JP7187019B2 - 呈色高分子化合物、湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、及び湿度インジケータシリカゲル - Google Patents

呈色高分子化合物、湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、及び湿度インジケータシリカゲル Download PDF

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Description

本発明は、トリフェニルメタン系色素を高分子化することにより得られる呈色高分子化合物、該呈色高分子化合物を素材とする湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、湿度インジケータシリカゲルに関する。さらに言えば、発癌性物質の懸念があるコバルトを使用しない、いわゆるコバルトフリーであり、高分子化することで耐候性の向上が図られ、化学構造が変わることで(発癌性)物質規制を回避することができる呈色高分子化合物、該呈色高分子化合物を素材とする湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、湿度インジケータシリカゲルに関する。
湿度インジケータとは、湿度の程度を色の変化で示す湿度インジケータ用インキ(例えば塩化コバルトを原料とするインキ)を名刺程度の大きさの特殊な吸湿紙の上に印刷したものであり、湿度の状態を色の変化等で簡易的に示すものである。電子部品等の湿度管理を要する製品を配送する際に、乾燥剤と一緒に梱包すれば、配送到着時に、梱包内部の湿度状態を低コストで確認することができる。従来は、湿度インジケータ検知剤(本願で言うところの湿度インジケータ用インキ)として、乾燥状態を目視で確認できるように、塩化コバルトの色変化(無水:青色→六水和物:ピンク色)を利用していたが、欧州化学品庁によって、塩化コバルトが発癌性高懸念物質に指定されたことにより、コバルトフリー型の湿度インジケータ検知剤の開発が急務となっていた。
このような状況の中、初期には塩化コバルト以外の重金属を利用した湿度インジケータ検知剤が開発されたこともあったが、環境的な見地から問題があるため、現在では特許文献2のニュートラルレッドに基づいた検知剤、特許文献3のサフラニンに基づいた検知剤が、更には、特許文献1のフタレイン色素等のpH指示薬等の有機色素に基づいたコバルトフリー型湿度インジケータ検知剤が開発されている。具体的には、ニュートラルレッドやサフラニンに基づいた湿度インジケータ検知剤は酸性成分(例えば硫酸)と共存させて検知剤とするため、シリカゲルのような耐酸性担持体であればよいが、吸湿紙のような耐酸性に劣る担持体であれば、乾燥処理時もしくは長期の保管で黄変もしくは炭化する傾向にある。更には、ニュートラルレッドやサフラニン色素が酸性成分で分解してしまい、インジケータ機能を失活することになる。また、フタレイン色素では低分子、あるいは高分子酸性材料もしくは高分子塩基性材料と複合化することで、湿度によって色が変わる現象を利用しているが、有機色素を用いる湿度インジケータ検知剤も同様に劣化が早く、製品寿命が短いという欠点を有していた。
特許文献1には、「環境への負荷の少ない湿度検知材用組成物、および湿度管理用検知材を提供する(特許文献1:要約)」ことを課題として、「本発明の湿度検知材は、環境負荷の大きな塩化コバルトを使用せず、従来の湿度検知材と同じような色変化を示す湿度検知材として、電子供与性呈色化合物と酸性官能基を有する酸性高分子化合物と潮解性化合物からなる組成物もしくは、電子受容性呈色化合物と塩基性官能基を有する塩基性高分子化合物と潮解性化合物からなる組成物を担持体に塗布、乾燥させた湿度検知材(特許文献1:要約)。」が、開示されている。
特開2009-198271号公報 特開2011-132529号公報 特開2007-40871号公報
特許文献1に係る「環境への負荷の少ない湿度検知剤とその製造方法(特許文献1:発明の名称))」は、コバルトフリーであるため、環境への負荷の少ない湿度インジケータの材料として使用することができる。しかしながら、フタレイン系色素等のpH指示薬を用いる湿度インジケータの場合、劣化が早く、製品寿命が短いという欠点を有している。さらに、数年前よりフェノールフタレインが規制の対象になっており、将来的にはフタレイン系色素はもとより他のpH指示薬に対しても規制の対象になる可能性も危惧されている。
本発明の目的は、コバルトフリー型の湿度インジケータに用いるフタレイン系色素等のトリフェニルメタン系色素を高分子化(本願で言うところの呈色高分子化合物)することで、フタレイン系色素の規制を回避すると同時に、フタレイン系色素の耐候(光)性、環境安定性を向上させ、湿度インジケータの寿命を延ばすことにある。即ち、発癌性物質の懸念があるコバルトを使用しない、いわゆるコバルトフリーであり、高分子化することで耐候(光)性、環境安定性の向上が図られ、化学構造が変わることで(発癌性)物質規制を回避することができる呈色高分子化合物、湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、及び湿度インジケータシリカゲルを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、アクリルアミド部位としてのN-ヒドロキシメチルアクリルアミドを備えたフェノールフタレイン、チモールフタレイン、チモールブルーのうちいずれかのトリフェニルメタン系色素と、水溶性ビニルモノマーであるアクリルアミドを備えることを特徴とする電子受容性呈色高分子化合物と、塩基性化合物とからなることを特徴とする湿度インジケータ用インキであることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の湿度インジケータ用インキを担持体上に塗布することにより形成することを特徴とする湿度インジケータカードであることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載の湿度インジケータ用インキをシリカゲルに担持させることにより形成することを特徴とする湿度インジケータシリカゲルであることを特徴とするものである。
本発明に係る呈色高分子化合物により、発癌性物質の懸念があるコバルトを使用しない、いわゆるコバルトフリーであり、高分子化することで耐候性(耐光性)の向上が図られ、化学構造が変わることで(発癌性)物質規制を回避することができる湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、及び湿度インジケータシリカゲルを提供することができるようになった。
<呈色高分子化合物の化学構造>
以下、本発明に係る呈色高分子化合物の一実施形態について詳細を説明する。下記一般式(1)は、本発明に係る呈色高分子化合物の化学構造式である。
Figure 0007187019000001
(m:n = 0.1:99.9~20:80)
(分子量:数平均分子量が3000から100,000程度)
<呈色高分子化合物の製造方法>
本発明に係る呈色高分子化合物は、フタレイン系色素等のトリフェニルメタン系色素にアクリルアミド部位を導入した後、水溶性ビニルモノマーとの共重合による高分子化を行うことにより得られるものである。本発明に係る呈色高分子化合物の製造方法は、フタレイン系色素等のトリフェニルメタン系色素へのアクリルアミド部位導入工程、(アクリルアミド部位が導入された)フタレイン系色素等のトリフェニルメタン系色素と水溶性ビニルモノマーとの共重合による高分子化工程から構成されている。
具体的には、下記一般化学反応式(2)のように、フタレイン系色素にアクリルアミド部位を導入し、その後、下記一般化学反応式(3)のように、(アクリルアミド部位が導入された)フタレイン系色素とビニル基含有モノマーとの共重合による高分子化を行うことにより得られる。
Figure 0007187019000002
Figure 0007187019000003
本発明に係る呈色高分子化合物に使用されるトリフェニルメタン系色素は、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、チモールブルー以外にも、ニュートラルレッド、クリスタルバイオレット、ブリリアントブルー、ブロムチモールブルー等が挙げられる。
本発明に係る呈色高分子化合物に使用される(フェノールフタレイン、チモールフタレイン、チモールブルー等のトリフェニルメタン系色素と合成することにより、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、チモールブルー等のトリフェニルメタン系色素に)アクリルアミド部位を導入するための化学物質は、N-ヒドロキシメチルアクリルアミド、4-アクリロイルモルホリン、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、3-アクリロイル-2-オキサゾリジノン、6-アクリルアミドヘキサン酸、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパノアート、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N,N'-(1,2-ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、N-ドデシルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N'-エチレンビスアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、N-フェニルアクリルアミド、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン等でも良い。
本発明に係る呈色高分子化合物に使用される(トリフェニルメタン系色素含有高分子を製造するために、アクリルアミド部位を導入したトリフェニルメタン系色素と共重合させる)水溶性ビニルモノマーとしては、アニオン性ビニルモノマー、(カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、アンモニオ基、アルキルアンモニオ基)を有するビニルモノマー等が挙げられる。
具体的には、アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド各種四級塩、アクリロイルモルホリン、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート各種四級塩、アクリル酸、各種アルキルアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA、ポリアクリル酸系ポリマー)、レゾール型フェノール樹脂、メチロール化ユリア(尿素)樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ビニルアルコール、エチレンオキシド、カルボキシメチルセルロース(CMC)、N-メチロールアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、N-ビニルピロリドン、メチルビニルエーテル、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等のスルホン酸基を有するビニルモノマー等の水溶性ビニルモノマー等でも良い。
水溶性ビニルモノマーは、酸性、中性、及びアルカリ性のいずれの水溶液にも溶解し得るポリマーであっても良いし、酸性水溶液中では溶解し、塩基性水溶液中では溶解しない胃溶性ポリマーであっても良いし、塩基性水溶液中では溶解し、酸性水溶液中では溶解しない腸溶性ポリマーであっても良い。得られた呈色高分子化合物と種々の塩基性高分子と複合化することで、本発明に係る湿度インジケータ用インキを得ることができる。湿度インジケータ用インキを担持体上に塗布することにより形成する塩基性湿度インジケータカードを得ることができる。インジケータ用インキをシリカゲルに担持させることにより形成することを特徴とする湿度インジケータシリカゲルを得ることができる。
<湿度インジケータ用インキの製造方法>
湿度インジケータ用インキの製造方法は、電子受容性呈色化合物である下記一般式(1)で示した化学構造を有する化合物と、塩基性成分を有する化合物(水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等)をエタノール水溶液にて溶解し、潮解性化学物質(塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等)を投入することで湿度インジケータ用インキとした。
Figure 0007187019000004
(m:n = 0.1:99.9~20:80)
(分子量:数平均分子量が3000から100,000程度)
<湿度インジケータカードの製造方法>
湿度インジケータカードの製造方法は、上記(湿度インジケータ用インキの製造方法:0021段落)で調整した湿度インジケータ用インキを吸湿紙(300g/m)の所定の位置に25μL塗布し、80℃で15分間乾燥し、湿度インジケータカードとした。
<湿度インジケータシリカゲルの製造方法>
湿度インジケータシリカゲルの製造方法は、上記(湿度インジケータ用インキの製造方法:0021段落)で調整したインキをシリカゲルに浸漬し、所定時間放置後、シリカゲルを濾過し、加熱乾燥させることにより、湿度インジケータシリカゲル(湿度インジケータを担持したシリカゲル)とした。
<呈色高分子化合物、湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、及び湿度インジケータシリカゲルの効果>
本発明に係る呈色高分子化合物により、発癌性物質の懸念があるコバルトを使用しない、いわゆるコバルトフリーであり、高分子化することで耐候性の向上が図られ、化学構造が変わることで(発癌性)物質規制を回避することができる湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、及び湿度インジケータシリカゲルを提供することができるようになった。
本発明に係る呈色高分子化合物は、高分子鎖にペンダント部位として、フタレイン系色素等のトリフェニルメタン系色素部位を導入することに特徴を有している。要するに、水溶性ビニルモノマーの高分子鎖にペンダント部位として、アクリルアミド部位を導入したフタレイン系色素等のトリフェニルメタン系色素を導入することを化学構造上の特徴としている。このような巨大分子(分子量100000程度)であれば生体膜を透過することができないので、毒性が低減されることになる。毒性が低減される例として、エチレングリコールは高い毒性を有しており、ヒトの致死量は成人男性で凡そ90グラムである。その一方で、エチレングリコールの重合体であるポリエチレングリコールは無害であり、国によっては食品添加物として用いられている。
本発明に係る呈色高分子化合物は、低分子化合物を高分子化することで熱的、化学的安定性が向上することに特徴がある。即ち、フタレイン系色素等のトリフェニルメタン系色素の周囲が、水溶性ビニルモノマーの高分子鎖で覆われていることで、劣化の原因となる水分や空気中の酸素等からガードされるため熱的、化学的安定性が向上する。従って、本発明に係る呈色高分子化合物を原料として製造される湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、及び湿度インジケータシリカゲルについても熱的、化学的安定性が向上することは言うまでも無い。
以下、本発明に係る呈色高分子化合物、湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、及び湿度インジケータシリカゲルを実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることが無いことは言うまでもない。以上のような特許に限定するものではなく、pH指示薬成分を利用しているインキ、塗料などに応用することができる。
<呈色高分子化合物に係る実施例1>
アクリルアミド部位を有するフェノールフタレイン(3)の合成
Figure 0007187019000005
10mLのアセトンにN-ヒドロキシメチルアクリルアミド(2)(980mg、9.7mmol)と重合禁止剤としてフェノチアジン(1mg)を溶解させ、窒素気流下で氷冷しながら、塩化アルミニウム(1.3g、9.7mmol)をゆっくり加えた。その後、反応温度を40℃にして、20mLのアセトンに溶解させたフェノールフタレイン(1)(4.0g、13mmol)を滴下し、滴下後さらに、54時間撹拌を続けた。反応終了後、反応系に蒸留水を加え、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体として1.4g(36%)の目的物3を得た。
フェノールフタレイン含有ポリアクリルアミドの合成
Figure 0007187019000006
アンプル管に、アクリルアミド含有フェノールフタレイン(3)(240mg、0.6mmol)、アクリルアミド(810mg、11.4mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(20mg)、テトラヒドロフラン(THF)(5mL)を加え、freeze-thaw法(凍結融解法)によって脱気を行ってから65℃で22時間反応させた。反応終了後にアンプル管を開封し、ジエチルエーテルで再沈殿することにより、白色固体として990mg(94%)のフェノールフタレイン含有ポリアクリルアミドを得た。
<呈色高分子化合物に係る実施例2>
アクリルアミド部位を有するチモールフタレイン(5)の合成
Figure 0007187019000007
10mLのアセトンにN-ヒドロキシメチルアクリルアミド(2)(980mg、9.7mmol)と重合禁止剤としてフェノチアジン(1mg)を溶解させ、窒素気流下で氷冷しながら、塩化アルミニウム(1.3g、9.7mmol)をゆっくり加えた。その後、反応温度を40℃にして、20mLのアセトンに溶解させたチモールフタレイン(4)(5.0g、12mmol)を滴下し、滴下後さらに、25時間撹拌を続けた。反応終了後、反応系に蒸留水を加え、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物にベンゼンを加えてから濾過を行い、濾液を減圧下で濃縮して淡黄色固体を得た。淡黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体として1.5g(30%)の目的物5を得た。
Figure 0007187019000008
チモールフタレイン含有ポリアクリルアミドの合成
アンプル管に、アクリルアミド含有チモールタレイン(5)(150mg、0.3 mmol)、アクリルアミド(410mg、5.7mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(10mg)、テトラヒドロフラン(THF)(5mL)を加え、freeze-thaw法(凍結融解法)によって脱気を行ってから65℃で22時間反応させた。反応終了後にアンプル管を開封し、ジエチルエーテルで再沈殿することにより、白色固体として520mg(91%)のチモールフタレイン含有ポリアクリルアミドを得た。
<呈色高分子化合物に係る実施例3>
アクリルアミド部位を有するチモールブルー(7)の合成
Figure 0007187019000009
チモールブルー含有ポリアクリルアミドの合成
Figure 0007187019000010
<湿度インジケータ用インキに係る実施例4>
呈色高分子化合物に係る実施例1で合成したフェノールフタレイン含有ポリアクリルアミド0.1gと、1N水酸化ナトリウム水溶液1mlを50重量%エタノール水溶液100mlに溶解し、1N塩化カルシウム水溶液をそれぞれ0ml(実施例4-1)、1ml(実施例4-2)、2ml(実施例4-3)投入し、湿度に応じて変色ポイントを変えた湿度インジケータ用インキを3種類調整した。表1に配合量を示す。
Figure 0007187019000011
<湿度インジケータ用インキに係る実施例5>
呈色高分子化合物に係る実施例1で合成したフェノールフタレイン含有ポリアクリルアミド0.1gと、1N水酸化ナトリウム水溶液1mlと、ブリリアントブルーFCF0.05gを50重量%エタノール水溶液100mlに溶解し、1N塩化ナトリウム水溶液をそれぞれ0ml(実施例5-1)、1ml(実施例5-2)、2ml(実施例5-3)投入し、湿度に応じて変色ポイントを変えた湿度インジケータ用インキを3種類調整した。表2に配合量を示す。
Figure 0007187019000012
<湿度インジケータ用インキに係る実施例6>
呈色高分子化合物に係る実施例2で合成したチモールフタレイン含有ポリアクリルアミド0.1gと、1N炭酸カリウム水溶液1mlを50重量%エタノール水溶液100mlに溶解し、1N塩化ナトリウム水溶液をそれぞれ0ml(実施例6-1)、1ml(実施例6-2)、2ml(実施例6-3)投入し、湿度に応じて変色ポイントを変えた湿度インジケータ用インキを3種類調整した。表3に配合量を示す。
Figure 0007187019000013
<湿度インジケータ用インキに係る実施例7>
呈色高分子化合物に係る実施例2で合成したチモールフタレイン含有ポリアクリルアミド0.1gと、1N炭酸カリウム水溶液1mlと、色素(赤106号)0.05gを50重量%エタノール水溶液100mlに溶解し、1N塩化ナトリウム水溶液をそれぞれ0ml(実施例7-1)、1ml(実施例7-2)、2ml(実施例7-3)投入し、湿度に応じて変色ポイントを変えた湿度インジケータ用インキを3種類調整した。表4に配合量を示す。
Figure 0007187019000014
<湿度インジケータ用インキに係る実施例8>
呈色高分子化合物に係る実施例3で合成したチモールブルー含有ポリアクリルアミド0.1gと、1N水酸化ナトリウム水溶液1mlを50重量%エタノール水溶液100mlに溶解し、1N塩化カルシウム水溶液をそれぞれ0ml(実施例8-1)、1ml(実施例8-2)、2ml(実施例8-3)投入し、湿度に応じて変色ポイントを変えた湿度インジケータ用インキを3種類調整した。表5に配合量を示す。
Figure 0007187019000015
<湿度インジケータカードに係る実施例9>
呈色高分子化合物に係る実施例4~呈色高分子化合物に係る実施例8で調整した湿度インジケータ用インキを吸湿紙(300g/m)の指定された位置に25μL添加し、80℃で15分間乾燥し、湿度インジケータカードを得た。得られた湿度インジケータカードを、3種類の環境湿度(RH10%、RH30%、RH50%)で24時間放置後の色変化を目視で観察した。表6に実験結果を示す。
Figure 0007187019000016
<湿度インジケータシリカゲルに係る実施例10(湿度インジケータ用インキ担持シリカゲル)>
呈色高分子化合物に係る実施例1で合成したフェノールフタレイン含有ポリアクリルアミド0.1gと、1N炭酸カリウム溶液1mlと、ブリリアントブルーFCF0.05gを50重量%エタノール水溶液100mlに溶解し、湿度インジケータ用インキを調整した。その後、ホーローバットに150℃で2時間乾燥処理したA型シリカゲルビーズ10.0gを入れ、シリカゲル全体が浸る程度に、(上記で調整した)湿度インジケータ用インキを投入し、1時間放置した。その後、シリカゲルビーズを濾過し、120℃に設定した乾燥炉で24時間加熱乾燥させることにより、湿度インジケータシリカゲル(湿度インジケータ用インキを担持させたシリカゲル)を得た。得られた湿度インジケータシリカゲルを、3種類の環境湿度(RH20%、RH40%、RH60%)で24時間放置後の色変化を目視で観察した。表7に配合量、及び実験結果を示す。
Figure 0007187019000017
<耐候性試験方法>
耐候性試験方法として、ブラックライトを用いた色素化合物の退色促進試験を行うこと
により評価した。評価方法は、実施例11~13、比較例1~9で調整した評価サンプルを、
常温で10cm上部より、ブラックライトを1~5時間照射して退色状況を観察した。
<湿度インジケータ用インキの耐候試験に係る実施例11>
石英セルに表8記載の実施例11-1、11-2、11-3の様に調整した湿度インジケータ用インキと比較例1、2、3で調整した湿度インジケータ用インキを入れ密封し、室温でセルの10cm上部よりブラックライト(東芝ライティング:FL10BLB、10.0W、近紫外線:ピーク波長350nm)を用いて1~5時間照射して退色状況を目視で観察した。表8に実験結果を示す。
Figure 0007187019000018
◎:退色なし、○:わずかに退色、△:明らかに退色が確認できる、?:完全に退色
<湿度インジケータカードの耐候試験に係る実施例12>
表9記載の実施例12-1、12-2、12-3の様に調整した湿度インジケータ用インキと比較例4、5、6の様に調整した湿度インジケータ用インキを吸湿紙(300g/m)の指定された位置に25μL添加し、80℃で15分間乾燥し湿度インジケータカードを得た。得られた湿度インジケータカードを室温で、カードの10cm上部よりブラックライト(東芝ライティング:FL10BLB、10.0W、近紫外線:ピーク波長350nm)を用いて1~5時間照射して退色状況を目視で観察した。表9に実験結果を示す。
Figure 0007187019000019
◎:退色なし、○:わずかに退色、△:明らかに退色が確認できる、?:完全に退色
<湿度インジケータシリカゲルの耐候試験に係る実施例13>
表10記載の実施例13-1、13-2、13-3の様に調整した湿度インジケータ用インキと比較例7、8、9の様に調整した湿度インジケータ用インキを調整した。その後、ホーローバットに150℃で2時間乾燥処理をしたA型シリカゲルビーズ10.0gを入れ、シリカゲル全体が浸る程度に上記で調整した湿度インジケータ用インキを投入し1時間放置した。その後、シリカゲルビーズをろ過し、120℃に設定した乾燥炉で24時間加熱乾燥させることにより湿度インジケータ用インキ担持シリカゲル(湿度インジケータシリカゲル)を得た。得られた湿度インジケータシリカゲルをシャーレに入れ、室温でシャーレの10cm上部よりブラックライト(東芝ライティング:FL10BLB、10.0W、近紫外線:ピーク波長350nm)を用いて1~5時間照射して退色状況を目視で観察した。表10に実験結果を示す。
Figure 0007187019000020
◎:退色なし、○:わずかに退色、△:明らかに退色が確認できる、?:完全に退色
<湿度インジケータ用高分子材料の変更例>
本発明に係る呈色高分子化合物、湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、及び湿度インジケータシリカゲルは、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、調整に使用する化学品の成分を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
本発明に係る呈色高分子化合物、湿度インジケータ用インキ、湿度インジケータカード、及び湿度インジケータシリカゲルは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、電子部品等の湿度管理を要する製品を配送する際に、乾燥剤と一緒に梱包すれば、梱包内部の湿度状態を低コストで確認することができる湿度インジケータとして好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. アクリルアミド部位としてのN-ヒドロキシメチルアクリルアミドを備えたフェノールフタレイン、チモールフタレイン、チモールブルーのうちいずれかのトリフェニルメタン系色素と、
    水溶性ビニルモノマーであるアクリルアミドを備えることを特徴とする電子受容性呈色高分子化合物と、
    塩基性化合物とからなることを特徴とする湿度インジケータ用インキ。
  2. 請求項1に記載の湿度インジケータ用インキを担持体上に塗布することにより形成することを特徴とする湿度インジケータカード。
  3. 請求項1に記載の湿度インジケータ用インキをシリカゲルに担持させることにより形成することを特徴とする湿度インジケータシリカゲル。
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瓜生喜章,高分子マトリックス中の有機色素を分散したコバルトフリー型インジケータの開発,三重大学大学工学研究科博士論文,2017年03月24日,第1-52頁

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