JP7189807B2 - PCa床版の仮固定治具 - Google Patents

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Description

本発明は、橋梁等のコンクリート構造物の鋼桁に載置されたプレキャスト床版(以下、PCa床版と記載する)を、床版の箱抜き孔を用いて鋼桁に立設された頭付きスタッド(スタッドジベルともいう)に仮固定するPCa床版の仮固定治具に関する。
近年、橋梁等においては、通行止めの期間を短縮できるなどのメリットがあることから、老朽化した既設のコンクリート床版を新設のPCa床版に架け替えることが行われている。
PCa床版に架け替える場合は、PCa床版と鋼桁の一体性を高めて合成桁とするため、又は、ずれ止めのために、鋼桁のフランジ上面に頭付きスタッドを設けて鋼桁とPCa床版とを一体化することが行われている。つまり、PCa床版の鋼桁上に位置する部分に箱抜き孔を設け、PCa床版を鋼桁上に載置して、この箱抜き孔内に頭付きスタッドを挿置して鋼桁のフランジ上面にスタッド溶接により溶植する。そして、この箱抜き孔にモルタル、コンクリートやグラウトなどの経時硬化材を充填して固めて一体化している。
このとき、作業効率上、複数のPCa床版を載置した後、床版同士の繋ぎ目に型枠を設置するとともに、まとめて箱抜き孔に経時硬化材を打設することが行われている。このため、従来、PCa床版を鋼桁上に載置した後、経時硬化材を打設して硬化させるまでの間、PCa床版を鋼桁上に載置しただけの水平方向にずれ止め手段が無い状態が存在していた。
しかし、近年、高速道路などの橋梁では、通行止めの期間をできるだけ少なくする要請が極めて強く、夜間にPCa床版を載置して、PCa床版やその繋ぎ目を覆工版で覆って朝には、通行を再開することが行われるようになってきた。このため、経時硬化材を打設して硬化させるまでの間、一時的な水平方向のずれ止め手段を設けてPCa床版を仮固定する必要性が出てきた。
例えば、特許文献1には、本願出願人が提案した主桁横倒れ座屈の防止工法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0015]~[0022]、図面の図1,図9等参照)。特許文献1に記載の主桁横倒れ座屈の防止工法は、プレキャスト床版に形成した箱抜き部を主桁の上フランジ上に位置させて載置し、主桁方向の箱抜き部間を固定点間距離とし、箱抜き部でプレキャスト床版と主桁とを仮固定し、プレキャスト床版の架設完了後に固定を解除して箱抜き部にコンクリートを打設するものである。
しかし、特許文献1に記載の主桁横倒れ座屈の防止工法は、PCa床版に埋め込まれた袋ナットなどのボルト装着用の金具にボルトを装着して板ばね4で押さえ付けて仮固定するものであった。このため、埋設された金具が一部PCa床版の表面に露出することとなり、板ばね4撤去後に、金具露出部分をモルタルで埋めたり、防錆塗料を塗布したりして防錆処理を施すことが必要であった。このため、工期が遅延する原因となっていた。また、PCa床版作成時に、ボルト装着用の金具をセットする必要があり、PCa床版の製造コストを押し上げる要因ともなっていた。
また、特許文献2には、プレキャスト床版3a,3bの縁部端面2a,2bが対向するように該プレキャスト床版の縁部4a,4bをコンクリート梁5の天端8に載置し、プレキャスト床版3aに埋設されその縁部端面2aから延びるスラブ筋6aの露出端部7aを接合具10を介してコンクリート梁5内に配筋されたスターラップ筋9の上側水平部11に連結するとともに、該スターラップ筋の隣に配置されたスターラップ9の上側水平部11に、プレキャスト床版3bに埋設されその縁部端面2bから延びるスラブ筋6bの露出端部7bを接合具10を介して連結してあるプレキャスト床版と梁との接合構造1が開示されている。(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1~4、明細書の段落[0027]~[0035]、図面の図1,図2等参照)。
しかし、特許文献2に記載のプレキャスト床版と梁との接合構造1は、鉄筋コンクリート建築物のプレキャスト床版と梁との接合構造に適用されるものであり、梁のスターラップが存在しない橋梁のPCa床版と鋼桁の仮固定に適用できるものではないという問題がある。
さらに、特許文献3には、鋼桁4の一部であるウェブ5、もしくは横リブ6上に一体化し、ウェブ5、もしくは横リブ6の幅方向両側に張り出したフランジ7上に、ウェブ5、もしくは横リブ6に平行に接続板8を突設し、フランジ7上に、背面側の周囲に周方向に連続する凸部2を有する床版1を、接続板8を挟んで対向させて載置し、対向する床版1、1の各凸部2、2間に、接続板8を貫通してボルト9を挿通させ、対向する床版1、1を、接続板8を介してウェブ5、もしくは横リブ6に接合する鋼桁とコンクリート床版との接合部構造が開示されている(特許文献3の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0010]~[0023],[0058]~[0071]、図面の図1等参照)。
しかし、特許文献3に記載の鋼桁とコンクリート床版との接合部構造は、鋼桁と床版との一体性高めるべく、鋼桁にボルトを挿通するものであり、PCa床版を鋼桁に仮固定する際に適用できるものではなかった。
特開平8-218327号公報 特開2009-155851号公報 特開2014-141784号公報
そこで本発明は、前記問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ずれ止め手段として鋼桁に立設された頭付きスタッドに仮固定することのできるPCa床版の仮固定治具を提供することにある。
請求項1に記載のPCa床版の仮固定治具は、鋼桁に突設された頭付きスタッド及びこの頭付きスタッドが挿置されるPCa床版の箱抜き孔を利用してPCa床版を鋼桁に仮固定するためのPCa床版の仮固定治具であって、前記頭付きスタッドに外嵌可能な内径を有する筒状体と、この筒状体に軸直角方向に装着されて前記箱抜き孔の内面との間の長さを調整自在な長さ調整部材と、を備えていることを特徴とする。
請求項2に記載のPCa床版の仮固定治具は、請求項1に記載のPCa床版の仮固定治具において、前記筒状体と前記頭付きスタッドとの間に介装される円弧状の楔金具をさらに備え、前記楔金具は、前記筒状体の内径に応じた外曲面と、前記頭付きスタッドの軸径に応じた内曲面を有していることを特徴とする。
請求項3に記載のPCa床版の仮固定治具は、請求項1又は2に記載のPCa床版の仮固定治具において、前記長さ調整部材は、前記筒状体に軸直角方向に貫通されるボルトと、このボルトに螺合する高ナット又はナットとを、有していることを特徴とする。
請求項4に記載のPCa床版の仮固定治具は、請求項1ないし3のいずれかに記載のPCa床版の仮固定治具において、前記長さ調整部材は、前記PCa床版の箱抜き孔の大きさに応じて、橋軸直角方向用と橋軸方向用の2種類あることを特徴とする。
請求項1~4に記載のPCa床版の仮固定治具によれば、PCa床版を鋼桁上に載置した後、経時硬化材を打設して硬化させるまでの間、ずれ止め手段として鋼桁に立設された頭付きスタッドにPCa床版を仮固定することができる。
特に、請求項2に記載のPCa床版の仮固定治具によれば、楔金具を備えるので、PCa床版に水平方向に働く外力が入力された際に長さ調整部材を介して治具に作用する回転モーメントを低減して、楔金具で頭付きスタッドの軸部に水平力を伝達して外力に対抗することができる。このため、頭付きスタッドの基端部に曲げモーメントが集中することを低減しつつPCa床版が水平方向にずれることを防止することができる。
特に、請求項3に記載のPCa床版の仮固定治具によれば、ボルトやナットという汎用性の高い部品で長さ調整部材を構成することができる。このため、仮固定治具を工事現場などでも簡単に作成又は補修することが可能となる。
特に、請求項4に記載のPCa床版の仮固定治具によれば、一般的に平面視で橋軸方向に長い長孔である箱抜き孔の大きさに応じて、橋軸直角方向用と橋軸方向用の2種類あるので、いずれの方向の水平力にも対抗してずれ止めの仮固定が可能となる。また、2種類あることにより、1種類の長さ調整部材で長さを調整する場合と比べて、短時間で仮固定治具によるPCa床版の仮固定を行うことが可能となり、仮固定治具の頭付きスタッドへの装着作業をさらに短時間に効率よく行うことができる。
本発明の第1実施形態に係るPCa床版の仮固定治具を示す斜視図である。 本発明を適用して仮固定するPCa床版を箱抜き孔の周りを拡大して示す平面図である。 PCa床版を箱抜き孔の周りを拡大して示す図2のA-A線断面図である。 PCa床版を箱抜き孔の周りを拡大して示す図2のB-B線断面図である。 第1実施形態に係るPCa床版の仮固定治具の筒状体の単品のみを示す斜視図である。 同上のPCa床版の仮固定治具を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は、左側面図、(c)は、平面図である。 同上のPCa床版の仮固定治具を示す図6のC-C線断面図である。 本発明の第1実施形態に係るPCa床版の仮固定治具を示す斜視図である。 同上のPCa床版の仮固定治具を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は、左側面図、(c)は、平面図である。 同上のPCa床版の仮固定治具の頭付きスタッドへの装着手順を示す図であり、(1)が筒状体2を被せる前、(2)が筒状体装着工程を示す。 同上のPCa床版の仮固定治具の頭付きスタッドへの装着手順を示す図であり、(3)が楔金具磁着工程、(4)が長さ調整工程を示す。
以下、本発明の実施形態に係るPCa床版の仮固定治具について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
先ず、図1~図5を用いて、本発明の第1実施形態に係るPCa床版の仮固定治具(以下、単に仮固定治具という)について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るPCa床版の仮固定治具1を示す斜視図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る仮固定治具1は、筒状体2と、この筒状体2に軸直角方向に装着されて長さ調整自在な長さ調整部材3と、筒状体2内に装着される円弧状の楔金具4と、筒状体2に装着される永久磁石からなるマグネット5など、を備えている。
図2は、本発明を適用して仮固定治具1により仮固定するPCa床版を箱抜き孔の周りを拡大して示す平面図である。また、図3は、PCa床版を箱抜き孔の周りを拡大して示す図2のA-A線断面図であり、図4は、図2のB-B線断面図である。図2~図4に示すように、PCa床版10は、鉄筋コンクリート構造物である橋梁の図示しない下部構造(橋脚や橋台)間に架け渡された鋼桁SG上に載置されるプレキャスト製の鉄筋コンクリート床版である。
このPCa床版10は、鋼桁SG上に位置する部分に、合成床版とするための箱抜き孔11が設けられ、この箱抜き孔11内に頭付きスタッドSJが鋼桁SGのフランジ上面にスタッド溶接により溶植されている。図示する頭付きスタッドSJは、頭部SJaの直径が35mm、軸部SJbの軸径が22mmとなっている。そして、この箱抜き孔11内にモルタルやコンクリートなどの経時硬化材が充填されて硬化され、PCa床版10と鋼桁SGとが一体化されて合成床版となる。但し、合成床版ではなく単に水平方向のずれ止めとしてスタッドを用いる場合もあり、その場合でも、本発明を適用することができる。なお、図中のXは、橋梁の橋軸方向Xであり、Yは、橋梁の橋軸直角方向Yである。また、符号12は、壁高欄12を示している。
仮固定治具1は、この鋼桁SGに突設された頭付きスタッドSJ及び箱抜き孔11を利用して、PCa床版10を鋼桁SG上に載置した後、箱抜き孔11に経時硬化材を打設して硬化させるまでの間、PCa床版10を鋼桁SGに仮固定するための治具である。
(筒状体)
図5は、仮固定治具1の筒状体2の単品のみを示す斜視図である。また、図6は、仮固定治具1を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は、左側面図、(c)は、平面図である。但し、図6中では、後述の線状材6を省略している。図5,図6に示すように、筒状体2は、所定高さ(本実施形態では、210mm程度)の鋼製(金属製)の筒状の部材である筒状体本体20から主に構成されている。筒状体本体20は、その内径が頭付きスタッドSJに嵌着(外嵌)することのできる所定径となっている。頭付きスタッドSJは、軸部SJbの軸径が22mm、頭部SJaの直径が35mmである(図2~図4も参照)ので、本実施形態に係る筒状体本体20の内径は、若干の遊びを持たせて35.7mmとなっている。なお、筒状体本体20の外径は、42.7mmである。
また、この筒状体本体20には、図5に示すように、管軸直角方向に貫通する貫通孔21が形成されている。この貫通孔21は、長さ調整部材3を挿通して固定するための孔であり、直径も後述の長さ調整部材3の全ねじボルト30に応じた径となっている。
そして、筒状体本体20の下端付近には、後述のマグネット5を嵌め込む円形の磁石嵌着孔22が形成されている。
(長さ調整部材)
長さ調整部材3は、図1,図2~図4,図6に示すように、箱抜き孔11の橋軸直角方向Yの幅W1に応じた所定長さの呼び径M20の全ねじボルト30と、この全ねじボルト30に螺合するM20のナット31と、軸方向の厚さが100mmのM20の高ナット32など、から構成されている。勿論、全ねじボルト30の径やナット31及び高ナット32の呼び径及び厚さは、箱抜き孔11の大きさや数、頭付きスタッドSJの径や本数、PCa床版10の重量等に応じて適宜設定するものであり、例示したものに限られない。
この長さ調整部材3は、筒状体2が頭付きスタッドSJに嵌着された際に、高ナット32を回して全ねじボルト30上を移動させることにより、箱抜き孔11の内面との間の長さを調整する機能を有している。
全ねじボルト30は、図1、図5に示すように、前述の筒状体本体20の貫通孔21に挿通され、貫通孔21と当接する部分が隅肉溶接で溶接されて固定されている。また、全ねじボルト30とナット31は、ボルトで代替することも可能である。但し、全ねじボルトは、汎用品でどこでもすぐに調達可能であるとともに、長い全ねじボルトから複数の長さ調整部材3を作成する際に、端尺部分があまりできないという利点がある。また、全ねじボルト30を溶接しているので、ナット31を省略することも可能である。
(楔金具)
図7は、仮固定治具1を示す図6のC-C線断面図である。図1,図7に示すように、楔金具4は、平面視円弧状の楔金具本体40と、この楔金具本体40の外曲面から横方向へ突出する円柱状(棒状)の突起41と、から主に構成された、磁性を有する金属製の金具である。この楔金具4は、図7に示すように、筒状体2の筒状体本体20と頭付きスタッドSJの軸部SJbとの間に介装されて、外力によりPCa床版10に水平力が入力された場合に、仮固定治具1を介して頭付きスタッドSJの基端部に曲げモーメントが作用して応力が集中しないようにする機能を有している。
この楔金具本体40は、頭付きスタッドSJの頭部SJaの外径35mmと軸部SJbの軸径22mmに対応して若干の遊びを持たせた外径33mm、内径22mmの鋼管を3等分した円筒状体の一部を構成する平面視円弧状の金具である。このため、楔金具4は、筒状体2の内径に応じた外曲面と、頭付きスタッドSJの軸部SJbの軸径に応じた内曲面を有しており、頭付きスタッドSJの頭部SJaと同等の大きさとなっている。勿論、楔金具本体40は、鋼管を3等分したものに限られず、筒状体2の内径に応じた外曲面と、頭付きスタッドSJの軸部SJbに応じた内曲面を有した平面視円弧状の金属製の部材であればよい。
また、この楔金具本体40の装着時に外側となる外曲面には、円柱棒状の突起41が形成されている。この突起41は、図1,図7に示すように、長さ調整部材3の全ねじボルト30とナット31との間に、ワイヤーや鋼線などの線状材6で連結されている。このため、仮固定治具1を頭付きスタッドSJから撤去する際に、楔金具4が箱抜き孔11の底に脱落して取れなくなることを防止することができる。勿論、楔金具4は、筒状体2又は長さ調整部材3と何らかの部材で繋がれて連結されていればよく、線状材6は、チェーン材などで代替することが可能である。
さらに、楔金具4は、図7に示すように、突起41が筒状体本体20の管端に掛け止められることにより、筒状体2と頭付きスタッドSJとの間の適切な位置に固定されている。このとき、前述の磁石嵌着孔22に嵌着されたマグネット5の磁力により、筒状体本体20の内周面に楔金具4の楔金具本体40が引き付けられることとなる。このため、筒状体2の内部に楔金具4が入り込んで取れなくなることや、楔金具4が筒状体2から外れて脱落することを確実に防止して容易に筒状体2と頭付きスタッドSJとの間の適切な位置に装着することができる。
(永久磁石)
マグネット5は、フェライト磁石やネオジム磁石などの強力な磁力を有する永久磁石であり、図7に示すように、ボタン電池型の形状となっている。このマグネット5は、筒状体本体20の下端付近に形成された前述の磁石嵌着孔22に接着されて固定されている。
以上説明した第1実施形態に係るPCa床版の仮固定治具1によれば、長さ調整部材3が、箱抜き孔11の橋軸直角方向Yの幅に応じた所定長さとなっている。このため、仮固定治具1によれば、PCa床版10を鋼桁SG上に載置した後、箱抜き孔11に経時硬化材を打設して一体化させるまでの間、橋軸直角方向Yのずれ止め手段として頭付きスタッドSJにPCa床版10を仮固定することができる。よって、PCa床版10を鋼桁SG上に載置してから箱抜き孔11に経時硬化材を打設するまでの間、PCa床版10やその繋ぎ目を覆工版で覆って、PCa床版10上の車輛の通行を再開することができる。
また、仮固定治具1によれば、筒状体2の内周面と頭付きスタッドSJの軸部SJbとの間の隙間に楔金具4が差し込まれているので、頭付きスタッドSJの基端部に曲げモーメントが作用して応力が集中することを防止することができる。
その上、仮固定治具1によれば、狭い箱抜き孔11内でも容易に楔金具4を所定の位置に装着することができる。よって、仮固定治具1の頭付きスタッドSJへの装着作業をさらに短時間に効率よく行うことができる。
[第2実施形態]
次に、図8,図9を用いて、本発明の第2実施形態に係るPCa床版の仮固定治具について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係るPCa床版の仮固定治具1’を示す斜視図である。また、図9は、仮固定治具1’を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は、左側面図、(c)は、平面図である。第2実施形態に係る仮固定治具1’が、前述の第1実施形態に係る仮固定治具1と相違する点は、主に、長さ調整部材3の長さだけであるので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
仮固定治具1’は、前述の第1実施形態に係る仮固定治具1と同構成の筒状体2と、筒状体2内に装着される円弧状の楔金具4、マグネット5など、を備えている。また、図8,図9に示すように、仮固定治具1’の長さ調整部材3’は、前述の長さ調整部材3より短いものとなっている。
(長さ調整部材)
具体的には、図2~図4,図8,図9に示すように、長さ調整部材3’は、箱抜き孔11の橋軸方向Xの幅W2に応じた前述の全ねじボルト30より短い所定長さの呼び径M20の全ねじボルト30’と、この全ねじボルト30’に螺合する前述のナット31と、軸方向の厚さが25mmのM20の高ナット32’など、から構成されている。
以上説明した第2実施形態に係るPCa床版の仮固定治具1’によれば、長さ調整部材3’が、箱抜き孔11の橋軸方向Xの幅W2に応じた所定長さとなっている。このため、仮固定治具1’によれば、前述の仮固定治具1の作用効果に加え、PCa床版10を鋼桁SG上に載置した後、箱抜き孔11に経時硬化材を打設して一体化させるまでの間、橋軸方向Xのずれ止め手段として頭付きスタッドSJにPCa床版10を仮固定することができる。
また、本発明に係るPCa床版の仮固定治具としては、前述の第1実施形態に係る仮固定治具1と第2実施形態に係る仮固定治具1’の橋軸直角方向用と橋軸方向用の2種類用意することが好ましい。いずれの方向の水平力にも対抗してずれ止めの仮固定が可能となるからである。また、2種類あることにより、1種類の長さ調整部材3’(又は長さ調整部材3)で長さを調整する場合と比べて、高ナット32,32’を回して長さを調整する時間を短縮することができる。このため、さらに短時間で仮固定治具によるPCa床版の仮固定を行うことが可能となり、仮固定治具1,1’の頭付きスタッドSJへの装着作業をさらに短時間で効率よく行うことができる。
<仮固定治具の使用方法>
次に、図10,図11を用いて、前述の仮固定治具1の使用方法について説明する。図10は、仮固定治具1の頭付きスタッドSJへの装着手順を示す図であり、(1)が筒状体2を被せる前、(2)が筒状体装着工程を示す。図11は、同様に仮固定治具1の頭付きスタッドSJへの装着手順を示す図であり、(3)が楔金具磁着工程、(5)が長さ調整工程を示す。
先ず、仮固定治具1を頭付きスタッドSJへ装着する場合は、図10(1)及び図10(2)に示すように、頭付きスタッドSJの頭部SJaから仮固定治具1の筒状体2を被せて下方へ押し下げ、仮固定治具1を頭付きスタッドSJへ装着する筒状体装着工程を行う。
次に、図11(3)に示すように、筒状体2と頭付きスタッドSJの軸部SJbとの間に楔金具4を差し込む楔金具磁着工程を行う。具体的には、楔金具4の突起41を持って、筒状体本体20の下端面に突起41が当接するまで楔金具4を差し込む。このとき、筒状体本体20の下端面に突起41が掛け止められることとなるので、筒状体2の内部に楔金具4が入り込んで取れなくなることを確実に防止することができる。
また、前述のように、磁石嵌着孔22に嵌着されたマグネット5の磁力により、筒状体本体20の内周面に楔金具4の楔金具本体40が引き付けられることとなる。このため、筒状体2と頭付きスタッドSJの軸部SJbとの間に楔金具4を差し込むことが極めて容易であり、スペースの無い箱抜き孔11内での楔金具4の差し込み作業を短時間で行うことができる。
次に、図11(4)に示すように、長さ調整部材3の高ナット32を回して全ねじボルト30上を橋軸直角方向Yに、箱抜き孔11の内面に到達するまで長さ調整部材3を伸ばして長さを調整する長さ調整工程を行う。なお、橋軸直角方向Yにとは、隣接する頭付きスタッドSJを避けて、橋軸方向Xに略直角に交差する方向にという意味であり、厳密に橋軸直角方向Yに沿って移動させることを意図していない。
これにより、仮固定治具1を頭付きスタッドSJへ装着が完了する。また、箱抜き孔11に経時硬化材を打設する際には、前述の装着手順の逆の手順で仮固定治具1を頭付きスタッドSJから取り外せばよい。なお、第2実施形態に係る仮固定治具1’の頭付きスタッドSJへの装着手順も同様である。
以上、本発明の実施形態に係る仮固定治具1,1’及びその使用方法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明に係る技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、仮固定治具1,1’の大きさ等は、頭付きスタッドSJの頭部の外径35mm、軸部の軸径22mmの場合を例示して説明したものであり、頭付きスタッドSJの大きさや箱抜き孔11の大きさに応じて適宜変更可能であることは云うまでもない。
1,1’:仮固定治具(PCa床版の仮固定治具)
2:筒状体
20: 筒状体本体
21:貫通孔
22:磁石嵌着孔
3,3’:長さ調整部材
30:全ねじボルト
31:ナット
32,32’:高ナット
4:楔金具
40:楔金具本体
41:突起
5:マグネット(永久磁石)
6:線状材
10:PCa床版
11:箱抜き孔
W1:橋軸直角方向の幅
W2:橋軸方向の幅
12:壁高欄
SG:鋼桁
SJ:頭付きスタッド(スタッド)
SJa:頭部
SJb:軸部

Claims (4)

  1. 鋼桁に突設された頭付きスタッド及びこの頭付きスタッドが挿置されるPCa床版の箱抜き孔を利用してPCa床版を鋼桁に仮固定するためのPCa床版の仮固定治具であって、
    前記頭付きスタッドに外嵌可能な内径を有する筒状体と、この筒状体に軸直角方向に装着されて前記箱抜き孔の内面との間の長さを調整自在な長さ調整部材と、を備えていること
    を特徴とするPCa床版の仮固定治具。
  2. 前記筒状体と前記頭付きスタッドとの間に介装される円弧状の楔金具をさらに備え、
    前記楔金具は、前記筒状体の内径に応じた外曲面と、前記頭付きスタッドの軸径に応じた内曲面を有していること
    を特徴とする請求項1に記載のPCa床版の仮固定治具。
  3. 前記長さ調整部材は、前記筒状体に軸直角方向に貫通されるボルトと、このボルトに螺合する高ナット又はナットとを、有していること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のPCa床版の仮固定治具。
  4. 前記長さ調整部材は、前記箱抜き孔の大きさに応じて、橋軸直角方向用と橋軸方向用の2種類あること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のPCa床版の仮固定治具。
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