JP7201413B2 - 分析装置および分析プログラム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、分析装置および分析プログラムに関する。
例えば電動機などの回転機器は、運転時間の経過とともに構成部品が劣化する。電動機のロータを支える軸受は、ロータの回転により徐々に劣化し、劣化が進行すると異常振動や異常音を引き起こすことが知られている。従来は、聴感により電動機の異常音を検知し、その後に加速度センサによって異常振動を計測、解析することによって電動機の異常部位の診断を行っていた。
特開2014-16199号公報
しかしながら、加速度センサは高額であり、専用の計測器を必要とするため簡易な診断には不向きである。
一方、例えばスマートフォン等の携帯機器は、携帯性に優れるうえに、通信機能、マイク、スピーカ、カメラなどの機能だけでなく、加速度センサ、磁気センサ、照度センサなど数種類のセンサを搭載し、上記のセンサを応用した多種多様なアプリケーションが作成されている。
最近では、プラントや製造現場などの産業分野でもIoT技術の導入が進んでおり、設備保全業務の品質や効率向上を目的としてタブレットなどの利用も広まりつつある。
こうした状況を踏まえて、携帯端末のマイクロフォン等を利用して取得したデータに基づいて、対象機器の状態を分析および診断することが可能となれば、機器が設置された現場で機器の状態を即座に判断することが可能となり、作業効率の向上が期待される。
本発明の実施形態は、上記事情を鑑みて成されたものであって、対象機器が設置された現場にて対象機器の状態を診断するための分析が可能な分析装置および分析プログラムを提供することを目的とする。
実施形態による分析装置は、周囲環境の音を電気信号である音響信号に変換する集音部と、回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号を測定する追加測定部と、前記音響信号および前記追加測定部にて測定された信号を記録可能な記憶部と、前記追加測定部にて測定された信号に基づいて前記回転周波数の推定値を検出し、前記回転周波数の推定値と前記音響信号の周波数スペクトルのピーク値とから、前記回転周波数を特定する制御部と、を備え、前記制御部は、前記音響信号から前記回転機器を駆動するインバータのキャリア周波数を含む所定の周波数範囲のデータを抽出し、前記データのエンベロープ処理を行った後に周波数スペクトルを算出して、前記周波数スペクトルのピーク周波数と前記回転周波数の推定値とから前記回転周波数を特定する
図1は、一実施形態の分析装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。 図2は、一実施形態の分析装置により診断対象機器の診断を行う動作の一例を説明するフローチャートである。 図3は、一実施形態の分析装置により電動機の冷却ファンの音を測定する手順を説明するための図である。 図4は、一実施形態の分析装置にて測定した冷却ファンの音(高調波音)のデータを用いて算出した周波数スペクトルの一例である。 図5は、一実施形態の分析装置にて電動機の軸受付近から発せられた動作音(診断対象音)を測定して、周波数スペクトルを演算した結果の一例である。 図6は、一実施形態の分析装置にて電動機の軸受付近から発せられた動作音(診断対象音)を測定して、周波数スペクトルを演算した結果の他の例である。 図7は、一実施形態の分析装置にて電動機の軸受付近から発せられた動作音(診断対象音)を測定し、インバータのキャリア周波数を中心周波数とした周波数成分を抽出し、エンベロープ処理を行った後に周波数スペクトルを計算した結果の一例である。 図8は、一実施形態の分析装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。 図9は、一実施形態の分析装置の加速度センサが測定可能な加速度方向の一例を示す図である。 図10は、一実施形態の分析装置により電動機の振動加速度を測定する手順を説明するための図である。 図11は、回転周波数を25Hzとして電動機を回転させたときに、一実施形態の分析装置によりX方向の加速度信号の周波数スペクトルを計算した結果の一例を示す図である。 図12は、一実施形態の分析装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。 図13は、一実施形態の分析装置により診断対象機器の診断を行う動作の他の例を説明するフローチャートである。 図14は、回転周波数を5Hzとして電動機を回転させたときに、一実施形態の分析装置によりZ方向の加速度信号の周波数スペクトルを計算した結果の一例を示す図である。 図15は、一実施形態の分析装置で磁気信号の周波数スペクトルを計算した結果の一例である。 図16は、一実施形態の分析装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。 図17は、一実施形態の分析装置により電動機を撮影した画像の一部を概略的に示す図である。
以下、複数の実施形態の分析装置および分析プログラムについて図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の複数の実施形態では、回転機器の一例として電動機2(図3参照)の劣化を診断する際に行う分析について説明する。回転機器は電動機2に限定されるものではなく、他の機器であっても実施形態の分析装置および分析プログラムを適用することができる。
最初に、複数の実施形態の分析装置および分析プログラムによる診断対象である電動機2について説明する。
電動機2は、固定子と、ロータと、転がり軸受と、冷却ファンと、を備えている。また、電動機2はインバータ(図示せず)により駆動され得る。
転がり軸受はロータを支持し、電動機の運転時間の増大とともに劣化が進行する。劣化が進行すると、軸受の構成部品である内輪や外輪に損傷が生じることがある。こうした損傷は電動機2の異常音の原因となる。したがって、軸受に生じた損傷の有無は、ロータの回転時に生じる異常音の繰り返し周波数スペクトルの大きさにより診断することが可能である。
損傷による異常音の繰り返し周期は、損傷の上を転動体が通過する周期と等しいため、例えば、軸受の内輪に損傷ができた場合、異常音の繰り返し周波数は電動機2の回転周波数を用いて下記式(以下、第1式という)で表すことができる。
Figure 0007201413000001
上記のように軸受に損傷が生じている場合の他、例えばロータのアンバランスや回転軸のミスアライメントなどが生じている場合にも、回転周波数成分が大きくなる。また、誘導電動機の電磁騒音周波数の計算式にはすべりを用いた項目が含まれる。この計算式にて用いられるすべりは、回転周波数を知ることで同期速度から算出することができる。
上記のように電動機2の状態を診断する場合、回転周波数は、信頼性の高い診断を行う上で重要なパラメータである。電動機2の異常振動や異常音の周波数スペクトルには、回転周波数に該当するピーク値が現れるため、異常振動等の周波数スペクトルに基づいて回転周波数を検出することが可能である。しかしながら、電動機2の設置環境やノイズの影響等により、周波数スペクトルの回転周波数近くに他要因のピーク値が散見される場合、回転周波数を識別することは困難である。
本実施形態の分析装置および分析プログラムは、上記事情を鑑みて、電動機2の状態を診断する際に必要な回転周波数を精度よく検出し、異常振動や異常音の診断に用いるものである。
以下、第1乃至第5実施形態の分析装置および分析プログラムのそれぞれについて、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、一実施形態の分析装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。
本実施形態の分析装置に相当する携帯端末1は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末などであるが、これらに限定されるものではない。携帯端末1は、制御部11と、記憶部12と、集音部13と、外部と通信可能に構成された通信部(図示せず)と、を備えている。記憶部12、集音部13、および、通信部は、バス通信線を介して制御部11と通信可能に接続している。
なお、携帯端末1は、ユーザが操作を行うためのインタフェースとして、タッチパネルや操作ボタンなどを備えていてもよい。
集音部13は、携帯端末1の周囲環境の音による空気振動を電気信号である音響信号に変換する機能を有するマイクロフォンを少なくとも1つ備えている。マイクロフォンは、例えば、携帯端末1の筐体に設けられた孔(図示せず)の近傍に配置され、周囲環境の音に基づく音響信号を、バス通信線を介して制御部11へ供給可能である。
記憶部12は、例えば、制御部11でプログラムを実行するために必要な作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)と、制御部11で実行するための基本的なプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)と、不揮発性のデータメモリとを含む。また、記憶部12の記憶領域を補助するための補助記憶装置の記憶媒体として、半導体メモリ(例えばメモリカード、SSD(Solid State Drive))を備えていてもよい。
本実施形態では、記憶部12のデータメモリは、集音部13や種々のセンサで取得されたデータと、制御部11にて処理された後のデータと、機器のパラメータ(転動体個数、転動体直径、軸受ピッチ円径、接触角、冷却ファンの羽根枚数、軸受パス周波数、ギアボックスにおける噛み合い周波数、ポンプにおける羽根切り周波数など)と、を記憶することができる。
制御部11は、例えば、CPU(central processing unit)やMPU(micro processing unit)などのプロセッサを少なくとも1つと、その補助回路とを備え、携帯端末1の各構成を制御可能である。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムおよびデータに従って後述の処理を実行する。すなわち、制御部11は、集音部13や図示しない種々のセンサにより取得されたデータを処理し、処理したデータを、記憶部12に記憶させたり、表示部(図示せず)で表示させたり、通信部(図示せず)から出力させたりすることが可能である。
制御部11は、携帯端末1に含まれる複数の構成の動作を制御することができる。
制御部11は、信号処理部111と、信号解析部112と、診断部113と、を備えている。
信号処理部111は、集音部13にて集音された音を電気信号に変換した音響信号を受信し、デジタルデータに変換して、記憶部12に電子ファイルとして保存する。
信号解析部112は、携帯端末1のメモリ上にあるデジタルデータ、あるいは、記憶部12に保存されているデジタルデータを、予め設定された解析条件を用いて、所定の解析方法に基づいて解析する。
信号解析部112は、例えば、高速フーリエ変換による周波数スペクトルの算出や、回転機器の回転周波数の算出などの解析を行うことができる。さらに機器固有のパラメータ(軸受では軸受パス周波数、ギアボックスでは噛み合い周波数、ポンプでは羽根切り周波数など)のレベルから異常の有無を判断することができる。ここで、軸受パス周波数は、例えば軸受が損傷することにより生じる振動のパルス波の周波数である。
診断部113は、信号解析部112が算出した解析結果に基づいて、所定の判定基準にしたがって機器の状態を診断する。なお、信号解析部112での解析結果に基づいて、利用者が劣化の診断を行うことが可能な場合は、診断部113は省略しても構わない。
次に、本実施形態の分析装置により、診断対象機器である電動機2の診断を行う手順の一例について説明する。
図2は、一実施形態の分析装置により診断対象機器の診断を行う動作の一例を説明するフローチャートである。
最初に、本実施形態の分析装置は、電動機2の回転周波数の推定値を検出する(ステップSA1)。
ここでは、本実施形態の分析装置により、冷却ファンにおいて生じる高調波音から電動機2の回転周波数の推定値を算出する動作の一例について説明する。
冷却ファンでは、ファンから空気へ伝わる衝撃により高調波音が発生する。このときの高調波音の基本周波数は、冷却ファンの羽根枚数と回転周波数との積で表され、羽根切り周波数と称される。
冷却ファンの回転周波数は、電動機2のロータの回転周波数と等しいと考えられる。このことから、高調波音の基本周波数と冷却ファンの羽根枚数との値を用いて、羽根切り周波数(=羽根枚数×回転周波数)の演算式に含まれる回転周波数の項を演算することにより、電動機2の回転周波数の推定値を算出することが可能である。
図3は、一実施形態の分析装置により電動機の冷却ファンの音を測定する手順を説明するための図である。
本実施形態の分析装置の利用者は、電動機2の近傍に携帯端末1を配置し、携帯端末1のユーザインタフェースを操作して、集音部13により冷却ファンの音を測定する。集音部13は、測定した高調波音を電気信号に変換した音響信号を、バス通信線を介して制御部11へ送信する。
制御部11の信号解析部112は、集音部13から受信した音響信号を用いて周波数スペクトルを演算する。
図4は、一実施形態の分析装置にて測定した冷却ファンの音(高調波音)のデータを用いて算出した周波数スペクトルの一例である。
信号解析部112は、算出した周波数スペクトルが最大ピークとなる周波数(ピーク周波数)を取得し、電動機2の冷却ファンの羽根枚数と、ピーク周波数とから電動機2の回転周波数の推定値を演算することができる。
上記のように、本実施形態の分析装置では、電動機2の冷却ファンの音に基づく音響信号は、回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号であって、本実施形態において、集音部13は、回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号を測定する追加測定部を含むものである。また、本実施形態では、追加測定部は、電動機2の冷却ファンの音を音響信号に変換する手段である。
図4に示す例では、算出された周波数スペクトルの0Hz以上500Hz以下の周波数範囲に着目すると、約150Hzにて最大ピークが現れている。本実施形態において、電動機2の冷却ファンの羽根枚数は6枚であることから、信号解析部112は、上記ピーク周波数と羽根枚数との値を用いて、電動機2の回転周波数の推定値を25Hz(=150Hz/6)と算出することができる。
次に、本実施形態の分析装置は、電動機2が動作しているときに発せられる音を測定する(ステップSA2)。
本実施形態の分析装置の利用者は、電動機2の冷却ファンの音を測定した後に、携帯端末1のユーザインタフェースを操作して、集音部13により電動機2の軸受付近から発せられた音を測定する。
集音部13は、測定した音を電気信号に変換した音響信号を、バス通信線を介して制御部11へ送信する。制御部11の信号処理部111は、集音部13から受信した音響信号を受信し、デジタルデータに変換して、記憶部12に電子ファイルとして保存する。
続いて、本実施形態の分析装置は、測定された電動機2の音響信号の周波数スペクトルを演算し、周波数スペクトルがピークとなる周波数に基づいて、回転周波数を特定する(ステップSA3)。
図5は、一実施形態の分析装置にて電動機の軸受付近から発せられた動作音(診断対象音)を測定して、周波数スペクトルを演算した結果の一例である。
この例では、周波数スペクトルの25Hz、40Hz、50Hz付近などに複数のピークが存在するため、この演算結果のみから回転周波数を判断することは困難である。
本実施形態では、信号解析部112は、診断対象音に基づく周波数スペクトルの複数のピーク周波数(例えば、25Hz、40Hz、50Hz)と、冷却ファン音を用いて検出された回転周波数の推定値(25Hz)とに基づいて、25Hzが電動機2の回転周波数であると判断することができる。このとき、信号解析部112は、例えば、回転周波数の推定値との差が所定の閾値以下となる周波数スペクトルのピーク周波数を、電動機2の回転周波数であると判断することができる。
続いて、本実施形態の分析装置は、上記ステップSA3にて得られた電動機2の回転周波数を用いて電動機2の劣化を診断する(ステップSA4)。
診断部113は、上記ステップSA3にて得られた電動機2の回転周波数を信号解析部112から受信し、電動機2の回転周波数を用いて、測定した電動機2の音響信号から、例えば上述の第1式にて軸受の損傷の有無を判断するなど、電動機2の劣化を診断することが可能である。
上記のように本実施形態の分析装置および分析プログラムによれば、電動機2の冷却ファンの音を測定することで回転周波数の推定値を判断し、回転周波数の推定値に基づいて、診断対象音の周波数スペクトルから回転周波数を検出するため、回転周波数の検出精度が向上し、電動機2の劣化状態について信頼性の高い診断をすることが可能である。
すなわち、本実施形態によれば、対象機器が設置された現場にて対象機器の状態を診断するための分析が可能な分析装置および分析プログラムを提供することができる。
次に第2実施形態の分析装置および分析プログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、上述の第1実施形態の分析装置および分析プログラムと同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、分析装置にて電動機2の動作音(診断対象音)を計測し、計測した音の音響信号の周波数スペクトルを演算したところ、回転周波数の推定値近傍にピークが現れなかったときや、複数のピークが現れたときなど、回転周波数を特定することが困難である場合について説明する。
本実施形態の分析装置および分析プログラムは、測定された電動機2の音響信号の周波数スペクトルを演算し、周波数スペクトルがピークとなる周波数に基づいて、回転周波数を特定する動作(ステップSA3)において上述の第1実施形態と異なっている。
なお、本実施形態では、電動機2はインバータ(図示せず)から出力される電力により駆動される。例えば、本実施形態の分析装置の利用者は、電動機2の動作音(診断対象音)を測定するより前に、電動機2を駆動するインバータの出力周波数とキャリア周波数とを分析装置に入力することができる。入力されたインバータの出力周波数とキャリア周波数との値は、例えば、分析装置の記憶部12に記録される。
また、分析装置の記憶部12には、予め診断対象音測定時のインバータの出力周波数とキャリア周波数との値が記録されていてもよい。電動機2の診断対象音を測定する際のインバータの出力周波数とキャリア周波数とが予め設定されている場合には、分析装置の利用者による入力は不要である。分析装置は、診断対象音の測定を開始する前に、例えば、予め設定された出力周波数およびキャリア周波数にてインバータを動作させるように、音声や画像により利用者を促してもよい。
図6は、一実施形態の分析装置にて電動機の軸受付近から発せられた動作音(診断対象音)を測定して、周波数スペクトルを演算した結果の他の例である。
図6では、インバータのキャリア周波数を4Hzとし、インバータの出力周波数を50Hzとして電動機2を動作させたときの、音響信号の周波数スペクトルの一例を示している。この例では、電動機2の同期速度である25Hz周辺で顕著なピークが観測されないため、信号解析部112が、この音響信号の周波数スペクトルに基づいて、電動機2の回転周波数を特定することが困難である。
この例では、電動機2がインバータにより駆動され、電動機2の動作音(診断対象音)にインバータのキャリア周波数による音が含まれているものと考えられる。したがって、図5に示す周波数スペクトルには、電動機2を駆動するインバータのキャリア周波数による音の周波数成分が含まれているために、電動機2の回転周波数が顕著に現れないものと考えられる。
このような場合に、信号解析部112は、電動機2の動作音(診断対象音)からインバータのキャリア周波数およびその前後の周波数成分をデジタルフィルタにより抽出して、エンベロープ(包絡線)処理を行った後に、周波数スペクトルを計算する。
図7は、一実施形態の分析装置にて電動機の軸受付近から発せられた動作音(診断対象音)を測定し、インバータのキャリア周波数を中心周波数とした周波数成分を抽出し、エンベロープ処理を行った後に周波数スペクトルを計算した結果の一例である。
信号解析部112は、例えば予め記憶部12に記録されたインバータの出力周波数(50Hz)から同期速度が25Hzであると算出することが可能であり、この値を電動機2の回転周波数の推定値としてもよい。
図6に示す周波数スペクトルの例では、周波数が25Hzの近傍に顕著なピークがみられるため、信号解析部112は回転周波数の推定値と上記ピーク周波数とから、25Hzが回転周波数であると判断することができる。
信号解析部112は、例えば、同期速度に基づいて検出した回転周波数の推定値と周波数スペクトルのピーク周波数とを比較し、回転周波数の推定値との差が所定の閾値以下となる周波数スペクトルのピーク周波数を、電動機2の回転周波数として判断することができる。
上記のように、本実施形態では、分析装置の信号解析部112は、インバータの出力周波数から同期速度を算出し、算出した同期速度に基づいて、電動機2の動作音(診断対象音)から抽出したキャリア周波数成分の繰り返し周波数スペクトルから回転周波数を検出することができる。したがって、本実施形態の分析装置によれば、回転周波数の検出精度を更に向上することが可能であって、電動機2の状態を信頼性高く診断することができる。
すなわち、本実施形態によれば、対象機器が設置された現場にて対象機器の状態を診断するための分析が可能な分析装置および分析プログラムを提供することができる。
なお、本実施形態は、インバータの出力周波数(50Hz)から同期速度により回転周波数の推定値の検出するものとして説明したが、上述の第1実施形態および後述する第3乃至第5実施形態の分析装置のように回転周波数の推定値を検出した場合であっても同様に適用することが可能である。いずれの場合であっても、回転周波数の検出精度を更に向上することが可能であり、電動機2の状態を信頼性高く診断することができる。
次に、第3実施形態に係る分析装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、上述の第1実施形態および第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、一実施形態の分析装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。
本実施形態の分析装置は、上述の第1実施形態の携帯端末1が加速度測定部14を更に備えた構成である。
加速度測定部14は、携帯端末1に加わる少なくとも一方向の振動加速度を電気信号である加速度信号に変換する機能を有する加速度センサを少なくとも1つ備えている。加速度測定部14は、測定した振動加速度に基づく加速度信号を、バス通信線を介して制御部11へ供給可能である。
図9は、一実施形態の分析装置の加速度センサが測定可能な加速度方向の一例を示す図である。
加速度センサは、例えば、図9に示すX方向、Y方向、Z方向それぞれの正方向および負方向の合計6つの方向について加速度を測定することが可能である。
なお、本実施形態では、携帯端末1の表示部(操作画面)と利用者が対向するように位置しているとき、X方向は、利用者の左右方向であり、Y方向は利用者の上下方向であり、Z方向は利用者の奥行方向である。
また、本実施形態の分析装置では、制御部11の信号処理部111および信号解析部112の構成が上述の第1実施形態と異なっている。
本実施形態の分析装置では、信号処理部111は、集音部13にて集音された音を電気信号に変換した音響信号と、加速度測定部14にて測定された加速度を電気信号に変換した加速度信号とを受信し、デジタルデータに変換して記憶部12に電子ファイル(電子データ)として保存することができる。
次に、図2を参照して、本実施形態の分析装置により、診断対象機器である電動機2の診断を行う手順の一例について説明する。
最初に、本実施形態の分析装置は、電動機2の回転周波数の推定値を検出する(ステップSA1)。
図10は、一実施形態の分析装置により電動機の振動加速度を測定する手順を説明するための図である。
本実施形態では、分析装置の利用者は、図10のように分析装置の携帯端末1の一部が電動機2の一部に接触するように配置し、携帯端末1のユーザインタフェースを操作して、加速度測定部14により電動機2の振動加速度を測定し、加速度信号の電子ファイルを記憶部12に保存する。
加速度信号の測定が終了すると、分析装置の信号解析部112は、記憶部12に保存された加速度信号を読み出し、周波数スペクトルを計算する。
図11は、回転周波数を25Hzとして電動機を回転させたときに、一実施形態の分析装置によりX方向の加速度信号の周波数スペクトルを計算した結果の一例を示す図である。
信号解析部112は、計算した周波数スペクトルのピークを検出する。図11に示す例では、信号解析部112は、周波数スペクトルの25Hzに顕著なピークを検出し、回転周波数の推定値が25Hzであると判断する。
上記のように、本実施形態の分析装置では、加速度測定部14にて測定された振動加速度に基づく加速度信号は、回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号であって、本実施形態において、加速度測定部14は、回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号を測定する追加測定部を含むものである。また、本実施形態では、追加測定部は、少なくとも一方向の振動加速度を加速度信号に変換する加速度センサを備える。
次に、本実施形態の分析装置は、電動機2が動作しているときに発せられる音を測定する(ステップSA2)。
本実施形態の分析装置の利用者は、携帯端末1を操作して電動機2の軸受付近から発せられた音(診断対象音)を測定する。信号処理部111は、集音部13にて集音された音を電気信号に変換した音響信号を受信し、デジタルデータに変換して、記憶部12に電子ファイル(電子データ)として保存することができる。
なお、以下では、本実施形態の分析装置における電動機2の診断対象音の周波数スペクトルとして、上述の図5に示す例を参照して説明する。
続いて、本実施形態の分析装置は、ステップSA2にて測定された電動機2の音に基づく音響信号の周波数スペクトルを演算し、周波数スペクトルがピークとなる周波数に基づいて、回転周波数を特定する(ステップSA3)。
信号解析部112は、ステップSA1にて検出された回転周波数の推定値(25Hz)に基づいて、例えば図5に示す診断対象音の周波数スペクトルから、回転周波数は25Hzであると判断することができる。
このとき、信号解析部112は、例えば、回転周波数の推定値と、診断対象音の周波数スペクトルのピーク周波数とを比較し、両者の差が所定の閾値以下となる周波数スペクトルのピーク周波数を、電動機2の回転周波数であると判断することができる。
続いて、本実施形態の分析装置は、電動機2の劣化を診断する(ステップSA4)。
診断部113は、ステップSA3にて得られた電動機2の回転周波数を信号解析部112から受信し、電動機2の回転周波数を用いて、測定した電動機2の音響信号から、例えば上述の第1式にて軸受の損傷の有無を判断するなど、電動機2の劣化を診断することが可能である。
上記のように本実施形態の分析装置および分析プログラムによれば、電動機2の振動加速度から回転周波数の推定値を判断し、回転周波数の推定値に基づいて、診断対象音の周波数スペクトルから回転周波数を検出するため、回転周波数の検出精度が向上し、電動機2の劣化状態について信頼性の高い診断をすることが可能である。
すなわち、本実施形態によれば、対象機器が設置された現場にて対象機器の状態を診断するための分析が可能な分析装置および分析プログラムを提供することができる。
なお、診断対象音の周波数スペクトルにて回転周波数の推定値付近にピークが見られない場合には、加速度信号から検出された回転周波数の推定値を回転周波数としてもよい。また、X方向の加速度信号の代わりにY方向やZ方向の加速度信号を用いてもよく、複数の方向の加速度信号に基づいて回転周波数の推定値を検出してもよい。
次に、第4実施形態に係る分析装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、上述の第1乃至第3実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図12は、一実施形態の分析装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。
本実施形態の分析装置は、上述の第3実施形態の分析装置の携帯端末1が磁気計測部15を更に備えたものである。
磁気計測部15は、本実施形態の分析装置の周囲の磁気を電気信号である磁気信号に変換する機能を有する磁気センサを少なくとも1つ備えている。磁気計測部15は測定した磁気に基づく磁気信号を、バス通信線を介して制御部11へ供給可能である。
また、本実施形態の分析装置では、制御部11の信号処理部111および信号解析部112の構成が上述の第1実施形態と異なっている。
本実施形態の分析装置では、信号処理部111は、集音部13にて集音された音を電気信号に変換した音響信号と、加速度測定部14にて測定された加速度を電気信号に変換した加速度信号と、磁気計測部15にて測定された磁気を電気信号に変換した磁気信号とを受信し、これらの電気信号をデジタルデータに変換して記憶部12に電子ファイル(電子データ)として保存することができる。
図13は、一実施形態の分析装置により診断対象機器の診断を行う動作の他の例を説明するフローチャートである。
次に、本実施形態の分析装置により、診断対象機器である電動機2の診断を行う手順の一例について説明する。ここでは、電動機2の回転数が低いときに、電動機2の診断を行う手順の一例について説明する。
最初に、本実施形態の分析装置は、回転機器の加速度信号の周波数スペクトルを演算する(ステップSB1)。
本実施形態では、分析装置の利用者は、例えば図10のように携帯端末1の一部が電動機2の一部に接触するように配置し、携帯端末1を操作して加速度測定部14により電動機2の振動加速度を測定し、加速度信号の電子ファイルを記憶部12に保存する。
加速度信号の測定が終了すると、分析装置の信号解析部112は、記憶部12に保存された加速度信号を読み出し、周波数スペクトルを計算する。
図14は、回転周波数を5Hzとして電動機を回転させたときに、一実施形態の分析装置によりZ方向の加速度信号の周波数スペクトルを計算した結果の一例を示す図である。
続いて、信号解析部112は、計算された加速度信号の周波数スペクトルに顕著なピークがあらわれているか否かを判断する(ステップSB2)。
信号解析部112は、加速度信号の周波数スペクトルに顕著なピークがあらわれているときには、上述の第3実施形態と同様に、電動機2の回転周波数の推定値を設定し(ステップSB3)、電動機2が駆動しているときに軸受近傍で生じる音を測定し(ステップSB4)、ステップSB4で得られた音響信号の周波数スペクトルから電動機2の回転周波数を特定する(ステップSB5)。
図14に示す例では、電動機2の回転数が低くなると振動も小さくなるため、加速度信号の周波数スペクトルには顕著なピークはみられなかった。なお、図示はしないが、X方向およびY方向の加速度信号の周波数スペクトルについても同様に、顕著なピークはみられなかった。
図14に示す例のように、電動機2の回転数が低いときには、加速度信号の周波数スペクトルおよび音響信号の周波数スペクトルには周波数のピークが顕著に現れないときがある。そこで、本実施形態では、加速度信号の周波数スペクトルに顕著なピークが検出されなかったときに、電動機2から漏れる磁気を利用して電動機2の回転周波数を特定している。
信号解析部112は、上記ステップSB2において、加速度信号の周波数スペクトルに顕著なピークを検出することができなかったときに、更に、磁気計測部15により電動機2から漏れる磁気を測定して、磁気信号の電子ファイルを記憶部12に保存する。
磁気信号の測定が終了すると、分析装置の信号解析部112は、記憶部12に保存された磁気信号を読み出し、周波数スペクトルを計算する(ステップSB7)。
図15は、一実施形態の分析装置で磁気信号の周波数スペクトルを計算した結果の一例である。
信号解析部112は、磁気信号の周波数スペクトルの顕著なピークを検出し、電動機2の回転周波数の推定値とする。ステップSB7では、信号解析部112は、検出された電動機2の回転周波数の推定値を、電動機2の回転周波数として設定する。図15に示す例では、信号解析部112は、例えば5Hzに周波数スペクトルの顕著なピークを検出し、この値を回転周波数と判断する。
上記のように、本実施形態の分析装置では、加速度測定部14にて測定された振動加速度に基づく加速度信号、および、磁気計測部15にて測定された磁気に基づく磁気信号は、回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号であって、本実施形態において、加速度測定部14および磁気計測部15は、それぞれ、回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号を測定する追加測定部を含むものである。また、本実施形態では、追加測定部は、少なくとも一方向の振動加速度を加速度信号に変換する加速度センサと、周囲の磁気を電気信号である磁気信号に変換する機能を有する磁気センサと、をそれぞれ少なくとも1つ備えている。
次に、本実施形態の分析装置は、電動機2が動作しているときに発せられる音を測定する(ステップSB9)。
利用者は、携帯端末1を操作して電動機2の軸受付近から発せられた音を測定する。信号処理部111は、集音部13にて集音された音を電気信号に変換した音響信号を受信し、デジタルデータに変換して、記憶部12に電子ファイルとして保存する。
ステップSB5およびステップSB9の処理が終了した後、本実施形態の分析装置は、電動機2の劣化を診断する(ステップSB6)。
診断部113は、得られた電動機2の回転周波数を用いて、測定した電動機2の音響信号から、例えば第1式にて軸受の損傷の有無を判断するなど、電動機2の劣化を診断することが可能である。
上記ように、回転周波数が低い場合には、電動機2から漏れる磁気から回転周波数を検出することで、電動機2の状態を信頼性高く診断することができる。
すなわち、本実施形態によれば、対象機器が設置された現場にて対象機器の状態を診断するための分析が可能な分析装置および分析プログラムを提供することができる。
なお、上述の第4実施形態では、分析装置は加速度測定部14と磁気計測部15とを備えていたが、例えば分析装置が磁気計測部15を少なくとも備え、信号解析部112が磁気計測部15にて計測された磁気信号を用いることにより、電動機2の回転周波数を検出するものとして構成されてもよい。その場合には、少なくとも磁気計測部15が、回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号を測定する追加測定部となる。
次に、第5実施形態に係る分析装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、上述の第1乃至第4実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図16は、一実施形態の分析装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。
本実施形態の分析装置は、第1実施形態の携帯端末1が撮影部16と表示部17とを更に備えた構成である。
撮影部16は、画像(静止画像および動画像)を撮影可能なカメラを備えている。撮影部16は、例えば、表示部の画面が設けられた携帯端末1の一方の面に対向した他方の面に設けられたカメラレンズを備え、このカメラレンズを介して撮像した撮影対象の画像を電気信号である画像信号に変換し、バス通信線を介して制御部11へ供給可能である。
表示部17は、表示画面(例えば、LCDまたはELディスプレイなど)を含み、制御部11によって制御される。表示部17は、例えば撮影部16により撮影された画像や、集音部13により取得した音響信号に基づく音の波形画像等の各種画像を表示可能である。また、表示部17は、制御部11にて画像処理された画像、文字、操作ボタンなどを表示することが可能である。また、表示部17は、撮影部16で撮影された画像をリアルタイムで表示可能であり、カメラのファインダー機能も兼ねている。本実施形態の分析装置の利用者は、表示部17に表示される画像にて、携帯端末1の位置や角度を調整して、撮影する画像の調整をすることができる。
なお、表示部17は、タッチパネル機能を備えていてもよく、この場合には、ユーザは表示部に指やペンなどで接触することにより、各種操作を行うことが可能である。
また、本実施形態の分析装置では、制御部11の信号処理部111および信号解析部112の構成が上述の第1実施形態と異なっている。
本実施形態の分析装置では、信号処理部111は、集音部13にて集音された音を電気信号に変換した音響信号と、撮影部16にて撮影された画像を電気信号に変換した画像信号とを受信し、これらの電気信号をデジタルデータに変換して記憶部12に電子ファイル(電子データ)として保存することができる。
次に、図2を参照して、本実施形態の分析装置により、診断対象機器である電動機2の診断を行う手順の一例について説明する。
最初に、本実施形態の分析装置は、電動機2の回転周波数の推定値を検出する(ステップSA1)。
本実施形態では、分析装置の利用者は、予め電動機2の回転軸に貼り付けたマーカーMが視認可能となるように、回転動作を行う電動機2の動画像を撮影し、動画像信号の電子ファイルを記憶部12に保存する。
図17は、一実施形態の分析装置により電動機を撮影した画像の一部を概略的に示す図である。
例えば、撮影部16により240fpsで動画像を撮影した場合、1秒間に240枚の画像が撮影される。本実施形態では、例えば、図17に示す電動機2の画像を1枚目とし、再びマーカーMが同じ位置まで回転した画像は10枚目であった。この場合、1枚目の画像から10枚目の画像までの時間経過は0.0417秒(10/240)となり、0.0417秒でマーカーMが約一回転していることとなる。
このとき、信号解析部112は、電動機2の回転周波数の推定値は24Hzであると判断することができる。すなわち、信号解析部112は、撮影された動画像からマーカーMの位置を特定し、マーカーが一回転する間(画像間)の画像枚数と、1秒間に撮影されるフレーム数とを用いて、1秒間に撮影されるフレーム数をマーカーが一回転する間の画像枚数で除した数値を回転周波数の推定値とする。
上記のように、本実施形態の分析装置では、撮影部16にて撮影された画像に基づく画像信号は、回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号であって、本実施形態において、撮影部16は、回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号を測定する追加測定部を含むものである。
次に、本実施形態の分析装置は、電動機2が動作しているときに発せられる音を測定する(ステップSA2)。
本実施形態の分析装置の利用者は、携帯端末1を操作して電動機2の軸受付近から発せられた音を測定する。信号処理部111は、集音部13にて集音された音を電気信号に変換した音響信号を受信し、デジタルデータに変換して、記憶部12に電子ファイルとして保存する。
続いて、本実施形態の分析装置は、測定された電動機2の音響信号の周波数スペクトルを演算し、周波数スペクトルがピークとなる周波数に基づいて、回転周波数を特定する(ステップSA3)。
例えば図5に示す周波数スペクトルについて検討すると、信号解析部112は、ステップSA1にて検出された回転周波数の推定値(24Hz)に基づいて、25Hzが電動機2の回転周波数であると判断することができる。このとき、信号解析部112は、例えば、ステップSA1にて検出された回転周波数の推定値と、音響信号の周波数スペクトルのピーク周波数とを比較して、両者の差が所定の閾値以下となる周波数スペクトルのピーク周波数を、電動機2の回転周波数として判断することができる。
続いて、本実施形態の分析装置は、電動機2の劣化を診断する(ステップSA4)。
診断部113は、ステップSA3にて得られた電動機2の回転周波数を用いて、測定した電動機2の音響信号から、例えば上述の第1式にて軸受の損傷の有無を判断するなど、電動機2の劣化を診断することが可能である。
上記ように、本実施形態では、電動機2が回転する動画から回転周波数の推定値を検出し、回転周波数の推定値に基づいて、診断対象音の周波数スペクトルから電動機2の回転周波数を検出するため、回転数検出精度が向上し、電動機2の状態を信頼性高く診断することができる。
すなわち、本実施形態によれば、対象機器が設置された現場にて対象機器の状態を診断するための分析が可能な分析装置および分析プログラムを提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上記第1乃至第5実施形態において、ステップSA1乃至ステップSA4およびステップSB1乃至ステップSB9は、全ての工程がソフトウエアにより自動的に実行されるものであってもよく、ステップSA1乃至ステップSA4およびステップSB1乃至ステップSB9の工程の一部がソフトウエアにより実行されるものであってもよい。いずれの場合であっても上述の第1乃至第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
1…携帯端末、2…回転機器(電動機)、11…制御部、12…記憶部、13…集音部、14…加速度測定部、15…磁気計測部、16…撮影部、17…表示部、111…信号処理部、112…信号解析部、113…診断部。

Claims (3)

  1. 周囲環境の音を電気信号である音響信号に変換する集音部と、
    回転機器の回転周波数の推定値を検出するための信号を測定する追加測定部と、
    前記音響信号および前記追加測定部にて測定された信号を記録可能な記憶部と、
    前記追加測定部にて測定された信号に基づいて前記回転周波数の推定値を検出し、前記回転周波数の推定値と前記音響信号の周波数スペクトルのピーク周波数とから、前記回転周波数を特定する制御部と、を備え
    前記制御部は、前記音響信号から前記回転機器を駆動するインバータのキャリア周波数を含む所定の周波数範囲のデータを抽出し、前記データのエンベロープ処理を行った後に周波数スペクトルを算出して、前記周波数スペクトルのピーク周波数と前記回転周波数の推定値とから前記回転周波数を特定する、分析装置。
  2. 前記集音部および前記追加測定部を一体に備えた携帯端末である、請求項1記載の分析装置。
  3. 請求項1に記載の分析装置の前記制御部で行う処理を、前記分析装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
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