以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
まず、本願発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用灯具10を示す正面図であり、図2は図1のII-II線断面図である。
これらの図において、Xで示す方向が車両用灯具10としての「前方」(車両としては「後方」)であり、Yで示す方向が「右方向」(車両としても「右方向」)であり、Zで示す方向が「上方向」である。これら以外の図においても同様である。
本実施形態に係る車両用灯具10は、車両の右後端部に配置されるテールランプであって、ランプボディ12とその前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、灯具ユニット20が組み込まれた構成となっている。
透光カバー14は、その左端部から右端部へ向けて灯具後方側へ回り込むように形成されている。
図3は、灯具ユニット20を取り出して示す斜視図である。
同図にも示すように、灯具ユニット20は、板状導光体30と、上下1対の光源40および棒状導光体42と、第2光源50および第2棒状導光体52とを備えており、上下対称の構成を有している。
板状導光体30は、透明樹脂製(例えばアクリル樹脂製)の部材であって、図示しない支持構造によりランプボディ12に支持されている。この板状導光体30は、水平面に沿って車幅方向に延びる平板部32と、この平板部32から延びる上下1対の湾曲部34とを備えた構成となっている。
平板部32は、その左半部においては一定の前後幅で形成されているが、その右半部においては右端縁へ向けて徐々に前後幅が狭くなるように形成されている。 すなわち、平板部32の前端面32aは、その左端部から右端部へ向けて灯具斜め後方側に延びるように形成されており、その左半部は平面状の鉛直面で構成されているが、その右半部は右端縁へ向けて灯具後方側へ湾曲する凸曲面状の鉛直面で構成されている。一方、平板部32の後端面32bは、前端面32aの左半部と平行に延びる平面状の鉛直面で構成されているが、その右端部は右端縁へ向けて灯具後方側へ湾曲する凹曲面状の鉛直面で構成されている。
上下1対の湾曲部34は、平板部32の前端面32aから上下両方向へ向けて湾曲して延びるように形成されている。すなわち、各湾曲部34は、その後面を構成する第1板面34bが凹曲面状に形成されており、その前面を構成する第2板面34aが凸曲面状に形成されている。
具体的には、上側に位置する湾曲部34は、平板部32の前端面32aの右半部における上部領域から水平方向に近い斜め上方向へ延びた後、徐々に上向き角度が大きくなるように形成されている。その際、この湾曲部34は、その基端部から先端部へ向けて徐々に肉厚が減少するように形成されており、その最先端部34cは前端面32aの右半部と略平行な鉛直面に沿って延びるように形成されている。また、この湾曲部34の左端面34dは、平板部32の前端面32aから滑らかに湾曲して延びるように形成されている。
この湾曲部34の第1板面34bには、複数の反射素子34sが形成されている。その際、複数の反射素子34sは、所要方向に延びるラインLに沿って連続的に並んだ状態で配置されている。
上記所要方向は湾曲部34の基端部から先端部へ向かう方向に設定されており、ラインLは湾曲部34の基端部から最先端部34cの近傍位置まで曲線状に延びるように配置されている。このラインLは、上記所要方向と交差する水平方向(具体的には平板部32の前端面32aの右半部が延びる方向)に略等間隔をおいて複数本(例えば5~10本程度)配置されている。
下側に位置する湾曲部34も、上側に位置する湾曲部34と同様の構成を有している。
なお、各湾曲部34における複数の反射素子34sの具体的な配置やその具体的な形状については後述する。
上下1対の光源40および棒状導光体42は、上下1対の湾曲部34の上下両側に配置されている。
上側に位置する棒状導光体42は、上側に位置する湾曲部34の先端面34c1(すなわち最先端部34cの上面)の上方近傍において該先端面34c1に沿って湾曲して延びるように配置されている。
この棒状導光体42は、円形の断面形状を有しており、その外周面の上部には複数の反射素子42sが長手方向に連続的に形成されている。この棒状導光体42は、図示しない支持構造によりランプボディ12に支持されている。
上側に位置する光源40は、棒状導光体42の右端面42aの近傍に配置されている。この光源40は、赤色発光ダイオードであって、その発光面を棒状導光体42の右端面42aへ向けた状態で基板44に搭載されている。この基板44は図示しない支持構造によりランプボディ12に支持されている。
棒状導光体42は、その右端面42aから入射した光源40からの光を、その左端面へ向けて導きながら複数の反射素子42sで全反射させて該棒状導光体42から下方へ向けて出射させ、板状導光体30の湾曲部34に対してその先端面34c1から入射させるようになっている。
そして、板状導光体30の湾曲部34においては、その先端面34c1から入射した棒状導光体42からの光を、該湾曲部34の基端部へ向けて導きながら、その第1板面34bに形成された複数の反射素子34sで全反射させて、その第2板面34aから灯具前方へ向けて出射させるようになっている。
下側に位置する光源40および棒状導光体42は、上側に位置する光源40および棒状導光体42を上下反転させた状態で配置されている。
第2光源50および第2棒状導光体52は、板状導光体30の平板部32の灯具後方側に配置されている。
第2棒状導光体52は、平板部32の後端面32bの灯具後方近傍において該後端面32bに沿って延びるように配置されている。この第2棒状導光体52は、円形の断面形状を有しており、その外周面の後部には複数の反射素子52sが長手方向に連続的に形成されている。この第2棒状導光体52は、図示しない支持構造によりランプボディ12に支持されている。
第2光源50は、第2棒状導光体52の右端面52aの近傍に配置されている。この第2光源50は、赤色発光ダイオードであって、その発光面を第2棒状導光体52の右端面52aへ向けた状態で基板54に搭載されている。この基板54は図示しない支持構造によりランプボディ12に支持されている。
第2棒状導光体52は、その右端面52aから入射した第2光源50からの光を、その左端面へ向けて導きながら複数の反射素子52sで全反射させて該第2棒状導光体52から灯具前方へ向けて出射させ、板状導光体30の平板部32に対してその後端面32bから入射させるようになっている。
そして、板状導光体30の平板部32においては、その後端面32bから入射した第2棒状導光体52からの光を、その前端面32aへ導いて該前端面32aから灯具前方へ向けて出射させるようになっている。
ただし、この平板部32は、その前端面32aの右半部における上部領域および下部領域が上下1対の湾曲部34に接続されているので、平板部32の前端面32aに到達した第2棒状導光体52からの光の一部は上下1対の湾曲部34に導かれることとなる。そして、各湾曲部34においては、その基端部から入射した第2棒状導光体52からの光を、該湾曲部34の先端部へ向けて導きながら、その第1板面34bに形成された複数の反射素子34sで全反射させて、その第2板面34aから灯具前方へ向けて出射させるようになっている。
図1および2に示すように、上記灯室内には、灯具ユニット20の板状導光体30を部分的に覆うエクステンション部材16および上下1対のカバー部材18が配置されている。
エクステンション部材16は、板状導光体30の平板部32を上下1対の湾曲部34よりも灯具後方側の位置において覆うパネル状の部材として構成されている。このエクステンション部材16には、平板部32を囲む横長矩形状の開口部16aが形成されている。このエクステンション部材16は、灯具正面視において横長矩形状の外形形状を有しており、その左右両端部においてランプボディ12に支持されている。
上下1対のカバー部材18は、エクステンション部材16の上下両側において上下1対の棒状導光体42および光源40と板状導光体30の上下1対の湾曲部34の最先端部34cとを覆うパネル状の部材として構成されている。各カバー部材18には、湾曲部34の最先端部34cを囲むようにして略円弧状に延びる開口部18aが形成されている。各カバー部材18は、灯具正面視において横長矩形状の外形形状を有しており、エクステンション部材16あるいはランプボディ12に支持されている。
図4は、板状導光体30の要部を示す、図3のIV方向矢視図である。また、図5は、板状導光体30の要部をラインLに沿った断面で示す、図4のV-V線断面図である。
これらの図に示すように、各湾曲部34の第1板面34bに形成された複数の反射素子34sは、複数のラインLの各々に沿って1列で連続的に並んだ状態で配置されている。その際、複数の反射素子34sは、各ラインL上において互いに密着した状態で配置されている。
各反射素子34sは、凹球面状の表面形状を有しており、その外周縁形状は同一サイズの円形形状に設定されている。その際、各反射素子34sの外径Dは上記凹球面の半径Rの2倍弱の値(具体的にはD=0.25~2mm程度の値(例えば1mm程度の値)に設定されている。
これにより各ラインLは、各反射素子34sの外径Dと同じ幅Wを有するとともに各反射素子34sの外径Dと同じピッチPで複数の反射素子34sが直列に配置されたものとなっている。
複数のラインL相互の上記所要方向と交差する方向の間隔Aは、各ラインLの幅Wよりも大きい値(例えばA=2W~10W程度の値)に設定されている。
図5に示すように、下側に位置する湾曲部34においては、光源40からの光が上向きに(すなわち湾曲部34の基端部側へ向けて)導かれるとともに第2光源50からの光が下向きに(すなわち湾曲部34の先端部側へ向けて)導かれ、これらの光が各反射素子34sに到達する。その際、各反射素子34sには、図5に示す断面内の方向以外の方向からも光源40および第2光源50からの光が到達するので、これらの光は各反射素子34sにおいてあらゆる方向に全反射して第2板面34aから灯具前方へ向けて出射する。上側に位置する湾曲部34においても同様である。
図6は、灯具ユニット20を灯具点灯状態で示す正面図である。
同図に示すように、上下1対の光源40および第2光源50が点灯した状態にある灯具ユニット20を灯具正面方向(すなわち車両後方)から観察したとき、その板状導光体30の平板部32の前端面32aが光って見えるとともに上下1対の湾曲部34に形成された複数の反射素子34sが光って見える。
具体的には、平板部32の前端面32aは、その後端面32bから第2棒状導光体52を介して入射した第2光源50からの光が該前端面32aから灯具前方へ向けて出射することによって光って見える。
その際、平板部32の前端面32aは、その左半部においては上下方向の全幅にわたって広幅で光って見えるが、その右半部においては上下1対の湾曲部34の基端部に挟まれた部分が細幅で光って見える。
一方、各湾曲部34に形成された複数の反射素子34sは、棒状導光体42を介して該湾曲部34の先端面34c1から入射した光源40からの光が、その基端部側へ導かれながら各反射素子34sで全反射することによって、各ラインLが全長にわたって略均一に光って見え、かつ、第2棒状導光体52を介して平板部32の後端面32bから入射した第2光源50からの光が、各湾曲部34の基端部から先端部側へ導かれながら各反射素子34sで全反射することによって、各ラインLが全長にわたってより明るくかつより均一に光って見える。
さらにその際、各湾曲部34の左端面34dも、第2棒状導光体52を介して平板部32の後端面32bから入射した第2光源50からの光が、該湾曲部34の基端部から先端部側へ導かれる途中で該左端面34dに到達して灯具前方へ向けて出射することによって光って見える。
上述したとおり、灯具ユニット20を灯具正面方向から観察したとき、各湾曲部34に形成された複数の反射素子34sは複数のラインLの各々に沿って線状に光って見えるが、各反射素子34sは凹球面状の表面形状を有しているので、灯具ユニット20を観察する方向を灯具正面方向から外れた方向にずらした場合にも、光源40および第2光源50からの光が各反射素子34sにおいてあらゆる方向に全反射することによって、複数の反射素子34sが複数のラインLの各々に沿って光って見える状態が維持される。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る車両用灯具10は、板状導光体30の各湾曲部34に入射した光源40からの光を、その第1板面34bに形成された複数の反射素子34sで全反射させた後、その第2板面34aから灯具前方へ向けて出射させる構成となっているが、複数の反射素子34sは所要方向に延びるラインLに沿って連続的に並んだ状態で配置されており、かつ、各反射素子34sは略凹球面状の表面形状を有しているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、各湾曲部34の第1板面34bには複数の反射素子34sがラインLに沿って連続的に並んだ状態で配置されているので、各湾曲部34に入射した光源40からの光が各反射素子34sで全反射して第2板面34aから灯具前方へ向けて出射することにより、各湾曲部34がラインLに沿って線状に光って見えるようにすることができる。
その際、各湾曲部34の第1板面34bに形成された各反射素子34sは略凹球面状の表面形状を有しているので、該反射素子34sでの全反射はあらゆる方向へ向けて略均等に行われることとなる。このため、板状導光体30を観察する際の視線方向を大きく変化させても、各湾曲部34がラインLに沿って線状に光って見える状態を維持することができる。したがって、灯具点灯時(すなわち光源40の点灯時)にあたかも光ファイバーが光って見えるようにすることができ、これにより車両用灯具10の意匠性を高めることができる。
このように本実施形態によれば、板状導光体30を備えた車両用灯具10において、灯具点灯時の意匠性を高めることができる。
その際、本実施形態においては、ラインLの幅が0.25~2mm程度の値に設定されているので、ラインLに沿って配置された複数の反射素子34sが灯具点灯時にあたかも光ファイバーが光って見えるようにするという意匠上の演出効果を高めることができる。
本実施形態においては、第1板面34bが曲面状に形成されているので、ラインLが3次元的に湾曲して延びるように配置されたものとすることができ、これにより灯具点灯時にあたかも光ファイバーが光って見えるようにするという意匠上の演出効果を一層高めることができる。
しかも本実施形態においては、ラインLが上記所要方向と交差する方向に間隔をおいて複数本配置されているので、灯具点灯時にあたかも複数本の光ファイバーが離散的に配置された状態で光って見えるようにすることができ、これにより意匠上の演出効果をさらに高めることができる。
その際、本実施形態においては、ラインL相互の上記所要方向と交差する方向の間隔がラインLの幅よりも大きい値に設定されているので、複数本の光ファイバーが離散的に配置された状態で光って見える効果を高めることができる。
また、本実施形態に係る車両用灯具10は、その灯具ユニット20として棒状導光体40を備えており、この棒状導光体40が各湾曲部34の先端面34c1(すなわち上記所要方向の端面)に沿って延びた状態で配置されるとともに、光源40がこの棒状導光体42に光を入射させるように配置されており、そして、この棒状導光体42に入射した光源40からの光を各湾曲部34に対してその先端面34c1から入射させる構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、このように光源40からの光を棒状導光体42を介して各湾曲部34に入射させる構成とすることにより、光源40の配置自由度を高めることができる。また、このような構成とすることにより、ラインLが上記所要方向と交差する方向に間隔をおいて複数本配置されているにもかかわらず、これら複数本のラインLに沿って配置された複数の反射素子34sに光源40からの光を効率良く到達させることが容易に可能となる。
さらに、本実施形態に係る車両用灯具10は、その灯具ユニット20として第2光源50と第2棒状導光体52とを備えているとともに、板状導光体30の平板部32が上記所要方向と交差する方向の端面として前端面32aおよび後端面32bを有しており、第2棒状導光体52が平板部32の後端面32bに沿って延びた状態で配置されるとともに、第2光源50がこの第2棒状導光体52に光を入射させるように配置されており、さらに、この第2棒状導光体52に入射した第2光源50からの光が平板部32に対してその後端面32bから入射するともに、平板部32に入射した第2光源50からの光がその前端面32aから灯具前方へ向けて出射する構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、灯具点灯時には、光源40および第2光源50の同時点灯によって板状導光体30の各湾曲部34が複数本のラインLの各々に沿って線状に光って見えるとともに板状導光体30の平板部32の前端面32aが帯状に見えるようにすることができ、これにより車両用灯具10の意匠性をさらに高めることができる。
しかも、本実施形態の板状導光体30は、上下1対の湾曲部34が平板部32の前端面32aから上下両方向へ向けて湾曲して延びるように形成されているので、灯具点灯時、平板部32の前端面32aが光ファイバーの束として光って見えるとともに、上下1対の湾曲部34に形成された複数の反射素子34sが光ファイバーの束から分岐して延びる複数の光ファイバーとして光って見えるようにすることができる。
その際、各湾曲部34に形成された複数の反射素子34sは、棒状導光体42を介して該湾曲部34の先端面34c1から入射した光源40からの光が、その基端部側へ導かれながら各反射素子34sで全反射するだけでなく、第2棒状導光体52を介して平板部32の後端面32bから入射した第2光源50からの光が、各湾曲部34の基端部から先端部側へ導かれながら各反射素子34sで全反射するようになっているので、各ラインLが全長にわたってより明るくかつより均一に光って見えるようにすることができる。
また本実施形態においては、上下1対の湾曲部34の左端面34dについても、光ファイバーの束から分岐した光ファイバーの束として光って見えるようにすることができる。
上記第1実施形態においては、車両用灯具10がテールランプである場合について説明したが、テールランプ以外にも、ストップランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、デイタイムランニングランプ等、車両に設けられる箇所や機能にかかわらず、上記第1実施形態と同様の構成を採用することにより上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。その際、例えば、車両用灯具10をテールランプ&ストップランプとして構成した上で、テールランプ点灯モードで光源40を点灯させるとともにストップランプ点灯モードで第2光源50を追加点灯させる構成とすることも可能である。
次に、上記第1実施形態の変形例について説明する。
まず、上記第1実施形態の第1変形例について説明する。
図7は、本変形例に係る灯具ユニット120を示す、図3と同様の図である。
同図に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第1実施形態の場合と同様であるが、灯具ユニット120の構成として、板状導光体30の灯具後方側に、板状導光体130ならびに上下2組の光源140および棒状導光体142が追加配置されている点で上記第1実施形態の場合と異なっている。
板状導光体130は、板状導光体30における上下1対の湾曲部34と同様の構成を有する上下1対の湾曲部134が連結部136を介して一体的に形成された構成となっている。その際、上側に位置する湾曲部134は、上側に位置する湾曲部34に対して左斜め上方向にずれた状態で配置されており、下側に位置する湾曲部134は、下側に位置する湾曲部34に対して左斜め下方向にずれた状態で配置されている。
上下2組の光源140および棒状導光体142は、上下2組の光源40および棒状導光体42の場合と同様の構成を有しており、また上下1対の湾曲部134との位置関係もこれらと同様に設定されている。
図8は、灯具ユニット120を灯具点灯状態で示す正面図である。
同図に示すように、上下1対の光源40および第2光源50と共に上下1対の光源140が点灯した状態にある灯具ユニット120を灯具正面方向から観察したとき、その板状導光体30の平板部32の前端面32aならびに上下1対の湾曲部34に形成された複数の反射素子34sおよびその左端面34dと共に、板状導光体130の上下1対の湾曲部134に形成された複数の反射素子134sが光って見える。
その際、板状導光体130の各湾曲部134に形成された複数の反射素子134sは、棒状導光体142を介して該湾曲部134の先端面134c1から入射した光源140からの光が、その基端部側へ導かれながら各反射素子134sで全反射することによって、各ラインLが全長にわたって略均一に光って見える。
本変形例の構成を採用することにより、各板状導光体30、130において複数のラインLに沿って線状に光って見える部分が灯具前後方向の2箇所に存在することとなるので、灯具点灯時に奥行き感のある発光状態を演出することができる。
上記第1変形例においては、板状導光体30の灯具後方側に板状導光体130が配置されているものとして説明したが、板状導光体130の灯具後方側にさらに別の板状導光体が配置された構成とすることも可能である。
次に、上記第1実施形態の第2変形例について説明する。
図9は、本変形例に係る板状導光体230の要部を示す、図4と同様の図である。
図9に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第1実施形態の場合と同様であるが、板状導光体230の湾曲部234の第1板面234bに形成された複数の反射素子234sが、複数のラインLの各々に沿って2列で連続的に並んだ状態で配置されている点で上記第1実施形態の場合と異なっている。
本変形例においても、各反射素子234sは、上記第1実施形態の場合と同様、凹球面状の表面形状を有しており、その外周縁形状は同一サイズの円形形状に設定されている。
その際、各ラインLにおいて内周側に位置する複数の反射素子234sは、各ラインLが延びる方向に互いに密着した状態で配置されている。また、各ラインLにおいて外周側に位置する複数の反射素子234sは、内周側に位置する複数の反射素子234sに対して各ラインLが延びる方向に半ピッチずれた状態で、内周側に位置する複数の反射素子234sに密着した状態で配置されている。このため、外周側に位置する複数の反射素子234sは、各ラインLが延びる方向に互いに僅かに離れた状態で配置されている。
これにより各ラインLは、各反射素子234sの外径Dの2倍弱の幅Wを有するとともに各反射素子234sの外径Dの半分のピッチPで複数の反射素子34sが交互に配置されたものとなっている。その際、幅Wを上記第1実施形態の場合と同じ値に設定しようとした場合には、各反射素子234sの外径Dを上記第1実施形態の場合に対して半分程度の値に設定すればよい。
本変形例においても、複数のラインL相互の上記所要方向と交差する方向の間隔Aは、各ラインLの幅Wよりも大きい値(例えばA=2W~10W程度の値)に設定されている。
本変形例のように、複数の反射素子234sが各ラインL上において上記所要方向と交差する方向に2個ずつ並列に並んだ状態で配置された構成とすれば、各ラインLがより均一な明るさで光って見えるようにすることができる。
特に、本変形例のように、内周側に位置する複数の反射素子234sと外周側に位置する複数の反射素子234sとが、各ラインLが延びる方向に半ピッチずれた状態で交互に密着した状態で配置された構成とすることにより、各ラインLがより均一な明るさでかつより明るく光って見えるようにすることができる。
次に、上記第1実施形態の第3変形例について説明する。
図10(a)は、本変形例に係る板状導光体の要部を示す、図4と略同様の図である。
同図(a)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第1実施形態の場合と同様であるが、本変形例においては、複数の反射素子334sが、直線状に延びるラインLに沿って5列で連続的に並んだ状態で配置されている点で上記第1実施形態の場合と異なっている。
本変形例においても、各反射素子334sは、上記第1実施形態の場合と同様、凹球面状の表面形状を有しており、その外周縁形状は同一サイズの円形形状に設定されている。
その際、ラインLにおいて各列を構成する複数の反射素子234sは、ラインLが延びる方向に互いに密着した状態で配置されており、また、互いに隣接する列相互間においてラインLが延びる方向に半ピッチずれた状態で互いに密着しした状態で配置されている。
これによりラインLは、各反射素子334sの外径Dの5倍弱の幅Wを有するとともに各反射素子334sの外径Dの半分のピッチPで複数の反射素子34sが配置されたものとなっている。その際、幅Wを上記第1実施形態の場合と同じ値に設定しようとした場合には、各反射素子334sの外径Dを上記第1実施形態の場合に対して1/5程度の値に設定すればよい。
本変形例のように、複数の反射素子334sがラインL上において上記所要方向と交差する方向に5個ずつ並列に並んだ状態で配置され、かつ、互いに隣接する列相互間において複数の反射素子334sがラインLが延びる方向に半ピッチずれた状態で配置された構成とすることにより、ラインLがより一層均一な明るさでかつより一層明るく光って見えるようにすることができる。
次に、上記第1実施形態の第4変形例について説明する。
図10(b)は、本変形例に係る板状導光体の要部を示す、図4と略同様の図である。
同図(b)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第3変形例の場合と同様であるが、本変形例においては、各反射素子434sの表面形状が凹楕円球面状に設定されている点で上記第3変形例の場合と異なっている。
その際、各反射素子434sは、ラインLが延びる方向と直交する方向に長い楕円形状を有しており、いずれも同一サイズで形成されている。
本変形例のように、各反射素子434sがラインLが延びる方向と直交する方向に長い楕円形状を有する構成とすることにより、上記第3変形例の場合よりもラインLがさらに均一な明るさでかつさらに明るく光って見えるようにすることができる。
次に、本願発明の第2実施形態について説明する。
図11は、本実施形態に係る灯具ユニット520を示す側面図である。
本実施形態に係る灯具ユニット520も、車両の右後端部に配置されるテールランプに組み込まれる灯具ユニットであって、上下1対の導光ユニット530A、530Bと上下1対の光源540とを備えており、上下対称の構成を有している。
各導光ユニット530A、530Bは、透明樹脂製(例えばアクリル樹脂製)の部材であって、板状導光体532と棒状導光体534とが一体的に形成された構成となっている。
まず、上側に位置する導光ユニット530Aの構成について説明する。
板状導光体532は、平板状に形成されており、その左端部から右端部へ向けて灯具後方側へ傾斜するとともに、その下端部から上端部へ向けて灯具後方側へ傾斜した状態で配置されている。この板状導光体532は、一定の上下幅および一定の左右幅で形成されているが、その左下端部には左方向へ張り出す張出し部532cが形成されている。
棒状導光体534は、円柱状に形成されており、板状導光体532の上端縁に沿って水平方向に直線状に延びている。この棒状導光体534の左端面は板状導光体532の左端面と面一で形成されているが、その右端面534aは板状導光体532の右端面よりも右側に位置している。
板状導光体532の前面を構成する第2板面532aは平面状に形成されているが、その後面を構成する第1板面532bには複数の反射素子532sおよび複数の補助反射素子532s1が形成されている。その際、複数の反射素子532sおよび複数の補助反射素子532s1は、所要方向に延びるラインLに沿ってそれぞれ連続的に並んだ状態で配置されている。
上記所要方向は板状導光体532の下端部から上端部へ向かう斜め上方向に設定されており、ラインLは板状導光体532の下端縁近傍から上端縁近傍まで直線状に延びている。このラインLは、上記所要方向と交差する水平方向に略等間隔をおいて複数本(例えば5本程度)配置されている。これら複数本のラインLは、板状導光体532の下端部において左方向へ湾曲した状態で合流し、単一のラインとして張出し部532cまで水平方向に延びている。
なお、各ラインL上における複数の反射素子532sおよび複数の補助反射素子532s1の具体的な配置やその具体的な形状については後述する。
上側に位置する光源540は、導光ユニット530Aの棒状導光体534の右端面534aの近傍に配置されている。この光源540は、赤色発光ダイオードであって、その発光面を棒状導光体534の右端面534aへ向けた状態で基板544に搭載されている。
棒状導光体534は、その右端面534aから入射した光源540からの光を、その周面で全反射させながらその左端面へ向けて導く過程で、その一部を板状導光体532に入射させるようになっている。
そして、板状導光体532においては、棒状導光体534から入射した光を、該板状導光体532の下端部へ向けて導きながら、その第1板面532bに形成された複数の反射素子532sおよび複数の補助反射素子532s1で全反射させて、その第2板面532aから灯具前方へ向けて出射させるようになっている。
下側に位置する導光ユニット530Bも、上側に位置する導光ユニット530Aと同様の構成を有している。
そして、上下1対の導光ユニット530A、530Bは、導光ユニット530Aの板状導光体532の下端面と導光ユニット530Bの板状導光体532の上端面とが突き合わされた状態で、接着や溶着等によって一体化されている。
図12(a)は、図11のXIIa部(すなわち下側に位置する導光ユニット530Bにおける板状導光体532の要部)を灯具後方側から見て示す図である。また、図12(b)は、図12(a)のb-b線断面図であり、図12(c)は、図12(a)のc-c線断面図である。
図12(a)に示すように、板状導光体532の第1板面532bに形成された複数の反射素子532sおよび複数の補助反射素子532s1は、ラインLに沿って3列でそれぞれ連続的に並んだ状態で配置されている。
その際、ラインLに沿って配置された複数の補助反射素子532s1は、ラインLに沿って配置された複数の反射素子532sによって両側から挟まれた状態で配置されている。
両側の各列を構成する複数の反射素子532sは、ラインL上において互いに密着した状態で配置されている。
各反射素子532sは、上記第1実施形態の反射素子34sと同様、凹球面状の表面形状を有しており、その外周縁形状は同一サイズの円形形状に設定されている。
一方、中央の列を構成する複数の補助反射素子532s1は、図12(b)に示すように、ラインLが延びる方向に関して階段状に形成されており、ラインL上において互いに略密着した状態で配置されている。
各補助反射素子532s1は、ラインLが延びる方向に長い長方形の外形形状を有しており、その長辺の長さは反射素子532sの直径の2倍程度の値に設定されている。そして、各補助反射素子532s1は、第1板面532bよりも下向きに傾斜した平面に沿って形成された傾斜平面部532s1aを有している。
図12(b)、(c)に示すように、下側に位置する導光ユニット530Bの板状導光体532においては、その下端縁に連結された棒状導光体534から入射した光源540からの光が、上向きに(すなわち板状導光体532の上端縁へ向けて)導かれ、その途中で各反射素子532sや各補助反射素子532s1に到達する。
その際、図12(c)に示すように、各反射素子532sに到達した光は、その凹球面状の表面において全反射により拡散反射し、第2板面532aから灯具前方へ向けて大きく拡散する光として出射する。
一方、図12(b)に示すように、各補助反射素子532s1に到達した光は、その傾斜平面部532s1aにおいて全反射により正反射し、第2板面532aから灯具前方へ向けて平行光に近い指向性を有する光として出射する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る灯具ユニット520は、上下1対の導光ユニット530A、530Bを備えているが、その板状導光体532の第1板面532bには、所要方向に延びるラインLに沿って複数の反射素子532sが連続的に並んだ状態で配置されるとともに、これらと隣接する位置において複数の補助反射素子532s1がラインLに沿って連続的に並んだ状態で配置されており、これら複数の補助反射素子532s1はラインLが延びる方向に関して階段状に形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、板状導光体532の第1板面532bには複数の補助反射素子532s1がラインLに沿って連続的に並んだ状態で追加配置されているので、板状導光体532に入射した光源540からの光が各補助反射素子532s1で全反射して第2板面532aから灯具前方へ向けて出射する際、その出射光に指向性を持たせることができ、これにより車両用灯具としての配光性能を高めることが容易に可能となる。
その際、複数の補助反射素子532s1は、ラインLに沿って配置された複数の反射素子532sと隣接する位置においてラインLに沿って配置されているので、灯具点灯時にあたかも光ファイバーが光って見えるようにするという意匠上の演出効果を維持した上で、車両用灯具としての配光性能を高めることができる。
また本実施形態においては、ラインLに沿って配置された複数の補助反射素子532s1が、ラインLに沿って配置された複数の反射素子532sによって両側から挟まれた状態で配置されているので、灯具点灯時にあたかも光ファイバーが光って見えるようにするという意匠上の演出効果を高めた上で、車両用灯具としての配光性能を高めることができる。
本実施形態のように、ラインLに沿って連続的に並んだ状態で配置された複数の反射素子532sと隣接する位置において複数の補助反射素子532s1がラインLに沿って連続的に並んだ状態で配置された構成を、上記第1実施形態の灯具ユニット20に適用することも可能であり、これにより本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
上記第2実施形態においては、棒状導光体534が円柱状に形成されているものとして説明したが、その外周面に複数の反射素子が長手方向に連続的に形成された構成とすることも可能である。
上記第2実施形態においては、板状導光体532が平板状に形成されているものとして説明したが、曲面に沿って形成された構成とすることも可能である。
上記第2実施形態においては、各補助反射素子532s1が傾斜平面部532s1aを有しているものとして説明したが、傾斜平面部532s1aの代わりに第1板面532bよりも下向きに傾斜した曲面に沿って形成された傾斜曲面部を有する構成することも可能である。このようにした場合には、板状導光体532の第2板面532aからの出射光の指向性は弱まるが配光ムラの発生を抑制することができる。
次に、上記第2実施形態の第1変形例について説明する。
図13(a)は、本変形例に係る板状導光体の要部を示す、図12(a)と同様の図である。
図13(a)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第2実施形態の場合と同様であるが、本変形例においては、ラインLに沿って配置された複数の補助反射素子632s1を挟むようにしてラインLに沿って配置された複数の反射素子632sの両側にさらに複数の反射素子632sが1列ずつ追加配置されている点で上記第2実施形態の場合と異なっている。
その際、追加配置された各列を構成する複数の反射素子632sは、その内側に配置された複数の反射素子632sに対してラインLが延びる方向に半ピッチずれた状態で配置されている。
本変形例のように、複数の反射素子632sがラインL上においてラインLに沿って配置された複数の補助反射素子632s1を挟むようにして2列で配置された構成とすることにより、ラインLがより一層均一な明るさでかつより一層明るく光って見えるようにすることができる。
その際、追加配置された各列を構成する複数の反射素子632sは、その内側の列を構成する複数の反射素子632sに対してラインLが延びる方向に半ピッチずれた状態で配置されているので、ラインL上に複数の反射素子632sが追加配置されたことによってラインLの幅が広くなってしまうのを抑制することができる。
次に、上記第2実施形態の第2変形例について説明する。
図13(b)は、本変形例に係る板状導光体の要部を示す、図12(a)と同様の図である。
図13(b)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第2実施形態の場合と同様であるが、本変形例においては、複数の補助反射素子732s1がラインLに沿って2列で配置されており、各列の複数の補助反射素子732s1を挟むようにして複数の反射素子732sがラインLに沿って3列で配置された構成となっている点で上記第2実施形態の場合と異なっている。
本変形例のように、複数の補助反射素子732s1がラインLに沿って2列で配置された構成とすることにより、板状導光体から灯具前方へ向けて出射する指向性を持った光の量を増大させることができ、これにより車両用灯具としての配光性能を一層高めることができる。
また本変形例においては、各列の複数の補助反射素子732s1を挟むようにして複数の反射素子732sがラインLに沿って3列で配置されているので、灯具点灯時にあたかも光ファイバーが光って見えるようにするという意匠上の演出効果についても一層高めることができる。
次に、上記第2実施形態の第3変形例について説明する。
図13(c)は、本変形例に係る板状導光体の要部を示す、図12(a)と同様の図である。
図13(c)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第2実施形態の場合と同様であるが、本変形例においては、ラインLに沿って配置された複数の補助反射素子832s1と、これらを挟むようにしてラインLに沿って配置された複数の反射素子832sとが、ラインLが延びる方向に半ピッチずれた状態で配置されている点で上記第2実施形態の場合と異なっている。
また本変形例においては、各補助反射素子832s1が菱形の角が取れた略菱形の外形形状を有している点においても上記第2実施形態の場合と異なっている。その際、上記略菱形において対向する辺の間の幅は各反射素子832sの直径よりもやや大きい値に設定されている。
複数の補助反射素子832s1は、上記第2実施形態の場合と同様、ラインLが延びる方向に関して階段状に形成されており、各補助反射素子832s1は傾斜平面部832s1aを有している。
本変形例においては、複数の補助反射素子832s1と複数の反射素子832sとがラインLが延びる方向に半ピッチずれた状態で配置された構成とするため、複数の補助反射素子832s1はラインL上において互いに略密着した状態で配置されている一方、複数の反射素子832sはラインLが延びる方向に多少の間隔(具体的には各反射素子832sの直径の半分以下の値)をおいて配置されている。
本変形例のように、ラインLに沿って配置された複数の補助反射素子832s1と、これらを挟むようにしてラインLに沿って配置された複数の反射素子832sとが、ラインLが延びる方向に半ピッチずれた状態で配置された構成とすることにより、ラインL上に複数の補助反射素子832s1が追加配置されたことによってラインLの幅が広くなってしまうのを抑制することができる。
なお本変形例においては、複数の反射素子832sがラインLが延びる方向に多少の間隔をおいて配置されているが、その間隔が各反射素子832sの直径の半分以下の値に設定されているので、複数の反射素子832sで全反射した光源からの光によって板状導光体が線状に光って見えるようにすることが可能である。
次に、上記第2実施形態の第4変形例について説明する。
図14は、本変形例に係る灯具ユニット920を示す、図11と同様の図である。
本変形例の基本的な構成は上記第2実施形態の場合と同様であるが、本変形例においては、各導光ユニット930A、930Bが板状導光体932のみで構成されており(すなわち上記第2実施形態の棒状導光体534は備えておらず)、各導光ユニット930A、930Bの板状導光体932に対して、それぞれ2つの光源940からの光を直接入射させる構成となっている点で上記第2実施形態の場合と異なっている。
すなわち、本変形例においても、各導光ユニット930A、930Bの板状導光体932は、上記第2実施形態の板状導光体532と同様、その前面を構成する第2板面932aは平面状に形成されており、その後面を構成する第1板面932bには複数の反射素子932sおよび複数の補助反射素子932s1が形成されており、その左下端部には張出し部932cが形成されている。
一方、上側に位置する導光ユニット930Aにおいては、その板状導光体932の上側の端面932dの近傍に一定の間隔をおいて2つの光源940が配置された構成となっている。各光源940の構成は上記第2実施形態の光源540と同様であるが、その発光面を板状導光体932の端面932dへ向けた状態で共通の基板944に搭載されている。
そして、板状導光体932の端面932dにおいて各光源940に対応する位置には、該光源940からの光を平行光に近い光として該板状導光体932に入射させるための光入射部932eが形成されている。
この光入射部932eは、光源940の正面に近い領域において、該光源940からの光を板状導光体932の下端部側へ屈折させるようにして入射させる第1入射部932e1と、この第1入射部932e1の両側において光源940からの光を側方側へ屈折させるようにして入射させる1対の第2入射部932e2と、各第2入射部932e2から入射した光源940からの光を下端部側へ向けて全反射により内面反射させる1対の反射部932e3とを備えた構成となっている。
下側に位置する導光ユニット930Bおよび2つの光源940は、上側に位置する導光ユニット930Aおよび2つの光源940を上下反転させた構成となっている。
図15は、図14のXV-XV線断面図であって、(a)は補助反射素子932s1の断面形状を示す図、(b)は反射素子932sの断面形状を示す図である。
図15(a)、(b)に示すように、下側に位置する導光ユニット930Bの板状導光体932においては、その下側の端面932dに形成された光入射部932eから入射した光源940からの光が、上向きに(すなわち板状導光体932の上端縁へ向けて)導かれ、その途中で各反射素子932sや各補助反射素子932s1に到達する。
その際、図15(b)に示すように、各反射素子932sに到達した光は、その凹球面状の表面において全反射により拡散反射し、第2板面932aから灯具前方へ向けて大きく拡散する光として出射する。
一方、図15(a)に示すように、各補助反射素子932s1に到達した光は、その傾斜平面部932s1aにおいて全反射により正反射し、第2板面932aから灯具前方へ向けて平行光に近い指向性を有する光として出射する。
本変形例の構成を採用した場合においても、板状導光体932に入射した光源940からの光が各補助反射素子932s1で全反射して第2板面932aから灯具前方へ向けて出射することにより車両用灯具としての配光性能を高めることが容易に可能となる。
また本変形例においても、複数の補助反射素子532s1は複数の反射素子532sによって両側から挟まれた状態で配置されているので、灯具点灯時にあたかも光ファイバーが光って見えるようにするという意匠上の演出効果を高めた上で、車両用灯具としての配光性能を高めることができる。
その際、本変形例においては、各導光ユニット930A、930Bの板状導光体932に対して、それぞれ2つの光源940からの光を直接入射させる構成となっているので、灯具点灯時に光ファイバーがより明るく光って見えるようにすることができ、また、車両用灯具としての配光性能を一層高めることができる。
次に、本願発明の第3実施形態について説明する。
図16は、本実施形態に係る灯具ユニットにおける板状導光体1030の要部を示す、図5と略同様の図である。
本実施形態に係る灯具ユニットの基本的な構成は上記第1実施形態の場合と同様であるが、その板状導光体1030における各湾曲部1034の構成が上記第1実施形態の場合と一部異なっている。
すなわち、本実施形態の板状導光体1030においても、各湾曲部1034の第1板面1034bに形成された複数の反射素子1034sは、複数のラインLの各々に沿って1列で連続的に並んだ状態で、各ラインL上において互いに密着した状態で配置されている。
ただし、本実施形態においては、各反射素子1034sが凸球面状の表面形状を有しており、その外周縁形状は同一サイズの円形形状に設定されている。
図16に示すように、下側に位置する湾曲部1034においては、光源40(図1参照)からの光が上向きに導かれるとともに第2光源50(図1参照)からの光が下向きに導かれ、これらの光が各反射素子1034sに到達する。その際、各反射素子1034sには、図16に示す断面内の方向以外の方向からも光源40および第2光源50からの光が到達するので、これらの光は各反射素子1034sにおいてあらゆる方向に全反射する。
したがって、本実施形態の構成を採用した場合においても、上記第1実施形態の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
また、本願発明は、上記各実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。