JP7190637B2 - 表皮細胞trpm8活性化剤 - Google Patents
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Description
カワラヨモギ(Artemisia capillaris Thunb)は、キク科ヨモギ属の多年草であり、頭花は消炎、解熱などの作用があることから、生薬として用いられ、生薬名ではインチンコウと呼ばれる。カワラヨモギ抽出物にはチロシナーゼ生合成阻害効果(特許文献4)、プロテアーゼ阻害効果(特許文献5)、SCF結合阻害効果(特許文献6)など多くの効果が知られる。
しかしながらこれら成分にTRPM8活性化効果があるということは知られていなかった。
A成分:脂肪酸メントール
B成分:カワラヨモギの抽出物
紫外線が皮膚に当たることで発生するPGE2(プロスタグランジンE2)は、TRPM8の活性化により生成が抑制されることが分かっている。そこで、紫外線を照射した表皮細胞のPGE2量を指標としてTRPM8活性化度を測定した。加えて、細胞賦活度を測定した。
カワラヨモギ抽出物はカワラヨモギの頭花を50%1,3ブチレングリコール溶液にて抽出した。カワラヨモギ抽出物を105℃環境下で6時間静置したときの乾燥残分は1.26重量%であった。脂肪酸メントールとして用いたサフラワー油メントールエステルは、サフラワー油250gにL-メントール140g、精製水70g、リパーゼ460,000単位を混和し、室温で72時間攪拌することによりメントールエステルを作成した。作成したメントールエステルを精製し、サフラワー油メントールエステルを得た。サフラワー油は、複数の脂肪酸を含んでいるので、最終的には、パルミチン酸メントールエステルが6.71%、ステアリン酸メントールエステルが1.28%、オレイン酸メントールエステルが17.6%、リノール酸メントールエステルが73.7%含まれていることを確認した。
調製したカワラヨモギ抽出物、サフラワー油メントールエステル、およびメントールは10mgを1gのDMSOに溶解させたのち、9gの蒸留水と混合し、サンプルとした。サフラワー油メントールエステルとカワラヨモギ抽出物の混合物は、上記で調製したそれぞれのサンプルを1:1で混合することでサンプルとした。コントロールは10%DMSO溶液とした。
ヒト正常表皮ケラチノサイト(KURABO)のトリプシン処理を行い、正常ヒト表皮角化細胞増殖用培地(KURABO)で細胞を分散させ、24well plateに2.5×104cells/wellになるように細胞を播種し、48時間、37℃で培養を行なった。
培地を取り除き、PBS(-)を500μL添加したのち、プレートの蓋を外した状態で20mJ/cm2のUVBを照射した。照射直後にPBS(-)を取り除き、490μLの培地を加えた。TRPM8のアンタゴニストとして、1mMのAMTB(N-(3-Aminopropyl)-2-[(3-methylphenyl)methoxy]-N-(2-thienylmethyl)benzamid)塩酸塩(富士フイルム和光純薬)水溶液、もしくは蒸留水を5μL加えた。5分間37℃で静置したのち、サンプルを5μL加え、24時間、37℃で培養を行った。
培地を回収し、Prostaglandin E2 Parameter Assay Kit(biotechne)を用いてPGE2量を定量した。
〔解析〕
TRPM8活性化によるPGE2抑制率をTRPM8活性化率と定め、TRPM8活性化率を以下の式1により求めた。
培地を回収したのちに、細胞が付着した24wellプレートの各wellにPBS(-)500μLを加えて、取り除いた。Cell Counting Kit-8(DOJINDO)40μLを培地360μLと混合し、各wellに加えた。1時間37℃で静置したのち、200μLを96wellプレートに移した。450nmの吸光度を測定し、以下の式から生細胞率を求めた。
サフラワー油メントールエステルとカワラヨモギ抽出物の組み合わせによる表皮細胞TRPM8活性化によって冷感刺激が生じるかを確認した。
脂肪酸メントールとして用いたサフラワー油メントールエステルとカワラヨモギ抽出物の調製は先述の方法で行った。TRPM8活性化剤として知られるペパーミント抽出物は30%のエタノール溶液を用いて抽出した。ペパーミント抽出物を105℃環境下で6時間静置したときの乾燥残分は1.00重量%であった。これらを美容液に1%ずつ配合することでサンプルとした。また、メントールを美容液に1%加えることでPC(ポジティブコントロール)とし、脂肪酸メントール、カワラヨモギ抽出物、ペパーミント、メントールをどれも含まず、水に置きかえた美容液をNC(ネガティブコントロール)とした。美容液は以下の組成(表3)で試験を行った。
また、表2より、コントロールでは、紫外線を照射した後にコントロールを添加すると生細胞数が61.73%となっており、生細胞数の減少が起こったが、サフラワー油メントールエステルとカワラヨモギ抽出物を添加することで、生細胞数が75.28%まで増加した。このことから、サフラワー油メントールエステルとカワラヨモギ抽出物の組み合わせによって、表皮細胞TRPM8活性化による細胞賦活効果も確認された。
以上の結果から、脂肪酸メントールとカワラヨモギ抽出物の組み合わせを用いることで、冷感刺激をもたらさずに表皮細胞TRPM8を活性化でき、細胞賦活効果を付与できることが分かった。
(1)化粧用クリーム(質量%)
a)ミツロウ・・・2.0
b)ステアリルアルコール・・・5.0
c)ステアリン酸・・・8.0
d)スクワラン・・・10.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート・・・3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・1.0
g)サフラワー油メントールエステル・・・0.5
h)カワラヨモギ抽出液・・・1.0
i)1,3-ブチレングリコール・・・5.0
j)水酸化カリウム・・・0.3
k)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
l)精製水・・・残部
製法
a)~g)までを加熱溶解し、80℃に保つ。h)~l)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)~g)に加えて乳化し、40℃まで撹拌しながら冷却する。
(2)乳液( 質量% )
a)ミツロウ・・・0.5
b)ワセリン・・・2.0
c)スクワラン・・・8.0
d)ソルビタンセスキオレエート・・・0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.)・・・1.2
f)リノール酸メントールエステル・・・0.3
g)カワラヨモギ抽出液・・・0.5
h)1,3-ブチレングリコール・・・7.0
i)カルボキシビニルポリマー・・・0.2
j)水酸化カリウム・・・0.1
k)精製水・・・残部
l)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
m)エタノール・・・7.0
製法
a)~f)までを加熱溶解し、80℃に保つ。g)~l)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)~f)に加えて乳化し、50℃まで撹拌しながら冷却する。50℃ でm)を添加し、40℃まで攪拌、冷却する。
(3)化粧水(質量%)
a)カワラヨモギ抽出液・・・1.0
b)グリセリン・・・5.0
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)・・・1.0
d)エタノール・・・6.0
e)香料・・・適量
f)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
g)精製水・・・残部
h)オレイン酸メントールエステル・・・・0.1
製法
a)~h)までを混合し、均一に溶解する。
(4)洗顔料(質量%)
a)ステアリン酸・・・12 .0
b)ミリスチン酸・・・14 .0
c)ラウリン酸・・・5.0
d)ホホバ油・・・3.0
e)サフラワー油メントールエステル・・・0.1
f)グリセリン・・・10.0
g)ソルビトール・・・15.0
h)1,3-ブチレングリコール・・・10.0
i)POE(20)グリセロールモノステアリン酸・・・2.0
j)水酸化カリウム・・・5.0
k)水・・・残部
l)香料・・・適量
m)カワラヨモギ抽出液・・・1.0
製法
a)~i)までを加熱溶解し70℃に保つ。k)にj)を溶解後a)~i)に加えケン化する。その後l)、m)を入れ攪拌しながら冷却する。
(3)化粧水(質量%)
a)カワラヨモギ抽出液・・・1.0
b)グリセリン・・・5.0
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)・・・1.0
d)エタノール・・・6.0
e)リノール酸メントールエステル・・・0.01
f)香料・・・適量
g)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
h)精製水・・・残部
製法
a)~h)までを混合し、均一に溶解する。
Claims (2)
- サフラワー油メントールエステル又はリノール酸メントールエステルから選ばれる1種以上、およびカワラヨモギの抽出物を含有する表皮細胞TRPM8活性化剤。
- サフラワー油メントールエステル又はリノール酸メントールエステルから選ばれる1種以上、およびカワラヨモギの抽出物を含有する表皮細胞賦活剤。
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JP2015020949A (ja) | 2013-07-16 | 2015-02-02 | 日華化学株式会社 | PGD2産生抑制剤と5α−リダクターゼ活性阻害剤とを含有する頭髪化粧料及び皮膚化粧料 |
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