JP7197004B2 - 鉄道車両用車輪 - Google Patents

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Description

本開示は、鉄道車両に用いられる車輪に関する。
鉄道車両の車輪は、ボス部と、リム部と、板部とを備える。ボス部には、車軸が挿入される。リム部は、車輪の外周部を構成し、踏面及びフランジを有する。踏面は、レールの頭頂面に接触する面である。フランジは、車輪の半径方向において踏面よりも外側に突出する。板部は、リム部とボス部とを接続する。
従来、様々な形状の鉄道車両用車輪が存在する。例えば、特許文献1は、リム部とボス部とをつなぐ板部が湾曲した車輪を開示する。特許文献1において、板部は、車輪の縦断面視で曲線状の板厚中心線を有する。当該板厚中心線は、その中心を変曲点とし、中心に対して対称である。
特許文献2及び3にも、板部が湾曲した車輪が開示されている。特許文献2及び3において、板部の板厚中心線は、車輪の縦断面視でフランジの反対側に凸の形状を有する。すなわち、当該板厚中心線は、その両端が中心よりもフランジ寄りに配置された曲線である。
特開平10-29401号公報 特表2009-545484号公報 特表2015-500177号公報
ところで、鉄道車両用車輪の制動装置の一種として、踏面ブレーキが知られている。踏面ブレーキは、車輪の踏面に制輪子を押し付けて鉄道車両を制動する。鉄道車両の制動中、踏面と制輪子との間で摩擦熱が発生する。そのため、車輪、特に車輪の外周部を構成するリム部の温度が上昇し、リム部の熱変形が発生する。リム部が熱変形して変位すると、鉄道車両の走行安定性に影響を与える。特に、車輪の軸方向にリム部が変位した場合、鉄道車両の蛇行や脱線が誘発される可能性がある。また、鉄道車両の制動中にリム部が熱変形し、板部に熱応力が生じることにより、車輪の疲労破壊が発生する可能性もある。よって、踏面ブレーキによる鉄道車両の制動中、車輪の軸方向におけるリム部の変位を低減するとともに、板部に生じる熱応力を低減する必要がある。しかしながら、特許文献1~3に例示されるような従来の車輪では、制動中に発生するリム部の変位及び板部の熱応力の双方を同時に低減することは難しい。
本開示は、踏面ブレーキによる鉄道車両の制動中、車輪の軸方向におけるリム部の変位と、板部に生じる熱応力とを同時に低減することができる鉄道車両用車輪を提供することを課題とする。
本開示に係る車輪は、鉄道車両に用いられる。車輪は、ボス部と、リム部と、板部と、を備える。ボス部は、車輪の内周部を構成する。ボス部には、鉄道車両の車軸が挿入される。リム部は、車輪の外周部を構成する。リム部は、踏面と、フランジと、を含む。踏面は、鉄道車両が走行するレールの頭頂面に接触する。フランジは、車輪の半径方向で踏面よりも外側に突出する。板部は、環状をなし、ボス部とリム部とを接続する。車輪の縦断面視で、板部は、半径方向の外側に向かうにつれてフランジ側に近づくように傾倒する直線状の板厚中心線を有する。車輪の縦断面視で、板厚中心線の外端は、車輪の軸方向においてフランジと踏面の中央との間に位置する。板厚中心線の外端は、板厚中心線の両端のうち半径方向で外側に位置する方の端である。
本開示に係る鉄道車両用車輪によれば、踏面ブレーキによる鉄道車両の制動中、車輪の軸方向におけるリム部の変位と、板部に生じる熱応力とを同時に低減することができる。
図1は、実施形態に係る鉄道車両用車輪の縦断面図である。 図2は、踏面ブレーキによる制動中に車輪に生じる変形を誇張して例示する図である。 図3は、実施例の解析モデルが有する車輪形状を示す図である。 図4は、比較例の解析モデルが有する車輪形状を示す図である。
実施形態に係る車輪は、鉄道車両に用いられる。車輪は、ボス部と、リム部と、板部と、を備える。ボス部は、車輪の内周部を構成する。ボス部には、鉄道車両の車軸が挿入される。リム部は、車輪の外周部を構成する。リム部は、踏面と、フランジと、を含む。踏面は、鉄道車両が走行するレールの頭頂面に接触する。フランジは、車輪の半径方向で踏面よりも外側に突出する。板部は、環状をなし、ボス部とリム部とを接続する。車輪の縦断面視で、板部は、半径方向の外側に向かうにつれてフランジ側に近づくように傾倒する直線状の板厚中心線を有する。車輪の縦断面視で、板厚中心線の外端は、車輪の軸方向においてフランジと踏面の中央との間に位置する。板厚中心線の外端は、板厚中心線の両端のうち半径方向で外側に位置する方の端である(第1の構成)。
車輪の踏面に踏面ブレーキの制輪子が押し付けられて摩擦熱が発生したとき、リム部が熱変形して車輪の軸方向に変位する。車輪の軸方向において、フランジが配置される側をフランジ方向、その反対側を反フランジ方向とすると、一般に、リム部がフランジ方向に変位しやすい。これに対して、第1の構成の車輪では、板部の板厚中心線が車輪の縦断面視で直線状をなし、車輪の半径方向の外側に向かうにつれてフランジ側に近づくように傾倒する。このような板厚中心線を有する板部は、リム部がフランジ方向に変位しようとしたとき、リム部の変位に抵抗し、当該変位を阻害することができる。よって、踏面ブレーキによる鉄道車両の制動中、軸方向におけるリム部の変位を低減することができる。また、板厚中心線が変曲点を有しないため、板部において応力集中が生じにくい。このため、踏面ブレーキによる鉄道車両の制動中、板部に生じる熱応力を低減することができる。
第1の構成によれば、軸方向におけるリム部の変位が低減され、リム部が板部に対して振れにくくなる。そのため、板部においてリム部の付け根部分で生じる応力を低減することができる。また、板厚中心線の外端をフランジと踏面中央との間に位置付けることにより、鉄道車両の制動中に板部に生じる熱応力を低減させることができる。
リム部のフランジ側の側面から板厚中心線の外端までの軸方向の距離は、リム部の軸方向の長さの0.3倍以上であることが好ましい(第2の構成)。
板厚中心線が軸方向に対してフランジ側でなす角度は、87°以下であることが好ましい(第3の構成)。
板部は、半径方向の外側に向かうにつれて小さくなり板厚中心線の外端の手前で最小となる板厚を有することが好ましい(第4の構成)。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
図1は、本実施形態に係る車輪100の縦断面図である。縦断面とは、中心軸Xを含む平面で車輪100を切断した断面をいう。車輪100の縦断面は中心軸Xに対して対称であるので、図1では、車輪100のうち中心軸Xの片側のみを示す。本実施形態では、車輪100の中心軸Xが延びる方向を軸方向といい、車輪100の半径方向を単に半径方向という。
図1を参照して、車輪100は鉄道車両に用いられる。車輪100は、ボス部10と、リム部20と、板部30と、を備える。
ボス部10は、車輪100の内周部を構成する。ボス部10は、中心軸Xを軸心とする概略円筒状をなす。ボス部10には、鉄道車両の車軸(図示略)が挿入される。
リム部20は、車輪100の外周部を構成する。リム部20は、半径方向においてボス部10の外側に配置される。また、リム部20は、ボス部10に対し、軌道幅方向において外寄りに位置付けられている。すなわち、図1において二点鎖線で示すリム幅中央C20が、同じく二点鎖線で示すボス幅中央C10よりも軌道外側に位置する。
リム部20は、踏面21と、フランジ22とを含む。踏面21は、半径方向で外向きの面である。踏面21は、鉄道車両が走行するレールの頭頂面に接触する。踏面21の直径は、フランジ22側に向かって徐々に大きくなる。踏面21の形状は特に限定されるものではない。踏面21は、例えば、円すい踏面であってもよいし、円弧踏面であってもよい。
フランジ22は、リム部20において軸方向の一方端部に設けられる。車輪100の軸方向において、フランジ22が配置される側をフランジ方向、これの反対側を反フランジ方向という。フランジ22は、半径方向で踏面21よりも外側に突出している。フランジ22は、鉄道車両がレール上を走行するとき、左右のレールの内側に位置付けられる。フランジ22は、側面221,222を含む。側面221,222の各々は、車輪100の縦断面視で、一種類以上の円弧を含む曲線である。
側面221は、軸方向において踏面21側に配置されている。側面221は、スロート23を介して踏面21に接続される。スロート23は、車輪100の縦断面視で、一種類以上の円弧を含む曲線であり、側面221を踏面21に滑らかに接続する。リム部20の表面の曲率は、スロート23と踏面21との境界24で変化する。踏面21のうち境界24に隣接する部分の曲率の絶対値は、フランジ22の側面221及びスロート23の各曲率の絶対値よりも有意に小さい。
側面222は、軸方向において側面221の反対側に配置される。側面222は、リム部20の両側面25,26のうち、一方の側面25に接続されている。
板部30は、環状をなす。板部30は、ボス部10とリム部20とを接続する。板部30の板厚は、全体として、ボス部10及びリム部20の各厚みよりも小さい。ボス部10及びリム部20の厚みとは、それぞれ、ボス部10及びリム部20の軸方向における長さをいう。板部30の板厚は、板部30の軸方向における長さである。板部30の板厚は、ボス部10側で大きく、リム部20側で小さくなっている。
板部30は、側面31,32を有する。側面31は、軸方向においてフランジ22側に配置された面である。側面32は、軸方向において側面31の反対側に位置付けられる。車輪100の縦断面視で、側面31,32は、それぞれ、円弧41,42を介してリム部20に接続される。側面31,32は、それぞれ、円弧43,44を介してボス部10に接続される。
本実施形態では、円弧41の板部30側の端411、及び円弧42の板部30側の端421のうち、半径方向でより内側に位置するものを板部30の外周端と定義する。また、円弧43の板部30側の端431、及び円弧44の板部30側の端441のうち、半径方向でより外側に位置するものを板部30の内周端と定義する。板部30の外周端は、板部30におけるリム部20の付け根ともいえる。板部30の内周端は、板部30におけるボス部10の付け根ともいえる。本実施形態では、円弧42の端421及び円弧44の端441が、それぞれ、板部30の外周端及び内周端である。
板部30の板厚は、半径方向の外側に向かって小さくなり、外周端421の手前で最小となる。つまり、板部30は、外周端421よりも半径方向の内側、且つ外周端421の近傍で最小板厚を有する。板部30の板厚が最小となる位置は、鉄道車両が曲線を通過する際に車輪100がレールから受ける曲げ負荷によって板部30内で発生する曲げ応力が最小となる位置と実質的に一致する。例えば、外周端421から半径方向内側に5mm~30mmの位置で、板部30の板厚を最小とすることができる。
板部30は、板厚中心線Aを有する。板厚中心線Aは、側面31,32の中間を通ってボス部10側からリム部20側に延びる線である。板厚中心線Aは、車輪100の縦断面視で直線状をなす。ここでの直線状とは、完全な直線だけではなく、例えば曲率半径が1000mm以上である非常に緩やかな円弧や、折れ線をも含む概念である。すなわち、板厚中心線Aは、車輪100の縦断面視で実質的に直線であると認識し得るものであればよい。車輪100の縦断面視で板厚中心線Aが直線状であるため、板部30は、概略平板形状をなし、軸方向に湾曲しない。
車輪100の縦断面視で、板厚中心線Aは、半径方向の外側に向かうにつれてフランジ22側に近づくように、半径方向に対して傾倒する。板厚中心線Aの両端Aa,Abのうち、半径方向外側に位置する端Aaを板厚中心線Aの外端と称し、半径方向内側に位置する端Abを板厚中心線Aの内端と称する。板厚中心線Aの外端Aaは、板部30の外周端421を通り軸方向に延びる直線に対し、板厚中心線Aが接続される点である。板厚中心線Aの内端Abは、板部30の内周端441を通り軸方向に延びる直線に対し、板厚中心線Aが接続される点である。
軸方向において、板厚中心線Aの外端Aaは、フランジ22と踏面21の中央211との間の範囲Rに位置する。すなわち、外端Aaは、フランジ22の側面221に対して反フランジ方向に配置される。また、外端Aaは、踏面21の中央211に対してフランジ方向に配置される。踏面21の中央211とは、踏面21とスロート23との境界24と、リム部20の側面26との軸方向における中間位置をいう。
板厚中心線Aの外端Aaをフランジ22と踏面21の中央211との間に配置することにより、板部30と、リム部20のフランジ22側の側面25との軸方向の距離が確保される。リム部20の側面25から板厚中心線Aの外端Aaまでの軸方向の距離を板部位置Pwとする。板部位置Pwは、車輪100に使用される踏面ブレーキの仕様等に応じて適宜決定される。例えば、板部位置Pw[mm]は、リム部20の幅Wr[mm]の0.3倍以上(Pw/Wr≧0.3)であることが好ましい。板部位置Pw[mm]は、好ましくはリム部20の幅Wr[mm]の0.6倍以下である(Pw/Wr≦0.6)。リム部20の幅Wrは、軸方向におけるリム部20の長さであり、フランジ22側の側面25から反対の側面26までの軸方向の最大距離である。
車輪100の縦断面視で、板厚中心線Aは、軸方向に対してフランジ22側で角度θをなす。板厚中心線Aが非常に緩やかな曲線である場合、角度θは、板厚中心線Aの中心(外端Aaと内端Abとの中間点)での接線が軸方向に対してなす角度とする。板厚中心線Aが折れ線の場合、角度θは、板厚中心線Aを構成する線分のうち最も長い線分が軸方向に対してなす角度とする。
角度θは、90°未満である。車輪100に使用される踏面ブレーキの仕様等にもよるが、角度θは、87°以下であることが好ましい。角度θは、好ましくは75°以上である。
[実施形態の効果]
図2は、図1における車輪100の切断面のみを示す図であり、踏面ブレーキによる制動中に車輪100に生じる変形を誇張して例示する。図2を参照して、車輪100の踏面21に踏面ブレーキの制輪子が押し付けられたとき、リム部20は、摩擦によって熱変形し、軸方向でフランジ22側(フランジ方向)に変位しようとする。しかしながら、本実施形態に係る車輪100によれば、このようなリム部20の変位を低減することができる。すなわち、車輪100では、板部30の板厚中心線Aが車輪100の縦断面視で直線状をなす。しかも、板厚中心線Aは、半径方向外側に向かうにつれてフランジ22側に近づくように傾倒する。このため、踏面ブレーキによる鉄道車両の制動中にリム部20がフランジ方向に変位しようとしても、リム部20の変位に板部30が抵抗し、当該変位を阻害することができる。よって、軸方向におけるリム部20の変位を低減することができる。
本実施形態に係る車輪100では、板厚中心線Aが車輪100の縦断面視で直線状をなすことにより、板部30が実質的に変曲点を有しない。そのため、踏面ブレーキによる鉄道車両の制動中、板部30において応力集中が発生しにくい。よって、軸方向におけるリム部20の変位だけでなく、板部30に生じる熱応力も低減することができる。
本実施形態において、板部位置Pwは、好ましくはリム部20の幅Wrの0.3倍以上である。これにより、軸方向におけるリム部20の変位をより低減することができる。
本実施形態において、板厚中心線Aが軸方向に対してフランジ22側でなす角度θは、87°以下に設定されることが好ましい。これにより、軸方向におけるリム部20の変位、及び板部30に生じる熱応力をより確実に低減することができる。
本実施形態において、板部30の板厚は、半径方向の外側に向かって小さくなり、板厚中心線Aの外端Aaの手前で最小となる。より詳細には、板部30において、曲線の通過時にレールから受ける曲げ負荷によって生じる曲げ応力が最小となる位置と、板厚が最小となる位置とを概略一致させている。このようにすることで、板部30の疲労破壊を防止し、車輪100の寿命を向上させることができる。
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
以下、実施例によって本開示をさらに詳しく説明する。ただし、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
本開示に係る鉄道車両用車輪による効果を評価するため、有限要素法による数値解析(FEM解析)を実施した。FEM解析では、上記実施形態に係る車輪100(図1)と同じ形状を有する解析モデルを作成し、板厚中心線Aの角度(板角度)θ[°]、及び板部位置Pw[mm]を変化させて評価を行った。比較のため、欧州及び北米で一般的に使用されている車輪形状の解析モデルについても評価を行った。
図3は、実施例1~4の解析モデルが有する車輪形状(1/2断面におけるアウトライン)を示す図である。実施例1~4の解析モデルの車輪形状は、いずれも、ボス部がリム部に対して軌道中心寄り(輪軸中心寄り)に位置する。図4は、比較例1~5の解析モデルが有する車輪形状(1/2断面におけるアウトライン)を示す図である。図3及び図4を参照して、実施例1~4及び比較例1~3では、板厚中心線Aが直線状をなす。ただし、実施例1~4では板角度θが90°未満であるのに対し、比較例1~3では板角度θが90°以上である。図4に示すように、比較例4及び比較例5では、実施例1~4及び比較例1~3と異なり、板厚中心線Aが湾曲する。比較例4の解析モデルは、欧州で一般的に使用される車輪形状を有する。比較例5の解析モデルは、北米で一般的に使用される車輪形状を有する。各解析モデルの形状パラメータを表1に示す。
Figure 0007197004000001
FEM解析は、汎用ソフトウェア(ABAQUS Ver.6.12、ダッソー・システムズ社製)を用いて行った。解析では、踏面ブレーキによる鉄道車両の制動を模擬するため、車輪の踏面のうち、踏面ブレーキの制輪子と接触する領域に熱流束を与えた。制動時間は1200秒とし、車輪の内周部は完全拘束とした。また、鉄道車両がレール上を走行するときに車輪に生じる応力(機械的応力)を評価するため、車輪の踏面のうち、レールと接触する位置に荷重を与えた。このときの荷重は1輪軸当たり40tとした。
FEM解析の結果を表2に示す。表2中、リム部変位[mm]は、制動中におけるリム部の軸方向の最大変位であり、フランジ方向を負、反フランジ方向を正とする。リム部変位は、リム部のフランジ側の側面において、車輪の直径890mmの位置で評価した。板部熱応力は、制動中における板部の最大応力である。板部機械的応力は、車輪がレール上を1回転する間に生じる板部の応力振幅(変動範囲の1/2)の最大値である。表2では、各実施例及び各比較例について、板部熱応力を実施例1の板部熱応力との比で表し、板部機械的応力を実施例1の板部機械的応力との比で表している。
Figure 0007197004000002
比較例5は、板厚中心線Aを概略S字状に形成し、板部においてボス部の付け根部分とリム部の付け根部分とを軸方向に離したものである(図4)。このような車輪形状では、板部熱応力の低減を図ることはできるが、リム部変位を低減することはできない。実際、比較例5では、リム部変位が-2.4mmであり、リム部がフランジ方向に大きく変位する結果となった。一方、板厚中心線Aが直線状である実施例1~4では、リム部変位が-1.5mm~-0.2mmであり、比較例5と比較してリム部変位が低減されている。
比較例1~3では、実施例1~4と同様、板厚中心線Aが直線状をなす。ただし、実施例1~4の板角度θが90°未満であるのに対し、比較例1~3の板角度θは90°以上である。この比較例1~3のリム部変位は、-2.0mm~-3.8mmであった。一方、板角度θが90°未満の実施例1~4では、リム部変位が-1.5mm~-0.2mmであり、比較例1~3と比較してリム部変位が小さくなった。特に、リム幅Wr[mm]に対する板部位置Pw[mm]の比が0.3以上である実施例2~4では、そのリム部変位が、欧州規格EN13979-1で許容される範囲(-1.0mm~3.0mm)内に収まる結果となった。
比較例4は、板部に2つの変曲点を設けたものである(図4)。このような車輪形状では、リム部変位の低減を図ることはできるが、板部熱応力を低減することはできない。実際、比較例4では、板部熱応力の比(対実施例1)が1.29と大きくなった。一方、板厚中心線Aが直線状である実施例1~4では、板部熱応力の比(対実施例1)が0.75~1.00に低減されている。板部位置Pwが比較的大きい実施例2~4では、板部熱応力がより小さくなった。
比較例1~3の板部熱応力も、比較例4と比較して低減された。特に、板角度θが90°である比較例1の板部熱応力は、実施例1~3の板部熱応力よりも小さい。しかしながら、比較例1では、各実施例と比較して板部機械的応力が大きくなった。よって、板部機械的応力を考慮すると、板角度θは90°未満である必要がある。
このように、鉄道車両用車輪において板厚中心線Aを直線状とし、且つ板厚中心線Aを半径方向外側に向かうにつれてフランジ側に近づくように半径方向に対して傾倒させ、板角度θを90°未満とすれば、リム部変位及び板部熱応力を同時に低減できることを確認することができた。実施例1~4の解析結果によれば、板角度θを87°以下とすることでリム部変位及び板部熱応力をより確実に低減することができる。また、実施例2~4の解析結果によれば、リム幅Wrに対する板部位置Pwの比が0.3以上である場合、リム部変位をより低減することができる。
100:車輪
10:ボス部
20:リム部
21:踏面
22:フランジ
30:板部
A:板厚中心線

Claims (4)

  1. 鉄道車両に用いられる車輪であって、
    前記車輪の内周部を構成し、前記鉄道車両の車軸が挿入されるボス部と、
    前記車輪の外周部を構成し、前記鉄道車両が走行するレールの頭頂面に接触する踏面と、前記車輪の半径方向で前記踏面よりも外側に突出するフランジと、を含み、前記ボス部に対し、軌道幅方向において外寄りに位置付けられたリム部と、
    前記ボス部と前記リム部とを接続する環状の板部と、
    を備え、
    前記車輪の縦断面視で、
    前記板部は、前記半径方向の外側に向かうにつれて前記フランジ側に近づくように傾倒する直線状の板厚中心線を有し、
    前記板厚中心線の両端のうち前記半径方向で外側に位置する方の端である外端は、前記車輪の軸方向において前記フランジと前記踏面の中央との間に位置する、車輪。
  2. 請求項1に記載の車輪であって、
    前記リム部の前記フランジ側の側面から前記板厚中心線の前記外端までの前記軸方向の距離は、前記リム部の前記軸方向の長さの0.3倍以上である、車輪。
  3. 請求項1又は2に記載の車輪であって、
    前記板厚中心線が前記軸方向に対して前記フランジ側でなす角度は、87°以下である、車輪。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車輪であって、
    前記板部は、前記半径方向の外側に向かうにつれて小さくなり前記板厚中心線の前記外端の手前で最小となる板厚を有する、車輪。
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