JP7200662B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、モータ制御装置に関する。
従来、動力源としてのエンジンおよびモータジェネレータと、エンジンのエンジントルクおよびモータジェネレータのモータトルクのうち少なくとも一方に基づく駆動トルクを選択された変速比で車輪側に伝達するトランスミッションと、エンジンのクランクシャフトの振動を低減するダンパと、を備えた車両が知られている。また、エンジンの振動(トルク変動)によってダンパが発生させる捩れトルク(ダンパトルク)とは逆位相のモータトルク(制振トルク)を出力してダンパの捩れトルクを相殺することで、ダンパにおける捩れトルクに応じてドライブシャフト等で発生する振動を低減する技術が知られている。
特開2013-169953号公報
しかしながら、上述したような車両のトランスミッションの内部では、所定の変速比を実現するために複数のギアが噛み合い状態で配置されている。トランスミッション内では、選択された変速段(シフト段)にしたがい実際にトルクの伝達を行う実駆動状態のギアと、選択された変速段ではトルク伝達に関与しない遊転状態(空回り状態)のギアが存在する。そして、エンジンの駆動時には、実駆動状態、遊転状態に拘わらず、それらの複数のギアが一体の回転体として回転する。また、各ギアは、バックラッシュ等のガタを伴う状態で噛合している。このとき、実駆動状態で噛合しているギアは、バックラッシュがトルク伝達方向に詰まった状態(押した状態)で回転する。一方、遊転状態で噛合しているギアは、エンジン駆動時の燃焼(爆発)と圧縮との繰り返しにより発生する振動の大きさがバックラッシュの大きさより大きいか否かで、遊転しているギアの慣性力が回転体に付加される場合(慣性力ありの場合)と付加されない場合(慣性力抜けの場合)が生じる。この場合、エンジン回転数によって振動の大きさが変化するため、エンジン回転数によって、回転体に遊転状態のギアの慣性力が影響するか否かトルクが変動し、従来技術のように、ダンパトルク対応した逆位相の制振トルクをモータジェネレータで付加しても、位相がずれてしまい、トライブシャフト等に発生する振動を十分な制振ができない、または悪化させてしまう場合があった。
そこで、実施形態の課題の一つは、遊転状態のギアの慣性力の影響を考慮した、より適切な制振制御が実現可能なモータ制御装置を提供することである。
本発明の実施形態にかかるモータ制御装置は、例えば、動力源としてのエンジンおよびモータジェネレータと、上記エンジンのクランクシャフトのエンジントルクおよび上記モータジェネレータのモータシャフトのモータトルクのうち少なくとも一方に基づく駆動トルクを選択された変速比で車輪側に接続されたドライブシャフトに伝達するトランスミッションと、上記エンジンと上記トランスミッションとの間に設けられて上記クランクシャフトの振動を弾性部材によって低減するダンパと、を備えた車両のモータ制御装置である。そして、上記クランクシャフトの回転角度としてのクランク角と上記モータシャフトの回転角度としてのモータ角との差分に基づいて、上記エンジントルクの変動に応じて上記ダンパが発生させるダンパトルクを算出するダンパトルク算出部と、上記ダンパトルクに基づいて、上記ダンパトルクに応じて発生する振動を制振するために上記ダンパトルクと逆位相の制振トルクを算出する制振トルク算出部と、上記トランスミッションに含まれ複数のギアのうち駆動トルクを伝達しない遊転状態のギアの慣性力が上記トランスミッション内で駆動トルクを伝達している回転体に付加されているか否かを判定する判定部と、上記判定部の判定結果に基づき、上記制振トルクの位相を補正する位相補正部と、位相が補正された上記制振トルクに基づいて、上記モータジェネレータに与えるモータトルク指令値を出力するモータトルク指令出力部と、を備える。この構成によれば、例えば、遊転状態のギアの慣性力の影響の有無を判定し、制振トルクの位相を補正するので、より適切な制振制御が実行できる。
また、実施形態のかかるモータ制御装置の上記判定部は、例えば、上記クランクシャフトが回転する場合の上記クランク角が所定閾値を超えるタイミングと上記モータジェネレータが回転する場合の上記モータ角が上記所定閾値を超えるタイミングとで定まる実時間差と、上記慣性力が上記回転体に付加されているか否かによって定まる参照時間差と、の比較結果に基づき、上記慣性力が上記回転体に付加されているか否かを判定するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、リアルタイムで検出可能なクランク角とモータ角とに基づき、遊転状態のギアの慣性力の影響の有無が判定可能となり、制振制御がより適切に実行できる。
また、実施形態のかかるモータ制御装置の上記判定部は、例えば、上記遊転状態のギアの慣性力が上記回転体に付加される場合の位相補正値を決定する第1補正データと、上記遊転状態のギアの慣性力が上記回転体に付加されない場合の位相補正値を決定する第2補正データと、備えてもよい。この構成によれば、例えば、遊転状態のギアの慣性力の影響の有無を判定に基づく位相補正値を容易かつ安定的に決定することができる。
また、実施形態のかかるモータ制御装置の上記第1補正データと上記第2補正データとは、例えば、上記トランスミッションの変速段と上記エンジンの回転数とに応じて定めるようにしてもよい。この構成によれば、例えば、エンジン(車両)の状態に応じた位相補正値の決定が可能で、遊転状態のギアの慣性力の影響に応じてより適切な制振制御が実行できる。
また、実施形態のかかるモータ制御装置の上記モータトルク指令出力部は、例えば、上記エンジンと上記トランスミッションとの間に設けられるクラッチが、上記クランクシャフトと上記トランスミッションのトランスミッションシャフトとを接続する接続状態になっている場合に、上記モータトルク指令値を出力し、上記クラッチが上記クランクシャフトと上記トランスミッションシャフトとの接続を遮断する遮断状態になっている場合に、または、上記クラッチが接続状態になっている場合で上記車両を加速させる加速操作が行われていない場合に、上記モータトルクをゼロにする上記モータトルク指令値を出力するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、エンジンの振動がクラッチを介して車輪側に伝達されるか否かに応じて、制振トルク(モータトルク)を発生させるか否かを切り替えることができる。
図1は、実施形態にかかるモータ制御装置を含む車両の駆動システムの構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。 図2は、実施形態において、ギアの振動の大きさが変化することにより、遊転状態で噛合するギアのバックラッシュによる影響が変化して、トランスミッション内の回転体に対する慣性力の影響が変化することを説明する例示的かつ模式的な説明図である。 図3は、トランスミッション内の回転体に対する慣性力の影響が変化することにより、ダンパトルクの位相が変化し、制振のために付与するモータトルク(制振トルク)の位相に対して乖離が生じることを説明する例示的かつ模式的な説明図である。 図4は、ダンパトルクに対して慣性力を考慮せずに逆位相の制振トルクの付与による制振制御を実行した場合のドライブシャフトのトルク変動と、制振制御を実行しない場合のドライブシャフトのトルク変動との比較例を示す模式的な説明図である。 図5は、実施形態にかかるモータ制御装置が有する機能モジュール群を示した例示的かつ模式的なブロック図である。 図6は、遊転状態のギアの慣性力が回転体に付加される場合(慣性力ありの場合)の位相補正値(位相補正量)を決定する第1補正データと、慣性力が回転体に付加されない場合の位相補正値を決定する第2補正データとを示す例示的かつ模式的な説明図である。 図7は、遊転状態のギアの慣性力が回転体に付加される場合(慣性力抜けの場合)の参照時間差とエンジン回転数の関係を変速段5thと変速段6thについて示した例示的かつ模式的な説明図である。 図8は、遊転状態のギアの慣性力が回転体に付加されない場合の参照時間差とエンジン回転数の関係を変速段5thと変速段6thについて示した例示的かつ模式的な説明図である。 図9は、本実施形態にかかるモータ制御装置による制振制御を実施した場合と、慣性力を考慮しない従来の方法で制振制御を実施した場合と、慣性力を考慮した制振制御を実施しない場合との比較結果を示す例示的かつ模式的な説明図である。 図10は、実施形態にかかるモータ制御装置が実行する一連の処理を示した例示的なフローチャートである。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
図1は、実施形態にかかるモータ制御装置10を含む車両Vの駆動システム100の構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
図1に示されるように、実施形態にかかる車両Vの駆動システム100は、エンジン12と、モータジェネレータ14と、トランスミッション16と、ダンパ18と、クラッチ20と、モータ制御装置10と、を備えている。
エンジン12およびモータジェネレータ14は、車両Vの動力源である。エンジン12は、エンジンECU(不図示)の制御に応じてエンジントルクを出力し、クランクシャフト22を回転させる。同様に、モータジェネレータ14は、モータ制御装置10の制御に応じてモータトルクを出力し、モータシャフト24を回転させる。
トランスミッション16は、エンジン12のクランクシャフト22のエンジントルクおよびモータジェネレータ14のモータシャフト24のモータトルクのうち少なくとも一方に基づく駆動トルクを選択された変速比で車輪W側に伝達する。駆動トルクは、ドライブシャフト26を介して車輪W側に伝達される。
ダンパ18は、クランクシャフト22の振動(エンジントルクの変動)を低減(吸収)するトルク変動吸収装置である。ダンパ18は、一般的なダンパと同様の弾性部材を有しており、エンジントルクの変動に応じて、ダンパトルクを発生させる。
クラッチ20は、エンジン12(ダンパ18)とトランスミッション16との間に設けられ、エンジン12のクランクシャフト22とトランスミッション16のトランスミッションシャフト28との接続/遮断を切り替える。クラッチ20は、クランクシャフト22とトランスミッションシャフト28とを接続する接続状態になっている場合に、クランクシャフト22とトランスミッションシャフト28との間のトルク(の少なくとも一部)の伝達を実施する。また、クラッチ20は、クランクシャフト22とトランスミッションシャフト28との接続を遮断する遮断状態になっている場合に、ダンパ18とトランスミッションシャフト28との間のトルクの伝達を遮断する。
モータ制御装置10は、例えば、プロセッサやメモリなどを備えたマイクロコンピュータとして構成されたECU(Electronic Control Unit)である。モータ制御装置10は、モータジェネレータ14に指令値としてのモータトルク指令値を与えることで、モータジェネレータ14のモータトルクを制御する。
モータ制御装置10は、車両Vに設けられる各種のセンサを、制御に利用することができる。図1に示される例では、各種のセンサとして、クランク角センサ30と、モータ角センサ32と、シャフト角センサ34、アクセルポジションセンサ36と、ストロークセンサ38と、シフトポジションセンサ40等が例示されている。
クランク角センサ30は、クランクシャフト22の回転角度としてのクランク角を検出する。モータ角センサ32は、モータシャフト24の回転角度としてのモータ角を検出する。シャフト角センサ34は、トランスミッション16のトランスミッションシャフト28の回転角度としてシャフト角を検出する。
アクセルポジションセンサ36は、例えばアクセルペダルなどといった、車両Vを加速させる加速操作を行うための加速操作部(不図示)の操作量(踏み込み量、操作位置)などを検出することで、ドライバにより加速操作が行われているか否かを検出する。ストロークセンサ38は、例えばクラッチペダルなどといった、クラッチ20を操作するためのクラッチ操作部(不図示)の操作量(踏み込み量、操作位置)などを検出することで、クラッチ20が接続状態になっているか遮断状態になっているかを検出する。シフトポジションセンサ40は、トランスミッション16に現在設定されている変速段を検出する。
ところで、実施形態にかかるダンパ18のような一般的なダンパが設けられた構成において、エンジン12(クランクシャフト22)のトルク変動(振動)に起因してダンパ18に捩れトルクが発生して、当該捩れトルクに応じて振動が発生する場合がある。この場合、ダンパ18で発生した捩れトルク(ダンパトルク)とは逆位相のモータトルク(制振トルク)をモータジェネレータ14で出力することで、ダンパ18における捩れトルクを相殺して振動を低減する技術が知られている。
ところで、トランスミッション16の内部には、所定の変速比を実現するために複数のギアが噛み合い状態で配置されている。トランスミッション16内では、選択された変速段にしたがい実際にトルクの伝達を行う実駆動状態のギアと、選択された変速段ではトルク伝達に関与しない遊転状態(空回り状態)のギアが存在する。そして、エンジン12の駆動時には、それらの複数のギアが一体の回転体として回転する。例えば、図2には、トランスミッション16の内部で一体的に回転する回転体Rの一部として、ギアDg1,Dg2が示され、当該ギアDg1,Dg2がバックラッシュGa(ガタ)を伴う状態で噛合している状態が示されている。このとき、トランスミッションシャフト28側からドライブシャフト26側に向けて実際にトルク伝達に関わっているギアDg1,Dg2が実駆動状態で噛合しているとする。この場合、ギアDg1が矢印M方向に回転すると、ギアDg2を押してトルク伝達を行うことになる。つまり、バックラッシュGaがトルク伝達方向に詰まった状態となり、ギアDg2の慣性力がギアDg1側に付加された状態で回転体Rが一体的に回転する(慣性力ありの状態)。一方、ギアDg1,Dg2が遊転状態で噛合している場合(選択された変速段に関わらないギアの場合)、エンジン12の駆動時の燃焼(爆発)と圧縮との繰り返しにより発生する振動Sの大きさがバックラッシュGaの大きさより大きいか否かで、遊転しているギアDg2の慣性力が回転体Rに付加される場合とされない場合が生じる。例えば、ギアDg1の振動の大きさが、バックラッシュGaの大きさ以上の場合、バックラッシュGaが詰まり遊転しているギアDg2をギアDg1が押し動かすことになる。つまり、遊転しているギアDg2が回転体Rの一部として回転し、遊転するギアDg2の慣性力が回転体Rに付加されて「慣性力あり」の状態になる。逆に、ギアDg1の振動の大きさがバックラッシュGaの大きさ未満の場合、ギアDg1は、バックラッシュGaの範囲内で振動することになり、遊転するギアDg2の噛合面を押さない、または接触しているのみとなる。つまり、遊転するギアDg2の慣性力は、回転体Rに付加されない「慣性力抜け」の状態になる。エンジン12の振動は、エンジン回転数によって変化するため、遊転状態のギアDg2の慣性力が回転体Rに加算される「慣性力あり」の状況と加算されない「慣性力抜け」の状況が生じる。
その結果、図3に示すように、エンジン12のエンジン回転数によって、遊転状態のギアDg2の慣性力抜けの前後でダンパトルクP1の位相が変化する。つまり、従来最適値として付与する逆位相の制振トルクP0の位相に対して乖離が生じてしまう(例えば、破線で囲む高回転領域)。図4は、ダンパトルクP1に対して逆位相の制振トルクP0を付与した場合のドライブシャフト26のトルク変動T1と、逆位相の制振トルクを付与しない(制振制御を実行しない)場合のドライブシャフト26のトルク変動T0との比較例を示す模式的な説明図である。図4に示されるように、ダンパトルクP1と制振トルクP0(逆位相)の乖離が生じているエンジン回転数の高回転領域では、制振制御を実施したときのトルク変動T1が制振制御を実施していないときのトルク変動T0より大きくなってしまう場合がある。つまり、振動状態が悪化してしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、遊転状態のギアDg2の慣性力が回転体Rに付加されているか否かを判定し、その判定結果にしたがい制振トルクの位相を補正することで、ダンパトルクに対して、より適切な制振トルクを付与してドライブシャフト26の振動の低減を行う。
図5は、実施形態にかかるモータ制御装置10が有する機能モジュール群を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
図5に示されるように、モータ制御装置10は、制振要否判定部42、ダンパトルク算出部44、制振トルク算出部46、第1フィルタ処理部48、位相補正処理部50(位相補正部)、第2フィルタ処理部52、位相補正量算出部54、慣性力影響判定部56(判定部)、指令トルク決定部58(モータトルク指令出力部)、駆動制御部60等を備える。実施形態では、これらの機能モジュール群の一部または全部が、専用のハードウェア(回路)によって実現されてもよい。
制振要否判定部42は、アクセルポジションセンサ36およびストロークセンサ38の検出結果に基づいて、振動の原因となるダンパ18の捩れトルクを相殺してドライブシャフト26の振動(共振)を低減するためのモータトルク(制振トルク)の出力の要否を判定する。
例えば、クラッチ20が遮断状態になっている場合や、クラッチ20が接続状態になっていたとしても加速操作が行われていない場合(アクセルペダルがオフ状態のとき)などにおいては、エンジントルクの変動(エンジン12側の振動)がドライブシャフト26側に伝達されないので、制振トルクを出力する必要がない。したがって、このような場合、制振要否判定部42は、制振トルクがゼロになるように、制振トルクを出力する必要がない旨を指令トルク決定部58に通知する。なお、駆動システム100がモータジェネレータ14のみのモータトルクで走行している場合、エンジン12は停止し、エンジントルクの変動(エンジン12側の振動)がドライブシャフト26側に伝達されないので、制振トルクを出力する必要がない。制振要否判定部42は、この判定を、エンジン12とモータジェネレータ14を統合的に制御する図示しないハイブリッドECU等からの信号に基づいて実行することができる。
一方、クラッチ20が接続状態になっており、かつ加速操作が行われている場合は、エンジントルクの変動(エンジン12の振動)がドライブシャフト26側に伝達されるので、制振トルクによって振動を低減する必要がある。したがって、このような場合、制振要否判定部42は、ダンパトルクを相殺するための制振トルクが出力されるように、制振トルクを出力する必要がある旨を指令トルク決定部58に通知する。
ダンパトルク算出部44は、クランク角センサ30およびモータ角センサ32の検出結果に基づいて、ダンパ18が発生させるダンパトルクTd(捩れトルク)を算出(推定)する。ダンパ18の捩れ角は、クランク角センサ30の検出結果としてのクランク角θ1とし、モータ角センサ32の検出結果としてのモータ角をθ2とした場合、クランク角θ1とモータ角θ2との差分に基づいて算出することができる。そして、ダンパ18の弾性部材のばね定数をKdとすると、ダンパトルクTdは、Td=Kd(θ1-θ2)で算出することができる。
制振トルク算出部46は、制振トルクTmを、ダンパトルク算出部44で算出したダンパトルクTdと所定のダンパトルクゲインGd(例えば、固定値)との乗算(Tm=-Td×Gd)に基づいて算出する。前述したように、ダンパ18の捩れトルクに対する振動の制振には、逆位相の制振トルクを用いるため、制振トルクTmは、「-」が付される。なお、エンジン12で発生する振動の大きさは、エンジン12のエンジン回転数とエンジン12の負荷率に応じて変化する。したがって、ダンパトルクゲインは、エンジン12のエンジン回転数と、エンジン12の負荷率に応じて取得してもよい。
第1フィルタ処理部48は、制振トルク算出部46の算出結果にフィルタリング処理を施し、エンジン12の爆発による脈動周波数に対応した振動成分を抽出する。第1フィルタ処理部48は、まず、エンジン12の脈動周波数feを算出する。脈動周波数feは、エンジン12のエンジン回転数Neと、エンジン12の気筒数n、エンジン12のサイクル数cに基づき、fe=Ne×n/60×cで算出できる。なお、気筒数nとサイクル数cは、エンジン12に対して固定値である。したがって、脈動周波数feは、エンジン回転数によって変化する。第1フィルタ処理部48は、現在のエンジン12のエンジン回転数Neに応じた脈動周波数feを通過帯域とするバンドパスフィルタF(s)を算出する。そして、第1フィルタ処理部48は、制振トルク算出部46で算出した制振トルクTmに算出したバンドパスフィルタF(s)を適用し、モータジェネレータ14の性能や目標制振性能によって決定される上下限処理を実行する。つまり、モータジェネレータ14に適した実トルク指令値Tm_bpf(Tm_bpf=F(s)×Tm)を決定し、位相補正処理部50に提供する。
第2フィルタ処理部52は、クランク角センサ30およびモータ角センサ32の検出結果にフィルタリング処理を施し、エンジン12の爆発の一次周波数に対応した振動成分を抽出する。第2フィルタ処理部52は、このような抽出処理を、たとえば、エンジン12の爆発の一次周波数に対応した周波数帯域を通過帯域とするバンドパスフィルタによって実現する。例えば、クランク角θ1の振動成分は、θ1bpf=F(s)×θ1で示すことができる。同様に、モータ角θ2の振動成分は、θ2bpf=F(s)×θ2で示すことができる。
位相補正量算出部54は、第2フィルタ処理部52の抽出結果と、シフトポジションセンサ40で取得される変速段Sh、エンジン回転数取得部62で取得されるエンジン12のエンジン回転数Neの検出結果を参照する。エンジン回転数取得部62は、例えば、クランク角センサ30の検出結果に基づいてエンジン12の回転数を推定して取得してもよいし、専用のセンサにより回転数を検出して取得してもよい。また、エンジン回転数取得部62は、モータジェネレータ14とエンジン12とが動力的に繋がっている場合には、エンジン12の回転数をモータジェネレータ14の回転数から取得してもよい。そして、位相補正量算出部54は、遊転状態のギアDg2による慣性力が回転体Rに付加されている場合(慣性力ありの場合)の位相補正量(位相補正値、補正時間)および慣性力が回転体Rに付加されていない場合(慣性力抜けの場合)の位相補正量(補正時間)を算出する。
図6は、エンジン12のエンジン回転数に応じて変化するクランク角θ1とモータ角θ2の位相差を例示的に示す模式図である。図6は、例えば、トランスミッション16の変速段が「6th」の場合の変化例である。図6は、クランク角センサ30の検出結果であるクランク角θ1とモータ角センサ32の検出結果であるモータ角θ2との位相差から検出された実時間差Δtaを実線で示されている。実時間差Δtaは、具体的には、クランク角θ1が所定の閾値を超えるタイミングt1と、モータ角θ2が所定の閾値を超えるタイミングt2との時間差に基づいて算出できる(Δta=t1-t2)。また、遊転状態のギアDg2による慣性力が回転体Rに付加されている(慣性力あり)と仮定した場合のクランク角θ1とモータ角θ2の位相差から決めることができる第1参照時間差Δtb1が破線で示されている。同様に、遊転状態のギアDg2による慣性力が回転体Rに付加されていない(慣性力抜け)と仮定した場合のクランク角θ1とモータ角θ2の位相差から決めることができる第2参照時間差Δtb21が一点鎖線で示されている。第1参照時間差Δtb1は、位相補正量を決定する第1補正データとしてトランスミッション16の変速段ごとに予め試験等により決定し、記憶部(不図示)等に記憶したものを参照可能である。同様に、第2参照時間差Δtb2は、位相補正量を決定する第2補正データとしてトランスミッション16の変速段ごとに予め試験等により決定し、記憶部(不図示)等に記憶したものを参照可能である。
図7は、図6示す第1補正データを、第1参照時間差Δtb1とエンジン回転数との関係に変換した図である。図7には、一例として、遊転状態のギアDg2による慣性力が回転体Rに付加されている場合(慣性力ありの場合)で、トランスミッション16の変速段(Sh)が「6th」の場合の第1参照時間差Δtb1(6)、および変速段が「5th」の第1参照時間差Δtb1(5)と、エンジン12のエンジン回転数(Ne)の関係が示されている。位相補正量算出部54に含まれる第1位相補正量算出部54aは、現在のトランスミッション16の変速段とエンジン回転数Neとに基づき、第1参照時間差Δtb1を算出する(Δtb1=f1(Ne,Sh))。そして、第1位相補正量算出部54aは、例えば、現在のトランスミッション16(回転体R)の動作状態が慣性力を付加された状態であると仮定する場合、制振トルク算出部46で算出した制振トルクの位相に対する第1位相補正量H1を算出する。具体的には、第1位相補正量H1は、第1参照時間差Δtb1と実時間差Δtaとの差分から算出できる(H1=Δtb1-Δta)。
同様に、図8は、図6示す第2補正データを、第2参照時間差Δtb2とエンジン回転数との関係に変換した図である。図8には、一例として、遊転状態のギアDg2による慣性力が回転体Rに付加されていない場合(慣性力抜け)で、トランスミッション16の変速段(Sh)が「6th」の場合の第2参照時間差Δtb2(6)、および変速段が「5th」の第2参照時間差Δtb2(5)と、エンジン12のエンジン回転数(Ne)の関係が示されている。位相補正量算出部54に含まれる第2位相補正量算出部54bは、現在のトランスミッション16の変速段とエンジン回転数Neとに基づき、第2参照時間差Δtb2を算出する(Δtb2=f2(Ne,Sh))。そして、第2位相補正量算出部54bは、例えば、現在のトランスミッション16(回転体R)の動作状態が慣性力を付加されていない状態であると仮定する場合、制振トルク算出部46で算出した制振トルクの位相に対する第2位相補正量H2を算出する。具体的には、第2位相補正量H2は、第2参照時間差Δtb2と実時間差Δtaとの差分から算出できる(H2=Δtb2-Δta)。なお、図7、図8においては、変速段「5th」と「6th」について参照時間差を示しているが、他の変速段についても同様に参照時間差が決定され、第1補正データ、第2補正データとして記憶部等に記憶されている。
慣性力影響判定部56は、第1位相補正量算出部54aが算出した第1位相補正量H1と第2位相補正量算出部54bが算出した第2位相補正量H2との比較を行い、現在のトランスミッション16(回転体R)の状態が慣性力が付与されていると見なせる状態(慣性力あり状態)なのか慣性力が付与されていないと見なせる状態(慣性力抜け状態)なのかを判定する。具体的には、以下の関係1の場合、慣性力が回転体Rに付与されていると判定する。
|H1=Δtb1-Δta|≧|H2=Δtb2-Δta|・・・(関係1)
つまり、遊転状態のギアDg2の慣性力が回転体Rに付加された結果として生じた位相ずれに対応する位相補正量(補正時間)Δtは、Δtb1-Δta=H1となる。
一方、以下の関係2の場合、慣性力が回転体Rに付与されていないと判定する。
|H1=Δtb1-Δta|<|H2=Δtb2-Δta|・・・(関係2)
つまり、遊転状態のギアDg2の慣性力が回転体Rに付加されない結果として生じた位相ずれに46対応する位相補正量(補正時間)Δtは、Δtb2-Δta=H2となる。
図5に戻り、位相補正処理部50は、第1フィルタ処理部48から提供される実トルク指令値Tm_bpf(Tm_bpf=F(s)×Tm)を、慣性力影響判定部56の判定結果によって算出された位相補正量Δtに基づいて補正する。より具体的に、実トルク指令値Tm_bpfに対して、位相補正量Δtだけ遅らせて、モータトルク指令値Tm_rqeとする。この場合、Tm_bpf=Td×(Z-1で示すことができる。ここで、Z-1は遅延演算子であり、定数Kは、位相補正量(補正時間)Δtと、制御周期Tsampで算出することができる(K=ΔT/Tsamp)。これにより、慣性力の付加の有無に起因する位相のずれも含めてダンパトルクを相殺可能なモータトルクとしての制振トルクを算出することができる。
指令トルク決定部58は、制振トルクを出力する必要があると制振要否判定部42により判定された場合に、位相補正処理部50により位相が補正された制振トルクに基づいて、モータジェネレータ14に与えるモータトルク指令を決定する。そして、駆動制御部60は、指令トルク決定部58により決定されたモータトルク指令値Tm_reqに基づいて、モータジェネレータ14を駆動する。
図9は、横軸をエンジン12のエンジン回転数とし、縦軸をドライブシャフト26におけるトルク変動(振動)とした場合の本実施形態のシミュレーション結果の一例を示す図である。図9において、制振制御を実施しない場合のドライブシャフト26のトルク変動T0を破線で示している。また、従来制御として、慣性力あり/慣性力抜けを考慮しない状態で、ダンパトルクTdに対して逆位相の制振トルクを付与した場合のドライブシャフト26のトルク変動T1を一点鎖線で示している。そして、本実施形態のモータ制御装置10により、遊転状態のギアDg2の慣性力あり/慣性力抜けを考慮して位相ずれ補正を実行したドライブシャフト26のトルク変動T2を実線で示している。図9に示されるように、遊転状態のギアDg2の慣性力を考慮しないで制振制御を実行した場合、エンジン回転数によっては、制振制御を実行しない場合よりトルク変動が大きくなり、ドライブシャフト26の振動状態が悪化している。一方、本実施形態のモータ制御装置10により遊転状態のギアDg2の慣性力を考慮して制振制御を実行した場合、エンジン12のエンジン回転数の全領域に関して、制振制御を実行しない場合および慣性力を考慮しない制振制御を実行した場合より、ドライブシャフト26のトルク変動が低減されている。つまり、ドライブシャフト26における振動の低減が実現できている。
以上のように構成されるモータ制御装置10が実行する一連の処理の流れの例を図10に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図10のフローチャートの処理は、所定の処理周期で繰り返し実行されるものとする。
図10に示されるように、モータ制御装置10の制振要否判定部42は、制振トルクによる制振が必要か否かを判断する。前述したように、この判断は、アクセルポジションセンサ36の検出結果と、ストロークセンサ38の検出結果と、に基づいて行われる(S100)。
S100において、制振が必要だと判断された場合(S100のYes)、ダンパトルク算出部44は、クランク角センサ30の検出結果(クランク角θ1)と、モータ角センサ32の検出結果(モータ角θ2)と、ダンパ18の弾性部材のばね定数Kdとに基づき、ダンパトルクTd(Td=Kd(θ1-θ2))を算出する(S102)。
続いて、第2フィルタ処理部52は、クランク角センサ30の検出結果であるクランク角θ1およびモータ角センサ32の検出結果であるモータ角θ2にフィルタリング処理を施し、エンジン12の爆発の一次周波数に対応した振動成分を抽出する(S104)。つまり、クランク角θ1の振動成分として、θ1bpf=F(s)×θ1を抽出し、モータ角θ2の振動成分として、θ2bpf=F(s)×θ2を抽出する。
続いて、位相補正量算出部54は、クランク角θ1が所定の閾値を超えるタイミングt1と、モータ角θ2が所定の閾値を超えるタイミングt2との時間差に基づいて実時間差Δta(=t1-t2)を算出する(S106)。また、第1位相補正量算出部54aおよび第2位相補正量算出部54bは、トランスミッション16の変速段(Sh)とエンジン12のエンジン回転数(Ne)に基づき、第1参照時間差Δtb1および第2参照時間差Δtb2を算出する(S108)。この場合、第1位相補正量算出部54aは、例えば、現在のトランスミッション16(回転体R)の動作状態が慣性力を付加された状態であると仮定する場合、制振トルク算出部46で算出した制振トルクに対する第1位相補正量H1を算出する(H1=Δtb1-Δta)。また、第2位相補正量算出部54bは、例えば、現在のトランスミッション16(回転体R)の動作状態が慣性力を付加されていない状態であると仮定する場合、制振トルク算出部46で算出した制振トルクに対する第2位相補正量H2を算出する(H2=Δtb2-Δta)。
そして、慣性力影響判定部56は、第1位相補正量算出部54aが算出した第1位相補正量H1と第2位相補正量算出部54bが算出した第2位相補正量H2との比較を行う。慣性力影響判定部56は、現在のトランスミッション16(回転体R)の状態が慣性力が付与された「慣性力あり」と見なせる状態なのか慣性力が付与されていない「慣性力抜け」と見なせる状態なのかを判定するとともに、判定結果に基づき、位相補正量(補正時間)Δtを算出する(S110)。
一方、制振トルク算出部46は、ダンパトルク算出部44で算出したダンパトルクTdと所定のダンパトルクゲインGdとの乗算により、制振トルクTm(=-Td×Gd)を算出する(S112)。
続いて、第1フィルタ処理部48は、エンジン12のエンジン回転数Neと、エンジン12の気筒数n、エンジン12のサイクル数cに基づき、エンジン12の脈動周波数fe(=Ne×n/60×c)を算出する(S114)。また、第1フィルタ処理部48は、現在のエンジン12のエンジン回転数Neに応じた脈動周波数feを通過帯域とするバンドパスフィルタF(s)を算出する(S116)。そして、第1フィルタ処理部48は、算出したバンドパスフィルタF(s)を制振トルク算出部46で算出した制振トルクTmに適用するモータトルク指令フィルタ処理を実行する(S118)。つまり、モータジェネレータ14の性能や目標制振性能によって決定される上下限処理を実行し、モータジェネレータ14に適した実トルク指令値Tm_bpf(Tm_bpf=F(s)×Tm)を決定する。
次に、位相補正処理部50は、第1フィルタ処理部48から提供される実トルク指令値Tm_bpf(Tm_bpf=F(s)×Tm)を、S110において慣性力影響判定部56の判定結果として算出された位相補正量(補正時間)Δtに基づいて補正する。そして、位相補正処理部50は、実トルク指令値Tm_bpfに対して、位相補正量Δtだけ遅らせて、モータトルク指令値Tm_rqe(=Td×(Z-1)を決定する(S120)。
指令トルク決定部58は、モータトルク指令値Tm_reqにしたがう制御信号を決定する。そして、駆動制御部60は、モータジェネレータ14に制御信号を出力し(S122)、モータジェネレータ14もよる制振制御を実行する。そして、モータ制御装置10は、このフローを一旦終了し、次の制御周期で、S100からの処理を繰り返し実行する。その結果、図9に実線で示すように、ドライブシャフト26のトルク変動T2を低減することができる。
なお、S100において、制振が不必要だと判断された場合(S100のNo)、例えば、ドライバが操作するアクセルペダルが踏み込まれていない場合やクラッチペダルが踏み込まれ、クラッチ20が遮断状態になっている場合である。この場合、指令トルク決定部58は、モータトルクをゼロにするモータトルク指令値Tm_reqを決定する(S124)。そして、S122に移行し、駆動制御部60は、モータトルクをゼロにする、モータトルク指令値Tm_reqにしたがう制御信号をモータジェネレータ14に出力して、このフローを一旦終了する。
なお、図1に示す駆動システム100のブロック図、図3に示すモータ制御装置10が有する機能モジュール群、図10に示すフローチャートは、一例であり、同様の機能を実現できればよく、適宜変更可能であり、同様の効果を得ることができる。
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、上述した実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とに含まれる。
10…モータ制御装置、12…エンジン、14…モータジェネレータ、16…トランスミッション、18…ダンパ、20…クラッチ、22…クランクシャフト、24…モータシャフト、26…ドライブシャフト、28…トランスミッションシャフト、30…クランク角センサ、32…モータ角センサ、36…アクセルポジションセンサ、38…ストロークセンサ、40…シフトポジションセンサ、42…制振要否判定部、44…ダンパトルク算出部、46…制振トルク算出部、48…第1フィルタ処理部、50…位相補正処理部、52…第2フィルタ処理部、54…位相補正量算出部、54a…第1位相補正量算出部、54b…第2位相補正量算出部、56…慣性力影響判定部、58…指令トルク決定部、60…駆動制御部、62…エンジン回転数取得部、100…駆動システム。

Claims (5)

  1. 動力源としてのエンジンおよびモータジェネレータと、前記エンジンのクランクシャフトのエンジントルクおよび前記モータジェネレータのモータシャフトのモータトルクのうち少なくとも一方に基づく駆動トルクを選択された変速比で車輪側に接続されたドライブシャフトに伝達するトランスミッションと、前記エンジンと前記トランスミッションとの間に設けられて前記クランクシャフトの振動を弾性部材によって低減するダンパと、を備えた車両のモータ制御装置であって、
    前記クランクシャフトの回転角度としてのクランク角と前記モータシャフトの回転角度としてのモータ角との差分に基づいて、前記エンジントルクの変動に応じて前記ダンパが発生させるダンパトルクを算出するダンパトルク算出部と、
    前記ダンパトルクに基づいて、前記ダンパトルクに応じて発生する振動を制振するために前記ダンパトルクと逆位相の制振トルクを算出する制振トルク算出部と、
    前記トランスミッションに含まれ複数のギアのうち駆動トルクを伝達しない遊転状態のギアの慣性力が前記トランスミッション内で駆動トルクを伝達している回転体に付加されているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づき、前記制振トルクの位相を補正する位相補正部と、
    位相が補正された前記制振トルクに基づいて、前記モータジェネレータに与えるモータトルク指令値を出力するモータトルク指令出力部と、
    を備える、モータ制御装置。
  2. 前記判定部は、前記クランクシャフトが回転する場合の前記クランク角が所定閾値を超えるタイミングと前記モータジェネレータが回転する場合の前記モータ角が前記所定閾値を超えるタイミングとで定まる実時間差と、前記慣性力が前記回転体に付加されているか否かによって定まる参照時間差と、の比較結果に基づき、前記慣性力が前記回転体に付加されているか否かを判定する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記判定部は、前記遊転状態のギアの慣性力が前記回転体に付加される場合の位相補正値を決定する第1補正データと、前記遊転状態のギアの慣性力が前記回転体に付加されない場合の位相補正値を決定する第2補正データと、備える、請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記第1補正データと前記第2補正データとは、前記トランスミッションの変速段と前記エンジンの回転数とに応じて定められている、請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記モータトルク指令出力部は、前記エンジンと前記トランスミッションとの間に設けられるクラッチが、前記クランクシャフトと前記トランスミッションのトランスミッションシャフトとを接続する接続状態になっている場合に、前記モータトルク指令値を出力し、前記クラッチが前記クランクシャフトと前記トランスミッションシャフトとの接続を遮断する遮断状態になっている場合に、または、前記クラッチが接続状態になっている場合で前記車両を加速させる加速操作が行われていない場合に、前記モータトルクをゼロにする前記モータトルク指令値を出力する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
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