以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[概要]
支持脚33によって送風部2をカバー(ハウジング)20の内部で支持するサーキュレータの構造で、水平方向より下向きに首振り可能である。
[外観]
図1~図5は、本実施の形態に係る送風機1を示す外観図であり、図1は斜視図、図2は正面図、図3は右側面図、図4は上面図、図5は背面図である。この送風機1は、球面グリル構造により風速強化を図るとともに、球体形状の進化形デザインによりコンパクトに見えるように構成されている。
具体的には、本実施の形態に係る送風機1は、図1~図5に示すように、正面側に送風口2aが形成されたグリル23を有する送風部2と、送風部2を支持する支持部3と、を備えている。
グリル23は、複数のフィン24が渦巻き状に設けられ、複数のフィン24の渦巻きの中心部Oに近い内端部24bが、送風口2aに連続する外端部24cより送風方向Fに突出している。換言すると、グリル23の内の複数のフィン24が形成されている部分24aの外端部24cに対し内端部24bが送風方向Fに突出している。なお、複数のフィン24が形成されている部分24aとは、グリル23から渦巻きの中心部Oにあるキャップ25を除いた部分である。内端部24bとは、渦巻きの中心部Oに近い内端側であり、内端近くを含む。外端部24cとは、送風口2aに連続する外端側の部分である。これにより、風が中央に集まり(収束し)、送風方向の中央に於ける風速を向上できる。また、送風口2aから吹き出される風(スパイラル気流)の到達距離を伸長できる。その結果、室内の空気を確実に撹拌でき、室内の温度を均一化させて省エネに貢献できる。なお、送風部2の送風口2aは、円形に形成されている。
ここで、本実施の形態に係る送風機1では、送風部2が支持部3に回動可能に支持されている。すなわち、本実施の形態に係る送風機1は、送風部2と、送風部2を回動可能に支持する支持部3と、を備えている。
この送風部2は、上下方向に延びるスリット210が形成されたカバー(ハウジング)20を有するのが好ましい。また、支持部3は、スリット210に挿入されて送風部2を上下方向に回動可能に枢着する支持脚33を有するのが好ましい。こうすれば、支持脚33によって送風部2をカバー(ハウジング)20の内部で支持することができ、送風機1のコンパクト化を図ることができる。
このとき、送風部2の送風方向Fが水平方向となる水平状姿勢(図1~図5に示す姿勢)で、スリット210の下端210aと支持脚33との間に隙間D1(図14参照)が形成されるようにし、送風部2の送風方向Fが水平方向よりも下側を向くように送風部2を回動させ得る構成とするのが好ましい。こうすれば、水平方向よりも下向きに送風することができる。
このように、送風機1のコンパクト化を図ることで、棚の上や窓枠などに容易に配置することができるようになる。さらに、水平方向よりも下向きに送風できるようにすれば、送風機1を棚の上や窓枠などに配置した状態で、棚や窓枠などよりも下側に風を送ることができる。すなわち、本実施の形態に係る送風機1とすれば、床面に配置して床面よりも上側に送風させる態様での使用だけでなく、棚の上や窓枠などに設置した状態で、棚の上や窓枠などよりも下側に送風させる態様での使用が可能となるため、設置場所の自由度を向上させることができる。
また、送風部2が回動可能範囲の下限まで回動した最大下向き姿勢で、送風部2の送風口2aが支持部3によって塞がれないように構成しているのが好ましい。こうすれば、送風部2を回動可能範囲の下限まで回動させた状態で、送風口2aから吹き出される風が支持部3に当たってしまうことを抑制することができる。その結果、送風部2が回動可能範囲の全域において、風量が弱まってしまうことを抑制することができる。
また、カバー(ハウジング)20は、送風部2の回動軸心Cを中心とする円弧状面20aを有しているのが好ましい。さらに、支持部3は、円弧状面20aに所定寸法の隙間D2(図15参照)をもって対面する凹状弯曲面322aを有しているのが好ましい。そして、送風部2を回動させる際に、カバー(ハウジング)20の円弧状面20aと支持部3の凹状弯曲面322aの隙間D2が拡大しないように構成されているのが好ましい。こうすれば、送風部2を回動させた際に、送風部2が支持部3に干渉してしまうことを抑制することができる。また、送風部2を回動させた際に、送風部2と支持部3との間に形成される隙間が大きくなってしまうことを抑制することもできる。その結果、送風部2の回動時に、送風部2と支持部3との間の隙間にものなどが挟み込まれてしまうことを抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。
また、カバー(ハウジング)20におけるスリット210の幅を画成する内面211cに、スリット210の幅方向に突出するリブ212が形成されているのが好ましい。こうすれば、カバー(ハウジング)20の強度を高めることができる。また、スリット210にリブ212を形成することで、スリット210に手や指などが入ってしまうことを抑制することができ、安全性の向上を図ることもできる。
また、送風部2と支持脚33の枢着状態の解除を抑制する枢結機構50が設けられているのが好ましい。こうすれば、送風部2を手動で回動させる構成とし、カバー(ハウジング)20に捻り方向の力がかかったとしても、支持脚33が送風部2から外れてしまうことを抑制することができる。
また、カバー(ハウジング)20は、送風部2の前後中間位置で分割可能なフロントカバー21とリアカバー22を有しているのが好ましい。こうすれば、フロントカバー21およびリアカバー22の製造が容易になる上、カバー(ハウジング)20の内部への部品の配置を容易に行うことができる。すなわち、送風部2の組み付け作業性の向上を図ることができる。そして、スリット210が、リアカバー22の下面から背面乃至上面にわたって形成されているのが好ましい。こうすれば、1つの部材であるリアカバー22にスリット210が形成されるため、組み付け誤差等によるスリットの位置ずれが生じてしまうことを抑制することができる。その結果、送風部2をよりスムーズに回動させることができるようになる。
また、支持脚33が、支持部3の後端寄りに設けられるようにするのが好ましい。こうすれば、送風部2の前後中間位置で分割されるリアカバー22にスリット210を形成したとしても、送風部2の送風方向Fが水平方向よりも下側を向くように送風部2を回動させることができるようになる。
[各部の詳細]
以下、図6~図9を用いて、本実施の形態に係る送風機1を更に詳しく説明する。ここで、図6は、送風機の分解斜視図、図7は、送風機が備える支持部の分解斜視図、図8は、支持部が備える支持脚部分の分解斜視図、図9は、支持部が備える本体部分の分解斜視図である。
(送風部)
送風部2は、図6に示すように、上下方向に延びるスリット210が形成されたカバー(ハウジング)20を備えており、カバー(ハウジング)20は、送風部2の前後中間位置で分割可能なフロントカバー21とリアカバー22とを有している。
また、送風部2は、グリル23を有している。さらに、送風部2は、空気流を発生させる送風用のファン27と、ファン27を駆動するモーター28と、モーター28を保持した状態でリアカバー22に取り付けられるモーターカバー29と、を有している。
フロントカバー21は、図6に示すように、球殻の前側半分の前方部分を切断したような形状の筒状に形成されており、前方に開口する円形の開口部21aを有している。このフロントカバー21は、例えば、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料で形成することができる。そして、この円形の開口部21aに球面のグリル23が後方から嵌め込まれている。
グリル23は、例えば、耐衝撃性の高い合成樹脂材料で形成された前面パネルである。本実施の形態では、グリル23は、渦巻き状のフィン24を複数有しており、複数のフィン24が渦巻きの中心部Oに向かうにつれて次第に突出するように凸弯曲状に形成されている。こうすることで、グリル23の後方から風を送り、グリル23の前後方向に空気流(風)が通過すると、渦を巻きながら直進するスパイラル気流が生じるようにしている。本実施の形態では、グリル23は、前面が球面の一部をなすように形成されている。
このように、本実施の形態では、フロントカバー21とグリル23とで、送風部2の前側の半球が形成されるようにしている。
一方、リアカバー22は、複数の桟22aによって半球状に形成されており、リアカバー22のほぼ全面にわたって、外気を取り込むための多数の通気口22bが形成されている。このリアカバー22も、例えば、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料で形成することができる。
そして、グリル23が嵌め込まれたフロントカバー21とリアカバー22とを嵌着させることで、球体形状を成すようにしている。すなわち、グリル23が嵌め込まれたフロントカバー21とリアカバー22とを嵌着させることで、球状の送風部2が形成されるようにしている。
このように、送風部2の外観を球体形状とすれば、洗練された見た目とすることができる上、角がなくなることで、よりコンパクトな見た目とすることができる。また、見た目のかわいらしさやおしゃれ感をアップさせることもできる。
なお、複数のフィン24の隙間から手指が入るのを防止すると共にグリル23の補強も兼ねて、各フィン24と交差する円形のリングによって複数のフィン24を支持した構成としてもよい。
さらに、本実施の形態では、グリル23の外周縁部には、円筒状の風洞部26が後方に延在するように設けられている。この風洞部26は、ファン27のラジアル外方に設けられた円筒状の部材であり、風洞部26の内径が、送風口2aの内径と略等しくなるようにしている。すなわち、本実施の形態では、グリル23の風洞部26が連設された部位よりも内側が送風部2の送風口2aとなっている。このように、本実施の形態では、送風部2の内部に円筒状の風洞部26を設けることで、サーキュレータ特有の作用である風の指向性及び直進性を確保できるようにしている。
モーター28は、ファン27を駆動するものであり、モーター本体28aと、モーター本体28aから突出する出力軸28bと、を備えている。そして、この出力軸28bの先端にファン27が取り付けられており、モーター28を駆動させた際にファン27が出力軸28bを中心として回転するようにしている。
また、本実施の形態では、モーター28はモーターカバー29に保持されている。具体的には、出力軸28bをモーターカバー29の挿通孔291に挿通させた状態で、モーター本体28aがモーターカバー29に保持されている。このモーターカバー29は、モーター28を保持した状態で、リアカバー22に取り付けられている。
そして、モーターカバー29を介してモーター28およびファン27をリアカバー22に取り付けた状態で、リアカバー22をグリル23が嵌め込まれたフロントカバー21に嵌着させることで、内部に送風機構が組み込まれた送風部2を形成している。
送風部2の構成を、このような構成とすることで、モーター28を駆動させてファン27を回転させると、リアカバー22の通気口22bから取り込まれた外気が、送風口2aから吹き出されて、送風部2の前方に風が送られることになる。なお、後方から前方に向かう空気流(風)は、上述したように、グリル23を通過する際に渦を巻きながら直進するため、送風口2aから吹き出される風は、スパイラル気流を発生させながら、前方に向かうことになる。
さらに、本実施の形態では、リアカバー22のモーター後方箇所に風孔22cを有しており、モーターカバー29に風孔292を形成している。
そのため、モーター28がファン27を駆動しているときに、モーター後方箇所の風孔22cからも外気が取り込まれるため、風量をより多く確保することができる。さらに、モーター28がファン27を駆動しているときには、風孔292を通過する空気流も発生するため、モーター28が自ら発生させる空気流によって、モーター28に冷却効果を生じさせることができ、モーター28の発熱対策にもなる。
(支持部)
支持部3は、床面等の設置面に載置されるものであり、この支持部3には電源コード80が取り付けられている。また、支持部3は、図7に示すように、上方に送風部2が配置される本体部分と、本体部分に固定されて、送風部2をカバー(ハウジング)20の内部で支持する一対の支持脚33と、を備えている。
支持部3の本体部分は、平面視における大きさが、送風部2の平面視における大きさとほぼ同じ大きさまたはそれ以下の大きさとなるようにするのが好ましい。こうすれば、送風機1の平面視における大きさを、図4に示すように、送風部2の平面視における大きさとほぼ同等とすることができ、送風機1の全体が大きくなりすぎてしまうことを抑制することができる。なお、支持部3の本体部分の平面視における大きさを、送風部2の平面視における大きさとほぼ同じ大きさとすれば、送風機1の転倒を抑制しつつ、送風機1の小型化を図ることができるようになる。すなわち、送風機1の小型化を図りつつ、送風機1をより安定的に載置させることができるようになる。
また、支持脚33には、図8に示すように、収容部333が形成されており、この収容部333に、押圧ピン41がコイルスプリング42に挿入された状態で収容されている。そして、押圧ピン41およびコイルスプリング42を収容した収容部333を落下抑制カバー34によって覆うことで、押圧ピン41およびコイルスプリング42の収容部333からの落下を抑制している。
一方、支持部3の本体部分は、図9に示すように、平面視で円形状に形成された台座下部31と、台座下部31に嵌着可能な台座上部32と、を有している。台座下部31も台座上部32も、外面を形成するカバーは、例えば、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料で形成することができる。
そして、支持部3の本体部分は、内部が空洞になっており、この空洞に回路基板35や左右首振り機構60などが収容されている。
また、台座上部32のカバーにおける中心よりも後方には、一本脚形状の支柱部321が垂直に立設されており、台座上部32のカバーにおける支柱部321よりも前方には、操作パネル323が配置されている。そして、支柱部321の上面322の上方には、送風部2が上面322との間に隙間(本実施の形態では、所定寸法の隙間D2)が形成された状態で配置されている。
したがって、支柱部321の高さや支柱部321の中心(平面視における台座上部の中心)からのずれ量を設定する際には、送風部2と操作パネル323との間に、使用者等による操作パネル323の操作を邪魔しない程度の空間が形成されるようにするのが好ましい。
操作パネル323には、例えば、電源の切/入を切り替える電源ボタン、送風部2の風量調節を行う風量ボタン、左右首振りのオン/オフを切り替える首振りボタンなどが設けられている。
また、支柱部321の上面322の幅方向両側には、上方に開口する開口部322bがそれぞれ形成されており、この開口部322bに支持脚33の先端(下端)を挿入することで、支持脚33が支持部3の本体部分に保持されるようにしている。本実施の形態では、開口部322bは、支柱部321の上面322の後端側に形成されている。すなわち、本実施の形態では、支持脚33は、支持部3の後端寄りに設けられている。
また、本実施の形態では、送風機1が電源の切/入の切り替え等を行うリモコン70を有しており、支柱部321の後側の下端部に、リモコン70を載置するリモコン載置部324が形成されている(図5等参照)。なお、回路基板35にはリモコン70からの信号を受信するリモコン受信部35aが実装されており、このリモコン受信部35aが支柱部321の前側の下端部から前方に向けて露出している。
[上下首振り構造]
本実施の形態では、送風部2は、上下方向への首振りができるように支持部3に支持されている。以下では、送風部2の上下首振り構造について、図10~図17を用いて説明する。なお、図10は、送風機の最大上向き姿勢を示す右側面図、図11は、送風機の最大下向き姿勢を示す右側面図、図12は、送風機が備える支持脚のスリットへの挿入状態を示す斜視図である。また、図13は、送風機の水平状姿勢を一部破断して示す斜視図、図14は、送風機の水平状姿勢を一部破断して示す右側面図である。また、図15は、送風機の最大下向き姿勢を一部破断して示す右側面図、図16は、送風機の最大上向き姿勢を一部破断して示す右側面図、図17は、送風機の最大下向き姿勢を送風方向に沿って視た図である。
本実施の形態に係る送風機1では、図10に示す最大上向き姿勢から図11に示す最大下向き姿勢までの範囲で送風部2を上下に首振りさせることができるようになっている。すなわち、本実施の形態に係る送風機1では、送風方向Fが水平方向よりも上向きとなるだけでなく下向きとなるように、送風部2を回動させることができるようにしている。具体的には、送風方向Fと水平面とのなす角度θが-25°~+90°となる範囲で送風部2を回動させることができるようにしている。
ここで、本実施の形態では、支持脚33は、図12に示すように、リアカバー22に形成された上下方向に延在するスリット210に挿入された状態で、リアカバー22に固定されたモーターカバー29に枢着されている。
具体的には、モーターカバー29の幅方向の両側に、円筒状の軸部293が幅方向の外側に向けて突出するようにそれぞれ形成されており、支持脚33のカバー(ハウジング)20内に位置する先端には、軸部293が挿通される挿通孔332が形成されている。
そして、モーターカバー29の幅方向の両側に形成された軸部293のそれぞれに、支持脚33の挿通孔332を挿通させることで、モーターカバー29が一対の支持脚33によって挟持された状態で、上下方向に回動可能に支持されるようにしている。
また、スリット210に挿入された支持脚33は、下端(ハウジングの外側に位置する先端)を、支柱部321の上面322に形成された開口部322bに挿入することで、支持部3の本体部分に保持されている。
このように、支持脚33の下端を支持部3の本体部分に保持した状態で、一対の支持脚33によってモーターカバー29を上下方向に回動可能に支持することで、モーターカバー29が支持部3(本体部分および支持脚33)に対して回動できる構成としている。
このとき、モーターカバー29が固定されたリアカバー22、モーターカバー29を介してリアカバー22に固定されたモーター28およびファン27、リアカバー22に嵌着されたフロントカバー21、フロントカバー21に嵌め込まれたグリル23および風洞部26が、モーターカバー29の回動に伴って回動することになる。
すなわち、本実施の形態では、一対の支持脚33に枢着されたモーターカバー29を支持部3(本体部分および支持脚33)に対して回動させることで、送風部2の全体が支持部3(本体部分および支持脚33)に対して回動するように構成されている。
このとき、送風部2は、支持脚33がスリット210の下端210a側に位置する状態からスリット210の上端210bに位置する状態まで、支持部3(本体部分および支持脚33)に対して回動することになる。
ここで、本実施の形態では、送風部2の送風方向Fが水平方向よりも下側を向くように送風部2を回動させ得る構成とした。
具体的には、図13および図14に示すように、送風部2の送風方向Fが水平方向となる水平状姿勢でスリット210の下端210aと支持脚33との間に隙間D1が形成されるようにした。
本実施の形態では、上述したように、支持脚33を支持部3の後端寄りに設けている。具体的には、支持脚33は、支持部3に保持された状態で、開口部322bから上方に立設される鉛直部336と、鉛直部336の上端に連設されて前方かつ上方に傾斜する傾斜部337と、傾斜部337の先端に連設されて、軸部293に枢着される枢着部338と、を備えている。なお、枢着部338には、上述した挿通孔332が形成されている。
そして、支持脚33を支持部3の後端寄りに保持させた状態で、鉛直部336の途中にスリット210が存在するようにしている。
また、カバー(ハウジング)20は、水平状姿勢において送風部2の前後中間位置で、フロントカバー21とリアカバー22とに分割されるように構成されており、スリット210は、水平状姿勢におけるリアカバー22の下端縁の近傍まで形成されている。すなわち、スリット210の下端210aが、水平状姿勢において、支持部3の前後方向の中央部寄りに位置するようにしている。
こうすることで、送風機1を水平状姿勢とした状態で、スリット210の下端210aを画成する下端面211aと支持脚33の前面との間に隙間D1が形成されるようにしている。
そして、水平状姿勢において、下端面211aと支持脚33の前面との間に隙間D1が形成されるようにすることで、支持脚33の前面が下端面211aと接触する位置まで、送風部2をさらに下方に回動させることができるようにしている(図15参照)。すなわち、送風部2の送風方向Fが水平方向よりも下側を向くように送風部2を回動させることができるようにしている。
さらに、本実施の形態では、スリット210は、水平状姿勢におけるリアカバー22の上端縁の近傍まで形成されている。すなわち、スリット210は、リアカバー22の下面から背面を通って上面に至るまで形成されている。換言すると、スリット210は、リアカバー22の下面から背面乃至上面にわたって形成されている。
したがって、送風部2は、支持脚33の後面が、スリット210の上端210bを画成する上端面211bと接触する位置まで、上方に回動させることができるようになっている(図16参照)。
このように、本実施の形態では、支持脚33がスリット210の上端210b側に位置する状態から下端210a側に位置する状態となるまでの範囲で、送風部2を上下方向に回動させることができるように構成されている。
なお、支持脚33の前面がスリット210の下端面211aと接触する位置まで送風部2を回動させた状態(図15に示す状態)が、送風機1の最大下向き姿勢(送風部2が回動可能範囲の下限まで回動した状態)となっている。本実施の形態では、上述したように、送風方向Fと水平面とのなす角度θが-25°となる状態が最大下向き姿勢となっている。
また、支持脚33の後面がスリット210の上端面211bと接触する位置まで送風部2を回動させた状態(図16に示す状態)が、送風機1の最大上向き姿勢(送風部2が回動可能範囲の上限まで回動した状態)となっている。本実施の形態では、上述したように、送風方向Fと水平面とのなす角度θが+90°となる状態が最大上向き姿勢となっている。
また、本実施の形態では、支持脚33の傾斜部337の先端に枢着部338が形成されており、この枢着部338が、送風部2の回動軸心Cとなっている(図14~図16参照)。
さらに、本実施の形態では、側面視(回動軸方向に沿って視た状態)で、送風部2の回動軸心Cが球状の送風部2の中心と一致するようにしている。
このように、送風部2の回動軸心Cを送風部2の中心に一致させるようにすれば、カバー(ハウジング)20の外面が、送風部2の回動軸心Cを中心とする円弧状面20aとなる。すなわち、本実施の形態では、カバー(ハウジング)20が、送風部2の回動軸心Cを中心とする円弧状面20aを有するようにしている。
さらに、送風部2を支持部3に支持した状態で、円弧状面20aと対面する支柱部321の上面322に、凹状弯曲面322aを形成している。この凹状弯曲面322aは、円弧状面20aと同心の球面の一部となっている。
このような、円弧状面20aおよび凹状弯曲面322aを、送風部2および支持部3に形成することで、凹状弯曲面322aが、円弧状面20aに所定寸法の隙間D2をもって対面することになる。さらに、送風部2を回動させる際に、円弧状面20aと支持部3の凹状弯曲面322aの隙間D2が拡大しない構成となる。
こうすれば、送風部2を回動させた際に、送風部2と支持部3とが干渉してしまうことを抑制することができる。また、送風部2を回動させたとしても、送風機1のシルエット(側面視にける送風機1の輪郭形状)がほとんど変化しなくなる。
また、円弧状面20aと支持部3の凹状弯曲面322aの隙間D2が拡大しないようにすれば、送風部2の回動時に、送風部2と支持部3との間の隙間にものなどが挟み込まれてしまうことを抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。
なお、円弧状面20aは、少なくとも、送風部2を回動可能範囲で回動させた際に、凹状弯曲面322と対面する部位に形成されていればよく、送風部2の外面の全体を円弧状面20aとする必要はない。
また、本実施の形態では、図17に示すように、送風部2が回動可能範囲の下限まで回動した最大下向き姿勢で、送風部2の送風口2aが支持部3によって塞がれないようにしている。すなわち、送風機1を送風方向Fに沿って視た状態で、円形の送風口2aの下端が、支柱部321の前側上端と同等の位置にあるか、支柱部321の前側上端よりも上方に位置するように構成している。
こうすれば、送風機1を最大下向き姿勢とした場合であっても、送風口2aから吐出される風が支持部3に当たってしまうことが抑制される。すなわち、送風口2aから吐出される風が支持部3によって拡散されてしまうことを抑制することができる。
[角度調節機構]
また、本実施の形態では、送風機1が角度調節機構40を備えており、送風部2を回動可能範囲で回動させた際に、送風部2が所定の角度で段階的に保持されるようにしている。以下では、図18を用いて、本実施の形態に係る角度調節機構40について説明する。なお、図18は、送風機が備える角度調整機構を示す断面図である。
本実施の形態に係る角度調節機構40は、モーターカバー29に突き当てられて、モーターカバー29の回動を規制する押圧ピン41と、押圧ピン41が挿入されて押圧ピン41をモーターカバー29に向けて付勢するコイルスプリング42と、を備えている。
この押圧ピン41およびコイルスプリング42は、上述したように、支持脚33の収容部333内に収容されている。
また、モーターカバー29の幅方向両側には、回動軸心Cを中心とした円弧状の係止部294が幅方向外側に突出するように形成されており、この係止部294の回動軸心C側には、回転方向に沿って複数の係止凹部294aが所定間隔で形成されている。この複数の係止凹部294aは、送風部2の上下首振りの回動可能範囲(-25°~+90°)の範囲に対応している。
そして、支持脚33がモーターカバー29を保持した状態で、収容部333内に収容された押圧ピン41の先端が係止凹部294aに接触するようにしている。このとき、コイルスプリング42は、自由状態よりも縮んだ状態で収容部333内に収容されており、押圧ピン41は、このコイルスプリング42によって係止凹部294a側に付勢されている。
こうすることで、使用者が送風部2を持って上下方向に動かした際には、押圧ピン41が係止凹部294aをカチカチと乗り越えて移動することになる。そして、押圧ピン41が複数の係止凹部294aうちの1つと接触した状態で送風部2の回動を止めると、係止凹部294aが押圧ピン41によって押圧されることになるため、適度な強度で押圧ピン41を係止凹部294aに係止させることが可能となる。
このように、本実施の形態に係る角度調節機構40は、押圧ピン41と、コイルスプリング42と、押圧ピン41およびコイルスプリング42を収容する収容部333と、押圧ピン41により押圧される複数の係止凹部294aと、で構成されている。そして、複数の係止凹部294aのうちのいずれかが押圧ピン41によって係止されるようにしている。
このような角度調節機構40を設けるようにすれば、送風部2の角度(送風方向Fの水平方向に対する角度)を手動で段階的に変化させることができるようになる。
なお、傾斜部337と枢着部338との連結部分には、モーターカバー29を支持部3に対して回動させる際に、係止部294が支持脚33に干渉してしまうことを抑制するためのスリット334が形成されている。このスリット334も、回動軸心Cを中心とした円弧状に形成されている。
[スリットの補強構造]
また、本実施の形態では、リアカバー22の下面から上面に至るまでスリット210を形成したことによる強度の低下を抑制できるようにしている。以下では、図19~図21を用いて、本実施の形態に係るスリット210の補強構造について説明する。なお、図19は、送風機が備えるリアカバーを示す背面図、図20は、送風機が備える支持脚を示す斜視図、図21は、送風機が備える支持脚のスリットへの挿入状態を示す断面図である。
本実施の形態では、図19に示すように、複数の桟22aを連結させることで形成されたリアカバー22の幅方向の両側に、一対のスリット210が上下方向に延在するように形成されている。さらに、本実施の形態では、各スリット210は、リアカバー22の下面から上面に至るまで形成されている。
このとき、リアカバー22の下面から上面にかけてスリット210を単に形成するだけでは、リアカバー22の強度が低下してしまい、送風部2を回動させる際にカバー(ハウジング)20が変形してしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、図19および図21に示すように、スリット210を画成する内面211のうち、スリット210の幅を画成する内面211cに、スリット210の幅方向に突出するリブ212を形成した。本実施の形態では、スリット210の幅を画成する内面211cの下端から上端にかけてのほぼ全範囲にリブ212が形成されるようにしている。
このようなリブ212を設けることで、リアカバー22の中で、特に強度が低くなる部位であるスリット210の周縁部の強度を向上させることができ、送風部2を回動させる際にカバー(ハウジング)20が変形してしまうことを抑制することができる。なお、スリット210を画成する内面211は、下端面211a、上端面211bおよび内面211cを有している。
また、本実施の形態では、支持脚33のリブ212と対応する部位に凹部331を形成している。
このように、支持脚33のリブ212と対応する部位に凹部331を形成することで、厚さが比較的厚い支持脚33を、リブ212に干渉させることなくスリット210内で移動させることができるようになる。
したがって、支持脚33の強度が低下してしまうことを抑制しつつ、リアカバー22の補強を行うことができるようになる。
また、送風部2を回動させる際に、凹部331の下部がリブ212の下方に位置するようにしている。具体的には、図21に示すように、凹部331の下部内面とリブ212とがほぼ平行となるようにしている。こうすれば、カバー(ハウジング)20に過度の力が加えられた際に、リブ212が凹部331の下部に接触するため、カバー(ハウジング)20と支持脚33との相対移動をより確実に抑制できるようになる。
[枢結機構]
また、本実施の形態では、送風機1が枢結機構50を備えており、送風部2を回動させる際に、支持脚33が送風部2から外れてしまうことを抑制できるようにしている。以下では、図22~図24を用いて、本実施の形態に係る枢結機構50について説明する。なお、図22は、送風機が備えるモーターカバーの軸部を支持脚の挿通孔に挿入させる前の状態を示す斜視図、図23は、送風機が備えるモーターカバーの軸部を支持脚の挿通孔に挿入させた状態を示す斜視図である。また、図24は、送風機が備える枢結機構を示す断面図である。
本実施の形態では、モーターカバー29の軸部293の軸方向の先端部に、径方向外側に突出する係止片293aが形成されている。この係止片293aは、軸部293の軸方向の先端部の一部に円弧状に形成されている。
また、支持脚33の挿通孔332には、内周側に突出する円弧状突部332aが一部を切り欠いた状態で形成されている。そして、挿通孔332の内周側のうち、円弧状突部332aが形成されていない部位が、切り欠き部332bとなっている。この切り欠き部332bは、支持脚33をモーターカバー29に対して軸方向に移動させた際に、係止片293aが通過できる程度の大きさとなっている。
したがって、本実施の形態では、支持脚33をモーターカバー29に取り付ける際には、まず、図22に示すように、係止片293aが切り欠き部332bと対面するようにした状態で、挿通孔332を軸部293に挿通させて図23に示す状態とする。
そして、図23に示す状態とした後に、モーターカバー29を図23に矢印で示す方向に回動させることで、円弧状突部332aと係止片293aとが軸方向で対面するようにする。
こうすることで、少なくとも送風部2を回動可能範囲で回動させている状態では、支持脚33がモーターカバー29から抜ける方向に移動したときに、円弧状突部332aが係止片293aに接触して、支持脚33のモーターカバー29からの抜けが抑制されるようにしている(図23参照)。
さらに、本実施の形態では、モーターカバー29に形成された係止部294の軸方向の先端部に、径方向外側に突出するフランジ部294bを形成している。このフランジ部294bは、円弧状をした係止部294の全体に形成されている。
そして、送風部2を回動させる際には、このフランジ部294bも支持脚33のスリット334内で移動するようにしている。さらに、支持脚33のスリット334内には、突起334aが設けられており、少なくとも送風部2を回動可能範囲で回動させている状態では、突起334aとフランジ部294bとが軸方向で対面するようにしている。
こうすることで、少なくとも送風部2を回動可能範囲で回動させている状態では、支持脚33がモーターカバー29から抜ける方向に移動したときに、突起334aがフランジ部294bに接触して、支持脚33のモーターカバー29からの抜けが抑制されるようにしている(図23参照)。
このように、本実施の形態では、枢結機構50は、円弧状突部332aおよび係止片293aと、突起334aおよびフランジ部294bと、で構成されている。
[左右首振り構造]
また、本実施の形態では、上述したように、送風機1が左右首振り機構60を備えており、送風機1の構成を、左右方向に首振りさせることができる構成としている。以下では、左右首振り構造について、図25及び図26を用いて説明する。なお、図25は、送風機が備える左右首振り機構を示す断面図、図26は、送風機を裏面側から視た分解斜視図である。
支持部3は、図25に示すように、内部が空洞になっており、その空洞内部に左右首振り機構60が収納されている。この左右首振り機構60は、台座上部32に固定された樹脂製の固定板61と、インサート成型にて固定板61に一体化された中心軸62と、固定板61の上面に固定された首振り用のモーター63と、を備えている。また、左右首振り機構60は、中心軸62の下端が挿入される樹脂製の軸受部材(ブッシュ)64を備えており、この軸受部材64の下端内周部には、係止爪64aが一体成型されている。なお、中心軸62の下端外周部には切欠溝62aが形成されており、切欠溝62aに係止爪64aが圧入されている。
また、支持部3は、上述したように、内部が空洞になっており、その空洞内部に左右首振り機構60が収納されている(図26参照)。左右首振り機構60は、固定板61と、固定板61の上面に固定された首振り用のモーター63(図25参照)と、首振りモーター63の出力軸63aに固定された偏心カム65と、台座下部31に固定される固定軸66と、一端部が偏心カム65に枢着され、他端部が固定軸66に枢着された弓形の連結リンク67と、を備えている。
また、固定板61は、台座上部32に固定され、中心軸62は、軸受部材64に旋回可能に挿入されている。首振り用のモーター63(出力軸63aに固定された偏心カム65を含む)と固定軸66は、それぞれ中心軸62から離れた位置に設けられている。
また、台座下部31に開孔された軸挿入孔69には、下端内周部に係止爪64aが形成された円筒状の軸受部材64が挿入されている。この軸受部材64には中心軸62が挿入されている。また、中心軸62の下端外周部には切欠溝62aが形成されており、この切欠溝62aに係止片となる係止爪64aが圧入されている。そして、台座下部31下面の開口部31bがボトムキャップ68によって蓋をされている。
また、固定板61と中心軸62の上端部とをインサート成型し、中心軸62により台座上部32と台座下部31とを連結するとともに、中心軸62の軸受部材64を台座下部31に固定している。このとき、軸受部材64を介して中心軸62を軸挿入孔69に挿入しているので、中心軸62と軸挿入孔69とのクリアランスが無くなり、中心軸62の旋回による軸挿入孔69の摩耗やそれに起因する異音の発生を防止することができ、中心軸62を中心とした台座上部32(送風部2)の旋回もスムーズとなる。
そして、使用者が操作パネル323の首振りボタンを押下して左右首振りをオンすると、首振り用のモーター63の出力軸63aに固定された偏心カム65が偏心回転し、偏心カム65に枢着された連結リンク67の一端部が円運動をする。このとき、連結リンク67の他端部は台座下部31に固定された固定軸66に枢着されているため、この円運動によって台座上部32とその上に取り付けられた送風部2が中心軸62を中心に円運動の半径距離に応じて左右方向に旋回(首振り)することになる。
このように、本実施の形態に係る送風機1は、台座下部31と、台座下部31の上に首振り可能に設けられる台座上部32とが中心軸62を通して連結され、台座上部32の上に送風部2が設けられた送風機1であって、台座下部31に軸受部材64を挿入し、この軸受部材64に中心軸62を旋回可能に挿入するとともに、台座上部32に設けられた固定板61と中心軸62の上端部とをインサート成型している。こうすることで、連結部の強度を確保しつつ、部品点数の減少、コストダウンを図ることができるようにしている。
また、台座上部32に設けられた固定板61を樹脂にて形成している。こうすることで、固定板61のエッジ(角)に配線が擦接した際に、配線が傷つくのを防止できるようにしている。
また、中心軸62の軸受部材64の下端内周部に係止爪64aが樹脂にて一体成型されている。こうすれば、係止爪64aがEリングの代替として機能するため、Eリングを用いる必要がなくなり、部品点数の減少、コストダウンを図ることができる。
なお、台座上部32(送風部2)は、台座上部32に取り付けられたボール(ローラー)Bがレール(走行路)R上を摺動することで、左右方向に旋回(首振り)している(図9参照)。
[電気ケーブルの配線構造]
また、本実施の形態では、電気ケーブル91の配線を上下首振りの軸部293から引き出すようにしている。以下では、図27及び図28を用いて、電気ケーブルの配線構造について説明する。なお、図27は、送風機が備える電気ケーブルの配線状態を示す斜視図、図28は、送風機が備える電気ケーブルの配線状態を裏面側から視た斜視図である。
本実施の形態では、図27及び図28に示すように、支持部3から立ち上がった一対の支持脚33でモーターカバー29を両脇から挟み込み、この挟み込んだ位置を上下首振りの回動軸心Cとして、送風部2が支持部3に対して上下首振りを行うようにしている。
さらに、モーターカバー29に形成した円筒状の軸部293を上下首振りの回動軸心Cとしている。
そこで、本実施の形態では、モーターカバー29に収容されるファン27の駆動用のモーター28に接続される電気ケーブル91を上下首振りの軸(軸部293)から引き出すようにしている。
そして、上下首振りの軸(軸部293)から引き出された電気ケーブル91は、落下抑制カバー34の挿通孔34aを通って外側に引き出され、支持脚33に形成された凹部335内に収容されるようにしている。
また、本実施の形態では、支持脚33を支持部3の本体部分に保持した状態で、凹部335が支持部3の本体部分内の空洞に連通されており、電気ケーブル91は、凹部335内に配置させつつ、この連通部分から本体部分内の空洞に引き出されるようにしている。
さらに、本実施の形態では、図27に示すように、固定板61の上部に、上方に突出するフック状のリブ61aが形成されており、連通部分から本体部分内の空洞に引き出された電気ケーブル91が、このフック状のリブ61aに引っ掛けられるようにしている。
そして、電気ケーブル91は、フック状のリブ61aに引っ掛けられた状態で、固定板61の下部に引き出されており、固定板61の下部に引き出された電気ケーブル91の先端が、回路基板35に実装されたコネクタ92に電気的に接続されている。
このとき、図28に示すように、固定板61の下部には、下方に突出するリブ61bが形成されており、このリブ61bによって、電気ケーブル91の撓んだ部位が、左右首振り機構60のリンク機構に接触して断線してしまうことを抑制できるようにしている。
電気ケーブル91の配線を上述した構成とすれば、上下首振り時に電気ケーブル91に捩り力が掛からないため、電気ケーブル91の断線をより確実に防止することができる。
[使用形態の一例]
次に、上述した送風機1の使用例について説明する。なお、図29は、送風機1の使用状態の一例を示す斜視図である。
本実施の形態に係る送風機1は、図29に示すように、例えば、家庭用のトイレ100に形成された棚101上に載置して用いることができる。このように、棚101上に送風機1を載置する場合、送風方向Fが水平よりも下を向くように送風部2を回動させた状態で使用するのが好ましい。こうすれば、送風機1からの風向きを、棚101よりも下方に位置する便器102側に向けることができるようになる。
なお、本実施の形態に係る送風機1を、例えば、脱衣所の棚に配置して、水平よりも下側に送風されるようにすることも可能である。
[変形例]
また、送風機は、上述した送風機1の構成に限られるものではなく、例えば、図30に示す送風機1Aとすることも可能である。なお、図30は、送風機の第1変形例を示す斜視図である。
この送風機1Aでは、図30に示すように、手動で操作するスイッチ322Aが形成されている。具体的には、図30に示す送風機1Aでは、スイッチ322Aを手動で回すことで、電源の切/入の切り替えおよび送風部2の風量の調節が行われるようにしている。
そして、このような送風機1Aを、上記実施の形態で示した送風機1と同様に、送風部2の送風方向Fが水平方向よりも下側を向くように送風部2を回動させ得る構成とすることができる。
また、送風機を、例えば、図31に示す送風機1Bとすることも可能である。なお、図31は、送風機の第2変形例を示す斜視図である。
この送風機1Bは、図31に示すように、平面グリル構造を備えるサーキュレータである。すなわち、外形形状が略太鼓状に形成された送風部2を備え、前方に開口された円形の送風口2aに平面のグリル23が設けられている。このような平面のグリル23も、渦巻き状の複数のフィン24を有している点は同じである。
そして、このような送風機1Bを、上記実施の形態で示した送風機1と同様に、送風部2の送風方向Fが水平方向よりも下側を向くように送風部2を回動させ得る構成とすることができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、いくつかの実施の形態について記載したが、開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本実施の形態は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。