JP7201496B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、空調システムに関するものである。
従来、コージェネレーションシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。このコージェネレーションシステムは、発電部からの排熱を回収して湯水加熱を行う湯水加熱部と、この湯水加熱部において加熱された湯水を貯留し、かつこの湯水を所定の出湯口または熱負荷に供給可能に設けられた貯湯タンクと、バーナおよび熱交換器を有する補助熱源機と、制御手段と、を備えている。
また従来、冷凍サイクルを構成するコンプレッサ及び膨張弁に加え、ボイラーなどの温水源を備える温水供給装置を備えた空気調和装置が知られている(例えば特許文献2参照)。
この空気調和装置は、ドライ運転時には、コンプレッサからの冷媒を室外熱交換器に流して空冷し、空冷された冷媒は膨張弁および室内冷媒熱交換器を通ってコンプレッサに戻り、室内冷媒熱交換器には冷却された冷たい冷媒が流れる。室内機の前面中央部の前面開口から吸い込まれた空気は、室内冷媒熱交換器で冷却されて水分が除去される。
また、ドライ運転時には、温水供給装置からの温水が温水熱交換器を流れる。室内冷媒熱交換器で冷却されて水分が除去された空気は、温水熱交換器で温められて適温に戻されて、吹出口から吹き出す(特許文献2の段落[0021]、[0022]及び[0026]等参照)。
特許文献1に記載されたコージェネレーションシステムにあっては、貯湯タンクの湯水は、熱負荷に供給可能となっている(特許文献1の請求項1参照)。この熱負荷として、特許文献2に記載されるような温水熱交換器を採用すると、コージェネレーションシステムに組み込まれた高効率の温水エアコンを構成することができる。
特開2014-25681号公報 特開2006-132846号公報
ところで、コージェネレーションシステムにあっては、貯湯タンクが満水となるか又は許容される上限値にまで上がると、湯水の生成を停止する。湯水の生成を停止させるには、発電部の動作を停止すると共に発電部からの排熱の回収を停止する。この場合、電力負荷において電力の需要があるときには、電力系統からの電力を利用することになる。
コージェネレーションシステムにおける発電部で生成した電力は、電力系統における電力よりも省エネ性が高く、生成コストも低い。このため、コージェネレーションシステムにあっては、できるだけ発電部における電力の生成を停止させないことが好ましい。この場合、発電部における電力の生成時に生じる排熱を湯水で回収して貯湯タンクに貯めていく。
しかしながら、貯湯タンクに貯まっている湯水の量が多いと貯める余地がなくなって発電部における発電が停止し、発電部で生成した電力の連続利用がしにくく、高い省エネ性の維持が困難になるものであった。
本発明は上記従来の問題点に鑑みたものであって、発電部で生成した電力の連続利用がしやすく省エネ性が高い空調システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る空調システムは、ヒートポンプユニットと、貯湯ユニットと、湯水熱交換器と、制御部と、を備える。前記ヒートポンプユニットは、圧縮機と、室外側冷媒熱交換器と、膨張機構と、室内へ吹出す空気と熱交換する室内側冷媒熱交換器と、を有する。前記貯湯ユニットは、発電部と、前記発電部から排熱を回収した湯水が通流する湯水流路と、前記湯水流路に設けられる貯湯部と、前記貯湯部から前記湯水を出湯する出湯流路と、前記出湯流路より出湯される前記湯水の出湯量を調整する出湯量調整部と、前記湯水流路又は前記貯湯部に湯水を供給する湯水供給部と、を有する。前記湯水熱交換器は、前記出湯流路に設けられ、前記湯水が通流して室内へ吹出す空気と熱交換する。前記制御部は、前記ヒートポンプユニット及び前記貯湯ユニットを制御する。
前記制御部は、前記ヒートポンプユニット及び前記貯湯ユニットが動作して、前記室内側冷媒熱交換器及び前記湯水熱交換器と熱交換した空気が、室内へ吹出される運転が行われている場合に、貯湯利用促進運転を行う。前記貯湯利用促進運転は、前記貯湯部に貯められる前記湯水の量が、許容上限値まで増加した時、前記出湯量調整部を制御して、前記出湯量を増加させる運転である。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記室内側冷媒熱交換器及び前記湯水熱交換器と熱交換した空気が室内へ吹出される前記運転が、空気が前記室内側冷媒熱交換器により冷却され、かつ、前記湯水熱交換器により加熱される再熱除湿運転である。前記制御部は、前記再熱除湿運転が行われている場合に、前記貯湯部に貯められる前記湯水の量が、前記許容上限値よりも所定量小さい上限予備値まで増加した時、この時点での前記ヒートポンプユニットの運転状態を記憶する。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記空調システムは、前記室内へ吹出す空気の吹出し温度を検知する吹出し温度検知部を更に備える。前記制御部は、前記再熱除湿運転が行われている場合に、前記貯湯部に貯められる前記湯水の量が、前記許容上限値まで増加した時、記憶している前記ヒートポンプユニットの運転状態を基に、前記吹出し温度が所定範囲内に維持されるように前記ヒートポンプユニットを制御する。
また、請求項4に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記制御部は、前記貯湯利用促進運転が行われている場合に、前記室内へ吹出す空気の風量が所定範囲内に維持されるように制御する。
請求項1に係る発明にあっては、貯湯利用促進運転により出湯量が増加するため、貯湯量の増加が抑制されて貯湯量を減少させやすくなる。これにより、貯湯量が許容上限値以上となって発電部における発電が停止し、電力負荷において電力の利用が中断するのを抑制し、電力負荷における電力の連続利用が可能となる。また、発電部で生成した電力の利用により、省エネ性が高い。
請求項2に係る発明にあっては、貯湯利用促進運転前の運転状態を基にして貯湯利用促進運転を行うことができる。
請求項3に係る発明にあっては、貯湯利用促進運転において、吹出し温度が所定範囲内に維持される。
請求項4に係る発明にあっては、貯湯利用促進運転において、風量の変化により不快に感じることが抑制される。
図1は、第一実施形態に係る空調システムの全体を概略的に示す構成図である。 図2は、同上の空調システムの制御系を示すブロック図である。 図3は、第二実施形態に係る空調システムの運転例1の貯湯利用促進制御のフロー図である。 図4は、同上の空調システムにおける冷凍サイクルにおける成績係数と負荷との関係を示す図である。 図5は、同上の空調システムの運転例2の貯湯利用促進制御のフロー図である。
本開示は、空調システム(空気調和システム)に関し、更に詳しくは、ヒートポンプユニット及び貯湯ユニットを備えた空調システムに関するものである。以下、本開示に係る空調システムの第一実施形態について、図1及び図2に基づいて説明する。なお、本開示に係る空調システムの実施形態は、下記実施形態に限定されるものではなく、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
空調システムは、ヒートポンプユニットにより冷凍サイクルを成立させるのみならず、冷凍サイクルとは無関係な湯水を介して、室内へ吹出す空気に熱を付与することができる。図1に示すように、空調システム1は、ヒートポンプユニット2と、貯湯ユニット3と、湯水熱交換器4と、制御部10(図2参照)と、を備える。第一実施形態の空調システム1は、コージェネレーションシステムに組み込まれたいわゆる温水エアコンであり、再熱除湿機能を有する。
ヒートポンプユニット2は、圧縮機21と、室外側冷媒熱交換器22と、膨張機構23と、室内側冷媒熱交換器24と、ヒートポンプ制御部20(図2参照)と、を有する。ヒートポンプユニット2が動作することにより、冷凍サイクルが成立する。
ヒートポンプユニット2は、室外機201と室内機202とを有する。室外機201は、ケーシング(不図示)と、ケーシング内に収容される、圧縮機21と、室外側冷媒熱交換器22と、膨張機構23と、四方弁25と、送風装置26等の機器を有する。
膨張機構23は、キャピラリチューブや電子膨張弁等により構成される。膨張機構23の流路の一端は、冷媒流路27を介して室外側冷媒熱交換器22の流路の一端に接続される。室外側冷媒熱交換器22は、室外機201内の外気流路(不図示)の途中に配置される。室外機201のケーシングは、外気を吸込むための吸込み口(不図示)と、空気を吹出すための吹出し口(不図示)とを有し、吸込み口と吹出し口との間に外気流路が形成される。外気流路の途中には更に、送風装置26としてのファンが配置される。
室外側冷媒熱交換器22の流路の他端は、冷媒流路27を介して四方弁25の第1のポート251に接続される。四方弁25の第2のポート252は、冷媒流路27を介して圧縮機21の流路の一端に接続される。圧縮機21の流路の他端は、冷媒流路27を介して四方弁25の第3のポート253に接続される。膨張機構23の流路の他端に接続される冷媒流路27と、四方弁25の第4のポート254に接続される冷媒流路27とは、室外機201より導出され、室内機202に導入される。
室内機202は、ケーシング(不図示)と、ケーシング内に収容される、室内側冷媒熱交換器24と、湯水熱交換器4と、送風装置28等の機器を有する。ただし、湯水熱交換器4は、空調システム1を構成する要素であるが、ヒートポンプユニット2を構成する要素(すなわち冷凍サイクルを成立させるための要素)ではない。室内機202のケーシングは、室内の空気を吸込むための吸込み口(不図示)と、空気を吹出すための吹出し口(不図示)とを有し、吸込み口と吹出し口との間に室内流路(不図示)が形成される。室内流路の途中には、吸込み口側から吹出し口側にかけて、室内側冷媒熱交換器24と、湯水熱交換器4と、送風装置28としてのファンと、がこの順に配置される。
室内側冷媒熱交換器24は、室内へ吹出す空気と熱交換する。更に説明すると、後述する冷房運転又は再熱除湿運転(ドライ運転)を行っている時に、室内側冷媒熱交換器24は、室内流路を通流する空気を冷却する。また、後述するが、再熱除湿運転を行っている時に、湯水熱交換器4は、室内流路を通流する空気に熱を付与する。
室内側冷媒熱交換器24の流路の一端は、冷媒流路27を介して四方弁25の第4のポート254に接続される。室内側冷媒熱交換器24の流路の他端は、冷媒流路27を介して膨張機構23の流路の他端に接続される。
四方弁25は、第1のポート251と第2のポート252とが通じると共に第3のポート253と第4のポート254とが通じる状態と、第1のポート251と第3のポート253とが通じると共に第2のポート252と第4のポート254とが通じる状態のいずれかに任意に切り替えることができる。
ヒートポンプ制御部20は、ヒートポンプユニット2を制御する。ヒートポンプ制御部20は、例えばマイクロコンピュータを有し、ROM(Read Only Memory)等の記憶媒体に記憶されたプログラムを実行することで、ヒートポンプユニット2を構成する要素の動作を制御する。ヒートポンプ制御部20は、具体的には、圧縮機21により搬送される冷媒の単位時間当たりの搬送量(l/s)、室外機201及び室内機202に配置された送風装置26,28による単位時間当たりの風量(m/s)、四方弁25の切り替えを制御することができる。ヒートポンプ制御部20は、室内機202に設けられるが、室外機201に設けられてもよく、設けられる場所は特に限定されない。
ヒートポンプユニット2は、第一実施形態では、吸込み温度検知部203(図2参照)を備えている。吸込み温度検知部203は、室内機202の室内流路の吸込み口近傍に配置されている。吸込み温度検知部203は、サーミスタにより構成されるが、サーミスタ以外にも各種の温度センサが適宜利用可能であり、特に限定されない。吸込み温度検知部203は、室内機202の室内流路に吸込まれる空気の吸込み温度Tr(℃)(すなわち室内温度)を検知する。吸込み温度検知部203により検知された吸込み温度Tr情報は、ヒートポンプ制御部20に受信される。
ヒートポンプユニット2は、第一実施形態では、外気温度検知部204(図2参照)を備えている。外気温度検知部204は、室外機201の外気流路の吸込み口近傍に配置されている。外気温度検知部204は、サーミスタにより構成されるが、サーミスタ以外にも各種の温度センサが適宜利用可能であり、特に限定されない。外気温度検知部204は、室外機201の外気流路に吸込まれる空気(外気)の外気温度To(℃)を検知する。外気温度検知部204により検知された外気温度To情報は、ヒートポンプ制御部20に受信される。
ヒートポンプユニット2は、第一実施形態では、吹出し温度検知部205(図2参照)を備えている。吹出し温度検知部205は、室内機202の室内流路の吹出し口近傍に配置されている。吹出し温度検知部205は、サーミスタにより構成されるが、サーミスタ以外にも各種の温度センサが適宜利用可能であり、特に限定されない。吹出し温度検知部205は、室内機202の室内流路を通流して吹出し口より吹出す空気の吹出し温度Ts(℃)を検知する。吹出し温度検知部205により検知された吹出し温度Ts情報は、ヒートポンプ制御部20に受信される。
ヒートポンプユニット2は、第一実施形態では、空調操作部29(図2参照)を備えている。使用者は、空調操作部29を操作して、室内目標温度Ta(℃)と、室内機202の吹出し口から吹き出す風量q(m/s)とを任意に設定することができる。空調操作部29より入力された室内目標温度Taと風量qの情報は、ヒートポンプ制御部20に受信される。
このヒートポンプユニット2により、冷凍サイクルによる冷房運転と暖房運転とが選択的に運転可能である。冷房運転では、ヒートポンプ制御部20は、四方弁25を、第1のポート251と第2のポート252とが通じると共に第3のポート253と第4のポート254とが通じる状態とする。これにより、圧縮機21、室外側冷媒熱交換器22(凝縮器)、膨張機構23、室内側冷媒熱交換器24(蒸発器)、圧縮機21へと到る冷媒流路27が形成され、冷房運転の冷凍サイクルが成立する。
冷房運転では、ヒートポンプ制御部20は、吸込み温度Trが室内目標温度Taとなるように制御する。室内目標温度Taは、例えば26℃等の一般的に快適となる温度である。ヒートポンプ制御部20は、吸込み温度Trが室内目標温度Taを含む所定の温度範囲に入るように、例えばフィードバック制御を行う。所定の温度範囲は、室内目標温度Ta以上の温度である許容上限温度Tu(℃)と、許容下限温度Tl(℃)との間の温度範囲である。具体的には、ヒートポンプ制御部20は、圧縮機21が有するモータの単位時間当たりの回転数を調整して、冷媒の搬送量を制御する。また、ヒートポンプ制御部20は、室内機202に配置された送風装置28が有するモータの単位時間当たりの回転数を調整して、室内機202の吹出し口から吹き出す風量qを制御する。また、ヒートポンプ制御部20は、室外機201に配置された送風装置26が有するモータの単位時間当たりの回転数を調整して、室外機201の外気流路を通流する風量を制御する。
また、暖房運転では、四方弁25を、第1のポート251と第3のポート253とが通じると共に第2のポート252と第4のポート254とが通じる状態とする。これにより、圧縮機21、室内側冷媒熱交換器24(凝縮器)、膨張機構23、室外側冷媒熱交換器22(蒸発器)、再び圧縮機21へと到る冷媒流路27が形成され、暖房運転が行われる。ヒートポンプ制御部20は、冷房運転の場合と同じ要領で、吸込み温度Trが室内目標温度Taとなるように制御する。このようなヒートポンプユニット2は、従来広く知られており、様々なものが適宜利用可能であって特に限定されない。また、ヒートポンプユニット2が適宜アキュミュレータ等の機器を有してもよい。
貯湯ユニット3は、湯水と、発電部31と、湯水流路32と、貯湯部33と、出湯流路34と、出湯量調整部35と、湯水供給部36と、貯湯制御部30(図2参照)と、を有する。第一実施形態では、発電部31からの排熱を回収する熱媒として湯水(水)が利用されるが、特に湯水でなくてもよく、他の液体や各種溶液であってもよく、限定されない。
発電部31は、湯水を加熱する。第一実施形態では、固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell、略してPEFCという)により、発電部31が構成されている。燃料電池において発電に伴って発生する熱(排熱)が、熱交換器311を介して湯水に付与される。なお、発電部31は、PEFCに限定されず、他の種類の燃料電池であってもよいし、燃料電池以外であってもよい。例えば、発電部31は、エンジンやガスタービンによりジェネレータを動作させる発電装置であってもよい。
湯水流路32には、発電部31から排熱を回収した湯水が通流する。湯水流路32は、途中に、ポンプ等からなる搬送装置321と、流量調整弁322と、を有する。
貯湯部33は、湯水流路32に設けられる。貯湯部33は、湯水流路32を通流する湯水が貯められる。貯湯部33は、第一実施形態では貯湯タンクにより構成されるが、貯湯タンクにより構成されないものであってもよく、限定されない。湯水流路32及び貯湯部33により、循環した湯水の流路が形成される。
出湯流路34は、貯湯部33から湯水を出湯するための流路である。出湯流路34の上流端は、貯湯部33の上部(上端部)に接続されている。出湯流路34の途中には、湯水熱交換器4が設けられる。
湯水熱交換器4には、貯湯部33から出湯した湯水が通流する。湯水熱交換器4は、室内へ吹出す空気と熱交換する。再熱除湿運転を行っている時に、湯水熱交換器4は、室内流路を通流する空気に熱を付与する。湯水熱交換器4を通流した湯水は、出湯流路34へと出湯されて、出湯流路34の下流端から排出される。
出湯量調整部35は、貯湯部33から出湯流路34を介して出湯される湯水の量(出湯量Qd)を調整する。第一実施形態では、出湯量調整部35は、流量調整弁からなり、貯湯部33からの出湯の実行及び停止を切り替え可能であると共に、出湯量Qdを調整可能である。
湯水供給部36は、湯水流路32又は貯湯部33に湯水を供給する。第一実施形態では、湯水供給部36は、給水管361及び給水管361に設けられる調整弁362により構成される。給水管361の上流端は、水道等の給水源(不図示)に接続されており、給水管361の下流端は、貯湯部33の下部(下端部)に接続されている。湯水供給部36は、貯湯部33への給水の実行及び停止を切り替え可能であると共に、給水量Qsを調整可能である。
なお、湯水供給部36は、このような給水源に接続される給水管361及び調整弁362に限定されない。また、湯水供給部36は、貯湯部33に給水するのではなく、湯水流路32に給水するものであってもよく、給水管361の下流端が貯湯部33ではなく湯水流路32に接続されていれば、湯水流路32に給水することができる。
貯湯制御部30は、貯湯ユニット3を構成する要素の動作を制御する。貯湯制御部30は、例えばマイクロコンピュータを有し、ROM等の記憶媒体に記憶されたプログラムを実行することで、貯湯ユニット3の要素の動作を制御する。貯湯制御部30は、発電部31を制御して、発電部31における単位時間当たりの発熱量を調整することができる。また、貯湯制御部30は、湯水流路32に設けられた搬送装置321及び流量調整弁322を制御して、湯水流路32を通流する湯水の通流の実行及び停止、湯水の通流量を調整することができる。また、貯湯制御部30は、出湯量調整部35を制御して、出湯の実行及び停止と、出湯量Qdとを調整することができる。また、貯湯制御部30は、湯水供給部36を制御して、貯湯部33への給水の実行及び停止と、給水量Qsとを調整することができる。
貯湯ユニット3は、第一実施形態では、貯湯操作部37(図2参照)を備えている。使用者は、貯湯操作部37を操作して、発電部31の動作及び停止と発電量、湯水の出湯及び停止、出湯量Qd等の各種設定を行う。貯湯操作部37より入力された情報は、貯湯制御部30に受信される。
空調システム1は、ヒートポンプ制御部20と貯湯制御部30との間で通信を行う通信装置(不図示)を更に備える。通信装置により、ヒートポンプ制御部20と貯湯制御部30とは、無線又は有線により相互に送受信を行うことができる。このような通信装置は、従来知られている様々なものが適宜利用可能であり、特に限定されない。
第一実施形態では、空調システム1の制御部10は、ヒートポンプ制御部20と貯湯制御部30とにより構成される。すなわち、制御部10は、ヒートポンプユニット2及び貯湯ユニット3を制御する。ヒートポンプ制御部20と貯湯制御部30とが協働して、空調システム1の全体の制御部10として機能する。なお、空調システム1が単一の制御部10を備え、単一の制御部10が空調システム1の全体を制御してもよい。
また、空調システム1は、図示しないが、湯水流路32を通流する湯水に熱を付与するための補助熱源を備えてもよい。この場合、補助熱源は制御部10に制御される。
次に、空調システム1の運転について説明する。
空調システム1は、再熱除湿運転(ドライ運転)が可能である。再熱除湿運転は、室内機202の吸込み口より吸込まれた吸込み温度Trの空気を、室内側冷媒熱交換器24で冷却することにより、空気の潜熱を回収して除湿する。更に、室内側冷媒熱交換器24を通過して温度Te(℃)となった空気を、湯水熱交換器4で再加熱することにより吹出し温度Ts(℃)の空気として、室内機202の吹出し口より吹出す。吹出し温度Tsは、吸込み温度Trと同じであることが好ましいが、吸込み温度Trと異なってもよい。
空調システム1は、貯湯利用促進運転を行うことが可能である。貯湯利用促進運転は、ヒートポンプユニット2及び貯湯ユニット3が動作して、室内側冷媒熱交換器24及び湯水熱交換器4と熱交換した空気が、室内へ吹出される運転が行われている場合に、行われる。具体的には、上述した再熱除湿運転中に、所定の条件を満たすと、再熱除湿運転に加えて貯湯利用促進運転が行われる。
コージェネレーションシステムにおいては、貯湯部33に貯められている湯水の量(貯湯量Q)が貯湯部33の容量の100%となると、湯水をそれ以上貯めることができない。貯湯量Qが許容上限値Quにまで増加すると、制御部10は、出湯量調整部35を制御して、貯湯部33からの出湯量Qdを増加させる。許容上限値Quは、貯湯部33の容量の100%、95%、90%等、貯湯部33の容量に対する所定の割合でもよいし、例えば10リットル等の具体的な値であってもよく、設計上定められるもので、特に限定されない。
再熱除湿運転中に、制御部10は、貯湯量Qが許容上限値Quまで増加した時、出湯量調整部35を制御して、出湯量Qdを増加させる貯湯利用促進運転を行う。貯湯利用促進運転においては、制御部10は、貯湯部33への給水を抑制するか又は停止するように、湯水供給部36を制御する。制御部10は、搬送装置321及び流量調整弁322を制御して、湯水流路32における湯水の通流を維持する。制御部10は、発電部31における電力の生成を維持するように制御する。これにより、電力負荷において、電力の利用が中断されることなく、電力負荷における電力の連続利用が可能となる。
出湯量Qdの増加幅ΔQdは、制御部10により演算されて算出される。具体的には、増加幅ΔQdは、発電部31における発熱量、湯水流路32を通流する湯水の流量、給水量Qs、貯湯部33に貯められる湯水が有する熱量の減少量(設計上定める値)、湯水が有する熱量が前記減少量分減少させるのに要する時間(設計上定める値)等から算出される。なお、増加幅ΔQdの算出にあたっては、前記以外の諸量が用いられてもよい。また、増加幅ΔQdは、予め決められた値であってもよい。
貯湯利用促進運転により、出湯量Qdが増加するため、貯湯量Qの増加が抑制され、貯湯量Qを減少させやすくなる。これにより、貯湯量Qが許容上限値Qu以上となりこれ以上湯水を貯湯部33に貯められなくなって、発電部31における動作を停止し、電力負荷における電力の利用ができなくなるのを抑制し、電力負荷における電力の連続利用が可能となる。また、発電部31において生成した電力の利用は、電力系統の電力を利用よりも省エネ性が高く、生成コストも低い。
次に、第二実施形態の空調システムについて、図3~図5に基づいて説明する。第二実施形態の空調システムは、貯湯利用促進制御において第一実施形態の空調システムと若干異なる点があるが、その他の点(図1及び図2に示す構成を含む)については同じである。このため、第一実施形態と重複する説明は省略し、主に異なる部分について説明する。
第二実施形態においては、制御部10は、再熱除湿運転が行われている場合に、貯湯量Qが、上限予備値Qu1まで増加した時、この時点でのヒートポンプユニット2の運転状態を記憶する点で、第一実施形態と異なる。上限予備値Qu1は、許容上限値Quよりも所定量小さい値であり、所定量は設計上定められるもので、特に限定されない。
以下、空調システム1の運転例1について説明する。図3に、運転例1の貯湯利用促進制御のフロー図を示す。運転例1では、更に制御部10は、貯湯量が、許容上限値Quまで増加した時、貯湯量Qが上限予備値Qu1まで増加した時に記憶したヒートポンプユニット2の運転状態を基に、吹出し温度Tsが所定範囲内に維持されるようにヒートポンプユニット2を制御する。
使用者は、空調操作部29を操作して、設定温度(室内目標温度Ta)及び設定湿度を設定し、空調システム1による再熱除湿運転を開始する。制御部10は、再熱除湿運転の開始と同時に、図3に示す貯湯利用促進制御を開始する。
ステップS1において、貯湯量Qが上限予備値Qu1以上(Q≧Qu1)であるか否かが判定される。ステップS1において、貯湯量Qが上限予備値Qu1以上でないと判定された場合には、ステップS1に戻る。ステップS1において、貯湯量Qが上限予備値Qu1以上であると判定された場合には、ステップS2に進む。
ステップS2において、この時点におけるヒートポンプユニット2及び貯湯ユニット3の運転状態が、制御部10が有する記憶部(不図示)に記憶される。記憶部は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等からなる不揮発性メモリであるが、特に限定されない。また、ヒートポンプユニット2の運転状態とは、吸込み温度Tr、吹出し温度Ts、圧縮機21が有するモータの回転数、冷媒の搬送量といった各種諸量を含み、これらは各種センサ等により検知されて制御部10に受信される。また、貯湯ユニット3の運転状態とは、発電部31における発電量及び発熱量、湯水流路32を通流する湯水の通流量、貯湯量Q、出湯量Qdといった各種諸量を含み、これらは各種センサ等により検知されて制御部10に受信される。ステップS2の後、ステップS3に進む。
ステップS3において、貯湯量Qが許容上限値Qu以上(Q≧Qu)であるか否かが判定される。ステップS3において、貯湯量Qが許容上限値Qu以上でないと判定された場合には、ステップS3に戻る。ステップS3において、貯湯量Qが許容上限値Qu以上であると判定された場合には、ステップS4に進む。
ステップS4において、制御部10は、貯湯利用促進運転を開始する。ステップS4の後、ステップS5に進む。
ステップS5において、出湯量Qdの増加幅ΔQdが、制御部10により演算されて算出される。運転例1では、増加幅ΔQdは、発電部31における発熱量、湯水流路32を通流する湯水の流量、給水量Qs、貯湯量Qが上限予備値Qu1まで減少した場合の熱量の減少量、この減少量分減少させるのに要する時間(設計上定める値)から、算出される。ステップS5の後、ステップS6に進む。
ステップS6において、出湯量Qdを増加幅ΔQd分増加させた状態で、運転を行う。ステップS6の後、ステップS7に進む。
ステップS7において、一定時間が経過したか否かが判定され、一定時間が経過したと判定されない場合には、ステップS7に戻る。一定時間は、適宜設定されるもので、特に限定されない。ステップS7において、一定時間が経過したと判定された場合には、ステップS8に進む。
ステップS8において、この時点における吹出し温度Tsを計測する。次に、ステップS9に進む。
ステップS9において、ステップS8において計測された吹出し温度Tsが、記憶部に記憶されている吹出し温度Tsを基準とする所定範囲内にあるか否かが判定される。ステップS9において、ステップS8において計測された吹出し温度Tsが、所定範囲内にあると判定されない場合には、ステップS10に進む。なお、ステップS8において計測された吹出し温度Tsが所定範囲内にない場合、出湯量Qdの増加により湯水熱交換器4が空気に付与する熱の量が増加しているため、吹出し温度Tsは所定範囲よりも大きくなっていることが殆どである。このため、吹出し温度Tsは所定範囲よりも大きいとみなす。
ステップS10において、制御部10は、ヒートポンプユニット2を制御して、室内側冷媒熱交換器24における空気の冷却能力を一段階上げる。具体的には、冷媒流路27を通流する冷媒の搬送量を上げる。ここで、冷媒の搬送量は、テーブル化されている。すなわち、冷媒の搬送量は、本来は連続的な値をとり得るものであるが、制御を行う上では、離散的な有限個の値に集約すると制御しやすい。運転例1においては、冷媒の搬送量を複数の離散的な値に集約したテーブルを作成し、このテーブル上の値に基づいて、制御を行っている。ステップS10の後、ステップS7に戻る。
また、ステップS9において、ステップS8において計測された吹出し温度Tsが、所定範囲内にあると判定された場合には、ステップS11に進む。
ここで、図4に基づいて、ヒートポンプユニット2の負荷Wと冷凍サイクルにおける成績係数(Coefficient Of Performance、以下COPとする)との関係について説明する。ヒートポンプユニット2においては、負荷Wと、COPとの間に、図4に示す関係が存在する。ここで、Wmin(W)は負荷Wの最小値であり、主に、圧縮機21により搬送される冷媒の最小限界搬送量と、外気温度Toと、に基づいて定まる最小絞り負荷である。最小限界搬送量は、主に、圧縮機21が有するモータの単位時間当たりの回転数の下限値により決まる。
また、Wmax(W)は負荷Wの最大値であり、主に、圧縮機21により搬送される冷媒の最大限界搬送量と、外気温度Toと、に基づいて定まる。最大限界搬送量は、主に、圧縮機21が有するモータの単位時間当たりの回転数の上限値により決まる。
なお、負荷W及びCOPの具体的な値は、ヒートポンプユニット2毎に定まるため、具体的な値についての説明は省略する。
COPが最大となる負荷WをWcmax(W)としたとき、上限をWcmax+α1(W)とすると共に下限をWcmax-α2(W)とする範囲を、最適化負荷範囲Z1とする。ここで、α1及びα2は、COP及びエネルギー効率等の観点から各種の許容範囲をどの位広くとるか等により、適宜決められる。
冷凍サイクルは、負荷Wが最適化負荷範囲Z1内にある場合に行われると、COP及びエネルギー効率が高く好ましい。また、最適化負荷範囲Z1外の負荷Wの範囲を非最適化負荷範囲Z2とする。最適化負荷範囲Z1のうち、負荷WがWcmax未満である領域を範囲Z11とし、負荷WがWcmax以上である領域を範囲Z12とする。また、非最適化負荷範囲Z2のうち、負荷WがWcmax-α2未満である領域を範囲Z21とし、負荷WがWcmax+α1以上である領域を範囲Z22とする。
図3に示すように、ステップS11において、この時点での実際の負荷Wが最適化負荷範囲Z1内にあるか否かが判定される。ステップS11において、負荷Wが最適化負荷範囲Z1内にあると判定されると、ステップS12に進む。
ステップS12において、この時点でのヒートポンプユニット2の運転状態を維持して、貯湯利用促進運転においてヒートポンプユニット2を運転する。ステップS12の後、ステップS13に進む。
ステップS13において、貯湯量Qが上限予備値Qu1未満(Q<Qu1)であるか否かが判定される。ステップS13において、貯湯量Qが上限予備値Qu1未満でないと判定された場合には、ステップS13に戻る。ステップS13において、貯湯量Qが上限予備値Qu1未満であると判定された場合には、ステップS14に進む。
ステップS14において、制御部10は、貯湯利用促進運転を終了する。ステップS14の後、ステップS1に戻る。
また、ステップS11において、負荷Wが最適化負荷範囲Z1内にないと判定された場合には、ステップS15に進む。
ステップS15において、負荷Wが、非最適化負荷範囲Z2のうちの低い方の範囲Z21内にあるか否かが判定される。ステップS15において、負荷Wが範囲Z21内にないと判定されると、負荷Wが高い方の範囲Z22内にあることになるが、この場合、負荷Wを下げなければ、負荷Wを最適化負荷範囲Z1内にすることができない。しかしながら、負荷Wを下げると、室内側冷媒熱交換器24における空気の冷却能力が下がってしまい、吹出し温度Tsがより一層大きくなってしまう。このため、ステップS15において、負荷Wが範囲Z21内にないと判定されると、負荷Wを最適化負荷範囲Z1内にするのを断念して、ステップS12に進む。
また、ステップS15において、負荷Wが範囲Z21内にあると判定されると、ステップS16に進む。
ステップS16において、負荷WをWcmaxとして、ヒートポンプユニット2を運転する。負荷Wを上げると、室内側冷媒熱交換器24における空気の冷却能力が上がり、吹出し温度Tsが下がって所定範囲内に収まりやすい。また、ヒートポンプユニット2の負荷Wが最適化負荷範囲Z1内にある状態(特に、最善のWcmaxである状態)でヒートポンプユニット2を運転することができる。
なお、ステップS16において、負荷WをWcmaxとするのに伴って、吹出し温度Tsが所定範囲未満に下がる場合には、出湯量Qdを更に増加させてもよい。ステップS16の後、ステップS13に進む。
運転例1においては、貯湯量Qが許容上限値Quまで増加した時、貯湯利用促進運転が行われるため、出湯量Qdが増加して貯湯量Qが減少しやすくなる。これにより、貯湯量Qが許容上限値Qu以上となりこれ以上湯水を貯湯部33に貯められなくなって、発電部31における動作を停止し、電力負荷における電力の利用ができなくなるのを抑制する。この結果、電力負荷における電力の連続利用が可能となる。また、発電部31において生成した電力の利用は、電力系統の電力を利用よりも省エネ性が高く、生成コストも低い。
また、運転例1においては、貯湯量Qが上限予備値Qu1まで増加した時に、ヒートポンプユニット2及び貯湯ユニット3の運転状態を記憶する(ステップS2)。そして、記憶した運転状態を基に、吹出し温度Tsが所定範囲内に維持されるようにヒートポンプユニット2を制御する(ステップS8~ステップS10)。これにより、出湯量Qdが増加して湯水熱交換器4が空気に付与する熱量が増加しても、室内側冷媒熱交換器24における空気の冷却能力が上がり、吹出し温度Tsが所定範囲内に維持されやすくなる。
また、運転例1においては、風量qを維持したまま、再熱除湿運転における貯湯利用促進運転を行うことができ、風量qの変化により不快に感じることが抑制される。
以下、空調システム1の運転例2について説明する。図5に、運転例2の貯湯利用促進制御のフロー図を示す。運転例1は、風量qを維持したまま、再熱除湿運転における貯湯利用促進運転を行うものであった。これに対し、運転例2では、風量qを増加させて再熱除湿運転における貯湯利用促進運転を行う。
ステップS21において、貯湯量Qが上限予備値Qu1以上(Q≧Qu1)であるか否かが判定される。ステップS21において、貯湯量Qが上限予備値Qu1以上でないと判定された場合には、ステップS21に戻る。ステップS21において、貯湯量Qが上限予備値Qu1以上であると判定された場合には、ステップS22に進む。
ステップS22において、この時点におけるヒートポンプユニット2及び貯湯ユニット3の運転状態が、制御部10が有する記憶部に記憶される。ステップS22の後、ステップS23に進む。
ステップS23において、貯湯量Qが許容上限値Qu以上(Q≧Qu)であるか否かが判定される。ステップS23において、貯湯量Qが許容上限値Qu以上でないと判定された場合には、ステップS23に戻る。ステップS23において、貯湯量Qが許容上限値Qu以上であると判定された場合には、ステップS24に進む。
ステップS24において、制御部10は、貯湯利用促進運転を開始する。ステップS24の後、ステップS25に進む。
ステップS25において、制御部10は、送風装置28を制御して、室内機202の吹出し口から吹き出す風量qを一段階上げる。運転例2では、風量qがテーブル化されている。ステップS25の後、ステップS26に進む。
ステップS26において、出湯量Qdの増加幅ΔQdが、制御部10により演算されて算出される。ステップS26の後、ステップS27に進む。
ステップS27において、出湯量Qdを増加幅ΔQd分増加させた状態で、運転を行う。ステップS27の後、ステップS28に進む。
ステップS28において、一定時間が経過したか否かが判定され、一定時間が経過したと判定されない場合には、ステップS28に戻る。一定時間は、適宜設定されるもので、特に限定されない。ステップS28において、一定時間が経過したと判定された場合には、ステップS29に進む。
ステップS29において、この時点における吹出し温度Tsを計測する。次に、ステップS30に進む。
ステップS30において、ステップS29において計測された吹出し温度Tsが、記憶部に記憶されている吹出し温度Tsを基準とする所定範囲内にあるか否かが判定される。ステップS30において、ステップS29において計測された吹出し温度Tsが、所定範囲内にあると判定されない場合には、ステップS31に進む。
ステップS31において、計測された吹出し温度Tsが、所定範囲よりも大きいか否かが判定される。ステップS31において、計測された吹出し温度Tsが所定範囲よりも大きいと判定された場合には、ステップS32に進む。
ステップS32において、制御部10は、ヒートポンプユニット2を制御して、室内側冷媒熱交換器24における空気の冷却能力を一段階上げる。ステップS32の後、ステップS28に戻る。
また、ステップS31において、計測された吹出し温度Tsが所定範囲よりも大きいと判定されなかった場合には、ステップS33に進む。
ステップS33において、制御部10は、出湯量Qdを一段階上げる。運転例2では、出湯量Qdがテーブル化されている。ステップS33の後、ステップS28に戻る。
また、ステップS30において、ステップS29において計測された吹出し温度Tsが、所定範囲内にあると判定された場合には、ステップS34に進む。
ステップS34において、貯湯量Qが上限予備値Qu1未満(Q<Qu1)であるか否かが判定される。ステップS34において、貯湯量Qが上限予備値Qu1未満でないと判定された場合には、ステップS34に戻る。ステップS34において、貯湯量Qが上限予備値Qu1未満であると判定された場合には、ステップS35に進む。
ステップS35において、制御部10は、貯湯利用促進運転を終了する。ステップS35の後、ステップS21に戻る。
運転例2においては、貯湯量Qが許容上限値Quまで増加した時、貯湯利用促進運転が行われるため、出湯量Qdが増加して貯湯量Qが減少しやすくなる。これにより、貯湯量Qが許容上限値Qu以上となりこれ以上湯水を貯湯部33に貯められなくなって、発電部31における動作を停止し、電力負荷における電力の利用ができなくなるのを抑制する。この結果、電力負荷における電力の連続利用が可能となる。また、発電部31において生成した電力の利用は、電力系統の電力を利用よりも省エネ性が高く、生成コストも低い。
また、運転例2においては、貯湯量Qが上限予備値Qu1まで増加した時に、ヒートポンプユニット2及び貯湯ユニット3の運転状態を記憶する(ステップS22)。そして、記憶した運転状態を基に、吹出し温度Tsが所定範囲内に維持されるようにヒートポンプユニット2を制御する(ステップS28~ステップS30)。これにより、出湯量Qdが増加して湯水熱交換器4が空気に付与する熱量が増加しても、室内側冷媒熱交換器24における空気の冷却能力が下がり、吹出し温度Tsが所定範囲内に維持されやすくなる。
また、運転例2においては、貯湯利用促進運転において風量qを変化させるため、風量qを変化させない場合と比較して吹出し温度Tsを調整しやすい。
なお、吹出し温度Ts及び室内へ吹出す空気の風量qの所定範囲は、設計上適宜定められるものであり、特に限定されない。
1 空調システム
10 制御部
2 ヒートポンプユニット
21 圧縮機
22 室外側冷媒熱交換器
23 膨張機構
24 室内側冷媒熱交換器
3 貯湯ユニット
31 発電部
32 湯水流路
33 貯湯部
34 出湯流路
35 出湯量調整部
36 湯水供給部
4 湯水熱交換器

Claims (4)

  1. 圧縮機と、室外側冷媒熱交換器と、膨張機構と、室内へ吹出す空気と熱交換する室内側冷媒熱交換器と、を有するヒートポンプユニットと、
    発電部と、前記発電部から排熱を回収した湯水が通流する湯水流路と、前記湯水流路に設けられる貯湯部と、前記貯湯部から前記湯水を出湯する出湯流路と、前記出湯流路より出湯される前記湯水の出湯量を調整する出湯量調整部と、前記湯水流路又は前記貯湯部に湯水を供給する湯水供給部と、を有する貯湯ユニットと、
    前記出湯流路に設けられ、前記湯水が通流して室内へ吹出す空気と熱交換する湯水熱交換器と、
    前記ヒートポンプユニット及び前記貯湯ユニットを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記ヒートポンプユニット及び前記貯湯ユニットが動作して、前記室内側冷媒熱交換器及び前記湯水熱交換器と熱交換した空気が、室内へ吹出される運転が行われている場合に、
    前記貯湯部に貯められる前記湯水の量が、許容上限値まで増加した時、前記出湯量調整部を制御して、前記出湯量を増加させる貯湯利用促進運転を行う
    ことを特徴とする空調システム。
  2. 前記室内側冷媒熱交換器及び前記湯水熱交換器と熱交換した空気が室内へ吹出される前記運転が、空気が前記室内側冷媒熱交換器により冷却され、かつ、前記湯水熱交換器により加熱される再熱除湿運転であり、
    前記制御部は、
    前記再熱除湿運転が行われている場合に、
    前記貯湯部に貯められる前記湯水の量が、前記許容上限値よりも所定量小さい上限予備値まで増加した時、この時点での前記ヒートポンプユニットの運転状態を記憶する
    ことを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  3. 前記室内へ吹出す空気の吹出し温度を検知する吹出し温度検知部を更に備え、
    前記制御部は、
    前記再熱除湿運転が行われている場合に、
    前記貯湯部に貯められる前記湯水の量が、前記許容上限値まで増加した時、記憶している前記ヒートポンプユニットの運転状態を基に、前記吹出し温度が所定範囲内に維持されるように前記ヒートポンプユニットを制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の空調システム。
  4. 前記制御部は、
    前記貯湯利用促進運転が行われている場合に、
    前記室内へ吹出す空気の風量が所定範囲内に維持されるように制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の空調システム。
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