JP7193560B2 - 医療又は歯科システムにおけるデータを無線伝送するための方法、並びにそのような医療又は歯科システム - Google Patents

Description

本発明は、医療又は歯科システムにおけるデータを無線伝送するための方法と、フットコントロール及び治療及び／又は診断用の複数の医療又は歯科機器を備えるそのような医療又は歯科システムとに関する。複数の機器の少なくとも２個は、フットコントロールで選択的に制御することができる。

特許文献１には、複数の医療機器のうちの１個を無線で選択的に制御するよう構成されたフットコントロールが開示されている。この場合、使用者は、フットコントロール上の制御要素を介して、フットコントロールからのデータが無線伝送されるべき機器を選択する。フットコントロール上のアクチュエータを介したそのような機器選択は、使用者にとって扱い難く、場合によっては履物に起因して煩雑であり、従って間違いが生じる可能性が高い。

米国特許出願公開第2005／0251228号明細書

従って本発明の課題は、フットコントロールからのデータを無線伝送すべき機器の選択を使用者にとってより容易とし、誤操作が生じる可能性を低減する方法及び対応する機器又はシステムを提供することである。

この課題は、本発明によれば、請求項１の特徴を有する医療又は歯科システムにおけるデータの無線伝送方法、請求項11に係るコンピュータプログラム製品又はコンピュータ可読記憶媒体、請求項12の特徴を有するフットコントロール、及び請求項14の医療又は歯科システムによって解決される。特に有利な実施形態は、各従属請求項に記載されている。

本発明に係る方法を実施するために、フットコントロールと、治療及び／若しくは診断用の複数の医療又は歯科機器、例えばハンドピース若しくはハンドピースを有するテーブルトップ装置とを備える医療又は歯科システムが提供される。複数の機器のうちの少なくとも２個は、フットコントロールで選択的に無線制御可能であり、フットコントロールで制御可能な各機器には特定の識別コード、つまり具体的には、個別的及び／又は一意的及び／又は変更不可能な識別コードが割り当てられている。医療又は歯科システムにおけるデータを無線伝送するための本発明に係る方法は、フットコントロールに設けられた制御ロジックが、固有のデータパケットが割り当てられているフットコントロールで制御可能である機器のうち、作動データ―特に治療及び／又は診断用の制御データ―が無線伝送される機器を、データパケットに基づいて選択するように規定される。各データパケットは、（１）フットコントロールで制御可能であると共にデータパケットが割り当てられた機器における特定の識別コードと、（２）（データパケットが割り当てられた）機器に割り当てられると共に、フットコントロールで制御可能な機器におけるランキングの個別的ランクとを含む。このように、データパケットは、フットコントロールで制御可能な機器に関連付けられ、特定の識別コード及び一意的かつ個別的ランクのみを含む。即ち、特定の識別コード及び一意的かつ個別的ランクは、好適には、特定の機器に割り当てられたデータパケットの形態の分離不可能なユニットを形成している。

よって以下に詳述するように、フットコントロールに設けられた制御ロジックは、好適には、各データパケットに含まれる所定の個別的ランクが割り当てられているフットコントロールで制御可能な各機器による所定のランキングに基づいて、治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データを（現在又は今後）無線伝送すべき機器を選択する。

従って、有利には、使用者にとって面倒で間違いが生じ易い、フットコントロールを使用した制御対象機器の選択は省略される。

データの無線伝送は、特に、Bluetooth又はWLANなどによる電波の周波数範囲における無線伝送を含む。赤外線範囲における波長のデータ伝送も想定可能である。

フットコントロールで制御可能な各機器、例えばハンドピースに割り当てられた特定の識別コードは、数字又は英数字の文字列、PINコード、機器アドレス、又はMACアドレスなどを含む。フットコントロールで制御可能な各機器は、好適には、機器に関連付けられた各特定の識別コードが記憶されたメモリ要素を有する。このメモリ要素及び／又は識別コードは、使用者が上書き及び／又は削除できないのが好適である。これにより、特に識別コードを受信するか又は受信するよう構成されたフットコントロール又は制御ロジックによって有利な方法での、機器の明確な識別又は割り当てが可能である。

フットコントロールで制御可能な機器は、好適には、各特定の識別コード又は各データパケットを、機器を制御する共通のフットコントロールに無線伝送するよう構成されている。特に、フットコントロールが特定の識別コードを―好適にはデータパケットの一部として―受信すると、フットコントロールは、フットコントロールで制御可能な（特定の）機器が又はフットコントロールで制御可能な機器のどれが（現在）アクティブであるか、例えば、スイッチがオン又は作動モード又はアクティブモード又は作動中であるか否かを認識可能であり、及び／又は、フットコントロールで制御可能な（特定の）機器が又はフットコントロールで制御可能な機器のどれが（現在）フットコントロールとの通信又はデータ伝送の準備ができているか否かを認識可能である。同様に、フットコントロールが特定の識別コード又は特定のデータパケットを受信しない場合、フットコントロールで制御可能な特定の機器が又はフットコントロールで制御可能な機器のどれが（現在）アクティブでないか、例えば、スイッチがオンでない又は作動モード又はアクティブモード又は作動中でないかを有利に認識可能であり、及び／又は、フットコントロールで制御可能な特定の機器が又はフットコントロールで制御可能な機器のどれが（現在）フットコントロールとの通信又はデータ伝送の準備ができていないかを有利に認識可能である。

フットコントロールに設けられた制御ロジックは、識別コード又はデータパケットを受信するよう構成されていると共に、特に電子回路及び／又はソフトウェアを含む。制御ロジックは、好適には、受信した識別コード又はデータパケットを処理するよう構成され、及び／又は、それら識別コード又はデータパケットを、フットコントロールに記憶されると共に（フットコントロールで制御可能な機器の）識別コード又はデータパケットと比較するよう構成され、並びに／又は、治療及び／若しくは診断用の作動データ又は制御データが無線伝送される機器を選択するためにそれら識別コード又はデータパケットを評価するよう構成されている。これにより、使用者は、フットコントロールで制御される機器を極めてユーザフレンドリーに決定することが可能になる。

制御ロジックによる、治療及び／若しくは診断用の作動データ又は制御データを（現在）無線伝送すべき機器の選択は、フットコントロールで制御可能な機器の（所定の）ランキングに基づいて行われる。ランキングは、特に、制御ロジックにとって又は制御ロジックの助けを借りて容易に区別可能な優先順位を含むのが好適である。ランキングでは、フットコントロールで制御可能な各機器に、個別的な及び／又は一意的な及び／又は固有の及び／又は所定のランクが割り当てられ、各ランクは、ランキングにおいて一度しか使用されないため、特に各データパケットが固有の、明確な、又は一意的なランクを有する。各ランクは、好適には、異なる数値を有し、値１を有するランク、値２を有する他のランク、値３を有する更なるランクなどが設けられている。他の値を有するランク、例えば、異なる長さの文字列を有するランクも勿論想定可能である。ランキングは、例えば、リスト形式とすることができる。これにより、有利には、ハードウェア及びソフトウェアの両方に関して、制御すべき機器の選択を極めて容易にする手段が得られる。

好適な実施形態によれば、フットコントロールで制御可能な機器のデータパケットは、フットコントロール内に設けられ―具体的には記憶され―ている。即ち、データパケットは、有利には、中央部に記憶されると共に、例えば容易に適合又は補足することができる。データパケットは、特に、フットコントロールのメモリ要素に記憶され、そのメモリ要素は、好適には、制御ロジックと通信可能に接続されるか又は制御ロジックの一部として構成されている。フットコントロールには、好適には、２個の機器における少なくとも２個の特定のデータパケット及び対応する２つの個別的ランク、例えば、ランク１が割り当てられた第１機器の識別コードAAA、ランク２が割り当てられた第２機器の識別コードBBBが記憶されている。言うまでもなく、付加的な機器のために、個別的で特定の識別コードを有する更なるデータパケット、例えば、CCC、DDD、EEE…及び機器のうちの１個にそれぞれ割り当てられた更なるランク3、4、5…が存在してもよい。

フットコントロールで制御可能な１個以上の機器は、好適には、機器に記憶された各特定の識別コードを（所定の時点で）フットコントロールに伝送する。この場合、フットコントロールは、その特定の識別コードを受信、好適には記憶又はキャッシュし、制御ロジックは、受信した識別コード及び（フットコントロールに記憶された）データパケットに基づいて、フットコントロールで制御可能な機器のどれがアクティブであるか、及び、ランキングにおいてアクティブである機器が占める個別的ランクを認識する。制御ロジックは、特に好適には、機器から伝送されかつ受信された各識別コードを、データパケットに設けられた識別コードと比較し、これにより、フットコントロールで制御可能な複数の機器のどれが（現在）アクティブであるか、例えば、スイッチがオン又は作動モード又はアクティブモード又は作動中であり、従って基本的にフットコントロールとの通信又はデータ伝送の準備ができているかを認識する。

送信及び受信された識別コードを、データパケットに設けられた識別コードと比較することにより、制御ロジックは、アクティブな機器の個別的ランクを判定することもできる。なぜなら、フットコントロールで制御可能な各機器、即ちその各識別コードには、ランキングに従って、個別的ランクが割り当てられているからである。これにより、有利には、アクティブな機器、特にその各個別的ランクを判定するための極めて信頼性の高い方法が提供される。

本発明に係る方法の好適な構成においては、フットコントロールが、フットコントロールで制御可能な２個以上の機器から特定の識別コードを（特定の時点又は限られた期間内に）受信すると、フットコントロールは、（特に、送信及び受信した識別コードとデータパケットに設けられた識別コードとの間の比較と、その比較で判定されるアクティブな機器のランクとに基づいて）、ランキングにおいてより優先される個別的ランク又は値を有する機器を、治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データが無線伝送される機器として選択する。優先されるランクは、アクティブな機器における他の個別的ランクよりも、例えば、ランキング順又はランキングリストにおいて、優先する又は上位の若しくは下位の位置又は値を有することができる。これにより、有利には、作動データを無線伝送するための簡単で信頼性の高いアプローチが提供される。

最も単純な実施形態によれば、医療又は歯科システムは、フットコントロールで制御可能な機器を２個だけ備える。これら２個の機器の各々には、特定の識別コード、例えば、WHTW及びWHULが割り当てられ、各機器のメモリ要素に記憶されている。両方の機器がアクティブであり、両方の機器が各特定の識別コードを（特定の時点又は限られた期間内に）同時に伝送し、（共通の）フットコントロールが両方の識別コードを受信すると、フットコントロールは、受信した２つの識別コードを、記憶されたデータパケットの識別コードと比較するので、ランキングにおいて、各識別コードに割り当てられた各個別的ランクも判定する。例えば、識別コードWHTWには、個別的ランク０が割り当てられ、識別コードWHULには、個別的ランク１が割り当てられている。制御ロジックが、例えば、ランキングにおいて最も低い個別的ランク又は値を優先するよう構成されていれば、フットコントロールは、（個別的ランク０及び）識別コードWHTWを有する機器にのみ、治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データを伝送するための無線通信リンクを確立する。従って、この実施形態によれば、フットコントロールは、（個別的ランク１及び）識別コードWHLUを有する機器に、作動データを伝送するための無線通信リンクを確立することはない。

同様に、上述した実施形態は、フットコントロールで制御可能な３個以上の機器を備えると共に、３個以上の機器が各識別コードを（所定の時点又は限られた期間内に）同時に送信する医療又は歯科システムに適用される。この場合も、制御ロジックは、３個以上のアクティブな機器における３つ以上の特定の識別コードを受信すると共に、データパケットの識別コードと比較し、３個以上のアクティブな機器の個別的ランクも判定する。フットコントロールは、判定した個別的ランクに基づいて、個別的ランクが優先される機器にのみ、治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データを伝送するための無線通信リンクを確立する。

代替的な実施形態によれば、フットコントロールで制御可能な各機器は、それらに関連付けられたデータパケットを有する。即ち、フットコントロールで制御可能な機器のデータパケットは、好適には、特定の識別コード及び一意的かつ個別的ランクを含み、各機器に設けられ、特に記憶されている。各データパケットは、（自らの）機器からフットコントロールに個別的に（無線）伝送することができる。従って、有利には、本発明の方法及びシステムにおいては、特にフットコントロールに調整又は補足をすることなく、付加的な機器を極めて容易に追加することができる。各データパケットは、好適には、各機器のメモリ要素に記憶されている。

本発明に係る方法の好適な構成においては、フットコントロールが、フットコントロールで制御可能な２個以上の機器からデータパケットを受信すると、フットコントロールは、機器から受信したデータパケットを比較し、より優先される個別的ランク又は値を有する機器を作動データ、特に治療及び／又は診断用の制御データが無線伝送される機器として選択する。優先される個別的ランクは、アクティブな機器における他の個別的ランクよりも、例えば、ランキング又はランキングリストにおいて、優先する又は上位の若しくは下位の位置を有するか又は値を有することができる。

フットコントロールは、特に好適には、フットコントロールで制御可能な２個以上の機器から受信したデータパケットを、特にフットコントロールのメモリ要素に記憶又はキャッシュする。フットコントロールの制御ロジックは、受信及び記憶したデータパケットにアクセスし、特に、受信及び記憶したデータパケットの個別的ランクを比較する。制御ロジックは、この比較に基づいて、フットコントロールが作動データを伝送するために無線通信を確立する識別コード、即ち優先されるランクを有する機器を選択する。

最も単純な実施形態によれば、医療又は歯科システムは、フットコントロールで制御可能な機器を２個だけ備える。特定の識別コード及び個別的ランクを有するデータパケットは、これら２個の機器に割り当てられると共に、特に各機器のメモリ要素に記憶されている。一方の機器のデータパケットは、例えば、識別コードWHTW及びランク10を有し、他方の機器の識別コードは、例えば、識別コードWHUL及びランク５を有する。両方の機器がアクティブであると共に、（所定の時点又は限られた期間内に）それぞれのデータパケットを同時に送信し、（共通の）フットコントロールが両方のデータパケットを受信すると、制御ロジックは、各データパケットに含まれる２個の機器の個別的ランクを比較する。制御ロジックが、例えば、ランキングにおいてより大きな個別的ランク又は値を優先するよう構成されていれば、フットコントロールは、（個別的ランク10及び）識別コードWHTWを有する機器にのみ、治療及び／若しくは診断用の作動データ又は制御データを伝送するための無線通信リンクを確立する。従って、この実施形態によれば、フットコントロールは、（個別的ランク５及び）識別コードWHLUを有する機器に、作動データを伝送するための無線通信リンクを確立することはない。

同様に、上述した実施形態は、フットコントロールで制御可能な３個以上の機器を備えると共に、３個以上の機器が各データパケットを（所定の時点又は限られた期間内に）同時に伝送する医療又は歯科システムに適用される。この場合も、制御ロジックは、受信したデータパケットの個別的ランクを比較する。フットコントロールは、この比較に基づいて、個別的ランクが優先される機器にのみ、治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データを伝送するための無線通信リンクを確立する。

フットコントロールが、フットコントロールで制御可能な機器から（所定の時点又は限られた期間内に）特定の識別コード又はデータパケットを１つのみ受信すると、好適には、フットコントロールの制御ロジックは、その機器を、治療及び／若しくは診断用の作動データ又は制御データが無線伝送される機器として選択する。これにより、有利には、本発明の方法は、フットコントロールで制御可能な複数の機器のうちの１個だけがアクティブ又はスイッチがオンであったとしても実施することができる。制御ロジックは、特に、１つの特定の識別コード又はデータパケットだけを受信すると、個別的ランクの判定又は比較を行わないよう構成されている。

本発明に係るデータを無線伝送するための方法において、好適には、データパケット、特にフットコントロールで制御可能な機器の個別的ランクは、使用者が変更できないように構成されている。従って、使用者は、特に機器のランク、例えばランキング若しくはランキングリストにおけるその値又は位置を変更することができない。機器の個別的ランクは、例えば、機器の製造時やフットコントロールの製造時に決定されると共に記憶される。これにより、有利には、使用者による誤操作が回避される。

本発明に係るデータを無線伝送するための方法において、代替的には、フットコントロールで制御可能な機器の個別的ランクは、使用者が変更できるよう構成されている。従って、使用者は、特に機器のランク、例えばデータパケットにおけるその値、又はランキング又はランキングリストにおけるその値若しくは位置を変更することができる。これにより、有利には、本発明に係るデータを無線伝送するための方法及び医療又は歯科システムの操作において、使用者は、より大きな個人的自由を得ること可能である。

データパケットの個別的ランク及び／又はランキングは、好適には、フットコントロールで制御可能な機器をフットコントロールとペアリングすることにより及び／又はペアリング中（即ち、最初に通信接続するとき）に決定する。医療又は歯科システムは、共通のフットコントロールで制御可能であると共にそのフットコントロールと選択的に無線通信する複数の機器を備えるため、フットコントロールによる機器の初期制御の前に、各機器をフットコントロールとペアリングする必要がある。ペアリング及び／又はペアリング中に個別的ランクを決定することにより、使用者は、特に自らの希望に応じて、機器の個別的ランク又はランキングを極めて容易に決定することが可能である。特に有利には、個別的ランクを決定するのに付加的な時間が不要である。

個別的ランクは、好適には、フットコントロールで制御可能な機器がフットコントロールとペアリングされる順番によって決定される。例えば、フットコントロールと最初にペアリングされた機器は、最高若しくは最低のランク又は値すなわちランク又は値１を受け取り、次にフットコントロールとペアリングされた機器は、次に高い又は低いランク或いは値、又はランク或いは値２を受け取り、その後にフットコントロールとペアリングされた機器は、更に次に高い若しくは低いランク又は値すなわちランク又は値３を受け取る。

代替的又は付加的に、個別的ランクは、フットコントロールとフットコントロールで制御可能な機器との間のペアリング及び／又はペアリングの種類に使用されるドライバによって決定される。例えば、有線ペアリング用のドライバ及び無線ペアリング用のドライバが想定されている。ペアリングの種類は、例えば、有線接続及び無線接続を含む。例えば、フットコントロールと無線ペアリングされる機器又は無線ペアリング用のドライバが使用される機器には、ランク又は値１が付与され、フットコントロールと有線ペアリングされる機器又は有線ペアリング用のドライバが使用される機器には、ランク又は値２が付与される。

個別的ランクを決定するための上述した２つのやり方は、ペアリング及びペアリング中に実施される。代替的又は付加的に、個別的ランクは、フットコントロールとフットコントロールで制御可能な機器との間のペアリング中に、医療又は歯科システムの使用者の選択によって決定することも想定可能である。この場合に使用者は、例えば、フットコントロールとペアリング中の機器における個別的ランクを、フットコントロール上又は機器上のアクチュエータ又は制御パネルを介して選択する。

ペアリング及び／又はペアリング中に決定した個別的ランクは、好適には、ペアリング中又はペアリング完了後に機器のメモリ要素及び／又はフットコントロールのメモリ要素に記憶され、特に、各機器の識別コードと一緒に又は各機器の識別コードに加えて記憶されることによってデータパケットが形成される。

本発明に係るデータを無線伝送するための方法において、好適には、フットコントロールは、機器の識別コード又はデータパケットを受信することにより、少なくとも送信電力が低下したモードから、その少なくとも低下した送信電力に比べて送信電力が増加した作動モードに移行することが想定されている。これにより、有利には、使用者がフットコントロールをアクティブに作動させなくても、フットコントロールが作動モードになる。代替的に、使用者は、フットコントロールのユーザインターフェイス又は作動要素を作動させることによって作動モードに移行させることができる。

本発明に係るデータを無線伝送するための方法において、好適には、機器は、作動データ、特に制御データを伝送するフットコントロールによる選択の後及び／又は作動データの伝送中に、少なくとも特定の識別コード又はデータパケットをフットコントロールに送信、特に繰り返し及び／又は所定の時間間隔で送信してフットコントロールと機器との間の無線通信を維持することが想定されている。

本発明に係るデータを無線伝送するための方法において、好適には、フットコントロールの制御ロジックによる機器の選択の前に、機器からの特定の識別コード又はデータパケットの送信は、使用者が例えば機器のアクチュエータを作動させるか又は機器を移動若しくは手に取ることによって生じさせることが想定されている。機器を移動させたり手に取ったりすることは、例えば、機器の位置センサ又は圧力センサで検出される。この場合、アクチュエータ又はセンサは、好適には、制御ユニットが受信する作動信号を生成し、制御ユニットは、その作動信号に応答して機器の特定の識別コード、場合によっては機器の個別的ランクを送信するよう構成されている。これにより、有利には、それまで使用されていなかった機器を使用者が手に取るとすぐに、識別コードがフットコントロールユニットに自動的かつ確実に送信される。

本発明に係る医療又は歯科システムにおけるデータを無線伝送するための方法は、好適には、フットコントロールと機器のうちの１個との間で確立された又は既存の通信リンクを中断又は終了することを更に含む。従って、フットコントロールと機器のうちの１個との間の通信リンクは可逆的である。通信リンクは、好適には、時間依存的に中断又は終了し、特に所定の時間が経過した後、好適には、１秒又は数秒、例えば５秒又は10秒が経過した後に中断又は終了する。通信リンクは、特に好適には、治療及び／若しくは診断用の作動データ又は制御データが、フットコントロールと通信中の機器に最後に送信されてから上述した所定の時間が経過した後に、通信リンクが時間依存的に中断又は終了する。これにより、有利には、フットコントロールと第１機器との間で確立された既存の通信接続により、新たな通信接続、特にフットコントロールと他の第２機器との間における通信接続の確立が妨げられることが確実に回避される。

フットコントロールは、好適には、上述した所定時間の終了後又は通信リンクの中断後に、少なくとも送信電力が低下したモード（スタンドバイモード又はスリープモード）に移行するよう構成され、そのモードにおいては、機器との通信中における作動モードに比べて少なくとも送信電力が低下している。

各機器は、好適には、上述した所定時間の終了後又は通信リンクの中断後に、少なくとも送信電力が低下したモード（スタンドバイモード又はスリープモード）に移行するよう構成され、そのモードにおいては、フットコントロールとの通信中における作動モードに比べて少なくとも送信電力が低下している。各機器は、好適には、少なくとも送信電力が低下したモードでは、識別コード又はデータパケットを伝送することはない。

上述したように、通信リンクが切断された後、通信リンクは、個別的ランク及びフットコントロールに設けられた制御ロジックに基づいて、同じ機器又は他の機器とフットコントロールとの間で再確立することができる。

機器から送信され、フットコントロールによって受信され、更にフットコントロールのメモリ要素に記憶された特定の識別コード及び／又はデータパケットは、作動データを機器に伝送するための無線通信リンクが確立された後又は作動データの伝送が完了した後に、フットコントロールのメモリ要素から削除される。これにより、有利には、機器のうちの１個に新たな接続を確立することが可能になる。

コンピュータプログラム製品又はコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによって実行されると、そのコンピュータに上述した方法を実施させる命令を含む。即ち、コンピュータプログラム製品又はコンピュータ可読記憶媒体は、フットコントロールと、治療及び／若しくは診断用の複数の医療又は歯科機器とを備える医療又は歯科システムにおけるデータを無線伝送するための方法を実施させる命令を含む。コンピュータプログラム製品又はコンピュータ可読記憶媒体及びコンピュータは、特に、医療又は歯科システムの例えばフットコントロール及び／又は制御ロジックの一部であり、又は少なくともフットコントロール及び／又は制御ロジックに作動接続されている。

フットコントロールで制御可能な少なくとも２個の医療又は歯科機器のうちの１個を選択的に無線制御するためのそのフットコントロールは、治療及び／若しくは診断用の少なくとも２個の機器用の作動データ値又は制御データを設定するための少なくとも１個のアクチュエータと、アクチュエータで設定可能な作動データの伝送を含む、少なくとも２個の機器との双方向の無線通信をするための送受信ユニットと、上述した方法を実施するための手段を有するデータ処理装置とを備える。データ処理装置は、好適には、フットコントロールが治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データを無線伝送する機器を選択する制御ロジックを含む。

医療又は歯科システムにおけるフットコントロール又は無線フットコントロールは、特に、以下の要素のうちの少なくとも１個を備える:
・データ及び／又は電磁エネルギーを送受信するための送受信ユニット又はトランシーバ、特にフットコントロールで制御可能な機器の送受信ユニットと通信するための送受信ユニット又はトランシーバ。送受信ユニットは、特に、フットコントロールで制御可能な医療又は歯科システムにおける少なくとも２個の機器との双方向無線通信をするために構成されている。送受信ユニットは、例えば、機器の識別コード及び／又はデータパケットを受信し、治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データを少なくとも２個の機器に伝送するよう構成されている。送受信ユニットは、例えば、制御ロジックに接続されると共に、送受信ユニットと制御ロジックとの間でデータ及び／又は電磁エネルギーを送信するよう構成された無線送信機及び／又はアンテナ及び／又は導電体を含む。
・フットコントロール、特に送受信ユニット、並びに場合によってはフットコントロールにおいて電気エネルギーを必要とする更なる構成要素、特にマイクロコントローラにエネルギーを供給するエネルギー源。エネルギー源は、特に、繰り返し充電可能な充電池を含む。
・少なくとも１個のユーザインターフェイス、特に、使用者が作動コマンド、例えば治療用及び／又は診断用の作動データ又は制御データを生成する回転可能又は旋回可能なペダル又は作動要素。
・ユーザインターフェイス及び送受信ユニットに作動接続されたマイクロコントローラ。マイクロコントローラは、好適には、制御ロジックを含み、その制御ロジックは、機器の識別コード又はデータパケットを処理又は比較すると共に、治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データが無線伝送される機器を選択するよう構成されている。上述したデータ処理装置は、好適には、マイクロコントローラを含む。代替的又は付加的に、マイクロコントローラは、例えば、ユーザインターフェイスを介して生成された使用者の作動コマンドを受信し、好適には作動コマンドを処理すると共に送受信ユニットに転送し、これにより送受信ユニットが作動コマンド、例えば作動データ又は制御データを治療及び／又は診断用の機器に送信するよう構成されている。
・各機器に割り当てられた特に特定の識別コード及び／又はデータパケットが記憶されているか、又は記憶可能なメモリ要素。メモリ要素は、好適には、マイクロコントローラの一部として構成されるか、又はマイクロコントローラに作動接続され、これにより特にデータ、例えば識別コード又はデータパケットがメモリ要素とマイクロコントローラとの間で転送可能である。

フットコントロールは、フットコントロールで制御可能な少なくとも２個の機器のために共通のフットコントロールとして構成されている。フットコントロールで制御可能な各機器は、好適には、フットコントロールと直接的に通信し、逆もまた同様である。

フットコントロールで制御可能な機器又はハンドピースのうちの少なくとも１個は、以下の要素のうちの少なくとも１個を有する:
・機器を保持するためのハンドル部分。
・例えば、治療器具を取り外し可能に保持するための器具ホルダ、及び／又は、治療媒体を吐出するための吐出装置、及び／又は、作動パラメータ又は身体組織の値又は状態を測定又は判定するためのセンサを含むヘッド部分。
・データ及び／又は電磁エネルギーを送受信するための送受信ユニット又はトランシーバ、特にフットコントロールの送受信ユニットと通信するための送受信ユニット又はトランシーバ。送受信ユニットは、特に、医療又は歯科システムにおけるフットコントロールとの双方向無線通信をするために構成されている。送受信ユニットは、例えば、機器における特定の識別コード又はデータパケットをフットコントロールに伝送すると共に、治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データをフットコントロールから受信するよう構成されている。送受信ユニットは、例えば、機器の制御ユニットに接続された無線送信機、アンテナ及び／又は導電体を含む。送受信ユニットは、ハンドピース自体か、又は特に管及び／又はケーブルを介してハンドピースに接続された供給ユニット及び／又は制御ユニットに設けることができる。
・機器、特に送受信ユニット、並びに場合によっては機器において電気エネルギーを必要とする更なる構成要素、特にマイクロコントローラにエネルギーを供給するエネルギー源。エネルギー源は、特に、繰り返し充電可能な充電池を含む。
・使用者が作動させることにより、機器の送信電力が少なくとも低下したモード（スタンドバイモード又はスリープモード）を終了させ、（機器がアクティブであるか、及び／又は、識別コード又はデータパケットを伝送する準備ができているか又は伝送し、及び／又は、フットコントロール、特に治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データを受信する準備ができているか又は受信し、及び／又は、作動する準備ができている）送信電力が比較的増加した作動モードに移行させる作動要素又はスイッチング要素。作動要素又はスイッチング要素は、例えば、押しボタン、圧力センサ、又は位置センサを含む。
・機器の制御、特に治療及び／又は診断モード又は作動パラメータ値、例えば回転数、及び／又は、上述した機器におけるセンサからのセンサデータを受信するための制御ユニット。制御ユニットは、特に好適には、作動要素又はスイッチング要素及び／又は送受信ユニットに接続され、これによりフットコントロールへの識別コード又はデータパケットの無線伝送を制御ユニットで制御することができ、及び／又は、送受信ユニットが受信した治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データを機器に転送してその機器を制御することができる。
・機器に割り当てられた特定の識別コード又は各データパケットが記憶され又は記憶可能なメモリ要素。メモリ要素は、好適には、制御ユニットの一部として構成されるか、又は制御ユニットに作動接続され、これにより特にデータ、例えば識別コード又はデータパケットがメモリ要素とマイクロコントローラと送受信ユニットとの間で転送可能である。

フットコントロールで制御可能な機器の少なくとも１個は、好適には、医療又は歯科予防装置、例えば、ハンドピース、又は歯石或いは歯垢或いはステインを除去するための装置、又は治療媒体、特に粉末を治療箇所に吐出するためのハンドピース或いは装置を含む。代替的又は付加的に、フットコントロールで制御可能な機器の少なくとも１個は、骨組織又は骨代替材料を処理するためのハンドピース又は装置、例えば、鋸又は回転或いは振動ドリルを含み、又は体腔若しくは空洞－例えば根管又は鼻腔又は耳道－を治療及び／又は測定するためのハンドピース又は装置を含み、及び／又は、齲蝕又は病理組織変化などを診断するためのハンドピース又は装置を含む。

フットコントロールで制御可能な機器の少なくとも１個は、好適には、医療又は歯科ハンドピースを含むか、又は（無線）ハンドピースによって構成されている。ハンドピースは、好適には、テーブルトップ装置の一部であると共に、管を介して供給ユニット及び／又は制御ユニットに作動接続されている。

医療又は歯科システムは、上述したフットコントロールと、治療及び／若しくは診断用の複数の医療又は歯科機器とを備え、複数の機器のうちの少なくとも２個が、フットコントロールで制御可能であり、そのフットコントロールは、少なくとも２個の機器のうちの１個を選択的（かつ可逆的）に制御するよう構成されている。複数の医療又は歯科機器は、特に、上述した機器のうちの少なくとも１個を含む。医療又は歯科システムは、特にテーブルトップ装置システムとして構成されている。

以下、本発明を好適な実施形態及び添付図面を参照しつつ説明する。

フットコントロールと複数の医療又は歯科機器のうちの１個との間でデータ及び／又は電磁エネルギーが選択的に伝送される医療又は歯科システムを示す略図である。 図１における医療又は歯科機器の各メモリ要素を、その内部に記憶された特定の識別コードと共に示す略図である。 図１におけるフットコントロールの記憶要素を、その内部に記憶された複数のデータパケットと共に示す略図である。 フットコントロールと複数の医療又は歯科機器のうちの１個との間でデータ及び／又は電磁エネルギーが選択的に伝送される代替的な医療又は歯科システムを示す略図である。 図４における医療又は歯科機器の各メモリ要素を、その内部に記憶された特定のデータパケットと共に示す略図である。 フットコントロールと複数の医療又は歯科機器のうちの１個との間でデータ及び／又は電磁エネルギーが選択的に伝送される更なる医療又は歯科システムを示す略図である。 図６におけるフットコントロール及び複数の医療又は歯科機器のうちの１個を、ペアリング中の状態で示す説明図である。

図１、図４、並びに図６に示す医療又は歯科システム50，70，100は、フットコントロール１と、治療及び／又は診断用の複数の医療又は歯科機器2，2A～2N;6，6A～6Nとを備える。機器2，2A～2N;6，6A～6N及びフットコントロール１は、フットコントロール１と機器2，2A～2N;6，6A～6Nとの間でデータ及び／又は電磁エネルギーが（矢印10で表された）無線通信によって伝送できるよう構成されている。各機器2，2A～2N;6，6A～6Nは、例えば、それら機器2，2A～2N;6，6A～6Nの作動用の制御データ、特に治療及び／又は診断用の制御データを使用して、フットコントロール１によって無線で選択的に制御可能である。データ及び／又は電磁エネルギーの双方向通信及び伝送のために、フットコントロール１及び各機器2，2A～2N;6，6A～6Nは、データ及び／又は電磁エネルギーを送受信するための送受信ユニット9，9Aを有する。

フットコントロールユニット１は、特に、ベースプレート11と、ベースプレート11に対して特に回転又は旋回可能であると共に、使用者によって作動コマンド、例えば治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データが生成される少なくとも１個の作動要素８と、コントローラ又はマイクロコントローラ又はコンピュータ７とを備える。マイクロコントローラ７は、フットコントロール１の中央制御装置を構成すると共に、作動要素８及び送受信ユニット９に接続されており、これにより、例えば、作動要素８の作動コマンド及び／又は治療及び／又は診断用の制御データ、及び／又は、機器2，2A～2N;6，6A～6Nから受信したデータ、例えば機器2，2A～2N;6，6A～6Nのうちの１個における特定の識別コード又データパケットが受信及び／又は処理及び／又は転送される。

フットコントロール１は、制御ロジック３を更に備え、その制御ロジック３は、各機器2，2A～2N;6，6A～6Nに割り当てられた特定のデータパケット4A～4N；5A～5Nに基づいて、フットコントロール１で制御可能な各機器2，2A～2N;6，6A～6Nのうちの１個、即ち治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データが無線で伝送される機器2，2A～2N;6，6A～6Nを選択するよう構成されている。制御ロジック３は、特に、マイクロコントローラ又はコンピュータ７の一部として構成されている。

図１及び図４に概略的にのみ示す機器2A～2N；6A～6N、並びに図６及び図７に示す機器２，６は、特に機器2，2A～2N;6，6A～6Nを手で保持するのにも機能する外側スリーブ12を有する。各機器2，2A～2N;6，6A～6Nは、フットコントロール１と無線通信10するための送受信ユニット9A、特に機器2，2A～2N;6，6A～6Nとフットコントロール１との間でデータ及び／又は電磁エネルギーを無線伝送するための送受信ユニット9Aと、メモリ要素13とを有する。メモリ要素13及び各機器2，2A～2N;6，6A～6Nの送受信ユニット9Aは、互いに通信可能に接続されているため、メモリ要素13に記憶されたデータが送受信ユニット9Aとの間で送受信され、また任意的に、データが送受信ユニット9Aから受信されて記憶を目的としてメモリ要素13に転送される。

外側スリーブ12の内部又は外側スリーブ12上には、機器2，2A～2N;6，6A～6Nの種類や用途に応じて様々な構成要素を設けることが可能であり、そのような構成要素としては、例えば、結合要素、媒体管、媒体供給装置又は開口、放射源、放射導体、センサ、電気管、器具保持装置、駆動要素、作動要素、表示装置、機器を制御するための制御ユニットなどを挙げることができる。

以下、図１～図３に示す実施形態を更に説明する。図２は、機器2A～2Nのメモリ要素13を（機器2A～2Nに対応する順番で）概略的に示す。この場合、各メモリ要素13には特定の識別コードが記憶されている。一例として、識別コードは、第１機器2Aでは「WHTW」、第２機器2Bでは「WHUL」、第３機器2Cでは「WHST」、第４機器2Nでは「WHNN」と表されている。各特定の識別コードは、特定の機器2A～2Nに関連付けられ、換言すれば、各特定の識別コードが記憶されたメモリ要素13に対応する特定の機器2A～2Nに関連付けられている。各特定の識別コードは、他の識別コードと区別可能な一意的なものである。従って、各機器2A～2Nは、特定の識別コードに基づいて一意的に識別することができる。

図３は、図１～図３に係る実施形態に従って、アクチュエータ８、特にマイクロコントローラ又はコンピュータ７のメモリ要素に記憶された４つのデータパケット4，4A～4Nを示す。各データパケット4A～4Nは、フットコントロール１で制御可能な機器2A～2Nにおける特定の識別コード（WHTW，WHUL，WHST，WHNN）のうちの１つと、各機器2A～2Nに関連付けられると共に、フットコントロール１で制御可能なそれら機器2A～2Nにおけるランキングの個別的かつ一意的なランクとを含む。ランク又はランク値は、例示的に、「０」、「２」、「４」、並びに「６」で表されており、ランク「０」は、識別コード「WHTW」を有する機器2Aに割り当てられ、ランク「２」は、識別コード「WHUL」を有する機器2Bに割り当てられ、ランク「４」は、識別コード「WHST」を有する機器2Cに割り当てられ、ランク「６」は、識別コード「WHNN」を有する機器2Nに割り当てられている。このように、（識別コードを介して）フットコントロール１で制御可能な各機器2A～2Nには、固有かつ特定のデータパケット４が割り当てられ、従って個別的かつ一意的なランクが割り当てられている。

図１～図３に示す実施形態によれば、フットコントロール１で制御可能な機器2A～2Nのうち、作動データ又は制御データが無線伝送される機器2A～2Nの選択は以下のように行われる。即ち、作動データが機器2A～2Nに伝送されるためには、機器2A～2Nは、特に、データの無線送受信が可能なアクティブ状態であるか又は作動モードになっていなければならない。機器2A～2Nをアクティブにするか又は作動モードにすることは、例えば、使用者が機器2A～2Nを把持する、移動する、及び／又は、作動要素を作動させることによって行うことができる。次いで、アクティブな機器2A～2Nは、各特定の識別コードを、送受信ユニット9Aを介してフットコントロール１に無線伝送する。

複数の機器2A～2Nがアクティブである場合又は複数の機器2A～2Nが（所定期間に）各特定の識別コードを伝送した場合、フットコントロール１がこれら特定の識別コードを受信して制御ロジック３に転送する。制御ロジック３は、受信した識別コードに基づいて、どの機器2A～2Nがアクティブであるかを認識する。制御ロジック３は更に、データパケット４に記憶された機器2A～2Nの識別コードを、アクティブな機器2A～2Nに関して受信した識別コードと比較することにより、アクティブな各機器2A～2Nが有する個別的ランクを判定する。制御ロジック又はフットコントロール１は、アクティブな機器2A～2Nのどの個別的ランクが優先されるかに従い、フットコントロール１がアクティブな機器2A～2Nから受信した識別コードを比較し、ランキングにおいてより優先される個別的ランク又は値を有する機器2A～2Nを作動データ、特に治療及び／又は診断用の制御データが排他的に無線伝送される機器として選択する。

例えば、機器2A，2Bが特定の識別コード「WHTW」及び「WHUL」を送信し、ランキングにおいてランク又は値がより低い機器が優先された場合、制御ロジック又はフットコントロール１は、識別コード「WHTW」及びランク「０」の機器2Aを、作動データが無線伝送される機器として選択する。

以下、図４及び図５に示す実施形態を更に説明する。図５は、機器6A～6Nのメモリ要素13を（機器6A～6Nに対応する順番で）概略的に示す。この場合、各メモリ要素13には特定のデータパケット5，5A～5Nが記憶されている。各データパケット5A～5Nは、フットコントロール１で制御可能な機器6A～6Nにおける特定の識別コード（WHTW，WHUL，WHST，WHNN）の１つと、各機器6A～6Nに割り当てられると共に、フットコントロール１で制御可能なそれら機器6A～6Nにおけるランキングの個別的かつ一意的なランクとを含む。ランク又はランク値は、例示的に、「A0」、「B0」、「C0」、並びに「D0」で表されており、ランク「A0」は、識別コード「WHTW」を有する機器6Aに割り当てられ、ランク「B0」は、識別コード「WHUL」を有する機器6Bに割り当てられ、ランク「C0」は、識別コード「WHST」を有する機器6Cに割り当てられ、ランク「D0」は、識別コード「WHNN」を有する機器6Nに割り当てられている。このように、フットコントロール１で制御可能な各機器2A～2Nには、特に他の機器2A～2Nにおける任意の識別コードと区別可能かつ一意的な特定の識別コードと、個別的かつ一意的なランクを有する固有かつ特定のデータパケット４が割り当てられている。

図４及び図５に示す実施形態によれば、フットコントロール１で制御可能な機器6A～6Nのうち、作動データ又は制御データが無線伝送される機器6A～6Nの選択は以下のように行われる。即ち、作動データが機器6A～6Nに伝送されるためには、機器6A～6Nは、特に、データの無線送受信が可能なアクティブ状態であるか又は作動モードになっていなければならない。機器6A～6Nをアクティブにするか又は作動モードにすることは、例えば、使用者が機器6A～6Nを把持する、移動する、及び／又は、アクチュエータを作動させることによって行うことができる。次いで、アクティブな機器6A～6Nは、各特定のデータパケット５を、送受信ユニット9Aを介してフットコントロール１に無線伝送する。

複数の機器6A～6Nがアクティブである場合又は複数の機器6A～6Nが（所定期間内に）各特定のデータパケット５を伝送した場合、フットコントロール１がこれら特定のデータパケット５を受信して制御ロジック３に転送する。制御ロジック３は、受信したデータパケット５に含まれる識別コードに基づいて、どの機器6A～6Nがアクティブかを認識すると共に、それらの個別的ランク又はランク値を判定することができる。制御ロジック又はフットコントロール１は、アクティブな機器6A～6Nのどの個別的ランクが優先されるかに従い、フットコントロール１がアクティブな機器6A～6Nから受信したデータパケット５を比較し、ランキングにおいてより優先される個別的ランク又は値を有する機器6A～6Nを作動データ、特に治療及び／又は診断用の制御データが排他的に無線伝送される機器として選択する。

例えば、機器6B，6Cがそれぞれのデータパケット、即ち（識別コード「WHUL」及びランク「BO」を有する）特定のデータパケット5B、並びに（識別コード「WHST」及びランク「CO」を有する）特定のデータパケット5Cを送信し、アルファベットにおいて先行する文字を有するランクの機器が優先された場合、制御ロジック又はフットコントロール１は、識別コード「WHUL」及びランク「BO」の機器6Bを、作動データが無線伝送される機器として選択する。

図１～図３、並びに図４及び図５に示す両方の実施形態において、機器2A～2N，6A～6Nのうちの１個だけがアクティブである場合又は（所定の期間内に）識別コードを伝送する場合、フットコントロールは、その機器2A～2N，6A～6Nを選択すると共に、その機器2A～2N，6A～6Nに治療及び／又は診断用の作動データ又は制御データを排他的に伝送する。この場合、制御ロジックは、唯一アクティブな機器2A～2N，6A～6Nの個別的ランクの判定又は個別的ランクの比較を行わないか又は省略するよう構成されているのが好適である。

図６に示す医療又は歯科システム100は、予防用のテーブルトップ機器として構成されている。システム100は、図１～図５に示すフットコントロールに対応するフットコントロール１を備える。システム100は、例えば予防用のキャップ又はブラシとして構成された器具を回転駆動させるための機器又はハンドピース２と、器具を振動駆動させるための振動駆動部、特に超音波駆動部を有する機器６とを更に備える。両機器2，6は、フットコントロール１と無線通信（矢印10参照）、特に治療用の作動データ又は制御データをフットコントロール１から受信するよう構成されている。

ユニット６は、ハンドピース14、特に歯石を除去するためのスケーラーハンドピースを含み、そのハンドピース14は、ケーブル15を介して供給及び／又は制御ユニットに接続されている。機器６の送受信ユニット9Aは、好適には、供給及び／又は制御ユニット16に設けられている。供給及び／又は制御ユニット16は、ハンドピース14の作動を制御するためのコントローラと、作動パラメータ又はモードを設定又は選択するためのアクチュエータ18と、治療媒体用の少なくとも１個の容器17を含む。治療媒体及び制御信号は、ケーブル15を介してハンドピース14に供給される。

フットコントロール１で制御可能な機器2，6のうち、作動データ又は制御データが無線伝送される機器2，6の選択は、図１～図３又は図４及び図５に示す実施形態に係る医療又は歯科システム100で実施することができる。従って、データパケット4，5は、フットコントロール１又は機器2，6に設けられており、システム100は、図１～図３に関して上述した方法に従って又は図４及び図５に関して上述した方法に従って作動する。

医療又は歯科システム100においては更に、フットコントロール１を機器2，6とペアリングすることにより、機器2，6におけるデータパケット4，5の個別的ランクが決定する。システム100によれば、機器２は、フットコントロール１と無線でペアリングされているのに対して、機器６は、ケーブル19を介してフットコントロール１とペアリングされる（図７参照）。ケーブルを使用する又は使用しないペアリングにおいては、好適には、フットコントロール１に記憶された異なるドライバが必要である。機器2，6の制御ユニット及び／又はフットコントロール１のコントローラ又はマイクロコントローラ７は、異なるドライバを認識すると共に、好適には異なるドライバに基づいてペアリングの種類を認識し、これにより現在フットコントロールとペアリング中の機器2，6に、ドライバ及び／又はペアリングの種類に対応するランクを割り当てるよう構成されている。機器2，6の制御ユニット及び／又はフットコントロール１のコントローラ又はマイクロコントローラ７は、特に、現在フットコントロールとペアリング中の機器2，6の識別コードにランクを割り当て、これによりデータパケット4,5を形成するか、又は各機器2，6のデータパケット4，5にランクをペーストするよう構成されている。

本明細書に記載又は図示した実施形態は、本発明を説明するのに供するものである。従って、一実施形態に開示された特徴は、その実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態のうちの１つにおける１つ以上の特徴と個別に又は一緒に組み合わせることができる。

Claims (15)

1. フットコントロール（１）と、治療及び／又は診断用の複数の医療又は歯科機器（2，2A～2N；6，6A～6N）とを備え、前記複数の機器（2，2A～2N；6，6A～6N）の少なくとも２個が、前記フットコントロール（１）で選択的に無線制御可能であり、前記フットコントロール（１）で制御可能な各機器（2，2A～2N；6，6A～6N）に、特定の識別コードが割り当てられている医療又は歯科システム（50，70，100）におけるデータの無線伝送方法であって、
   内部に制御ロジック（３）が設けられた前記フットコントロール（１）を供する段階であって、前記制御ロジック（３）は、データパケット（4，4A～4N；5，5A～5N）に基づいて、前記フットコントロール（１）で作動すると共に今後の作動データが無線伝送される前記医療又は歯科機器（2，2A～2N；6，6A～6N）を選択する段階と、
   前記フットコントロール（１）で制御可能な前記複数の医療又は歯科機器を供する段階であって、前記複数の医療又は歯科機器の各機器（2，2A～2N；6，6A～6N）に、固有のデータパケット（4，4A～4N；5，5A～5N）が割り当てられる段階と、
   該各データパケット（4，4A～4N；5，5A～5N）が、前記フットコントロール（１）で制御可能であると共に前記データパケット（4，4A～4N；5，5A～5N）が割り当てられた前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）における前記特定の識別コードと、前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）に割り当てられると共に、前記フットコントロール（１）で制御可能な前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）におけるランキングの個別的ランクとを含み、
   前記ランキングは、前記作動データ無線供給される前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）の優先順位を含み、
   その結果、優先ランキングが割り当てられた前記医療又は歯科機器（2，2A～2N；6，6A～6N）は、前記前記フットコントロール（１）によって制御され、かつ、前記医療又は歯科機器（2，2A～2N；6，6A～6N）には作動データが供給される、
   ことを特徴とする、方法。
2. 請求項１に記載のデータの無線伝送方法であって、前記フットコントロール（１）で制御可能な前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）の前記データパケット（4，4A～4N；5，5A～5N）が、前記フットコントロール（１）に設けられていることを特徴とする、方法。
3. 請求項２に記載のデータの無線伝送方法であって、
   前記フットコントロール（１）で制御可能な前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）のうちの１個以上が、該機器（2，2A～2N；6，6A～6N）に記憶された各特定の識別コードを前記フットコントロール（１）に伝送し、
   該フットコントロール（１）が、前記特定の識別コードを受信し、制御ロジック（３）が、前記フットコントロール（１）に設けられている前記受信した識別コード及び前記データパケット（4，4A～4N；5，5A～5N）に基づいて、該機器（2，2A～2N；6，6A～6N）が前記ランキングにおいて有する個別的ランクを認識する、
   ことを特徴とする、方法。
4. 請求項３に記載のデータの無線伝送方法であって、前記フットコントロール（１）が、２個以上の医療又は歯科機器（2，2A～2N；6，6A～6N）から前記特定の識別コードを受信すると、前記フットコントロール（１）が、前記の伝送された特定の識別コードと、前記フットコントロール（１）に設けられている前記データパケット内に供される前記識別コードとを比較し、前記データパケット内の前記複数の医療又は歯科機器（2，2A～2N；6，6A～6N）の各々の前記識別コードが割り当てられた前記複数の医療又は歯科機器（2，2A～2N；6，6A～6N）の各々の前記個別的ランクを決定し、前記ランキングにおいてより優先される個別的ランク又は値を有する前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）を、作動データが無線伝送される機器として選択することを特徴とする、方法。
5. 請求項１に記載のデータの無線伝送方法であって、前記フットコントロール（１）で制御可能な前記複数の医療又は歯科機器（2，2A～2N；6，6A～6N）の各機器（2，2A～2N；6，6A～6N）が、それぞれに関連付けられたデータパケット（4，4A～4N；5，5A～5N）を有することを特徴とする、方法。
6. 請求項５に記載のデータの無線伝送方法であって、前記フットコントロール（１）が、該フットコントロール（１）で制御可能な２個以上の機器（2，2A～2N；6，6A～6N）からデータパケット（4，4A～4N；5，5A～5N）を受信すると、前記フットコントロール（１）が、前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）から受信したデータパケット（4，4A～4N；5，5A～5N）を比較し、より優先される個別的ランク又は値を有する前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）を、作動データが無線伝送される機器として選択することを特徴とする、方法。
7. 請求項１～６の何れか一項に記載のデータの無線伝送方法であって、前記フットコントロール（１）が、該フットコントロール（１）で制御可能な機器（2，2A～2N；6，6A～6N）のうちの１個のみから識別コード又はデータパケット（4, 4A-4N; 5, 5A-5N）を受信すると、前記フットコントロール（１）の前記制御ロジック（３）が、前記１個の機器（2，2A～2N；6，6A～6N）を、作動データが無線伝送される機器として選択することを特徴とする、方法。
8. 請求項１～７の何れか一項に記載のデータの無線伝送方法であって、前記データパケット（4, 4A-4N; 5, 5A-5N）の前記個別的ランクが、前記フットコントロール（１）で制御可能な前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）を、前記フットコントロール（１）とペアリングすることにより及び／又はペアリング中に決定することを特徴とする、方法。
9. 請求項８に記載のデータの無線伝送方法であって、前記個別的ランクが、前記フットコントロール（１）で制御可能な前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）を、前記フットコントロール（１）とペアリングする順番で決定することを特徴とする、方法。
10. 請求項８又は９に記載のデータの無線伝送方法であって、前記個別的ランクが、前記フットコントロール（１）と該フットコントロール（１）で制御可能な前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）との間のペアリングで使用されるドライバ及び／又はペアリングの種類に基づいて決定し、ペアリングの種類が、例えば、有線接続及び無線接続を含むことを特徴とする、方法。
11. コンピュータプログラム製品又はコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータ（７）によって実行されると、該コンピュータ（７）に、請求項１～１０の何れか一項に記載の方法を実施させる命令を含む、コンピュータプログラム製品又はコンピュータ可読記憶媒体。
12. フットコントロール（１）で制御可能な少なくとも２個の医療又は歯科機器（2，2A～2N；6，6A～6N）のうちの１個を選択的に無線制御するための前記フットコントロール（１）であって、前記少なくとも２個の機器（2，2A～2N；6，6A～6N）用の作動データ値を設定するための少なくとも１個のアクチュエータ（８）と、該アクチュエータ（８）で設定可能な前記作動データの伝送を含む、前記少なくとも２個の機器（2，2A～2N；6，6A～6N）との双方向の無線通信をするための送受信ユニット（９）と、を備えるフットコントロールにおいて、
    請求項１～１０の何れか一項に記載の方法を実施するための手段を有するデータ処理装置（７）を備えることを特徴とする、フットコントロール。
13. 請求項１２に記載のフットコントロール（１）であって、前記データ処理装置（７）は、前記フットコントロール（１）が治療及び／又は診断用の作動データを無線伝送する前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）を選択する制御ロジック（３）を含むことを特徴とする、フットコントロール。
14. 医療又は歯科システム（50，70，100）であって、請求項１２又は１３に記載のフットコントロール（１）と、治療及び／又は診断用の複数の医療又は歯科機器（2，2A～2N；6，6A～6N）とを備え、前記複数の機器（2，2A～2N；6，6A～6N）のうちの少なくとも２個が、前記フットコントロール（１）で制御可能であり、該フットコントロール（１）が、前記少なくとも２個の機器（2，2A～2N；6，6A～6N）のうちの１個を選択的に制御するよう構成されていることを特徴とする、医療又は歯科システム。
15. 請求項１４に記載の医療又は歯科システム（50，70，100）であって、前記フットコントロール（１）で制御可能な前記機器（2，2A～2N；6，6A～6N）のうちの少なくとも１個が、歯科予防装置（2，2A～2N；6，6A～6N）、例えば、歯石又は歯垢又はステインを除去するための装置（2，2A～2N；6，6A～6N）、又は治療箇所に粉末を吐出するための装置（2，2A～2N；6，6A～6N）を含むことを特徴とする、医療又は歯科システム。

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