JP7200568B2 - ボールねじ - Google Patents

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Description

この発明は、ねじ軸またはナットの一方を回転させて他方を軸方向に移動させるボールねじに関する。
ボールねじは、モーターなどの回転運動を直線運動に変換する(または、直線運動を回転運動に変換する)機械要素であり、工作機械等の送り機構機械装置等に用いられている。そのようなボールねじには高い位置決め精度や剛性が要求される。
ボールねじの動作位置決め精度や剛性を維持する為にはボールねじの温度を管理する必要がある。特に、ボールねじのねじ軸はナットの移動範囲を中心に温度が上昇するため、軸方向の温度分布が不均一になると、熱膨張も不均一となり、位置決め精度や剛性が低下する恐れがある。
そのため、ねじ軸の軸方向の温度分布が均一になるように温度を調整することが求められる。これに対する手段として、ねじ軸にヒートパイプ等の高熱伝導性部材を設けた発明が開示されている。
例えば特許文献1に記載の技術では、ねじ軸に軸方向に沿った貫通孔を形成し、その貫通孔にヒートパイプを挿着している。また、貫通孔の両端は栓体で閉塞している。ヒートパイプの両端は栓体と接触している。
特開昭62-173143号公報
ヒートパイプの両端が栓体と接触していると、ヒートパイプの軸方向への熱膨張が妨げられ、ヒートパイプが破損する可能性がある。これにより、ボールねじの寿命が低下する可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、寿命の低下を抑制することができるボールねじを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るボールねじは、外周面にねじ溝が形成され、軸方向に貫通孔が形成されたねじ軸と、前記ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝が内周面に形成され、複数のボールを介して前記ねじ軸に螺合されるナットと、前記ねじ軸よりも熱伝導率が高く、前記軸方向に膨張可能に前記貫通孔内に配置される熱伝導部材と、を備える。
これによれば、熱伝導部材はねじ軸の軸方向に熱を移動させることができ、ねじ軸の温度分布を均一化することができる。また、熱伝導部材が軸方向に熱膨張しても、その体積増加分は、熱伝導部材が軸方向に膨張可能に配置されていることによって吸収される。これにより、熱伝導部材が破損する可能性を低減することができるので、ボールねじの寿命が低下することを抑制することができる。
本発明の一態様に係るボールねじは、外周面にねじ溝が形成され、軸方向に貫通孔が形成されたねじ軸と、前記ねじ軸に嵌められるナットと、前記ねじ軸と前記ナットとの間に配置される複数のボールと、前記ねじ軸よりも熱伝導率が高く、前記貫通孔内に配置される熱伝導部材と、前記貫通孔内に配置され、前記貫通孔の両開口端の少なくとも何れか一方と前記熱伝導部材との間に位置する弾性部材と、を備える。
これによれば、熱伝導部材はねじ軸の軸方向に熱を移動させることができ、ねじ軸の温度分布を均一化することができる。また、熱伝導部材が軸方向に熱膨張しても、その体積増加分は、弾性部材が弾性収縮することによって吸収される。これにより、熱伝導部材が破損する可能性を低減することができるので、ボールねじの寿命が低下することを抑制することができる。
また、上記のボールねじは、前記孔の開口端と前記弾性部材との間に配置され、前記ねじ軸に固定される固定部材、をさらに備えてもよい。これによれば、弾性部材と固定部材とが、熱伝導部材の端部を支持する支持部材として機能する。支持部材は、ねじ軸に対して熱伝導部材が相対的に移動したり回転したりしないように、熱伝導部材を支持することができる。
また、上記のボールねじにおいて、前記熱伝導部材はヒートパイプであってもよい。これによれば、熱伝導部材はねじ軸の軸方向に熱を効率よく移動させることができる。
また、上記のボールねじは、前記貫通孔の内周面と前記熱伝導部材とに接する熱伝導性材料、をさらに備えてもよい。これによれば、貫通孔の内周面と熱伝導部材との間に、熱伝導性材料を介した熱伝導パス(すなわち、熱が伝わる経路)が確保される。貫通孔の内周面と熱伝導部材との間の隙間を熱伝導性材料で埋めることができるので、ねじ軸1から熱伝導部材への熱伝導性を高めることができる。
また、上記のボールねじにおいて、前記ねじ軸は、前記外周面に前記ねじ溝が形成された第1部位と、前記外周面に前記ねじ溝が形成されていない第2部位と、を有し、前記ヒートパイプは、前記第1部位に位置する前記貫通孔内に配置されてもよい。なお、前記弾性部材は、前記第2部位に位置する前記貫通孔内に配置されてもよい。これによれば、熱伝導部材は、熱源の移動範囲である第1部位に設けられるため、ねじ軸の温度分布を効率的に均一化することができる。
また、上記のボールねじは、前記貫通孔内に配置される断熱材、をさらに備え、前記熱伝導部材は、前記軸方向に沿って互いに離間して配置される複数の熱伝導部材を有し、前記複数の熱伝導部材間に前記断熱材が配置されてもよい。これによれば、複数の熱伝導部材の一方から他方への熱伝導が抑制される。
また、上記のボールねじにおいて、前記ナットは、前記軸方向に沿って互いに離間して配置される複数のナットを有してもよい。これによれば、ナットを複数備えるボールねじを提供することができる。
また、上記のボールねじにおいて、前記ねじ軸よりも熱伝導率が高い熱伝導部材が、前記軸方向に沿って前記ナット内に1以上配置されてもよい。この熱伝導部材は、ねじ軸内に配置される熱伝導部材と同様のものでも異なるものであってもよい。
本発明の別の態様に係るボールねじは、外周面にねじ溝が形成され、軸方向に貫通孔が形成されたねじ軸と、前記ねじ軸に嵌められるナットと、前記ねじ軸と前記ナットとの間に配置される複数のボールと、前記ねじ軸よりも熱伝導率が高く、前記貫通孔の両開口端の少なくとも何れか一方から離間させて前記貫通孔内に配置される熱伝導部材と、を備えてもよい。この「離間させて」とは、例えば、前記貫通孔の開口端と前記熱伝導部材との間にスペースが存在してもよい。これによれば、熱膨張による熱伝導部材の軸方向への体積増加分は、スペースによって吸収される。これにより、熱伝導部材が破損する可能性を低減することができるので、ボールねじの寿命が低下することを抑制することができる。
本発明によれば、寿命の低下を抑制することができるボールねじを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係るボールねじの構成例を示す正面図である。 図2は、本発明の実施形態1に係るボールねじの構成例を示す断面図である。 図3は、図1に示すねじ軸1をX-Z平面で切断した断面を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の実施形態1に係るボールねじの軸方向の端部を拡大して示す断面図である。 図5は、本発明の実施形態1の変形例に係るボールねじにおけるねじ軸1をX-Z平面で切断した断面を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の実施形態2に係るボールねじの構成例を示す正面図である。 図7は、本発明の実施形態2に係るボールねじの構成例を示す断面図である。 図8は、本発明の実施形態2の変形例に係るボールねじにおけるねじ軸1をX-Z平面で切断した断面を模式的に示す断面図である。 図9は、本発明の実施形態3に係るボールねじの構成例を示す正面図である。 図10は、本発明の実施形態4に係るボールねじの構成例を示す断面図である。 図11は、本発明の実施形態5に係るボールねじの構成例を示す断面図である。 図12は、本発明の実施形態6に係るボールねじの構成例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は、実施形態に限定されるものではない。実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよい。また、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合がある。図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる場合がある。
また、以下の説明では、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の文言を用いて、方向を説明する場合がある。例えば、X軸方向は、ねじ軸の軸方向である。Y軸方向及びZ軸方向は、軸方向と直交する方向である。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るボールねじの構成例を示す正面図である。図2及び図3は、本発明の実施形態1に係るボールねじの構成例を示す断面図である。図2は、図1に示すねじ軸1のねじ溝形成部11をY-Z平面で切断した断面を模式的に示している。Y-Z平面は、Y軸方向及びZ軸方向に平行な面である。図3は、図1に示すねじ軸1をX-Z平面で切断した断面を模式的に示している。X-Z平面は、X軸方向及びZ軸方向に平行な面である。なお、図2及び図3では、ナット2の図示を省略している。
図1から図3に示すように、実施形態1に係るボールねじ100は、ねじ軸1と、ねじ軸1に嵌められたナット2と、ねじ軸1とナット2との間に配置された複数のボール23と、ヒートパイプ3と、弾性部材51、52と、固定部材61、62とを有する。ねじ軸1には、ねじ軸1を軸方向(X軸方向)に貫通する貫通孔15が設けられている。貫通孔15は、ねじ軸1の軸方向における一方の端部1E1と、他方の端部1E2との間に設けられている。ヒートパイプ3と、弾性部材51、52と、固定部材61、62は、ねじ軸1に設けられた貫通孔15内に配置されている。
ねじ軸1は、ねじ溝形成部11と、ねじ溝形成部11の両端に位置する軸受支持部12、13と、を有する。ねじ溝形成部11と、軸受支持部12、13はそれぞれ同軸に設けられている。ねじ溝形成部11の外周面11aには、螺旋状のねじ溝14が設けられている。軸受支持部12、13の外周面12a、13aには、ねじ溝14は形成されていない。ねじ軸1を構成する材料は、例えば鋼材である。鋼材は、炭素を含む鉄の合金である。鋼材は、ニッケル、クロム、マンガンなど、炭素以外の金属を含んでいてもよい。
ナット2の内周面には、ねじ軸1のねじ溝14に対向する螺旋状のねじ溝21が設けられている。ナット2の内周部の両端とねじ軸1との間は防塵用のシール25で塞がれている。ナット2の一端部には円環状のフランジ22が設けられている。また、ナット2の肉厚部には、軸方向(例えば、X軸方向)に沿ってボール戻し通路24が設けられている。ナット2の両端には、ボール戻し通路24の両端部に連通する一対のエンドデフレクタ26がそれぞれ嵌め込まれている。ナット2は、複数のボール23を介して、ねじ軸1のねじ溝形成部11に螺合している。
複数のボール23は、対向するねじ溝14、21で形成される転動路とボール戻し通路24とからなる循環経路内に配置される。転動路を転動するボール23は、ナット2の転動路の一端まで移動した後に、一方のエンドデフレクタ26に掬い上げられ、ボール戻し通路24を通って反対側の端部に移動し、他方のエンドデフレクタ26から再び転動路に戻る。ねじ軸1とナット2は、循環経路を循環しつつ転動路内で転動(負荷状態で回転しながら移動)する複数のボール23を介して、相対的に移動するようになっている。ねじ軸1に対するナット2の移動可能な範囲は、ねじ溝形成部11内である。
図2及び図3に示すように、貫通孔15は、ねじ溝形成部11と、軸受支持部12、13とに連続して設けられている。例えば、貫通孔15の中心軸は、ねじ軸1の中心軸CLと一致している。貫通孔15の一端はねじ軸1の端部1E1で開口し、貫通孔15の他端はねじ軸1の端部1E2で開口している。貫通孔15が有する一方の開口端15E1は、ねじ軸1の一方の端部1E1に位置する。貫通孔15が有する他方の開口端15E2は、ねじ軸1の他方の端部1E2に位置する。
また、貫通孔15内に、ヒートパイプ3が配置されている。ヒートパイプ3は、ねじ軸1の内部の熱を移動するための熱伝導部材である。実施形態1では、ねじ溝形成部11にヒートパイプ3が挿着されている。
ヒートパイプ3は、軸方向の両端が閉じられた金属製のパイプ(以下、金属パイプ)31と、金属パイプ31の内部に密封された少量の液体32と、を有する。金属パイプ31は、その内壁に毛細管構造を有する。金属パイプ31の内部は真空となっている。金属パイプ31を構成する材料は、例えば銅又はアルミニウムである。銅又はアルミニウムは、鋼材と比べて、熱伝導性に優れる。ヒートパイプ3の熱伝導率は、ねじ軸1の熱伝導率(例えば、ねじ軸1を構成する鋼材の熱伝導率)よりも大きい。また、液体32は、例えば水である。
金属パイプ31に高温部が生じると、高温部の内壁と接する液体32は熱を吸収して蒸発する。蒸発した液体32(以下、蒸気)は、高温部から、高温部よりも温度が低い低温部へ移動する。低温部へ移動した蒸気は、低温部の内壁に接触して熱を放出し、液化する。低温部で液化した液体32は、毛細管現象により高温部へ戻る。このように、金属パイプ31の内部に真空状態で密封された液体32は、蒸発と液化を繰り返して、高温部から低温部へと熱を移動させる。ヒートパイプ3は、液体32の潜熱を利用するため、熱伝導率がとても高い。
図2に示すように、ねじ軸1をY-Z平面で切断した断面視において、ねじ軸1に設けられている貫通孔15の内周面の形状と、ヒートパイプ3の外周面3aの形状は、例えば円形である。また、図2及び図3に示すように、貫通孔15の内周面と、ヒートパイプ3の外周面3aとの間には、僅かに隙間が設けられている。隙間の間隔は、例えば0.05mm以上2mm以下である。この隙間にペースト状の熱伝導性材料4が設けられている。貫通孔15の内周面と熱伝導性材料4は接している。ヒートパイプ3の外周面3aと熱伝導性材料4も接している。貫通孔15の内周面とヒートパイプ3の外周面3aとの間の隙間は、熱伝導性材料4で埋められている。熱伝導性材料4の熱伝導率は、ねじ軸1を構成する鋼材の熱伝導率よりも大きい。熱伝導性材料4は、例えば熱伝導性グリースである。
また、図3に示すように、弾性部材51、52は、貫通孔15内にそれぞれ配置されている。ねじ軸1の軸方向において、弾性部材51、52は、貫通孔15の両開口端15E1、15E2の少なくとも何れか一方とヒートパイプ3との間に配置され、ヒートパイプ3の両側にそれぞれ配置されていることが好ましい。例えば、弾性部材51は、軸受支持部12に挿着されている。弾性部材51は、貫通孔15内に配置されており、貫通孔15の開口端15E1とヒートパイプ3との間に位置する。弾性部材52は、軸受支持部13に挿着されている。弾性部材52は、貫通孔15内に配置されており、貫通孔15の開口端15E2とヒートパイプ3との間に位置する。
弾性部材51、52は、ヒートパイプ3が有する金属パイプ31や、固定部材61、62よりも弾性率が低い材料で構成されている。例えば、弾性部材51、52は、ゴム、樹脂材又はばねなど、弾性変形する材料又は部品で構成されている。弾性部材51、52は、金属パイプ31や固定部材61、62と比べて、外力が加えられると容易に変形する。
固定部材61、62は、貫通孔15内に配置されている。固定部材61は、貫通孔15の開口端15E1と弾性部材51との間に位置する。固定部材61は、貫通孔15の内周面に固定されている。固定部材61は、貫通孔15の開口端15E1側を塞いでいる。同様に、固定部材62は、貫通孔15の開口端15E2と弾性部材52との間に位置する。固定部材62は、貫通孔15の内周面に固定されている。固定部材62は、貫通孔15の開口端15E2側を塞いている。固定部材61、62は、例えば、金属又は樹脂材で構成されている。
弾性部材51、52と固定部材61、62は、ヒートパイプ3の端部311、312を支える支持部材として機能する。例えば、固定部材61と弾性部材51は接しており、ヒートパイプ3の一端を膨張可能に支持している。固定部材62と弾性部材52は接しており、ヒートパイプ3の他端を膨張可能に支持している。
図4は、本発明の実施形態1に係るボールねじの軸方向の端部を拡大して示す断面図である。図4に示すように、弾性部材51には、貫通孔511が設けられている。弾性部材51の貫通孔511の中心軸は、ねじ軸1の中心軸CLと一致している。図4に示すように、ヒートパイプ3の一方の端部311は、先端に向かって径が徐々に小さくなる形状を有し、端部311の少なくとも一部を貫通孔511内に差し込むことが可能となっている。同様に、弾性部材52(図3参照)にも、貫通孔が設けられている。弾性部材52の貫通孔の中心軸も、ねじ軸1の中心軸CLと一致している。ヒートパイプ3の他方の端部も、先端に向かって径が徐々に小さくなる形状を有し、他方の端部の少なくとも一部を弾性部材52の貫通孔内に差し込むことが可能となっている。これにより、弾性部材51、52は、ヒートパイプ3の中心軸をねじ軸1の中心軸CLに一致させること(すなわち、芯出しすること)が可能となっている。
以上説明したように、本発明の実施形態1に係るボールねじ100は、外周面11aにねじ溝14が設けられ、軸方向に貫通孔15が形成されたねじ軸1と、ねじ軸1に嵌められるナット2と、ねじ軸1とナット2との間に配置される複数のボール23と、を備える。また、ボールねじ100は、ねじ軸1よりも熱伝導率が高く、貫通孔15内に配置される熱伝導部材(例えば、ヒートパイプ3)と、貫通孔15内に配置され、貫通孔15の開口端15E1、15E2とヒートパイプ3との間に位置する弾性部材51、52と、を備える。
これによれば、ねじ軸1の軸方向に沿ってヒートパイプ3が配置されるので、ねじ軸1の熱伝導性能が向上する。例えば、ねじ軸1に対してナット2が回転し、ねじ溝形成部11の温度が部分的に上昇する場合でも、ヒートパイプ3はねじ軸1の軸方向に熱を移動させることができ、ねじ軸1の温度分布を均一化することができる。これにより、ねじ軸1に対するナット2の位置決め精度の低下を抑制することができる。
また、ヒートパイプ3が配置される貫通孔15の開口端15E1、15E2と、ヒートパイプ3との間に弾性部材51、52がそれぞれ位置する。これにより、ヒートパイプ3が軸方向に熱膨張して弾性部材51、52を押圧しても、弾性部材51、52は弾性収縮することができる。熱膨張によるヒートパイプ3の軸方向への体積増加分は、弾性部材51、52が弾性収縮することによって吸収される。これにより、ヒートパイプ3が破損する可能性を低減することができる。
例えば、ねじ軸1は鋼材で構成され、ヒートパイプ3は銅又はアルミニウムなどで構成されるため、ねじ軸1とヒートパイプ3とでは熱膨張量が異なる。また、この熱膨張は、径方向よりも軸方向の方が大きい。ねじ軸1よりもヒートパイプ3の方が熱膨張量は大きいが、熱膨張によるヒートパイプ3の軸方向への体積増加分は弾性部材51、52が弾性収縮することによって吸収される。これにより、ヒートパイプ3が破損する可能性を低減することができる。
また、ボールねじ100は、貫通孔15の開口端15E1、15E2と弾性部材51、52との間に配置され、ねじ軸1に固定される固定部材61、62、をさらに備える。これによれば、弾性部材51と固定部材61とが、ヒートパイプ3の一方の端部を支持する支持部材として機能する。また、弾性部材52と固定部材62とが、ヒートパイプ3の他方の端部を支持する支持部材として機能する。支持部材は、ねじ軸1に対してヒートパイプ3が相対的に移動したり回転したりしないように、ヒートパイプ3を支持することができる。
また、ボールねじ100は、貫通孔15の内周面とヒートパイプ3とに接する熱伝導性材料4、をさらに備える。これによれば、貫通孔15の内周面とヒートパイプ3との間の隙間を熱伝導性材料4で埋めることができる。貫通孔15の内周面とヒートパイプ3との間に隙間(例えば、空気の層)が存在すると、ねじ軸1からヒートパイプ3への熱伝導性が低下する可能性がある。しかしながら、ボールねじ100では、貫通孔15の内周面とヒートパイプ3との間に熱伝導性材料4が存在し、熱伝導性材料4を介した熱伝導パス(すなわち、熱が伝わる経路)が確保される。これにより、ねじ軸1からヒートパイプ3への熱伝導性を高めることができ、ねじ軸1の温度分布をさらに均一化することができる。
また、ねじ軸1は、外周面11aにねじ溝14が形成された第1部位(例えば、ねじ溝形成部11)と、外周面12a、13aにねじ溝が形成されていない第2部位(例えば、軸受支持部12、13)と、を有する。ヒートパイプ3は、ねじ溝形成部11に位置する貫通孔15内に配置されている。弾性部材51、52及び固定部材61、62は、軸受支持部12、13に位置する貫通孔15内に配置される。
これによれば、ナット2は、ねじ溝形成部11において、ねじ軸1に対して相対的に回転しながら軸方向に移動する。ナット2とねじ溝形成部11との接触箇所が熱源となり、ねじ溝形成部11は熱源の移動範囲となる。ヒートパイプ3は、熱源の移動範囲であるねじ溝形成部11に設けられるため、ねじ軸1の温度分布を効率的に均一化することができる。
また、軸受支持部12、13にヒートパイプ3が配置される場合と比べて、弾性部材51、52が配置される領域を軸方向に広く確保することが容易となる。これにより、弾性部材51、52を軸方向に長く配置することができるので、ヒートパイプ3が破損する可能性をさらに低減することができる。
(実施形態1の変形例)
上記の実施形態1の変形例として、径がほぼ一様のヒートパイプに対して、貫通孔15が異なる径からなるようにしてもよい。貫通孔15の形状並びにこれに伴う熱伝導性材料4の態様及び弾性部材の形状以外は、上記の実施形態1と同じである。
図5は、本発明の実施形態1の変形例に係るボールねじにおけるねじ軸1をX-Z平面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、実施形態1の変形例に係るボールねじ100Xにおいて、貫通孔15は、軸方向に一様の径をなす小径貫通孔部15A及び小径貫通孔部15Aよりも拡径されて軸方向に一様の径をなす大径貫通孔部15Bを有する。小径貫通孔部15Aは、例えば、実施形態1の貫通孔部15と同様の径である。なお、ヒートパイプ3の径は全体に亘ってほぼ一様の径である。また、小径貫通孔部15Aの内周面とヒートパイプ3との間に介在する熱伝導性材料4と、大径貫通孔部15Bの内周面とヒートパイプ3との間に介在する熱伝導性材料4とのそれぞれにおける厚さは異なる。熱伝導性材料4は、これらの厚さの差によって熱伝導性が著しく損なわれない程度に選定されることが好ましい。また、大径貫通孔部15Bに設けられる弾性部材51の径も、大径貫通孔部15Bの径に応じて設定される。このような構成とすることによって、ねじ軸1に対する貫通孔15の形成を簡易にすることができる。例えば、軸方向に長いねじ軸1に貫通孔15を両端部から穿孔する場合、貫通した際の位置合わせに高い精度が求められる。これは、貫通孔15の径が細ければ細いほど顕著である。そのため、貫通孔15を両端における径の異なる小径貫通孔部15A及び大径貫通孔部15Bとを有するようにすることで、効率よく貫通孔15を形成することができる。
(実施形態2)
上記の実施形態1では、貫通孔15内に1本のヒートパイプ3が配置されることを説明した。しかしながら、本発明の実施形態はこれに限定されない。本発明の実施形態では、貫通孔15内にヒートパイプが2本以上配置されてもよい。また、貫通孔15内にヒートパイプが2本以上配置される場合は、隣り合う一方のヒートパイプと他方のヒートパイプとの間に断熱材が配置されてもよい。
図6は、本発明の実施形態2に係るボールねじの構成例を示す正面図である。図7は、本発明の実施形態2に係るボールねじの構成例を示す断面図である。なお、図7では、ナット2の図示を省略している。
図6に示すように、実施形態2に係るボールねじ100Aにおいて、ねじ溝形成部11は、第1ねじ溝形成部11Aと、第2ねじ溝形成部11Bとを有する。図7に示すように、第1ねじ溝形成部11Aには、第1熱伝導部材(例えば、第1ヒートパイプ3A)が挿着されている。第2ねじ溝形成部11Bには、第2熱伝導部材(例えば、第2ヒートパイプ3B)が挿着されている。ねじ軸1の軸方向において、第1ヒートパイプ3Aと第2ヒートパイプ3Bは互いに離して配置されている。第1ヒートパイプ3A、第2ヒートパイプ3Bの各構成は、上述のヒートパイプ3(例えば、図2参照)の構成と同じである。
また、第1ヒートパイプ3Aと第2ヒートパイプ3Bとの間には、断熱材7が配置されている。これにより、第1ヒートパイプ3A及び第2ヒートパイプ3Bの一方から他方への熱伝導が抑制されている。
実施形態2に係るボールねじ100Aによれば、ねじ軸1の温度分布を効率的に均一化することができる。例えば、ボールねじ100Aの運転パターンによっては、ナット2が複数の領域で頻繁にストローク(すなわち、軸方向に往復移動)する場合がある。一例を挙げると、図6に示すように、ナット2が、ねじ溝形成部11の第1領域SR1と第2領域SR2とで頻繁にストロークする場合がある。ナット2が特定の領域で頻繁にストロークすると、ねじ軸1とボール23(図1参照)との摩擦により熱が発生し、特定の領域が熱源となる。図6に示す例では、第1領域SR1と第2領域SR2の2箇所が熱源となる。ボールねじ100Aの運転パターンによっては、一定の時間内で、熱源が2箇所発生しているものと見なせる場合がある。
このような場合は、第1領域SR1に第1ヒートパイプ3Aが配置され、第2領域SR2に第2ヒートパイプ3Bが配置されてもよい。これにより、第1領域SR1で発生した熱は第1ヒートパイプ3Aによって放熱され、第2領域SR2で発生した熱は第2ヒートパイプ3Bによって放熱される。第1領域SR1と第2領域SR2とに1本のヒートパイプが配置される場合と比べて、ヒートパイプの高温部と低温部とが入れ替わる頻度を少なくすることができ、熱を吸収した蒸気の移動方向が逆転する頻度を少なくすることができる。これにより、ねじ軸1の温度分布を効率的に均一化することができる。
また、ボールねじに外部荷重が負荷されると外部荷重が与えられた部分では発熱が大きくなる。外部荷重が複数箇所で与えられる場合、外部荷重が与えられる範囲ごとにヒートパイプを設けてもよい。例えば、第1領域SR1と第2領域SR2とに外部荷重が与えられることが想定される場合、第1領域SR1に第1ヒートパイプ3Aが配置され、第2領域SR2に第2ヒートパイプ3Bが配置されてもよい。これにより、上記の場合と同様に、ねじ軸1の温度分布を効率的に均一化することができる。
(実施形態2の変形例)
上記の実施形態2の変形例として、第1熱伝導部材及び第2熱伝導部材を、径が異なるヒートパイプとしてもよい。なお、貫通孔15は、その径を、第1熱伝導部材、第2熱伝導部材の内、太い方に合わせた径として軸方向に亘って一様に形成しても、上記の実施形態1のように径を異ならせた複数の貫通孔15からなるようにしてもよい。すなわち、少なくとも熱伝導部材3の形状、並びにこれに伴う貫通孔15の形状、熱伝導性材料4の態様、及び弾性部材の形状以外は、上記の実施形態2と同じである。
図8は、本発明の実施形態2の変形例に係るボールねじにおけるねじ軸1をX-Z平面で切断した断面を模式的に示す断面図である。なお、図8では、複数のヒートパイプのそれぞれの径及び貫通孔の部分的な径が異なる態様を示す。
図8に示すように、実施形態2の変形例に係るボールねじ100Yにおいて、熱伝導部材は、第1熱伝導部材(例えば、第1ヒートパイプ3A)と、これよりも小径とされた第2熱伝導部材(例えば、第2ヒートパイプ3B)とを有する。また、貫通孔15は、第1ヒートパイプ3Aを収容し、軸方向に一様の径をなす大径貫通孔部15Aと、第2ヒートパイプ3Bを収容し、大径貫通孔部15Aよりも縮径されて軸方向に一様の径をなす小径貫通孔部15Bを有する。第1ヒートパイプ3Aと第2ヒートパイプ3Bとの間には、実施形態2と同様に断熱材7が配置されている。第2ヒートパイプ3Bは、例えば、実施形態2の第1ヒートパイプ3A(第2ヒートパイプ3B)と同様の径である。なお、大径貫通孔部15Aの内周面と第1ヒートパイプ3Aとの間に介在する熱伝導性材料4と、小径貫通孔部15Bの内周面と第2ヒートパイプ3Bとの間に介在する熱伝導性材料4とのそれぞれにおける厚さは異なっていても同様でもよい。熱伝導性材料4は、これらの厚さの差によって熱伝導性が著しく損なわれない程度に選定されることが好ましい。また、大径貫通孔部15Aに設けられる弾性部材51の径も、大径貫通孔部15Aの径に応じて設定される。このような構成とすることによって、大径のヒートパイプにおける熱伝導性を高めることができ、ナットの移動範囲や個数などに応じて部分的に高い熱伝導性が求められるようなボールねじに適用することができる。
(実施形態3)
上述の実施形態1では、ボールねじが1個のナット2を備えることを説明した。しかしながら、本発明の実施形態はこれに限定されない。本発明の実施形態において、ナット2が2個以上あってもよい。
図9は、本発明の実施形態3に係るボールねじの構成例を示す正面図である。図9に示すように、実施形態3に係るボールねじ100Bは、2個のナット2A、2Bを備える。2個のナット2A、2Bの各構成は、上述のナット2(例えば、図1参照)の構成と同じである。
このような構成であれば、ボールねじ100Bとして、左右ボールねじ、リード差ボールねじ、又はスプライン付きボールねじを実現することができる。左右ボールねじとは、右ねじと左ねじとが1本のねじ軸に形成されたボールねじである。リード差ねじとは、1本のねじ軸にリードの異なるねじ溝が直列に形成されたボールねじである。リードとは、ねじ軸に対してナットが相対的に1回転したときに、ねじ軸に対してナットが軸方向に移動する距離のことである。スプライン付きボールねじとは、ねじ軸にスプライン溝を設け、その溝を走行するスプラインナットを組み合わせたボールねじのことである。
また、実施形態3では、ナットの数に応じて熱源が複数箇所発生する。このため、実施形態3においても各ナットがストロークする範囲ごとにヒートパイプを設けてもよい。例えば図9に示すように、ナット2Aがストロークする第1ねじ溝形成部11Aに第1ヒートパイプ3A(図7参照)が配置され、ナット2Bがストロークする第2ねじ溝形成部11Bに第2ヒートパイプ3Bを配置されてもよい。
これによれば、ねじ軸1に対してナット2Aが相対的に回転することによって発生した熱は第1ヒートパイプ3Aによって放熱される。ねじ軸1に対してナット2Bが相対的に回転することによって発生した熱は、第2ヒートパイプ3Bによって放熱される。これにより、実施形態2と同様に、ねじ軸1の温度分布を効率的に均一化することができる。
(実施形態4)
上述の実施形態1では、ねじ軸1のねじ溝形成部11にヒートパイプが配置されることを説明した。しかしながら、本発明の実施形態はこれに限定されない。本発明の実施形態では、ねじ溝形成部11だけでなく、軸受支持部12、13の少なくとも一方にもヒートパイプが配置されていてもよい。
図10は、本発明の実施形態4に係るボールねじの構成例を示す断面図である。図10に示すように、実施形態4に係るボールねじ100Cにおいて、ねじ溝形成部11には、第1ヒートパイプ3Aが挿着されている。軸受支持部13には、第2ヒートパイプ3Bが挿着されている。また、第1ヒートパイプ3Aと第2ヒートパイプ3Bとの間には、断熱材7が配置されている。これにより、第1ヒートパイプ3A及び第2ヒートパイプ3Bの一方から他方への熱伝導が抑制されている。
実施形態4に係るボールねじ100Cによれば、第2ヒートパイプ3Bは、軸受支持部13がもつ熱を放熱することができる。例えば、軸受支持部13には、図示しない軸受の内輪が取り付けられる。軸受において、外輪に対して内輪が回転すると、転動体と外輪との摩擦、及び、転動体と内輪との摩擦によって熱が生じる。その熱が軸受から軸受支持部13に伝わる場合がある。これにより、軸受支持部13が熱源となる場合がある。このような場合でも、軸受支持部13に第2ヒートパイプ3Bが挿着されているので、第2ヒートパイプ3Bは、軸受から軸受支持部13に伝えられた熱を放熱することができる。軸受支持部13の温度が上昇して温度分布が不均一となり、軸受支持部13の予圧抜けなどの可能性が考えられる場合は、実施形態4の態様を適用することで、その可能性を低減することができる。
(実施形態5)
上述の実施形態1では、貫通孔15の開口端15E1、15E2とヒートパイプ3との間に弾性部材51、52が配置されることを説明した。しかしながら、本発明の実施形態はこれに限定されない。本発明の実施形態では、弾性部材51、52が設けられなくても、貫通孔15の両開口端15E1、15E2の少なくとも何れか一方から離間されるように貫通孔15内に熱伝導部材(ヒートパイプ3)は配置されればよい。例えば、弾性部材51、52の代わりに流体が配置されてもよい。流体の例としては、気体や液体が挙げられ、弾性部材51、52の代わりに気体(空気)の層が配置されることで、開口端15E1、15E2とヒートパイプ3との間に、ヒートパイプ3が軸方向に膨張可能なスペースが設けられることになる。
図11は、本発明の実施形態5に係るボールねじの構成例を示す断面図である。図11に示すように、実施形態5に係るボールねじ100Dでは、貫通孔15の開口端15E1とヒートパイプ3との間にスペースAG1が存在する。スペースAG1を介して、固定部材61とヒートパイプ3とが向かい合っている。同様に、貫通孔15の開口端15E2とヒートパイプ3との間にスペースAG2が存在する。スペースAG2を介して、固定部材62とヒートパイプ3とが向かい合っている。
実施形態5に係るボールねじ100Dによれば、熱膨張によるヒートパイプ3の軸方向への体積増加分は、スペースAG1、AG2によって吸収される。これにより、ヒートパイプ3が破損する可能性を低減することができる。
(実施形態6)
上述の実施形態1では、ねじ軸に熱伝導部材が挿着されることを説明した。本発明の実施形態では、ねじ軸だけでなく、ナットにも熱伝導部材が設けられてもよい。
図12は、本発明の実施形態6に係るボールねじの構成例を示す断面図である。図12に示すように、実施形態6に係るボールねじ100Eは、ねじ軸1と、ナット2Eと、ボール23と、ヒートパイプ3と、四個の循環チューブ(循環部品)29と、ナット2Eに設けられた熱伝導部材(例えば、ヒートパイプ8)と、を備える。ボール23は、ナット2のねじ溝とねじ軸1のねじ溝とで形成される軌道と、循環チューブ29により形成されたボール戻し通路24内とに配置されている。ボールねじ100Eは、軌道とボール戻し通路24からなる循環経路を四個(複数)有するため、四個(複数)の循環チューブ29を備えている。
ナット2Eには、ナット2Eの軸方向の端面から内側へ形成された複数の貫通孔28が設けられている。貫通孔28は、ナット2の軸方向に平行に形成されている。貫通孔28は、循環チューブ29と干渉しない位置に設けられており、ナット2Eの周方向に等間隔に設けられている。そして、貫通孔28内にヒートパイプ8が配置されている。ヒートパイプ8の構成は、例えば、上述のヒートパイプ3(例えば、図2参照)の構成と同じである。ヒートパイプ8の軸方向の長さは、ヒートパイプ3の軸方向の長さよりも短い。
実施形態6に係るボールねじ100Eによれば、ナット2Eで発生した熱をヒートパイプ8が放熱することができるので、ナット2Eの熱膨張を抑制することができる。また、ナット2Eからねじ軸1に伝えられる熱も低減されるため、ねじ軸1の熱膨張も抑制することができる。これにより、ねじ軸1に対するナット2の位置決め精度の低下をさらに抑制することができる。
(変形例)
本発明の各実施形態では、熱伝導部材(例えばヒートパイプ3)が、ねじ軸1の軸方向に膨張可能に貫通孔15内に配置されればよく、弾性部材を設けなくてもよい。また、ヒートパイプ3の代わりに、ねじ軸1よりも熱伝導率が高い材料で構成された棒状部材を用いてもよい。棒状部材を構成する材料として、銅又はアルミニウムが例示される。このような構成であっても、棒状部材は、ねじ軸1の軸方向に熱を移動させることができ、ねじ軸1の温度分布を均一化することができる。これにより、ねじ軸1に対するナット2の位置決め精度の低下を抑制することができる。
また、本発明の各実施形態では、ヒートパイプ3又は、上記の棒状部材で例示された熱伝導部材を複数本束ねてもよい。また、束ねられる熱伝導部材は、ねじ軸1よりも熱伝導率が高い材料で構成された線材でもよい。このような線材として、銅線又はアルミニウム線が例示される。
本発明の実施形態に係るボールねじは、例えば、高負荷用途(軌道内のボールに加わる荷重が大きい用途)のボールねじとして使用することができる。高負荷用途のボールねじとして、電動射出成形機用のボールねじ、プレス機械用のボールねじが例示される。
1 ねじ軸
1E1 端部
1E2 端部
2、2A、2B、2E ナット
3、8 ヒートパイプ
3A 第1ヒートパイプ
3B 第2ヒートパイプ
3a、11a、12a、13a 外周面
4 熱伝導性材料
7 断熱材
11 ねじ溝形成部
11A 第1ねじ溝形成部
11B 第2ねじ溝形成部
11a、12a、13a 外周面
12、13 軸受支持部
14、21 ねじ溝
15、28、511 貫通孔
15E1、15E2 開口端
22 フランジ
23 ボール
24 ボール戻し通路
25 シール
26 エンドデフレクタ
28 貫通孔
29 循環チューブ
31 金属パイプ
32 液体
51、52弾性部材
61、62 固定部材
100、100A、100B、100C、100D、100E、100X、100Y ボールねじ
311、312 端部
AG1、AG2 スペース
CL 中心軸
SR1 第1領域
SR2 第2領域

Claims (9)

  1. 外周面にねじ溝が形成され、軸方向に貫通孔が形成されたねじ軸と、
    前記ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝が内周面に形成され、複数のボールを介して前記ねじ軸に螺合されるナットと、
    前記ねじ軸よりも熱伝導率が高く、前記貫通孔内に配置される熱伝導部材と、
    前記貫通孔内に配置され、前記貫通孔の両開口端の少なくとも何れか一方と前記熱伝導部材との間に位置する弾性部材と、を備えるボールねじ。
  2. 前記貫通孔の開口端と前記弾性部材との間に配置され、前記ねじ軸に固定される固定部材、をさらに備える請求項に記載のボールねじ。
  3. 前記熱伝導部材はヒートパイプである、請求項1または2に記載のボールねじ。
  4. 前記貫通孔の内周面と前記熱伝導部材とに接する熱伝導性材料、をさらに備える、請求項1からのいずれか1項に記載のボールねじ。
  5. 前記ねじ軸は、
    前記外周面に前記ねじ溝が形成された第1部位と、
    前記外周面に前記ねじ溝が形成されていない第2部位と、を有し、
    前記熱伝導部材は、前記第1部位に位置する前記貫通孔内に配置される、請求項1からのいずれか1項に記載のボールねじ。
  6. 前記貫通孔内に配置される断熱材、をさらに備え、
    前記熱伝導部材は、
    前記軸方向に沿って互いに離間して配置される複数の熱伝導部材を有し、
    前記複数の熱伝導部材間に前記断熱材が配置される、
    請求項1からのいずれか1項に記載のボールねじ。
  7. 前記ナットは、
    前記軸方向に沿って互いに離間して配置される複数のナットを有する、請求項1に記載のボールねじ。
  8. 前記ねじ軸よりも熱伝導率が高い熱伝導部材が、
    前記軸方向に沿って前記ナット内に1以上配置される、請求項1に記載のボールねじ。
  9. 外周面にねじ溝が形成され、軸方向に貫通孔が形成されたねじ軸と、
    前記ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝が内周面に形成され、複数のボールを介して前記ねじ軸に螺合されるナットと、
    前記ねじ軸よりも熱伝導率が高く、前記軸方向に膨張可能に前記貫通孔内に配置される熱伝導部材と、を備え
    前記貫通孔内に配置される断熱材、をさらに備え、
    前記熱伝導部材は、
    前記軸方向に沿って互いに離間して配置される複数の熱伝導部材を有し、
    前記複数の熱伝導部材間に前記断熱材が配置される、ボールねじ。
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