JP7200763B2 - 電動車両 - Google Patents

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Description

本発明は、前輪および後輪のうちの一方の車輪に駆動力を出力可能な第1モータと他方の車輪に駆動力を出力可能な第2モータとを備える電動車両に関する。
従来、この種の電動車両としては、要求トルクが減速用のトルク(負のトルク)から加速用のトルク(正のトルク)に変化するときには、要求トルクが値0を含む所定トルク範囲内となる間は、要求トルクを緩変化処理により変化させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電動車両では、要求トルクの符号が変化するときにトルクを緩やかに変化させることで、デファレンシャルギヤのガタにより生じうるトルクショックを抑制することができるとしている。
特開2012-196082号公報
しかしながら、上述した電動車両では、緩変化処理によりトルクを緩やかに変化させると、アクセル操作に対する駆動力の立ち上がりに遅れが生じる。走行用の動力源としてモータを備える電動車両では、一般にアクセル操作に対する加速応答性への期待感が高いため、駆動力の立ち上がりに遅れが生じると、運転者に違和感を感じさせてしまう。
本発明の電動車両は、アクセル操作に対する加速応答性を向上させることを主目的とする。
本発明の電動車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の電動車両は、
前輪および後輪のうちの一方の車輪に駆動力を出力可能な第1モータと、
前記前輪および前記後輪のうちの他方の車輪に駆動力を出力可能な第2モータと、
前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやり取り可能な蓄電装置と、
走行に要求される要求駆動力により走行するよう前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御装置と、
を備える電動車両であって、
前記制御装置は、前記要求駆動力として負の駆動力が要求された場合、所定の正の駆動力を下限として前記第2モータを制御すると共に前記要求駆動力により走行するよう前記第1モータを制御する駆動力オフセット制御を実行する、
ことを要旨とする。
この本発明の電動車両では、前輪および後輪のうちの一方の車輪に駆動力を出力可能な第1モータと他方の車輪に駆動力を出力可能な第2モータとを備えるものである。この電動車両では、要求駆動力として負の駆動力(制動力)が要求された場合、所定の正の駆動力を下限として第2モータを制御すると共に要求制動力により走行するよう第1モータを制御する駆動力オフセット制御を実行する。これにより、要求駆動力が負の駆動力から正の駆動力に変化したときに、第2モータと車輪との間のギヤのガタ詰めを行なうための緩変化処理が不要となり、第2モータから出力する駆動力を素早く立ち上げることができる。この結果、アクセル操作に対する加速応答性を向上させることができる。もとより、第1モータから出力する負の駆動力(制動力)により負の要求駆動力に対応することができる。
こうした本発明の電動車両において、前記制御装置は、システムに異常が生じたときには、前記駆動力オフセット制御を実行しないものとしてもよい。こうすれば、システムに異常が生じた際に車両が予期しない駆動力により走行するのを防止することができる。
また、本発明の電動車両において、前記一方の車輪に動力を出力可能なエンジンを備え、走行モードとしてCD(Charge Depleting)モードとCS(Charge Sustaining)モードとを切り替えて走行するものであり、前記制御装置は、前記CSモードのときには前記駆動力オフセット制御を実行しないものとしてもよい。要求駆動力が負の駆動力すなわち制動力であるとき、要求される制動力の全てを第1モータから出力する場合は、要求される制動力を第1モータと第2モータとに分配して出力する場合に比して、モータ損失の非線形性から、システム全体の損失が大きくなる。このため、CDモードおよびCSモードのうち蓄電装置の蓄電割合の維持よりもドライバビリティ(加速応答性)を優先させるCDモードでは駆動力オフセット制御を実行し、CSモードでは蓄電割合の維持を優先させて駆動力オフセット制御を実行しないことで、各モードに適した制御を実行することが可能となる。
さらに、本発明の電動車両において、前記蓄電装置が充電可能な最大充電電力が所定電力未満のとき,前記第2モータの温度が所定温度以上のとき又は車速が所定車速未満のときには、前記駆動力オフセット制御を実行しないものとしてもよい。
また、本発明の電動車両において、前記駆動力オフセット制御による減速走行中に加速走行が要求された場合、前記第1モータの駆動力の増加により生じうる振動と前記第2モータの駆動力の増加により生じうる振動とが逆位相となるように、互いにタイミングをずらして駆動力の増加を開始するよう前記第1モータと前記第2モータとを制御するものとしてもよい。こうすれば、第1モータからの駆動力の増加により生じうる振動と第2モータからの駆動力の増加により生じうる振動とを互いに相殺することができ、加速ショックを抑制することができる。
本発明の実施例としての電動車両20の構成の概略を示す構成図である。 HVECU70により実行される減速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 モータの出力トルクとモータの損失(ロス)との関係の一例を示す特性図である。 HVECU70により実行される駆動力オフセット制御の実行可否判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 HVECU70により実行される加速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 アクセル開度Accと総駆動力とモータMG2トルクTm2とモータMG3トルクTm3とタイマカウンタCの時間変化の一例を示すタイムチャートである。 変形例の電動車両120の構成の概略を示す構成図である。 変形例の電動車両220の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例としての電動車両20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電動車両20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2,MG3と、インバータ41,42,43と、バッテリ50と、充電器60と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号、例えばエンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランク角θcrなどが入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23からのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、前輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37Fを介して連結された駆動軸36Fが接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36Fに接続されている。モータMG3は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が後輪38c,38dにデファレンシャルギヤ37Rを介して連結された駆動軸36Rに接続されている。インバータ41,42,43は、電力ライン54を介してバッテリ50と接続されている。モータMG1,MG2,MG3は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42,43の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2,MG3を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号、例えばモータMG1,MG2,MG3の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ44,45,46からの回転位置θm1,θm2,θm3、モータMG2の温度を検出する温度センサ47からのモータ温度tm2などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42,43の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置検出センサ44
,45,46からのモータMG1,MG2,MG3の回転子の回転位置θm1,θm2,θm3に基づいてモータMG1,MG2,MG3の回転数Nm1,Nm2,Nm3を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されている。このバッテリ50は、上述したように、電力ライン54を介してインバータ41,42と接続されている。バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ib、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどが入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。また、バッテリECU52は、演算した蓄電割合SOCと温度センサ51cからの電池温度Tbとに基づいてバッテリ50から充放電可能な電力の最大値としての入出力制限Win,Woutも演算している。
充電器60は、電力ライン54に接続されており、電源プラグ61が自宅や充電ステーションなどの充電ポイントで家庭用電源や工業用電源などの外部電源69に接続されているときに、外部電源69からの電力を用いてバッテリ50を充電する外部充電を行なうことができるように構成されている。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBPを挙げることができる。また、車速センサ88からの車速Vや、モード切替スイッチ92からのスイッチ信号SWC、電源プラグ61に取り付けられて電源プラグ61が外部電源69に接続されているか否かを判定する接続スイッチ62からの接続信号SWCなどを挙げることができる。HVECU70からは、各種制御信号、例えば充電器60への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。
実施例の電動車両20では、シフトレバー81のシフトポジションSPとして、駐車時に用いる駐車レンジ(Pレンジ)、後進走行用のリバースレンジ(Rレンジ) 、中立の
ニュートラルレンジ(Nレンジ)、前進走行用の通常のドライブレンジ(Dレンジ)の他に、アクセルオン時の駆動力の設定等はDレンジと同一であるが走行中のアクセルオフ時に車両に作用させる制動力がDレンジより大きく設定されるブレーキレンジ(Bレンジ)、アップシフト指示レンジおよびダウンシフト指示レンジを有するシーケンシャルシフトレンジ(Sレンジ)が用意されている。
こうして構成された実施例の電動車両20では、CD(Charge Depleting)モードまたはCS(Charge Sustaining)モードでハイブリッド走行(HV走行)または電動走行(EV走行)を行なう。ここで、CDモードは、CSモードに比してEV走行をより優先するモードである。CSモードは、バッテリ50の蓄電割合SOCが所定の目標割合に維持されるようにHV走行とEV走行とを併用するモードである。HV走行は、エンジン22の運転を伴って走行するモードである。EV走行は、エンジン22の運転を伴わずに走行するモードである。
実施例では、HVECU70は、自宅や充電ステーションなどの充電ポイントでシステムオフ(システム停止)して停車しているときに、電源プラグ61が外部電源69に接続されると、外部電源69からの電力を用いてバッテリ50が充電されるように充電器60を制御する。そして、システムオン(システム起動)したときにバッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv1(例えば45%,50%,55%など)よりも大きいときには、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv2(例えば25%,30%,35%など)以下に至るまでは、CDモードで走行し、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv2以下に至った以降は、システムオフするまでCSモードで走行する。また、システムオンしたときにバッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv1以下のときには、システムオフするまでCSモードで走行する。また、CDモードで走行している最中にモード切替スイッチ92が操作されると、CSモードで走行する。モード切替スイッチ92の操作によりCSモードとされて走行している最中に再びモード切替スイッチ92が走行されると、CDモードで走行する。
次に、こうして構成された実施例の電動車両20の動作について説明する。特に、EV走行が優先されるCDモードにおいて、走行中にアクセルペダルが踏み戻されて減速走行する際の動作と、その後再びアクセルペダルが踏み込まれて加速走行する際の動作とについて説明する。図2は、HVECU70により実行される減速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、走行中にアクセルペダル83が踏み戻されて減速走行が要求されたときに所定時間毎(例えば数msecや数十msec毎)に繰り返し実行される。
減速制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、アクセル開度Accと車速Vとを入力し(ステップS100)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTd*を設定する(ステップS110)。要求トルクTd*の設定は、図3に例示する要求トルク設定用マップを用いて行なわれる。要求トルクTd*は、図示するように、アクセル開度Accが高いほど大きくなるように設定されるが、走行中にアクセル開度Accが0%のときには、負の値のトルクすなわち制動力が設定される。続いて、要求トルクTd*に駆動力分配比kを乗じた値をモータMG3から出力すべきトルクとしての後輪側要求トルクTrreqに設定すると共に、要求トルクTd*に値1から駆動力分配比kを減じたものを乗じた値をモータMG2から出力すべきトルクとしての前輪側要求トルクTfreqに設定する(ステップS120)。駆動力分配比kは、実施例では後輪38c,38dへの分配比であり、k=0のときに前輪38a,38bに100%で後輪38c,38dに0%の分配となり、k=1のときに前輪38a,38bに0%で後輪38c,38dに100%の分配となる。また、駆動力分配比kは、例えば、モータMG2とモータMG3との損失の和が最小となるように設定される。図4は、モータの出力トルクとモータの損失(ロス)との関係の一例を示す特性図である。一般的に、モータは出力トルクが大きいほど損失が大きくなる。したがって、モータMG2とモータMG3とから出力すべきトルクを、モータMG2の損失とモータMG3の損失との和が最小となるように分配することによりシステム全体の損失が最小となる。なお、モータMG2やモータ
MG3が過熱などにより駆動制限を受けているときには、その範囲内でモータMG2とモータMG3との損失の和が最小となるように駆動力分配比kが設定される。次に、駆動力オフセット制御フラグFが値1であるか否かを判定する(ステップS130)。ここで、駆動力オフセット制御フラグFは、後述する駆動力オフセット制御の実行の許否を示すものであり、値1は、駆動力オフセット制御の実行を許可することを示し、値0は、駆動力オフセット制御の実行を禁止することを示す。駆動力オフセット制御フラグFが値1でなく値0であると判定すると、駆動力オフセット制御を実行しない。すなわち、前輪側要求トルクTfreqをそのまま前輪側実行トルクTf*に設定すると共に後輪側要求トルクTrreqをそのまま後輪側実行トルクTr*に設定する(ステップS140)。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し、モータMG2のトルク指令Tm2*に前輪側実行トルクTf*を設定し、モータMG3のトルク指令Tm3*に後輪側実行トルクTr*を設定する(ステップS180)。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*をモータECU40に送信して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2,MG3がトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*で駆動されるようインバータ41,42,43のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
一方、駆動力オフセット制御フラグFが値1であると判定すると、駆動力オフセット制御を実行する。駆動力オフセット制御では、まず、後輪側要求トルクTrreqが値0よりも若干大きい正の値のトルクである下限トルクTrmin未満であるか否かを判定する(ステップS150)。後輪側要求トルクTrreqが下限トルクTrmin以上であると判定すると、前輪側要求トルクTfreqをそのまま前輪側実行トルクTf*に設定すると共に後輪側要求トルクTrreqをそのまま後輪側実行トルクTr*に設定する(ステップS140)。一方、後輪側要求トルクTrreqが下限トルクTrmin未満であると判定すると、後輪側実行トルクTr*に下限トルクTrminを設定する下限ガード処理を行なうと共に(ステップS160)、前輪側実行トルクTf*に要求トルクTd*から後輪側実行トルクTr*を減じたトルクを設定する(ステップS170)。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し、モータMG2のトルク指令Tm2*に前輪側実行トルクTf*を設定し、モータMG3のトルク指令Tm3*に後輪側実行トルクTr*を設定する(ステップS180)。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*をモータECU40に送信して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2,MG3がトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*で駆動されるようインバータ41,42,43のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。このように、駆動力オフセット制御は、値0よりも若干大きい正の値の下限トルクTrminを下限として後輪38c,38dに連結された駆動軸36Rにトルクが出力されるようモータMG3を制御すると共に、必要な制動力(要求トルクTd*)が前輪38a,38bに連結された駆動軸36Fに出力されるようモータMG2を制御するものである。駆動力オフセット制御を実行する理由については後述する。
次に、駆動力オフセット制御の実行の許否を判定するための処理について説明する。図5は、HVECU70により実行される駆動力オフセット制御の実行可否判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msecや数十msec毎)に繰り返し実行される。
駆動力オフセット制御の実行可否判定ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、車速VやシフトポジションSP,走行モードM,モータMG3のモータ温度tm3,バッテリ50の入力制限Winを入力する(ステップS200)。そして、システムが正常であるか否か(ステップS210)、走行モードMがCDモードであるか否か(ステップS220)、シフトポジションSPがDポジションであるか否か(ステップS230)、車速Vが所定車速Vref未満であるか否か(ステップS240)、入力制限Win(負の値の電力)が所定電力Wref未満であるか否か(ステップS250)、モータ温度tm3が所定温度tref未満であるか否か(ステップS260)、要求トルクTd*がモータMG2のモータ下限トルクTm2minよりも大きいか否か(ステップS270)、をそれぞれ判定する。ステップS210~S270の判定のうちいずれも肯定的な判定がなされた場合には、駆動力オフセット制御の実行に適した状況にあると判断して、駆動力オフセット制御を許可するよう駆動力オフセット制御フラグFに値1を設定して(ステップS280)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS210~S270の判定のうちいずれかで否定的な判定がなされた場合には、駆動力オフセット制御の実行に適した状況にないと判断して、駆動力オフセット制御を禁止するよう駆動力オフセット制御フラグFに値0を設定して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。ここで、ステップS210の判定には、例えば、HVECU70とモータECU40との間に通信異常が生じていないかの判定、すなわちHVECU70からトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*が正常にモータECU40へ送信されているかの判定が含まれる。ステップS220の判定は、駆動力オフセット制御をEV走行を優先してドライバビリティを向上させるCDモードに限って行なうことを意図したものである。すなわち、駆動力オフセット制御では、要求トルクTr*(負の値のトルク)の全てを前輪38a,38b側(モータMG2側)だけで受け持つため、図4に示すように、モータ損失の非線形性から、システム全体の損失が増加する。このため、ドライバビリティよりもバッテリ50の蓄電割合SOCの維持を優先するCSモードでは、効率を重視して駆動力オフセット制御は実行されない。ステップS240の判定は、アクセル開度Accが0%のときに要求トルクTd*に正の値のトルクが設定される車速領域で駆動力オフセット制御を実行しないことを意図したものである。所定車速Vrefは、図3に示すように、クリープ走行領域における上限の車速に定められる。ステップS250,S260の判定は、モータMG3がトルク制限を受けるときには、駆動力オフセット制御を実行しないことを意図したものである。所定電力Wrefは、バッテリ50の充電が制限されているかを判定するための閾値であり、所定温度trefは、モータMG3の過熱を判定するための閾値である。ステップS270の判定は、要求トルクTd*(負の値のトルク)の全てをモータMG2から出力できるかを判定するものである。モータ下限トルクTm2minは、例えば、モータMG2の負の値の定格トルクである。
次に、駆動力オフセット制御による減速走行中に再びアクセルペダル83が踏み込まれて加速走行する際の動作について説明する。図6は、HVECU70により実行される加速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、駆動力オフセット制御による減速走行中にアクセルペダル83が踏み込まれて加速走行が要求されたときに所定時間毎(例えば数msecや数十msec毎)に繰り返し実行される。
加速制御ルーチンが実行されると、減速制御ルーチンのステップS100~S120と同様に、必要なデータを入力して要求トルクTd*を設定すると共に前輪側要求トルクTfreqと後輪側要求トルクTrreqとを設定する(ステップS300~S320)。次に、前回に設定した前輪側実行トルク(前回Tf*)が値0よりも若干小さい負の値の所定トルク(-Tref)以上であるか否か(ステップS330)、前回Tf*が値0よりも若干大きい正の値の所定トルクTref未満であるか否か(ステップS340)、をそれぞれ判定する。これらの判定は、前回の前輪側実行トルク(前回Tf*)が値0を含む所定トルク範囲内にあるか否かを判定する処理である。駆動力オフセット制御による減速走行中にアクセルペダル83が踏み込まれた直後は、通常、前回の前輪側実行トルク(前回Tf*)は負の値の所定トルク(-Terf)未満と判定される。この場合、前輪側レート値Tfrtに通常時に用いる比較的大きな値の第1レート値Tfrt1を設定し(S370)、前回の前輪側実行トルク(前回Tf*)から前輪側レート値Tfrtだけ前輪側要求トルクTfreqに向かって変化させたトルクと前輪側要求トルクTfreqとのうち小さい方を今回の前輪側実行トルクTf*に設定する(ステップS390)。そして、前回の後輪側実行トルク(前回Tr*)が下限トルクTrminであるか否か、すなわち後輪側実行トルクTr*が駆動力オフセット制御により下限ガード中であるか否かを判定する(ステップS400)。前回の後輪側実行トルク(前回Tr*)が下限トルクTrminであると判定すると、タイマカウンタCが所定値Cref以上であるか否かを判定する(ステップS410)。タイマカウンタCは、初期値としては値0が設定され、後述するタイミングでカウントが開始される。タイマカウンタCが所定値Cref以上でないと判定すると、後輪側実行トルクTr*を下限トルクTrminに保持する(ステップS420)。こうして前輪側実行トルクTf*と後輪側実行トルクTr*とを設定すると、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し、モータMG2のトルク指令Tm2*に前輪側実行トルクTf*を設定し、モータMG3のトルク指令Tm3*に後輪側実行トルクTr*を設定する(ステップS440)。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*をモータECU40に送信して(ステップS450)、本ルーチンを終了する。
ステップS330,S340で前回の前輪側実行トルク(前回Tf*)が負の値の所定トルク(-Tref)以上で且つ正の値の所定トルクTref未満である、すなわち値0を含む所定トルク範囲内にあると判定すると、前輪側実行トルクTf*を緩変化処理により変化させる。すなわち、前輪側レート値Tfrtに第1レート値Tfrt1よりも小さな第2レート値Tfrt2を設定し(ステップS380)、前回の前輪側実行トルク(前回Tf*)から前輪側レート値Tfrtだけ前輪側要求トルクTfreqに向かって変化させたトルクと前輪側要求トルクTfreqとのうち小さい方を今回の前輪側実行トルクTf*に設定する(ステップS390)。このように前輪側実行トルクTf*を緩変化処理によって変化させることにより、前輪側実行トルクTf*の符号が変化するとき、すなわち減速用のトルクから加速用のトルクに変化するときにデファレンシャルギヤ37Fのギヤのガタによって生じ得るトルクショックを抑制することができる。前輪側実行トルクTf*を緩変化処理により変化させている最中は、タイマカウンタCはカウントを開始しない。このため、タイマカウンタCは所定値Cref未満と判定され、後輪側実行トルクTr*を下限トルクTrminに保持する(ステップS400~S420)。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し、モータMG2のトルク指令Tm2*に前輪側実行トルクTf*を設定し、モータMG3のトルク指令Tm3*に後輪側実行トルクTr*を設定する(ステップS440)。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*をモータECU40に送信して(ステップS450)、本ルーチンを終了する。
ステップS340で前回の前輪側実行トルク(前回Tf*)が正の値の所定トルクTref以上である、すなわち負の値のトルクから値0を含む所定トルク範囲を通過して正の値のトルクに転じたと判定すると、タイマカウンタCが初期値(値0)であるか否かを判定する(ステップS350)。タイマカウンタCが初期値であれば、タイマカウンタCのカウントを開始し(ステップS360)、タイマカウンタCが初期値でなければ、カウントを開始済みであるから、ステップS360をスキップする。続いて、前輪側レート値Tfrtに通常時に用いる第1レート値Tfrt1を設定し(ステップS370)、前回Tf*から前輪側レート値Tfrtだけ前輪側要求トルクTfreqに向かって変化させたトルクと前輪側要求トルクTfreqとのうち小さい方を今回の前輪側実行トルクTf*に設定する(ステップS390)。ステップS400,S410で前回の後輪側実行トルク(前回Tr*)が下限トルクTrminであり且つタイマカウンタCが所定値Cref未満と判定したときには、今回の後輪側実行トルクTr*を下限トルクTrminに保持する(ステップS420)。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し、モータMG2のトルク指令Tm2*に前輪側実行トルクTf*を設定し、モータMG3のトルク指令Tm3*に後輪側実行トルクTr*を設定する(ステップS440)。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*をモータECU40に送信して(ステップS450)、本ルーチンを終了する。このように、前輪側実行トルクTf*が負の値のト
ルク(減速用のトルク)から値0を含む所定トルク範囲を通過して正の値のトルク(加速用のトルク)に転じたタイミングでタイマカウンタCのカウントが開始される。そして、タイマカウンタCが所定値Cref以上となるまでは、前輪側実行トルクTf*は通常時に用いる比較的大きな第1レート値Tfrt1で前輪側要求トルクTfreqに向かって増加される一方、後輪側実行トルクTr*は下限トルクTrminに保持される。
ステップS410でタイマカウンタCが所定値Cref以上と判定すると、前回の後輪側実行トルク(前回Tr*)から通常時に用いる比較的高い後輪側レート値Trrtだけ後輪側要求トルクTrreqに向かって変化させたトルクと後輪側要求トルクTrreqとのうち小さい方を後輪側実行トルクTr*に設定する(ステップS430)。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し、モータMG2のトルク指令Tm2*に前輪側実行トルクTf*を設定し、モータMG3のトルク指令Tm3*に後輪側実行トルクTr*を設定する(ステップS440)。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*をモータECU40に送信して(ステップS450)、本ルーチンを終了する。このように、後輪側実行トルクTr*は、前輪側実行トルクTf*が負の値のトルク(減速用のトルク)から値0を含む所定トルク範囲を通過し正の値のトルク(加速用のトルク)に転じてから所定時間が経過したタイミング(タイマカウンタCが所定値Cref以上となったタイミング)で、後輪側要求トルクTrreqに向かって後輪側実行トルクTr*の増加を開始する。所定値Crefは、前輪側実行トルクTf*の増加により車体に伝わる振動(Ff振動)の半周期分に相当する時間であり、予め実験などにより求めた値が定められる。このため、後輪側実行トルクTr*の増加により駆動軸36Rから車体に伝わる振動(Fr振動)は、Ff振動と逆位相となる。これにより、Ff振動およびFr振動が互いに打ち消し合うから、加速ショックの発生を抑制することができる。
図7は、アクセル開度Accと総駆動力とモータMG2トルクTm2とモータMG3トルクTm3とタイマカウンタCの時間変化の一例を示すタイムチャートである。図中、実線は、駆動力オフセット制御を用いて減速走行し、その後、加速走行を行なう実施例のタイムチャートを示し、図中、一点破線は、駆動力オフセット制御を用いずに減速走行し、その後、加速走行を行なう比較例のタイムチャートを示す。実施例では、CDモードで走行中に時間t1にアクセルペダル83が踏み戻されて要求トルクTd*として負の値のトルク(減速走行)が要求されたときには、モータMG3のトルクを値0よりも若干大きい下限トルクTrminで下限ガードし、要求トルクTd*の全てをモータMG2で出力するように制御する(駆動力オフセット制御)。その後、時間t2にアクセルペダル83が踏み込まれて要求トルクTd*として正の値のトルク(加速走行)が要求されると、モータMG2のトルクが値0を含む所定トルク範囲内にある間(時間t3~t4の間)は、緩変化処理によりモータMG2のトルクを変化させる。一方、モータMG3のトルクは、値0よりも若干大きい正の値の下限トルクTrminに下限ガードされ、符号の変化が生じないため、緩変化処理が不要であり、トルクを素早く立ち上げることが可能となり、加速応答性をより向上させることができる。
これに対して、比較例では、要求トルクTd*を常時駆動力分配比kで駆動軸36F,36Rに出力されるようモータMG2,MG3からトルクを出力する。このため、減速走行が要求された後、加速走行が要求されると、モータMG2のトルクとモータMG3のトルクのそれぞれで符号の変化が生じる。特に、実施例の電動車両20では、エンジン22とモータMG1とがプラネタリギヤ30を介して前輪38a,38bに連結された駆動軸36Fに接続されており、エンジン22等が接続されていない駆動軸36Rは、駆動軸36Fよりも剛性の小さいのものが用いられる場合が多い。このため、デファレンシャルギヤ37Rのギヤのガタによって生じ得るトルクショックを抑制するためには、値0を含む所定トルク範囲内ではモータMG3のトルクを変化させる際のレート値をモータMG2よりも小さくする必要がある。この結果、モータMG2のトルクが所定トルク範囲を通過して正の値のトルクに転じても、モータMG3のトルクの所定トルク範囲を通過して正の値のトルクに転じるまでに長時間を要し、トルクの立ち上がりが大幅に遅れてしまう。
また、実施例の電動車両20では、モータMG2のトルクが所定トルク範囲を通過して正の値のトルクに転じてから所定時間が経過するまで(時間t5にタイマカウンタCが所定値Cref以上となるまで)は、モータMG3のトルクを下限トルクTrminに保持する。そして、モータMG2のトルクが正の値のトルクに転じてから所定時間が経過すると、モータMG3のトルクの増加を開始する。所定値Crefは、モータMG2のトルクの増加により駆動軸36Fから車体に伝わる振動(Ff振動)の半周期分に相当する時間に定めれているため、モータMG3のトルクの増加により駆動軸36Rから車体に伝わる振動(Fr振動)は、Ff振動と逆位相となる。これにより、Ff振動およびFr振動が互いに打ち消し合い、加速ショックが抑制される。
以上説明した実施例の電動車両20では、要求トルクTd*として負の値のトルクが要求された場合、正の値の下限トルクTrminを下限とするトルクが出力されるようモータMG3を制御する駆動力オフセット制御を実行する。これにより、モータMG3のトルクは、デファレンシャルギヤ37Rのギヤのガタによって生じ得るトルクショックを抑制するための緩変化処理が不要となり、モータMG3から出力するトルクを素早く立ち上げることができる。この結果、アクセル操作に対する加速応答性を向上させることができる。もとより、モータMG2から出力する負のトルク(制動力)により負の値の要求トルクTd*に対応することができる。
また、実施例の電動車両20では、駆動力オフセット制御による減速走行中に加速走行が要求されると、モータMG2のトルクの増加により生じうる振動とモータMG3のトルクの増加により生じうる振動とが互いに逆位相となるように、モータMG2から出力するトルクが負の値のトルクから値0を含む所定トルク範囲を通過して正の値のトルクに転じてから所定時間が経過したタイミングでモータMG3のトルクの増加を開始する。これにより、モータMG2からのトルクの増加により生じ得る振動を、モータMG3からのトルクの増加により生じ得る振動によって打ち消すことができ、加速ショックを抑制することができる。
実施例の電動車両20では、駆動力オフセット制御により減速走行している最中に加速走行が要求されたとき、前輪側実行トルクTf*が負の値のトルクから所定トルク範囲を通過して正の値のトルクに転じてから所定時間(所定値Cref)が経過するまでは、後輪側実行トルクTr*を正の値の下限トルクTrminで保持し、所定時間が経過したタイミングで後輪側実行トルクTr*の増加を開始した。しかし、前輪側実行トルクTf*が負の値のトルクから所定トルク範囲を通過して正の値のトルクに転じたタイミングで後輪側実行トルクTr*の増加を開始すると共に前輪側実行トルクTf*を当該所定トルク範囲の上限トルクで保持し、所定時間(所定値Cref)が経過したタイミングで前輪側実行トルクTf*の増加を開始してもよい。また、駆動力オフセット制御により減速走行している最中に加速走行が要求されると、前輪側実行トルクTf*および後輪側実行トルクTr*の増加を直ちに開始してもよい。この場合、前輪側実行トルクTf*は、符号の変化が生じるため、値0を含む所定トルク範囲内にある間は、緩変化処理により変化させるが、後輪側実行トルクTr*は、符号の変化が生じないため、緩変化処理を行なうことなく、トルクを直ちに増加することができる。これにより、若干の加速ショックは生じるものの、要求トルクTd*に向かって駆動力を素早く立ち上がることができるため、加速応答性をさらに向上させることができる。
実施例の電動車両20では、システムが正常であること、走行モードMがCDモードであること、シフトポジションSPがDポジションであること、車速Vが所定車速Vref
未満であること、入力制限Winが所定電力Wref未満であること、モータ温度tm3が所定温度tref未満であること、要求トルクTd*がモータ下限トルクTm2minよりも大きいことの全ての条件を満たすときに駆動力オフセット制御の実行を許可した。しかし、上述した条件の一部を省略してもよいし、上述した条件とは異なる新たな条件を追加してもよい。
実施例の電動車両20では、電源プラグ61を外部電源69に接続してバッテリ50を充電する充電器60を備えるものとしたが、外部電源69からの電力を非接触で受電してバッテリ50を充電する充電器を備えるものとしてもよい。また、こうした外部電源により充電する充電器を備えない電動車両(ハイブリッド自動車)であってもよい。
実施例の電動車両20では、エンジン22とモータMG1とモータMG2とを前輪38a,38bに連結された駆動軸36Fに接続し、モータMG3を後輪38c,38dに連結された駆動軸36Rに接続する構成とした。しかし、エンジン22とモータMG1とモータMG2とを後輪に連結された駆動軸に接続し、モータMG3を前輪に連結された駆動軸に接続する構成としてもよい。この場合、図2の減速制御ルーチンや図6の加速制御ルーチンでは、モータMG3のトルク指令Tm3*を前輪側実行トルクTf*に設定し、モータMG2のトルク指令Tm2*を後輪側実行トルクTr*に設定すればよい。また、駆動力オフセット制御においては、前輪側要求トルクTfreqに対して前輪側実行トルクTf*を値0よりも若干大きい正の値の下限トルクで下限ガードするものとしてもよい。
実施例の電動車両20では、エンジン22とモータMG1と前輪38a,38bに連結された駆動軸36Fとがプラネタリギヤ30に接続されると共に駆動軸36FにモータMG2が接続され、後輪38c,38dに連結された駆動軸36RにモータMG3が接続されるものとした。図8の変形例の電動車両120に例示するように、前輪38a,38bに連結された駆動軸36Fに変速機130を介してモータMGFを接続すると共にモータMGFの回転軸にクラッチ129を介してエンジン22を接続し、後輪38c,38dに連結された駆動軸36RにモータMGRを接続する構成としてもよい。また、図9の変形例の電動車両220に例示するように、前輪38a,38bに連結された駆動軸36FにモータMGFを接続し、後輪38c,38dに連結された駆動軸36RにモータMGRを接続する電気自動車の構成としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータMG2が「第1モータ」に相当し、モータMG3が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「蓄電装置」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とが「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、電動車両の製造産業などに利用可能である。
20,120,220 電動車両、22 エンジン、23 クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36F,36R 駆動軸、37F,37R デファレンシャルギヤ、38a,38b 前輪、38c,38d 後輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42,43 インバータ、44,45,46 回転位置検出センサ、47 温度センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 充電器、61 電源プラグ、62 接続スイッチ、69 外部電源、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、92 モード切替スイッチ、129 クラッチ、130 変速機、MG1,MG2,MG3,MGF,MGR モータ。

Claims (4)

  1. 前輪および後輪のうちの一方の車輪に駆動力を出力可能な第1モータと、
    前記前輪および前記後輪のうちの他方の車輪に駆動力を出力可能な第2モータと、
    前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやり取り可能な蓄電装置と、
    前記一方の車輪に動力を出力可能なエンジンと、
    走行に要求される要求駆動力により走行するよう前記第1モータと前記第2モータと前記エンジンとを制御する制御装置と、
    を備え、走行モードとして、前記蓄電装置の蓄電割合が所定の目標割合に維持されるように前記エンジンの運転を伴って走行するHV走行と前記エンジンの運転を伴わずに走行するEV走行とを併用するCS(Charge Sustaining)モードと、前記CSモードに比して前記EV走行をより優先するCD(Charge Depleting)モードとを切り替えて走行する電動車両であって、
    前記制御装置は、前記要求駆動力として負の駆動力が要求された場合、所定の正の駆動力を下限として前記第2モータを制御すると共に前記要求駆動力により走行するよう前記第1モータを制御する駆動力オフセット制御を実行するものであり、前記CSモードのときには、前記駆動力オフセット制御を実行しない、
    電動車両。
  2. 請求項1に記載の電動車両であって、
    前記制御装置は、システムに異常が生じたときには、前記駆動力オフセット制御を実行しない、
    電動車両。
  3. 請求項1または2に記載の電動車両であって、
    前記蓄電装置が充電可能な最大充電電力が所定電力未満のとき,前記第2モータの温度が所定温度以上のとき又は車速が所定車速未満のときには、前記駆動力オフセット制御を実行しない、
    電動車両。
  4. 請求項1ないしいずれか1項に記載の電動車両であって、
    前記駆動力オフセット制御による減速走行中に加速走行が要求された場合、前記第1モータの駆動力の増加により生じうる振動と前記第2モータの駆動力の増加により生じうる振動とが逆位相となるように、互いにタイミングをずらして駆動力の増加を開始するよう前記第1モータと前記第2モータとを制御する、
    電動車両。
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