JP7192880B2 - 医療画像用器具およびx線画像撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療画像用器具およびX線画像撮影装置に関し、特に、X線を吸収する複数の基準部を含む器具本体部を備える医療画像用器具およびX線画像撮影装置に関する。
従来、X線を吸収する複数の基準部を含む器具本体部を備える医療画像用器具が知られている。このような医療画像用器具は、たとえば、特開2006-181252号公報に開示されている。
上記特開2006-181252号公報には、X線管と、X線管から照射されたX線を検出するFPD(Flat Panel Display)と、X線管およびFPDを保持するC字状アームとを備えるX線画像システムに用いられる監視板(医療画像用器具)が開示されている。上記特開2006-181252号公報の監視板は、X線管およびX線管から照射されたX線を検出するFPD(Flat Panel Display)を保持するC字状アームに固定されている。上記特開2006-181252号公報の監視板は、CCD(Charge Coupled Device)カメラにより撮像される3個のマーカを備えている。
上記特開2006-181252号公報の監視板は、X線画像システムにおいて、CCDカメラにより撮像された3個のマーカの画像に基づいて、X線管およびFPDの三次元位置を取得するために用いられている。なお、X線管およびFPDの三次元位置は、被検体の複数のX線撮影画像に基づいて、被検体の任意の位置の断層像(トモシンセシス画像)などの画像処理を行うために取得されている。
このように、上記特開2006-181252号公報の監視板を用いるX線画像システムでは、X線管およびFPDの三次元位置を取得するために、専用のCCDカメラを必要とする。
そこで、従来では、一般的なX線撮影装置に備えられるX線管およびFPDにより撮影されるX線撮影画像に基づいて、X線管およびFPDの三次元位置を取得可能とするために、X線を吸収する複数の基準部を備えるファントムが提案されている。このようなファントムは、たとえば、非特許文献(株式会社島津製作所、「X線撮影装置を問わずにトモシンセシス画像を得られる新技術を開発<URL:https://www.shimadzu.co.jp/news/press/n00kbc000000dzil.html>」)に開示されている。
上記非特許文献には、ファントムを用いて、X線撮影した複数のX線撮影画像に基づいて断層画像を生成するX線撮影装置が開示されている。X線撮影装置は、被験者の撮影部位(関心領域)近傍に上記非特許文献のファントムが配置された状態で、X線管の配置位置およびX線の照射角度が操作者により変更されながらX線撮影を行うように構成されている。また、X線撮影装置は、X線撮影された複数のX線撮影画像を、各X線撮影画像に写る上記非特許文献のファントムの基準位置情報に基づいて、断層画像(トモシンセシス画像)を生成するように構成されている。これにより、X線撮影装置が、一般のX線撮影装置として構成されている場合(専用のトモシンセシス撮影装置に比べて精密な機械制御機構が搭載されていない場合)にも、上記非特許文献のファントムにより、専用のトモシンセシス撮影装置と同等の空間分解能を有するトモシンセシス画像が取得される。
ここで、上記非特許文献のファントムは、X線撮影装置により被験者を臥位において撮影する場合、撮影台における被験者の近傍の位置に載置されている。また、上記非特許文献のファントムは、被験者を立位において撮影する場合、受像機の上端部および下端部のそれぞれに固定した一対の金具に保持される板部材に固定されている。
特開2006-181252号公報
株式会社島津製作所、「X線撮影装置を問わずにトモシンセシス画像を得られる新技術を開発<URL:https://www.shimadzu.co.jp/news/press/n00kbc000000dzil.html>」
しかしながら、上記非特許文献のファントムは、被験者を臥位において撮影する場合、被験者の近傍の位置に載置されるので、被験者との接触により簡単に移動しないようにすることが求められている。また、上記非特許文献のファントムは、被験者を立位において撮影する場合、受像機の上端部および下端部のそれぞれに一対の金具を固定し、一対の金具に板部材を固定するとともに、板部材にファントムを固定するというような煩雑な作業を必要とすることなく、簡単な作業で容易に受像機に取り付け可能とすることが求められている。これらのため、上記非特許文献のファントムでは、被験者を臥位および立位のいずれで撮影する場合でも、移動を規制した状態で容易に設置することが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、被験者を臥位および立位のいずれで撮影する場合でも、移動を規制した状態で簡単な作業で容易に設置することが可能な医療画像用器具およびX線画像撮影装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における医療画像用器具は、X線を吸収する複数の基準部を含む器具本体部と、撮影台、受像機または補助具のいずれかの設置面に器具本体部を着脱可能に取り付ける着脱機構とを備え、着脱機構は、設置面に吸着および脱着する吸着部と、設置面から離間する方向である第1方向と設置面に接近する方向である第2方向とに移動する移動体とを含み、吸着部は、移動体が移動する間に第1方向および第2方向への変形が生じない外周部と、外周部よりも内側に設けられ、移動体が移動する間に第1方向および第2方向への変形を生じる内側部とを有し、吸着部は、移動体の第1方向への移動に伴い、内側部が第1方向に移動されて、吸着部と設置面との間の密閉状態の空間が拡大されることにより、設置面への吸着がされ、移動体の第2方向への移動に伴い、内側部が第2方向に移動されて、密閉状態の空間が縮小されることにより、設置面からの脱着がされる
また、第1の局面による医療画像用器具では、上記のように、吸着部は、移動体の第1方向への移動に伴い、内側部が第1方向に移動されて、吸着部と設置面との間の密閉状態の空間が拡大されることにより、設置面への吸着がされ、移動体の第2方向への移動に伴い、内側部が第2方向に移動されて、密閉状態の空間が縮小されることにより、設置面からの脱着がされる。これにより、被検体が臥位の場合において、撮影台、受像機または補助具のいずれかの設置面に医療画像用器具を設置した際に、医療画像用器具と被検体とが接触したとしても、医療画像用器具の移動を抑制することができる。また、被検体が立位の場合において、撮影台、受像機または補助具のいずれかの設置面を傾斜させたとしても、設置面に吸着部を接着させるだけで、撮影台、受像機または補助具のいずれかの設置面に医療画像用器具を直接設置することができる。これらの結果、医療画像用器具を、被検体を臥位および立位のいずれで撮影する場合でも、移動を規制した状態で簡単な作業で容易に設置することができる。
また、吸着部を設置面に吸着する前後で、器具本体部内の複数の基準部の高さ位置を一定の位置に保持することができるので、器具本体部内の複数の基準部の高さ位置を用いて他の装置の高さ位置を取得する場合、他の装置の高さ位置を正確に取得することができる。
また、内側部の変形により設置面へ医療画像用器具を吸着することができるとともに、外周部の高さ位置が保持されることにより内側部が変形したとしても器具本体部の設置面に対する高さ位置を保持することができる。これにより、被検体を臥位および立位のいずれで撮影する場合でも、簡易な構成により移動を規制した状態で医療画像用器具をより簡単な作業で容易に設置することができる。また、吸着部による設置面への吸着を解除することにより、医療画像用器具を設置面から脱着することができるので、撮影台、受像機または補助具のいずれかに固定された金具を用いて取り付けた医療画像用器具を設置面から脱着する場合と比較して、医療画像用器具の設置面への脱着を容易に行うことができる。
また、吸着部と設置面との間の密閉状態の空間を拡大するように移動体を移動させるだけで、吸着部を設置面に吸着することができる。また、移動体を第1方向に移動させて吸着部を設置面に吸着させたとしても、器具本体部の設置面に対する高さ位置を保持することができる。これらにより、被検体を臥位および立位のいずれで撮影する場合でも、より簡易な構成により移動を規制した状態で医療画像用器具をより一層簡単な作業で容易に設置することができる。
上記第1の局面による医療画像用器具において、好ましくは、器具本体部は、第1方向および2方向へ移動可能な状態で移動体を収容する収容部を含む。このように構成すれば、収容部内における移動体の第1方向の移動により密閉状態の空間を負圧にすることによって、吸着部を設置面に吸着することできる。また、収容部内における移動体の第2方向の移動により密閉状態の空間を負圧から大気圧に戻すことによって、吸着部を設置面から取り外すことができる。これらにより、被検体を臥位および立位のいずれで撮影する場合でも、設置面から医療画像用器具を容易に脱着することができる。
上記第1の局面による医療画像用器具において、好ましくは、器具本体部は、第1方向に延びる回動軸線周りに回動可能に構成され、移動体は、器具本体部の一方向の回動により第1方向に移動し、器具本体部の他方向の回動により第2方向に移動するように構成されている。このように構成すれば、器具本体部の一方向の回動により吸着部を設置面に吸着することできるとともに、器具本体部の他方向の回動により吸着部を設置面から取り外すことできるので、被検体を臥位および立位のいずれで撮影する場合でも、設置面から医療画像用器具をより容易に脱着することができる。
この場合、好ましくは、器具本体部の回動方向および回動の度合いを示す目印部をさらに備える。このように構成すれば、医療画像用器具の脱着のための回動の程度をユーザに知らせることができるので、ユーザが器具本体部を過剰に回動させることを抑制することができる。
上記第1の局面による医療画像用器具において、好ましくは、移動体は、第1方向に直交する方向の外側面に形成された溝部を有し、溝部に挿入され、溝部の互いに対向する一対の側面に当接することにより、移動体の第1方向または第2方向への移動を規制する挿入部をさらに備える。このように構成すれば、移動体により吸着部の内側部が一定量以上引き上げられて移動体から吸着部が外れることを抑制することができるとともに、移動体が一定量以上引き下げられて収容部から外れてしまうことを抑制することができる。
上記収容部を備える医療画像用器具において、好ましくは、収容部は、移動体の第1方向側の端面に当接することにより、移動体の第1方向への移動を規制する位置に配置された天面を有する。このように構成すれば、移動体により吸着部の内側部が一定量以上引き上げられることを確実に抑制することができるので、移動体から吸着部が外れることを確実に抑制することができる。
上記器具本体部が回動する医療画像用器具において、好ましくは、器具本体部の回動から独立した状態で器具本体部と吸着部との間に固定的に配置され、吸着部の設置面とは反対側の端面に当接する押さえ部をさらに備える。このように構成すれば、内側部が設置面へ吸着する際に弾性変形をする場合であっても、押さえ部により外周部の高さ位置を確実に保持することができる。
上記第1の局面による医療画像用器具において、好ましくは、撮影台、受像機または補助具のいずれかに設けられる突出部にかけて医療画像用器具の落下を防止するためのストラップをさらに備える。このように構成すれば、撮影台、受像機または補助具の設置面から医療画像用器具が取り外されたとしても、設置面から床面への医療画像用器具の落下を抑制することができる。
この発明の第2の局面におけるX線画像撮影装置は、X線源と、被検体を載置する設置面を含む撮影台と、X線源から照射されたX線を検出する検出器と、撮影台の設置面上において、被検体と隣り合う位置に設置される医療画像用器具とを備え、医療画像用器具は、X線を吸収する複数の基準部を含む器具本体部と、撮影台の設置面に器具本体部を着脱可能に取り付ける着脱機構とを含み、着脱機構は、設置面に吸着および脱着する吸着部と、設置面から離間する方向である第1方向と設置面に接近する方向である第2方向とに移動する移動体とを有し、吸着部は、移動体が移動する間に第1方向および第2方向への変形が生じない外周部と、外周部よりも内側に設けられ、移動体が移動する間に第1方向および第2方向への変形を生じる内側部とを有し、吸着部は、移動体の第1方向への移動に伴い、内側部が第1方向に移動されて吸着部と設置面との間の密閉状態の空間が拡大されることにより設置面への吸着がされ、移動体の第2方向への移動に伴い、内側部が第2方向に移動されて、密閉状態の空間が縮小されることにより、設置面からの脱着がされる
本発明によれば、上記のように、被験者を臥位および立位のいずれで撮影する場合でも、移動を規制した状態で簡単な作業で容易に設置することが可能な医療画像用器具およびX線画像撮影装置。
第1実施形態によるX線画像撮影装置の全体構成を示した模式図である。 第1実施形態によるX線画像撮影装置における撮影台の載置面上の被検体およびファントムを示した斜視図である。 第1実施形態によるファントムの平面図である。 第1実施形態によるファントムの正面図である。 第1実施形態によるファントムの側面図である。 第1実施形態によるファントムの載置面への通常状態(解除状態)を示した図4の110-110線に沿った断面図である。 第1実施形態によるファントムの載置面への取付状態を示した図4の110-110線に沿った断面図である。 図3の100-100線に沿った断面図である。 第1実施形態によるファントムの取付部の側面図である。 第1実施形態によるファントムの吸着部の斜視図である。 第1実施形態によるファントムの移動体の斜視図である。 第1実施形態によるファントムに貼り付けるシールの正面図である。 第1実施形態によるファントムの背面図である。 第2実施形態によるX線画像撮影装置の全体構成を示した模式図である。 第2実施形態によるX線画像撮影装置におけるファントムを受像機の表面に設置した状態を示した斜視図である。 第1および第2実施形態の変形例によるX線画像撮影装置におけるファントムを補助具の表面に設置した状態を示した斜視図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図13を参照して、X線画像の撮影の際に用いられるファントム7を備えるX線画像撮影装置10について説明する。なお、ファントム7は、特許請求の範囲の「医療画像用器具」の一例である。
(X線画像撮影装置の構成)
図1に示すように、X線画像撮影装置10は、撮影台1に横臥した臥位の被検体Tおよびファントム7にX線を照射し、被検体Tを透過したX線を検出することにより被検体Tおよびファントム7を撮影するように構成されている。X線画像撮影装置10は、撮影台1と、X線源2と、検出器3と、撮影系位置変更機構4と、撮影装置制御部5と、医用X線画像処理装置6と、上記ファントム7とを備えている。
撮影台1は、被検体Tを載置する載置面1aを含んでいる。ここで、載置面1aは、水平方向に沿った方向に延びる平面である。X線源2は、高電圧が印加されることにより発生させたX線を、検出器3に向けて照射するように構成されている。なお、載置面1aは、特許請求の範囲の「設置面」の一例である。
検出器3は、X線源2から照射されたX線を検出するように構成されている。X線源2は、X線を検出するとともに、検出されたX線を電気信号に変換し、変換された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。検出器3は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器3は、取得した画像信号を、医用X線画像処理装置6に出力するように構成されている。
撮影系位置変更機構4は、撮影装置制御部5からの信号に基づいて、X線源2と検出器3との相対位置およびX線源2の角度を変更するように構成されている。撮影系位置変更機構4は、X線源2を回動可能に保持するX線源保持部4aを含む。また、撮影系位置変更機構4は、X線源保持部4aをX方向に移動させるX線源移動部4bを含む。
撮影装置制御部5は、X線源2から検出器3に向けてX線を照射させることにより、X線撮影を行うように構成されている。
医用X線画像処理装置6は、検出器3から出力された画像信号に基づいて、X線画像を生成するように構成されている。また、医用X線画像処理装置6は、複数のX線画像中に写るファントム7の複数のマーカMK(図3参照)の位置情報を取得するように構成されている。また、医用X線画像処理装置6は、ファントム7の複数のマーカMKの位置情報に基づいて、複数のX線画像を1つの画像に再構成した再構成画像の生成を含む画像処理を行うように構成されている。ここで、画像処理とは、被検体Tの任意の位置の断層像を取得する処理だけでなく、X線源2および検出器3などの装置の位置の取得と、X線画像の撮影条件(装置ごとの撮影時のX線量など)の標準化と、ノイズの低減および画質の向上などのX線画像の校正とを含む広い概念である。なお、複数のマーカMKは、特許請求の範囲の「複数の基準部」の一例である。
(ファントム)
図2に示すように、ファントム7は、撮影台1の被検体Tの載置面1a上において、被検体Tの関心領域Aに隣り合う位置(近傍位置)に設置されている。ファントム7は、撮影台1の載置面1a上における被検体Tの近傍位置に位置固定された状態で設置されている。なお、位置固定とは、載置面1a上に取り付けられたファントム7が、一定未満の外力では載置面1a上の所定位置から離れることなく載置面1a上に設置されるが、一定以上の外力により載置面1a上の所定位置から離れるように取り付けられた状態を示す概念である。
ここで、載置面1aとファントム7とが隣り合う方向をZ方向とし、Z方向のうち設置面からファントム7に向かう方向をZ1方向とし、Z方向のうちファントム7から載置面1aに向かう方向をZ2方向とする。Z1方向は、特許請求の範囲の「第1方向」の一例である。また、Z2方向は、特許請求の範囲の「第2方向」の一例である。
ファントム7は、Z方向に長く延びた円柱形状を有している。すなわち、ファントム7は、Z1方向から視て、円形状(図3参照)を有している。また、ファントム7は、Z方向に直交する方向から視て、矩形形状(図4参照)を有している。図3に示すように、ファントム7の内部には、複数のマーカMKが配置されている。複数のマーカMKは、各々、樹脂よりもX線の吸収係数が小さい値を有する材質(金、鉛、タングステン、鉄、銅など)で構成されている。これにより、ファントム7を撮影した際に、複数のマーカMKの各々によりX線が吸収されるので、X線画像において複数のマーカMKの各々を検出することが可能となる。
図4および図5に示すように、ファントム7は、ファントム本体部7aと、取付部7bと、挿入ボルト7cと、押さえ部7dと、目印部7eと、ストラップ7fとを含んでいる。なお、ファントム本体部7aは、特許請求の範囲の「器具本体部」の一例である。また、挿入ボルト7cは、特許請求の範囲の「挿入部」の一例である。
図6および図7に示すように、本実施形態のファントム7は、載置面1a上の所定の位置D1に位置固定(移動規制)されていない通常状態(解除状態)と、載置面1a上の所定の位置D1に位置固定(移動規制)された状態(取付状態)とを切り替える切替機構17を有している。つまり、ファントム7は、切替機構17により、ファントム7以外の部材を用いることなく載置面1aに脱着可能に取り付けられている。ここで、切替機構17は、上記ファントム本体部7aと、上記取付部7bとを有している。
図6に示すように、切替機構17は、載置面1a上の所定の位置D1のファントム7を位置固定(移動規制)されていない通常状態(解除状態)にするように構成されている。つまり、ファントム7は、切替機構17により、載置面1a上の所定の位置D1から移動可能な状態に切り替えられる。また、図7に示すように、切替機構17は、載置面1a上の所定の位置D1にファントム7を位置固定(移動規制)された状態(取付状態)で取り付けるように構成されている。つまり、ファントム7は、切替機構17により、載置面1a上の所定の位置D1に位置固定(移動規制)された取付状態に切り替えられている。
以下に、ファントム7の切替機構17の各々の構成について説明する。
(ファントム本体部)
図8に示すように、ファントム本体部7aは、切替機構17を動かすためのユーザの操作により動くように構成されている。具体的には、ファントム本体部7aは、Z1方向に延びる回動軸線Ax周りに回動可能に構成されている。つまり、ファントム本体部7aは、ユーザの操作により取付方向R1へ回動するとともに、解除方向R2へ回動するように構成されている。なお、取付方向R1は、特許請求の範囲の「器具本体部の一方向」の一例である。また、解除方向R2は、特許請求の範囲の「器具本体部の他方向」の一例である。
ファントム本体部7aは、図7に示すように、Z1方向に延びる回動軸線Ax周りの回動により、取付部7bの後述する移動体78をZ方向に往復させるように構成されている。ここで、ファントム本体部7aは、取付部7bの載置面1a側とは反対側の部分に設けられている。つまり、ファントム本体部7aは、取付部7bの移動体78に取り付けられている。具体的には、ファントム本体部7aは、収容凹部70と、収容凹部70に形成される雌ねじ部70aとを有している。なお、収容凹部70は、特許請求の範囲の「収容部」の一例である。
収容凹部70は、図8に示すように、Z1方向およびZ2方向へ移動可能な状態で移動体78(図9参照)を収容するように構成されている。つまり、収容凹部70は、移動体78に対応した形状およびサイズ(大きさ)を有している。
具体的には、収容凹部70は、ファントム本体部7aのZ2方向側の端部を窪ませた凹形状を有している。収容凹部70は、Z方向に直交する方向において、中央部分に配置されている。また、収容凹部70は、Z1方向から視て、移動体78に対応した略円形形状(図3参照)を有している。図6に示すように、収容凹部70は、Z方向に直交する方向において、移動体78よりも若干大きい内径(内側の直径)を有している。収容凹部70は、Z方向において、通常状態(解除状態)の位置に配置された移動体78との間に間隔Mを形成する長さL1を有している。すなわち、通常状態(解除状態)において、収容凹部70のZ1方向側の天面70bと、移動体78のZ1方向側の端面78hとの間には間隔Mが空けられている。
収容凹部70の雌ねじ部70aは、収容凹部70のZ1方向に延びる回動軸線Ax周りの内周面70cに形成されている。収容凹部70の雌ねじ部70aは、Z方向において、少なくとも収容凹部70の中央位置よりもZ2方向側に形成されている。収容凹部70の雌ねじ部70aは、移動体78に螺合されている。収容凹部70の雌ねじ部70aは、後述する移動体78の雄ねじ部78aのピッチPt1に合わせた螺旋状の溝を有している。収容凹部70の雌ねじ部70aの溝の谷部同士の間隔D1は、移動体78の雄ねじ部78aのピッチPt1と略同じである。ファントム7のZ方向に沿った断面において、収容凹部70の雌ねじ部70aが形成されたZ方向の範囲は、移動体78の雄ねじ部78aが形成されたZ方向の範囲よりも大きい。
図7に示すように、収容凹部70は、移動体78のZ1方向への移動範囲を制限するように構成されている。具体的には、収容凹部70は、移動体78のZ1方向側の端面78hに当接することにより、移動体78のZ1方向への移動を規制する位置に配置された上記天面70bを有している。つまり、天面70bは、Z1方向へ移動する移動体78のストッパーである。天面70bの配置位置Rは、収容凹部70のZ2方向側の端部から長さL1の分だけZ1方向側に離れた位置である。すなわち、天面70bの配置位置Rは、移動体78がZ1方向に間隔Mの分だけ移動したときに、天面70bと移動体78のZ1方向側の端面78hとが当接する位置である。ここで、間隔M(図6参照)は、移動体78の雄ねじ部78aのピッチPt1よりも大きく、移動体78の雄ねじ部78aの全てのピッチPt1を加算した長さよりも小さい。
ファントム本体部7aには、挿入ボルト7cを挿通させる挿通孔71が形成されている。挿通孔71は、Z方向に沿った断面において、ファントム本体部7aのZ方向に直交する方向の外周面Srから収容凹部70まで貫通している。挿通孔71には、挿入ボルト7cの頭部が収納される収納部71aと、挿入ボルト7cの雄ねじ部が螺合する雌ねじ部71bとが設けられている。
図8に示すように、ファントム本体部7aは、第1蓋部73と、第2蓋部74と、マーカ配置部75とを有している。ファントム本体部7aは、X線を吸収する上記複数のマーカMKを含んでいる。ここで、複数のマーカMKは、マーカ配置部75に配置されている。マーカ配置部75には、複数のマーカMKを収納する複数の凹部72が形成されている。複数の凹部72は、ファントム本体部7aのZ1方向側に形成される第1凹部群72aと、ファントム本体部7aのZ2方向側に形成される第2凹部群72bとを有している。
第1凹部群72aは、各々、マーカ配置部75のZ1方向側の端面をZ2方向に窪ませている。第2凹部群72bは、各々、マーカ配置部75のZ2方向側の端面をZ1方向に窪ませている。ここで、第1凹部群72aは、Z方向において、互いに略同じ位置に配置されている。第2凹部群72bは、Z方向において、互いに略同じ位置に配置されている。
第1蓋部73は、第1凹部群72aをZ1方向側から閉塞している。第2蓋部74は、第2凹部群72bをZ2方向側から閉塞している。ここで、第2蓋部74には、移動体78を通過させるための孔74aが形成されている。第2蓋部74の孔74aは、Z方向に直交する方向において、移動体78よりも十分に大きく形成されている。
上記したファントム本体部7aの複数のマーカMK以外の第1蓋部73、第2蓋部74およびマーカ配置部75は、各々、X線源2から照射されたX線を透過させるために樹脂により形成されている。
(取付部)
取付部7bは、図6および図7に示すように、切替機構17を動かすためのユーザの操作によるファントム本体部7aの回動に伴って動くように構成されている。ここで、取付部7bは、ファントム本体部7aの回動を移動体78のZ方向の直線移動に変換するための構造を有している。取付部7bは、ファントム本体部7aに設けられ、撮影台1の載置面1aにファントム本体部7aを脱着可能に取り付けるように構成されている。
具体的には、取付部7bは、載置面1aに載置面1a側の端面76を吸着させることによって、ファントム本体部7aの載置面1aへの取付状態を保持するように構成されている。また、取付部7bは、載置面1a側の端面76の載置面1aへの吸着を解除させることによって、ファントム本体部7aの載置面1aへの取付状態を解除するように構成されている。
ここで、取付部7bは、ファントム本体部7aを載置面1aに取り付ける際、ファントム本体部7aの載置面1aに対する高さ位置H1を保持した状態で、載置面1a側の端面76を吸着により、ファントム本体部7aの載置面1aへの取付状態を保持するように構成されている。つまり、ファントム7は、取付部7bによる載置面1aへの取付の前後において、載置面1aからファントム本体部7aのZ1方向側の端面73aまでの高さ位置H1の変化を抑制するように構成されている。
具体的には、図9に示すように、取付部7bは、吸着部77と、移動体78とを有している。ここで、取付部7bでは、移動体78の移動に伴って吸着部77の一部を一体的に移動させるため、吸着部77と移動体78とが互いに固定されている。
〈吸着部〉
吸着部77は、ファントム本体部7aの載置面1aに対する高さ位置H1(ファントム7のZ方向の大きさ(図7参照))を保持した状態で、載置面1aに吸着するように構成されている。つまり、図10に示すように、吸着部77は、取付部7bによる載置面1aへの取付の前後において、ファントム本体部7aの載置面1aに対する高さ位置H1の変化を抑制する構造を有する吸盤である。具体的には、吸着部77は、雄ねじ部77aと、吸盤本体部77bとを有している。
図6に示すように、吸着部77の雄ねじ部77aは、吸着部77を移動体78に固定するように構成されている。吸着部77の雄ねじ部77aは、吸盤本体部77bのZ方向に直交する方向の中心部分からZ1方向に突出している。吸着部77の雄ねじ部77aは、後述する移動体78の雌ねじ部178aに螺合するように構成されている。吸着部77の雄ねじ部77aは、ピッチPt2(図7参照)により構成されている。吸着部77の雄ねじ部77aのピッチPt2(図7参照)は、移動体78の雄ねじ部78aのピッチPt1よりも小さい。ファントム7のZ方向に沿った断面において、吸着部77の雄ねじ部77aのZ方向の範囲は、移動体78の雌ねじ部178aが形成されたZ方向の範囲よりも小さい。
図6および図7に示すように、吸盤本体部77bは、移動体78の移動により、吸着部77の載置面1aからの高さ位置を高さ位置H2と高さ位置H3(H2<H3)との間で、変化させるように構成されている。具体的には、吸盤本体部77bは、高さ位置H4が保持される外周部77cと、外周部77cよりも内側に設けられ、弾性変形可能な内側部77dとを有している。ここで、吸盤本体部77bの内側部77dのZ方向の最大厚みt2は、外周部77cのZ方向の厚みt1よりも小さい。
吸盤本体部77bおよび雄ねじ部77aは、各々、X線源2から照射されたX線を透過させるため、樹脂により形成されている。吸盤本体部77bと雄ねじ部77aとは、一体的に設けられている。
〈移動体〉
移動体78は、ファントム本体部7aの高さ位置H1を保持した状態で、Z1方向に移動するように構成されている。さらに、移動体78は、ファントム本体部7aの高さ位置H1を保持した状態で、Z2方向に移動するように構成されている。つまり、移動体78は、ファントム本体部7aによる載置面1aの吸着およびファントム本体部7aによる載置面1aの吸着解除に合わせて、Z1方向またはZ2方向に移動するように構成されている。具体的には、移動体78は、ファントム本体部7aの取付方向R1の回動によりZ1方向に移動し、ファントム本体部7aの解除方向R2の回動によりZ2方向に移動するように構成されている。
ここで、図6および図11に示すように、移動体78は、Z1方向側から視て、収容凹部70に対応した略円形形状を有している。Z方向に直交する方向において、移動体78の最大の直径は、収容凹部70の最大の直径よりも小さい。移動体78は、第1拡径部78bと、第2拡径部78cと、第1拡径部78bと第2拡径部78cとの間に設けられる縮径部(くびれ部)78dとを有している。
図6に示すように、第1拡径部78bは、移動体78のZ1方向側の端部に配置されている。Z方向に直交する方向において、第1拡径部78bの直径は、縮径部78dの直径よりも大きい。Z方向において、第1拡径部78bの長さは、第2拡径部78cの長さよりも小さい。
第2拡径部78cは、移動体78の第1拡径部78bよりもZ2方向側に配置されている。Z方向に直交する方向において、第2拡径部78cの直径は、縮径部78dの直径よりも大きい。第2拡径部78cは、収容凹部70の雌ねじ部70aに螺合する雄ねじ部78aと、吸盤本体部77bの雄ねじ部77aが螺合される雌ねじ部178aと、吸盤本体部77bの雄ねじ部77aの頭部に接着される接着部78eとを有している。
第2拡径部78cの雄ねじ部78aは、第2拡径部78cのZ1方向に延びる回動軸線Ax周りの外側面78gに形成されている。第2拡径部78cの雄ねじ部78aは、Z方向において、少なくとも第2拡径部78cの中央部分よりもZ2方向側に形成されている。ここで、第2拡径部78cでは、Z方向において、雄ねじ部78aよりもZ1方向側の部分は、平坦面により形成されている。第2拡径部78cの雄ねじ部78aは、収容凹部70の雌ねじ部70aに螺合するピッチPt1を有している。
第2拡径部78cの雌ねじ部178aは、第2拡径部78cのZ2方向側の端部からZ1方向に窪んだ凹部178bに形成されている。第2拡径部78cの雌ねじ部178aは、吸着部77の雄ねじ部77aに螺合されている。第2拡径部78cの雌ねじ部178aの溝の谷部同士の間隔D2は、吸着部77の雄ねじ部77aのピッチPt2(図7参照)と略同じである。
図6に示すように、接着部78eは、第2拡径部78cの雄ねじ部78aよりもZ2方向側に形成されている。接着部78eのZ2方向側の端面(図11参照)が、吸着部77の雄ねじ部77aの頭部のZ1方向側の面(図10参照)に接着している。接着部78eのZ2方向側の端面および吸着部77の雄ねじ部77aの頭部のZ1方向側の面は、図示はしないが、各々、細かな突起を有する粗い面である。このように、移動体78と吸着部77とは、ねじ固定、接着剤および粗い面同士の摩擦力により強固に固定されている。
縮径部78dは、Z方向において、第1拡径部78bと第2拡径部78cとを接続している。Z方向に直交する方向において、縮径部78dの直径は、第1拡径部78bおよび第2拡径部78cの直径よりも小さい。ここで、移動体78では、第1拡径部78bのZ2方向側の面178cと、第2拡径部78cのZ1方向側の面178dと、縮径部78dの外周面とにより、溝部78fが形成されている。つまり、溝部78fは、Z1方向に直交する移動体78の外側面78gに形成されている。溝部78fは、Z方向に直交する方向において、移動体78の中心に向かって窪んでいる。溝部78fは、通常状態(解除状態)および取付状態の両方において、ファントム本体部7aの挿通孔71に連通している。
(空間の拡大および縮小)
図7に示すように、吸着部77は、載置面1aとの間に負圧の空間Sと吸着部77外の正圧との差圧を利用して、載置面1aに吸盤本体部77bと吸着させるように構成されている。つまり、吸着部77は、載置面1aとの間に負圧の空間Sを形成することにより、吸盤本体部77bの外周部77cと載置面1aとを吸着部77外の正圧により付着させるように構成されている。
具体的には、吸着部77は、載置面1aとの間に密閉状態の空間Sを形成している。吸着部77は、ファントム本体部7aの高さ位置H1を保持した状態で、移動体78のZ1方向への移動に伴って内側部77dがZ1方向に移動されて密閉状態の空間Sが拡大されることにより載置面1aに吸着する。これにより、吸着部77は、ファントム本体部7aを取付状態にするように構成されている。ここで、密閉状態の空間Sでは、取付状態の際の吸着部77の高さ位置H3と通常状態(解除状態)の際の吸着部77の高さ位置H2(図6参照)との差に対応する体積の増加分だけ圧力が小さくなる。
このように、ファントム本体部7aを取付状態にする際、ファントム7では、ユーザによるファントム本体部7aを取付方向R1に回す操作により、収容凹部70の雌ねじ部70aに沿って移動体78の雄ねじ部78aが移動する。ここで、吸盤本体部77bの外周部77cが回り止めされた状態であるので、移動体78の雄ねじ部78aがZ1方向に移動することに伴い、吸盤本体部77bの内側部77dもZ1方向に移動する。これにより、ファントム7では、吸着部77と載置面1aとの間に負圧の空間Sが形成される。
図6に示すように、吸着部77は、載置面1aとの間に負圧の空間Sと吸着部77外の正圧との差圧を小さくすることにより、載置面1aへの吸盤本体部77bの吸着を解除させるように構成されている。つまり、吸着部77は、載置面1aとの間の負圧の空間Sを小さくすることにより、吸盤本体部77bの外周部77cと載置面1aとの吸着部77外の正圧による付着を解除させるように構成されている。
具体的には、吸着部77は、載置面1aとの間に形成された密閉状態の空間Sを、ファントム本体部7aの高さ位置H1を保持した状態で、移動体78のZ2方向への移動に伴って内側部77dがZ2方向に移動されて密閉状態の空間Sが縮小されることにより載置面1aの吸着を解除することによって、ファントム本体部7aを通常状態(解除状態)にするように構成されている。ここで、密閉状態の空間Sでは、取付状態の際の吸着部77の高さ位置H3(図7参照)と通常状態(解除状態)の際の吸着部77の高さ位置H2との差に対応する体積の減少分だけ圧力が大きくなる。
このように、ファントム本体部7aを通常状態(解除状態)にする際、ファントム7では、ユーザによるファントム本体部7aを解除方向R2(図7参照)に回す操作により、収容凹部70の雌ねじ部70aに沿って移動体78の雄ねじ部78aが移動する。ここで、吸盤本体部77bの外周部77cが回り止めされた状態であるので、移動体78の雄ねじ部78aがZ2方向に移動することに伴い、吸盤本体部77bの内側部77dもZ2方向に移動する。これにより、ファントム7では、吸着部77と設置面との間に形成された負圧の空間Sが小さくなる。
このように、図6および図7に示すように、吸着部77は、移動体78のZ1方向の移動に伴って内側部77dがZ1方向に移動されて密閉状態の空間Sを拡大することによりファントム本体部7aを取付状態にするとともに、移動体78のZ2方向の移動に伴って内側部77dがZ2方向に移動されて密閉状態の空間Sを縮小することによりファントム本体部7aの取付状態を解除するように構成されている。
(挿入ボルト)
挿入ボルト7cは、溝部78fに挿入され、溝部78fの互いに対向する一対の面178c、178dに当接することにより、移動体78のZ1方向またはZ2方向への移動を規制するように構成されている。すなわち、移動体78のZ1方向への移動の際、溝部78fのZ2方向側の面178d(第2拡径部78cのZ1方向側の面)に当接することにより、移動体78のZ1方向の移動が規制される。また、移動体78のZ2方向への移動の際、溝部78fのZ1方向側の面178c(第1拡径部78bのZ2方向側の面)に当接することにより、移動体78のZ2方向の移動が規制される。
挿入ボルト7cは、吸盤本体部77bの内側部77dが一定量Z1方向側に引き上げるまたは引き下げられた際のストッパーになる。ここで、移動体78のZ1方向およびZ2方向への各々の移動範囲は、縮径部78dのZ方向の長さにより調整することが可能である。挿入ボルト7cは、X線源2から照射されたX線を透過させる樹脂製のボルトである。
このように、ファントム7は、移動体78のZ1方向への移動により、吸着部77と移動体78との接続部分に過剰な負荷を与えないようにするため、ストッパーとしてファントム本体部7aの天面70bおよび挿入ボルト7cを設けている。
(押さえ部)
押さえ部7dは、ファントム本体部7aの回動から独立した状態でファントム本体部7aと吸着部77との間に固定的に配置され、吸着部77の載置面1aとは反対側の端面76aに当接するように構成されている。すなわち、押さえ部7dは、ユーザによるファントム本体部7aを取付方向R1に回す操作によりファントム本体部7aを取付状態にする際、吸盤本体部77bの外周部77cが載置面1aから離れないように押さえている。
このように、押さえ部7dは、吸盤本体部77bの内側部77dがZ1方向に移動しても、吸盤本体部77bの外周部77cと載置面1aとの当接状態を保持するように構成されている。ここで、押さえ部7dには、移動体78を通過させるための孔172が形成されている。押さえ部7dの孔172は、Z方向に直交する方向において、移動体78よりも十分に大きく形成されている。
また、押さえ部7dには、ストラップ7fを通すための一対の通し孔171が形成されている。一対の通し孔171は、Z方向に直交する方向に延びている。また、一対の通し孔171は、押さえ部7dの側面を貫通している。
(目印部)
図12および図13に示すように、目印部7eは、ファントム本体部7aの回動方向および回動の度合いを示すように構成されている。つまり、目印部7eは、ユーザにファントム7の使用方法および使用状況を簡易に知らせるように構成されている。具体的には、目印部7eは、ファントム本体部7aの回動方向を示すシール79と、吸盤本体部77bに設けられ、シール79と合わせて用いることによりファントム本体部7aの回動の度合いを示すノッチ177とを有している。
シール79は、取付方向R1の端部に「LOCK」と記載され、解除方向R2の端部に「FREE」と記載された矢印79aを有している。目印部7eでは、ノッチ177のZ方向に直交する方向の中央部分に対して、シール79の矢印79aの取付方向R1側の端部が移動した距離により、ファントム本体部7aの回動の度合いが示される。
(ストラップ)
図2に示すように、ストラップ7fは、撮影台1に設けられる突出部7gにかけてファントム7の落下を防止するように構成されている。ストラップ7fは、ファントム7の押さえ部7dの一対の通し孔171(図13参照)を挿通させるとともに、一端部と他端部とを繋ぐことにより環状になる。このように、環状のストラップ7fを突出部7gにかけることにより、撮影台1からのファントム7の落下を防止することが可能となる。
(ファントムの設置方法)
以下に、図2、図6および図7を参照して、ファントム7を撮影台1の載置面1aに設置する方法について説明する。
まず、図2に示すように、ユーザにより、ストラップ7fが撮影台1に設けられた突出部7gにかけられる。ユーザにより、載置面1aにおける被検体Tの近傍の所定の位置D1にファントム7が載置される。図7に示すように、ユーザにより、ファントム本体部7aをZ2方向に過剰に押さえることなく、ファントム7のファントム本体部7aを取付方向R1へ回動させる。これらの操作により、載置面1aの所定の位置D1へのユーザによるファントム7の設置は完了する。
また、ファントム7を載置面1aから取り外す場合には、図6に示すように、ユーザにより、ファントム本体部7aをZ2方向に過剰に押さえることなく、ファントム7のファントム本体部7aを解除方向R2へ回動させる。この操作により、載置面1aの所定の位置D1からのユーザによるファントム7の取り外しは完了する。
(第1実施形態の効果)
本発明の第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、取付部7bを、載置面1aに載置面1a側の端面76を吸着させることによって、ファントム本体部7aの載置面1aへの取付状態を保持するように構成する。これにより、被検体Tが臥位の場合において、撮影台1の載置面1aにファントム7を設置した際に、ファントム7と被検体Tとが接触したとしても、ファントム7の移動を抑制することができる。また、載置面1aに取付部7bの載置面1a側の端面76を吸着させるだけで、撮影台1の載置面1aにファントム7を直接設置することができる。これらの結果、ファントム7を、被検体Tを臥位で撮影する場合において、移動を規制した状態で簡単な作業で容易に設置することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ファントム本体部7aを、取付部7bの載置面1a側とは反対側の部分に取り付ける。取付部7bを、ファントム本体部7aを載置面1aに取り付ける際、ファントム本体部7aの載置面1aに対する高さ位置H1を保持した状態で、載置面1a側の端面76を載置面1aに吸着により、ファントム本体部7aの載置面1aへの取付状態を保持するように構成する。これにより、取付部7bを載置面1aに取り付ける前後で、ファントム本体部7a内の複数のマーカMKの高さ位置を一定の位置に保持することができるので、ファントム本体部7a内の複数のマーカMKの高さ位置を用いて他の装置の高さ位置を取得する場合、他の装置の高さ位置を正確に取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、取付部7bに、ファントム本体部7aの載置面1aに対する高さ位置H1を保持した状態で、載置面1aに吸着するとともに脱着可能な吸着部77を設ける。吸着部77に、高さ位置H4が保持される外周部77cと、外周部77cよりも内側に設けられ、弾性変形可能な内側部77dとを設ける。これにより、内側部77dの弾性変形によりファントム7を載置面1aへ吸着することができるとともに、外周部77cの高さ位置H4が保持されることにより内側部77dが弾性変形したとしてもファントム本体部7aの載置面1aに対する高さ位置H1を保持することができる。この結果、被検体Tを臥位で撮影する場合、簡易な構成により移動を規制した状態でファントム7をより簡単な作業で容易に設置することができる。また、吸着部77による載置面1aへの吸着を解除することにより、ファントム7を載置面1aから脱着することができるので、撮影台に固定された金具を用いて取り付けたファントムを載置面から脱着する場合と比較して、ファントム7の載置面1aへの脱着を容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、吸着部77を、載置面1aとの間に密閉状態の空間Sを形成し、ファントム本体部7aの高さ位置H1を保持した状態で、移動体78のZ1方向への移動に伴って内側部77dがZ1方向に移動されて密閉状態の空間Sが拡大されることにより載置面1aに吸着することによって、ファントム本体部7aを取付状態にするように構成する。これにより、吸着部77と載置面1aとの間の密閉状態の空間Sを拡大するように移動体78を移動させるだけで、吸着部77を載置面1aに吸着することができる。また、移動体78をZ1方向に移動させて吸着部77を載置面1aに吸着させたとしても、ファントム本体部7aの載置面1aに対する高さ位置H1を保持することができる。これらの結果、被検体Tを臥位で撮影する場合、より簡易な構成により移動を規制した状態でファントム7をより一層簡単な作業で容易に設置することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、吸着部77を、移動体78のZ1方向の移動に伴って内側部77dがZ1方向に移動されて密閉状態の空間Sを拡大することによりファントム本体部7aを取付状態にするとともに、移動体78のZ2方向の移動に伴って内側部77dがZ2方向に移動されて密閉状態の空間Sを縮小することによりファントム本体部7aの取付状態を解除するように構成する。これにより、収容凹部70内における移動体78のZ1方向の移動により密閉状態の空間Sを負圧にすることによって、吸着部77を載置面1aに吸着することできる。また、収容凹部70内における移動体78のZ2方向の移動により密閉状態の空間Sを負圧から大気圧に戻すことによって、吸着部77を載置面1aから取り外すことできる。これらの結果、被検体Tを臥位で撮影する場合、載置面1aからファントム7を容易に脱着することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ファントム本体部7aを、Z1方向に延びる回動軸線Ax周りに回動可能に構成する。移動体78を、ファントム本体部7aの取付方向R1の回動によりZ1方向に移動し、ファントム本体部7aの解除方向R2の回動によりZ2方向に移動するように構成する。これにより、ファントム本体部7aの取付方向R1の回動により吸着部77を載置面1aに吸着することできるとともに、ファントム本体部7aの解除方向R2の回動により吸着部77を載置面1aから取り外すことできるので、被検体Tを臥位で撮影する場合、載置面1aからファントム7をより容易に脱着することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ファントム7に、ファントム本体部7aの回動方向および回動の度合いを示す目印部7eを設ける。これにより、ファントム7の脱着のための回動の程度をユーザに知らせることができるので、ユーザがファントム本体部7aを過剰に回動させることを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ファントム7に、溝部78fの互いに対向する一対の面178c、178dに当接することにより、移動体78のZ1方向またはZ2方向への移動を規制する挿入ボルト7cを設ける。これにより、移動体78により吸着部77の内側部77dが一定量以上引き上げられて移動体78から吸着部77が外れることを抑制することができるとともに、移動体78が一定量以上引き下げられて収容凹部70から外れてしまうことを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、収容凹部70に、移動体78のZ1方向側の端面78hに当接することにより、移動体78のZ1方向への移動を規制する位置に配置された天面70bを設ける。これにより、移動体78により吸着部77の内側部77dが一定量以上引き上げられることを確実に抑制することができるので、移動体78から吸着部77が外れることを確実に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ファントム7に、ファントム本体部7aの回動から独立した状態でファントム本体部7aと吸着部77との間に固定的に配置され、吸着部77の載置面1aとは反対側の端面76aに当接する押さえ部7dを設ける。これにより、内側部77dが載置面1aへ吸着する際に弾性変形をする場合であっても、押さえ部7dにより外周部77cの高さ位置H4を確実に保持することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ファントム7に、撮影台1に設けられる突出部7gにかけてファントム7の落下を防止するためのストラップ7fを設ける。これにより、撮影台1の載置面1aからファントム7が取り外されたとしても、載置面1aから床面へのファントム7の落下を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、X線源2と検出器3により複数のX線画像を取得して、取得した複数のX線画像の各々に対して画像処理を行う場合、ファントム7の移動を抑制することができるので、ファントム7と被検体Tとが接触したとしても、取得した複数のX線画像の各々に対する画像処理を継続して行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ストラップ7fを、押さえ部7dに設けられた一対の通し孔171に通すことにより、ファントム7に取り付ける。これにより、ファントム本体部7aの回動とは独立した状態で配置されている押さえ部7dにストラップ7fを取り付けることにより、ストラップ7fがファントム本体部7aの回動とともに回動しないので、ストラップ7fを気にすることなく、撮影台1の載置面1aへのファントム7の脱着を行うことが可能である。
[第2実施形態]
次に、図14および図15を参照して、本発明の第2実施形態によるX線画像撮影装置210の構成について説明する。第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、X線画像撮影装置210において、撮影台1ではなく、受像機203の被検体T側の表面203aにファントム7を設置する例について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、X線画像撮影装置210は、受像機203の前に立った被検体T(立位の被検体T)およびファントム7にX線を照射し、被検体Tを透過したX線を検出することにより被検体Tおよびファントム7を撮影するように構成されている。X線画像撮影装置210は、X線源2と、受像機203と、撮影系位置変更機構4と、撮影装置制御部5と、医用X線画像処理装置6と、ファントム7とを備えている。
図15に示すように、受像機203の被検体T側の表面203aは、水平方向に直交する方向に沿った略垂直方向の平面である。受像機203は、立位の被検体Tを撮影する際に用いられる。第2実施形態のファントム7は、受像機203の被検体T側の垂直方向の表面203aの所定の位置D2に位置固定(移動規制)された状態(取付状態)で設置されている。また、このとき、ファントム7は、受像機203の被検体T側の垂直方向の表面203aの所定の位置D2から位置固定(移動規制)されていない通常状態(解除状態)に切り替え可能に構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、取付部7bを、受像機203の表面203aに表面203a側の端面76を吸着させることによって、ファントム本体部7aの受像機203の表面203aへの取付状態を保持するように構成する。これにより、被検体Tが立位の場合において、受像機203の表面203aにファントム7を設置した際に、ファントム7と被検体Tとが接触したとしても、ファントム7の移動を抑制することができる。また、載置面1aに取付部7bの載置面1a側の端面76を吸着させるだけで、受像機203の表面203aにファントム7を設置することができる。これらの結果、ファントム7を、被検体Tを立位で撮影する場合において、移動を規制した状態で簡単な作業で容易に直接設置することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、受像機203の被検体T側の表面203aが略垂直方向の平面の場合において、専用の固定部材を受像機203に固定することなく受像機203の表面203aにファントム7を設置することが可能であるので、受像機におけるX線を照射可能な照射野が狭くなることを抑制することが可能である。さらに、受像機203の被検体T側の表面203aが略垂直方向の平面の場合において、専用の固定部材を受像機203に固定することなく受像機203の表面203aにファントム7を設置することが可能であるので、専用の固定部材の受像機203への取付作業が必要なくなりファントム7の脱着を容易に行うことが可能である。
また、第2実施形態では、上記のように、被検体Tが立位の場合において、受像機203の表面203aを傾斜させたとしても、専用の固定部材を用いなくとも受像機203の載置面1aにファントム7を設置することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、取付部7bは、載置面1a(設置面)に載置面1a側の端面76を吸着してファントム本体部7aの取付状態を保持している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、取付部は、設置面側の端部に設けられ、複数回脱着可能な接着テープにより、設置面に設置面側の端面を接着して器具本体部の取付状態を保持してもよいし、設置面に設けられた受け部に、設置面側の端面をスライド移動させてはめ込むことにより、器具本体部を設置面に取り付けて器具本体部の取付状態を保持してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、移動体78の溝部78fに、挿入ボルト7c(挿入部)が挿入される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、挿入部は、棒などのボルト以外の部材であってもよい。
また、上記第1実施形態では、撮影台1における被検体Tを載置する載置面1a(設置面)にファントム7を設置する例を示し、上記第2実施形態では、受像機203の表面203a(設置面)にファントム7を設置する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図16に示す変形例のような、被検体Tの撮影部位である手の部分の姿勢を固定する補助具303の表面303aを設置面としてファントム7を設置してもよいし、他の態様としては、補助具として被検体Tの臥位の姿勢を支持するクッション、被検体Tの立位の姿勢を支持する支持部材、または、被検体Tの撮影部位である足を支持する台などの表面を設置面としてファントム7を設置してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ファントム7(医療画像用器具)は、ファントム本体部7a(器具本体部)による取付方向R1(一方向)の回動により、吸着部77により載置面1a(設置面)を吸着するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、医療画像用器具は、レバーにより第1方向へ移動体を引くことによって、吸着部により設置面を吸着してもよいし、スイッチにより第1方向へ移動体を引く構造を設けることによって、吸着部により設置面を吸着してもよい。
上記第1および第2実施形態では、ファントム7(医療画像用器具)は、押さえ部7dを備えている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、医療画像用器具は、押さえ部を備えていなくともよい。
上記第1および第2実施形態では、目印部7eは、シール79およびノッチ177により、ファントム本体部7a(器具本体部)の回動方向および回動の度合いを示すように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。目印部は、シールに設けた矢印およびファントム本体部に設けた目盛りにより、器具本体部の回動方向および回動の度合いを示すように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ストラップ7fは、押さえ部7dに設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ストラップは、器具本体部に設けてもよいし、ストラップを設けなくともよい。
また、第1実施形態では、撮影台1の載置面1a(設置面)は、水平方向に沿った方向に延びる平面である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮影台の設置面は、水平方向に対して傾斜した傾斜面であってもよい。
第1および第2実施形態では、ファントム本体部7a(器具本体部)に収容凹部70(収容部)が形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、器具本体部に収容部としての貫通孔が形成されていてもよい。
第1および第2実施形態では、ファントム7(医療画像用器具)は、目印部7eを備えいている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、医療画像用器具は、目印部を備えていなくともよい。
第1および第2実施形態では、ファントム7(医療画像用器具)では、溝部78fに挿入ボルト7c(挿入部)が挿入されているだけでなく、収容凹部70(収容部)の天面70bに移動体78のZ1方向側(第1方向)の端面78hが当接することにより、移動体78のZ1方向の移動が規制される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、溝部に挿入部が挿入されていれば、収容部の天面に移動体の第1方向の端面が当接することにより、移動体の第1方向への移動を規制する構造はなくともよい。
1 撮影台
1a 載置面(設置面)
2 X線源
3 検出器
7 ファントム(医療画像用器具)
7a ファントム本体部(器具本体部)
7b 取付部
7c 挿入ボルト(挿入部)
7d 押さえ部
7e 目印部
7f ストラップ
7g 突出部
10、210 X線画像撮影装置
70 収容凹部(収容部)
70b 天面
76 (載置面側の)端面(設置面側の端面)
76a (吸着部の載置面とは反対側の)端面(吸着部の設置面とは反対側の端面)
77 吸着部
77c 外周部
77d 内側部
78 移動体
78f 溝部
78h (移動体のZ1方向側の)端面(移動体の第1方向側の端面)
178c、178d 一対の側面
203 受像機
203a、303a 表面(設置面)
303 補助具
Ax 回動軸線
H1 高さ位置
MK マーカ(基準部)
R1 取付方向(器具本体部の一方向の回動)
R2 解除方向(器具本体部の他方向の回動)
S 空間

Claims (9)

  1. X線を吸収する複数の基準部を含む器具本体部と、
    撮影台、受像機または補助具のいずれかの設置面に前記器具本体部を着脱可能に取り付ける着脱機構とを備え、
    前記着脱機構は、
    前記設置面に吸着および脱着する吸着部と、
    前記設置面から離間する方向である第1方向と前記設置面に接近する方向である第2方向とに移動する移動体とを含み、
    前記吸着部は、
    前記移動体が移動する間に前記第1方向および前記第2方向への変形が生じない外周部と、
    前記外周部よりも内側に設けられ、前記移動体が移動する間に前記第1方向および前記第2方向への変形を生じる内側部とを有し、
    前記吸着部は、
    前記移動体の前記第1方向への移動に伴い、前記内側部が前記第1方向に移動されて、前記吸着部と前記設置面との間の密閉状態の空間が拡大されることにより、前記設置面への吸着がされ、
    前記移動体の前記第2方向への移動に伴い、前記内側部が前記第2方向に移動されて、前記密閉状態の空間が縮小されることにより、前記設置面からの脱着がされる、医療画像用器具。
  2. 前記器具本体部は、前記第1方向および前記第2方向へ移動可能な状態で前記移動体を収容する収容部を含む、請求項に記載の医療画像用器具。
  3. 前記器具本体部は、前記第1方向に延びる回動軸線周りに回動可能に構成され、
    前記移動体は、前記器具本体部の一方向の回動により前記第1方向に移動し、前記器具本体部の他方向の回動により前記第2方向に移動するように構成されている、請求項1または2に記載の医療画像用器具。
  4. 前記器具本体部の回動方向および回動の度合いを示す目印部をさらに備える、請求項に記載の医療画像用器具。
  5. 前記移動体は、前記第1方向に直交する方向の外側面に形成された溝部を有し、
    前記溝部に挿入され、前記溝部の互いに対向する一対の側面に当接することにより、前記移動体の前記第1方向または前記第2方向への移動を規制する挿入部をさらに備える、請求項のいずれか1項に記載の医療画像用器具。
  6. 前記収容部は、前記移動体の前記第1方向側の端面に当接することにより、前記移動体の前記第1方向への移動を規制する位置に配置された天面を有する、請求項に記載の医療画像用器具。
  7. 前記器具本体部の回動から独立した状態で前記器具本体部と前記吸着部との間に固定的に配置され、前記吸着部の前記設置面とは反対側の端面に当接する押さえ部をさらに備える、請求項またはに記載の医療画像用器具。
  8. 前記撮影台、前記受像機または前記補助具のいずれかに設けられる突出部にかけて医療画像用器具の落下を防止するためのストラップをさらに備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の医療画像用器具。
  9. X線源と、
    被検体を載置する設置面を含む撮影台と、
    前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
    前記撮影台の前記設置面上において、前記被検体と隣り合う位置に設置される医療画像用器具とを備え、
    前記医療画像用器具は、
    X線を吸収する複数の基準部を含む器具本体部と、
    前記撮影台の前記設置面に前記器具本体部を着脱可能に取り付ける着脱機構とを含み、
    前記着脱機構は、
    前記設置面に吸着および脱着する吸着部と、
    前記設置面から離間する方向である第1方向と前記設置面に接近する方向である第2方向とに移動する移動体とを有し、
    前記吸着部は、
    前記移動体が移動する間に前記第1方向および前記第2方向への変形が生じない外周部と、
    前記外周部よりも内側に設けられ、前記移動体が移動する間に前記第1方向および前記第2方向への変形を生じる内側部とを有し、
    前記吸着部は、
    前記移動体の前記第1方向への移動に伴い、前記内側部が前記第1方向に移動されて前記吸着部と前記設置面との間の密閉状態の空間が拡大されることにより前記設置面への吸着がされ、
    前記移動体の前記第2方向への移動に伴い、前記内側部が前記第2方向に移動されて、前記密閉状態の空間が縮小されることにより、前記設置面からの脱着がされる、X線画像撮影装置。
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