JP7202010B2 - 関節リウマチ診断薬 - Google Patents
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Description
しかしながら、血清中での主たるシトルリン化タンパク質、及びその病因との関連性については明らかではない。
従って、RA患者に特異的であり、かつ疾患活動性との相関性の高い新たな診断薬が求められている。
1. 被験体由来の生物学的サンプル中のインターαトリプシンインヒビター重鎖(ITIH)4のアルギニン残基のシトルリン化を検出することを特徴とする、被験体における関節リウマチの診断方法、又は関節リウマチの診断を補助する方法。
2. 被験体由来の生物学的サンプル中のインターαトリプシンインヒビター重鎖(ITIH)4のアルギニン残基のシトルリン化を検出することを特徴とする、被験体における関節リウマチの疾患活動性及び/又は関節リウマチ薬による治療効果のモニタリング方法。
3. アルギニン残基が配列番号1又は5に示すアミノ酸配列中438番目のアルギニン残基である、上記1又は2記載の方法。
4. 生物学的サンプルが、被験体から採取された全血、血漿、血清、皮膚、又は関節組織である、上記1~3のいずれか記載の方法。
5. シトルリン化の検出が、シトルリンを含むタンパク質を認識する質量分析法、ウェスタンブロット法、免疫組織学的検出法、免疫沈降法、又はELISA法である、上記1~4のいずれか記載の方法。
6. シトルリン化の検出が、配列番号1又は5に示すアミノ酸配列中438番目のアルギニンがシトルリンに改変された改変タンパク質又は該シトルリンを含むペプチド断片に結合する抗体との結合を介するものである、上記1~5のいずれか記載の方法。
7. 配列番号1若しくは5に示すアミノ酸配列を有するタンパク質において、438番目のアルギニン残基のシトルリン残基への改変を有するシトルリン化タンパク質、又は該シトルリン残基を有するその断片。
8. 上記7記載のシトルリン化タンパク質又はその断片を含む、関節リウマチの診断のためのバイオマーカー。
9. 上記7記載のシトルリン化タンパク質又はその断片に結合し、非シトルリン化タンパク質には結合しない抗体。
10. 上記9記載の抗体を含む、関節リウマチ診断薬。
11. 関節リウマチの診断又は診断の補助のために使用されるキットであって、上記9記載の抗体を含む、上記キット。
12. 関節リウマチの診断又は診断の補助のために使用されるキットであって、質量分析における内部標準として上記7記載のシトルリン残基を有する断片を含む、上記キット。
本発明による関節リウマチの疾患活動性及び/又は関節リウマチ薬による治療効果のモニタリング方法は、上記シトルリン化の検出を複数の時点、例えば2回、3回又はそれ以上の時点で行い、検出結果を比較することを含む。特に、治療効果のモニタリング方法は、関節リウマチの治療薬を用いた治療前後を含む複数の時点で上記シトルリン化の検出を行い、検出結果を比較することを含む。
本発明の検出の対象となる生物学的サンプルは、被験体から採取された全血、血漿、血清、皮膚、又は関節組織から選択される。
本発明者等は、従来報告がされていないITIH4におけるシトルリン化が、関節リウマチの疾患活動性と高い相関性を有することを見出した。
質量分析によるタンパク質の分析では、質量分析(MS)に供する前の試料を、液体クロマトグラフ(LC)により、分離・濃縮することが一般的であり、LCとタンデム質量分析を組み合わせたLC/MS/MSにより分析を行うこともできる。
シトルリン化タンパク質の分析のために使用し得る免疫学的方法としては、限定するものではないが、ウェスタンブロット法、免疫組織学的検出法、免疫沈降法、又はELISA法が挙げられる。これらの方法はいずれも、シトルリン化ITIH4タンパク質に対する抗体を用いて行うことができる。従って、これらの方法はいずれも、配列番号1又は5に示すアミノ酸配列中438番目のアルギニン残基がシトルリン残基に改変された改変タンパク質又は該シトルリン残基を含むペプチド断片に結合する抗体との結合を介してシトルリン化を検出する方法を含み得る。
本発明はまた、配列番号1若しくは5に示すアミノ酸配列を有するタンパク質において、438番目のアルギニン残基のシトルリン残基への改変を有するシトルリン化ITIH4タンパク質、又は該シトルリン残基を有するその断片を提供する。シトルリン化ITIH4タンパク質又はその断片は、単離されたタンパク質又はその断片である。
本発明はまた、上記の本発明のシトルリン化ITIH4タンパク質又はその断片に結合し、非シトルリン化タンパク質には結合しない抗体を提供する。本発明の抗体は、in vitroにおいてシトルリン化ITIH4タンパク質又はその断片を検出して関節リウマチについての診断を行うための、シトルリン化ITIH4タンパク質又はその断片に対する結合特異性を有する抗体である。
好適には、本発明の抗体は、配列番号1又は5に示すアミノ酸配列を有するタンパク質において、438番目のアルギニン残基がシトルリン残基に改変されたタンパク質(シトルリン化ITIH4タンパク質、例えば配列番号2又は6に示すアミノ酸配列からなるタンパク質)、又は438番目にシトルリン残基を有する断片(例えば配列番号4又は8に示すアミノ酸配列からなるペプチド)に対して結合し、この位置にシトルリン残基を有さないタンパク質(例えば配列番号1又は5に示すアミノ酸配列からなるタンパク質)又は断片(例えば配列番号3又は7に示すアミノ酸配列からなるペプチド)には結合しない抗体である。
本発明は、被験体由来の生物学的サンプル中のシトルリン化ITIH4タンパク質を検出する関節リウマチ診断薬を提供する。診断薬は、好ましくは配列番号1又は5に示されるアミノ酸配列における438番目のアルギニン残基がシトルリン残基に変換されているタンパク質、又はこのシトルリン残基を検出し得るものであり、特に好ましくはこのシトルリン化残基を含むエピトープに対して結合し得る抗体を含む。
本発明は更に、関節リウマチの診断又は診断の補助のために使用されるキットを提供する。
キットは、例えば上記の本発明の抗体を含むキットであり得る。キットは、例えばELISA法による検出のためのキットである。キットは、上記本発明の抗体に加えて、生物学的サンプル中のシトルリン化ITIH4タンパク質又はシトルリン化ITIH4ペプチドと、これに結合し得る本発明の抗体との結合及びその検出のための試薬、例えば反応液、洗浄液、酵素標識二次抗体、発色基質、陽性対照及び陰性対照、マイクロタイタープレート等の反応容器、及び使用説明書を適宜含み得る。キットは、標識された本発明の抗体を含み得る。キットはまた、本発明の抗体と、本発明の抗体に結合し得る標識された二次抗体との組合せを含み得る。
6~10週齢の雄のDBA/1マウスの尾の付け根に、完全フロインドアジュバント(CFA)(Becton Dickinson)中に1:1の体積比で乳化した25μgのペプチドGPI325-339(pGPI、Invitrogen)を皮内注入して免疫し、関節炎を発症させるために免疫後の0日目及び2日目に200ngの百日咳毒素(Sigma-Aldrich)を腹腔内注射した。対照マウスには、pGPIを含まないCFAのみを注入した。
pGIAマウス及び対照マウスから血清を採取し、ELISAによって抗pGPI抗体及び抗シトルリン化タンパク質抗体(ACPA、抗CCP抗体)の力価を測定した。
また、pGIAマウスの血清中のACPAの力価は14日目から次第に上昇し、21日目以降は対照マウスよりも有意に高くなっていた(図3B)。
CFA又はpGPIを注入したマウスの後肢の足首の関節、注入した尾部の皮膚、肺、脾臓及びリンパ節から注入後0日目、7日目、14日目及び28日目に組織を採取し、10%ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋し、切片を作製した。
pGIAマウスから採取した血清サンプルを、実施例1で使用したAMC抗体を使用してウェスタンブロット解析した。
pGPI又はCFAで免疫したマウスから0、7、14及び28日目に血清を採取し、ウェル当たり50μgの血清をロードして、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を実施し、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜に転写した。これに実施例1で用いた修飾バッファーを添加して37℃で2.5時間遮光容器中でインキュベートし、シトルリン残基の修飾を行った。
CFA又はpGPIの注入から14日目の対照マウス(CFA)及びpGIAマウス(pGPI)の血清を用い、実施例3と同様にしてウェスタンブロット解析を行った。その結果、図6Aに示すように、対照マウスではシトルリン化タンパク質が検出されなかったのに対して、pGIAマウスでは約120kDの位置にシトルリン化タンパク質の明瞭なバンドが検出された。デンシトメトリー解析の結果からも、pGIAマウスにおいて顕著に強いバンド強度が確認された(図6B)。
CFA又はpGPIを注入したマウスの血清100μgを二次元(2D)-PAGEで展開し、GelCode Blue Stain Reagent(Thermo Fisher Scientific)でゲルをクマシーブリリアントブルー染色し、また実施例3と同様にしてAMC抗体を用いてウェスタンブロット解析を行った。その結果、pGIAマウスの血清において、約120kD及びpH5.3の位置にシトルリン化タンパク質のスポットを確認した(図7A)。このシトルリン化タンパク質のスポットをゲルから切り出した。
移動相A:0.1%(v/v)ギ酸+水
移動相B:0.1%(v/v)ギ酸+アセトニトリル
勾配:3%B 1分間、
3~40%B 77分間
40%B 3分間
40~95%B 1分間
95% 4分間
95~3%B 10分間
流速:0.3μl/分
pGIAマウス及び対照マウスの注入14日目の血清サンプルをSDS-PAGEで分離し、クマシーブリリアントブルーで染色し(図9A)、またAMC抗体を用いてウェスタンブロット解析を行った(図9B)。その結果、実施例5と同様に、pGIA血清では約120kDの位置にシトルリン化タンパク質が検出され、対照血清では検出されないことが示された。
American College of Rheumatology(ACR)の1987年における基準に従って関節リウマチと診断された63名の患者、並びに22名の健常者から血清を採取し、実施例3と同様にしてウェスタンブロット解析を実施した。
実施例5と同じようにして、ヒトRA患者血清を2D-PAGE及びウェスタンブロット解析にかけ、マウスの場合と同様に、約120kD、pH5.3の位置にシトルリン化タンパク質のスポットを確認した(図11A)。クマシーブリリアントブルー染色後、スポットをゲルから切り出し、nanoUPLC-MS解析を行い、シトルリン化の有無によらず、10%超で存在する3種のタンパク質:インターαトリプシンインヒビター重鎖4(B7Z545及びB2RMS9、ITIH4);補体C3(P01024);及びセルロプラスミン(A5PL27)を同定した(図11B)。そして、マウスの場合と同様に、最も高い割合でITIH4が同定され、これが最も可能性の高いタンパク質であることが示唆された。
実施例7におけるウェスタンブロット解析では、ITIH4のシトルリン化が検出されなかった患者も存在していた。従って、詳細なデータの取得が可能であった60名のRA患者について、健常者のバンド強度+3SDに相当する0.46をカットオフ値として、血清中にシトルリン化ITIH4が検出された患者群(+)と検出されなかった患者群(-)とに分類し、各群における様々な臨床的特徴を比較した。結果を表1に示す。
60名の関節リウマチ患者(RA)、30名の健常者(HS)、12名の変形性関節症患者(OA)、15名の全身性エリテマトーデス患者(SLE)、及び27名のシェーグレン症候群患者(SS)から血清を採取し、AMC抗体を用いたウェスタンブロット解析により、約120kDのシトルリン化タンパク質の発現を解析した。尚、上記のSLE患者及びSS患者は、関節リウマチの合併症は有していない。
これらの結果から、ITIH4タンパク質のシトルリン化が関節リウマチに特異的な事象であることが確認された。
健常者においても非シトルリン化ITIH4が相当量存在することが検出された実施例10の結果から、健常者及びRA患者の血清について、ITIH4の総量を測定した(R&Dシステムズ社 ITIH4定量ELISAキット(カタログ番号DY8157-05)を使用)。
その結果、図15Aに示すように、シトルリン化の有無に関係なくITIH4総量を測定すると、健常者及びRA患者で有意な差は得られなかった。
また、個々の健常者及びRA患者で得られたITIH4総量と、血清中のCRP量(図15B)及びDAS28(CRP)スコア(図15C)との相関性の有無を調べたところ、相関性は認められなかった。
上記の結果から、総ITIH4タンパク質量のレベルはRA患者で特異的に上昇するものではなく、関節炎と関連するマーカーとはならないことが確認された。
RA患者におけるシトルリン化ITIH4レベルが、従来知られている総合疾患活動性指標と相関するか否かを検討した。
従来、関節リウマチの疾患活動性の指標として、DAS28-CRP、DAS28-ESR、SDAI(Simplified Disease Activity Index)、CDAI(Clinical Disease Activity Index)等が知られている。これらは、28関節についての圧痛及び腫脹、患者の全般的評価、医師の全般的評価、CRP濃度等を組み合わせて算出される総合的な疾患活動性指標である。
治療前の17名のRA患者血清中のシトルリン化ITIH4レベル(AMC抗体を用いて検出される約120kDのバンド強度)と上記の疾患活動性指標との相関性を検討したところ、図16に示すように、いずれの指標とも相関することが確認された。
実施例12で疾患活動性指標との相関性を検討した17名のシトルリン化ITIH4陽性のRA患者から、アバタセプト(n=8)又はインフリキシマブ(n=9)による治療前、及び24週間の治療を受けた後の血清を採取して、治療前後のシトルリン化ITIH4レベルと疾患活動性指標との変化をそれぞれ調べ、相関性を検討した。
その結果、図17Aに示すように、アバタセプト(レーン1-2)及びインフリキシマブ(レーン3-8)のいずれの治療によっても、患者血清中のシトルリン化ITIH4レベルは明らかに低下した。このことは、治療薬の作用機序によらず、治療による症状の軽減に伴って、血清中のシトルリン化ITIH4の量が減少することを示す。
図17B及び図17Cは、血清中のシトルリン化ITIH4レベルの低下が、治療前後で算出した疾患活動性指標(DAS28-CRP及びDAS28-ESR)のスコアの低下と明らかに正に相関していることを示す。
これらの結果から、シトルリン化ITIH4は、RA患者の疾患活動性を反映する新たな血清マーカーとなり得ることが実証された。
配列番号5及び6のヒトITIH4タンパク質のアミノ酸配列における438番目を含む20アミノ酸からなるペプチド、すなわち438番目がアルギニンのITIH4428-447ペプチド(native-pITIH4)及び438番目がシトルリンのITIH4428-447ペプチド(cit-pITIH4)を合成し(株式会社スクラムに依頼、それぞれ純度95%)、これらのペプチドに対するRA患者血清の抗体反応を評価した。
96ウェルプレート(Nunc, MaxiSorp)に10μg/mlのいずれかのペプチドを4℃で12時間かけて被覆し、洗浄及びブロッキング後に、1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有するPBS中に1:200希釈したRA患者(n=60)及び健常者(n=30)の血清を添加し、室温で2時間置いた。洗浄後、1:10000希釈したHRP-コンジュゲートヤギ抗ヒトIgG(H+L)(Abcam)を添加して、室温で1時間置いた。洗浄後、TMBマイクロウェルペルオキシダーゼ基質(KPL)を添加して発色させ、450nmの光学密度をマイクロプレートリーダーで測定した。
Claims (9)
- 被験体由来の生物学的サンプル中のインターαトリプシンインヒビター重鎖(ITIH)4のアルギニン残基のシトルリン化を検出することを特徴とする、被験体における関節リウマチの診断を補助する方法。
- シトルリン化ITIH4タンパク質の検出を複数の時点で行い、検出結果を比較することを含む、請求項1記載の方法であって、該方法が、被験体における関節リウマチの疾患活動性及び/又は関節リウマチ薬による治療効果のモニタリングに用いることができる、方法。
- アルギニン残基が配列番号1又は5に示すアミノ酸配列中438番目のアルギニン残基である、請求項1又は2記載の方法。
- 生物学的サンプルが、被験体から採取された全血、血漿、血清、皮膚、又は関節組織である、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
- シトルリン化の検出が、シトルリンを含むタンパク質を認識する質量分析法、ウェスタンブロット法、免疫組織学的検出法、免疫沈降法、又はELISA法である、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
- シトルリン化の検出が、配列番号1又は5に示すアミノ酸配列中438番目のアルギニンがシトルリンに改変された改変タンパク質又は該シトルリンを含むペプチド断片に結合する抗体との結合を介するものである、請求項1~5のいずれか1項記載の方法。
- 配列番号1若しくは5に示すアミノ酸配列を有するタンパク質において、438番目のアルギニン残基のシトルリン残基への改変を有する単離されたシトルリン化タンパク質、又は該シトルリン残基を有するその断片。
- 請求項7記載のシトルリン化タンパク質又はその断片を含む、関節リウマチの診断のためのバイオマーカー。
- 関節リウマチの診断又は診断の補助のために使用されるキットであって、質量分析における内部標準として請求項7記載のシトルリン残基を有する断片を含む、上記キット。
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