JP7200276B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置を備えた電子機器に関する。
ノート型PCやタブレット型PC等の電子機器は、薄型化の要望が大きい。このため、クリック入力可能なタッチパッドや押しボタン等の入力操作部は、その機械的な昇降動作をなくすことが求められている。そこで、この種の電子機器には、ユーザのタッチ入力操作に応じて振動発生器を振動させることにより、機械的な昇降動作なしでユーザに触覚でクリック感を伝えるフィードバック技術(Haptics技術)を用いた入力装置が搭載される場合がある(例えば特許文献1参照)。
特許第6578414号公報
上記のような入力装置は、触覚だけでなく、発光装置により視覚によってもユーザに動作状態を知らせることができれば、デザイン性やユーザフレンドリ等の点で好ましい。ところが、十分な輝度と視認性を持つ発光装置は、導光部材等の長さに起因して厚くなる傾向にある。他方、上記のような電子機器の筐体は、薄型化の要望が強いため、厚み方向で十分なスペースを確保することが難しいという問題がある。なお、このような問題は、入力操作を通知するための発光装置だけでなく、例えば音声認識時の反応状態に応じて変化する発光装置(スマートライト)等でも同様に生じ得る。
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、十分な輝度と視認性を有する発光装置を備えながらも筐体の薄型化を確保できる電子機器を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係る電子機器は、筐体と、前記筐体に搭載され、タッチ操作を受け付けるタッチ操作面が前記筐体の表面を臨むように設けられた入力装置と、前記筐体に搭載され、前記筐体の表面に設けられた透過窓に向けて光を照射する発光部を有する発光装置と、を備え、前記発光部は、前記入力装置の下方に配置された発光チップと、前記入力装置の下方で前記タッチ操作面に沿って延在し、前記発光チップからの光を導光する導光部材と、前記入力装置の側方で上下方向に起立するように配置され、下部が前記導光部材の照射面と対向し、上部が前記透過窓と対向することで、前記照射面から照射された光を拡散させて上方へと導き、前記透過窓を通して前記筐体外へと照射する光拡散部材と、を有する。
本発明の一態様によれば、十分な輝度と視認性を有する発光装置を備えながらも筐体の薄型化を確保できる。
図1は、一実施形態に係る電子機器の斜視図である。 図2は、第1筐体と第2筐体とを閉じて0度姿勢とした状態での斜視図である。 図3Aは、発光装置が発光していない状態での透過窓及びその周辺部の構成を模式的に示す平面図である。 図3Bは、発光装置が発光した状態での透過窓及びその周辺部の構成を模式的に示す平面図である。 図4は、透過窓を省略した状態で発光装置及びその周辺部を上方から見た斜視図である。 図5は、前後左右に沿う水平面でプレート部の一部を切断し、発光装置及びその周辺部を上方から見た斜視図である。 図6は、発光装置及びその周辺部を下方から見た分解斜視図である。 図7は、前後上下に沿う鉛直面で第1筐体の発光装置を通過する位置を切断した模式的な側面断面図である。
以下、本発明に係る電子機器について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る電子機器10の斜視図である。図1に示すように、電子機器10は、第1筐体11と、第2筐体12と、第3筐体13とを備える。第2筐体12及び第3筐体13は、それぞれ第1筐体11と相対的に回動可能に連結されている。電子機器10は、第1筐体11と第2筐体12とが一般的なクラムシェル型のノート型PCの外観を構成し、第3筐体13がこのノート型PCのデバイス収容部兼スタンドとして機能する。
図2は、第1筐体11と第2筐体12とを閉じて0度姿勢とした状態での斜視図である。以下では、特に説明する場合を除き、電子機器10について、図2に示す0度姿勢における各筐体11~13の奥行き方向を前後、幅方向を左右、厚み方向を上下、と呼んで説明する。これらの方向は説明の便宜上のものであり、実際の方向は電子機器10の使用時や収納時の姿勢によって変化し、或いは視認する方向によっても変化する。
先ず、各筐体11~13の全体構成を説明する。
第1筐体11は、薄い箱状の筐体である。第1筐体11の表面11a(0度姿勢時には上面)には、複数のキートップ14aを配列したキーボード装置14やタッチパッド型の入力装置16が露出している。キーボード装置14は、表面11aにタッチパネル式のディスプレイを設置し、これにソフトウェア式のキーボード装置を表示した構成でもよい。第1筐体11の内部には、CPUやメモリを実装したマザーボードやバッテリ装置17等が収容されている(図7参照)。
第1筐体11には、発光装置18が搭載されている(図7参照)。発光装置18は、表面11aに設けられた透過窓19を通して光を照射する装置であるが、詳細な構成は後述する。
第2筐体12は、第1筐体11よりもさらに薄い箱状の筐体である。第2筐体12の表面12a(0度姿勢時には下面)には、ディスプレイ20が露出している。ディスプレイ20は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。ディスプレイ20の周囲は枠状のベゼル21で囲まれている。ベゼル21の四辺のうち、図1に示す角度姿勢時に上側に位置する部分(上ベゼル21a)には、カメラやマイク等のサブデバイス22が設置されている。ベゼル21は、第2筐体12の表面12aを覆うカバーガラスで兼用されてもよい。第2筐体12は、第1ヒンジ24を介して第1筐体11と相対的に回動可能に連結されている。
第3筐体13は、筐体11,12よりも厚く、前後方向寸法が短い箱状の筐体である。第3筐体13の板厚は、例えば筐体11,12の板厚の合計値と略同一である(図2参照)。第3筐体13は、筐体11,12を積層した0度姿勢時に各筐体11,12の後端部から後方に突出した姿勢となる。第3筐体13は、主に2つの機能を有する。第1の機能は、ディスプレイ20の表示を制御する制御基板、スピーカー、及びアンテナ等を収容するデバイス収容部としての機能である。第2の機能は、第2筐体12を第1筐体11から開いて当該電子機器10を使用する際のスタンドとしての機能である。第3筐体13は、第2ヒンジ25を介して第1筐体11と相対的に回動可能に連結されている。
電子機器10は、第2筐体12を第1筐体11に対して0度姿勢(図2参照)から135度姿勢(図1参照)を経て、最大で180度姿勢まで回動させることができる。この際、第3筐体13は、第2筐体12に押されて第1筐体11に対して回動する。電子機器10は、第3筐体13を持たず、第1筐体11と第2筐体12とをヒンジで相対的に回動可能に連結した一般的なクラムシェル型のノート型PCでもよい。電子機器10は、ノート型PC以外、例えばタブレット型PC、スマートフォン、携帯用ゲーム機等でもよく、複数の筐体11~13を持たない構成でもよい。
次に、発光装置18及びその周辺部の構成を説明する。
先ず、発光装置18による第1筐体11の表面11aでの発光状態を説明する。図3Aは、発光装置18が発光していない状態での透過窓19及びその周辺部の構成を模式的に示す平面図である。図3Bは、発光装置18が発光した状態での透過窓19及びその周辺部の構成を模式的に示す平面図である。
図1に示すように、第1筐体11は、表面11a及び四周側面を形成する上カバー材26と、底面を形成する下カバー材27とで構成されている。カバー材26,27は、金属、樹脂、炭素繊維強化樹脂等で形成されている。上カバー材26は、後側のフレーム部28と、前側のプレート部29とで構成されている。
フレーム部28は、第1筐体11の表面11aのキーボード装置14を含む領域を形成する。フレーム部28は、大部分が網目状に形成され(図6参照)、キーボード装置14が下から取り付けられる。フレーム部28の網目には、各キートップ14aが個別に挿入される。つまりフレーム部28は、各キートップ14aを仕切るアイソレーションフレームである。
プレート部29は、第1筐体11の表面11aのキーボード装置14よりも前側の部分を形成する。プレート部29は、一段低い中央部29aに入力装置16が上から取り付けられ、左側部29b及び右側部29cがパームレストとなる。プレート部29の上面の略全面はガラスプレート30によって覆われている。ガラスプレート30は、第1筐体11の左右略全幅に延びた矩形状のプレートである。つまり第1筐体11の表面11aは、キーボード装置14より前側部分がガラスプレート30によって形成されていると言うこともできる。ガラスプレート30は、例えばフレーム部28のキーボード装置14の周辺部までを覆ってもよい。ガラスプレート30は省略されてもよい。
図3A及び図3Bに示すように、透過窓19は、ガラスプレート30の一部によって形成されている。ガラスプレート30は、入力装置16のタッチ操作面16aの後縁部16bよりも後方に張り出している。ガラスプレート30の後縁部は、フレーム部28の前縁部28aに近接している。透過窓19は、ガラスプレート30のうち、平面視で後縁部16bと前縁部28aとの間に挟まれた帯状部分によって形成されている。
ガラスプレート30は、少なくとも透過窓19を形成する部分が発光装置18の光を板厚方向に透過可能である必要がある。ガラスプレート30は、例えば透過窓19を形成する部分又は全体が黒色の半透明ガラスで形成されている。これにより発光装置18が照射する光(図3B中の光L1~L5参照)は透過窓19を確実に透過し、十分な輝度で発光することができる。しかも透過窓19は黒色の半透明ガラスで形成されているため、発光装置18が発光していない状態では、透過窓19及び発光装置18が外観上に現れず、高い外観品質が確保されている(図3A参照)。なお、ガラスプレート30を設置しない構成の場合、透過窓19は、例えば上カバー材26に形成した孔部に専用のガラスプレート等を設置することで構成するとよい。
入力装置16は、ユーザの入力操作に応じて振動発生器で振動を発生させることにより、機械的な昇降動作なしでユーザに触覚でクリック感を伝えるフィードバック技術(Haptics技術)を用いている。入力装置16は、タッチ操作面16aに対するクリック操作(押圧操作)に応じて振動を発生する。入力装置16は、タッチ操作面16aに対するなぞり操作に対しては振動を発生しないように制御されるが、なぞり操作時に振動を発生させるように制御されてもよい。
次に、発光装置18の構成を説明する。
図4は、透過窓19(ガラスプレート30)を省略した状態で発光装置18及びその周辺部を上方から見た斜視図である。図5は、前後左右に沿う水平面でプレート部29の一部を切断し、発光装置18及びその周辺部を上方から見た斜視図である。図6は、発光装置18及びその周辺部を下方から見た分解斜視図である。図5及び図6は、入力装置16の図示を省略している。図7は、前後上下に沿う鉛直面で第1筐体11の発光装置18を通過する位置を切断した模式的な側面断面図である。
本実施形態の発光装置18は、左右に並んだ5組の発光部31A~31Eを備える(図4参照)。図3B及び図4に示すように、発光装置18は、各発光部31A~31Eからそれぞれ光を照射することで、透過窓19を通して5つの帯状の光L1~L5の一部又は全部を適宜点灯又は消灯することができる。すなわち発光部31Aが光L1を照射し、発光部31Bが光L2を照射し、発光部31Cが光L3を照射する。また、発光部31Dが光L4を照射し、発光部31Eが光L5を照射する。
光L1~L5は、例えばキーボード装置14に設置されたポインティングスティック14b(図1参照)の操作、及び入力装置16の押ボタン操作と連動する。ポインティングスティック14bは、マウスデバイスの1つして機能し、ディスプレイ20に表示されるカーソルを操作可能である。
光L1~L5は、例えばユーザが指先等でポインティングスティック14bに触れた際、中央の光L3以外の4つの光L1,L2,L4,L5が同時に点灯する。左側の2つの光L1,L2は、タッチ操作面16aの左ボタン領域(マウスでいうところの左ボタンに対応)の位置を示す。右側の2つの光L4,L5は、タッチ操作面16aで右ボタン領域(マウスでいうところの右ボタンに対応)の位置を示す。図3Aに示すように、入力装置16は、タッチ操作面16a上に各ボタン領域を示すマーク等を設けないシンプルな外観である。そこで、当該電子機器10は、ボタン領域の位置を指示するガイドマークとして光L1~L5を使用している。なお、タッチ操作面16aの中央ボタン領域(マウスでいうところの中央ボタン)の位置は、例えば左右の光L2,L4の谷間の光L3を点灯させないか、或いは光L3を他の光L1等と異なる色で点灯させることで位置を示すことができる。この中央ボタン領域は、図3Aに示すようにタッチ操作面16a上にいくつかのドットを設けて明示してもよい。また、例えばタッチ操作面16aの左ボタン領域を押圧操作した際には、左側の2つの光L1,L2のみの点灯を維持し、他の光L3~L5を消灯するように制御してもよく、右ボタン領域及び中央ボタン領域についても同様に制御してもよい。そうするとユーザが操作中のボタン領域も容易に認識できる。勿論、これら光L1~L5の制御や用途は適宜変更可能である。
次に、各発光部31A~31Eの具体的な構成を説明する。
図4~図7に示すように、各発光部31A~31Eは、発光チップ32からの光の照射方向(後方)に直交する方向、つまり左右方向に並んで配置されている。各発光部31A~31Eは、それぞれ側面視略L字状に構成され、いずれも入力装置16の下方で前方から後方に沿って延在した後、上方に起立している。各発光部31A~31Eの基本的な構成は同一又は同様でよい。そこで、以下では、各発光部31A~31Eの構成要素について、同一の参照符号を付してまとめて説明する。
図4~図7に示すように、発光部31A~31Eはそれぞれ、複数の発光チップ32と、1枚の導光部材33と、1枚の光拡散部材34と、1個のコントローラ35とを有する。本実施形態の発光装置18は、全ての発光部31A~31Eの発光チップ32及びコントローラ35が1枚のフレキシブル基板36にまとめて実装され、全ての導光部材33及び光拡散部材34がフレキシブル基板36上で支持されている(図5及び図6参照)。つまり発光装置18は、発光部31A~31Eを一体化したモジュール構造となっており、第1筐体11への取付作業が効率的であり、部品点数も最小限である。発光装置18は、発光部31A~31Eをそれぞれ個別のフレキシブル基板に実装した構成や、発光部31A~31Eの一部を共通のフレキシブル基板に実装した構成等であってもよい。
図5~図7に示すように、発光チップ32は、各発光部31A~31Eにつき、3個1組で用いられている。1組の発光チップ32は、左右方向に等間隔で並んでいる。本実施形態では、1枚の導光部材33に対して3個1組の発光チップ32を配置することで、1枚の光拡散部材34から照射される光の明るさを高めている。各発光部31A~31Eの発光チップ32の設置数は3個以外でもよく、互いの設置間隔は不均等でもよい。
各発光チップ32は、例えば白色、赤色、黄色、オレンジ色、青色等を発光可能なRGBLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)である。各発光チップ32は、後向きの側面が発光面32aであり、後方に向かって光を照射する。各発光部31A~31Eの発光チップ32は、フレキシブル基板36の上面に実装されている。
図5~図7に示すように、導光部材33は、タッチ操作面16aに沿って配置された透明プレートであり、平面視略台形状に形成されて後方に向かって次第に拡幅している。導光部材33は、例えば透明なアクリル樹脂で形成されている。導光部材33は、光拡散部材34と接着等で一体化された状態で、後述する上カバー材26の凹状部41に挿入され、フレキシブル基板36によって蓋されている。導光部材33は、3個1組の発光チップ32からの光を受光面33aで受光して前後方向に沿って導光・混色し、照射面33b,33cから光拡散部材34へと照射する。導光部材33は、受光面33a及び照射面33b,33cを除く部分が光反射材38で覆われている。
受光面33aは、導光部材33の前側面であり、発光チップ32の発光面32aに対向している。発光チップ32は、発光面32aが導光部材33の受光面33aに対して当接又は近接した状態で対向配置されている。
照射面33bは、導光部材33の後側面である。照射面33cは、導光部材33の後部上面である。本実施形態では、光拡散部材34の前部下角部に切欠形状部34aが形成されている(図7参照)。導光部材33の後部は、この切欠形状部34aに挿入されることで、2面が照射面33b,33cとなっている。光拡散部材34は切欠形状部34aを持たない構成でもよい。この場合、導光部材33は、例えば後側面を光拡散部材34の前側面に突き当てることで、後側面のみが照射面33bとして機能する構成としてもよい。
光反射材38は、導光部材33の外面を覆うことで導光部材33内を通過する光が導光部材33外に漏れることを抑制し、導光の効率を向上させるための反射板である。光反射材38は、導光部材33の外面のうち、照射面33b,33cと、受光面33aの発光チップ32が配置された部分と、を除いた部分を覆うように設けられている。
図5~図7に示すように、光拡散部材34は、第1筐体11及び入力装置16の厚み方向(上下方向)に沿って起立した半透明プレートである。光拡散部材34は、例えば乳白色の半透明の樹脂で形成されている。光拡散部材34は、導光部材33の照射面33bの左右方向の幅と略同一の左右方向の幅を有する。光拡散部材34は、下部の切欠形状部34aが導光部材33の後端部を飲み込んだ状態でフレキシブル基板36の上面に固定されている。光拡散部材34は、導光部材33の照射面33b,33cを通過した光を拡散させて透過窓19に導くための部材である。
光拡散部材34は、前後方向で入力装置16の後縁部16bと、フレーム部28の前縁部28a(キーボード装置14の前縁部)との間に形成された隙間部Gに配置されている。光拡散部材34は、上下方向で透過窓19(ガラスプレート30)とフレキシブル基板36との間に挟まれた位置に配置されている。
光拡散部材34は、下部(切欠形状部34aの内面)が導光部材33の照射面33b,33cと対向する。光拡散部材34は、上部(上端面)が照射面34bであり、照射面34bが透過窓19の下面と対向する。これにより光拡散部材34は、導光部材33から照射された光を拡散させて上方へと導き、透過窓19を通して第1筐体11の外部、具体的には表面11aから上方へと照射する光L1~L5を生成する。
図5~図7に示すように、コントローラ35は、発光チップ32の発光を制御するための制御チップである。コントローラ35は、フレキシブル基板36の上面に実装されている。コントローラ35は、3個1組の発光チップ32のうち中央の発光チップ32の前側に配置されている。
図5~図7に示すように、フレキシブル基板36は、全ての発光部31A~31Eの発光チップ32及びコントローラ35が実装されている。フレキシブル基板36は、例えば可撓性を持った絶縁性フィルムを用い、薄く且つ柔軟に形成したフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible printed circuit)である。フレキシブル基板36は、実装された発光チップ32やコントローラ35を第1筐体11内に搭載されたマザーボードに接続する配線である。本実施形態のフレキシブル基板36は、入力装置16の入力検出用の基板16cに接続され、基板16cを介してマザーボードと接続されている。フレキシブル基板36は、マザーボードに直接的に接続されてもよい。
図7に示すように、フレキシブル基板36の下面には、補強プレート40が積層されている。補強プレート40は、フレキシブル基板36より僅かに厚い金属や樹脂で形成された薄いプレートである。補強プレート40は、フレキシブル基板36の強度を補強するための部材である。例えばフレキシブル基板36の強度が十分に確保できる場合、補強プレート40は省略してもよい。
次に、第1筐体11に対する発光装置18の取付構造を説明する。
上記した通り、発光装置18は5つの発光部31A~31Eをフレキシブル基板36で一体化したモジュール構造である。発光装置18は、第1筐体11の上カバー材26のプレート部29に対して下から取り付けられる(図6及び図7参照)。
図5~図7に示すように、プレート部29には、左右方向に並んだ5つの下向きの凹状部41と、上下方向の縦穴41aとが形成されている。各凹状部41は、プレート部29の下面を上方に凹ませて形成した浅いバスタブ状の凹部である。1つの凹状部41には、1つの発光部31A~31Eのコントローラ35、発光チップ32、及び導光部材33が収容される。つまり凹状部41は、これらコントローラ35、発光チップ32、及び導光部材33を収容可能な深さと形状を有する。縦穴41aは、各凹状部41の天面41bの後部を貫通している。光拡散部材34は、下部のみが凹状部41内に配置され、上部が縦穴41aを挿通して隙間部Gに配置されている。
各凹状部41の内面は、縦穴41a及び下面開口を除き、天面41b及び四周の側壁41cで囲まれている。互いに隣接する凹状部41,41間についても互いの境界が側壁41cによって仕切られている(図5及び図6参照)。
各凹状部41の開口縁部には、プレート部29の下面を他の部分よりも僅かに低く形成した固定面41dが設けられている。固定面41dは、フレキシブル基板36の上面が接着部材42で固定される(図7参照)。接着部材42は、接着剤や両面テープである。フレキシブル基板36は、各凹状部41の下面開口をそれぞれ閉塞するように固定面41dに固定され、全ての凹状部41の下面開口をまとめて閉塞する。これにより各発光部31A~31Eの発光チップ32、導光部材33、及び光拡散部材34は、フレキシブル基板36で閉塞された凹状部41内に閉じ込められ、周囲から遮蔽されている。つまり所定の凹状部41に収容された発光部31A~31Eの発光チップ32及び各導光部材33は、隣接する凹状部に収容された他の発光部31A~31Eの発光チップ32及び各導光部材33と隔離される。その結果、隣接する発光部31A~31E同士で光漏れを生じることが防止される。発光装置18は、以上のようにして第1筐体11に対して取り付けられる。
一方、入力装置16は、プレート部29に対して上から取り付けられる。具体的には、入力装置16は、図7に示すようにガラスプレート30の下面に接着部材43で固定された状態で、ガラスプレート30と共にプレート部29の上面(表面11a)に固定される。接着部材43は、接着剤や両面テープである。図7中の参照符号44は、入力装置16の下面とプレート部29の上面との間に設置されるスポンジ等のスペーサ部材である。つまりプレート部29は、入力装置16及び発光装置18を支持すると共に、これら入力装置16と発光装置18との間に介在する。
図7中の参照符号14cは、キーボード装置14のベース部であり、スイッチシート(メンブレンシート)、ベースプレート、導光プレート、防水シート等の積層体である。キーボード装置14は、フレーム部28に下からはめ込まれ、ベース部14cがねじ等でフレーム部28に固定されることで第1筐体11に固定される。キートップ14aは、ベース部14cのベースプレートにシザー機構やラバードームを介して昇降可能に支持されている。
次に、発光装置18の動作及び作用効果を説明する。
発光装置18は、例えば中央の発光部31Cのみを点灯させる際、先ず、発光部31Cの3個の発光チップ32の発光面32aから後方へと照射された光が、受光面33aから導光部材33に導入される(図7参照)。図7中に示す1点鎖線の矢印は発光チップ32から照射された光の軌跡を模式的に示している。導光部材33に導入された光は、周囲の光反射材38で反射されつつ後方に向かって導光される。導光部材33で導光された光は、照射面33b,33cを通過して光拡散部材34で拡散され、透過窓19を透過して第1筐体11の表面11aから光L3として照射される。なお、他の発光部31A,31B,31D,31Eの発光動作も同様に行われる。
この際、発光動作する中央の発光部31Cと、これと隣接する発光部31B,31Dとの間は凹状部41の側壁41cで仕切られている。このため、発光部31Cの発光チップ32から照射された光は、隣接する他の発光部31B,31Dの導光部材33に導入されることがなく、所望の光L3のみを確実に点灯させることができる。
以上のように、本実施形態に係る電子機器10は、タッチ操作を受け付けるタッチ操作面16aが第1筐体11の表面11aを臨むように設けられた入力装置16と、第1筐体11の表面11aに設けられた透過窓19に向けて光を照射する発光部31A~31Eを有する発光装置18と、を備える。これら発光部31A~31Eは、発光チップ32が入力装置16の下方に配置され、導光部材33が入力装置16の下方でタッチ操作面16aに沿って延在している。また光拡散部材34は、入力装置16の側方で上下方向に起立するように配置されることで、上部の照射面34bから透過窓19へと光を照射する。
一般的な構成の発光装置は、第1筐体11の表面11aから上方に光を照射するためには、発光チップ32、導光部材33、及び光拡散部材34を上下方向に並べて配置することが想定される。このため、この発光装置は上下方向の厚みが大きくなり、第1筐体11の薄型化を阻害する。
この点、当該発光装置18は、入力装置16の下方で発光チップ32と導光部材33を前後方向に並べて配置し、光拡散部材34のみを入力装置16の側方で上下方向に起立させている。これにより当該発光装置18は、上下方向の厚みを最小限に抑えながらも、第1筐体11の表面11aにある透過窓19に対して十分な輝度と視認性を持つ光L1~L5を照射することができる。特に発光チップ32から照射された光の混色域となる導光部材33は、光の均一性の向上のため、ある程度大きな距離を導光できる必要がある。そこで、本実施形態の導光部材33は横置きに配置されることで、導光距離の確保と薄型化とを両立している。その結果、当該電子機器10は、発光装置18による十分な輝度の発光と、第1筐体11の薄型化の確保とが可能である。
しかも当該電子機器10は、入力装置16とバッテリ装置17との間のデッドスペースを有効に利用して発光チップ32及び導光部材33を配置している。すなわち、図7に示すように、入力装置16の厚みは、キーボード装置14の厚みよりも相当に薄い。このため、入力装置16の下方に発光装置18がない場合は、入力装置16の下方からキーボード装置14の下方まで延在するバッテリ装置17と、入力装置16の下面との間にデッドスペースが形成されることになる。そこで、当該電子機器10は、このデッドスペースにL字状の側面形状を有する発光装置18を配置することで、第1筐体11の薄型化を確保しつつ、高い輝度の光L1~L5の点灯を可能としている。
発光装置18は、光拡散部材34が入力装置16の後縁部16bの側部にある。これにより光L1~L5は連係するポインティングスティック14bと入力装置16との間で発光するため、ユーザによる視認性及び操作性が高い。また、図1及び図2に示されるように、外観品質の向上のため、第1筐体11は前端部が後端部よりも薄いテーパ形状を成している。このため、光拡散部材34は、入力装置16の前縁部の前側に配置されるよりも、後縁部16bの後側に配置される方が、上下方向の拡散距離を確保し易いという利点がある。
なお、図7に示されるように、本実施形態では、ガラスプレート30の上面から発光装置18の下面(補強プレート40)までの厚みは、キーボード装置14の厚みと略同一である。このため、バッテリ装置17は、発光装置18の下方からキーボード装置14の下方まで亘るように容易に配置でき、大容量化も達成し易い。
一般的な構成では、入力装置16とキーボード装置14との境界部には、ある程度のスペース(隙間部G)が形成される。そこで、当該電子機器10では、透過窓19を入力装置16とキーボード装置14との間に挟まれた位置に配置し、光拡散部材34を入力装置16とキーボード装置14との間の隙間部Gに配置している。これにより当該電子機器10は、発光装置18が第1筐体11の前後方向の寸法に影響を及ぼすことも抑制できる。
当該電子機器10は、第1筐体11の表面11aに敷設されたガラスプレート30が透過窓19を兼用している。このため、表面11aで透過窓19が目立つことがなく、高い外観品質が得られる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
上記では、5個の発光部31A~31Eを並べた構成の発光装置18を例示した。しかしながら、発光部31A~31Eの設置数や配置は適宜変更可能である。また、透過窓19(光拡散部材34)は、入力装置16の後方ではなく、例えば前方や側方に配置されてもよい。
10 電子機器
11 第1筐体
14 キーボード装置
16 入力装置
17 バッテリ装置
18 発光装置
20 ディスプレイ
26 上カバー材
29 プレート部
30 ガラスプレート
31A~31E 発光部
32 発光チップ
33 導光部材
34 光拡散部材
36 フレキシブル基板
41 凹状部
41c 側壁

Claims (3)

  1. 電子機器であって、
    筐体と、
    前記筐体に搭載され、複数のキートップが前記筐体の表面に露出するように設けられたキーボード装置と、
    前記筐体に搭載され、タッチ操作を受け付けるタッチ操作面が前記筐体の表面を臨むように設けられた入力装置と、
    前記筐体に搭載され、前記筐体の表面で前記入力装置と前記キーボード装置との間に設けられた透過窓に向けて光を照射する複数の発光部を有し、各発光部が異なる光を照射可能な発光装置と、
    を備え、
    前記複数の発光部は、それぞれ、
    前記入力装置の下方に配置された発光チップと、
    前記入力装置の下方で前記タッチ操作面に沿って延在し、前記発光チップからの光を導光する導光部材と、
    前記入力装置の側方で上下方向に起立するように配置され、下部が前記導光部材の照射面と対向し、上部が前記透過窓と対向することで、前記照射面から照射された光を拡散させて上方へと導き、前記透過窓を通して前記筐体外へと照射する光拡散部材と、
    を有し、
    前記複数の発光部のそれぞれの光拡散部材は、前記入力装置と前記キーボード装置との間に形成された隙間部で並んで配置されており、
    前記筐体は、下向きに開口した複数の凹状部と、前記入力装置と前記発光装置との間に介在するように配置されるプレート部とを有し、前記入力装置及び前記発光装置を支持したカバー材をさらに備え、
    前記発光装置は、上面に前記複数の発光部の各発光チップがまとめて実装されると共に、該上面で前記複数の発光部の導光部材及び光拡散部材をまとめて支持したフレキシブル基板をさらに有し、
    前記発光装置は、1つの前記発光部の前記発光チップ及び前記導光部材が1つの前記凹状部に収容され、前記フレキシブル基板が複数の前記凹状部の前記下向きの開口をまとめて閉塞した状態で前記プレート部の下面側に固定されている
    ことを特徴とする電子機器。
  2. 請求項に記載の電子機器であって、
    前記筐体の表面の一部を覆うガラスプレートをさらに備え、
    前記透過窓は、前記ガラスプレートの一部である
    ことを特徴とする電子機器。
  3. 請求項1又は2に記載の電子機器であって、
    前記筐体に搭載され、前記タッチ操作面に沿う方向で前記発光装置の下方から前記キーボード装置の下方まで亘るように配置されたバッテリ装置をさらに備える
    ことを特徴とする電子機器。
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