以下、添付図面を参照して、読取装置及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、読取装置及びプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態の読取装置及びプログラムは、小売店の店舗に設置されたPOS(Point Of Sales)端末への適用例である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るPOS端末1の外観の一例を示す外観斜視図である。POS端末1は、オブジェクト認識によりPOS端末1の前方にかざされた商品券等の金券を認識することができる。
POS端末1は、表示部11と、第1ユニット12と、第2ユニット13と、第3ユニット14とを備えている。
表示部11は、第1ユニット12の上面に配置されている。表示部11は、表示面上にタッチパネルが積層されたタッチパネルディスプレイである。
第1ユニット12は、正面に読取窓121を備えている。読取窓121は、光を透過可能な板で形成されている。第1ユニット12は、読取窓121の内部に撮像部104(図2参照)を備えている。撮像部104は、撮像部104の前方にかざされた商品や金券等の物品を撮像する。POS端末1は、撮像部104が撮像した画像に含まれている商品や金券の種別をオブジェクト認識により認識する。また、第1ユニット12は、第2ユニット13の上面に配置されている。
第2ユニット13は、正面にレシート排出口131を備えている。レシート排出口131は、第2ユニット13の内部に格納された印字部105が発行したレシート等を排出する排出口である。また、第3ユニット14は、第2ユニット13の側面に配置されている。
第3ユニット14は、正面にカード挿入口141を備えている。カード挿入口141は、第3ユニット14の内部に格納されたカードリーダライタ106に会員カードやクレジットカードを挿入する挿入口である。カードリーダライタ106は、挿入された会員カードやクレジットカード等のカードに対して情報を読み書きする。
POS端末1のハードウェア構成について説明する。図2は、POS端末1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。POS端末1は、制御部101、記憶部102、通信インタフェース103、表示部11、撮像部104、印字部105、及びカードリーダライタ106を備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス107を介して相互に接続している。
制御部101は、POS端末1の全体の動作を制御し、POS端末1が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。CPUは、POS端末1の動作を統括的に制御する。ROMは、電力が供給されていなくても各種データを保持する不揮発性の記憶媒体である。RAMは、指定した領域に対してデータを読み書き可能な記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部102等に格納されたプログラムを実行する。
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部102は、制御プログラム108と、金券情報テーブル109とを記憶する。なお、金券情報テーブル109は、記憶部102に限らず、店舗サーバ等の他の装置が記憶していてもよい。
制御プログラム108は、オペレーティングシステムや、POS端末1が提供する機能を実現させるプログラムである。制御プログラム108には、本実施形態に係る機能を実現させるプログラムが含まれる。
図3は、金券情報テーブル109のデータ構成の一例を説明する説明図である。金券情報テーブル109は、金券の各種情報を記憶する情報テーブルである。金券情報テーブル109は、金券コード、金券種類、名称、金額、見本画像、特徴量、及び利用可否を関連付けて記憶する。
金券コードは、金券の種別を識別可能な識別情報である。金券種類は、金券の種類の名称を示す情報である。例えば、金券の種類には、クレジットカード会社が発行する商品券や、ビールの会計に利用可能なビール券や、特定の地域で利用可能な地域振興券等が含まれる。名称は、金券の名称を示す情報である。金額は、金券が有している価値を示す情報である。見本画像は、金券の見本となる画像の情報である。特徴量は、金券の外観の特徴を示す照合用の情報である。金券の外観の特徴には、金券の大きさや、金券の形状や、金券に印字されている数字や文字等の文字情報や、金券の色彩等が含まれる。利用可否は、会計に利用可能な金券であるか否かを示す情報である。
通信インタフェース103は、ネットワークを介して接続された装置との通信を実行する。
次に、POS端末1が備える特徴的な機能について説明する。ここで、図4は、POS端末1が備える特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
POS端末1の制御部101は、記憶部102の制御プログラム108をRAMに展開し、制御プログラム108に従って動作することで、図4に示す各機能部をRAM上に生成する。具体的には、POS端末1の制御部101は、操作制御部1001、商品登録部1002、撮像制御部1003、金券検出部1004、特徴量抽出部1005、類似度算出部1006、候補抽出部1007、利用判定部1008、表示制御部1009、報知制御部1010、金券登録部1011、会計処理部1012、及び学習制御部1013を備える。
操作制御部1001は、表示部11に積層されたタッチパネルを制御して、各種操作を受け付ける。
商品登録部1002は、販売対象の商品を登録する商品登録処理を制御する。例えば、商品登録部1002は、撮像部104が商品を識別可能な商品コードを読み取った場合に、読み取った商品コードにより特定される商品を登録する。なお、商品登録部1002は、商品コードの読み取りに限らず、操作入力により特定された商品を登録してもよい。
撮像制御部1003は、撮像制御手段の一例である。撮像制御部1003は、撮像部104を制御して、撮像部104に画像を撮像させる。撮像制御部1003は、例えば30fps(Flame Per Second)等の一定周期で画像を撮像させる。そして、撮像制御部1003は、撮像部104が順次撮像した画像をRAM等に記憶させる。
金券検出部1004は、撮像制御部1003が撮像部104に撮像させた画像に含まれている金券を検出する。例えば、金券検出部1004は、画像に含まれる金券の全部または一部を、パターンマッチング技術等を用いて検出する。具体的には、金券検出部1004は、画像を2値化した画像から輪郭線等を抽出する。金券検出部1004は、予め用意した画像から抽出した輪郭線と、検出対象の画像から抽出した輪郭線との差分に基づいて金券を検出する。ここで、予め用意した画像は、金券等が含まれていない背景を撮像部104が撮像した画像である。よって、金券検出部1004は、検出対象の画像に金券が含まれていることを条件に、予め用意した画像から抽出した輪郭線にはない輪郭線を、検出対象の画像から抽出した輪郭線から検出することができる。そして、金券検出部1004は、予め用意した画像から抽出した輪郭線にはない輪郭線に基づいて金券を検出する。
特徴量抽出部1005は、撮像部104が撮像した画像から金券検出部1004が検出した金券の外観の特徴量を抽出する。すなわち、特徴量抽出部1005は、金券の大きさや、金券の形状や、金券に印字されている数字や文字等の文字情報や、金券の色彩等の特徴量を抽出する。
類似度算出部1006は、類似度算出手段の一例である。類似度算出部1006は、金券情報テーブル109に登録された金券の照合用特徴量と、特徴量抽出部1005が抽出した金券の特徴量とを比較することで、金券情報テーブル109に登録された金券の種別ごとの類似度を算出する。ここで、類似度は、金券情報テーブル109に記憶されている金券の照合用特徴量を100%=「類似度:1.0」とした場合に、金券の全部または一部がどの程度類似しているかを示すものである。なお、類似度算出部1006は、例えば、大きさと形状と文字情報と色彩とでは、重み付けを変えて類似度を算出してもよい。
このように画像中に含まれる物体を認識することは一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれている。このような一般物体認識については、下記の文献において各種認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成30年10月18日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成30年10月18日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
なお、金券情報テーブル109に登録された各種金券の照合用特徴量と、特徴量抽出部1005が抽出した金券の特徴量との類似度の算出方法は特に問わないものとする。例えば、類似度算出部1006は、金券情報テーブル109に登録された金券の照合用特徴量と、特徴量抽出部1005が抽出した金券の特徴量との類似度を絶対評価として算出してもよいし、相対評価として算出してもよい。
候補抽出部1007は、抽出手段の一例である。候補抽出部1007は、撮像制御部1003が撮像させた画像に含まれている金券の候補となる候補金券を示す金券コードを抽出する。さらに詳しくは、候補抽出部1007は、類似度算出部1006が算出した各種金券ごとの類似度に基づいて、撮像制御部1003が撮像部104に撮像させた画像に含まれる金券の候補の金券コードを抽出する。例えば、候補抽出部1007は、類似度が閾値以上の一又は複数の金券の金券コードを、候補金券として抽出する。
利用判定部1008は、候補抽出部1007が抽出した候補金券が会計に利用可能であるか否かを判定する。例えば、利用判定部1008は、候補抽出部1007が抽出した候補金券の金券コードに関連付けられている金券情報テーブル109の利用可否に基づいて利用可能であるか否かを判定する。利用判定部1008は、金券情報テーブル109の利用可否に可能と設定されている場合に、会計に利用可能と判定する。また、利用判定部1008は、金券情報テーブル109の利用可否に不可と設定されている場合に、会計への利用不可と判定する。
表示制御部1009は、表示部11を制御して、各種画面を表示させる。例えば、表示制御部1009は、金券認識画面G1(図5参照)を表示させる。ここで、図5は、金券認識画面G1の一例を示す説明図である。金券認識画面G1は、候補抽出部1007が抽出した候補金券から、会計で利用する金券を選択させる画面である。金券認識画面G1には、撮像画像表示領域G11と、ガイド画像G12と、金券候補ボタンG13と、キャンセルボタンG14とが含まれている。
撮像画像表示領域G11は、撮像部104が撮像した画像を表示する表示領域である。また、撮像画像表示領域G11は、金券のかざす位置を示すガイド画像G12が含まれている。表示制御部1009は、撮像部104に金券がかざされておらず、金券が撮像されていない場合には、金券が含まれておらず、ガイド画像G12が表示された撮像画像表示領域G11を表示する。そして、表示制御部1009は、撮像部104に金券がかざされた場合には、撮像制御部1003が撮像させた金券が含まれる画像と、ガイド画像G12とを合成した画像を撮像画像表示領域G11に表示する。
ここで、第1基準線G12aと、第2基準線G12bとを有している。第1基準線G12aは、金券の輪郭線の上側の辺を合わせる帯状の画像である。第2基準線G12bは、金券の輪郭線の下側の辺を合わせる帯状の画像である。金券の輪郭線の上側の辺が第1基準線G12aの範囲内に含まれており、且つ金券の輪郭線の下側の辺が第2基準線G12bの範囲内に含まれている場合に、金券は、適切な位置にかざされていると判定される。なお、図5に示す撮像画像表示領域G11には、金券の輪郭線の右辺及び左辺を合わせる基準線は表示されていない。しかし、撮像部104が撮像する画像の画角が、金券の長手方向の長さよりも広い場合には、金券の輪郭線の右辺及び左辺を合わせる基準線が表示されていてもよい。
金券候補ボタンG13は、会計に利用する金券を選択するボタンである。表示制御部1009は、候補抽出部1007が抽出した候補金券のうち、利用判定部1008が利用可能と判定した金券の各種情報が含まれる金券候補ボタンG13を金券認識画面G1に表示する。金券候補ボタンG13には、金券の名称と、金券の金額と、金券の見本画像とが含まれている。そして、表示制御部1009は、利用判定部1008が利用可能と判定した金券の名称と、金券の金額と、金券の見本画像とを金券情報テーブル109から抽出することで金券候補ボタンG13を表示する。図5に示す金券認識画面G1には、「AAA GIFT CARD ¥1000」の金券候補ボタンG13aと、「CCC NICE CARD ¥1000」の金券候補ボタンG13bと、「AAA GIFT CARD ¥5000」の金券候補ボタンG13cとが表示されている。キャンセルボタンG14は、金券の登録をキャンセルするボタンである。
報知制御部1010は、報知手段の一例である。報知制御部1010は、撮像制御部1003が撮像部104に撮像させた画像に含まれる金券が、ガイド画像G12が示す位置に無い場合に報知する。すなわち、報知制御部1010は、金券検出部1004が検出した輪郭線において、金券の輪郭線の上側の辺が第1基準線G12aの範囲内に無い場合、又は金券の輪郭線の下側の辺が第2基準線G12bの範囲内に無い場合に報知する。そして、報知制御部1010は、金券の輪郭線の位置に応じたメッセージで報知する。
ここで、図6から図12を用いて、報知制御部1010による報知について説明する。
図6は、金券が含まれてない撮像画像表示領域G11の一例を示す説明図である。図6に示す撮像画像表示領域G11には、金券が表示されていない。この場合、報知制御部1010は、撮像部104に金券をかざすことを要求するメッセージ等を表示制御部1009に表示させることで報知する。
図7は、適切な位置にかざされた金券の画像を含む撮像画像表示領域G11の一例を示す説明図である。図7に示す撮像画像表示領域G11には、第1基準線G12aの範囲に金券の上側の辺が含まれ、且つ第2基準線G12bの範囲に金券の下側の辺が含まれている金券が表示されている。この場合、報知制御部1010は、金券が適切な位置にかざされていると判定する。そして、報知制御部1010は、金券のかざし方には問題がないため、かざし方については報知しなくてもよいし、正しくかざされていることを報知してもよい。
図8は、不適切な位置にかざされた金券の画像を含む撮像画像表示領域G11の一例を示す説明図である。図8に示す撮像画像表示領域G11には、第1基準線G12aの範囲よりも上方に、金券の上側の辺が配置されており、且つ第2基準線G12bの範囲よりも上方に、金券の下側の辺が配置されている。この場合、報知制御部1010は、金券が適切な位置よりも上方の不適切な位置にかざされていると判定する。例えば、報知制御部1010は、金券をかざす位置を下げることを要求するメッセージを報知する。なお、報知制御部1010は、金券の上側の辺と下側の辺との両方の配置に限らず、何れか一方の配置で、金券が適切な位置よりも上方の不適切な位置にかざされていると判定してもよい。すなわち、報知制御部1010は、第1基準線G12aの範囲よりも上方に金券の上側の辺が配置されている場合、又は第2基準線G12bの範囲よりも上方に金券の下側の辺が配置されている場合に、不適切な位置にかざされていると判定してもよい。
図9は、不適切な位置にかざされた金券の画像を含む撮像画像表示領域G11の一例を示す説明図である。図9に示す撮像画像表示領域G11には、第1基準線G12aの範囲よりも下方に、金券の上側の辺が配置されており、且つ第2基準線G12bの範囲よりも下方に、金券の下側の辺が配置されている。この場合、報知制御部1010は、金券が適切な位置よりも下方の不適切な位置にかざされていると判定する。例えば、報知制御部1010は、金券をかざす位置を上げることを要求するメッセージを報知する。なお、報知制御部1010は、金券の上側の辺と下側の辺との両方の配置に限らず、何れか一方の配置で、金券が適切な位置よりも下方の不適切な位置にかざされていると判定してもよい。すなわち、報知制御部1010は、第1基準線G12aの範囲よりも下方に金券の上側の辺が配置されている場合、又は第2基準線G12bの範囲よりも下方に金券の下側の辺が配置されている場合に、不適切な位置にかざされていると判定してもよい。
図10は、不適切な位置にかざされた金券の画像を含む撮像画像表示領域G11の一例を示す説明図である。図10に示す撮像画像表示領域G11には、第1基準線G12aの範囲よりも上方に、金券の上側の辺が配置されており、且つ第2基準線G12bの範囲よりも下方に、金券の下側の辺が配置されている。この場合、報知制御部1010は、金券が適切な位置よりも撮像部104に近い位置にかざされていると判定する。例えば、報知制御部1010は、金券をかざす位置を撮像部104の読取窓121から遠ざけることを要求するメッセージを報知する。
図11は、不適切な位置にかざされた金券の画像を含む撮像画像表示領域G11の一例を示す説明図である。図11に示す撮像画像表示領域G11には、第1基準線G12aの範囲よりも下方に、金券の上側の辺が配置されており、且つ第2基準線G12bの範囲よりも上方に、金券の下側の辺が配置されている。この場合、報知制御部1010は、金券が適切な位置よりも撮像部104に遠い位置にかざされていると判定する。例えば、報知制御部1010は、金券をかざす位置を撮像部104の読取窓121に近づけることを要求するメッセージを報知する。
図12は、不適切な位置にかざされた金券の画像を含む撮像画像表示領域G11の一例を示す説明図である。図12に示す撮像画像表示領域G11には、第1基準線G12aと金券の上側の辺とが平行になっておらず、且つ第2基準線G12bと金券の下側の辺とが平行になっていない。この場合、報知制御部1010は、金券が傾けられて撮像部104にかざされていると判定する。例えば、報知制御部1010は、金券が傾いているため、金券を水平にして撮像部104にかざすことを要求するメッセージを報知する。なお、報知制御部1010は、金券の上側の辺と下側の辺との両方の配置に限らず、何れか一方が平行でない場合に、金券が傾けられて撮像部104にかざされていると判定してもよい。すなわち、報知制御部1010は、第1基準線G12aと金券の上側の辺とが平行になっていない場合、又は第2基準線G12bと金券の下側の辺とが平行になっていない場合、金券が傾けられて撮像部104にかざされていると判定してもよい。
金券登録部1011は、会計に利用する金券を登録する。金券登録部1011は、金券認識画面G1の金券候補ボタンG13により特定された金券を、会計に利用する金券として登録する。また、金券登録部1011は、会計での金券の利用枚数を計数する。例えば、金券登録部1011は、金券候補ボタンG13の押下回数を会計での利用枚数として登録する。または、金券登録部1011は、入力された枚数を会計での利用枚数として登録する。
会計処理部1012は、商品登録部1002が販売登録した商品の会計処理を制御する。例えば、会計処理部1012は、商品登録部1002が販売登録した商品の合計価格を算出する。また、会計処理部1012は、顧客から受領した金額から合計価格を減算してお釣りを算出する。さらに、会計処理部1012は、金券登録部1011により金券が登録されている場合には、販売登録した商品の合計価格から登録されている金券の合計金額を減算する。このようにして、会計処理部1012は、請求金額を算出する。
学習制御部1013は、学習手段の一例である。学習制御部1013は、ガイド画像G12が示す位置に金券がかざされている画像を金券情報テーブル109に記憶させる。さらに詳しくは、学習制御部1013は、学習対象となる金券の種類を特定する操作を受け付ける。そして、店員等は、学習対象となる金券を撮像部104にかざして、オブジェクト認識を実行させる。学習制御部1013は、撮像制御部1003が撮像部104に撮像させた画像に含まれる金券の輪郭線が、金券認識画面G1の撮像画像表示領域G11に含まれるガイド画像G12が示す位置に有る画像を金券情報テーブル109記憶させる。なお、学習制御部1013は、画像に限らず、画像から抽出した特徴量を照合用特徴量として金券情報テーブル109に記憶させてもよいし、他の情報を金券情報テーブル109に記憶させてもよい。
次に、POS端末1が実行する学習処理について説明する。ここで、図13は、POS端末1が実行する学習処理の一例を示すフローチャートである。
操作制御部1001は、金券の学習を実行する操作を受け付ける(ステップS1)。
操作制御部1001は、金券の学習に関する各種操作を受け付ける(ステップS2)。例えば、操作制御部1001は、学習対象の金券の種類を特定する操作や、金券情報テーブル109に記憶させる画像の枚数等の指定を受け付ける。
表示制御部1009は、金券認識画面G1を表示部11に表示させる(ステップS3)。すなわち、表示制御部1009は、第1基準線G12aと、第2基準線G12bとが含まれる撮像画像表示領域G11を表示させる。
撮像制御部1003は、撮像部104に画像を撮像させる(ステップS4)。
表示制御部1009は、撮像制御部1003が撮像させた画像と、ガイド画像G12とを合成した画像を撮像画像表示領域G11に表示させる(ステップS5)。すなわち、表示制御部1009は、撮像制御部1003が撮像させた画像と、第1基準線G12aと、第2基準線G12bとを合成した画像を撮像画像表示領域G11に表示させる。
金券検出部1004は、ステップS4で撮像制御部1003が撮像させた画像から金券を検出する(ステップS6)。すなわち、金券検出部1004は、画像から金券の輪郭線を検出する。
報知制御部1010は、ガイド画像G12と、金券検出部1004が画像から検出した金券の輪郭線とを比較する(ステップS7)。すなわち、報知制御部1010は、第1基準線G12aと、第2基準線G12bと、金券検出部1004が画像から検出した金券の輪郭線とを比較する。
報知制御部1010は、比較結果に基づいて、ステップS4で撮像制御部1003が撮像させた画像に含まれている金券は適切な位置で撮像部104にかざされているか否かを判定する(ステップS8)。
金券が適切な位置で撮像部104にかざされていない場合に(ステップS8;No)、報知制御部1010は、金券の輪郭線の位置に応じたメッセージを表示して報知する(ステップS11)。そして、POS端末1は、ステップS4に移行する。
一方、金券が適切な位置で撮像部104にかざされている場合に(ステップS8;Yes)、学習制御部1013は、金券が適切な位置で撮像部104にかざされている画像を金券情報テーブル109に記憶させる(ステップS9)。また、学習制御部1013は、画像から抽出した特徴量を照合用特徴量として金券情報テーブル109に記憶させてもよい。さらに、学習制御部1013は、画像や特徴量に限らず、金券が適切な位置で撮像部104にかざされている画像に関連する情報を金券情報テーブル109に記憶させてもよい。
学習制御部1013は、ステップS2等で指定された枚数の画像を金券情報テーブル109に記憶させたか否かを判定する(ステップS10)。指定枚数の画像を金券情報テーブル109に記憶させていない場合に(ステップS10;No)、POS端末1は、ステップS4に移行して学習処理を継続する。
一方、指定枚数の画像を金券情報テーブル109に記憶させた場合に(ステップS10;Yes)、POS端末1は、学習処理を終了する。
次に、POS端末1が実行する金券認識処理について説明する。ここで、図14は、POS端末1が実行する金券認識処理の一例を示すフローチャートである。
操作制御部1001は、画像認識により金券を認識させる金券認識処理の実行を要求する操作を受け付ける(ステップS21)。
表示制御部1009は、金券認識画面G1を表示部11に表示させる(ステップS22)。すなわち、表示制御部1009は、第1基準線G12aと、第2基準線G12bとが含まれる撮像画像表示領域G11を表示させる。
撮像制御部1003は、撮像部104に画像を撮像させる(ステップS23)。
表示制御部1009は、撮像制御部1003が撮像させた画像と、ガイド画像G12とを合成した画像を撮像画像表示領域G11に表示させる(ステップS24)。すなわち、表示制御部1009は、撮像制御部1003が撮像させた画像と、第1基準線G12aと、第2基準線G12bとを合成した画像を撮像画像表示領域G11に表示させる。
金券検出部1004は、ステップS23で撮像制御部1003が撮像させた画像から金券を検出する(ステップS25)。すなわち、金券検出部1004は、画像から金券の輪郭線を検出する。
報知制御部1010は、ガイド画像G12と、金券検出部1004が画像から検出した金券の輪郭線とを比較する(ステップS26)。すなわち、報知制御部1010は、第1基準線G12aと、第2基準線G12bと、金券検出部1004が画像から検出した金券の輪郭線とを比較する。
報知制御部1010は、比較結果に基づいて、ステップS23で撮像制御部1003が撮像させた画像に含まれている金券は適切な位置で撮像部104にかざされているか否かを判定する(ステップS27)。
金券が適切な位置で撮像部104にかざされていない場合に(ステップS27;No)、報知制御部1010は、金券の輪郭線の位置に応じたメッセージを表示して報知する(ステップS28)。そして、POS端末1は、ステップS23に移行する。
一方、金券が適切な位置で撮像部104にかざされている場合に(ステップS27;Yes)、特徴量抽出部1005、類似度算出部1006、及び候補抽出部1007は、画像認識により金券を認識する(ステップS29)。
特徴量抽出部1005、類似度算出部1006、及び候補抽出部1007は、画像認識により金券を認識したか否かを判定する(ステップS30)。金券を認識しなかった場合に(ステップS30;No)、POS端末1は、ステップS23に移行する。
一方、金券を認識しなかった場合に(ステップS30;No)、表示制御部1009は、認識結果を表示させる(ステップS31)。すなわち、表示制御部1009は、特徴量抽出部1005、類似度算出部1006、及び候補抽出部1007が認識した金券の候補である候補金券を、金券候補ボタンG13として金券認識画面G1に表示する。
以上により、POS端末1は、金券認識処理を終了する。
以上のように、第1の実施形態に係るPOS端末1は、撮像部104が撮像した金券を表示する撮像画像表示領域G11に、金券をかざす位置を示すガイド画像G12を表示する。よって、店員等は、ガイド画像G12を見ながら金券をかざすことで、適切な位置に金券をかざさせることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態との相違点の説明を主に行い、第1の実施形態と同様の機能を有する構成要素については、第1の実施形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
図15は、第2の実施形態に係るPOS端末1aの外観の一例を示す外観斜視図である。第2の実施形態に係るPOS端末1aは、撮像部104の前方に金券を押し当てるガイド部20を備えている。
第1の実施形態に係るPOS端末1は、撮像画像表示領域G11に表示された金券と、ガイド画像G12との位置関係に基づいて、金券から撮像部104までの距離が適切であるか否かを判定することができる。しかしながら、第1の実施形態に係るPOS端末1では、読取窓121と平行方向において、どの位置に金券を配置するのが適切であるかを店員が把握することは困難である。
そこで、第2の実施形態に係るPOS端末1aは、金券を適切な位置に配置させるガイド部20を備えている。ガイド部20は、金券を押し当てた場合に撮像部104が金券の略中央を撮像する位置まで、読取窓121と平行方向に伸びている。そして、ガイド部20は、撮像部104が金券の略中央を撮像する位置で、読取窓121と直交する方向であって、撮像部104が向けられている方向に曲げられている。
店員は、金券の表側を撮像部104に向けて、金券の短辺をガイド部20に押し当てる。この状態で金券を撮像すると、POS端末1aは、金券の略中央を撮像することができる。すなわち、POS端末1aは、読取窓121と平行方向において、適切な位置にかざされた状態で金券を撮像することができる。
以上のように、第2の実施形態に係るPOS端末1aは、読取窓121と平行方向において、金券を適切な位置に配置させるガイド部20を備えている。よって、店員等は、金券を押し当てることで、適切な位置に金券をかざさせることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。