JP7187289B2 - 排水配管継手および排水配管の維持方法 - Google Patents
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Description
そして、このような排水配管継手は、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体と、床スラブの上方に突出し上階からの排水を流入させる排水立管を接続する上立管接続部と、床スラブの下方に突出し下階に排水を流下させる排水立管を接続する下立管接続部と、床スラブの上方で排水横枝管(単に横枝管と記載する場合がある)を接続する横枝管接続部とを備える。また、このような排水配管継手として、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成されたものが広く知られている。
しかしながら、上述した特許文献1に開示された排水配管継手は、当初に施工される建築物に対応して互いの部材が接着などによって固定されて製造されるために、建築物に施工された後において、たとえば上段側継手部材に1箇所設けられた横枝管接続部の周方向の位置を変更することも上段側継手部材に横枝管接続部を増設することもできない。また、下段側継手部材に3箇所の横枝管接続部が設けられているが当初の施工において横枝管が接続されない場所は蓋や栓で閉じられて製造されて施工されるために、建築物に施工された後において、新たに横枝管を接続することができない。
本発明は、上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成された建築物の床スラブを貫通して設けられる排水配管継手であって、建築物に施工された後において建築物の排水横枝管の配管状態
の変更に容易に対応可能な排水配管継手、排水横枝管からの排水を合流させる排水集合部が上下2段に設けられる場合であっても排水配管の配置にフレキシブルに対応可能な排水配管継手およびこのような排水配管継手が建築物に施工された後の排水配管の維持方法を提供することである。
すなわち、本発明のある局面に係る排水配管継手は、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成され、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体と、前記床スラブの上方に突出し上階からの排水を流入させる排水立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの下方に突出し下階に排水を流下させる排水立管を接続する下立管接続部と、前記床スラブの上方で排水横枝管からの排水を合流させる排水集合部とを備えた排水配管継手であって、前記排水集合部は、前記排水横枝管からの排水が集まる集水室を備え、前記集水室は、前記排水横枝管からの排水が流入する開口部を最大4つ備え、それぞれの前記開口部には前記排水横枝管が接続可能に構成された横枝管接続部材または前記排水横枝管が接続されずに前記開口部を封止する封止部材のいずれかが装着され、前記横枝管接続部材および前記封止部材は、前記集水室とは別体の射出成形品であって、前記集水室に可逆的に装着可能に構成されたことを特徴とする。
さらに好ましくは、前記庇は、下段の前記集水室と一体として成形された、または、前記集水室と別に成形されたように構成することができる。
本発明の別の局面に係る排水配管の維持方法は、上述したいずれかの排水配管継手が建築物に施工された後に、前記建築物の排水横枝管の配管状態の変更に対応して、前記横枝管接続部材または封止部材の装着位置を変更させることを特徴とする。
2とは別体の射出成形品であって、集水室142に可逆的に装着可能に構成される。この集水室142が開口部144を平面視で90°間隔で4つ備える場合には、図3(A)に示す5つの樹脂製の射出成形品に、さらに、横枝管接続部材146、148および封止部材150のいずれか1つが加わる。ここで、たとえば、上段集水室142Uに設けられる上立管接続部120と上階側排水立管220との間の溝G、横枝管接続部材146、148と排水横枝管(図示せず)との間の溝Gには、ゴムパッキンが設けられる。
上述したように、この排水配管構造においては集水室142が上下二段に設けられており(集水室142を含む排水集合部140が上下二段に設けられており)、下段排水集合部140Dにおける下段集水室142Dは、図2(B)、図4および図5に示すように、上段からの排水が下段の排水横枝管へ逆流することを防止する庇160を、上段排水集合部140Uにおける上段集水室142Uの横枝管接続部材146、148の装着数にかかわらず、排水横枝管の方向に対応する3箇所に備える。
さらに、管本体110は、下段排水集合部140Dと下立管接続部130との間における管本体110の内面であって平面視における庇160が存在しない方向に、排水配管継手100内の排水の流れを変化させる部分を備える。より詳しくは、この部分は、管本体110の内面に突出するたとえば旋回羽根114であって、管本体110の外面にはこの旋回羽根114に対応するくぼみ112が形成されている。この旋回羽根114は、建築物に施工された際に、少なくともその一部が床スラブSの上端から下端までの範囲の少なくとも一部に対応する位置に形成されている。なお、排水配管継手100内の排水の流れを変化させる部分であれば、旋回羽根114に限定されるものではなく、偏流板等であっても構わず、その他のものであっても構わない。
このような特徴を備えた排水配管継手100をさらに詳しく説明する。
まず、横枝管接続部材146、148および封止部材150が集水室142に可逆的に装着可能に構成される点について、以下に詳しく説明する。
この排水配管継手100における排水集合部140を構成する集水室142は、上述したように開口部144を最大4つ備える。そして、それらの開口部144のうちの排水横枝管が接続される開口部144には排水横枝管が接続可能に構成された横枝管接続部材146、148が装着され、排水横枝管が接続されない開口部144にはその開口を封止する封止部材150が装着される。これらの横枝管接続部材146、148および封止部材150は、集水室142とは別体の射出成形品で構成されており、集水室142に可逆的に装着可能に構成される。ここで、可逆的に装着可能とは、このような排水配管継手100を建築物に施工した後において、集水室142の開口部144と横枝管接続部材146、148との間から水漏れすることなく、集水室142の開口部144と封止部材150との間から水漏れすることなく、かつ、このように水漏れすることなく集水室142の開口部144に装着された横枝管接続部材146、148および封止部材150を開口部144から取り外して別の横枝管接続部材146、148または封止部材150と再度水漏れすることなく装着できることを意味する。
<上下二段構成>
限定されるものではないが、集水室142を上下二段に備える場合について、以下に更に詳しく説明する。
この庇160は、下段集水室142Dの開口部144の上側部分にほぼ沿った形状となるように設けられる。庇160は、排水横枝管への逆流を防止するためには下段集水室142Dの中心軸へ向かって張り出す形状が好ましいが、あまり張り出し部が大き過ぎると排水性能が低下するために、張り出し長さを抑えて、下側に傾斜させつつ、下側に行くに従って幅W(図2(B)に図示)を狭めた形状を備えている。
図6は、上段排水集合部140Uおよび下段排水集合部140Dを平面視した模式的な図である。集水室142における開口部144は最大4つ備えるが、ここでは、4つおよび3つの場合を示している。ただし、開口部が3つではなく開口部144を4つ設けてそのうちの1つの開口部144には封止部材150が可逆的に装着されていても構わない。しかしながら、後述する理由によりこの封止部材150を横枝管接続部材146、148へ変更して排水横枝管を接続することは好ましくない。
第3のパターンにおいては、点線矢示で示すように、上段において、矢示C方向の排水横枝管が存在しないために(上段において矢示C方向からの排水が存在しないために)、かつ、下段において、矢示A方向の排水横枝管が存在しないために、逆流が存在しない。このため、第3のパターンにおいては下段の矢示A方向に庇160は必要ではないので、その他の3方向に庇160が設けられる。
このようにして、旋回羽根114の機能を十分に発現させつつ、上段側の排水が流れ込まないようにするために下段側の排水横枝管を上段側の排水横枝管と周方向に180°反対側となる位置(対向する位置)には設けないという制限を受けない。
4への流れを阻害して旋回羽根114の機能を十分に発現させることができなくなるために好ましくない。このため、上述したように、開口部144を4つ設けてそのうちの1つの開口部144には封止部材150を可逆的に装着されていたとしても、この封止部材150を横枝管接続部材146、148へ変更して排水横枝管を接続することは好ましくない。
以下において、本実施の形態に係る排水配管継手100を採用した排水配管の維持方法について詳しく説明する。
この維持方法は、上述した排水配管継手100が建築物に施工された後に、建築物の排水横枝管の配管状態の変更に対応して、横枝管接続部材146、148または封止部材150の装着位置を変更させることを特徴とする。
たとえば、新規に建築される建築物(集合住宅など)において、上述したような排水配管継手100を採用して図1および図2に示す排水配管構造を備えた排水配管が構築される。これらの図に示すように構築された排水配管を備えた建築物において、リフォーム等を理由としてトイレを増設して、浴室を移設する場合を想定する。
浴室の移設に対しては、移設元の浴室に接続されていた排水横枝管から移設先の浴室に接続される排水横枝管の変更状態に対応して、たとえば、移設元の浴室に接続されていた排水横枝管が接続されていた排水集合部140の集水室142に可逆的に装着可能に構成された横枝管接続部材146、148を封止部材150に交換して、移設後の浴室に接続される排水横枝管の増設状態に対応して、排水集合部140の集水室142に可逆的に装着可能に構成された封止部材150を横枝管接続部材146、148に交換して移設する浴室に接続される排水横枝管を接続する。
110 管本体
112 くぼみ
114 旋回羽根
120 上立管接続部
130 下立管接続部
140 排水集合部(上段排水集合部140U、下段排水集合部140D)
142 集水室(上段集水室142U、下段集水室142D)
144 開口部
146、148 横枝管接続部材
150 封止部材
160 庇
220 上階側排水立管
230 下階側排水立管
240 集水室接続立管
Claims (7)
- ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成され、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体と、前記床スラブの上方に突出し上階からの排水を流入させる排水立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの下方に突出し下階に排水を流下させる排水立管を接続する下立管接続部と、前記床スラブの上方で排水横枝管からの排水を合流させる排水集合部とを備えた排水配管継手であって、
前記排水集合部は、前記排水横枝管からの排水が集まる集水室を備え、
前記集水室は、前記排水横枝管からの排水が流入する開口部を最大4つ備え、それぞれの前記開口部には前記排水横枝管が接続可能に構成された横枝管接続部材または前記排水横枝管が接続されずに前記開口部を封止する封止部材のいずれかが装着され、
前記横枝管接続部材および前記封止部材は、前記集水室とは別体の射出成形品であって、前記集水室の開口部に装着されて前記排水配管継手を建築物に施工した後において、装着された横枝管接続部材および封止部材を、前記開口部から取り外して別の横枝管接続部材または別の封止部材と再度装着可能に、前記集水室に可逆的に装着可能に構成されたことを特徴とする、排水配管継手。 - 前記集水室が、上下二段に設けられ、
下段の前記集水室は、上段からの排水が前記排水横枝管へ逆流することを防止する庇を、上段の前記集水室の前記横枝管接続部材の装着数にかかわらず、前記排水横枝管の方向に対応する3箇所に備えることを特徴とする、請求項1に記載の排水配管継手。 - 前記庇は、下段の前記集水室と一体として成形された、または、前記集水室と別に成形されたことを特徴とする、請求項2に記載の排水配管継手。
- 前記管本体は、前記排水集合部と前記下立管接続部との間における前記管本体の内面であって平面視における前記庇が存在しない方向に、前記排水配管継手内の排水の流れを変化させる部分を備えることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の排水配管継手。
- 前記管本体は、前記排水集合部と前記下立管接続部との間における前記管本体の内面であって平面視における前記庇が存在しない方向に、前記排水配管継手内の排水の流れを変化させる部分における上下方向の中央部付近を備えることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の排水配管継手。
- 前記庇よりも下方に、前記排水配管継手内の排水の流れを変化させる部分を備えることを特徴とする、請求項5に記載の排水配管継手。
- 請求項1~請求項6のいずれかに記載の排水配管継手が建築物に施工された後に、前記建築物の排水横枝管の配管状態の変更に対応して、前記横枝管接続部材または封止部材の装着位置を変更させることを特徴とする、排水配管の維持方法。
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