループ識別子」、「制御状態」、「継続時間」、「チャンネル」などである。「グループ識別子」を確認する場合は、例えば、グループ#1は1回点滅、グループ#2は2回点滅というように点灯状態での確認を行うことが可能となる。
次に照明装置1を空間に2台以上設置した状態において、照明装置1の動作について説明する。ここでの空間としては部屋、工場、競技場という空間を想定するが、1つの空間に限定されるものではない。例えば、2つの部屋に渡って照明装置1を設置した場合においても、以下で説明する動作については同様に適用することは可能である。
図3においては、空間に照明装置1a~1iまでの9台の照明装置1が配設された第1の照明システム5が構成されている。なお以下において、例えば、照明装置1や記憶部20と表記する際は、照明装置1a~1iを区別せず、全ての照明装置や記憶部のことを述べていることを示す。また、制御端末100は照明装置1と通信手段C1によって通信可能に構成され、任意の2つの照明装置1どうしの間(例えば、照明装置1aと照明装置1bの間の通信)は、通信手段C2により通信可能に構成される。
なお、図3の例では、照明装置1が9台となっているが、第1の照明システム5が有する照明装置20は9台より多くてもよいし、少なくてもよい。また、通信手段C1及びC2は、例えば、無線通信や、赤外線通信等の通信方式を採用可能である。無線通信は、WAN(Wide Area Network)や、MAN(Metropolitan Area Network)、LAN(Local Area Network)、PAN(Personal Area Network)、近距離無線等の任意の通信距離の通信規格を採用可能である。
図3に示す制御端末100は、例えば、照明装置1の管理者や、照明装置1が設置された建物を利用する利用者等が所有する端末装置である。制御端末100は、例えば、リモートコントローラ(赤外線リモコン)や、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等の可搬性の端末装置を採用可能である。制御端末100は、通信部を有し、通信手段C1を介して照明の制御内容を照明装置1に送信する。
照明装置1の動作について説明する。図3の例においては、制御端末100は、点灯対象の照明装置1を識別するための識別情報や、照明装置1を点灯させる強度を示す強度情報(調光度情報)等を含む制御情報を、通信手段C1を介して照明装置1aに送信する。
照明装置1aは、通信手段C1を介して送信された制御情報を通信部2の受信部10で受信する。その後、受信した制御情報を制御部3の処理部21へ渡し、制御情報を受信した自分(照明装置1a)が制御対象であるかどうかを判断する。例えば、受信した制御情報に付与された識別情報と、照明装置1aの記憶部20に格納された識別情報を照らし合わせて自分が制御対象かどうかを判断する。
制御対象が自分の場合は、照明装置1aの記憶部20に格納された発光状態設定に基づいた制御指令を電源部22へ渡し、電源部22が発光部4を制御する。なお、制御端末100から受信した制御情報に基づいて発光部4が制御されても良い。例えば、照明装置1aが「手元操作優先」状態で稼働している状態であれば、記憶部20に格納された発光状態設定より、手元の制御端末100から受信した制御情報を優先して発光部4が制御されても良い。
また、照明装置1aが受信した制御情報を制御部3の処理部21へ渡した段階で、他の照明装置1へこの制御情報を再送信するかどうか判断する。この時、照明装置1aの記憶部20を参照し、「中継設定」がONになっている場合は、制御端末100から受信した制御情報を、通信部2の送信部11から通信手段C2を介して他の照明装置1に送信する。照明装置1aから制御内容を受信した照明装置1は、照明装置1aと同様に、受信した制御情報(制御端末100が送信した制御情報)で自装置の発光部を制御するかどうかの判断と受信した制御情報を再送信するかどうかの判断が行われる。
なお、情報を受信した自分が制御対象でない場合は、発光部4の制御は行われず、制御情報を再送信するかどうかの判断のみが行われ、該当する場合は再送信動作のみが行われる。また、情報を受信した自分が制御対象である場合の発光部4の制御と制御内容の送信の動作は、同時に行われてもよいし、制御内容の送信動作が行われた後に発光部4の制御が行われてもよい。
図3の事例について、細かく条件を設定し詳しく説明する。条件としては、図3に示す照明装置1a~1iのそれぞれの記憶部20には、図2に示す設定情報がそれぞれ格納されているとする。例えば、照明装置1aには照明装置ID 1aの設定情報が格納されている。また、制御端末100が赤外線リモコンであって通信手段C1は赤外線通信、通信手段C2が無線通信(無線LAN)であるものとする。そして制御端末100からは、「グループ#1を100パーセントの出力で制御する」という制御情報(制御信号)が照明装置1aに送信されるとする。
まず照明装置1aの動きを説明する。制御端末100からの情報を受信した照明装置1aは、自身が制御対象かどうかを判断する。具体的には、制御端末100から送信された制御対象グループと、照明装置1aの記憶部20aの「グループ識別子」を照らし合わせ、制御対象グループに自身が含まれるかを判断する。本実施形態では、照明装置1aは「グループ#1」であるため自身が制御対象であると判断される。
そして、照明装置1aの制御状態の設定に照らし合わせ、どの制御情報に従って制御を行うか判断する。本実施形態では、「手元操作優先」に設定されているため、手元の制御端末100からの制御情報に従う状態になっている。そのため、受信した制御情報の強度情報に従って、発光部4aが100パーセントの強度で点灯するように電源部22aが発光部4aを制御する。
ここで、本実施形態においては、制御端末100と照明装置1aの間の通信手段C1は赤外線通信であるため、照明装置1aの制御状態が「赤外線通信優先」であっても、「手元操作優先」と同様の効果が得られる。
また制御端末100からは「グループ#1を制御する」といったように強度情報が送信されない場合は、照明装置1aの記憶部20aの「発光状態設定」を参照した制御が行われる。本実施形態においては、「発光状態設定」に「シーン識別子」として「シーン#1」、「強度」として「25パーセント」が格納されているため、発光部4aが「シーン#1」で「25パーセント」の強度で点灯するように電源部22aが発光部4aを制御する。
そしてまた、照明装置1aにおいて、受信した制御情報を他の照明装置1へ再送信するかどうかの判断が行われる。この時、照明装置1aの記憶部20aの「中継設定」が参照される。本実施形態では、照明装置1aの「中継設定」はONであるため、照明装置1aは、無線信号が届く範囲に設置された照明装置1b、1c、1d、1f及び1hに制御内容を送信する。
このとき、照明装置1からは制御内容の送信が複数回行われる。この送信回数は、記憶部20に「送信回数」、「送信間隔」として格納されることで設定されても良いし、照明装置1に配設されたスイッチやダイヤルによって設定されても良い。例えば、「5回」「1秒」間隔で送信する設定であれば、1秒間隔に5回同じ制御内容の送信が行われる。なお、記憶部20に「送信回数」、「送信間隔」として格納している場合は、例えば、赤外線通信や無線通信によって送信回数、間隔が上書き(変更)されても良い。
制御内容の送信が1回のみだと、電波環境等の条件により、無線通信が失敗するリスクがあった。また、無線通信の失敗リスク低減のために、照明制御の指令を定期的に送信し続けると、親機が複数台ある場合に異なる指令を送信してしまうケースが発生し、親機を1台に限定したり、親機間のデータを同期させたりする必要があった。このような構成とすることで、親機の同期を必要としない簡単なシステム構成で通信失敗のリスクを低減されることが可能となり、また、照明システムの構成や状況に応じて送信回数や間隔を調整することが可能となる。
なお、送信回数の設定は、照明装置1aのみでなく、第1の照明システム5を構成する全ての照明装置1に適用されていても良い。
次に、照明装置1bでの動きを説明する。照明装置1bは「グループ#1」であるため自身が制御対象であると判断される。そして、制御状態は「無線通信優先」であるため、無線通信である通信手段C2を介して送信された制御情報に従って、発光部4bが100パーセントの強度で点灯するように電源部22b発光部4b制御する。そして、「中継設定」はOFFであるため、他の照明装置1への再送信は行わない。
この状態の照明装置1bにおいても、制御端末100からは「グループ#1を制御する」といったように強度情報が送信されない場合は、照明装置1aの記憶部20aの「発光状態設定」を参照した制御が行われる。本実施形態においては、「発光状態設定」に「シーン識別子」として「シーン#2」、「強度」として「50パーセント」が格納されているため、発光部4bが「シーン#2」で「50パーセント」の強度で点灯するように電源部22bが発光部4bを制御する。
次に、照明装置1cでの動きを説明する。照明装置1cは「グループ#2」であるため自身は制御対象でないと判断される。そして、「中継設定」はOFFであるため、他の照明装置1への再送信は行わない。自身が制御対象でない場合は、「中継設定」を参照せずに、自身が制御対象でないと判断した段階で再送信を行わないように設定されていても良い。
次に、照明装置1fでの動きを説明する。照明装置1fは「グループ#1」であるため自身が制御対象であると判断される。そして、制御状態は「無線通信優先」であるため、無線通信である通信手段C2を介して送信された制御情報を元に発光部4fが制御される。そして、「中継設定」はONであるため、照明装置1fは、無線信号が届く範囲に設置された照明装置1a、1e、1g、1iに制御情報を再送信する。
この時、照明装置1fの無線信号が届く範囲には照明装置1aが存在するが、照明装置1は「手元操作優先」状態であるため、照明装置1fから無線通信である通信手段C2を介して送信された制御情報では制御されない。
例えば、制御端末100からは、「照明装置1aを50パーセントの出力で制御する」という制御情報(制御信号)が照明装置1aに送信される場合、照明装置1aの発光部4が50パーセントの出力で点灯するよう制御されると共に、照明装置1aのみが制御対象であるため、他の照明装置1に制御情報を再送信しない。
なお、図3に示した第1の照明システム5では「制御状態」の設定により回避されているもの、システム構成によっては、ある照明装置1において再送信した制御情報を、別の照明装置1から再び受信(再受信)するケースが生じる虞がある。再送信した制御情報と、再受信する制御情報は同じ制御情報である場合は、制御内容が変わるなどの問題は生じないが、制御情報と制御指令がループすることになるため、ループを防ぐ構成としても良い。
ループを防ぐ構成としては、例えば、再送信する制御情報に再送信した照明装置IDを付与する手段が考えられる。制御情報が再送信されるたびに照明装置IDが追加されていき、制御情報を受信した段階で受信した制御情報に付与された照明装置IDを参照し、自身の照明装置IDが付されている場合は、再送信や制御を行わないと判断しても良い。
また、ループを防ぐ構成としては、例えば、記憶部20に受信した制御情報を格納する手段が考えられる。制御情報を受信した段階で、記憶部20に格納された制御情報を参照し、同じ制御情報内容であれば、再送信や制御を行わないと判断しても良い。また、この格納された制御情報には合わせて「時間」データも格納されても良い。制御情報を受信した段階で、記憶部20に格納された制御情報を参照し、同じ制御情報内容であれば、格納された「時間」データと現在時間を参照し、定められた時間(例えば、10分など)が経っていない場合は、再送信や制御を行わないと判断しても良い。
このように、実施形態に係る第1の照明システム5においては、照明装置1は、受信した制御内容が自装置を対象とする場合、発光部に強度情報に基づく強度での点灯を指示すると共に、他の照明装置1に制御内容を送信する。これにより、実施形態に係る第1の照明システム5は、端末装置からいずれかの照明装置に照明の制御内容を送信することによって、各照明装置の照明制御を可能とするため、照明装置の制御を容易、手間をかけずに行うことができる。
次に図4を用いて、照明装置1のグループ設定処理について説明する。図4は、実施形態に係る照明装置のグループ設定処理の一例を示す図である。図4に示す制御端末100は、照明装置1に対しグループ設定を行うための入力装置(ボタン)を備えているものとする。
図4の例において、制御端末100は、照明装置1aに向けられた状態で、「グループ#1」の設定を行うためのボタン(以下、「G1ボタン」と記載する場合がある)が利用者に押下されることにより、「グループ#1」の設定に関する設定情報を、通信手段C1を介して照明装置1aに送信する。そして、照明装置1aの受信部10aは、「グループ#1」に関する設定情報を受け付け、照明装置1aの記憶部20aに「グループ#1」の識別子を格納する。同様に、制御端末100が照明装置1eに向けられた状態で、G1ボタンが押下された場合、照明装置1eの受信部10eは、照明装置1eの20eに「グループ#1」の識別子を格納する。
ここで、制御端末100が照明装置1iに向けられた状態で、「グループ#2」の設定を行うためのボタン(以下、「G2ボタン」と記載する場合がある)が押下された場合、照明装置1iの受信部10iは、照明装置1iの記憶部20iに「グループ#2」の識別子を格納する。すなわち、各照明装置1の受信部10は、制御端末100から送信される設定情報に応じて自装置のグループ設定を行う。なお、1つの照明装置1に対し、複数のグループが設定されてもよい。
なお、グループを示す識別子は、例えば、記憶部20の「グループ識別子」の項目に格納されても良い。
また、制御部3は、受信部10により受信された制御内容が、シーン制御と識別子を示す場合は、当該識別子と対応付けられた調光度情報が示す調光度で発光部を制御してもよい。例えば、制御部3は、受信された制御内容が、制御端末100においてシーンが指定されたことを示す情報、並びに、シーン識別子を含み、当該シーン識別子が自装置の記憶部20の「シーン識別子」の項目に格納された複数のシーン識別子のいずれかに対応する場合、対応付けられた強度で点灯するよう発光部4を制御する。
ここで、図5及び図6を用いて、照明装置1に1ないし複数のシーンが設定された場合の発光部4の制御について説明する。
まず、図5を用いて、照明装置1のシーン設定処理について説明する。図5は、実施形態に係る照明装置のシーン設定処理の一例を示す図である。図5に示す制御端末100は、照明装置1に対しシーン設定を行うための入力装置(ボタン)を備えているものとする。
図5の例において、制御端末100は、強度「25%」で点灯するよう発光部4が制御されている照明装置1bに向けられた状態で、「シーン#1」の設定を行うためのボタン(以下、「S1ボタン」と記載する場合がある)が利用者に押下されることにより、「シーン#1」の識別子、並びに、「シーン#1」において発光部4bを点灯させる強度を示す強度情報(「25%」)を、通信手段C1を介して照明装置1bに送信する。そして、照明装置1bの受信部10bは、「シーン#1」に関する情報を受け付け、照明装置1bの記憶部20に「シーン#1」を示す識別子、「25%」の強度情報を格納する。
同様に、強度「50%」で点灯するよう発光部4cが制御されている照明装置1cに、制御端末100が向けられた状態でS1ボタンが押下された場合、照明装置1cの受信部10cは、照明装置1cの記憶部20cに「シーン#1」を示す識別子、「50%」の強度情報を格納する。また、強度「60%」で点灯するよう発光部4cが制御されている照明装置1cに、制御端末100が向けられた状態で「シーン#2」の設定を行うためのボタン(以下、「S2ボタン」と記載する場合がある)が押下された場合、照明装置1cの受信部10cは、照明装置1cの記憶部20cに「シーン#2」を示す識別子、「60%」の強度情報を格納する。
同様に、強度「70%」で点灯するよう発光部4dが制御されている照明装置1dに、制御端末100が向けられた状態でS2ボタンが押下された場合、照明装置1dの受信部10dは、照明装置1dの記憶部20dに「シーン#2」を示す識別子、「70%」の強度情報を格納する。
なお、シーンを示す識別子は、例えば、記憶部20の「シーン識別子」の項目に格納され、強度情報は記憶部20の「強度」の項目に格納されても良い。また、「シーン識別子」に対応付けられる「強度」は、制御端末100において入力され、通信手段C1を介して照明装置1に送信された情報であってもよい。
次に、図6を用いて、照明装置1のグループに対する制御の一例を説明する。図6は、実施形態に係る第1の照明システム5の一例を示す図である。なお、図6の説明において、照明装置1b、照明装置1c及び照明装置1dには、図5に示したシーン設定が行われているものとする。
ここで、制御端末100から通信手段C1を介して「シーン#1」を示す制御内容を照明装置1aに送信し、照明装置1aが、照明装置1b、1c、1d、に制御内容をブロードキャスト(再送信)したものとする。この場合、自装置の記憶部20に「シーン#1」を示す識別子が格納されている照明装置1b及び1cの制御部3は、それぞれ識別子に対応付けられた強度で点灯するよう発光部4を制御する。一方、自装置の記憶部20に「シーン#1」を示す識別子が格納されていない照明装置1dは、発光部4dを点灯させない。
また、制御端末100が、通信手段C1を介して「シーン#2」を示す制御内容を照明装置1aに送信し、照明装置1aが、照明装置1b、1c、1d、に制御内容をブロードキャスト(再送信)したものとする。この場合、自装置の記憶部20に「シーン#2」を示す識別子が格納されている照明装置1c及び1dの制御部3は、それぞれ識別子に対応付けられた強度で点灯するよう発光部4を制御する。一方、自装置の記憶部20に「シーン#2」を示す識別子が格納されていない照明装置1bは、発光部4bを点灯させない。
なお、照明装置1は、第1の通信手段を有し、第1の通信手段で受信した信号を、信号の内容に応じて外部に送信するか否かを決定してもよい。例えば、照明装置1は、赤外線を介して受信した信号の内容が、グループやシーンの設定であるか否か、調光度の設定であるか否か等を判定する。そして、照明装置1は、グループやシーンの設定である場合は、無線を介した中継を行わず、調光度の設定である場合は、無線を介した中継を行ってもよい。また、照明装置1は、第2の通信手段を有し、第2の通信手段で受信した信号を、照明装置1の設定に応じで外部に送信するか否かを決定してもよい。例えば、照明装置1は、自装置が中継装置であるか否か、自装置が点灯しているか否か、自装置のグループやシーン、その他の設定情報が所定の条件を満たすか否かに応じて、無線を介して受信したデータを中継するか否かを決定してもよい。
頭上の照明装置が有線通信または無線通信で送信される設定情報により意図しない「制御状態」になってしまった場合を考えると、従来の照明装置・照明システムにおいては、頭上の照明装置に適切な設定情報を送信して「制御状態」を更新する前に、遠隔制御している照明装置に遠隔制御を禁止する指令を与える必要があった。遠隔制御を禁止しない場合、適切な「制御状態」に変更しても、再度遠隔制御によって意図しない「制御状態」になってしまう虞がある。そのため、例えば、遠隔制御を止めるために遠隔制御している照明装置の電源を落とした場合に全ての照明装置が消灯してしまったり、遠隔制御を止めるために制御周波数を変更した場合に変更後の制御周波数で無線通信を乗っ取られることで意図しない制御状態が継続してしまうといった問題点が存在していた。本実施形態の照明装置1、第1の照明システム5においては、照明装置1のデフォルト設定の「制御状態」を「赤外線通信優先」もしくは「手元操作優先」としておくことで、手元の制御端末100から頭上の照明装置に向けて赤外線通信で設定情報を送信する手順のみで適切な「制御状態」に変更し保持することが可能となり、設定時の作業性が良い。
また、本実施形態の第1の照明システム5においては、遠隔制御を行う制御コントローラのような装置が存在しない。遠隔制御を行う装置が存在する場合、遠隔制御装置と照明装置を繋ぐ1つの通信経路が断たれた場合、照明制御の信号を送信できなくなるという問題点があった。本実施形態の第1の照明システム5においては、複数の照明装置1間での通信が可能であるため、1つの通信経路が断たれた場合でも、別の通信経路を使って照明制御の信号を送ることが可能となり、安定した照明装置1の動作を得ることが可能となる。
図7に一変形例の照明装置1を示す。第2の実施形態の照明装置1においては、電源部22は電源記憶部22aと、電源処理部22bと、を備えている。電源処理部22bは電源記憶部22aに記憶された情報を参照して、制御部3や発光部4へ電力を供給することが可能である。
次に、1つ以上の照明装置1と管理装置6を備えた第2の照明システム9について説明する。なお、第2の照明システム9においても、照明装置1においては上述した設定、動作、通信などが行われても良い。
管理装置6を図8に示す。管理装置6は、通信手段C3を用いて照明装置1と通信することや、通信手段C4を用いて制御端末100や図示しない外部ネットワークと通信することが可能である。これらの通信においては、管理装置6から照明装置1や制御端末100、外部ネットワークへ情報を送信したり、照明装置1や制御端末、外部ネットワークから情報を受け取ったりする。つまり、管理装置6は、通信手段C3を用いて直接的に照明装置1と通信を行ったり、通信手段C3と照明装置1どうしの間の通信手段である通信手段C2を組み合わせて間接的に照明装置1と通信を行ったりする。通信手段C3と通信手段C2を組み合わせることで、管理装置6の通信範囲外にある照明装置1とも通信することが可能となる。なお、通信手段C3、通信手段C4は、例えば、有線通信、無線通信や、赤外線通信等の通信方式を採用可能である。本実施形態における第2の照明システム9においては、通信手段C3として第2の通信手段である無線通信を用いている。つまり照明装置1と管理装置6は無線通信によって信号や情報の送受信が可能となっている。
管理装置6は管理装置通信部7を備える。管理装置通信部7は、例えば、所定の通信回路等によって実現される。管理装置通信部7は、照明装置1と通信手段C3を用いた通信を行い、制御端末100や図示しない外部ネットワークと通信手段C4を用いた通信を行う。具体的には、管理装置通信部7は管理装置受信部70を備えており、管理装置受信部70にて、照明装置1や制御端末100、外部ネットワークから送信された制御情報や設定情報等の各種情報を受信する。また、管理装置通信部7は管理装置送信部71を備えており、管理装置受信部71から、照明装置1や制御端末100、外部ネットワークに向けて制御情報や設定情報等の各種情報を送信する。
管理装置受信部70と管理装置送信部71はそれぞれ1つずつ設けられていても良いし、複数個ずつ設けられていても良い。複数個ずつ設けられる場合は、それぞれ異なる通信手段での送受信を担っても良い。例えば、管理装置受信部70と管理装置送信部71を3つずつ設けた場合、第1の管理装置受信部・送信部では赤外線通信で情報を送受信し、第2の管理装置受信部・送信部では無線通信で情報を送受信し、第3の管理装置受信部・送信部では有線通信で情報を送受信する。
また、通信手段C3や通信手段C4として無線通信を用いる場合、照明装置1との各種情報のやり取りに用いる周波数と、制御端末100や外部ネットワークとの各種情報のやり取りに用いる周波数と、は異なる周波数を用いることが好ましい。
また管理装置6は、管理装置記憶部72を備える。管理装置記憶部72は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、管理装置6と通信可能な照明装置1の制御情報や設定情報等の各種情報に関する情報が記憶される。この記憶された制御情報や設定情報等の各種情報は、例えば、図示しない管理端末から、有線通信または無線通信でアクセスすることで、モニタすることが可能となる。
さらに管理装置6は、管理装置処理部73を備える。管理装置処理部73は、管理装置受信部70により受信された各種情報に基づいて、照明装置1に制御情報や設定情報等の各種情報を送信するように、管理装置送信部71に指示する。例えば、制御端末100から送信された照明装置1に対する制御情報や設定情報等の各種情報を管理装置受信部70で受信した場合、管理装置処理部73は、受信した情報を照明装置1に送信するように、管理装置送信部71に指示する。
以上のように、管理装置6は、管理装置6と通信可能な照明装置1の設定情報や制御情報などの各種情報を記憶してモニタを可能とするサーバのように振舞ったり、管理装置6と通信可能な照明装置1に設定情報や制御情報を送信して照明装置1を制御するコントローラのように振舞ったりする。
次に、第2の照明システム9の動きについて図9、図10を参照して説明する。第2の照明システム9は、管理装置6Aと複数の照明装置1(照明装置1j、1k、1l、1m)を備えている。図9に示すように、管理装置6Aの通信可能範囲には照明装置1j、1k、1lが配設されており、照明装置1mは管理装置6Aの通信可能範囲外に位置する。また、照明装置1j~1mは、図10に示す設定情報がそれぞれの記憶部20に記憶されているとする。なお、図10には記載していないが、設定情報としてはグループ識別子、発光状態設定などが記憶されていても良い。
図9に示す例において、管理装置6Aは、通信手段C4を用いて、制御端末100との間で情報の送受信を行うことが可能である。例えば管理装置6Aは、制御端末100との間で、照明装置1に対する制御情報や設定情報等の各種情報を送受信したり、管理装置6A自身に関する制御情報や設定情報等の各種情報を送受信したりする。
また、管理装置6Aは、通信手段C3を用いて、照明装置1に受信した制御情報や設定情報等の各種情報を送信する。管理装置6Aが送信する情報は管理装置記憶部72に記憶された情報であっても良い。なお、管理装置6Aから情報を受信した照明装置1において中継設定がされている場合、照明装置1は受信した情報を再送信する。図9においては、照明装置1jは中継設定がONに設定されているため、通信手段C2を用いて照明装置1jから照明装置1mへ受信した情報を再送信する。
第2の照明システム9においては、以下の手順により、それぞれの照明装置1の制御状態や設定状態を確認することが可能となる。まず、管理装置6Aにて、照明装置1の「制御状態」を確認する通信コマンドを作成する。そして、その通信コマンドを照明装置1へ送信する。この時照明装置1mは、先述の通り、照明装置1jから通信手段C2を用いて中継された通信コマンドを受け取る。この通信コマンドを受け取った照明器具1は、自身の「制御状態」を含む情報を権利装置6Aに向けて返信する。この時、照明装置1は、自身の照明装置IDや制御状態の宛先などを付与して情報を送信しても良い。このようにして、管理装置6Aに照明装置1の制御状態の情報を集約し、それぞれの照明装置1の制御状態を把握することが可能となる。この集約した制御状態の情報は、管理装置記憶部72に記憶され、この記憶された情報に例えば図示しない管理端末でアクセスすることで、図10に示した情報を管理端末の画面に表示でき、それぞれの照明装置1の制御状態を人間の目で確認することが可能となる。
このような構成とすることで、管理装置6Aなどによる遠隔制御によって頭上の照明装置1が意図しない制御状態になった際に、手元の制御端末からの操作で点灯状態を占有・変更できる状態がどうかを管理装置6Aや人間が把握することが容易となる。例えば、頭上の照明装置1の制御状態が「手元操作優先」であることが確認できれば、手元の制御端末から照明装置1へ制御信号を送信することで意図しない制御状態を解消することができる。
また、同様な手順で「制御状態」の「継続時間」も確認できても良い。その場合、管理装置6Aで作成する通信コマンドは、照明装置1の「制御状態」と「制御時間」を確認する通信コマンドとなる。そして、それぞれの照明装置1が送信する情報は、「制御状態」と「制御時間」が含まれる情報となる。この場合、例えば、先述した頭上の照明装置1が意図しない制御状態になったケースにおいて、「管理装置優先」状態が解除されるまでの時間を把握することが可能となる。
さらに、管理装置6Aからの指令によって、照明装置1の「継続時間」が設定されても良い。例えば制御端末100から、管理装置6Aへ照明装置1の「継続時間」を入力すると、管理装置6Aで照明装置1の「継続時間」を設定するコマンドを作成する。なお、このコマンドは設定される「継続時間」の情報を含むものである。そして、その通信コマンドを照明装置1へ送信する。この時「継続時間」を設定する照明装置1が決まっているならば、情報の宛先(例えば、照明装置ID)を付与して情報を送信しても良い。そして、この通信コマンドを受け取った照明器具1は、自身の「継続時間」を通信コマンドに基づき設定する。この設定された「継続時間」が経過した後、「制御状態」が解除される。
なおここでの通信コマンドは、設定される「継続時間」の情報を含まず、単純に継続時間を設定するという通信コマンドであっても良い。その場合、その通信コマンドと照明装置1の「継続時間」を含む情報を照明装置1へ送信し、送信された情報を参照して「継続時間」が設定される。
また設定されるのは、「継続時間」でなくても良く、例えば、グループ情報や発光状態設定であっても良い。このように設定を行うことで、照明装置の設定を一括で変更することが容易となる。
また、中継設定がONに設定された照明装置1において、最終的に中継を行うかどうかの判断は、通信強度に応じて決定されても良い。このとき中継処理を行うかどうかの判定には閾値を用い、その閾値は、例えば照明装置1の記憶部20に記憶される。中継設定が「ON」に設定された照明装置1で情報を受信した際に、通信強度が閾値を超えるかどうか照明装置1の処理部21で判断する。通信強度が閾値以上の場合は中継処理を行うことなく処理を終了し、、通信強度が閾値未満の場合は受信した情報を送信する。すなわち、通信強度が閾値未満の場合のみ、被制御装置100は、中継処理を行う。これにより、自身の近くから送信された情報については再送信を行わないため、中継処理による通信負荷を抑制したり、第2の照明システム9の管理が容易になったりする効果が期待できる。
また、中継処理は待ち時間経過後に行われる形態としても良い。照明装置1の記憶部20に待ち時間が記憶されており、情報を受信した照明装置1は、例えば一定間隔で所定の待ち時間が経過したかどうかを確認する。所定の待ち時間が経過していない場合は、被制照明装置1は受信した情報を再送信しない。そして、所定の待ち時間が経過した場合、照明装置1は受信した情報を再送信する。これにより、第2の照明システム9は、管理装置6や照明装置1が同時に情報を送信することを抑制し、中継処理により通信が混雑することを抑制することができる。
さらに中継処理は、その中継回数に制限を設けてもよい。例えば、第2の照明システム9は、制御情報や設定情報等の各種情報に中継回数を示すフラグを設けてもよい。この場合、例えば、管理装置6は情報を送信する際にフラグを0に設定する。そして、中継機能がONに設定された照明装置1は、受信した情報を再送信する際に情報に設けられたフラグを1加算する。また、中継機能がONに設定された照明装置1は、受信した情報に含まれるフラグの値が予め設定された中継回数に達している場合、中継処理を行わない。
上述のように、実施形態に係る第2の照明システム9は、照明装置100Aを制御するための制御情報を送受信する制御装置(管理装置6)と、受信した制御情報を再送信するか否かを設定可能な照明装置1とを具備する。これにより、第2の照明システム9は、管理装置6の通信範囲外に位置する照明装置1などに、中継機能が有効に設定された照明装置1経由で管理装置6から受信した情報を送信可能になり、通信範囲を広げることができる。したがって、第2の照明システム9は、照明装置1における中継機能を切り替えることにより通信範囲を変動させることが可能となるため、照明装置1の設置における制約を抑制することができる。
ここまで管理装置6が制御機能を有している場合を説明したが、管理装置6は制御機能を有していなくても良い。例えば、管理装置6は、照明装置1の設定情報などを記憶する機能のみを有しており、制御機能を有していなくても良い。この場合、照明装置1の制御は図3に示したように、照明装置1同士の通信で行われる。
なお第2の照明システム9は、管理装置6も複数台備えていても良い(管理装置6A、6B)。管理装置6を複数台備える際は、例えば、管理装置6Aと管理装置6Bとはそれぞれ異なるエリアに設置され、設置されたエリアに位置する照明装置1を管理する。複数の管理装置6は、それぞれハブ104に接続され、さらにハブ104は図示しない外部端末と接続される。図示しない外部端末は、例えば制御端末100であったり、制御端末100とは異なるコンピュータであったりする。ハブ104と外部端末との間で情報の送受信を行い、複数の管理装置6や管理装置6に接続している照明装置1に向けて一括で制御情報や設定情報等の各種情報を送信したり、複数の管理装置6や管理装置6に接続している照明装置1の制御情報や設定情報等の各種情報を集めたり、することができる。
また、第2の照明システム9においても、第1の照明システム5で説明した送信回数の設定が、第2の照明システム9を構成する全ての照明装置1に行われていても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。