JP7197551B2 - 車両 - Google Patents
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Description
そこで本発明は、運転者による適切な操舵操作を促して自然かつ簡易な操舵制御を行うことが可能な車両を提供することを目的とする。
この構成によれば、制御装置による操舵制御において、車両の挙動を伴う操舵のきっかけのみを運転者に与えることができる。これにより、操舵制御の介入を抑えつつ運転者に適切な操舵操作を促し、制御装置による操舵制御と運転者の操舵操作との間に矛盾が生じることを防止することができる。また、操舵制御を行うためのアクチュエータ、バッテリなどの装置の小型軽量化を図ることができる。
また、自動二輪車のように車体をバンクさせて操舵する車両の場合、逆ハンドルによる遠心力で車体をバンクさせ、このバンク方向に舵角を生じさせる。車体をバンクさせない車両の場合、例えば逆ハンドルにより発生した遠心力によって、運転者に逆ハンドルとは反対側に順操舵するよう反応させる。このように、遠心力を検知した時点で操舵制御を中止し、遠心力をきっかけとした車体挙動や運転者の操舵操作と操舵制御との干渉を防止することができる。
この構成によれば、前記挙動が検知されなかった場合にも、制御装置による操舵制御と運転者の操舵操作との間に矛盾が生じることを防止することができる。
請求項3に記載した発明は、前記挙動検知手段(93)が前記操舵予備動作に伴う挙動を検知する前に、運転者による手動操舵操作を検知した場合には、前記制御装置(71)は、前記操舵制御を中止すること特徴とする。
この構成によれば、手動操舵操作を操舵制御よりも優先させることができ、制御装置による操舵制御と運転者の操舵操作との矛盾が生じることを防止することができる。
この構成によれば、運転差の手動操舵操作の誤検知を抑えることができる。
請求項5に記載した発明は、前記手動操舵操作は、操舵トルクセンサ(91)によって検知されることを特徴とする。
この構成によれば、運転差の手動操舵操作を確実に検知することができる。
この構成によれば、車両の挙動を確実に検知することができる。
請求項7に記載した発明は、前記挙動が予め定めた範囲内になったことを前記挙動検知手段(93)が検知した場合には、前記制御装置(71)は、前記操舵制御を再開することを特徴とする。
この構成によれば、操舵制御の中止後に自然に操舵制御を再開させることができる。
図1は、本実施形態の車両の一例としての自動二輪車1を示す。自動二輪車1は、ハンドル2によって操舵される前輪(操舵輪)3と、パワーユニット20によって駆動される後輪(駆動輪)4と、を備えている。自動二輪車1は、運転者が車体を跨いで乗車する鞍乗り型車両であり、前後輪3,4の接地点を基準に車体を左右方向(ロール方向)に揺動(バンク)可能である。実施形態の車両は、自動二輪車のように車体をバンクさせた方向に旋回する車両に限らず、車体をバンクさせずに操舵輪の操舵によって旋回する車両を含む。
ヘッドパイプ6は、ステアリング系部品10Aを操舵可能に支持する。左右のメインフレーム7は、ヘッドパイプ6から後ろ下がりに延びる。左右のピボットフレーム8は、左右のメインフレーム7の各後端部からそれぞれ下方に延びる。左右のシートフレーム9は、左右のピボットフレーム8の各上部からそれぞれ後ろ上がりに延びる。
左右のメインフレーム7の上部には、燃料タンク18が支持されている。燃料タンク18の後方には、左右のシートフレーム9によってシート19が支持されている。シート19の下方には、シート19に着座した運転者が足を載せる左右一対のステップ25が配置されている。
パワーユニット20は、原動機となるエンジン(内燃機関)13と、エンジン13の後方に連なる変速機21と、を一体に備えている。
前輪ブレーキ3B及び後輪ブレーキ4Bは、ブレーキ操作子であるブレーキレバー及びブレーキペダルが操作されることで、前輪3および後輪4の回転を適宜制動する。また、前輪ブレーキ3B及び後輪ブレーキ4Bは、後述するブレーキアクチュエータ102(図4参照)が作動することによっても、前輪3および後輪4の回転を適宜制動する。
表示画面62は、予め定めた画像表示を行うことによって、運転者に予め定めた情報を通知する。インジケータランプ群63は、予め定めた発光表示(点灯または点滅)を行うことによって、運転者に予め定めた情報を通知する。
ステアリング系部品10Aには、運転者によるハンドル2への操作とは別に、ステアリングアシスト装置73により自動で操舵入力がなされる。
ステアリングアシスト装置73は、ステアリングアクチュエータ74、アーム75、連結ロッド76、ステアリング制御部77を備えている。
図4に示すように、運転支援装置70は、制御装置71、各種センサ類81、各種装置類82を備える。制御装置71は、各種センサ類81から取得した検出情報に基づき、各種装置類82の作動を制御する。
制御装置71は、エンジン制御部85、ステアリング制御部77、ブレーキ制御部87、表示制御部88を備える。
操舵角センサ92は、例えば、操舵軸(ステムシャフト34)に設けられたポテンショメータであり、車体に対する操舵軸の回動角度(操舵角度)を検出する。
車速センサ94は、例えばパワーユニット20の出力軸の回転速度を検出する。この回転速度から後輪4の回転速度ひいては自動二輪車1の車速を検知可能とする。
レーダ装置97は、自動二輪車1の周辺にミリ波などの電波を放射するとともに、車両周囲の物体によって反射された電波(反射波)を検出し、少なくとも前記物体の自動二輪車1に対する前後左右の位置(自動二輪車1に対する距離及び方位)と速度とを検知可能とする。
ブレーキアクチュエータ102は、運転者によるブレーキ操作子への操作とは別に、前輪ブレーキ3B及び後輪ブレーキ4Bに液圧を供給して前輪ブレーキ3B及び後輪ブレーキ4Bを作動させる。ブレーキアクチュエータ102は、ABS(Anti-lock Brake System)の制御ユニットを兼ねていてもよい。ブレーキアクチュエータ102は、通常のブレーキ回路から分岐させたブレーキ配管に接続されていてもよい。
エンジン制御部85は、エンジン13におけるスロットル開度、吸入負圧、燃料噴射量、バルブタイミング、点火時期等に基づいてエンジン13の出力を制御する。また、エンジン13の出力が制御されることで、エンジン13のクランク軸回転数と変速機21の変速比とにより、自動二輪車1の車速が変更される。
表示制御部88は、ステアリングアクチュエータ74及びブレーキアクチュエータ102が作動しているときは、それぞれの制御が同期して行われる。
上記したエンジン制御部85、ステアリング制御部77、ブレーキ制御部87、表示制御部88は、全てマイクロコンピュータを備えるとともに、相互に通信自在に構成される。
なお、運転者による手動の操舵操作を検知する手段として、例えば左右ハンドル36,37のグリップ部に設けた荷重センサを利用し、左右ハンドル36,37に入力された荷重の検出情報(荷重の大きさおよび方向)に基づいて、運転者による手動の操舵操作の有無を判断してもよい。
次に、自動操舵介入機能の作動(操舵制御)と、この作動を車体挙動等に応じて中止する制御と、について説明する。
図5に示すように、例えば、自動二輪車1が他の車両120の後方を走行中、他の車両120が急に減速したり車線変更のために急ハンドルを切ったりするなどの事象(外乱)が発生した場合、制御装置71は、操舵制御に関し、上記外乱を回避するための判断を行う。例えば、制御装置71は、他の車両120を避けるために、左方向(矢印A参照)又は右方向(矢印B参照)の何れに進路変更するかを判断する。この判断は、カメラ装置96及びレーダ装置97等の各種センサ類81からの検出情報に基づいてなされる。
以上のように、遠心力Fの検知に応じて操舵介入機能が中止されることで、図7に示すように、自動二輪車1は、左側に自然に操舵され、他の車両120をスムーズに左側へ避けることができる。
また、制御装置71は、運転者Mが前輪3の操舵操作を検知する信号を受けた場合にも、ステアリング制御部77による操舵介入機能を停止(中断)させる。すなわち、運転者Mの操舵操作は、制御装置71による操舵制御に対して優先される。
なお、操舵制御を停止させた後に、運転者Mの操舵操作の検知信号、又は車体挙動の検知信号が無くなったり閾値未満になった場合には、制御装置71は操舵制御を再開させる。
まず、自動二輪車1のメインスイッチがオン状態(電源オン状態)で運転支援装置70のシステムが起動しているとき、制御装置71による操舵制御が開始される(ステップS1)。このとき、制御装置71は、自車が回避判定を要する状況か否か、又は自車が進行方向の変更判定を要する状況か否かを判断する(ステップS2)、ステップS2でNo(判定不要)の場合、制御装置71はステップS2の判断を繰り返し、判定が必要になる状況(例えば車両前方に外乱が現れる状況等)を監視する。ステップS2でYes(判定要)の場合(すなわち車両前方に外乱を発見した場合等)、制御装置71は、ステップS3において、自動二輪車1が進むべき方向を判定するとともに、ステアリングアクチュエータ74を作動させ、前記進むべき方向とは反対の方向に前輪3を向けるようにステアリング系部品10Aにアシストトルクを付与する(逆ハンドル)。
なお、ステップS4の判断は、「操舵入力の有無」のみに限らず、「操舵入力の大きさが所定値以上か否か」に置き換えることもできる。
ステップS5で操舵制御を解除(中止)した後、制御装置71は、ステップS9に移行し、前記遠心力Fまたは角速度が、前記第一の閾値L1よりも小さい第二の閾値(予め定めた第二の閾値)L2以下か否かを判断する。「遠心力F>L2」の場合(ステップS9でNo)、操舵制御を再開せずに一旦処理を終了する。「遠心力F≦L2」の場合(ステップS9でYes)、ステップS10に移行し、解除していた操舵制御を再開し、一旦処理を終了する。ステップS9は、前記遠心力Fまたは角速度が予め定めた範囲内になったか否かを判定するステップに相当する。
また、制御装置71は、手動操舵操作の操舵入力が予め定めた値より大きい場合に操舵制御を中止するので、運転差の手動操舵操作の誤検知を抑えることができる。
また、挙動検知手段93は、遠心力Fおよびロール角速度を検出可能な車体加速度センサ93であるので、自動二輪車1の挙動を確実に検知することができる。
また、遠心力Fが予め定めた範囲内になったことを車体加速度センサ93が検知した場合には、制御装置71が操舵制御を再開するので、操舵制御の中止後に自然に操舵制御を再開させることができる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
2 ハンドル
71 制御装置
91 操舵トルクセンサ
93 車体加速度センサ(挙動検知手段、加速度センサ)
F 遠心力
M 運転者
Claims (7)
- 車両(1)の操舵制御を行う制御装置(71)と、前記制御装置(71)によって設定される操舵予備動作に伴う前記車両(1)の挙動を検知する挙動検知手段(93)と、を備え、
前記操舵制御は、運転者の操作とは別に自動でステアリング系部品を操作するものであり、
前記操舵予備動作は、運転者の手動による操舵動作に先立って自動で行われるものであって、前記制御装置(71)が判断した前記車両(1)が向かう方向に対し、逆方向にハンドル(2)を転舵する逆ハンドルであり、
前記挙動検知手段(93)が、前記逆ハンドルによる挙動として、前記車両(1)に発生する遠心力、またはロール角速度を検知した場合には、前記制御装置(71)は、前記操舵制御を中止することを特徴とする車両。 - 前記挙動検知手段(93)が前記操舵予備動作に伴う挙動を検知しない場合には、前記制御装置(71)は、前記操舵予備動作から予め定めた時間が経過したときに前記操舵制御を中止することを特徴とする請求項1に記載の車両。
- 前記挙動検知手段(93)が前記操舵予備動作に伴う挙動を検知する前に、運転者による手動操舵操作を検知した場合には、前記制御装置(71)は、前記操舵制御を中止すること特徴とする請求項1又は2に記載の車両。
- 前記手動操舵操作の操舵入力が予め定めた値より大きい場合には、前記制御装置(71)は、前記操舵制御を中止することを特徴とする請求項3に記載の車両。
- 前記手動操舵操作は、操舵トルクセンサ(91)によって検知されることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両。
- 前記挙動検知手段(93)は、加速度センサ、または、角速度センサであることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の車両。
- 前記挙動検知手段(93)により、前記挙動が予め定めた範囲内になったことを検知して前記操舵制御を再開することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の車両。
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