JP7194360B2 - パティキュレートフィルタの異常判定方法および異常判定装置 - Google Patents
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Description
エンジンの排気通路に配設されたパティキュレートフィルタの上流と下流との差圧を検出する第1ステップと、
前記第1ステップで検出された差圧について、排気ガス流量が大きいほど重み値が大きい値となるように設定された重み特性から重み値を決定する第2ステップと、
前記第1ステップで検出された差圧について、前記第2ステップで決定された重み値でもって重み付けした重み付け差圧を算出する第3ステップと、
前記第2ステップで決定された重み値を積算して重み値の積算値を算出する第4ステップと、
前記第3ステップで算出された重み付け差圧を積算して重み付け差圧の積算値を算出する第5ステップと、
前記重み付け差圧の積算値の移動平均値を算出する第6ステップと、
前記第4ステップで算出された重み値の積算値があらかじめ設定された所定値以上になったとき、前記第6ステップで算出された移動平均値をあらかじめ設定された判定しきい値と比較して、前記パティキュレートフィルタの異常の有無を判定する第7ステップと、
燃料カットが実行されたときに、前記第4ステップでの重み値の積算値と前記第5ステップでの重み付け差圧の積算値とをそれぞれ低下させる第8ステップと、
を備えているようにしてある。
前記第8ステップにおける重み値の積算値の低下と重み付け差圧の積算値の低下とが、前記エンジンが空気過剰率λ=1以下のリッチ条件でかつ少なくとも燃焼の後行程で圧縮自己着火が行われる運転状態であることを条件に実行される、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、パティキュレートフィルタへ煤が堆積がしやすく、かつパティキュレートフィルタが高温になりやすい運転状態であることから、燃料カットに伴う差圧低下の影響が大きくなるが、このような運転状態での誤判定を防止することができる。
前記エンジンが前記リッチ運転から前記リーン運転に切替えられたときは、燃料カットの有無にかかわらず、重み値の積算値と重み付け差圧の積算値とがリセットされる、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、リッチ運転からリーン運転へと切替えられたときは、急激に排気ガス中の酸素濃度が高まって自然再生が促進されて差圧低下の影響が大きくなるが、このようなときの誤判定を防止することができる。
エンジンの排気通路に配設されたパティキュレートフィルタの異常判定装置であって、
前記パティキュレートフィルタの上流と下流との差圧を検出する差圧検出手段と、
前記差圧検出手段で検出された差圧について、排気ガス流量が大きいほど重み値が大きい値となるように設定された重み特性から重み値を決定する重み値決定手段と、
前記差圧検出手段で検出された差圧について、前記重み値決定手段で決定された重み値でもって重み付けした重み付け差圧を算出する重み付け差圧算出手段と、
前記重み値決定手段で決定された重み値を積算して、重み値の積算値を算出する重み値積算手段と、
前記重み付け差圧算出手段で算出された重み付け差圧を積算して、重み付け差圧の積算値を算出する重み付け差圧積算手段と、
前記重み付け差圧の積算値の移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、
前記重み値の積算値があらかじめ設定された所定値以上になったとき、前記移動平均値をあらかじめ設定された判定しきい値と比較して、前記パティキュレートフィルタの異常の有無を判定する判定手段と、
燃料カットが実行されたときに、前記重み値積算手段による重み値の積算値と前記重み付け差圧積算手段による重み付け差圧の積算値とを低下させる積算制限手段と、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、請求項1に記載の異常判定方法を実行するための装置を提供することができる。
図1において、Eはエンジン(エンジン本体)であり、図1はある1つの気筒に着目した断面図となっている。そして、エンジンEは、ガソリン等を燃料とする直列4気筒の4サイクルエンジンとされている。
(SPCCI燃焼)
次に、エンジンEが行うSPCCI燃焼の詳細について説明する。SPCCI燃焼は、点火プラグ10が、燃焼室5の中の混合気に強制的に点火をすることによって、混合気が火炎伝播によりSI燃焼をすると共に、SI燃焼の発熱により燃焼室5の中の温度が高くなりかつ、火炎伝播により燃焼室5の中の圧力が上昇することによって、未燃混合気が自己着火によるCI燃焼をする形態である。
と、CI燃焼によって形成された第2熱発生部QCIと、が、この順番に連続するように
形成されている。
図6及び図7は、エンジン1の制御に係るマップを例示している。マップは、コントローラU0のメモリ102に記憶されている。マップは、三種類のマップ501、マップ502、マップ503を含んでいる。コントローラUは、燃焼室5の壁温及び吸気の温度それぞれの高低に応じて、三種類のマップ501、502、503の中から選択したマップを、エンジンの制御に用いる。尚、三種類のマップ501、502、503の選択についての詳細は、後述する。
以下、図7のマップ504の各領域におけるエンジンの運転について、図8に示す燃料噴射時期及び点火時期を参照しながら詳細に説明をする。図8の横軸は、クランク角である。尚、図8における符号601、602、603、604、605及び606はそれぞれ、図7のマップ504における符号601、602、603、604、605及び606によって示すエンジンの運転状態に対応する。なお、図6に示すマップは、コントローラUのメモリM1に記憶されている。また、コントローラUの燃料噴射学習量算出モジュールM2による学習制御によって、運転状態に応じた燃料噴射の学習量が算出されて、算出結果がメモリM1に記憶される(運転を継続することによる燃料噴射量等の最適化)。
エンジンが低負荷領域A1において運転しているときに、エンジン1は、SPCCI燃焼を行う。
エンジンが中高負荷領域において運転しているときも、エンジンは、低負荷領域と同様に、SPCCI燃焼を行う。
ここで、図7のマップ504に示すように、低負荷領域A1の一部、及び、中高負荷領域A2の一部においては、過給機23はオフである(S/C OFF参照)。詳細には、低負荷領域A1における低回転側の領域において、過給機23はオフである。低負荷領域A1における高回転側の領域においては、エンジンの回転数が高くなることに対応して必要な吸気充填量を確保するために、過給機23はオンである。また、中高負荷領域A2における低負荷低回転側の一部の領域において、過給機23はオフである。中高負荷領域A2における高負荷側の領域においては、燃料噴射量が増えることに対応して必要な吸気充填量を確保するために、過給機23はオンである。また、中高負荷領域A2における高回転側の領域においても過給機23はオンである。
エンジンの回転数が高いと、クランク角が1°変化するのに要する時間が短くなる。燃焼室5内において混合気を成層化することが困難になる。エンジンの回転数が高くなると、SPCCI燃焼を行うことが困難になる。
GPF33は、運転を継続することにより、煤の捕集量が増大することから、適宜のタイミングでもってその再生を行う必要がある。GPF33の再生は、燃料のポスト噴射や燃料噴射タイミングのリタードによって、GPF33で煤を燃焼させることにより行われる。このGPF33の再生は、エンジンが所定運転領域にあるときに実行される(例えば、加減速時を除く定常走行時であること、アクセル開度が所定開度以上であること、エンジン回転数が所定回転数以上であること、GPF33の入り口温度がして温度以上であること、という条件を全て満たしたとき)。
(排気絞り弁)
ここで、排気絞り弁36を閉弁方向に作動させることにより、排気ポート7やその付近の排気通路30の圧力が高められる。これにより、高温の排気ガスが燃焼室5に環流される内部EGR量が増大して、エンジンが早期に暖機される。このことは、エミッションの改善や、安定した燃焼を確保して燃費向上の上で好ましいものとなる。
(GPFの故障判定)
まず、図10を参照しつつ、故障判定(故障診断)に用いる差圧と重み値とについて説明する。図10は、排気ガス流量と圧力センサ35で検出された差圧とをパラメータとして設定されており、コントローラUのメモリM1に記憶されている。図中α線は、GPF33が正常品(新品の状態に相当)の場合の特性を示す。また、β線は、GPF33(のフィルタ素子)が存在しない欠落品の特性を示す。
U:コントローラ
S1:センサ(エンジン回転数)
S2:センサ(アクセル開度)
S3:センサ(冷却水温度)
S11:ワーニングランプ
33:GPF(パティキュレートフィルタ)
5:燃焼室
10:点火プラグ
11:燃料噴射弁
30:排気通路
35:圧力センサ(差圧検出用)
36:排気絞り弁
37:流量センサ
38:温度センサ
Claims (9)
- エンジンの排気通路に配設されたパティキュレートフィルタの上流と下流との差圧を検出する第1ステップと、
前記第1ステップで検出された差圧について、排気ガス流量が大きいほど重み値が大きい値となるように設定された重み特性から重み値を決定する第2ステップと、
前記第1ステップで検出された差圧について、前記第2ステップで決定された重み値でもって重み付けした重み付け差圧を算出する第3ステップと、
前記第2ステップで決定された重み値を積算して重み値の積算値を算出する第4ステップと、
前記第3ステップで算出された重み付け差圧を積算して重み付け差圧の積算値を算出する第5ステップと、
前記重み付け差圧の積算値の移動平均値を算出する第6ステップと、
前記第4ステップで算出された重み値の積算値があらかじめ設定された所定値以上になったとき、前記第6ステップで算出された移動平均値をあらかじめ設定された判定しきい値と比較して、前記パティキュレートフィルタの異常の有無を判定する第7ステップと、
燃料カットが実行されたときに、前記第4ステップでの重み値の積算値と前記第5ステップでの重み付け差圧の積算値とをそれぞれ低下させる第8ステップと、
を備えていることを特徴とするパティキュレートフィルタの異常判定方法。 - 請求項1において、
前記第8ステップでは、重み値の積算値と重み付け差圧の積算値とをそれぞれリセットする、ことを特徴とするパティキュレートフィルタの異常判定方法。 - 請求項2において、
前記第8ステップでは、前記パティキュレートフィルタの温度があらかじめ設定された所定温度以上であることを条件として前記リセットが実行され、該パティキュレートフィルタの温度が該所定温度未満のときは該リセットが制限される、ことを特徴とするパティキュレートフィルタの異常判定方法。 - 請求項3において、
前記第8ステップにおける前記リセットの制限が、重み値の積算値と重み付け差圧の積算値とをそれぞれホールドすることにより行われる、ことを特徴とするパティキュレートフィルタの異常判定方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記エンジンが、ガソリンを燃料とするガソリンエンジンとされ、
前記第8ステップにおける重み値の積算値の低下と重み付け差圧の積算値の低下とが、前記エンジンが空気過剰率λ=1以下のリッチ条件でかつ少なくとも燃焼の後行程で圧縮自己着火が行われる運転状態であることを条件に実行される、ことを特徴とするパティキュレートフィルタの異常判定方法。 - 請求項5において
前記エンジンが、空気過剰率λ=1以下とされるリッチ運転とλ=1よりも大きいリーン運転との間で切替え可能とされ、
前記エンジンが前記リッチ運転から前記リーン運転に切替えられたときは、燃料カットの有無にかかわらず、重み値の積算値と重み付け差圧の積算値とがリセットされる、
ことを特徴とするパティキュレートフィルタの異常判定方法。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
前記判定しきい値が、前記パティキュレートフィルタの温度が高いほど、異常と判定されにくい方向の値に変更される、ことを特徴とするパティキュレートフィルタの異常判定方法。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記判定しきい値が、前記パティキュレートフィルタへの煤の堆積量が多いほど、異常と判定されにくい方向の値に変更される、ことを特徴とするパティキュレートフィルタの異常判定方法。 - エンジンの排気通路に配設されたパティキュレートフィルタの異常判定装置であって、
前記パティキュレートフィルタの上流と下流との差圧を検出する差圧検出手段と、
前記差圧検出手段で検出された差圧について、排気ガス流量が大きいほど重み値が大きい値となるように設定された重み特性から重み値を決定する重み値決定手段と、
前記差圧検出手段で検出された差圧について、前記重み値決定手段で決定された重み値でもって重み付けした重み付け差圧を算出する重み付け差圧算出手段と、
前記重み値決定手段で決定された重み値を積算して、重み値の積算値を算出する重み値積算手段と、
前記重み付け差圧算出手段で算出された重み付け差圧を積算して、重み付け差圧の積算値を算出する重み付け差圧積算手段と、
前記重み付け差圧の積算値の移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、
前記重み値の積算値があらかじめ設定された所定値以上になったとき、前記移動平均値をあらかじめ設定された判定しきい値と比較して、前記パティキュレートフィルタの異常の有無を判定する判定手段と、
燃料カットが実行されたときに、前記重み値積算手段による重み値の積算値と前記重み付け差圧積算手段による重み付け差圧の積算値とを低下させる積算制限手段と、
を備えていることを特徴とするパティキュレートフィルタの異常判定装置。
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