図1には本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の構成の概要が示されている。画像形成装置1は、コピー機、プリンタ、ファクシミリ機、イメージリーダなどの機能を集約したMFP(Multi-functional Peripheral :多機能機または複合機)である。画像形成装置1は、スキャナ1A、電子写真方式のカラープリンタ1B、操作パネル1C、およびフィニッシャ1Dなどを備えている。
スキャナ1Aは、フラットベッド型であり、プラテンガラスの上にセットされた各種の原稿から画像を読み取って画像データを生成する。
操作パネル1Cは、ユーザによる操作のための画面を表示するタッチパネルディスプレイを有し、入力操作に応じた信号を出力する。この信号に応じて画像形成装置1の動作が制御される。
フィニッシャ1Dは、ステープル綴じ、パンチ穿孔、三つ折りなどの後処理を行うオプション装置であり、カラープリンタ1Bの左側面に連結されている。
カラープリンタ1Bは、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、ファクシミリ受信、およびボックスプリントなどの印刷ジョブにおいて、記録媒体としてセットされたシート2にカラーまたはモノクロの画像を形成する。例えば、コピージョブにおいては、スキャナ1Aにより生成された画像データに基づいて画像を形成する。
カラープリンタ1Bは、タンデム型のプリンタエンジン10を備えている。プリンタエンジン2は、4個のイメージングユニット3y,3m,3c,3k、プリントヘッド6、および中間転写ベルト12などを有する。
また、カラープリンタ1Bの底部に着脱可能なカセット式の給紙トレイ25aが配置され、右側面の下部に手指しトレイ25bが設けられている。給紙トレイ25aおよび手指しトレイ25bは、それぞれに多数枚のシート2(2a,2b)をセットすることができる。セットするとは、給紙トレイの中に重ねて置いておくことを意味する。
なお、以下において、給紙トレイ25aと手指しトレイ25bとを区別せずに「給紙トレイ25」と記すことがある。
イメージングユニット3y~3kは、それぞれ筒状の感光体4、帯電器5、現像器7、およびクリーナ8などを有している。イメージングユニット3y~3kの基本的な構成は同様である。
プリントヘッド6は、イメージングユニット3y~3kのそれぞれに対してパターン露光を行うためのレーザビームを射出する。プリントヘッド6において、感光体4の回転軸と平行な方向にレーザビームを偏向する主走査が行われる。この主走査と並行して、感光体4を定速回転させる副走査が行われる。
中間転写ベルト12は、トナー像の一次転写における被転写部材であり、一対のローラ間に巻回されて回転する。中間転写ベルト12の内側には、イメージングユニット3y,3m,3c,3kごとに一次転写ローラが配置されている。また、イメージングユニット3yに近い上流側の位置に、中間転写ベルト12の外面から付着物を除去するベルトクリーナ120が配置されている。
カラー印刷モードにおいて、イメージングユニット3y~3kは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(ブラック)の4色のトナー像を並行して形成する。4色のトナー像は、回転中の中間転写ベルト10に順次に一次転写される。最初にYのトナー像が転写され、それに重なるようMのトナー像、Cのトナー像、およびKのトナー像が順次に転写される。
一次転写されたトナー像は、二次転写ローラ16と対向する印刷位置P3において、給紙トレイ25から取り出されてタイミングローラ15を経て搬送されてきたシート2に二次転写される。二次転写の後、シート2は、定着器17を通過し、排紙ローラ18により連絡搬送路19に導入される。そして、連絡搬送路19を通ってフィニッシャ1Dに送り出される。画像形成装置1にフィニッシャ1Dが連結されていない場合には、連絡搬送路19に代えて装着される排紙トレイにシート2が排出される。定着器17を通過するとき、加熱および加圧によってトナー像がシート2に定着する。
連絡搬送路19の近傍に、不要になったシート2を収容するためのパージトレイ20が設けられている。パージトレイ20は、満杯になったことを検出する満杯センサ45を有している。
画像形成装置1は、シート2の種類を検知するためのメディアセンサ(シート属性センサ)41を備えており、メディアセンサ41の出力に基づいて検知した種類に応じて印刷の動作条件(プロセス条件)を適切な画像が得られるように設定する。
メディアセンサ41は、シート2の搬送経路30のうちの給紙トレイ25と印刷位置P3との間の位置、詳しくはタイミングローラ15と合流点P2との間に配置されている。合流点P2は、給紙トレイ25aに対応する給紙路31aと手指しトレイ25bに対応する給紙路31aとが合流する位置である。
メディアセンサ41は、種類の判別に用いる情報をシート2から取得する。例えば、メディアセンサ41は、光センサであり、タイミングローラ15に向かって移動中のシート2に検出光を照射し、シート2を透過した検出光の受光量を示す検出信号をシート2の坪量を特定する情報として出力する。
画像形成装置1は、入力された印刷ジョブの実行を開始する際に、ジョブによる指定に応じていずれかの給紙トレイ25を選択する。例えば、ジョブにより指定されている出力画像サイズに対応するシート2がセットされている給紙トレイ25を選択する。または、ジョブにより給紙トレイ25が指定されている場合は、指定されている給紙トレイ25を選択する。
そして、選択した給紙トレイ25に対して予め設定したシート2の種類(設定種類)に応じて動作条件を設定し、選択した給紙トレイ25からシート2を取り出し、設定した動作条件で印刷を行う。
給紙トレイ25に対する種類の設定は、次のようにユーザによる指定に従ってまたは以前における種類の検知結果に基づいて行われる。
ユーザは、印刷ジョブを入力するとき、またはそれに先立って、所定の操作画面を表示させて種類を指定することができる。例えば、所望の種類のシート2を給紙トレイ25にセットしたときに、その種類を指定する入力操作を行う。画像形成装置1は、指定された種類を設定種類として記憶する。
ユーザが自動設定モードを指定した場合は、画像形成装置1は、検知した種類(検知種類)をその給紙トレイ25に対する設定種類として記憶する。給紙トレイ25がエンプティになるか、給紙トレイ25がシート2の補給などのために画像形成装置1から取り外されるまで、記憶を保持する。
さて、通常は、設定種類のシート2を用いて設定種類に応じた動作条件で適正に印刷が行われる。
ところが、ユーザが種類を指定するにしても画像形成装置1が自動設定するにしても、設定種類と異なる種類のシート2を印刷位置P3へ搬送してしまう状況(以下、これを「メディアエラー」と記す)が起こり得る。すなわち、ユーザが間違った種類を指定した場合、および給紙トレイ25にセットされたシート群の中に他のシート2と種類が異なるシート2が含まれていた場合に、メディアエラーが生じる。
メディアエラーが生じたときには、設定種類と異なる種類違いのシート2をフィニッシャ1Dに送らずに、パージトレイ20に排出する。つまり、種類違いのシート2をパージする。それは、印刷の動作条件が種類違いのシート2に対応するものではないので、印刷の画質が低下するからである。特に、複数枚のシート2を使用する連続印刷ジョブでは、仮に種類違いのシート2を通常通りに排出すると、印刷物において複数の種類が混在してしまう。印刷物を品質の観点において、種類の混在の無いことが好ましい。
本実施形態の画像形成装置1は、給紙トレイ25からシート2が搬送されるごとに当該シート2それぞれの種類を検知することによってメディアエラーを検知し、マシンダメージを抑えつつ種類違いのシート2をパージする機能を備えている。
以下、この機能を中心に画像形成装置1の構成および動作を説明する。
図2には印刷時の動作条件の設定に関わる複数のテーブルの例が、図3には二次転写の転写出力TEと転写効率との関係が、それぞれ示されている。
図2(A)に示す動作条件テーブル91において、シート2について想定された複数の種類SKのそれぞれに、動作条件を構成する複数の設定値(条件値)が直接的にまたは間接的に対応づけられている。
本実施形態において想定された種類SKは、坪量により分類された薄紙、普通紙、および厚紙の3個である。坪量とシート2の厚さとに相関関係があり、これらの3個の種類SKの間に厚さの差異がある。薄紙は普通紙よりも薄く、普通紙は厚紙よりも薄い。なお、例えば薄紙1、薄紙2、…普通紙1、普通紙2…というように分類を細分化して種類SKの個数を4以上としてもよい。
動作条件は、設定項目として少なくとも定着温度FT、搬送速度FS、および転写出力TEを有している。これらの他に、現像出力(現像バイアス)、カブリマージン(感光体4の帯電電位と現像DC出力との差)などを含めてもよい。
定着温度FTは、定着器17における定着ヒータによる加熱の目標温度である。図2(A)の例では、薄紙と普通紙とについて定着温度FTの設定値が同じ値(165℃)に選定され、厚紙について薄紙および普通紙の設定値よりも少し高い値(175℃)が選定されている。
搬送速度FSは、二次転写および定着におけるシート2の搬送の速度であり、感光体4の周速度、および中間転写ベルト12の移動速度などを規定する項目である。シート2が厚いほど熱容量が大きいので、定着品質を良好にするには、定着温度FTを高くするか、または搬送速度FSを遅くする必要がある。
定着温度FTの切替え幅を大きくするよりも搬送速度FSの切替え幅を大きくするのが容易であることから、搬送速度FSの設定値として、高速、中速、および低速の3段階の値が選定されている。すなわち、薄膜に最も速い高速が、普通紙に次の速い中速が、厚紙に最も遅い低速が対応づけられており、3つの種類SKにそれぞれ対応する搬送速度FSの設定値は互いに異なる。
転写出力TEは、二次転写ローラ16をバイアスする高圧電源回路の出力電圧または出力電流である。
動作条件テーブル91においては、転写出力TEについて、その設定値が直接的には示されず、標準条件の設定値と非標準条件の設定値との一方を選択するべきことが示されている。標準条件とは、メディアエラーが発生していない通常時の印刷に適用するべき動作条件であり、非標準条件とは、メディアエラーが発生した場合の印刷に適用するべき動作条件である。
なお、動作条件テーブル91において直接的に示される定着温度FTおよび搬送速度FSのそれぞれの設定値は、標準条件を構成するものでもあり、非標準条件を構成するものでもある。
転写出力TEを設定する際に、画像形成装置1は、図2(B)に示す転写出力テーブル91Bを参照する。
転写出力テーブル91Bは、搬送速度FSの設定値(低速、中速、高速)のそれぞれについて、シート2の種類SK(薄紙、普通紙、厚紙)ごとに、図2(C)に示すサブテーブル群910のうちの参照するべきサブテーブルを示す。
サブテーブル群910は、標準サブテーブル911~913と非標準サブテーブル914~919とを有している。標準サブテーブル911~913は、標準条件を構成する転写出力TEの設定値を示し、非標準サブテーブル914~919は、非標準条件を構成する転写出力TEの設定値を示す。
印刷ジョブを開始する際には、動作条件として標準条件を設定するので、転写出力テーブル91Bにおいて種類SK(設定種類)と搬送速度FSとの組合せに対応づけられている標準サブテーブル911~913のいずれかを参照する。
詳しくは、選択した給紙トレイ25に対して設定されている種類SKが薄紙である場合は、動作条件テーブル91が示す通り搬送速度FSは高速であるので、薄紙と高速との組合せに対応づけられている標準サブテーブル911を参照する。同様に、種類SKが普通紙である場合は、普通紙と中速との組合せに対応づけられている標準サブテーブル912を参照し、種類SKが厚紙である場合は、厚紙と低速との組合せに対応づけられている標準サブテーブル913を参照する。
そして、参照した標準サブテーブル911~913により示される転写出力TEの設定値を用いて動作条件を設定する。
これとは違って、印刷ジョブの途中でメディアエラーが発生した際には、動作条件を標準条件からその一部が異なる非標準条件に切り替える。そのために転写出力テーブル91Bにおいて種類SK(検知種類)と搬送速度FSとの組合せに対応づけられている非標準サブテーブル914~919のいずれかを参照する。
詳しくは、検知した種類SK(検知種類)が例えば薄紙であってそのときの搬送速度FSが低速である場合、つまり厚紙に対応する標準条件が設定されているのに給紙したシート2が薄紙であった場合は、薄紙と低速との組合せに対応する非標準サブテーブル915を参照する。
同様に、検知種類が薄紙であって搬送速度FSが中速である場合は非標準サブテーブル914を参照する。検知種類が普通紙であって搬送速度FSが低速である場合は非標準サブテーブル917を参照し、検知種類が普通紙であって搬送速度FSが高速である場合は非標準サブテーブル916を参照する。検知種類が厚紙であって搬送速度FSが中速である場合は非標準サブテーブル919を参照し、検知種類が厚紙であって搬送速度FSが高速である場合は非標準サブテーブル918を参照する。
そして、参照した非標準サブテーブル914~919により示される転写出力TEの設定値を用いて動作条件を設定する。
ところで、図2(C)に示す通り、標準サブテーブル911~913は、印刷の画質を最良にする転写出力TEの設定値をそれぞれ1つのみ示す。したがって、標準サブテーブル911~913を参照する場合は、参照したいずれかの標準サブデーブルにより示される設定値を、動作条件の設定に反映させる。
図3(A)に示すように、転写出力TEが過小であると、転写効率(転写されるトナーの割合)が低く、がさつき(粒状感)が目立つ画像となってしまう。転写出力TEを大きくするにつれて転写効率が高くなってがさつきが低減される。しかし、さらに転写出力TEを大きくすると、転写電流(+)を与え過ぎることになってトナーの逆帯電化(+)が進んで電気的な移動ができなくなることから、転写効率が下がる。また、画像に放電ノイズ(白い斑点)が目立つようになる。
そこで、例えば転写出力TEを切り替えて印刷して画質を調べる実験に基づいて、転写出力TEの設定値が選定される。一般に、転写効率が100%またはそれに近い値になる転写出力TEの値が設定値とされる。
図3(B)に示すように、転写効率が100%になる転写出力TEの値は、搬送速度およびシート2の厚さに依存する。搬送速度が速いほど、転写に必要な電荷量を一定にするために転写出力TEを大きくしなければならない。また、シート2が薄いほど電気抵抗が低いので、転写出力TEを大きくする必要がある。したがって、搬送速度と厚さとの組合せごとに設定値を示すよう3つの標準サブテーブル911~913が設けられている。
図2(C)に戻って、他方、非標準サブテーブル914~919のそれぞれは、転写率Zの複数の値ごとに、対応する転写出力TEの設定値を示す。すなわち、複数の設定値を有している。転写率Zは、転写後のシート2上のトナー重量を転写前の感光体4上のトナー重量で除した比率である。
したがって、非標準サブテーブル914~919を参照する場合は、参照したいずれかの非標準サブデーブルからいずれかの転写率の値に対応づけられている設定値を読み出して動作条件(非標準条件)の設定に反映させる。このとき注目する転写率の値は、後に述べるように、種類違いのシート2に転写する予定で形成したトナー像の濃度(トナー濃度X)と定着可能トナー量Yとの関係に基づいて決定される。
図4には画像形成装置1における印刷制御に関わる要部の機能的構成が示されている。
画像形成装置1は、印刷制御部101、動作条件設定部102、種類設定部103、記憶部104、種類検知部105、およびトナー濃度検知部106などを有している。これらの機能は、プロセッサを含む制御回路基板のハードウェア構成により、および制御プログラムがプロセッサによって実行されることにより実現される。
種類設定部103は、2個の給紙トレイ25のそれぞれについて、想定された複数の種類SK(薄紙、普通紙、厚紙)のいずれかを当該給紙トレイ25にセットされたシート2の種類SKとして設定する。
すなわち、操作パネル1Cを用いる操作または外部装置を用いた遠隔操作によりユーザがユーザが指定した種類SKである指定種類SK0を設定種類SK1として記憶部104に記憶させる。また、上に述べたように自動設定モードにおいては、種類検知部105により検知された種類SKである検知種類SK1を設定種類SK1として記憶部104に記憶させる。
記憶部104は、動作条件テーブル91をはじめとする印刷制御に関わる各種のテーブル、および設定種類SK1を含む各種の制御データを記憶する。
種類検知部105は、メディアセンサ41からの検出信号S41に基づいて、給紙トレイ25から取り出されて印刷位置P3へ給紙する途中のシート2の種類SKを検知する。
詳しくは、印刷制御部101から給紙の開始が通知されると、所定の適切なタイミングで検出信号S41を取り込み、検出信号S41の値と種類SKとを対応づけるシート判別テーブル92から検出信号S41の値に対応する種類SKを検知結果として取得する。すなわちシート2の種類SKがシート判別テーブル92に示される複数の種類SKのいずれであるかを検知する。そして、このようにして検知した種類SKを検知種類SK2として印刷制御部101などに通知する。
印刷制御部101は、画像形成装置1の全体的な制御を受け持つ上位制御部100からの指令に従って、印刷に関わる制御対象を制御する。制御対象としては、プリントヘッド6、帯電・現像・転写のための高圧電源回路160、定着器17の定着ヒータ170、および感光体を含む各種の回転体を駆動する回転駆動部180などがある。
通常の制御として、印刷制御部101は、設定種類SK1に標準条件として対応づけられている第1の動作条件MC1で印刷するよう制御する。
詳しくは、そのときの設定種類SK1に応じて、動作条件テーブル91から搬送速度FSおよび定着温度FTのそれぞれの設定値を抽出し、標準サブテーブル911~913から転写出力TEの設定値を抽出する。そして、抽出したこれらの設定値から構成される第1の動作条件MC1を制御対象に適用してシート2の給紙から排出までの一連の印刷動作を制御する。
メディアエラーが発生した場合の制御として、印刷制御部101は、第1の動作条件MC1から第2の動作条件MC2へ切り替えて画像を印刷しかつ印刷後の種類違いのシート2をパージトレイ20に排出するよう画像形成装置1を制御する。
第2の動作条件MC2は、第1の動作条件MC1とは転写出力TEの設定値が異なるものである。また、基本的には、第2の動作条件MC2の搬送速度FSの設定値は、第1の動作条件MC1の搬送速度FSの設定値がそのまま引き継がれる。第1の動作条件MC1の搬送速度FSの設定値は、検知種類SK2とは異なる設定種類SK1に対応する値である。したがって、第2の動作条件MC2は、検知種類SK2に対応づけられている標準条件とは搬送速度FSの設定値が異なるものでもある。
印刷制御部101は、種類検知部105から通知された検知種類SK2が進行中のジョブに対応する設定種類SK1と異なる場合に、動作条件設定部102およびトナー濃度検知部106などにメディアエラーの発生を通知する。この通知には、設定種類SK1および検知種類SK2が含まれる。そして、動作条件設定部102から第2の動作条件MC2を取得し、取得した第2の動作条件MC2を直ちに制御対象に反映させて印刷動作を続行させる。ただし、印刷後のシート2の排出先をフィニッシャ1Dからパージトレイ20に変更する。
ここで、種類違いのシート2に第2の動作条件MC2で印刷する理由を説明する。
図1を参照して、シート2の種類SKを検知するタイミングでは、既に中間転写ベルト12にトナー像が一次転写されており、トナー像が印刷位置P3に近づいている。トナー像の先端位置P5と印刷位置P3との距離は、メディアセンサ41と印刷位置P3との距離L1と同程度である。
種類SKを検知してメディアエラーが判明したときに、従来例のように印刷(二次転写)を中止して種類違いのシート2を白紙状態で排出することが考えられる。しかし、二次転写を中止すると、中間転写ベルト12に大量のトナーが残ることになり、ベルトクリーナ120まで移動する間にトナーが飛散して機内を汚すおそれが大きい。
印刷を続行すると、中間転写ベルト12からのトナーの飛散を低減することができる。しかし、第1の動作条件MC1のままで印刷を続行すると、第1の動作条件MC1が検知種類SK2に対応する標準条件と異なることから、定着が不十分となって定着器17の下流側で未定着のトナーが飛散することが起こり得る。定着時にシート2が過熱状態になって定着器17を通過した後に過度にカールすることもある。
機内汚れおよび過度のカールを防ぐ上では、検知種類SK2に対応する標準条件に切り替えて印刷を続行するのが好ましいが、実際にはそのような切替えが間に合わないことがある。例えば、設定種類SK1と検知種類SK2とで標準条件のうちの定着温度FTの設置値が異なる場合には、定着温度FTが検知種類SK2にとって適正な温度になる以前にシート2が定着器17に到着してしまう。
そこで、画像形成装置1では、動作条件の複数の設定項目のうちで切替りの応答が速い設定項目である転写出力TEの設定値が標準条件とは異なる動作条件が非標準条件として定められている。すなわち、画像形成装置1は、メディアエラー発生時には検知種類SK2に対応する非標準条件である第2の動作条件MC2で印刷を続行するように構成されている。
図4に戻って、動作条件設定部102は、メディアエラーが通知されると、トナーの飛散を低減するための第1の設定処理、およびシート2のカールを低減するための第2の設定処理を行う。
第1の設定処理として、トナー濃度検知部106により検知されたトナー濃度Xに応じて、トナーの転写量が定着可能トナー量Yを超えないよう第2の動作条件MC2における転写出力TEを設定する。詳しくは次の通りである。
記憶部104において記憶されている定着可能トナー量テーブル93から、検知種類SK2と現在の搬送速度FSとの組合せに対応づけられている定着可能トナー量Yを取得する。
トナー濃度Xが定着可能トナー量Y以下である場合は、サブテーブル群910のうちの検知種類SK2と現在の搬送速度FSとの組合せに対応する非標準サブテーブルから、転写率Zが100%となる転写出力TEの設定値を読み出す。そして、この設定値を第2の動作条件MC2を構成する設定値として印刷制御部101に通知する。このとき、転写出力TEの設定値とともに、動作条件テーブル91に直接的に示される他の設定項目の設定値を通知してもよい。
他方、トナー濃度Xが取得した定着可能トナー量Yを超える場合は、転写出力切替えテーブル94から、設定種類SK1と検知種類SK2との組合せに対応づけられている転写率Zの値を読み出す。次に、サブテーブル群910のうちの検知種類SK2と現在の搬送速度FSとの組合せに対応する非標準サブテーブルから、読み出した転写率Zの値に対応づけられている転写出力TEの設定値を読み出す。そして、この設定値を印刷制御部101に通知する。
トナー濃度検知部106は、メディアエラーが発生した場合に、種類違いのシート2に印刷する予定の画像を表わす画像データDiに基づいて、当該シート2に転写するべく形成されたトナー像のトナー濃度Xを検知する。このトナー濃度Xは、当該トナー像のトナー量に相当する。
図4の例において、画像データDiは、パターン露光用の印字データDi6を生成する画像処理部150に入力されるデータまたはそれに所定の画像処理を施したデータとされている。コピーにおいてはスキャナ1Aから出力されるデータであり、PCプリントまたはファクシミリ受信においては外部装置から通信処理部140により受信されるデータである。ボックスプリントでは補助記憶装置内のボックス(記憶領域)130から画像処理部150に転送されるデータである。ただし、これに限らず、例えば印字データDi6に基づいてトナー濃度Xを検知してもよい。
トナー濃度検知部106は、トナー濃度Xを検知する処理として、例えば画像データDiの画素値を合計し、画素値とトナー量(トナー濃度)との対応関係を示す変換情報96を用いて、合計値をトナー濃度Xに変換して出力する。
トナー像の全体についてトナー濃度Xを検知するモードと、トナー像を複数の領域に区分して領域ごとにトナー濃度Xを検知するモードとがある。後者のモードにおいては、次の処理が行われる。
トナー濃度検知部106は、シート2の搬送方向に対応する区分方向に画像(画像データDi)を所定画素数ずつ区分し、これにより区分されるトナー像の領域ごとにトナー濃度Xを検知する。
区分方向は、印刷ジョブにおける画像の向きの指定に依存する。画像処理部150に入力される段階の画像の行方向が区分方向になる場合もあるし、列方向が区分方向になる場合もある。いずれにしても、印字データDi6における副走査方向が区分方向になるよう必要に応じて画像回転処理を施した画像データDiが、画像処理部150からトナー濃度検知部106に提供される。
トナー像を区分する当該モードにおいて、動作条件設定部102は、検知されたトナー濃度Xに応じて、トナー像の領域ごとに第2の動作条件MC2における転写出力TEを設定する。これと連動して、印刷制御部101は、トナー像の各領域が転写されるタイミングごとに第2の動作条件MCにおける転写出力TEを切り替える。
第2の設定処理として、動作条件設定部102は、画像データDiに応じて、定着後のシート2のカールがしきい値を超えないよう第2の動作条件MC2における搬送速度FSを設定する。詳しくは次の通りである。
検知種類SK2の標準の搬送速度FSが設定種類SK1の搬送速度SFよりも速い速度である場合において、動作条件設定部102は、下限トナー濃度テーブル97を参照する。下限トナー濃度テーブル97は、設定種類SK1と検知種類SK2との組合せに対応する下限トナー濃度Xthを示すテーブルであり、下限トナー濃度Xthは、カール量Qの許容範囲を決めるしきい値Qthに対応するトナー濃度Xである。
動作条件設定部102は、トナー濃度検知部106により検知されたトナー濃度Xが下限トナー濃度Xthよりも小さいときに、シート2の搬送を現在よりも速くするよう搬送速度FSを設定し直す。本実施形態においては、検知種類SK2が薄紙である場合も、普通紙である場合も、搬送速度FSとして高速を設定するものとされている。
このようにして搬送を速くすることにより、定着時にシート2が過熱状態になるのを防ぎ、シート2のカール量Qを搬送トラブルを起こさない範囲内に抑えることができる。つまり、トナー像が淡い場合は濃い場合と比べてトナーによる吸熱が少ないことから定着時にシート2が過熱状態になり易い。搬送を速くすると、単位時間あたりの加熱量が少なくなるので、過熱を防ぐことができる。
トナー像が濃くてカール量Qが許容値を超えるおそれがない場合は、搬送速度FSの設定の第1の動作条件のままとする。ただし、必要に応じて転写出力TEを設定し直す。
〔転写出力の切替えの例〕
次に、設定種類SK1が薄紙であって検知種類SK2が厚紙である場合を想定して、メディアエラー発生時の動作の例を説明する。
図5には搬送速度FSと定着可能トナー量Yとの関係および定着可能トナー量テーブル93の例が、図6には転写出力TEと転写可能トナー量Ytとの関係および転写出力切替えテーブル94の例が、それぞれ示されている。図7にはトナー濃度Xに応じた転写出力TEの切替えの複数のパターンが示されている。
図5(A)に示す通り、搬送速度TEが速いほど、定着可能トナー量Yは少ない。単位時間当たりの加熱量が少なくなると、シート2に転写されたトナーのうちの十分に溶融するトナーの割合が減るからである。また、搬送速度TEが同じであれば、シート2が厚いほど、定着可能トナー量Yは少ない。厚いシートは熱容量が大きく加熱されにくいからである。
図5(B)に示す通り、定着可能トナー量テーブル93では、種類SKと搬送速度FSとの組合せにごとに、定着可能トナー量Y1~Y9が対応づけられている。なお、3つの種類SKのそれぞれに対応する標準条件は、最大濃度のトナー像を転写率100%で二次転写したときの転写トナー量が定着可能トナー量Y1、Y5、Y9を超えない条件とされている。
さて、ここでの想定では設定種類SK1が薄紙であるので、上に述べた通り、搬送速度FSは高速である。薄紙を高速で搬送する場合の定着可能トナー量YはY1であるが、厚紙を高速で搬送する場合の定着可能トナー量Yは、Y1よりも少ないY7である(Y7<Y1)。
Y7がY1よりも少ないことは、仮に第1の動作条件MC1のままで印刷を続行した場合には、未定着のトナーを有するシート2が定着器17を通過するおそれがあることを意味する。
そこで、二次転写するトナー量が定着可能トナー量Y7以下となるよう、すなわち転写トナー量が少なくなるよう転写出力TEの設定値を切り替える。これにより、トナーの飛散による機内汚れを低減することができる。搬送速度FSは高速としたままでよい。
二次転写するトナー量を制限するので、中間転写ベルト12にトナーが残るかもしれないが、残ったとしても転写せずにシート2の白紙で排出する場合と比べて、残るトナーは少ない。中間転写ベルト12に残ったトナーはベルトクリーナ120により除去することができるが、定着器17の下流ではトナーを回収して飛散を防ぐことができない。したがって、総合的にみると、従来よりも機内汚れを低減することができる。
図6(A)に示すように、画像形成装置1において、転写可能トナー量Yt(二次転写が可能な最大のトナー量)は、転写出力TEにほぼ比例する。図6(A)に示される関係から、転写可能トナー量Ytが厚紙と高速との組合せの定着可能トナー量Y7となるのは、転写出力TEの設定値をTE7としたときであることがわかる。
図6(B)に示すように、転写出力切替えテーブル94においては、検知種類SK2が設定種類SK1よりも厚いという設定種類SK1と検知種類SK2との組合せについて、トナー濃度Xと転写率Zとの対応が示される。すなわち、トナー濃度Xのトナー像を転写するときに転写トナー量を定着可能トナー量Yに制限する転写率Zが示される。
トナー濃度Xと転写率Zとの対応には、図7に示す3つのパターンがある。なお、図7の例は検知種類SK2が厚紙である場合を想定したものである。
図7(A)に示す第1のパターンは、トナー濃度Zが定着可能トナー量Y7以下である場合は転写率Zを100%とし、トナー濃度Zが定着可能トナー量Y7を超える場合に、トナー濃度Zが大きいほど転写率Zを小さくするものである。トナー濃度Zが100%であるときの転写率Zは、Y7をY1で除した値(Y7/Y1)とされる。
この第1のパターンによると、未定着となるトナーを無くし、かつ二次転写されずに残るトナーを3つのパターンの中で最少にすることができる。
図7(B)に示す第2のパターンは、トナー濃度Zが定着可能トナー量Y7以下である場合は第1のパターンと同様に転写率Zを100%とし、トナー濃度Zが定着可能トナー量Y7を超える場合には、転写率ZをY7/Y1とするものである。
この第2のパターンによると、未定着となるトナーを無くし、かつ二次転写されずに残るトナーを第1のパターンの次に少なくすることができる。第1のパターンと比べて、転写出力TEの切替えの処理が簡単になる。
図7(C)に示す第3のパターンは、トナー濃度Zにかかわらず、転写率Zを一律にY7/Y1とするものである。
この第3のパターンによると、未定着となるトナーを無くすことができるとともに、転写出力TEの切替えの処理を第2のパターンよりもさらに簡単にすることができる。
図8にはトナー濃度Xに応じた転写出力TEの切替えの例が示されている。詳しくは、図8(A)にはタイミングセンサ42と印刷位置P3と定着位置P4との位置関係が、図8(B)にはトナー像80を区分して転写出力TEを切り替える二次転写の例が、図8(C)には転写出力TEの切り替えのタイミングの例が、それぞれ示されている。
図8(A)において、タイミングセンサ42は、シート2の通過を検出するセンサであり、メディアセンサ41と印刷位置P3との間に配置されている。タイミングセンサ42から印刷位置P3までは距離L2だけ離れており、タイミングセンサ42と定着位置P4(定着ローラ対のニップ部)までは距離L2だけ離れている。
図8(B)において、中間転写ベルト12に一次転写されたトナー像80は、前半部81と後半部82との2つの領域に区分されて二次転写される。前半部81のトナー濃度Xが例えば100%であるものとし、後半部82のトナー濃度Xが例えば50%であるものとする。また、定着可能トナー量Yが最大トナー量(トナー濃度Xが100%のトナー像のトナー量)の50%であるものとする。
この場合に、前半部81については転写率Zが50%とされ、後半部82については転写率Zが100%とされる。これにより、前半部81を転写したトナー像81bのトナー量も、後半部82を転写したトナー像82bのトナー量も、共に定着可能トナー量Yになる。前半部81については転写を制限して未定着のトナーの発生を防ぐことができ、後半部82については全体を転写して中間転写ベルト12にトナーが残らないようにすることができる。
図8(C)のように、タイミングt1において、タイミングセンサ42によりシート2の先端の到着が検出される。このタイミングt1から距離L2の搬送に要する時間TL2が経過するタイミングt2で転写出力TEを転写率Zが50%となるよう設定する。タイミングt2より前のタイミングteでメディアセンサ41による種類SKの検知を完了させておく。
タイミングt2の後、シート2の先端からトナー像81bの後端までの長さL3に対応する搬送時間TL3が経過したタイミングt3で転写出力TEを転写率Zが100%となるよう切り替える。
なお、タイミングt2の以前の転写出力TEを任意の値としておき、タイミングt2で転写率Zが50%となるよう切り替えてもよい。
〔搬送速度の切替えの例〕
次に、設定種類SK1が厚紙であって検知種類SK2が薄紙である場合を想定して、メディアエラー発生時の動作の例を説明する。
図9には下限トナー濃度テーブル97およびトナー濃度Xとカール量Qとの関係の例が、図10にはトナー濃度Xに応じた搬送速度FSの切替えの例が、それぞれ示されている。
図9(A)に示すように、下限トナー濃度テーブル97においては、検知種類SK2が設定種類SK1よりも薄いという設定種類SK1と検知種類SK2との組合せごとに、下限トナー濃度Xthが示される。下限トナー濃度Xthは、カール量Qのしきい値Qthに対応するトナー濃度Xである。
図9(B)において、シート2が薄紙である場合のトナー濃度Xとカール量Qとの関係が示されている。トナー濃度Xが大きいほど、トナーによる熱吸収が大きくなるので、定着によるシート2のカールが少ない。
カール量Qには、その許容範囲の上限となるしきい値Qth1が定められている。すなわち、カール量Qがしきい値Qth1を超えると、ジャムなどのトラブルが発生するおそれがあるとされている。
仮に設定種類SK1が検知種類SK2と同じ薄紙であったならば、搬送速度FSが高速であって単位時間あたりの加熱量が少ないので、トナー濃度Xの全範囲(0~100%)にわたって、カール量Qはしきい値Qth1よりも少ない。
しかし、ここでの想定では、設定種類SK1が厚紙であって搬送速度FSが低速であるので、トナー濃度Xが下限トナー濃度Xth1以下の範囲において、カール量Qがしきい値Qth1を超える。
また、図9(C)に示すように、本実施形態においては、カール量Qについて、しきい値Qth1よりも値が小さいしきい値Qth2が定められている。このしきい値Qth2は、パージトレイ20が満杯のときに適用される。
パージトレイ20が満杯のときは、種類違いのシート2をやむを得ずフィニッシャ1Dに排出するのであるが、パージトレイ20に排出する場合よりもカールによる搬送のトラブルが起こりやすい。このため、パージトレイ20が満杯である場合の下限トナー濃度Xth2は、パージトレイ20が満杯ではない下限トナー濃度Xth1よりも大きい値となっている。
上に述べた通り、トナー濃度Xが下限トナー濃度Xth(Xth1,Xth2)未満である場合には、搬送速度FSを高速に切り替えてカールを抑える。
図10に示すように、タイミングt1から距離L4(図8参照)に対応する搬送時間TLが経過するタイミングt4では高速で安定するようタイミングt4以前に搬送速度FSを低速から高速に切り替える。
図11には画像形成装置1における処理の流れが、図12にはメディアエラー対応処理の流れが、それぞれ示されている。
図11の通り、画像形成装置1は、ユーザが種類SKを指定する入力操作を受け付け(#201)、印刷ジョブの入力を待つ(#202)。
印刷時ジョブが入力されると(#202でYES) 、設定種類SK1に応じた第1の動作条件MC1を設定し(#203)、搬送モータを起動するとともに感光体4の立上げなどを行い(#204)、画像データDiに基づいてトナー濃度Xを検知する(#205)。そして、給紙を開始し(#206)、シート2の種類SKを検知する(#207)。
検知種類SK2と設定種類SK1とを比較してメディアエラーであるか否かを判定する(#208)。メディアエラーでなければ(#208でNO) 、搬送を継続して印刷を行い(#209)、ジョブにより指定された枚数の印刷が終わるまで(#210)、ステップ#206~#209の処理を繰り返す。
メディアエラーである場合は(#208でYES) 、メディアエラー対応処理を実行する(#211)。
図12に示すようにメディアエラー対応処理においては、給紙したシート2が想定している設定種類SK1のシート2よりも厚いか否かを判定する(#301)。
想定よりも厚い場合は(#301でYES) 、検知したトナー濃度Xに基づいて形成中のトナー像のトナー量が定着可能トナー量Yを超えるか否かを判定する(#302)。
定着可能トナー量Yを超える場合は(#302でYES) 、転写率Zが下がるよう転写出力TEの設定を切り替えてトナー像の転写を行う(#303)。定着可能トナー量Yを超えない場合は(#302でNO) 、転写出力TEを切り替えずに転写する。次のシート2の給紙を中止し(#304)、種類違いのシート2をパージトレイ20に排出する(#305)。
給紙したシート2が想定よりも厚くない場合は(#301でNO) 、トナー濃度Xが下限トナー濃度Xth未満か否かを判定する(#306)。下限トナー濃度Xth未満である場合は(#306でYES) 、搬送速度FSを速い速度に切り替える(#307)。下限トナー濃度Xth未満ではない場合は(#306でNO) 、搬送速度FSの切替えは行わず、必要に応じてトナーの未定着が生じないよう転写出力TEの設定を切り替える(#308)。
以上の実施形態によると、種類SKが適正ではないシート2を給紙後にパージする場合に転写出力TEを切り替えてトナーの未定着を無くすので、定着器17の下流でトナーが飛散して機内が汚れるマシンダメージを低減することができる。また、搬送速度FSを速くしてカール量Qを許容範囲内に抑えるので、種類SKが適正ではないシート2が過度にカールしてジャムなどの搬送トラブルを生じさせるマシンダメージを低減することができる。
上に述べた実施形態において、トナー像80を搬送方向に3以上の領域に区分して領域ごとに転写出力TEを切り替えてもよい。
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、動作および処理の内容、順序、またはタイミング、想定される複数の種類Dkの分類方法、個数、動作条件MCの具体値などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。