以下、本発明の装置監視システムの実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る装置監視システムの構成例を図1に基づいて説明する。なお、図1には、装置監視システムの構成例を示す説明図が図示されている。
図1に示すように、本実施形態の装置監視システム10は、複数の非常用発電装置30の稼動状態等を監視するシステムであり、主に、1台の監視装置20とこれに監視される複数台の非常用発電装置30とにより構成されている。本実施形態では、非常用発電装置30が複数台の場合を例示して説明するが、非常用発電装置30は1台でもよい。
また、本実施形態の装置監視システム10では、監視装置20と非常用発電装置30の間に、LPWA(Low Power Wide Area)による無線通信ネットワークを介在させている。そのため、図1には、LPWAの基地局15やインターネット100が図示されている。なお、基地局15とインターネット100の間には、携帯電話用の基地局が介在する場合があるが、ここでは図示を省略している。なお、LPWAの基地局15と監視装置20との間には、インターネット100が介在しているが、基地局15に監視装置20が直接、接続されていてもよい。
監視装置20は、例えば、汎用仕様のパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)が用いられる。パソコンは、主に、本体部21、ディスプレィ22、ハードディスク23等から構成されており、例えば、装置監視プログラムを実行し得るように構成されている。この装置監視プログラムでは、例えば、監視対象となる複数の非常用発電装置30から、ほぼ常時送信されてくる各センサデータ(装置情報)を一覧表にしたり、各非常用発電装置30の設置地点の情報を図表にしたりしてディスプレィ22に表示し得るように構成されている。また異常値判定をしてディスプレィ22にアラート表示をする。
本体部21は、CPU、メモリや入出力インタフェース等により構成されるコンピュータの本体である。本体部21には、ディスプレィ22、ハードディスク23、プリンタ25や有線通信装置28が接続されている。
本体部21のCPUは、ハードディスク23に格納された装置監視プログラムをメモリに読み出して複数の非常用発電装置30から各センサデータ(装置情報)を取得して前述したような表示等をディスプレィ22に出力する。ディスプレィ22は、本体部21に接続される出力装置(例えば液晶表示装置)である。
ハードディスク23は、本体部21に内蔵または外付けされて本体部21に接続される情報記憶媒体であり、汎用OSや前述の装置監視プログラムがインストールされている。ハードディスク23には、当該監視装置20が監視をする、複数の非常用発電装置30に関する情報、例えば、非常用発電装置30の設置地点の情報、機器構成の情報や、後述するようにそれぞれの非常用発電装置30から収集される装置情報等が記憶されている。
プリンタ25は、本体部21に接続される出力装置である。プリンタ25は、ディスプレィ22に表示される各非常用発電装置30のセンサデータ(装置情報)の一覧表等を、本体部21から受けて印刷可能に構成されている。
有線通信装置28は、本体部21とインターネット接続事業者等との間に介在して本体部21をインターネット100に接続可能にするものであり、例えば、ISPがサポートする加入者網終端装置や光回線終端装置等がこれに相当する。このほか、本体部21には、図略のキーボード、マウス等の入力装置が接続されており、当該パソコンに対するオペレータの入力操作はこれらにより行われる。
なお、インターネット100は、データを伝送する情報通信回線網の一例である。クラウドコンピューティングにおいては、「クラウド」と呼ばれる場合もある。装置監視システム10においては、通信事業者が提供する閉域通信網、VPN(仮想プライベートネットワークや仮想専用線)、専用線や公衆回線網等であってもよい。
本実施形態では、当該監視装置20が監視し得る非常用発電装置(対象装置)として、無線通信ネットワークを介在することなく、監視装置20と同様に有線通信装置等を介してインターネット100に接続されている対象装置が存在してもよい。
次に、非常用発電装置30の構成を図1および図2を参照して説明する。図2には、監視対象の非常用発電装置30の構成例を示すブロック図が図示されている。
非常用発電装置30は、主に、エンジン(ENG)31、発電機(GEN)32、セルモータ(CM)33、コンバータ34(CNV)、バッテリ(BAT)35、コントローラ(CNT)36、燃料タンク37、燃料ポンプ38、無線通信ユニット39等により構成されており、これらは、例えば金属製の筐体内に収容されている。非常用発電装置30は、非常時にエンジン31を使用して発電機32を作動させて負荷に電源を供給するものである。非常用発電装置30は、エンジン31が排出する排気ガスを容易に外部に排煙する必要から、例えば、ビルの屋上等、屋外や戸外に設置されている。
エンジン31は、ピストンエンジンやガスタービンエンジン等の内燃機関であり、発電機32に対して回転エネルギーを与える駆動力源である。エンジン31の起動や停止等の運転を制御するための補機類として、起動制御をするセルモータ33、燃料タンク37からエンジン31に燃料Fを供給制御する燃料ポンプ38、図略の、予熱ヒータ、停止ソレノイドやラジエータ等が設けられている。
発電機32は、エンジン31による回転エネルギーを電磁誘導により電気エネルギーに変換して交流電力を発生させる電力機器であり、この発電機32から出力される交流電力が非常用の電源になる。図示していないが、この発電機32には、出力制御装置や発生した非常用電力を送電するための負荷送電線等が接続されている。
コントローラ36は、エンジン31の起動や停止をはじめ、各種運転状態の制御をしたり、それに付随する種々の制御をしたりするコンピュータ装置である。コントローラ36は、図略の、CPU、メモリ、EEPROM、入出力インタフェース、操作パネル、通信インタフェース等から構成されており、セルモータ33、コンバータ34、予熱ヒータや停止ソレノイド等が接続されている。コントローラ36のメモリには、エンジン31を起動したり、停止したりする制御プログラム等が記憶されている。なお、コントローラ36には、後述するように、各センサ41~49等が接続されており、これらのセンサデータ(センサ情報)41a~49a等が入力され得るように構成されている。
バッテリ35は、所定の直流電圧(例えば24V)を発生し得る充電可能な二次電池であり、前述したセルモータ33、燃料ポンプ38や予熱ヒータのほかに、コントローラ36にも電気的に接続されている。また、発電機32から出力される交流電力をバッテリ35の充電に適した直流電力に変換(交直変換と降圧)するコンバータ34にも接続されている。これにより、バッテリ35は、外部から電力の供給を受けることなく、エンジン31の起動やコントローラ36の駆動を可能にするとともに、発電機32が発電している場合にはコンバータ34により充電される。バッテリ35は、典型的には鉛蓄電池であり、構造や電極の種類によって温度特性や寿命等が異なる。
無線通信ユニット39は、非常用発電装置30をLPWAの基地局15に接続可能にする無線モジュールであり、例えば、920MHz帯の無線周波数を使用して送信電力約10mW、伝送速度は100bps で無線データ通信を行い得るように構成されている。本実施形態では、LPWAの一例として、SIGFOX(登録商標)の無線通信ネットワークを用いてインターネット100を介して監視装置20に接続する。つまり、無線通信ユニット39は、SIGFOX端末として機能する。なお、基地局15は、SIGFOXに対応している。
なお、非常用発電装置30に設けられる無線通信ユニット39には、SIGFOXの識別情報(デバイス識別子と認証コード)が予め付与されており、基地局15はこの識別情報によって当該非常用発電装置30の無線通信ユニット39から送信された送信データであることを識別する。また、SIGFOXによる無線通信ネットワークには、後述するような仕様上の制約がある。
本実施形態の非常用発電装置30は、複数のセンサを備えている。例えば、発電機32に関するセンサとしては、発電機32から出力される交流電圧を計測して発電電圧データ41aを出力する電圧センサ41、発電機32から出力される交流電流を計測して発電電流データ42aを出力する電流センサ42や、発電機32から出力される交流周波数を計測して発電周波数データ43aを出力する周波数センサ43等がある。また、非常用発電装置30の周囲環境に関するセンサとしては、例えば、非常用発電装置30の外気温度を計測して周囲温度データ44aを出力する温度センサ44や、非常用発電装置30の外気湿度を計測して周囲湿度データ45aを出力する湿度センサ45等がある。
また、バッテリ35に関するセンサとしては、例えば、バッテリ35の端子電圧を計測して、バッテリ電圧データ46aを出力する電圧センサ46や、バッテリ35の端子電流を計測して、バッテリ電流データ47aを出力する電流センサ47等がある。さらに、コンバータ34の出力電圧、つまりバッテリ35の充電電圧データ48aを出力する電圧センサ48もある。エンジン31等に関しては、例えば、燃料タンク37に貯留されている燃料量を計測して燃料量データ49aを出力する液位センサ49等がある。
このほか、図示されていないセンサとして、例えば、エンジン31の回転数を計測して回転数データを出力する回転数センサ、エンジン31のウォータジャケットやラジエータを流れる冷却水の温度を計測して水温データを出力する温度センサ、ウォータジャケットやラジエータの冷却水の水量を計測して冷却水量データを出力する液量センサ、エンジンオイルの液量を計測してオイル量データを出力する液量センサ、エンジンオイルの温度を計測してオイル温度データを出力する温度センサ、等を備えている場合もある。また、バッテリ35の電解液の液量を計測して電解液量データを出力する液量センサや、電解液の比重を計測して電解液比重データを出力する比重センサ等を備えている場合もある。さらに、燃料タンク37の燃料の比重を計測して燃料比重データを出力する比重センサ等を備えている場合もある。筐体内の気温を計測して装置内温度データを出力する温度センサや、筐体内の湿度を計測する装置内湿度データを出力する湿度センサ、等を備えている場合もある。また、エンジン31、発電機32、セルモータ33、バッテリ35、燃料タンク37、燃料ポンプ38等の周囲温度を計測して温度データを出力するそれぞれの温度センサや、エンジン31、発電機32、セルモータ33、バッテリ35、燃料タンク37、燃料ポンプ38等の周囲湿度を計測して湿度データを出力するそれぞれの湿度センサ、等を備えている場合もある。また、非常用発電装置30の筐体内(または装置周囲)の振動や気圧を計測して振動データや気圧データを出力する振動センサや気圧センサ等を備えている場合もある。これらのセンサ41~49等から出力される各センサデータ41a~49a等は、コントローラ36に入力されて、後述する装置情報送信制御処理によって、監視装置20に送信される。
このように非常用発電装置30を構成することにより、発電機32が動作することなく(発電機32の機能が休止して)、商用電源から電力供給される平時や、発電機32が動作して非常用発電装置30から交流電力が供給される非常時のいずれにおいても、非常用発電装置30は、電圧センサ41等が計測したデータを、一定時時間ごとにまたは所定タイミングにSIGFOXの無線通信ネットワークを介して監視装置20に送信することが可能になる。
ただし、本実施形態では、前述のように無線通信ユニット39にSIGFOX端末を用いる。そのため、SIGFOXの上りデータは、図3(A)に示すデータフォーマット(SIGFOXフレーム)に従う必要があり、またSIGFOXの仕様上の制約から1日(24時間)当たりの通信回数が140回以下に抑える必要がある。そこで、本実施形態の装置監視システム10では、図3(B)~図3(F)に示すようなデータ形式の送信データをコントローラ36で生成するとともに、後述する装置情報送信制御処理を実行する。なお、図3には、非常用発電装置30が監視装置20に送信するデータフォーマット等の例を示す説明図が図示されている。
図3(A)に示すように、非常用発電装置30から基地局15に送信する上りデータのSIGFOXフレームは、10バイトのヘッダデータと12バイトのペイロードと、4バイトのフッダとにより構成されている。このうちのペイロード部分が、ユーザが自由に使用することのできる送信用のデータフィールドである。本実施形態では、このデータフィールドを2バイトごとに区切って6つのセグメントとして使用する(図3(B)参照)。
図3(B)に示すように、本実施形態では、例えば、第1セグメントは、グループIDの格納領域に割り当てられる。グループIDは、後述するように非常用発電装置30の稼動状態や稼動スケジュールの違いにより区分されるグループごとに付与される識別子である。また、例えば、第2セグメント~第5セグメントは、各センサ41~49等が出力したデータのうちアナログ値(0~65535)で得られるデータの格納領域に割り当てられる(図3(C)参照)。また、第6セグメントは、それを構成する各ビット(bit0~bit15)のそれぞれが、各センサ41~49等が出力したデータのうち1ビットのデジタル値(0または1)で得られるデータの格納領域に割り当てられる(図3(D)参照)。
図3(C)および図3(D)に示すように、例えば、グループIDが非常用発電装置30の稼動状態が待機状態(他の状態)を示す「01」が第1セグメントに格納されている場合には、第2セグメントにバッテリ電圧データ46aが格納され(例えば26V)、第3セグメントに充電電圧データ48aが格納される(例えば27V)。また、第4セグメントには周囲温度データ44aが格納され(例えば24℃)、第5セグメントには周囲湿度データ45aが格納される(例えば33%)。そして、第6セグメントには、非常用発電装置30の状態データ等が、次のように各ビット(bit0~bit15)に割り付けられて「1」または「0」の2値データとして格納される。
bit0:制御電源のON/OFFの情報(1の場合はON、0の場合はOFF)
bit1:運転状態の情報(1の場合は自動運転、0の場合は試験運転)
bit2:制御支配先の情報(1の場合はリモート、0の場合はローカル)
bit3:重大故障有無の情報(1の場合は有り、0の場合は無し)
bit4:軽微故障有無の情報(1の場合は有り、0の場合は無し)
bit5:入力状態の情報(1の場合は停電、0の場合は復電)
bit6:稼動状態の情報(1の場合は発電、0の場合は待機)
bit7:出力状態の情報(1の場合は発電、0の場合は商用)
bit8:重大故障モード1の故障有無の情報(1の場合は有り、0の場合は無し)
bit9:重大故障モード2の故障有無の情報(1の場合は有り、0の場合は無し)
bit10:重大故障モード3の故障有無の情報(1の場合は有り、0の場合は無し)
bit11:重大故障モード4の故障有無の情報(1の場合は有り、0の場合は無し)
bit12:軽微故障モード1の故障有無の情報(1の場合は有り、0の場合は無し)
bit13:軽微故障モード2の故障有無の情報(1の場合は有り、0の場合は無し)
bit14:軽微故障モード3の故障有無の情報(1の場合は有り、0の場合は無し)
bit15:軽微故障モード4の故障有無の情報(1の場合は有り、0の場合は無し)
なお、制御電源とは、コントローラ36を駆動する電源のことである。運転状態とは、非常用発電装置30が発電している状態(発電状態(一の状態))にあることをいう。自動運転は、当該非常用発電装置30が通常運転(商用電力の停電により自動的に発電状態に移行し得る)されている場合であり、試験運転は、当該非常用発電装置30を試験的に(意図的にマニュアル操作により)発電状態に移行している場合である。
また、図3(E)および図3(F)に示すように、例えば、グループIDが非常用発電装置30の稼動状態が発電状態を示す「02」が第1セグメントに格納されている場合には、第2セグメントにバッテリ電圧データ46aが格納される(例えば26V)。また、第3セグメントに発電電圧データ41aが格納され(例えば200V)、第4セグメントには発電周波数データ43aが格納され(例えば60Hz)、第5セグメントには発電電流データ42aが格納される(例えば100A)。そして、第6セグメントには、非常用発電装置30の状態データ等が、前述と同様に各ビット(bit0~bit15)に割り付けられて「1」または「0」の2値データとして格納される。
なお、図3(C)や図3(E)に示す各データは一例であり、これら以外のデータ、例えば、エンジン31の回転数データ、エンジン31の冷却水の水温データや冷却水量データ、エンジンオイルのオイル量データやオイル温度データ、バッテリ35の電解液量データや電解液比重データ、燃料Fの燃料比重データ、装置内温度データ、エンジン周囲温度データ、発電機周囲温度データ、セルモータ周囲温度データ、バッテリ周囲温度データ、燃料タンク周囲温度データ、燃料ポンプ周囲温度データ、装置内湿度データ、エンジン周囲湿度データ、発電機周囲湿度データ、セルモータ周囲湿度データ、バッテリ周囲湿度データ、燃料タンク周囲湿度データ、燃料ポンプ周囲湿度データ、等を、第1セグメント~第6セグメントのいすれかに格納して送信データを構成してもよい。
このようなデータ形式の送信データは、図4および図5に示す装置情報送信制御処理により生成されて監視装置20に送信される。図4には、非常用発電装置30のコントローラ36により実行される装置情報送信制御処理の流れを示すフローチャートが図示されている。図5には、図4に表されている装置情報送信処理の流れを示すフローチャートが図示されている。なお、これらの各処理を可能にする装置情報送信制御プログラムは、非常用発電装置30のコントローラ36のメモリに格納されている。
図4に示す装置情報送信制御処理は、例えば、非常用発電装置30が自動運転で稼動している場合に毎日午前0時0分0秒に自動的に起動されて午後11時59分59秒に終了する。つまり、24時間ごとに装置情報送信制御処理の起動と終了が繰り返されるようにコントローラ36により設定されている。
装置情報送信制御処理では、まずステップS101により所定の初期化処理が行われる。この処理では、例えば、送信可能回数カウンタの値Nを所定の初期値(例えば140)に設定したり、所定時間を計測するタイマーの値Tを所定の初期値(例えば24時間相当)にセットして値Tのカウントダウンを開始したり、コントローラ36に接続されている各センサ41~49等を初期化したりする。なお、以下、送信可能回数カウンタのことを単に「カウンタ」という場合や、所定時間を計測するタイマーのことを単に「タイマー」という場合がある。
次のステップS103により送信間隔設定処理が行われる。この処理では、送信可能回数カウンタの値Nと当該非常用発電装置30の稼動状態の情報とに基づいて送信間隔を設定する。またこの処理では、ここで設定された送信間隔に適合した送信時期を決める送信タイミングカウンタのカウントダウンを開始する。コントローラ36は、非常用発電装置30のセルモータ33や燃料ポンプ38を制御したり電圧センサ41等から発電電圧データ41a等を取得したりするため、非常用発電装置30の稼動状態を把握している。また、カウンタの値Nは、コントローラ36のメモリに保持されている。
このため、例えば、カウンタの値Nが60を超えて140以下(60<N≦140)であり、当該非常用発電装置30の稼動状態が待機中(待機状態)である場合には、送信間隔は1時間(送信タイミングカウンタの値Sが1時間相当)に設定される。また例えば、カウンタの値Nが同様であり(60<N≦140)、当該非常用発電装置30の稼動状態が発電中(発電状態)である場合には、送信間隔は60秒(送信タイミングカウンタの値Sが60秒相当)に設定される。なお、送信間隔が1時間である場合、本実施形態では、待機状態における最小時間間隔になるが、この場合の1日(24時間)当たりの通信回数は24回になるため、SIGFOXの通信上限回数140回以内に収まる。
本実施形態では、このように送信間隔を、非常用発電装置30が待機状態である場合には長く、非常用発電装置30が発電状態である場合には短くなるように設定している。非常用発電装置30は、通常、発電状態の方が待機状態に比べて、センサデータ41a~49aの変動が大きく、またデータの種類も多い。例えば、発電電圧データ41a、発電電流データ42aおよび発電周波数データ43aは、発電中には変動するが、発電しない待機中においては、いずれも0(ゼロ)であり変動がない。そのため、センサデータ41a~49aの変動が大きくなり易い発電状態においては、送信間隔を待機状態に比べて短く設定している。
続くステップS105では装置情報送信処理が行われる。この処理の詳細は、図5に図示されているため、ここからは図5も参照しながら説明する。図5に示すように、装置情報送信処理では、ステップS201によりセンサ情報取得処理が行われる。
ステップS201の処理では、コントローラ36に接続されている各センサ41~49等から出力されるセンサデータ(センサ情報)41a~49a等を取得してコントローラ36のメモリに一時的に記憶する。例えば、本実施形態では、電圧センサ41から出力される発電電圧データ41a、電流センサ42から出力される発電電流データ42a、周波数センサ43から出力される発電周波数データ43a等を、各センサ41~49等から取得してメモリのワーク領域に記憶する。
次のステップS203では、メモリに記憶されたセンサデータ41a~49a等を前述した送信用のデータフィールドに対応した送信データ領域にセットして、送信データを生成する処理、つまり送信データ生成処理が行われる。
例えば、当該非常用発電装置30の稼動状態が待機中(待機状態)である場合には、図3(C)に示すように、第1セグメントにグループID「01」をセットし、第2セグメント~第6セグメントに、バッテリ電圧データ46a、充電電圧データ48a、周囲温度データ44a、周囲湿度データ45a、状態データ等をそれぞれセットする。また、当該非常用発電装置30の稼動状態が発電中(発電状態)である場合には、図3(E)に示すように、第1セグメントにグループID「02」をセットし、第2セグメント~第6セグメントに、バッテリ電圧データ46a、発電電圧データ41a、発電周波数データ43a、発電電流データ42a、状態データ等をそれぞれセットする。
続くステップS205では、送信時期が到来したか否かの判定処理が行われる。本実施形態では、送信時期の到来は、送信タイミングカウンタの値Sが0(ゼロ)であるか否かにより判定される。この判定処理は送信時期が到来するまで繰り返し行われて(S205;No)、送信時期が到来すると(S205;Yes)、次のステップS207の送信データ送出処理に移行する。
例えば、稼動状態が待機中(待機状態)である場合には、送信タイミングカウンタの値Sが1時間相当に設定されているため、カウントダウンの開始からの経過時間が1時間に達すると、送信データ送出処理(S207)に移行する。また、稼動状態が発電中(発電状態)である場合には、送信タイミングカウンタの値Sが60秒相当に設定されているため、カウントダウンの開始からの経過時間が60秒に達すると、送信データ送出処理(S207)に移行する。
ステップS207の送信データ送出処理では、コントローラ36から無線通信ユニット39に送信データを送出する。無線通信ユニット39は、コントローラ36から送出された送信データが、無線通信ユニット39の送信バッファに入力されると、それに、プレアンブル、フレーム同期ビット、SIGFOXの識別情報や誤り検出情報等から構成されるヘッダやフッダを付加して生成したSIGFOXフレーム(図3(A)参照)を監視装置20に送信する。
送信データの送出が終わると、ステップS209により送信可能回数カウンタの値Nから1を減算する処理が行われた後、図4の装置情報送信制御処理に戻る。即ち、ステップS207によってSIGFOXの無線通信ネットワークを介した無線送信が1回行われたため、送信可能回数カウンタ減算処理(S209)では送信可能回数カウンタの値Nから1を減算する。例えば、カウンタの値Nが140の場合には、この減算処理後の値Nは139(=140-1)になる。
装置情報送信制御処理(図4)に戻ると、ステップS107により残り時間判定処理が行われる。この処理は、所定時間を計測するタイマーの値TとステップS103で設定された送信間隔の時間とに基づいて判定される。例えば、稼動状態が待機中(待機状態)であるときに、残り時間が送信間隔の1時間よりも短い場合には、残り時間がないと判定して(S107;残り時間なし)、本装置情報送信制御処理を終了する。また例えば、稼動状態が発電中(発電状態)であるときに、残り時間が送信間隔の60秒よりも短い場合には、残り時間がないと判定して(S107;残り時間なし)、本装置情報送信制御処理を終了する。なお、稼動状態が待機中(待機状態)であるときの残り時間として、発電中(発電状態)であるときの送信間隔(60秒)を基準に判定してもよい。
これに対して、タイマーの値Tから、残り時間が送信間隔の時間よりも多い場合には、残り時間があると判定して(S107;残り時間あり)、次のステップS109により送信可能回数判定処理が行われる。この判定処理は、送信可能回数カウンタの値Nに基づいて行われる。
即ち、このステップS109では、カウンタの値Nが60よりも大きい場合には(S109;N>60)、送信可能回数が60回以上残っているため、送信間隔設定処理(S103)に戻って、これまでと同様の送信間隔で各処理(S103,S105,S107)を順次行う。これに対して、カウンタの値Nが40よりも大きく60以下である場合には(S109;60≧N>40)、次のステップS111に処理を移して、新たな送信間隔の設定を行う。また、カウンタの値Nが40以下である場合には(S109;40≧N)、ステップS117の判定処理に移行する。
ステップS111では、新たな送信間隔設定処理が行われる。この処理においても、前述のステップS103による送信間隔設定処理と同様に、送信可能回数カウンタの値Nと当該非常用発電装置30の稼動状態の情報とに基づいて送信間隔を設定する。また、ここで設定された送信間隔に適合した送信時期を決める新たな送信タイミングカウンタのカウントダウンを開始する。
このステップS111の送信間隔設定処理では、例えば、カウンタの値Nが40を超えて60以下(40<N≦60)であり、当該非常用発電装置30の稼動状態が待機中(待機状態)である場合には、送信間隔は2時間(送信タイミングカウンタの値Sが2時間相当)に設定される。また例えば、カウンタの値Nが同様であり(40<N≦60)、当該非常用発電装置30の稼動状態が発電中(発電状態)である場合には、送信間隔は120秒(送信タイミングカウンタの値Sが120秒相当)に設定される。
そして、次のステップS113では、前述のステップS105と同様に装置情報送信処理が行われる。ただし、ここでは送信間隔が、待機中、発電中のいずれの場合も前述のステップS105のときの2倍の時間に設定されている。そのため、装置情報送信処理のステップS205においては、例えば、稼動状態が待機中(待機状態)である場合には、送信タイミングカウンタのカウントダウンの開始からの経過時間が2時間に達すると、送信データ送出処理(S207)に移行する。また、稼動状態が発電中(発電状態)である場合には、送信タイミングカウンタのカウントダウンの開始からの経過時間が120秒に達すると、送信データ送出処理(S207)に移行する。
また、ステップS115では、前述のステップS107と同様に残り時間判定処理が行われる。ただし、ここでも送信間隔が、待機中、発電中のいずれの場合も2倍の時間に設定されている。そのため、例えば、稼動状態が待機中(待機状態)であるときに、残り時間が送信間隔の2時間よりも短い場合には、残り時間がないと判定して(S115;残り時間なし)、本装置情報送信制御処理を終了する。また例えば、稼動状態が発電中(発電状態)であるときに、残り時間が送信間隔の120秒よりも短い場合には、残り時間がないと判定して(S115;残り時間なし)、本装置情報送信制御処理を終了する。なお、稼動状態が待機中(待機状態)であるときの残り時間として、発電中(発電状態)であるときの送信間隔(120秒)を基準に判定してもよい。
これに対して、タイマーの値Tから、残り時間が送信間隔の時間よりも多い場合には、残り時間があると判定して(S115;残り時間あり)、次のステップS117により送信可能回数判定処理が行われる。この判定処理は、送信可能回数カウンタの値Nに基づいて行われる。
さらに、ステップS117では、前述のステップS109と同様に送信可能回数判定処理が行われる。ただし、ここでは、送信可能回数カウンタの値Nの判定範囲がステップS109と異なる。即ち、このステップS117では、カウンタの値Nが40よりも大きい場合には(S117;N>40)、送信可能回数が40回以上残っているため、送信間隔設定処理(S111)に戻る。
これに対して、カウンタの値Nが20よりも大きく40以下である場合には(S117;40≧N>20)、次のステップS119に処理を移して、さらに新たな送信間隔の設定を行う。また、カウンタの値Nが20以下である場合には(S117;20≧N)、ステップS125の判定処理に移行する。
ステップS119では、さらに新たな送信間隔設定処理が行われる。この処理においても、前述のステップS103やS111による送信間隔設定処理と同様に、送信可能回数カウンタの値Nと当該非常用発電装置30の稼動状態の情報とに基づいて送信間隔を設定する。また、ここで設定された送信間隔に適合した送信時期を決める新たな送信タイミングカウンタのカウントダウンを開始する。
このステップS119の送信間隔設定処理では、例えば、カウンタの値Nが20を超えて40以下(20<N≦40)であり、当該非常用発電装置30の稼動状態が待機中(待機状態)である場合には、送信間隔は3時間(送信タイミングカウンタの値Sが3時間相当)に設定される。また例えば、カウンタの値Nが同様であり(20<N≦40)、当該非常用発電装置30の稼動状態が発電中(発電状態)である場合には、送信間隔は240秒(送信タイミングカウンタの値Sが240秒相当)に設定される。
そして、次のステップS121では、前述のステップS113と同様に装置情報送信処理が行われる。ただし、ここでは送信間隔が、待機中の場合は3時間、発電中の場合は240秒に設定されている。そのため、装置情報送信処理のステップS205においては、例えば、稼動状態が待機中(待機状態)である場合には、送信タイミングカウンタのカウントダウンの開始からの経過時間が3時間に達すると、送信データ送出処理(S207)に移行する。また、稼動状態が発電中(発電状態)である場合には、送信タイミングカウンタのカウントダウンの開始からの経過時間が240秒に達すると、送信データ送出処理(S207)に移行する。
また、ステップS123では、前述のステップS115と同様に残り時間判定処理が行われる。ただし、ここでも送信間隔が、待機中の場合は3時間、発電中の場合は240秒に設定されているため、例えば、稼動状態が待機中(待機状態)であるときに、残り時間が送信間隔の3時間よりも短い場合には、残り時間がないと判定して(S123;残り時間なし)、本装置情報送信制御処理を終了する。また例えば、稼動状態が発電中(発電状態)であるときに、残り時間が送信間隔の240秒よりも短い場合には、残り時間がないと判定して(S123;残り時間なし)、本装置情報送信制御処理を終了する。なお、稼動状態が待機中(待機状態)であるときの残り時間として、発電中(発電状態)であるときの送信間隔(240秒)を基準に判定してもよい。
これに対して、タイマーの値Tから、残り時間が送信間隔の時間よりも多い場合には、残り時間があると判定して(S123;残り時間あり)、次のステップS125により送信可能回数判定処理が行われる。この判定処理は、送信可能回数カウンタの値Nに基づいて行われる。
さらに、ステップS125では、前述のステップS117と同様に送信可能回数判定処理が行われる。このステップS125では、カウンタの値Nが20よりも大きい場合には(S125;N>20)、送信可能回数が20回以上残っているため、送信間隔設定処理(S119)に戻る。
これに対して、カウンタの値Nが0よりも大きく20以下である場合には(S125;20≧N>0)、次のステップS127に処理を移して、さらに新たな送信間隔の設定を行う。また、カウンタの値Nが0以下である場合には(S125;0≧N)、送信可能回数が残っていないため、本装置情報送信制御処理を終了する。
ステップS127では、さらにまた新たな送信間隔設定処理が行われる。この処理においても、前述のステップS103、S111やS119による送信間隔設定処理と同様に、送信可能回数カウンタの値Nと当該非常用発電装置30の稼動状態の情報とに基づいて送信間隔を設定する。また、ここで設定された送信間隔に適合した送信時期を決める新たな送信タイミングカウンタのカウントダウンを開始する。
このステップS127の送信間隔設定処理では、例えば、カウンタの値Nが0を超えて20以下(0<N≦20)であり、当該非常用発電装置30の稼動状態が待機中(待機状態)である場合には、送信間隔は4時間(送信タイミングカウンタの値Sが4時間相当)に設定される。また例えば、カウンタの値Nが同様であり(0<N≦20)、当該非常用発電装置30の稼動状態が発電中(発電状態)である場合には、送信間隔は480秒(送信タイミングカウンタの値Sが480秒相当)に設定される。
そして、次のステップS129では、前述のステップS121と同様に装置情報送信処理が行われる。ただし、ここでは送信間隔が、待機中の場合は4時間、発電中の場合は480秒に設定されている。そのため、装置情報送信処理のステップS205においては、例えば、稼動状態が待機中(待機状態)である場合には、送信タイミングカウンタのカウントダウンの開始からの経過時間が4時間に達すると、送信データ送出処理(S207)に移行する。また、稼動状態が発電中(発電状態)である場合には、送信タイミングカウンタのカウントダウンの開始からの経過時間が480秒に達すると、送信データ送出処理(S207)に移行する。
また、ステップS131では、前述のステップS123と同様に残り時間判定処理が行われる。ただし、ここでも送信間隔が、待機中の場合は4時間、発電中の場合は480秒に設定されている。そのため、例えば、稼動状態が待機中(待機状態)であるときに、残り時間が送信間隔の4時間よりも短い場合には、残り時間がないと判定して(S131;残り時間なし)、本装置情報送信制御処理を終了する。また例えば、稼動状態が発電中(発電状態)であるときに、残り時間が送信間隔の480秒よりも短い場合には、残り時間がないと判定して(S131;残り時間なし)、本装置情報送信制御処理を終了する。なお、稼動状態が待機中(待機状態)であるときの残り時間として、発電中(発電状態)であるときの送信間隔(480秒)を基準に判定してもよい。
これに対して、タイマーの値Tから、残り時間が送信間隔の時間よりも多い場合には、残り時間があると判定して(S131;残り時間あり)、再度、ステップS127により送信間隔設定処理が行われる。この判定処理は、送信可能回数カウンタの値Nに基づいて行われる。
このように装置監視システム10の非常用発電装置30を構成することによって、非常用発電装置30からSIGFOXの無線通信ネットワークを介して監視装置20に送られる送信データ90は、例えば、図6に示すタイミングで送信される。図6には、非常用発電装置30が監視装置20に送信する送信データ90のタイミングの例を示す説明図が図示されている。
例えば、午前0時0分に非常用発電装置30の駆動電源が投入されて2~3時間を経過するまでの間は当該非常用発電装置30の稼動状態が待機状態であり、その後において、待機状態から発電状態に切り替わった場合には、例えば、図6(A)に示すようなタイミングで非常用発電装置30から監視装置20に送信データ90が送られる。
即ち、午前0時0分に駆動電源が投入された非常用発電装置30では、送信可能回数カウンタの値Nは140から開始され、また所定時間を計測するタイマーの値Tは24時間から開始される。そのため、非常用発電装置30では、稼動開始後の2~3時間は、前述した装置情報送信制御処理のステップS103~S109を繰り返し実行することから、1時間の送信間隔で送信データ90を送信する。そして、稼働状態が待機状態から発電状態に切り替わると、送信間隔が60秒に変更されるため、非常用発電装置30は、装置情報送信制御処理のステップS103~S109を繰り返し実行する(図6(A)の紙面右側の送信データ90)。
送信データ90が送信されるごとに送信可能回数カウンタの値Nが1ずつ減算されることから、やがてカウンタの値Nが60~41になると、当該非常用発電装置30では、装置情報送信制御処理のステップS111~S117を繰り返し実行する。すると、送信間隔が60秒から120秒に変更されるため、非常用発電装置30から送信される送信データ90は、図6(B)に示すように送信間隔が広がる。
そして、カウンタの値Nが40~21になると、当該非常用発電装置30では、装置情報送信制御処理のステップS119~S125を繰り返し実行することから送信間隔は240秒になる。さらに、カウンタの値Nが20~1になると、当該非常用発電装置30では、装置情報送信制御処理のステップS127~S131を繰り返し実行して送信間隔は480秒になる。
なお、本実施形態では、所定時間を計測するタイマーの値Tが0(ゼロ)になった場合(午後11時59分59秒になった場合)には、装置情報送信制御処理は再起動される。そのため、図6(C)に示すように、0時0分0秒を境界にして、送信データ90の送信間隔が拡がることになる(S103~S109)。
また、図6(D)に示すように、非常用発電装置30の発電中(発電状態)において、グループIDが異なる送信データ90a,90bを交互に送信してもよい。例えば、グループIDが「02」の送信データ90aと、グループIDが「03」の送信データ90bとを交互に送信する。グループIDが「02」の送信データ90aには、発電電圧データ41a、発電電流データ42a、発電周波数データ43aが含まれており、またグループIDが「03」の送信データ90bには、周囲温度データ44a、周囲湿度データ45a、バッテリ電圧データ46a等が含まれている。これにより、ペイロードが短いデータフレーム(例えば12バイト)にあっても、そのフレーム長(12バイト)を超える様々なセンサデータを監視装置20に送信することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態に係る装置監視システム10では、非常用発電装置30のコントローラ36は、送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット39を制御する。つまり、コントローラ36は、所定時間(24時間)内に累積された累積送信回数が増加すると送信データ90を送信する間隔が広がるように無線通信ユニット39を制御する。
これにより、監視される非常用発電装置30は、累積送信回数が増加すると送信データ90を送信する間隔が広がるので、所定時間(24時間)内における送信回数に上限(例えば140回)がある場合においては、その上限回数(140回)に近づくにつれて期間を拡げて送信するようになる。そのため、24時間内の送信回数が140回以下に定められている装置監視システム10においては、例えば、所定の時間間隔ごとに繰り返し送信するような従来の装置監視システムに比べて長期間に亘って送信することが可能になる。
また、本実施形態に係る装置監視システム10では、コントローラ36は、発電状態(運転状態(一の状態))では、送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット39を制御し、待機状態(他の状態)では、所定時間(24時間)内における送信回数が送信可能回数(140回)内になる所定間隔で送信データ90を送信するように無線通信ユニット39を制御する。
これにより、非常用発電装置30の発電状態では送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット39を制御することによって、送信可能回数が多く残っている、例えば、待機状態から発電状態への移行直後においては、短い送信間隔で多くの発電電圧データ41a等を送信することが可能になる。また、送信可能回数が少なくなりつつある、発電状態に移行してからある程度時間が経過したときにおいては、データ量は少なくなるものの、長期間に亘り長い送信間隔で発電電圧データ41a等を送信することが可能になる。
このように本実施形態に係る装置監視システム10では、非常用発電装置30のコントローラ36は、制御処理が進むに従って待機状態および発電状態のいずれにおいても送信データ90の送信間隔が大きくなるように制御した(S103,S111,S119,S127)。例えば、待機状態では、1時間(S103)→2時間(S111)→3時間(S119)→4時間(S127)というように、また発電状態では、60秒(S103)→120秒(S111)→240秒(S119)→480秒(S127)というように、送信データ90の送信間隔が長くなる。
しかし、本実施形態に係る装置監視システム10では、このような制御処理に限られることはない。例えば、非常用発電装置30のコントローラ36が、発電状態の場合だけ制御処理が進むに従って送信間隔が大きくなるように制御し、待機状態の場合には制御処理の進行に関係なく送信間隔を一定に制御し得るように上述の装置情報送信制御処理を構成してもよい。この一定の送信間隔は、所定時間内における送信回数が送信可能回数内になる所定間隔に設定される。またこれとは逆に、待機状態の場合だけ制御処理が進むに従って送信間隔が大きくなるように制御し、発電状態の場合には制御処理の進行に関係なく送信間隔を一定に制御し得るように上述の装置情報送信制御処理を構成してもよい。
これにより、少なくとも発電状態(または待機状態)においては、制御処理が進むに従って(送信可能回数が少なくなるほど)送信間隔が大きくなるため、送信開始直後においては、短い送信間隔で多くの送信データ90を送信することが可能になり、送信を開始してから、ある程度時間が経過したときにおいては、データは少なくなるものの長期間に亘って送信データ90を送信することが可能になる。
なお、本実施形態に係る装置監視システム10では、無線通信ユニット39は、複数のセンサ41~49等から出力されるセンサデータ41a~49a等を、非常用発電装置30(対象装置)に対応する複数のグループに分けてグループごとにまとめてそれぞれを識別可能なグループIDを付与した複数の送信データを生成するように構成してもよい。または非常用発電装置30(対象装置)の稼動スケジュールに対応する複数のグループに分けてグループごとにまとめてそれぞれを識別可能なグループIDを付与した複数の送信データを生成するように構成してもよい。
これにより、監視装置20においては、このようなグループIDに基づいて、非常用発電装置30(対象装置)の稼動状態や非常用発電装置30(対象装置)の稼動スケジュールに対応した送信データを区別することが可能になるので、このようなグループIDが付与されていない場合に比べて監視装置20等による送信データの判別処理が容易になる。
さらに、本実施形態に係る装置監視システム10では、コントローラ36は、エンジン31の起動や停止を制御するため、エンジン31の稼動時間をコントローラ36が積算してエンジン31の累積稼動時間データを生成してそれを送信データ90として監視装置20に送信するように構成してもよい。また、同様にコントローラ36が、発電機32、セルモータ33、バッテリ35や燃料ポンプ38等のそれぞれの累積稼動時間データを生成して送信データ90として監視装置20に送信するように構成してもよい。
また、本実施形態に係る装置監視システム10では、一の状態として「非常用発電装置30が発電している発電状態」、また他の状態として「非常用発電装置30が発電していない待機状態」をそれぞれ例示して説明したが、これらの状態はこの逆でもよい。即ち、一の状態として「非常用発電装置30が発電していない待機状態」、他の状態として「非常用発電装置30が発電している発電状態」にそれぞれ設定して、コントローラ36が上述した装置情報送信制御処理を実行してもよい。また、このような二状態(一の状態と他の状態)以外の状態として、非常用発電装置30が故障している状態があってもよい。
これにより、非常用発電装置30の待機状態では送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット39が制御されるため、送信可能回数が多く残っている、例えば、発電状態から待機状態への移行直後においては、短い送信間隔で多くの発電電圧データ41a等を送信することが可能になる。また、送信可能回数が少なくなりつつある、待機状態に移行してからある程度時間が経過したときにおいては、データ量は少なくなるものの、長期間に亘り長い送信間隔で発電電圧データ41a等を送信することが可能になる。
また、本実施形態に係る装置監視システム10では、一の状態として「非常用発電装置30が発電している発電状態」、また他の状態として「非常用発電装置30が発電していない待機状態」をそれぞれ例示して説明したが、一の状態として「非常用発電装置30が故障していない正常状態」、他の状態として「非常用発電装置30が故障している故障状態」にそれぞれ設定して、コントローラ36が上述した装置情報送信制御処理を実行してもよい。これにより、非常用発電装置30が正常状態では、送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット39が制御されるため、送信可能回数が多く残っている、例えば、故障状態から正常状態への移行直後においては、短い送信間隔で多くの発電電圧データ41a等を送信することが可能になる。また、送信可能回数が少なくなりつつある、正常状態に移行してからある程度時間が経過したときにおいては、データ量は少なくなるものの、長期間に亘り長い送信間隔で発電電圧データ41a等を送信することが可能になる。
なお、これらの状態はこの逆でもよい。即ち、一の状態として「非常用発電装置30が故障している故障状態」、他の状態として「非常用発電装置30が故障していない正常状態」にそれぞれ設定して、コントローラ36が上述した装置情報送信制御処理を実行してもよい。これにより、非常用発電装置30が故障状態では送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット39が制御されるため、送信可能回数が多く残っている、例えば、正常状態から故障状態への移行直後においては、短い送信間隔で多くの発電電圧データ41a等を送信することが可能になる。また、送信可能回数が少なくなりつつある、故障状態に移行してからある程度時間が経過したときにおいては、データ量は少なくなるものの、長期間に亘り長い送信間隔で発電電圧データ41a等を送信することが可能になる。
また、本実施形態に係る装置監視システム10では、一の状態として「非常用発電装置30の周囲温度が所定温度以下の状態」または「非常用発電装置30の周囲湿度が所定湿度以下の状態」に設定し、また他の状態として「非常用発電装置30の周囲温度が所定温度を超える状態」または「非常用発電装置30の周囲湿度が所定湿度を超える状態」に設定して、コントローラ36が上述した装置情報送信制御処理を実行してもよい。所定温度は、例えば10℃である。また所定湿度は、例えば10%である。また、振動や気圧についても、所定値以下(または所定値超過)の状態を一の状態として、また所定値超過(または所定値以下)の状態を他の状態として、それぞれを設定してもよい。
これにより、非常用発電装置30の周囲温度(または周囲湿度)が所定温度(または所定湿度)以下の状態では、送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット39が制御される。そのため、送信可能回数が多く残っている、例えば、非常用発電装置30の周囲温度(または周囲湿度)が、所定温度(または所定湿度)を超える状態から所定温度(または所定湿度)以下の状態に移行した直後においては、短い送信間隔で多くの発電電圧データ41a等を送信することが可能になる。また、送信可能回数が少なくなりつつある、所定温度(または所定湿度)以下の状態に移行してからある程度時間が経過したときにおいては、データ量は少なくなるものの、長期間に亘り長い送信間隔で発電電圧データ41a等を送信することが可能になる。また、振動や気圧についても、同様の制御処理によって、短い期間で送信したり長期間に亘り送信したりすることが可能になる。
なお、上述した実施形態では、監視される対象装置の例として、非常用発電装置30を例示して説明したが、例えば、図7に示す無停電電源装置50を監視装置20が監視する対象装置とした装置監視システム(以下「他の装置監視システム」という)を構成しても、上述と同様な技術的な作用および効果を得ることができる。図7には、監視対象の無停電電源装置50の構成例を示すブロック図が図示されている。なお図6も適宜参照する。
図7に示すように、無停電電源装置50は、コンバータ51、インバータ52、バッテリ53、スイッチ54、コントローラ55、無線通信ユニット59等により構成されている。コンバータ51は、入力端子INから入力される商用電力をバッテリ53の充電に適した直流電力に降圧する電力変換器である。
インバータ52は、バッテリ53から供給される直流電力を商用電力とほぼ同電位に昇圧する昇圧変換機能と、昇圧後の直流電力を交流電力に変換する直交変換機能と、を併せ持つ電力変換器である。
バッテリ53は、例えば、端子電圧が24Vの鉛蓄電池(二次電池)であり、非常用発電装置30のバッテリ35とほぼ同様に構成されている。スイッチ54は、出力端子OUTと入力端子INの導通、または出力端子OUTとインバータ52の出力側の導通を切り換え得るものである。
コントローラ55は、コンバータ51およびインバータ52の起動や停止を制御したり、スイッチ54の切り換えを制御したりする制御装置であり、図示しない、CPU、メモリ、EEPROM、入出力インタフェース、通信インタフェース等から構成されている。コントローラ55には、コンバータ51、インバータ52、スイッチ54や無線通信ユニット59等が接続されている。コントローラ55のメモリには、コンバータ51、インバータ52やスイッチ54を制御する制御プログラム等が記憶されている。
無線通信ユニット59は、無停電電源装置50をLPWAの基地局15に接続可能にする無線モジュールであり、本実施形態では、非常用発電装置30の無線通信ユニット39とほぼ同様に構成されSIGFOX端末として機能する。無線通信ユニット59は、例えば、920MHz帯の無線周波数を使用して送信電力約10mW、伝送速度は100bps で無線データ通信を行い得るように構成されている。
無停電電源装置50は、複数のセンサを備えており、これらのセンサは、いずれもコントローラ55に接続されている。例えば、入力端子INに入力される商用電力に関するセンサとしては、入力される交流電圧を計測して入力電圧データ61aを出力する電圧センサ61や、入力される交流電流を計測して入力電流データ62aを出力する電流センサ62等がある。また、インバータ52から出力される交流電力に関するセンサとしては、出力される交流電圧を計測して出力電圧データ63aを出力する電圧センサ63や、出力される交流電流を計測して出力電流データ64aを出力する電流センサ64等がある。
また、バッテリ53に関するセンサとしては、コンバータ51の出力電圧、つまりバッテリ53の充電電圧データ(または出力電圧データ)65aを出力する電圧センサ65がある。さらに、無停電電源装置50の周囲環境に関するセンサとしては、例えば、無停電電源装置50の外気温度を計測して周囲温度データ66aを出力する温度センサ66や、無停電電源装置50の外気湿度を計測して周囲湿度データ67aを出力する湿度センサ67等がある。
このほか、図示されていないセンサとして、例えば、バッテリ53を構成するセル個々の出力電圧を計測してセル電圧データを出力するセル電圧センサ、バッテリ53の電解液の液量を計測して電解液量データを出力する液量センサや、電解液の比重を計測して電解液比重データを出力する比重センサ等を備えている場合もある。また、インバータ53が出力する交流電力の出力周波数を計測して交流出力周波数データを出力する周波数センサ等を備えている場合もある。さらに、コンバータ51、インバータ52、バッテリ53等の周囲温度を計測して温度データを出力するそれぞれの温度センサや、コンバータ51、インバータ52、バッテリ53等の周囲湿度を計測して湿度データを出力するそれぞれの湿度センサ、等を備えている場合もある。また、コンバータ51やインバータ53を構成するスイッチング素子(パワーMOSFETやIGBT等)の素子温度を計測して素子温度データを出力するそれぞれの温度センサや、コンバータ51やインバータ52のヒートシンク(放熱器)の温度を計測して温度データを出力する温度センサ、筐体内の気温を計測して装置内温度データを出力する温度センサや、筐体内の湿度を計測する装置内湿度データを出力する湿度センサ、等を備えている場合もある。また、無停電電源装置50の筐体内(または装置周囲)の振動や気圧を計測して振動データや気圧データを出力する振動センサや気圧センサ等を備えている場合もある。これらのセンサ61~67等から出力される各センサデータ61a~67a等は、コントローラ55に入力されて、装置情報送信制御処理によって監視装置20に送信される。
このように構成される無停電電源装置50では、コントローラ55は、入力端子INに入力される商用電力の電圧を電圧センサ61により監視し、商用電力の給電が途絶えた場合、つまり停電した場合には、インバータ52を起動してバッテリ53から供給される直流電力を昇圧および交流電力に変換する。またこれとほぼ同時に、コントローラ55は、スイッチ54を切り替えてインバータ52の出力側と出力端子OUTとの間を導通状態に接続する。これにより、インバータ52から出力される交流電力が出力端子OUTに出力される。一方、平時には、コントローラ55は、入力端子INから入力される交流電力をスイッチ54を介して出力端子OUTに出力するとともに、コンバータ51によって降圧変換された直流電力によりバッテリ53を充電する。
このような動作を行う無停電電源装置50についても、監視装置20による監視が可能である。つまり、図1に示す装置監視システム10において、非常用発電装置30に代えて無停電電源装置50に置き換えることにより、1台の監視装置20とこれに監視される複数の無停電電源装置50とにより構成される、他の装置監視システムを構築することが可能になる。
このような他の装置監視システムでは、各センサ61~67等から出力された各センサ情報(入力電圧データ61a、入力電流データ62a、出力電圧データ63a、出力電流データ64a、充電電圧データ(または出力電圧データ)65a、周囲温度データ66a、周囲湿度データ67a等)をコントローラ55が取得し、無線通信ユニット59によりSIGFOXの無線通信ネットワークを介して監視装置20に送信する。より具体的には、図4に示す装置情報送信制御処理をコントローラ55が実行することによって、前述した非常用発電装置30を監視対象にした装置監視システム10と同様な技術的な作用および効果を得られる。
即ち、この他の装置監視システムでは、無停電電源装置50のコントローラ55は、送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット59を制御する。つまり、コントローラ55は、所定時間(24時間)内に累積された累積送信回数が増加すると送信データ90を送信する間隔が広がるように無線通信ユニット59を制御する。
これにより、監視される無停電電源装置50は、累積送信回数が増加すると送信データ90を送信する間隔が広がるので、所定時間(24時間)内における送信回数に上限(例えば140回)がある場合においては、その上限回数(140回)に近づくにつれて期間を拡げて送信するようになる。そのため、24時間内の送信回数が140回以下に定められている装置監視システムにおいては、例えば、所定の時間間隔ごとに繰り返し送信するような従来の装置監視システムに比べて長期間に亘って送信することが可能になる。
また、この他の装置監視システムでは、コントローラ55は、インバータ52が動作する運転状態では、送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット59を制御し、待機状態では、所定時間(24時間)内における送信回数が送信可能回数(140回)内になる所定間隔で送信データ90を送信するように無線通信ユニット59を制御する。
これにより、無停電電源装置50の運転状態では送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット59を制御することによって、送信可能回数が多く残っている、例えば、待機状態から運転状態への移行直後においては、短い送信間隔で多くの出力電圧データ63a等を送信することが可能になる。また、送信可能回数が少なくなりつつある、運転状態に移行してからある程度時間が経過したときにおいては、データ量は少なくなるものの、長期間に亘り長い送信間隔で出力電圧データ63a等を送信することが可能になる。
なお、上述した他の装置監視システムでは、コントローラ55は、コンバータ51やインバータ52の起動や停止を制御するため、コンバータ51やインバータ52の稼動時間をコントローラ55が積算してコンバータ51やインバータ52のそれぞれの累積稼動時間データを生成してそれを送信データ90として監視装置20に送信するように構成してもよい。また、同様にコントローラ55が、バッテリ53やスイッチ54等のそれぞれの累積稼動時間データを生成して送信データ90として監視装置20に送信するように構成してもよい。
また、上述した他の装置監視システムでは、一の状態として「無停電電源装置50が運転している運転状態」、また他の状態として「無停電電源装置50が運転していない待機状態」をそれぞれ例示して説明したが、これらの状態はこの逆でもよい。即ち、一の状態として「無停電電源装置50が運転していない待機状態」、また他の状態として「無停電電源装置50が運転している運転状態」にそれぞれ設定して、コントローラ55が上述した装置情報送信制御処理を実行してもよい。また、このような二状態(一の状態と他の状態)以外の状態として、無停電電源装置50が故障している状態があってもよい。
これにより、無停電電源装置50の運転状態では送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット59が制御されるため、送信可能回数が多く残っている、例えば、運転状態から待機状態への移行直後においては、短い送信間隔で多くの出力電圧データ63a等を送信することが可能になる。また、送信可能回数が少なくなりつつある、待機状態に移行してからある程度時間が経過したときにおいては、データ量は少なくなるものの、長期間に亘り長い送信間隔で出力電圧データ63a等を送信することが可能になる。
また、このような他の装置監視システムでは、一の状態として「無停電電源装置50が故障していない正常状態」、また他の状態として「無停電電源装置50が故障している故障状態」にそれぞれ設定して、コントローラ55が上述した装置情報送信制御処理を実行してもよい。これにより、無停電電源装置50が正常状態では、送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット59が制御されるため、送信可能回数が多く残っている、例えば、故障状態から正常状態への移行直後においては、短い送信間隔で多くの出力電圧データ63a等を送信することが可能になる。また、送信可能回数が少なくなりつつある、正常状態に移行してからある程度時間が経過したときにおいては、データ量は少なくなるものの、長期間に亘り長い送信間隔で出力電圧データ63a等を送信することが可能になる。
なお、これらの状態はこの逆でもよい。即ち、一の状態として「無停電電源装置50が故障している故障状態」、また他の状態として「無停電電源装置50が故障していない正常状態」にそれぞれ設定して、コントローラ55が上述した装置情報送信制御処理を実行してもよい。これにより、無停電電源装置50が故障状態では送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット59が制御されるため、送信可能回数が多く残っている、例えば、正常状態から故障状態への移行直後においては、短い送信間隔で多くの出力電圧データ63a等を送信することが可能になる。また、送信可能回数が少なくなりつつある、故障状態に移行してからある程度時間が経過したときにおいては、データ量は少なくなるものの、長期間に亘り長い送信間隔で出力電圧データ63a等を送信することが可能になる。
また、他の装置監視システムでは、一の状態として「無停電電源装置50の周囲温度が所定温度以下の状態」または「無停電電源装置50の周囲湿度が所定湿度以下の状態」に設定し、また他の状態として「無停電電源装置50の周囲温度が所定温度を超える状態」または「無停電電源装置50の周囲湿度が所定湿度を超える状態」に設定して、コントローラ55が上述した装置情報送信制御処理を実行してもよい。所定温度は、例えば10℃である。また所定湿度は、例えば10%である。また、振動や気圧についても、所定値以下(または所定値超過)の状態を一の状態として、また所定値超過(または所定値以下)の状態を他の状態として、それぞれを設定してもよい。
これにより、無停電電源装置50の周囲温度(または周囲湿度)が所定温度(または所定湿度)以下の状態では、送信可能回数カウンタの値Nが少なくなるほど送信データ90を送信する間隔が大きくなるように無線通信ユニット59が制御される。そのため、送信可能回数が多く残っている、例えば、無停電電源装置50の周囲温度(または周囲湿度)が、所定温度(または所定湿度)を超える状態から所定温度(または所定湿度)以下の状態に移行した直後においては、短い送信間隔で多くの出力電圧データ63a等を送信することが可能になる。また、送信可能回数が少なくなりつつある、所定温度(または所定湿度)以下の状態に移行してからある程度時間が経過したときにおいては、データ量は少なくなるものの、長期間に亘り長い送信間隔で出力電圧データ63a等を送信することが可能になる。また、振動や気圧についても、同様の制御処理によって、短い期間で送信したり長期間に亘り送信したりすることが可能になる。
なお、上述した実施形態では、所定時間を計測するタイマーの値Tを24時間相当にセットする場合を例示して説明したが、これに限られることはなく、例えば、12時間相当、6時間相当や、48時間相当等でもよい。所定時間を計測するタイマーの値Tは、装置監視システムの仕様やユーザのニーズ等により適宜決定され得る。
また、上述した実施形態では、LPWAとして、SIGFOXによる無線通信ネットワークの例を挙げて説明したが、例えば、LoRa(登録商標)やNB-IoT(Narrow Band-IoT)による無線通信ネットワークを用いてもよい。この場合には、無線通信ユニット39や無線通信ユニット59は、LoRaやNB-IoTに対応した無線端末を構成する必要がある。また、基地局15もLoRaやNB-IoTに対応したものにする必要がある。
また、上述した実施形態では、送信回数に制限がある場合としてSIGFOXの例を挙げて説明したが、SIGFOXのように無線通信ネットワークの仕様上の制約に起因するものに限られることなく、例えば、装置の消費電力を低減するための制約に起因して送信回数に制限があるものであっても、本発明を適用することで、上述した装置監視システム10と同様な技術的な作用および効果を得られる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、上述した具体例を様々に変形または変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。さらに、本明細書または図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つ。なお、[符号の説明]の欄における括弧内の記載は、上述した各実施形態で用いた用語と、特許請求の範囲に記載の用語との対応関係を明示し得るものである。