JP7187870B2 - モータシステム - Google Patents

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Description

本明細書では、2つの電源と、2つのインバータを有し、2つのインバータの出力で1つのモータを駆動するモータシステムを開示する。
従来から、2つの電源と、2つのインバータとを含み、2つのインバータの出力で1つのモータを駆動するモータシステムが知られている(特許文献1参照)。このシステムでは、スター結線のモータの各相を、直列接続した2つの巻線で構成し、一方のインバータを各相の巻線端に接続し、他方のインバータを巻線同士の中間点に接続する。これにより、一方のインバータからの出力で、直列接続した2つの巻線(第1の駆動巻線)を使用してモータが駆動され、他方のインバータからの出力で中間点から内側の巻線(第2駆動巻線)を使用してモータが駆動される。
特開2000-324871号公報
ところで、上記のシステムでは、2つの電源として2つの二次電池を備える場合に、必要に応じてそれぞれの二次電池が外部電力で充電できることが望ましい。また、2つの二次電池を充電するために、2つの二次電池のそれぞれに充電器を接続して、両方の充電器から2つの二次電池に充電することはコスト増大の原因となる。また、2つの充電器に順番に充電ケーブルを接続して、2つの二次電池に順番に充電することは利便性の問題が発生する。さらに、外部電力での二次電池の充電時に、2つのインバータを構成するスイッチング素子に大電流が流れ続けることを抑制することは、素子の劣化を抑制し、寿命を延ばす面から望ましい。特許文献1には、上記のモータシステムで二次電池に外部電力で充電することは開示されていない。
そこで、本明細書では、低コストでありながら、二次電池としての2つの電源を外部電力で充電する場合の利便性を向上でき、かつ、使用相を偏らせないために、素子の劣化を抑制し、寿命を延ばすことが可能なモータシステムを開示する。
本明細書に開示のモータシステムは、モータと、二次電池である第1電源と、二次電池である第2電源と、3相のそれぞれで正極側、負極側に分かれて接続された第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子に並列に電流が逆方向に流れるように接続された第1整流素子とを有し、前記第1電源からの直流電力を交流電力に変換して前記モータに出力する第1インバータと、3相のそれぞれで正極側、負極側に分かれて接続された第2のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子に並列に電流が逆方向に流れるように接続された第2整流素子とを有し、前記第2電源からの直流電力を交流電力に変換して前記モータに出力する第2インバータと、前記第1電源及び前記第1インバータに接続され、外部電力を供給する充電器と、前記第1インバータ及び前記第2インバータの駆動を制御して、前記モータを駆動する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記外部電力で前記第2電源を充電する際には、前記モータを静止させた状態で、前記第1インバータからの電力が、前記モータ及び前記第2インバータを介して前記第2電源に送電されるように、前記第1インバータを制御し、かつ、前記第2インバータの全部の第2スイッチング素子をオフするように制御し、前記外部電力で前記第2電源を充電し、かつ前記外部電力による前回の前記第2電源の充電時と前記第1インバータの制御で用いるd軸電流の正負を同じとした際における、前記第1インバータの複数前記第1スイッチング素子のそれぞれの通電状態から、前回の前記第2電源の充電時と同一相の前記第1スイッチング素子における、3相の前記第1スイッチング素子間での最大電流での使用を確認する同一相使用確認部と、同一相の前記第1スイッチング素子の前記最大電流での使用が確認された場合に前記第1インバータの制御で用いる前記d軸電流の正負を変更するd軸電流調整部と、を含む。
なお、本明細書において、「同一相の使用」とは、継続した使用も、所定の複数回毎に同一相の使用がある場合も、両方の意味を含んでいる。また、第1インバータについて、同一相のスイッチング素子とは、単に第1インバータの同じ相に位置するだけではなく、第1電源の同じ極の側に接続されているスイッチング素子を意味する。
かかる構成とすることで、1つの充電器及び1つの充電口を設ければ、第1電源及び第2電源の双方を充電できる。結果として、充電器及び充電口を2つずつ設ける場合に比べて、低コストでありながら、利便性を向上できる。さらに、外部電力で第1インバータ、モータ、及び第2インバータを介して第2電源を充電する際に、第1インバータで前回の第2電源の充電時と同一相の第1スイッチング素子における、3相の第1スイッチング素子間での最大電流での使用が確認された場合に、第1インバータの制御で用いるd軸電流の正負が変更される。これにより、第1インバータで大電流での同一のスイッチング素子の使用を抑制できるので、第1インバータにおける素子の劣化を抑制し、寿命を延ばすことができる。
本明細書に開示のモータシステムによれば、1つの充電器及び1つの充電口を設ければ、第1電源及び第2電源の双方を充電できる。結果として、充電器及び充電口を2つずつ設ける場合に比べて、低コストでありながら、利便性を向上できる。さらに、第1インバータにおける素子の劣化を抑制し、寿命を延ばすことができる。
実施形態に係るモータシステムの全体構成を示す図である。 制御装置の構成を示す図である。 1つのインバータの場合におけるモータ電圧ベクトルVを説明する図である。 2つのインバータの場合におけるモータ電圧ベクトルVの分配例を示す図である。 実施形態において、第1インバータの制御に用いるd軸電流の変更方法を示すフローチャートである。 前回の第2電源を充電した際におけるd軸電流、モータ電流(3相表現)、ロータの角度位置を示す図である。 図6Aの場合に、第1インバータのスイッチング素子の通電状態を示す図である。 今回の第2電源の充電の際にd軸電流の正負を変更した場合において、d軸電流、モータ電流(3相表現)、ロータの角度位置を示す図である。 図7Aの場合に、第1インバータのスイッチング素子の通電状態を示す図である。 今回の第2電源の充電の際にd軸電流の正負が維持された場合において、d軸電流、モータ電流(3相表現)、ロータの角度位置を示す図である。 図8Aの場合に、第1インバータのスイッチング素子の通電状態を示す図である。 回生方式で第2電源を外部充電する際のモータ電圧ベクトルVの分配の一例を示す図である。
以下、モータシステムの構成について図面を参照して説明する。以下では全ての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。なお、本開示は、ここに記載される例に限定されるものではない。
「システム構成」
図1は、モータシステムの構成を示す図である。モータ10は、動力を生成する電動機として機能するだけでなく、電力を生成する発電機としても機能する。モータ10はU,V,W相の3相のモータであり、3相のコイル10u,10v,10wを有している。モータは、3相以外の多相としてもよい。
各コイル10u,10v,10wは、リアクトル成分、抵抗成分、誘起電力(逆起電力)成分からなるため、図においてはこれらを直列接続したものとして示している。なお、モータシステムは車両に搭載され、モータ10は車両走行の駆動力を発生する電動機、あるいは、エンジン動力または制動トルクにより発電する発電機として機能する。
3相のコイル10u,10v,10wの一端には、直流電力を交流電力に変換する第1インバータ12が接続され、3相のコイル10u,10v,10wの他端には、直流電力を交流電力に変換する第2インバータ14が接続されている。第1インバータ12には、第1コンデンサ16及び第1電池18が並列接続され、第2インバータ14には、第2コンデンサ20及び第2電池22が並列接続されている。この例では、第1及び第2電源として、それぞれ二次電池である第1及び第2電池18,22を使用しているが、それぞれコンデンサなどの別の蓄電手段としてもよい。
第1インバータ12及び第2インバータ14の構成は同一であり、いずれも、並列接続された三つのレグを有し、各レグは、直列接続された2つのアーム(正極アーム及び負極アーム)を有しており、各相のレグの中間点が対応する相のコイル10u,10v,10wの端部にそれぞれ接続されている。そのため、力行の際には、第1電池18からの直流電力が第1インバータ12で交流電力に変換されてモータ10に出力され、回生(発電)の際にはモータ10からの電力が第1インバータ12を介し第1電池18に供給される。また、第2インバータ14、第2電池22もモータ10と同様の電力のやり取りを行う。
各アームは、スイッチング素子u1~u4、v1~v4、w1~w4と、スイッチング素子と逆方向に電流を流す整流素子(例えば逆流ダイオード)が並列接続されて構成される。スイッチング素子u1~u4、v1~v4、w1~w4は、例えばIGBTなどのトランジスタである。正極側(図1の上側)である正極アームのスイッチング素子u1、u3、v1、v3、w1、w3をオンすることで対応する相のコイルに向けて電流が流れる。負極側(図1の下側)である負極アームのスイッチング素子u2、u4、v2、v4、w2、w4をオンすることで対応する相のコイルから電流が引き抜かれる。正極アームは、正極相であり、負極アームは負極相である。本例では、第1インバータ12、第2インバータ14のそれぞれが3つずつの正極相及び負極相のスイッチング素子を含む場合を説明するが、各インバータは複数のスイッチング素子を含む構成であればよく、上記の例に限定されない。
第1電池18及び第1インバータ12のそれぞれの正極側及び負極側には、リレー26を介して充電器25が接続されている。充電器25は、外部電源(例えば商用電源)の電力、すなわち、外部電力を、第1電池18または第1インバータ12に供給するもので、例えば、AC/DC変換器を備えている。車両には、充電口(図示せず)が一つ設けられており、この充電口には、外部電源装置から延びる充電ケーブルの先端に付いた充電プラグが着脱自在に装着可能である。そして、充電口に充電プラグが装着されることで、充電器25が外部電源と電気的に接続される。リレー26は、外部充電実行時にオンされ、それ以外では、オフされている。なお、充電プラグ及び充電口を利用した有線充電に替えて、外部電源装置及び車両それぞれに設けられた共振コイルを利用した無線充電としてもよい。この場合、充電器25は、車両に設けられた共振コイル(受電部)に接続される。いずれにしても、外部電力で充電(外部充電)する場合、車両、ひいては、モータ10は、静止させる。
制御装置24が電池情報、モータ情報、車両情報、充電情報などに基づき、第1インバータ12、及び第2インバータ14のスイッチング信号を作成し、これらのスイッチングを制御する。
「制御装置の構成」
図2には、制御装置24の構成が示されている。車両制御部30には、アクセルペダル、ブレーキペダルの操作量、車速など車両走行に関する車両情報、第1電池18及び第2電池22の充電状態(SOC1,SOC2)、温度(T1,T2)などの電池情報、外部充電の指示状況や充電口と充電プラグの接続状況などの充電情報が供給される。
そして、車両制御部30は、アクセルペダル、ブレーキペダルの操作量などから、モータ10の出力要求(目標出力トルク)についてのトルク指令を算出する。また、車両制御部30は、外部充電が必要と判断した場合、トルク指令に変えて、充電指令を出力する。
算出されたトルク指令または充電指令は、モータ制御部32の電流指令生成部34に供給される。電流指令生成部34は、トルク指令または充電指令に基づいて、モータ10のベクトル制御における目標となる電流指令であるd軸、q軸電流idcom,iqcomを算出する。電流指令生成部34は、d軸電流調整部に相当する。なお、外部充電を行なう場合の電流指令の算出形態については、後に詳説する。
3相/2相変換部36には、第1電池18、第2電池22の電池電圧VB1,VB2、モータ10のロータ回転角θ、現在の各相電流iu,iv,iwが供給される。3相/2相変換部36は、検出された各相電流iu,iv,iwをd軸、q軸電流id,iqに変換する。
電流指令生成部34は、後述のように、外部電力で第2電池22を充電する際に、同一相使用確認部43からの出力を受けて、d軸電流の正負を変更するか、または維持する処理も行う。同一相使用確認部43は、外部電力で第2電池22を充電した際における、第1インバータ12の複数のスイッチング素子のそれぞれの通電状態から、同一相のスイッチング素子の使用を確認する。電流指令生成部34は、この確認がされた場合にd軸電流の正負を変更する。これにより、第1インバータ12について、大電流での同一相のスイッチング素子の使用を抑制できるので、素子の劣化を抑制できる。
電流指令生成部34からの目標となる電流指令(d軸、q軸電流)idcom,iqcomと、3相/2相変換部36からの現在のd軸、q軸電流id,iqは、PI制御部38に供給され、電圧ベクトルV(d軸励磁電圧指令vd、q軸トルク電圧指令vq)が算出される。PI制御部38は、P(比例)制御、I(積分)制御などのフィードバック制御により電圧指令(モータ電圧ベクトルV(vd、vq))を算出する。なお、予測制御などのフィードフォワード制御を組み合わせてもよい。
算出されたモータ電圧ベクトルV(電圧指令vd,vq)は、分配部40に供給される。分配部40は、モータ電圧ベクトルV(電圧指令vd,vq)を、第1インバータ12用の第1インバータ電圧ベクトルV(INV1)(電圧指令vd1,vq1)と、第2インバータ14用の第2インバータ電圧ベクトルV(INV2)(電圧指令vd2,vq2)に分配する。分配部40の分配については後述する。
分配部40からの電圧指令vd1,vq1は2相/3相変換部42に供給され、ここで第1インバータ用の3相の電圧指令Vu1,Vv1,Vw1に変換されて出力され、電圧指令vd2,vq2は、2相/3相変換部44に供給され、ここで第2インバータ用の3相の電圧指令Vu2,Vv2,Vw2に変換されて出力される。電流指令生成部34、3相/2相変換部36、PI制御部38、分配部40、2相/3相変換部42,44は、モータ制御部32に含まれる。
2相/3相変換部42からの第1インバータ用の3相の電圧指令Vu1,Vv1,Vw1は第1インバータ制御部46に供給され、第2インバータ用の3相の電圧指令Vu2,Vv2,Vw2は、第2インバータ制御部48に供給される。
2相/3相変換部42からの第1インバータ用の3相の電圧指令Vu1,Vv1,Vw1は、同一相使用確認部43にも、供給される。同一相使用確認部43は、車両制御部30からモータ制御部32に充電指令が供給された場合にのみ動作する。同一相使用確認部43の機能は、後述の外部充電で説明する。
第1インバータ制御部46には、ロータ回転角θ、第1インバータ入力電圧VH1が供給されており、PWMキャリア(三角波)と電圧指令Vu1,Vv1,Vw1の比較によって第1インバータ12におけるスイッチング素子のON/OFF用のスイッチング信号を生成し、これを第1インバータ12に供給する。第2インバータ制御部48も同様にして、第2インバータ14におけるスイッチング素子のON/OFF用のスイッチング信号を生成し、これを第2インバータ14に供給する。
このようにして、制御装置24からの信号によって、第1インバータ12、第2インバータ14のスイッチングが制御され、これらの出力が合計され、所望の電流がモータ10に供給される。
「2つのインバータにおける出力の分配」
図2における分配部40は、上位の制御部である車両制御部30から供給される各種情報(分配用情報)や、第1及び第2インバータ12,14の動作状態を示すインバータ情報などに基づいて、モータ電圧ベクトルV(vd,vq)を、第1及び第2インバータ電圧ベクトルV(INV1)、V(INV2)に分配する。この分配は、モータ電圧ベクトルを維持しつつ、2つのインバータ電圧ベクトルに分配することで、大きさの変更、位相の変更、正負の変更を含む。
「出力の分配比率の変更」
このモータ電圧ベクトルVの分配について図3~図4を参照して説明する。図3は、1つのインバータの場合におけるモータ電圧ベクトルVを説明する図であり、図4は、2つのインバータの場合におけるモータ電圧ベクトルVの分配例を示す図である。図4において、太実線は、第1インバータ電圧ベクトルV(INV1)を、太破線は、第2インバータ電圧ベクトルV(INV2)を示している。図3、図4では、ベクトルが重なる場合に、適宜ずらして、見やすくしている。
図3には、1つのインバータによる通常のモータ駆動の際の電圧、電流のベクトル制御について示してある。モータの出力要求に応じて、モータ電圧ベクトルV(d軸電圧vd、q軸電圧vq)、モータ電流ベクトルI(d軸電流id、q軸電流iq)が決定される。そして、モータ電圧×モータ電流が出力(電力)になる。
ここで、本例のシステムでは、第1インバータ12、第2インバータ14の2つのインバータを有している。従って、2つのインバータからの出力を均等にしないこともできる。図4では、第1インバータ12の出力についての電圧ベクトルV(INV1)(第1インバータ電圧ベクトル)と、第2インバータの出力についての電圧ベクトルV(INV2)(第2インバータ電圧ベクトル)について、その位相は変更せず、大きさを異ならせている。この場合、モータ10の出力(電力)に変化はないが、第1インバータ12と、第2インバータ14におけるスイッチング信号の形状(波形)が変化する。なお、第1及び第2インバータ12,14の出力のd軸成分をvd(INV1),vd(INV2)とすると、d軸成分vd=vd(INV1)+vd(INV2)であり、q軸成分vq=vq(INV1)+vq(INV2)である。
図4に示すように、2つのインバータ出力である、電圧ベクトルV(INV1)、V(INV2)の位相を維持しつつ、分配の比率を変更することで、スイッチング信号の波形が変化する。従って、モータ10への相電圧の形状が変化するとともに、スイッチング回数が増減しパルス幅も変化する。第1インバータ12の電圧ベクトルV(INV1)及び第2インバータ14の電圧ベクトルV(INV2)は、互いに位相を異ならせることもできる。
「外部充電」
第1電池18,第2電池22は、充電器25を介して供給される外部電力により充電可能となっている。モータ制御部32は、図示しない上位制御装置から、第1電池18の外部充電が指示された場合、第1インバータ12及び第2インバータ14の双方をシャットダウン(全アームオフ)した上で、充電器25と第1電池18の間に介在するリレー26をオンする。これにより、充電器25を介して、外部電力が、第1電池18に送電され、第1電池18が外部充電される。
一方、上位制御装置から、第2電池22の外部充電が指示された場合、モータ制御部32は、第1インバータ12及び第2インバータ14を制御して、モータ10を静止させた状態で、外部電力を、第1インバータ12から出力し、さらに、この電力をモータ10及び第2インバータ14を介して、第2電池22に送電する。すなわち、第1インバータ12、モータ10のコイル、第2インバータ14を介して、電力が第2電池22に送電される。
このようにインバータ12,14、モータ10を介して、第2電池22に送電することができるので、1つの充電器25で二つの電池18,22を充電できる。その結果、充電器25及びこれに接続する充電口の個数を低減でき、コストを低減できる。なお、各電池18,22の側に充電口及び充電器25を設けることも考えられるが、この場合、外部充電する電池18,22を切り替えるたびに、充電口に挿し込まれた充電プラグを、別の充電口に挿し替えることで、2つの充電器に順番に充電ケーブルを接続して、2つの電池18,22に順番に充電する必要がある。こうした充電プラグの挿し替えは、手間であり、利便性の問題があった。一方、本例のように、1つの充電器25で二つの電池18,22を充電できるようにすれば、こうした充電プラグの挿し替えが不要となり、利便性を向上できる。
ここで、第2電池22の外部充電の方式としては、第2インバータ14をシャットダウンさせるシャットダウン方式と、第2インバータ14を回生駆動させる回生方式と、がある。本例は、シャットダウン方式によって外部電力で第2電池22を充電する。
シャットダウン方式で第2電池22を外部充電する場合には、第2インバータ14は、全アームをオフにしたシャットダウン状態にする。また、第1インバータ12は、モータ10のq軸電流iqがゼロ、d軸電流idが一定値(ゼロ以外)となるように力行駆動される。
トルク電流であるq軸電流iqがゼロとなることで、モータ10の出力トルクもゼロとなり、モータ10は、静止した状態を維持する。また、第1インバータ12からの電流は、モータ10のコイル10u,10v,10wを経た後、第2インバータ14の整流素子(例えば逆流ダイオード)を介して第2電池22へ流れる。これにより、充電器25からの電力が、第2電池22に送電され、第2電池22が充電される。なお、このシャットダウン方式の外部充電は、電力供給側(充電器25)の電位が、受電側(第2電池22)の電位よりも高くなければならない。
次に、図2を参照して、外部充電の制御の流れをより具体的に説明する。電流指令生成部34は、車両制御部30から第2電池22の外部充電を指示されると、モータ10の電流指令として、d軸電流idcom=Ia、q軸電流iqcom=0を出力する(なお、Ia≠0)。なお、d軸電流idcomの値Iaは、第2電池22の状態(例えば許容できる最大入力電力値、SOCなど)や、外部電力(外部電力装置の最大出力電力値など)の状態などに応じて設定する。さらに、電流指令生成部34は、後述の同一相使用確認部43からd軸電流の変更指令が供給された場合に、生成したd軸電流idcomの値Iaの正負を変更して出力する。
電流指令生成部34から電流指令が出力されると、PI制御部38は、通常の制御と同様に、モータベクトル電圧V(vd,vq)を算出する。分配部40は、このモータ電圧ベクトルVを、第1、第2インバータ12,14に分配する。第2電池22を外部充電するとき、第2インバータ14は、シャットダウンするため、モータ電圧ベクトルVは、第1インバータ12が100%、第2インバータ14が0%となる比率で分配される。分配部40は、この分配結果に応じた第1インバータ電圧ベクトルV(INV1)を2相/3相変換部42に出力する。また、分配部40は、第2インバータ14のシャットダウンの指令を2相/3相変換部44に出力する。
2相/3相変換部42は、第1インバータ電圧ベクトルV(INV1)に応じた電圧指令Vu1,Vv1,Vw1を出力し、第1インバータ制御部46は、この電圧指令に応じたスイッチング信号を生成し、第1インバータ12を駆動させる。また、分配部40から出力されたシャットダウン指令は、2相/3相変換部44を経て、第2インバータ制御部48に送られる。第2インバータ制御部48は、このシャットダウン指令に従い、第2インバータ14の全アームをオフにして、第2インバータ14をシャットダウンさせる。こうした制御の結果、第2電池22に電力が送られる。
さらに、本例の場合、第1インバータ12でスイッチング素子に継続して大電流が流れるように使用されることを抑制するために、制御装置24が同一相使用確認部43を含んでいる。同一相使用確認部43は、車両制御部30からモータ制御部32に充電指令が供給された場合に動作する。同一相使用確認部43は、記憶部としてのEEPROMを含んでいる。記憶部は、RAMまたはROMであってもよい。同一相使用確認部43には、ロータ回転角θ、第1インバータ入力電圧VH1、第1インバータ用の3相の電圧指令Vu1,Vv1,Vw1である情報が供給される。同一相使用確認部43は、これらの情報から、第1インバータ12の各スイッチング素子の通電状態を確認する。具体的には、同一相使用確認部43は、第1インバータ12の各スイッチング素子のオンオフ状態と、オンされるスイッチング素子のうち、最大電流が流れるスイッチング素子と、を確認し、EEPROMに記憶する。また、同一相使用確認部43は、今回の充電で最大電流が流れるスイッチング素子と、前回充電時に最大電流が流れるとして記憶されたスイッチング素子とが同一であること、すなわち、最大電流での同一相の使用があることを確認する。
最大電流での同一相の使用が確認されると、同一相使用確認部43から電流指令生成部34に、d軸電流の正負の変更指令が供給される。そして、電流指令生成部34が、生成したd軸電流の正負を変更し、それに応じて、第1インバータ用の3相の電圧指令Vu1,Vv1,Vw1が第1インバータ制御部46に供給される。これにより、電圧指令Vu1,Vv1,Vw1の正負も変更されるので、第1インバータ12のU,V,Wの各相で、使用されるスイッチング素子の正極側と、負極側とが逆になる。このため、大電流での同一のスイッチング素子の使用を抑制できるので、素子温度の上昇を抑制できる。
図5は、実施形態において、第1インバータ12の制御に用いるd軸電流の変更方法を示すフローチャートである。図5に示す処理は、モータ制御部32(図2)で実行される。ステップS11において、車両制御部30からの充電指令がモータ制御部32に供給されることで外部電力での充電動作があるか否かが判定される。ステップS11の判定が肯定(YES)の場合には、同一相使用確認部43がEEPROMから前回充電時における、第1インバータ12で使用されたスイッチング素子(使用素子)の情報を読み取り、ステップS13に移行する。一方、ステップS11の判定が否定(NO)の場合には、ステップS12~S17の処理が行われることなく、d軸電流の変更についての処理が終了する。
ステップS13では、同一相使用確認部43が、前回充電での使用素子を確認し、ステップS14では、同一相使用確認部43が今回充電での使用素子を確認する。その後、ステップS15において、同一相使用確認部43が、前回と今回のそれぞれでの最大電流での同一相のスイッチング素子の使用があるか否かを判定する。
ステップS15の判定が肯定(YES)の場合には、電流指令生成部34でd軸電流idcomの正負を変更し、第1インバータ12と第2インバータ14とを使用して、外部電力で第2電池22が充電され、処理が終了する。このとき、第2インバータ14では全アームがシャットダウンされているので、整流素子が使用されて、第2電池22が充電される。一方、ステップS15の判定が否定(NO)の場合には、電流指令生成部34でd軸電流idcomの正負を維持し、第1インバータと第2インバータ14の整流素子とを使用して第2電池22が充電され、処理が終了する。
図6Aは、前回の第2電池22を充電した際におけるd軸電流idcom、モータ電流(3相表現)、ロータの角度位置Prの1例を示す図である。図6Bは、図6Aの場合に、第1インバータ12のスイッチング素子の通電状態を示す図である。
図6Aに示すように、前回の充電ではd軸電流idcomは負の値となっており、それに応じてモータ10のU相電流iuが負となり、コイル10u(図6B)には、第2インバータ14から第1インバータ12に向かって電流が流れる。また、図6Aに示すように、モータ10のV相電流iv、W相電流iwが正であり、コイル10v、10w(図6B)には、第1インバータ12から第2インバータ14に向かって電流が流れる。このとき、図6Aに示すように、モータ10のロータの角度位置Prは0度である。また、図示は省略するが、充電時にq軸電流iqcom=0となっている。これにより、モータ10の発生トルクはゼロとなり、モータ10は静止される。
図6Bでは、第1インバータ12において、電流が流れる、すなわち使用されるスイッチング素子の左側には、矢印で電流の向きを示している。また、太線の矢印が、細線の矢印より電流が多く流れることを示している。さらに、図6Bでは、第2インバータ14において、破線矢印により、電流が整流素子を矢印で示す向きに流れることを示している。
図6Bに示すように、第1インバータ12では、U相の負極相のスイッチング素子u2に最大電流が流れている。この理由は、正極側で使用されるスイッチング素子が、V相、W相のスイッチング素子v1、w1の2つであるのに対し、負極側で使用されるスイッチング素子が、U相のスイッチング素子u2の1つだけであり、正極側と負極側との電流がトータル0になるためである。本例の構成によれば、U相の負極相のスイッチング素子u2に、今回の充電でも最大電流が流れる場合には、d軸電流idcomの正負が、次の図7A、図7Bのように変更される。
図7Aは、今回の第2電池22の充電の際にd軸電流idcomの正負を変更した場合において、d軸電流idcom、モータ電流(3相表現)、ロータの角度位置Prを示す図である。図7Bは、図7Aの場合に、第1インバータ12のスイッチング素子の通電状態を示す図である。
図7Aと図6Aとのd軸電流idcomを比較して分かるように、今回の充電では、d軸電流idcomの値が負から正に変更されている。これに伴って、モータ電流のU相電流iu、V相電流iv、W相電流iwは、前回の充電の場合に対しそれぞれ正負が逆になる。このため、図7Bに示すように、第1インバータ12の各相では、使用されるスイッチング素子の正極側、負極側が、図6Bの場合とは逆になっている。これにより、大電流での同一のスイッチング素子の使用を抑制できるので、素子の劣化を抑制できる。
一方、図8Aは、今回の第2電池22の充電の際にd軸電流idcomの正負が維持された場合において、d軸電流idcom、モータ電流(3相表現)、ロータの角度位置Prを示す図である。図8Bは、図8Aの場合に、第1インバータ12のスイッチング素子の通電状態を示す図である。
図8Aの場合には、図6Aとのロータ角度位置Prを比較して分かるように、ロータの角度位置Prが図6Aの場合とは異なっている。これに伴って、図8Bに示すように、第1インバータ12のスイッチング素子の通電状態が、図6Bの場合とは異なっている。具体的には、図6Bでは、第1インバータ12で最大電流がU相の負極相のスイッチング素子u2を流れていたのに対し、図8Bでは、最大電流がW相の負極相のスイッチング素子w2を流れている。このとき、U相、V相のそれぞれの正極相のスイッチング素子u1、v1には、W相の負極相のスイッチング素子w2より小さい電流が流れている。
上記のように今回の充電と前回の充電と、で最大電流が流れるスイッチング素子(図6Bのu2、図8のw2)が異なるので、同一相使用確認部43から電流指令生成部34に、d軸電流idcomの正負を変更する指令は供給されない。これによって、電流指令生成部34で生成されたd軸電流idcomの正負が維持される。
本例のように、第1インバータ12の複数のスイッチング素子において、最大電流での同一相のスイッチング素子の使用があると確認された場合にd軸電流の正負を変更するので、ロータの角度位置Prには無関係に最大電流での同一のスイッチング素子の使用を抑制できる。
また、シャットダウン方式で第2電池22を外部電力で充電しているので、第2インバータ14の全てのスイッチング素子がシャットダウンされる。これにより充電の際に、第2インバータ14の素子温度の上昇が問題となることはない。
実施形態の別例として、同一相使用確認部43が、前回の充電と今回の充電とで、最大電流を確認することなく、第1インバータ12の同一相のスイッチング素子の使用があることを確認するように構成することもできる。この構成によっても、例えば、図6Aと図7Aの場合のように、ロータの角度位置Prが同じであれば、第1インバータ12のU,V,Wの各相で使用するスイッチング素子の正極側と負極側とが逆になる。これにより、最大電流が流れるスイッチング素子の正極側と負極側との関係も逆になるので、同じスイッチング素子に大電流が継続して流れることを防止できる。
一方、上記の図8A、図8Bのように今回のロータの角度位置Prが前回とは異なる場合に、第1インバータ12では、V相の正極相のスイッチング素子v1のように、図6A、図6Bの場合と同一の素子が使用される場合がある。この場合に、上記の別例の構成では、このスイッチング素子には最大電流は流れていないが、同一相使用確認部43で同一相の素子の使用が確認されることによって、d軸電流の正負が変更される。このとき、図8Bで第1インバータ12において使用される素子の正極側と負極側とが逆になる。これにより、図6Bで最大電流が流れるスイッチング素子(U相の負極相のスイッチング素子u2)が再使用されることとなる。これにより、素子の温度上昇抑制の面からは、図1~図5に示した構成のように、同一相使用確認部43が、前回の充電と今回の充電とで、最大電流での同一素子の使用を確認する方が有利である。
なお、図示を省略するが、実施形態の別例において、図5のステップS13の代わりに、同一相使用確認部43が、前の連続した予め設定された所定回(N回)の第2電池22の充電での使用素子を確認する構成としてもよい。例えば、同一相使用確認部43は、前回と、その前の連続する3回の合計4回の充電での使用素子を確認する。そして、それぞれの回の充電での最大電流が流れる使用素子を確認する。そして、図5のステップS15では、それぞれの回の最大電流での使用素子のいずれかと、今回の最大電流での使用素子とが同一であるか、すなわち最大電流での同一相の素子の使用があるか否かを判定する。
このような別例の構成によっても、図1~図5の構成と同様に、素子の劣化を抑制できる。
また、上記の各例ではシャットダウン方式で第2電池22を充電する場合を説明したが、充電の方法としては、上記の回生方式もある。回生方式で第2電池22を外部充電する場合には、モータ10のq軸電流iqがゼロ、d軸電流idが一定値(ゼロ以外)となるように、第1インバータ12を力行駆動し、第2インバータ14を回生駆動する。具体的に説明すると、iq=0、id=Iaの場合(なおIa≠0)、モータ電圧ベクトルVは、vq=0、vd=Vaとなる(なおVa≠0)。分配部40は、第1インバータ電圧ベクトルV(INV1)と第2インバータ電圧ベクトルV(INV2)の合成ベクトルが、モータ電圧ベクトルVと等しく、かつ、第1インバータ12の電力がプラス(力行)、第2インバータの電力がマイナス(回生)となるように、モータ電圧ベクトルVを分配する。
図9は、回生方式で第2電池22を外部充電した際のモータ電圧ベクトルVの分配の一例を示す図である。なお、図9では、重なっているベクトルを、適宜ずらして、見やすくしている。上述したとおり、回生方式の外部充電では、電流ベクトルIは、q軸成分(q軸電流)がゼロであり、d軸成分(d軸電流)が一定値となる。また、モータ電圧ベクトルVも、q軸成分(q軸電圧)が、ゼロであり、d軸成分(d軸電圧)が、一定値となる。
第1インバータ電圧ベクトルV(INV1)は、図9に示す通り、モータ電圧ベクトルVと、同一位相かつモータ電圧ベクトルVよりも大きくする。第2インバータ電圧ベクトルV(INV2)は、第1インバータ電圧ベクトルV(INV1)の位相と180度反転している。また、第2インバータ電圧ベクトルV(INV2)の大きさは、第1インバータ電圧ベクトルV(INV1)の大きさから、モータ電圧ベクトルVの大きさを引いた値となっている。これにより、第1インバータ12は、力行状態となり、第2インバータ14は、回生状態となる。なお、この回生方式の場合、電力供給側(第1電池18または充電器25)の電位が、受電側(第2電池22)の電位よりも低くても、充電が可能となる。
このような回生方式では、図2を参照して、第2電池22を外部充電する際に、電流指令生成部34は、車両制御部30から第2電池22の外部充電が指示されると、モータ10の電流指令として、d軸電流idcom=Ia、q軸電流iqcom=0を出力する(なお、Ia≠0)。
電流指令生成部34から電流指令が出力されると、PI制御部38は、通常の制御と同様に、モータベクトル電圧V(vd,vq)を算出する。分配部40は、このモータ電圧ベクトルVを、第1、第2インバータ12,14に分配する。具体的には、第1インバータ12が力行、第2インバータ14が回生状態になるように、モータ電圧ベクトルVを分配する。分配部40は、この分配結果に応じた第1インバータ電圧ベクトルV(INV1)を2相/3相変換部42に、第2インバータ電圧ベクトルV(INV2)を2相/3相変換部44に、出力する。
各2相/3相変換部42,44は、インバータ電圧ベクトルに応じた電圧指令を、インバータ制御部46,48に出力する。各インバータ制御部46,48は、この電圧指令に応じたスイッチング信号を生成し、対応するインバータ12,14を駆動させる。
この回生方式の外部充電では、第1インバータ12は、出力電力が正の値をとるように、力行状態(エネルギ消費状態)で駆動される。第2インバータ14は、出力電力が負の値をとるように、回生状態(エネルギー回収状態)で駆動される。これによって、第2電池22が充電される。このような回生方式の外部充電を行う場合でも、第1インバータ12の制御において、図1~図5の構成と同様に、同一相使用確認部43で同一相の素子の使用を確認した場合にd軸電流idcomの正負を変更することにより、第1インバータ12の素子温度の上昇を抑制できる。一方、第2インバータ14では、U,V,Wの各相で、正極側、負極側のいずれかのスイッチング素子が使用される。このとき、第1インバータ12で同一相の素子の使用が確認され、d軸電流idcomの正負が変更された場合には、第2インバータ14のU,V,Wの各相では、使用素子の正極側と負極側と、が逆になる。これによって、第2インバータ14の素子温度の上昇も抑制できる可能性がある。
シャットダウン方式及び回生方式のいずれで充電するかは、状況に応じて、適宜、切り替えてもよい。ただし、シャットダウン方式を採用したほうが、制御が容易であり、スイッチングロスを低減できるため、送電側(第1電池18または充電器25)の電位が、受電側(第2電池22)の電位より高い場合には、原則、シャットダウン方式で充電するようにしてもよい。いずれにしても、本例のモータシステムによれば、1つの充電器25で、二つの電池18,22を充電できる。そのため、充電器25や充電口を複数設ける必要がないため、コストを低減できる。また、充電の途中で、充電プラグの差し替えなどが不要であるため、ユーザの利便性を向上できる。さらに、第1インバータ12で同一相の素子の使用が確認された場合に、d軸電流の正負が変更されるので、素子の劣化を抑制できる。
上記の各例では、図2に示した電流指令生成部34がd軸電流調整部である場合を説明したが、d軸電流調整部は、電流指令生成部34からd軸電流idcom、q軸電流iqcomを供給され、同一相使用確認部43からd軸電流の正負の変更指令を受けるものであってもよい。d軸電流調整部は、変更指令を受けた場合に、d軸電流idcomの正負を変更して、PI制御部38(図2)に出力する。
なお、これまで説明した構成は、一例であり、モータ10を静止させた状態で、第1インバータ12からの電力を、第2インバータ14を経て、第2電池に送るのであれば、その他の構成は、適宜、変更されてもよい。例えば、本例では、モータ10を静止させるために、q軸電流iqをゼロとしているが、q軸電流iqは、モータ10の静止トルク未満であれば、ゼロより大きくてもよい。また、q軸電流iqを制御するのではなく、モータ10を、機械的なブレーキで静止させてもよい。
また、図2において、モータ制御部32は、上位の制御部となる車両制御部30と別の構成とした。しかし、車両制御部30がモータ制御部32の機能を実施してもよい。また、モータ制御部32を下位のマイコンで構成してもよい。さらに、モータ制御部32の一部または全部をハードで構成してもよい。
10 モータ、12 第1インバータ、14 第2インバータ、16,20 コンデンサ、18 第1電池(第1電源)、22 第2電池(第2電源)、24 制御装置、25 充電器、26 リレー、30 車両制御部、32 モータ制御部、34 電流指令生成部、36 3相/2相変換部、38 PI制御部、40 分配部、42,44 2相/3相変換部、43 同一相使用確認部、46 第1インバータ制御部、48 第2インバータ制御部。

Claims (1)

  1. モータと、
    二次電池である第1電源と、
    二次電池である第2電源と、
    3相のそれぞれで正極側、負極側に分かれて接続された第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子に並列に電流が逆方向に流れるように接続された第1整流素子とを有し、前記第1電源からの直流電力を交流電力に変換して前記モータに出力する第1インバータと、
    3相のそれぞれで正極側、負極側に分かれて接続された第2のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子に並列に電流が逆方向に流れるように接続された第2整流素子とを有し、前記第2電源からの直流電力を交流電力に変換して前記モータに出力する第2インバータと、
    前記第1電源及び前記第1インバータに接続され、外部電力を供給する充電器と、
    前記第1インバータ及び前記第2インバータの駆動を制御して、前記モータを駆動する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記外部電力で前記第2電源を充電する際には、前記モータを静止させた状態で、前記第1インバータからの電力が、前記モータ及び前記第2インバータを介して前記第2電源に送電されるように、前記第1インバータを制御し、かつ、前記第2インバータの全部の第2スイッチング素子をオフするように制御し、
    前記外部電力で前記第2電源を充電し、かつ前記外部電力による前回の前記第2電源の充電時と前記第1インバータの制御で用いるd軸電流の正負を同じとした際における、前記第1インバータの複数前記第1スイッチング素子のそれぞれの通電状態から、前回の前記第2電源の充電時と同一相の前記第1スイッチング素子における、3相の前記第1スイッチング素子間での最大電流での使用を確認する同一相使用確認部と、
    同一相の前記第1スイッチング素子の前記最大電流での使用が確認された場合に前記第1インバータの制御で用いる前記d軸電流の正負を変更するd軸電流調整部と、を含む、
    モータシステム。
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