JP7193308B2 - プロファイル測定装置 - Google Patents
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Description
光を出力する光源と、
前記光源から出力された光を平面的な測定光に変換して出力する変換光学系と、
前記変換光学系から出射された前記平面的な測定光が測定対象物を横断するように当該測定光を導光する導光光学系と、
前記測定対象物からの反射光を受光する受光部と、
三角測量の原理に基づき、前記受光部における前記反射光の入射位置に応じて、前記測定対象物における前記平面的な測定光の各反射位置の高さの集合体であるプロファイルを取得するプロファイル取得部と、
前記測定対象物の表面において第1方向に沿って線状に並んだ複数の反射位置が、当該第1方向とは異なる第2方向に対して変位するように前記導光光学系を駆動する駆動部と、
静止した前記測定対象物の前記第2方向における異なる位置に前記平面的な測定光を順次照射するスキャンモードと、移動する前記測定対象物の前記第2方向における特定の位置に前記平面的な測定光を照射するラインモードとのいずれかを選択するモード選択部と、
を有し、
前記モード選択部によりラインモードが選択されている場合に、前記駆動部は、前記第1方向に沿って線状に並んだ複数の反射位置が前記第2方向に対して前記特定の位置に近接する複数の位置に微小変位するように前記導光光学系を駆動するとともに、前記プロファイル取得部は、当該微小変位ごとに前記高さの集合体である複数のサブプロファイルを取得して、当該複数のサブプロファイルを統計処理することで一つの前記プロファイルを取得することを特徴とするプロファイル測定装置を提供する。
図1に示す例では、変位測定装置1は、複数のセンサヘッド2と、子機アンプ3と、親機アンプ4と、設定機器としてのモニタ装置5Aまたはパーソナルコンピュータ5Bとを備えている。センサヘッド2は1つであってもよく、設定機器5が不要な場合の最小構成としては、1つのセンサヘッド2と1つの親機アンプ4である。子機アンプ3と親機アンプ4が統合されたシステムであってもよい。
モニタ装置5A及びパーソナルコンピュータ5Bは、それぞれ、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示デバイスで構成された表示部8を備えている。表示部8には、後述するように、センサヘッド2で撮像された画像や、子機アンプ3や親機アンプ4で生成された画像、各種インターフェース等を表示することができるようになっている。
図2はセンサヘッド2の斜視図である。センサヘッド2は、ハウジング50を有している。ハウジング50を構成する複数の面のうち、測定対象物Wと対向する面には、端壁部51が設けられている。端壁部51はハウジング50の長手方向に延在している。端壁部51は、投光モジュール10(図3ほか)から照射された測定光が出射する投光窓51aと、測定対象物Wから反射した照明光が入射する受光窓51bとを有している。投光窓51aと受光窓51bは透明な部材で覆われている。尚、受光窓51bからは照明部30による照明光が照射される。また、ここでいう「透明な部材」は、バンドパスフィルタであってもよい。要するに、レーザーやLEDなどの測定光の波長をブロックしない部材であれば、如何なる部材であっても構わない。さらに、投光窓51aは「投光窓部」の一例であり、受光窓51bは、「受光窓部」の一例である。投光窓51aと受光窓51bは分離されていてもよいし、一体化されていてもよい。たとえば、投光窓51aとして機能する部材と受光窓51bとして機能する部材とがそれぞれ独立した二枚の部材であってもよい。また、一枚の透光性を有する部材の一部の領域が投光窓51aとして機能し、他の一部の領域が受光窓51bと機能してもよい。
図2ないし図4が示すように、ハウジング50は全体として細長い形状を有している。投光モジュール10は、ハウジング50の内部において長手方向の一方側に偏位した状態で該ハウジング50に固定されている。ハウジング50の長手方向の一方側とは図4における右側である。照明部30及び測定用受光部40は、ハウジング50の内部において長手方向の他方側に偏位した状態で該ハウジング50に固定されている。ハウジング50の長手方向の他方側とは図4における左側である。
図3ないし図5が示すように、投光モジュール10は、投光部10aと、走査部としてのMEMSミラー15と、これらが取り付けられるモジュール化部材10bとを有している。投光部10aは、測定光源としてのレーザー12と、該レーザー12からの光が入射するコリメートレンズ13及びシリンドリカルレンズ14とを有している。投光部10aは、図3等が示す第1方向に延びる帯状の測定光(平面状の光ビーム)を生成して測定対象物Wに照射する。なお、帯状の測定光が平面に入射すると、平面上に形成される測定光のビームスポットは線のよう見える。このため、帯状の測定光は、ライン光と呼ばれることもある。測定光源はレーザー12以外の光源であってもよい。
MEMSミラー15は、投光部10aのシリンドリカルレンズ14から出射された測定光を、第1方向と交差する第2方向(図3等)に走査することが可能に構成された部材である。この実施形態では、第2方向が第1方向に対して直交しているが、これに限られるものではなく、第1方向と第2方向との交差角度は任意に設定することができる。また、図1において第1方向を搬送用ベルトコンベアBの幅方向とし、第2方向を搬送用ベルトコンベアBによる搬送方向とすることもできるし、その逆にすることもできる。
図3が示すように、測定用受光部40は、測定対象物Wから反射した測定光を受光し、変位測定用の受光量分布を出力するとともに、測定対象物Wから反射した照明光(照明部30から照射された光)を受光し、画像生成用の受光量分布を出力する2次元配列の受光素子からなるイメージセンサで構成することができる。この実施形態では、集光光学系41を有しており、測定光及び照明光は集光光学系41を通して測定用受光部40の受光素子に達することになる。測定用受光部40の受光素子は特に限定されるものではないが、集光光学系41を通して得られた光の強度を電気信号に変換するCCD(charge-coupled device)イメージセンサやCMOSイメージセンサ(complementary metal oxide semiconductor)等である。集光光学系41は、外部から入射する光を集光するための光学系であり、典型的には一以上の光学レンズを有している。集光光学系41の光軸と、投光部10aの光軸とは交差する関係となっている。
図5などが示すように、照明部30は、第1方向または第2方向に互いに離れて配設された複数の発光ダイオードを有しており、測定対象物Wに対して異なる方向から光を照射可能に構成されている。照明部30は、測定対象物Wの輝度画像を取得する際に点灯し、帯状の測定光が出力される際には消灯する。照明部30は、第1発光ダイオード31、第2発光ダイオード32、第3発光ダイオード33及び第4発光ダイオード34と、これら発光ダイオード31~34が取り付けられる板状の取付部材30aとを有している。取付部材30aは、ハウジング50の端壁部51に沿うようにかつ受光窓51bに臨むように配設されている。取付部材30aの中央部には、該取付部材30aを上下方向に貫通する貫通孔30bが形成されている。この貫通孔30bと一致するように、集光光学系41の入射側が配置されており、測定対象物Wで反射した測定光及び照明光は取付部材30aの貫通孔30bを通って集光光学系41に入射するようになっている。
図5が示すように、角度検知センサ22は、測定対象物Wの測定位置を含む領域に測定光が照射されたときのMEMSミラー15による測定光の走査角度を検出するためのセンサである。角度検知センサ22は、MEMSミラー15の走査ミラー15cにより走査される帯状の測定光の第1方向端部の光が受光可能な位置に設けられている。
図6が示すように、センサヘッド2はアンプ通信部20とトリガ検知部21とを備えている。アンプ通信部20は、子機アンプ3や親機アンプ4と通信する通信回路であり、センサヘッド2と子機アンプ3や親機アンプ4との間で信号の送受を行っている。トリガ検知部21は、子機アンプ3や親機アンプ4から出力されるトリガ信号を検知する。トリガ検知部21は、トリガ信号を検知するとセンサヘッド2の各部に変位の測定を行うために必要となる各種の信号を出力する。なお、本実施形態では、センサヘッド2の構成として、子機アンプ3や親機アンプ4から出力されたトリガ信号を検知する構成が採用されている。例えば後述するラインモードにおいて、センサヘッド2が自動的にトリガ信号を生成してもよい。この場合、センサヘッド2がトリガ信号を生成するトリガ信号生成部を有していてもよい。
図6に示すように、センサヘッド2は、各種メモリ等で構成された設定情報記憶部23を有している。設定情報記憶部23には、子機アンプ3や親機アンプ4から送信された様々な設定情報を記憶することができるようになっている。設定情報記憶部23に記憶される具体的な内容については後述する。設定情報記憶部23は、子機アンプ3や親機アンプ4に搭載されていてもよいし、センサヘッド2と子機アンプ3の両方に搭載されていてもよい。
図7(A)は測定対象物Wの一例を示している。図7(B)はラインモードを説明する図である。ラインモードでは測定対象物Wが矢印の方向へ一定の搬送速度で搬送される。センサヘッド2は帯状の測定光60を所定のサンプリング間隔で照射し、反射光を受光することで、複数の線状のビームスポット61における高さ情報を取得する。各ビームスポット61における高さ情報の集合体はプロファイルと呼ばれてもよい。つまり、プロファイルは、帯状の測定光60が測定対象物Wを切断するように照射されることで生じる線状のビームスポット61の形成位置の高さ情報の集合体である。第2方向においてそれぞれ異なる位置で取得された複数のプロファイルは、測定対象物Wの三次元形状を示す情報となる。
ここでセンサヘッド2により得られた各情報に基づいて測定対象物Wの所定位置の変位を測定する原理について説明する。図9Aおよび図9Bが示すように、基本的には三角測距の原理が用いられる。図9Aは本実施形態で採用している方式を示し、図9Bは変形例となる方式を示しているが、いずれが採用されても構わない。ラインモードでは、MEMSミラー15の角度が略固定される(後述するように微小変位させてもよい)。スキャンモードでは、MEMSミラー15の角度が可変される。つまり、MEMSミラー15が投光部10aから照射された測定光を第2方向において走査することで、測定光が測定対象物Wに照射される。符号W1は、測定対象物Wの相対的に高い面を示し、符号W2は、測定対象物Wの相対的に低い面を示している。以下、図9Aの測定原理と、図9Bの測定原理(変形例)について詳述する。
図10は子機アンプ3の構成(或いは、親機アンプ4の構成)について示している。以下の説明では、子機アンプ3が各機能を実行するものとして説明するが、これら機能の全てを子機アンプ3が備えていてもよいし、一部または全部を親機アンプ4が備えていてもよい。また、子機アンプ3の機能の一部または全部をセンサヘッド2が備えていてもよい。さらに、子機アンプ3の機能の一部または全部をモニタ装置5Aまたはパーソナルコンピュータ5Bが備えていてもよい。
輝度画像生成部302は、測定対象物Wから反射した照明光をセンサヘッド2の測定用受光部40が受光したときに測定用受光部40から出力される画像生成用の受光量を得て、その画像生成用の受光量分布に基づいて測定対象物の輝度画像を生成するように構成されている。生成される輝度画像は、測定用受光部40から出力される輝度値が低いほど黒く、輝度値が高いほど白くなる画像であり、白黒画像であってもよいし、カラー画像であってもよい。なお、輝度画像の生成方法については、如何なる方法が採用されても構わない。例えば、輝度測定用の受光量分布がそのまま輝度画像として採用されてもよいし、或いは、センサヘッド2における前処理として、FPN(Fixed Pattern Noise)補正やHDR(High-dynamic- range)補正などの各種処理を行ってもよいし、子機アンプ3における前処理として、ハレーション除去を実行するための合成処理を行ってもよい。
設定部304は、表示部8に表示された輝度画像上で、変位の測定を行う測定位置の設定を受け付ける部分である。使用者が、測定対象物Wの中で変位の測定を行いたい部分があるとき、その部分を表示部8に表示された輝度画像上でタッチ操作すると、設定部304がタッチ操作された位置を例えばXY座標で特定し、特定された位置を測定位置として設定する。つまり、測定位置の入力操作が行われたことを検出して測定位置を特定する。これにより、使用者による測定位置の設定を受け付けることができる。
エッジ抽出部306は、輝度画像における測定対象物Wのエッジを抽出するように構成された部分である。エッジとは、広義には測定対象物Wの輪郭、外形線と定義できる。エッジ抽出処理自体は従来から周知の手法を用いることができ、例えば、輝度画像上の各画素の画素値を取得し、輝度画像上の画素値の変化がエッジ検出用のしきい値以上となる領域が存在する場合に、その境界部分がエッジであるとして抽出する。エッジ抽出の閾値は使用者が任意に調整することができる。
補正情報記憶部320aは、設定部304により設定された、測定対象物Wの位置を補正するための情報を記憶している。位置補正の基準となり得る情報としては、例えば、輝度画像生成部302で生成された輝度画像の一部、輝度画像の輝度情報、エッジ抽出部306で抽出されたエッジに関するエッジ情報等を挙げることができる。位置補正用情報を輝度画像の一部とする場合、その画像をテンプレート画像と呼ぶこともできる。
位置補正部307は、変位測定装置1がスキャンモード及びラインモードで運転している時に、輝度画像生成部302により新たに生成された輝度画像上で、補正情報記憶部320aに記憶された位置補正用情報を用いて測定対象物Wの位置及び姿勢を特定し、相対位置情報を用いて測定位置の補正を行うように構成されている。
測定ツール選択部308は、複数の測定ツールの中から1つまたは複数を選択可能にする部分である。測定ツールは、例えば測定対象物Wの段差の大きさを測定する段差ツール、測定対象物Wの所定位置の高さを測定する高さツール、後述する高さ面積ツール、測定対象物Wの位置を補正する位置補正ツール、測定対象物Wの所定範囲内の最小、最大高さを求めるMAX/MINツール等があるが、これら以外の測定ツールを設けてもよい。
測定制御部305は、設定部304により設定された測定位置及び設定部304により設定された変位測定範囲に測定光が照射されるように投光部10a及びMEMSミラー15を制御するように構成されており、このとき、設定部304で受け付けた領域のみに測定光が照射されるように投光部10a及びMEMSミラー15を制御するようにしてもよい。また、測定制御部305は、測定位置の輝度画像上におけるY座標に基づいて、MEMSミラー15による測定光の走査範囲を変更するように構成することができ、具体的には、測定位置のY座標(及び/又はX座標)と、変位測定を行う変位測定範囲とに基づいて、MEMSミラー15による走査範囲を当該MEMSミラー15により走査が可能な走査可能範囲よりも狭く設定する。
モード選択部309は、変位測定装置1の運転時におけるモードの選択を可能にする部分であり、MEMSミラー15による走査を行わずに測定光を測定対象物Wに照射するラインモードと、測定光をMEMSミラー15によって走査して測定対象物Wに照射するスキャンモードとのうち、任意のモードを使用者が選択できる。ラインモードで変位を測定可能な場合には、測定光を走査しない分、高速に測定を完了することができる。一方、広い範囲を測定する場合にはスキャンモードで対応することができる。ラインモードとスキャンモードの選択手段は、例えばUI生成部303でモード選択用のユーザーインターフェース(図示せず)を生成して表示部8に表示させ、使用者の選択をユーザーインターフェース上の操作によって受け付ける構成とすることができる。
出射方向調整部310は、モード選択部309によりラインモードが選択されている場合に、測定光の出射方向を第2方向について調整するための部分である。出射方向の調整は例えば使用者がユーザーインターフェース上で行うことができる。
照射角度特定部311は、測定用受光部40から出力される測定位置に対応する受光素子の画素位置の受光量を連続的に取得し、測定光が測定位置に照射されたときの走査ミラー15cの照射角度を特定する部分である。測定対象物Wの測定位置を含む領域に測定光が照射されたときのMEMSミラー15による測定光の走査角度は、上述した角度検知センサ22で取得することができ、この角度検知センサ22からの出力値に基づいて、測定光が測定位置に照射されたときの走査ミラー15cの照射角度を算出することができる。得られた走査ミラー15cの照射角度は、測定光が測定位置に照射されたときの走査ミラー15cの照射角度として特定される。特定された走査ミラー15cの照射角度は記憶部320に記憶される。なお、測定光の照射角度を特定するにあたり、角度検知センサ22を用いなくても、MEMSミラー15への駆動信号に基づいて大まかな照射角度は特定することができる。しかし、温度特性の変化や経時変化などを考慮すると、正確な照射角度を知るためには、角度検知センサ22等によって角度測定することが好ましい。
変位測定部312が用いている測定原理は、上述した三角測距の原理である。変位測定部312は、設定部304により設定された測定位置に照射された測定光が該測定位置から反射して測定用受光部40で受光されることによって測定用受光部40から出力された変位測定用の受光量分布に基づいて、該測定位置の変位を測定する。測定結果は、測定データ記憶部320eに記憶させることができる。
良否判定部313は、輝度画像生成部302により生成された輝度画像に基づいて測定対象物Wの状態を判定した判定結果と、変位測定部312で測定した変位に基づいて測定対象物Wの状態を判定した判定結果とを組み合わせて測定対象物Wの良否判定を行うように構成されている。例えば、輝度画像上で一部が欠落しているか否かを検出し、欠落していない場合であっても、変位測定部312で測定した変位が基準値を外れている場合には、測定対象物Wが不良品であると判定することができる。反対に、変位測定部312で測定した変位が基準値であっても、輝度画像上で一部が欠落していると判定される場合には、測定対象物Wが不良品であると判定することができる。処理結果は、図6に示す処理結果記憶部320cに記憶させることができる。
設定情報記憶部320fはプログラムを記憶している。プログラムは、複数の設定情報からなるものであり、複数通り記憶させておくことができる。各プログラムに含まれる設定情報としては、例えばスキャンモードとラインモードのいずれが選択されているか、トリガ関連の設定、撮像関連の設定(明るさ、感度等)、マスターデータの有無、ヘッド傾き補正、適用される測定ツール及びそのパラメータ等が含まれている。使用者は、設定情報記憶部320fに記憶されているプログラムの中から任意のプログラムを選択して変位測定装置1の運転時に適用することができる。
次に、変位測定装置1の設定時及び運転時の具体例について説明する。図11は、変位測定装置1のスキャンモードの設定時に行う手順を示すフローチャートである。
スキャンモードの設定時のフローチャートにおけるステップSA1は、外部トリガや内部トリガ等を設定するステップであり、どのようなトリガ信号でどのように動作するかを設定する。トリガ条件の設定が行われると子機アンプ3やセンサヘッド2に設定情報が送られ、センサヘッド2はこの条件で動作するようになる。
図12は、変位測定装置1のスキャンモードの運転時に行う手順を示すフローチャートである。スキャンモードの運転時のフローチャートにおけるステップSG1では、外部機器6等から外部トリガを受け付ける。ステップSG2では、照明部30の第1~第4発光ダイオード31~34を点灯させる。ステップSG3では、輝度画像を撮像する。画像データは、例えば子機アンプ3の画像データ記憶部320dに記憶される。
図13はラインモード設定時のフローチャートである。外部トリガや内部トリガ等を設定するステップは省略している。ステップSP1では、輝度画像の明るさ設定が行われる。ステップSP2では、マスター登録を行う。ステップSP3では、測定ツールの選択を行い、測定ツールを選択すると、ステップSP4に進み各ツールの設定を行う。ステップSP5において測定ツールの追加が完了したか否かを判定し、測定ツールの追加が完了していない場合には、ステップSP3、SP4を経て測定ツールを追加する。測定ツールの追加が完了すると、ステップSP6に進む。ステップSP6では、出力割り当てを設定する。その後、ステップSP7において総合判定条件を設定する。
図14は、変位測定装置1のラインモードの運転時に行う手順を示すフローチャートである。ラインモードの運転時のフローチャートにおけるステップSR1では周期的にトリガ信号を出力する。ステップSR2では、照明部30の第1~第4発光ダイオード31~34を点灯させる。ステップSR3では、輝度画像を撮像する。ステップSR4では、測定位置を含む変位測定範囲の変位を測定可能となるようにMEMSミラー15を制御する。ステップSR5では、レーザー12から発光させて帯状の測定光を測定対象物Wに照射する。ステップSR6で撮像し、ステップSR7で変位を測定する。
●基本的な測定原理
上述されたように、ラインモードではMEMSミラー15の走査が実行されず、測定対象物Wが移動する。ラインモードは、主に二つの誤差要因を有している。一つ目は、撮像素子を構成する複数の画素間を反射光が通過する際に一画素周期で発生する誤差である。二つ目は、測定対象物の表面状態に起因して発生する誤差である。このようにラインモードでは主に二つの誤差によって正確な測定結果が得られないことがある。そこで、本実施形態は、ラインモードにおける測定誤差を削減する技術を提案する。
図17は設定UI601を説明する図である。設定UI601は、輝度画像生成部302により生成された輝度画像と、測定結果に基づき測定光の反射位置を疑似的に示す仮想プロファイル607とを合成して表示する表示領域606を有している。設定部304は、輝度画像生成部302に輝度画像を生成させ、変位測定部312にプロファイルを測定させる。UI生成部303は、輝度画像と、測定により得られたプロファイルに基づく仮想プロファイル607とを合成し、表示領域606に合成画像を表示する。
図18はプロファイルの測定方法を示すフローチャートである。
図20は検出履歴の保存に関連した履歴UI611を示している。変位測定部312は、スキャンモードとラインモードとのいずれにおいても、測定されたプロファイル(スキャンモードの場合は、複数のプロファイルからなる高さデータになる)と、測定対象物Wの輝度画像とを関連付けて記憶部320に記憶している。たとえば、輝度画像は画像データ記憶部320に記憶されている。プロファイルのデータは高さデータ記憶部320bに記憶されている。また、各測定ツールによる測定結果は測定データ記憶部320eに記憶されている。さらに、良否判定の結果は処理結果記憶部320cに記憶されている。また、これらは相互に共通したID(識別情報)や時刻データを用いて関連付けられている。ここではIDが採用されているものとする。そこで、UI生成部303は、良否判定の結果がNGとなっているIDを特定し、このIDに関連付けられている輝度画像を履歴UI611の表示領域612に表示する。図20では、三つの輝度画像が表示されている。UI生成部303は、表示領域612に表示されている三つの輝度画像のうちポインタ605により指定された輝度画像を表示領域606に拡大表示する。さらに、UI生成部303は、このIDに関連付けられているプロファイルを高さデータ記憶部320bから読み出して、ラインモード時、読み出したプロファイルに基づき仮想プロファイル607を輝度画像に重ねて表示する。UI生成部303は、このIDに関連付けられている測定ツールごとの測定結果を測定データ記憶部320eから読み出して、測定結果表示領域613a、613bに表示してもよい。これにより、どの測定ツールの測定結果がNGとなったことで、複数の測定ツールの全体として、つまり、測定対象物WがNGとなったかを理解しやすくなろう。図20では、段差ツールの測定結果はOKとなっているが、高さツールの測定結果がNGとなっている。UI生成部303は、高さツールの測定位置を示す枠線や、段差ツールの測定位置を示す二つの枠線を表示領域606において輝度画像に重ねて表示してもよい。
図21はラインモードにおけるレーザー位置の調整方法を説明する図である。図17と図21とを比較するとわかるように、ポインタ605によってスライドバーが操作され、レーザー光(測定光60)の照射位置が変更されている。ユーザは設定UI601を確認しながらポインタ605でスライドバーを移動させることで、所望の位置に測定光60が照射されるように、レーザー光の照射角度を調整する。出射方向調整部310は、スライドバーの移動量に応じてレーザー光の照射角度を調整する。UI生成部303は、変位測定部312により取得されたプロファイルに基づき仮想プロファイル607を表示領域606に表示する。測定光60の照射位置が変更されているため、仮想プロファイル607の位置も連動して変更される。なお、測定光60の照射位置が変更されると、マスターデータ(比較用の良品データ)の再登録が必要となる。UI生成部303は、再登録を促すようなメッセージを設定UI601に表示してもよい。
図22(A)および図22(B)はセンサヘッド2と測定対象物Wとの距離が変わるようなケースを説明する図である。測定対象物Wがセンサヘッド2に対して近づくように移動してきてから、移動方向を変更して搬送されることがある。図22(A)では測定対象物Wがセンサヘッド2に対して遠くに位置していることを示している。図22(B)では測定対象物Wがセンサヘッド2に対して近くに位置していることを示している。ツール枠608は、測定ツールの測定領域を示す枠である。一般的なプロファイル表示では、測定対象物Wの断面形状を示すように表示される。たとえば、横軸を第2方向とし、縦軸を高さ方向としたグラフなどでプロファイルが表示される。これに対して、本実施形態では、輝度画像に対して仮想プロファイル607が表示される。この仮想プロファイル607の表示位置は、輝度画像における測定対象物Wの大きさに応じて変化する。一般にマスター登録UIなどでは測定対象物Wとセンサヘッド2との距離は変更されないため、ツール枠608のサイズも固定される。しかし、測定が実行されているときにリアルタイムで表示される輝度画像では、輝度画像における測定対象物Wの大きさが変化する、よって、ツール枠608のサイズを固定してしまうと、正しい、測定結果が得られなくなってしまう。
図23(A)はセンサヘッド2の推奨設置方法を示している。本実施形態ではセンサヘッド2が水平面Hpに対して斜めとなるように測定光60が照射され、反射光(拡散光、散乱光)は水平面Hpに対して直交した方向(鉛直方向と180度異なる方向)へ向かう。なお、仮にワークの水平面Hpがもう少し離反したら(図23(A)で下方に移動したら)、反射光と測定光60の間の角度は狭くなり、反射光は、図23(A)中で右方に傾いた向きとなる。しかし、図23(B)が示すように、ユーザによっては、測定光60を鉛直方向に照射したいと望む場合がある。この場合、ユーザはセンサヘッド2を傾けて設置しなければならない。
変位測定装置1はプロファイル測定装置と呼ばれてもよい。レーザー12は光を出力する光源の一例である。コリメートレンズ13、シリンドリカルレンズ14および絞り部材16は光源から出力された光を平面的な測定光に変換して出力する変換光学系の一例である。MEMSミラー15は変換光学系から出射された平面的な測定光が測定対象物Wを横断するように当該測定光を導光する導光光学系の一例である。測定用受光部40は測定対象物Wからの反射光を受光する受光部の一例である。変位測定部312は三角測量の原理に基づき、受光部における反射光の入射位置に応じて、測定対象物Wにおける平面的な測定光の各反射位置の高さの集合体であるプロファイルを取得するプロファイル取得部として機能する。図15(B)が示すように、駆動部15bは平面的な測定光が測定対象物Wの表面で反射することで測定対象物Wの表面において第1方向に沿って線状に並んだ複数の反射位置が、当該第1方向とは異なる第2方向に対して微小変位するように導光光学系を駆動する駆動部の一例である。変位測定部312は、導光光学系を微小変位させることで取得された複数のサブプロファイルを統計処理することで一つのプロファイルを取得する。これにより、ラインモードにおける測定誤差が削減される。
Claims (14)
- 光を出力する光源と、
前記光源から出力された光を平面的な測定光に変換して出力する変換光学系と、
前記変換光学系から出射された前記平面的な測定光が測定対象物を横断するように当該測定光を導光する導光光学系と、
前記測定対象物からの反射光を受光する受光部と、
三角測量の原理に基づき、前記受光部における前記反射光の入射位置に応じて、前記測定対象物における前記平面的な測定光の各反射位置の高さの集合体であるプロファイルを取得するプロファイル取得部と、
前記測定対象物の表面において第1方向に沿って線状に並んだ複数の反射位置が、当該第1方向とは異なる第2方向に対して変位するように前記導光光学系を駆動する駆動部と、
静止した前記測定対象物の前記第2方向における異なる位置に前記平面的な測定光を順次照射するスキャンモードと、移動する前記測定対象物の前記第2方向における特定の位置に前記平面的な測定光を照射するラインモードとのいずれかを選択するモード選択部と、
を有し、
前記モード選択部によりラインモードが選択されている場合に、前記駆動部は、前記第1方向に沿って線状に並んだ複数の反射位置が前記第2方向に対して前記特定の位置に近接する複数の位置に微小変位するように前記導光光学系を駆動するとともに、前記プロファイル取得部は、当該微小変位ごとに前記高さの集合体である複数のサブプロファイルを取得して、当該複数のサブプロファイルを統計処理することで一つの前記プロファイルを取得することを特徴とするプロファイル測定装置。 - 前記導光光学系は、前記駆動部により駆動されて反射方向が変化するミラーであることを特徴とする請求項1に記載のプロファイル測定装置。
- 前記駆動部は、サンプル周期ごとに、前記線状に並んだ複数の反射位置が前記第2方向に移動するように前記ミラーを駆動し、
前記プロファイル取得部は、各サンプル周期ごとに得られた複数のプロファイルから前記測定対象物の三次元形状を求めることを特徴とする請求項2に記載のプロファイル測定装置。 - 前記複数のサブプロファイルを取得するための微小変位のピッチは、前記プロファイルを取得するためのピッチよりも小さいことを特徴とする請求項3に記載のプロファイル測定装置。
- 前記微小変位のピッチは、前記受光部の画素換算で、0.3画素以上で、かつ、2画素以下となるピッチであることを特徴とする請求項4に記載のプロファイル測定装置。
- 前記ミラーは、前記第2方向に前記平面的な測定光を走査させることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか一項に記載のプロファイル測定装置。
- 前記ミラーはMEMSミラーまたはガルバノミラーであることを特徴とする請求項2ないし6のいずれか一項に記載のプロファイル測定装置。
- 前記測定対象物は、前記受光部を含むセンサヘッドに対して相対的に前記第2方向へ移動し、
前記プロファイル取得部は、各サンプル周期ごとに得られた複数のプロファイルから前記測定対象物の三次元形状を求めることを特徴とする請求項1または2に記載のプロファイル測定装置。 - 前記統計処理は平均化であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のプロファイル測定装置。
- 前記平均化のために取得される前記複数のサブプロファイルの数を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた前記複数のサブプロファイルの数に基づき前記複数のサブプロファイルを取得するための微小変位のピッチを演算する演算部と
を有することを特徴とする請求項9に記載のプロファイル測定装置。 - 前記ミラーの角度を検知する検知部と、
前記検知部により検知される前記ミラーの角度をフィードバックすることで前記ミラーの角度が目標角度となるように前記駆動部を制御する制御部と
を有することを特徴とする請求項2ないし7のいずれか一項に記載のプロファイル測定装置。 - 前記受光部において二次元配列された複数の受光素子を有する撮像素子を有し、
前記撮像素子は、前記光源が前記光を出力していないとき、前記測定対象物の画像を撮像し、記憶部に当該画像を記憶し、
前記記憶部は、前記光源が前記光を出力することで取得された前記プロファイルを前記画像とともに記憶することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一項に記載のプロファイル測定装置。 - 前記測定対象物の輝度画像に対して前記プロファイルに基づく仮想線を合成して表示する表示部をさらに有することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載のプロファイル測定装置。
- 前記プロファイルに測定処理を実行する測定ツールをさらに有し、
前記表示部は、前記測定ツールの測定範囲を示すツール枠を前記輝度画像とともに表示するように構成されており、
前記ツール枠のサイズは前記測定対象物と前記プロファイル測定装置との距離に連動して変化することを特徴とする請求項13に記載のプロファイル測定装置。
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