JP7186794B2 - 自動運転制御装置、自動運転制御方法、および、自動運転制御システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、運転環境に対応付けて運転者の運転操作を学習しておき、自動運転制御時には、運転環境を特定し、特定した運転環境での運転操作の学習結果を参照して、自動運転制御を実行する運転制御装置が開示されている。
特許文献1に開示されているような運転制御装置では、例えば、車両制御情報を推論するために、予め、必要とされる全ての推論モデルを記憶領域にロードしておくことが想定される。しかし、この場合、記憶領域の使用量が莫大となるという問題がある。
そこで、車両制御情報を推論するため、推論の都度、用いる推論モデルを記憶領域にロードしてくるという方法が想定される。しかし、この場合、推論モデルをロードしている間、当該推論モデルを使用できず、その結果、車両制御情報の推論が行えないという課題がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る自動運転制御装置1を搭載した自動運転車両100の構成例を示す図である。
実施の形態1に係る自動運転制御装置1は、人が運転操作を行わなくても自動で走行することが可能な自動運転車両100内の一装置として、当該自動運転車両100に搭載されることを想定している。図1に示すように、自動運転車両100には、自動運転制御装置1の他、位置情報取得部2、環境情報取得部3、走行計画部4、地図情報データベース5、および、車両制御部6が搭載される。
位置情報取得部2は、取得した位置情報を、自動運転制御装置1および走行計画部4に出力する。
環境情報取得部3は、取得した、自動運転車両100周辺の環境情報を、自動運転制御装置1に出力する。
走行計画部4は、決定した、自車両が目的地へ向かうための経路を示す情報(以下「走行計画情報」という。)を、自動運転制御装置1に出力する。
実施の形態1では、図1に示すように、地図情報データベース5は、自動運転車両100に搭載されるものとするが、これは一例に過ぎず、地図情報データベース5は、自動運転車両100の外部の、少なくとも走行計画部4および自動運転制御装置1が参照可能な場所に備えられるものとしてもよい。
以下、自動運転制御装置1が位置情報取得部2から取得する位置情報と、環境情報取得部3から取得する環境情報と、走行計画部4から取得する走行計画情報と、地図情報データベース5を参照して取得する地図情報とを、まとめて、「車両関連情報」ともいうものとする。
図2は、実施の形態1に係る自動運転制御装置1の構成例を示す図である。
自動運転制御装置1は、情報取得部11と、類型予測部12と、類型判断部13と、推論モデル決定部14と、推論モデルデータベース15と、ロード指示部16と、車両制御情報推論部17を備える。推論モデル決定部14は、予測推論モデル決定部141と、現推論モデル決定部142を備える。以下の説明において、予測推論モデル決定部141と現推論モデル決定部142を、まとめて、推論モデル決定部14ともいう。
実施の形態1において、類型予測部12は、自動運転車両100の車両挙動の類型を予測する際、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる環境情報は使用しない。また、類型予測部12は、自動運転車両100の車両挙動の類型を予測する際、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる、位置情報、走行計画情報、および、地図情報の全ての情報を使用することを必須とはしない。例えば、類型予測部12は、走行計画情報および位置情報のみを使用して、自動運転車両100の車両挙動の類型を予測するようにしてもよい。実施の形態1において、車両関連情報に含まれる位置情報、環境情報、走行計画情報、および、地図情報のうち、類型予測部12が自動運転車両100の車両挙動の類型を予測する際に使用する情報を、「第1の情報」ともいうものとする。
類型予測部12は、予測結果として、5秒後に予測される、自動運転車両100の車両挙動の類型を得る。
類型予測部12は、得られた車両挙動の類型を、推論モデル決定部14に出力する。
実施の形態1において、類型判断部13は、自動運転車両100の車両挙動の類型を判断する際、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる環境情報は使用しない。また、類型判断部13は、自動運転車両100の車両挙動の類型を判断する際、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる、位置情報、走行計画情報、および、地図情報の全ての情報を使用することを必須とはしない。例えば、類型判断部13は、走行計画情報および位置情報のみを使用して、自動運転車両100の車両挙動の類型を判断するようにしてもよい。但し、類型判断部13は、車両関連情報のうち、類型予測部12が自動運転車両100の車両挙動の類型を予測する際に使用する情報と同じ第1の情報を使用して、自動運転車両100の車両挙動の類型を判断することが好ましい。
類型判断部13は、判断結果として、自動運転車両100の車両挙動の類型を得る。
類型判断部13は、得られた車両挙動の類型を、推論モデル決定部14に出力する。
ここで、推論モデルとは、自動運転車両100の自動制御を行う際の、学習結果としてのモデルである。具体的には、推論モデルは、情報取得部11が取得した車両関連情報に対して適切な車両制御情報を推論するための計算方法およびパラメータの情報のことであり、例えば、機械学習技術を用いて適切な車両制御を行えるよう学習させたニューラルネットワークのモデルである。自動運転制御装置1において、上述したような、推論モデルを用いた車両制御情報の推論は、車両制御情報推論部17が行う。車両制御情報推論部17の詳細は後述する。
推論モデル決定部14の現推論モデル決定部142は、類型判断部13が判断した車両挙動の類型に基づき、車両制御情報推論部17が現在使用すべき推論モデルを決定する。具体的には、現推論モデル決定部142は、推論モデルデータベース15を参照し、類型判断部13が判断した車両挙動の類型に対応する推論モデルを、車両制御情報推論部17が現在使用すべき推論モデルに決定する。
推論モデル決定部14は、決定した推論モデルの情報を、ロード指示部16に出力する。
実施の形態1では、図2に示すように、推論モデルデータベース15は、自動運転制御装置1に備えられるものとするが、これは一例に過ぎず、推論モデルデータベース15は、自動運転制御装置1の外部の、自動運転制御装置1が参照可能な場所に備えられるようにしてもよい。
推論モデル決定部14が決定した推論モデルが記憶領域にロードされていないと判断した場合、ロード指示部16は、推論モデル決定部14が決定した推論モデルを、記憶領域にロードさせる指示を行う。具体的には、ロード指示部16は、車両制御情報推論部17に対して、推論モデルのロード指示を出力し、車両制御情報推論部17は、ロード指示部16から指示された推論モデルを、推論モデルデータベース15から記憶領域にロードする。
記憶領域は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。実施の形態1では、記憶領域は、2つの推論モデルをロード可能な容量を有する領域である。実施の形態1では、ロード指示部16は、記憶領域に、2つの推論モデルをロードさせた状態とすることが可能である。なお、記憶領域は、少なくとも2つの推論モデルを別々にロード可能な容量を有していればよい。すなわち、記憶領域は、3つ以上の推論モデルをロード可能な容量を有する領域としてもよい。しかし、例えば、記憶領域を、車両制御情報の推論に必要な推論モデルの全てをロード可能な容量を有する領域とする場合、記憶容量の使用量が莫大となる。従って、記憶領域は、3つ以上の推論モデルをロード可能な容量を有する領域であっても、車両制御情報の推論に必要な全ての推論モデルをロード可能な容量を有する領域ではなく、車両制御情報の推論に必要な全ての推論モデルのうちの一部の推論モデルのみをロード可能な容量を有する領域であることを前提とする。
また、車両制御情報推論部17は、情報取得部11から出力された車両関連情報に基づき、ロード指示部16の指示によって記憶領域にロード済みの推論モデルのうち、現推論モデル決定部142が決定した推論モデルを用いて、自動運転車両100を自動運転させるための車両制御情報を推論する。車両制御情報推論部17が車両制御情報を推論する際に用いる、現推論モデル決定部142が決定した推論モデルは、ロード指示部16によって指示されるようにすればよい。これに限らず、車両制御情報推論部17が、直接、現推論モデル決定部142から、当該現推論モデル決定部142が決定した推論モデルの情報を取得するようにしてもよい。
車両制御情報推論部17は、車両制御情報を推論する際、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる位置情報、環境情報、走行計画情報、および、地図情報の全ての情報を使用することを必須とはしない。実施の形態1において、車両関連情報に含まれる位置情報、環境情報、走行計画情報、および、地図情報のうち、車両制御情報推論部17が、車両制御情報を推論する際に使用する情報を、「第2の情報」ともいうものとする。
車両制御情報推論部17は、推論した車両制御情報を、車両制御部6に出力する。
自動運転制御装置1は、「予測処理」と「推論処理」を行う。「予測処理」では、自動運転制御装置1は、「推論処理」において5秒後に使用する推論モデルを予測する動作を行う。「推論処理」では、自動運転制御装置1は、推論モデルを用いて車両制御情報を推論する動作を行う。
自動運転制御装置1において、「予測処理」と「推論処理」とは並行して行われる。
図3は、実施の形態1に係る自動運転制御装置1における「予測処理」の動作を説明するためのフローチャートである。
情報取得部11は、車両関連情報を取得する(ステップST301)。
情報取得部11は、取得した車両関連情報を、類型予測部12に出力する。
類型予測部12は、得られた車両挙動の類型を、予測推論モデル決定部141に出力する。
予測推論モデル決定部141は、決定した推論モデルの情報を、ロード指示部16に出力する。
ステップST304において、ロード指示部16が、予測推論モデル決定部141が決定した推論モデルは既に記憶領域にロードされていると判断した場合(ステップST304の“YES”の場合)、ステップST301に戻る。
ステップST304において、ロード指示部16が、予測推論モデル決定部141が決定した推論モデルは記憶領域にロードされていないと判断した場合(ステップST304の“NO”の場合)、ロード指示部16は、ステップST303にて予測推論モデル決定部141が決定した推論モデルを、記憶領域にロードさせる指示を行う。そして、車両制御情報推論部17は、ロード指示部16から指示された推論モデルを、推論モデルデータベース15から記憶領域にロードする(ステップST305)。その後、ステップST301に戻り、以降の処理を繰り返す。
図4は、実施の形態1に係る自動運転制御装置1における「推論処理」の動作を説明するためのフローチャートである。
情報取得部11は、車両関連情報を取得する(ステップST401)。
情報取得部11は、取得した車両関連情報を、類型判断部13、および、車両制御情報推論部17に出力する。
類型判断部13は、得られた車両挙動の類型を、現推論モデル決定部142に出力する。
現推論モデル決定部142は、決定した推論モデルの情報を、ロード指示部16に出力する。
ステップST404において、ロード指示部16が、現推論モデル決定部142が決定した推論モデルは既に記憶領域にロードされていると判断した場合(ステップST404の“YES”の場合)、ステップST406に進む。
車両制御情報推論部17は、推論した車両制御情報を、車両制御部6に出力する。そして、ステップST401に戻り、以降の処理を繰り返す。
図5は、実施の形態1において、自動運転制御装置1の動作の具体例を説明するための図である。以下の説明では、一例として、自動運転制御装置1は、自動運転車両100が図5に示すような地図上の道路を地点Xから地点Yまで向かう自動運転の制御を行うものとする。自動運転車両100は、地点Xから地点Yまでは、交差点Zを一度左折すると到達できる。
図5において、自動運転車両100は三角形で表わされており、自動運転車両100は、経路上の複数の地点を、時刻t_0~t_5に通過するものとする。時刻t_0は、自動運転車両100が走行を開始する地点にあるときの時刻であり、時刻t_1は、自動運転車両100が交差点Zに差し掛かる5秒前の地点にあるときの時刻であり、時刻t_2は、自動運転車両100が交差点Zにて左折を開始する地点にあるときの時刻であるとする。また、時刻t_3は、自動運転車両100が交差点Zにて左折を完了した後、再び直進を開始する地点にあるときの時刻であり、時刻t_4は、自動運転車両100が地点Yにて停止するために減速を開始する地点であり、かつ、自動運転車両100が地点Yにて停止する5秒前の地点にあるときの時刻であるとする。また、時刻t_5は、自動運転車両100が地点Yに到着し停止する時刻であるとする。
また、時刻t_0から時刻t_5までの間、自動運転車両100の位置情報取得部2および環境情報取得部3は、それぞれ、位置情報および環境情報を常時取得し、取得した位置情報および環境情報を、自動運転制御装置1に出力する。
自動運転制御装置1は、車両関連情報を取得する都度、車両制御情報の推定を行い、車両制御部6に出力する。車両制御部6は、自動運転制御装置1から車両制御情報が出力される都度、出力された車両制御情報に基づき、自動運転車両100の運転を制御する。
また、以下の説明では、一例として、第1の情報は、位置情報および走行計画情報であり、第2の情報は、位置情報、環境情報、走行計画情報、および、地図情報であるとする。
時刻t_0において、自動運転車両100が走行を開始すると、情報取得部11は、車両関連情報を取得する(図3のステップST301、および、図4のステップST401参照)。
今、時刻t_0では、自動運転車両100は、地点Xにあり、交差点Zに向かって直進すべきである。従って、類型判断部13は、現在の自動運転車両100は、「道路を直進する」という類型の車両挙動を取るべきと判断し、現推論モデル決定部142は、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルを決定する。しかし、このとき、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルは、まだ記憶領域にロードされていない(図4のステップST404の“NO”の場合参照)。そこで、ロード指示部16が、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルを記憶領域にロードさせる指示を行い、車両制御情報推論部17が、推論モデルデータベース15から記憶領域へ、当該推論モデルをロードする(図4のステップST405参照)。
時刻t_0では、自動運転車両100は、5秒後も交差点Zに向かって道路を直進するはずである。従って、類型予測部12は、5秒後の自動運転車両100は、「道路を直進する」という類型の車両挙動を取ることを予測し、予測推論モデル決定部141は、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルを決定する。ここで、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルは、上述のとおり、既に記憶領域にロードされている(図3のステップST304の“YES”の場合参照)ため、ロード指示部16は、推論モデルをロードさせる指示は行わない。
そして、再び、情報取得部11が、車両関連情報を取得し、時刻t_1まで、上述の動作と同様の動作を繰り返す。
図6に示すように、時刻t_0の時点では、記憶領域には、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルのみがロードされた状態となる。
時刻t_1となっても、自動運転車両100はまだ直進すべきであり、「推論処理」の動作は、時刻t_0の場合と同様である。よって、時刻t_1における「推論処理」の具体的な動作については、重複した説明を省略する。
一方、「予測処理」では、類型予測部12は、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる第1の情報に基づき、5秒後の、自動運転車両100の車両挙動の類型を予測する(図3のステップST302参照)。ここで、走行計画情報によれば、時刻t_1の5秒後には、自動運転車両100は、交差点Zを左折することになる。そこで、類型予測部12は、5秒後の自動運転車両100は、「交差点を左折する」という類型の車両挙動を取ることを予測し、予測推論モデル決定部141は、「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルを決定する。このとき、「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルは、まだ記憶領域にロードされていない(図3のステップST304の“NO”の場合参照)。「推論処理」においても、まだ、「交差点を左折する」という類型の車両挙動を取ることは判断されていない。
そこで、ロード指示部16は、「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルを記憶領域にロードさせる指示を行い、車両制御情報推論部17が、推論モデルデータベース15から記憶領域へ、当該推論モデルをロードする(図3のステップST305参照)。
図7に示すように、時刻t_1の時点では、記憶領域には、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルと、「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルがロードされた状態となる。
時刻t_2になり、「推論処理」において、類型判断部13は、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる第1の情報に基づき、現在の自動運転車両100の車両挙動の類型を判断する(図4のステップST402参照)。時刻t_2では、自動運転車両100は、交差点Zを左折すべきである。従って、類型判断部13は、現在の自動運転車両100は、「交差点を左折する」という類型の車両挙動を取るべきと判断し、現推論モデル決定部142は、「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルを決定する(図4のステップST403参照)。
今、「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルは、既に記憶領域にロードされている(図4のステップST404の“YES”の場合参照)。そこで、車両制御情報推論部17は、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる第2の情報に基づき、記憶領域にロード済みの、「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルを用いて、自動運転車両100を左折させるための車両制御情報を推論する(図4のステップST406参照)。
「推論処理」において、上述のように、車両制御情報の推論に使用する推論モデルが切り替わった場合、車両制御情報推論部17は、それまで(時刻t_2まで)に使用していた、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルは記憶領域から消去してもよい。なお、これは一例に過ぎず、車両制御情報推論部17は、時刻t_2までに使用していた、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルを記憶領域に残しておくようにしてもよい。
車両制御情報推論部17は、推論した、自動運転車両100に左折させるための車両制御情報を、車両制御部6に出力する。自動運転車両100は、車両制御部6の制御により交差点Zを左折する。
ロード指示部16は、既に記憶領域に「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルがロードされていれば(図3のステップST304の“YES”の場合参照)、推論モデルをロードさせる指示は行わず、記憶領域に「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルがロードされていなければ(図3のステップST304の“NO”の場合参照)、当該推論モデルをロードさせる指示を行う。そして、ロード指示部16からの指示を受けて、車両制御情報推論部17が、推論モデルデータベース15から記憶領域へ、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルをロードする。
時刻t_1の後、時刻t_2までの間に、「予測処理」において「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルはロードされているはずである。しかし、例えば、時刻t_2の「予測処理」においてロード指示部16が「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルが記憶領域にロードされているか否かの判断を行うよりも前に、時刻t_2の「推論処理」において、車両制御情報の推論に用いる推論モデルが「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルに切り替わったことにより、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルが記憶領域から消去されていることもあり得る。この場合、ロード指示部16は、時刻t_2の「予測処理」で、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルをロードさせる指示を行うことになる。
時刻t_2の時点での、記憶領域の状態のイメージは、図7で示したイメージと同様である。
よって、例えば、「予測処理」と「推論処理」の処理の順が逆であって、「予測処理」において記憶領域に「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルをロードさせた後、「推論処理」が行われた場合、時刻t_2の時点で、記憶領域には、「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルのみがロードされた状態となり得る(図8参照)。
時刻t_3になると、自動運転車両100は、交差点Zの左折を完了し、地点Yに向けて直進すべきである。そこで、「推論処理」において、類型判断部13は、現在の自動運転車両100は、「道路を直進する」という類型の車両挙動を取るべきと判断し(図4のステップST402参照)、現推論モデル決定部142は、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルを決定する(図4のステップST403参照)。
今、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルは、時刻t_3の5秒前の「予測処理」において、既に記憶領域にロードされているはずである。しかし、時刻t_3までに「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルが記憶領域から消去されていれば、ロード指示部16からの指示に基づき、推論モデルデータベース15から記憶領域へ、車両制御情報推論部17が再び当該推論モデルをロードする。
そして、車両制御情報推論部17は、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる第2の情報に基づき、記憶領域にロード済みの、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルを用いて、自動運転車両100を直進させるための車両制御情報を推論する(図4のステップST406参照)。
上述のとおり、このとき、車両制御情報推論部17は、時刻t_3までに使用した、「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルを記憶領域から消去するものとしてもよいし、残しておくようにしてもよい。ここでは、車両制御情報推論部17は、「交差点を左折する」という類型に対応する推論モデルを記憶領域から消去するものとする。
車両制御情報推論部17は、推論した、自動運転車両100を直進させるための車両制御情報を、車両制御部6に出力する。自動運転車両100は、車両制御部6の制御により直進する。
なお、当該「予測処理」を行った時点で、記憶領域に「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルが消去されていれば、ロード指示部16は、当該推論モデルを記憶領域にロードさせる指示を行う。
時刻t_3の時点での、記憶領域の状態のイメージは、図6で示したイメージと同様である。
時刻t_4になると、自動運転車両100は、地点Yにて停止するために減速を開始するべきである。そこで、「推論処理」において、類型判断部13は、現在の自動運転車両100は、「減速する」という類型の車両挙動を取るべきと判断し(図4のステップST402参照)、現推論モデル決定部142は、「減速する」に対応する推論モデルを決定する(図4のステップST403参照)。
今、「減速する」という類型に対応する推論モデルは、時刻t_4の5秒前の「予測処理」において、既に記憶領域にロードされているはずである。
そこで、車両制御情報推論部17は、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる第2の情報に基づき、記憶領域にロード済みの、「減速する」という類型に対応する推論モデルを用いて、自動運転車両100を減速させるための車両制御情報を推論する(図4のステップST406参照)。
このとき、車両制御情報推論部17は、時刻t_4までに使用した、「道路を直進する」に対応する推論モデルを記憶領域から消去するものとしてもよいし、残しておくようにしてもよい。ここでは、車両制御情報推論部17は、「道路を直進する」という類型に対応する推論モデルを記憶領域から消去するものとする。
車両制御情報推論部17は、推論した、自動運転車両100を減速させるための車両制御情報を、車両制御部6に出力する。自動運転車両100は、車両制御部6の制御により減速する。
図9に示すように、時刻t_4の時点では、記憶領域には、「減速する」に対応する推論モデルと、「停止する」に対応する推論モデルがロードされた状態となる。
時刻t_5になると、「推論処理」において、類型判断部13が、現在の自動運転車両100は、「停止する」という類型の車両挙動を取るべきと判断し(図4のステップST402参照)、現推論モデル決定部142は、「停止する」という類型に対応する推論モデルを決定する(図4のステップST403参照)。
車両制御情報推論部17は、情報取得部11から出力された車両関連情報に含まれる第2の情報に基づき、記憶領域にロード済みの、「停止する」という類型に対応する推論モデルを用いて、自動運転車両100を停止させるための車両制御情報を推論する(図4のステップST406参照)。
車両制御情報推論部17は、推論した、自動運転車両100を停止させるための車両制御情報を、車両制御部6に出力する。自動運転車両100は、車両制御部6の制御により停止する。
実施の形態1において、情報取得部11と、類型予測部12と、類型判断部13と、推論モデル決定部14と、ロード指示部16と、車両制御情報推論部17の機能は、処理回路1001により実現される。すなわち、自動運転制御装置1は、自動運転車両100を制御するための車両情報制御情報の推論を行うための処理回路1001を備える。
処理回路1001は、図10Aに示すように専用のハードウェアであっても、図10Bに示すようにメモリ1007に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1006であってもよい。
また、推論モデルデータベース15は、メモリ1007を使用する。なお、これは一例であって、推論モデルデータベース15は、HDD1002、SSD(Solid State Drive)、または、DVD等によって構成されるものであってもよい。
車両制御情報推論部17が有する記憶領域は、例えば、RAM1003で構成される。
また、自動運転制御装置1は、位置情報取得部2、環境情報取得部3、または、走行計画部4等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1004および出力インタフェース装置1005を備える。
また、例えば、類型判断部13は、車両関連情報に含まれている環境情報に基づき、「夜間である」という周辺環境の類型を判断するようにしてもよい。この場合、現推論モデル決定部142は、「夜間である」という類型に対応する推論モデルを決定する。
実施の形態2では、自動運転制御装置1が、自動運転車両100の将来的な車両挙動の類型を予測して推論モデルを記憶領域にロードしておき、自動運転車両を実際に制御する際には、ロード済みの推論モデルを用いて車両制御情報を推論する、その他の実施の形態について説明する。
実施の形態2では、自動運転制御装置1は、将来的な、自動運転車両100周辺の状況に起因する車両挙動の類型を予測する。
なお、以下の実施の形態2では、一例として、自動運転車両100周辺の状況を、当該自動運転車両100の周辺の危険度が高い状況とし、自動運転制御装置1は、自動運転車両100周辺の危険度が高い状況ある場合に、当該周辺の状況に起因する車両挙動の類型を予測するものとする。
飛び出し危険度は、例えば、地図上の各道路について、人等が急に車道に飛び出してくる危険度を表す数値である。地図情報において、飛び出し危険度情報は、各道路の情報に付与されている。例えば、住宅街の道路は、子供等が飛び出してくる可能性が高いため、当該住宅街の道路の情報には、大きい値の飛び出し危険度情報が付与されている。また、例えば、高速道路の自動車専用道路では歩行者がいないため、当該自動車専用道路の情報には、小さい値の飛び出し危険度情報が付与されている。なお、ここでは、一例として、飛び出し危険度の数値が大きいほど、人等が急に車道に飛び出してくる危険度が高いものとしている。
また、実施の形態2に係る自動運転制御装置1のハードウェア構成は、実施の形態1において図10Aおよび図10Bを用いて説明した構成例と同様であるため、重複した説明を省略する。
実施の形態2においても、自動運転制御装置1は、「予測処理」と「推論処理」を行う。自動運転制御装置1において、「予測処理」と「推論処理」とは並行して行われる。
まず、実施の形態2に係る自動運転制御装置1における「予測処理」の具体的な動作について説明する。当該「予測処理」は、情報取得部11、類型予測部12、予測推論モデル決定部141、ロード指示部16、および、車両制御情報推論部17によって行われる。
情報取得部11は、車両関連情報を取得する(ステップST1101)。
情報取得部11は、取得した車両関連情報を、類型予測部12に出力する。
なお、ここでは、類型予測部12は、第1の情報に基づき、現在位置が、人等が急に車道に飛び出してくる危険度が高い状況か否かを予測するものとするが、これは一例に過ぎない。例えば、類型予測部12は、第1の情報に基づき、5秒後に自動運転車両100が存在する位置が、人等が急に車道に飛び出してくる危険度が高い状況か否かを予測するようにしてもよい。類型予測部12は、将来的に、自動運転車両100周辺が危険度の高い状況になるか否かを予測するようになっていればよい。
予測推論モデル決定部141は、決定した推論モデルの情報を、ロード指示部16に出力する。
ステップST1104において、ロード指示部16が、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルは既に記憶領域にロードされていると判断した場合(ステップST1104の“YES”の場合)、ステップST1101に戻り、以降の処理を繰り返す。
図12は、実施の形態2に係る自動運転制御装置1における「推論処理」の動作を説明するためのフローチャートである。
情報取得部11は、車両関連情報を取得する(ステップST1201)。
情報取得部11は、取得した車両関連情報を、類型判断部13、および、車両制御情報推論部17に出力する。
具体的には、まず、類型判断部13は、第2の情報に基づき、現在、人等が急に車道に飛び出して来て危険度が高い状況か否かを判断する。類型判断部13は、例えば、環境情報から、人等の飛び出しを検知した場合、類型判断部13は、現在、自動運転車両100周辺が危険度の高い状況であると判断する。
そして、類型判断部13は、自動運転車両100周辺が危険度の高い状況であると判断すると、当該危険度の高い状況に起因する車両挙動の類型を判断する(ステップST1202の“YES”の場合)。具体的には、類型判断部13は、人等が急に車道に飛び出して来て危険度が高い状況に起因する車両挙動の類型として、「緊急停止する」という類型を判断する。類型判断部13は、判断して得た、「緊急停止する」という類型の情報を、現推論モデル決定部142に出力し、ステップST1203に進む。
ステップST1207では、車両制御情報推論部17が、別途ロード済みの何らかの推論モデルを用いて車両制御情報を推論する。具体的には、例えば、実施の形態1において、図4のステップST402~ステップST406で説明したような動作を行い、類型判断部13が、現在の車両挙動の類型を判断し、現推論モデル決定部142が、当該類型に対応する推論モデルを決定する。そして、車両制御情報推論部17は、ロード指示部16の指示によって記憶領域にロード済みの推論モデルのうち、現推論モデル決定部142が決定した推論モデルを用いて、車両制御情報を推論する。例えば、走行計画を用いて、車両挙動の類型を事前に予測することができれば、車両制御情報推論部17が当該車両挙動の類型を事前に記憶領域にロードしておき、ロード済みの推論モデルを用いて、車両制御情報を推論する。
ステップST1203において、現推論モデル決定部142は、ステップST1202にて類型判断部13が判断した車両挙動の類型に基づき、車両制御情報推論部17が使用すべき推論モデルを決定する(ステップST1203)。当該ステップST1203において、現推論モデル決定部142は、自動運転車両100が現在取るべき車両挙動の類型に対応した推論モデルを決定する。ここでは、現推論モデル決定部142は、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルを決定する。
現推論モデル決定部142は、決定した推論モデルの情報を、ロード指示部16に出力する。
ロード指示部16は、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルが、既に記憶領域にロードされているか否かを判断する(ステップST1204)。
ステップST1204において、ロード指示部16が、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルは既に記憶領域にロードされていると判断した場合(ステップST1204の“YES”の場合)、ステップST1206に進む。
車両制御情報推論部17は、推論した車両制御情報を、車両制御部6に出力する。そして、ステップST1201に戻り、以降の処理を繰り返す。
自動運転車両100が走行を開始し、情報取得部11は、車両関連情報を取得する(図11のステップST1101、および、図12のステップST1201参照)。
「予測処理」において、類型予測部12は、車両関連情報に含まれる第1の情報に基づき、現在位置は、人等が急に車道に飛び出してくる危険度が高い状況か否かを予測し、人等が急に車道に飛び出してくる危険度が高い状況であれば、「緊急停止する」という車両挙動の類型を予測する(図11のステップST1102参照)。
時刻t_0~t_2の間(地点Xから交差点Zまでの区間)は、飛び出し危険度が低い区間であるため、類型予測部12は、人等が急に車道に飛び出してくる危険度は高くないと予測する(図11のステップST1102の“NO”の場合参照)。その結果、類型予測部12による、人等が急に車道に飛び出してくる危険度が高いか否かの予測以降の処理は行われない。
そして、車両制御情報推論部17は、別途ロード済みの何らかの推論モデルを用いて車両制御情報を推論する。
車両制御情報推論部17は、推論した車両制御情報を、車両制御部6に出力する。自動運転車両100は、車両制御部6の制御により動作する。
図13に示すように、時刻t_0~t_2の間は、記憶領域には、推論モデルWがロードされ、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルはロードされていない状態となる。
情報取得部11は、車両関連情報を取得する(図11のステップST1101、および、図12のステップST1201参照)。
「予測処理」において、類型予測部12は、車両関連情報に含まれる第1の情報に基づき、現在位置は、人等が急に車道に飛び出してくる危険度が高いか状況否かを予測し、人等が急に車道に飛び出してくる危険度が高い状況であれば、「緊急停止する」という車両挙動の類型を予測する(図11のステップST1102参照)。
時刻t_3~t_5の間(交差点Zから地点Yまでの区間)は、飛び出し危険度が高い区間であるため、類型予測部12は、人等が急に車道に飛び出してくる危険度は高い状況であると予測し、「緊急停止する」という車両挙動の類型を予測する(図11のステップST1102の“YES”の場合参照)。
そして、予測推論モデル決定部141は、記憶領域に、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルを決定し(図11のステップST1103参照)、ロード指示部16は、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルが、既に記憶領域にロードされているか否かを判断する(図11のステップST1104参照)。
記憶領域には、まだ、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルはロードされていないので(図11のステップST1104の“NO”の場合参照)、ロード指示部16は、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルを、記憶領域にロードさせる指示を行う。車両制御情報推論部17は、ロード指示部16から指示された、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルを、推論モデルデータベース15から記憶領域にロードする(図11のステップST1105参照)。
現推論モデル決定部142は、記憶領域に、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルをロードすべきと決定し(図12のステップST1203参照)、ロード指示部16は、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルが、既に記憶領域にロードされているか否かを判断する(ステップST1204参照)。
既に、「予測処理」にて「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルは記憶領域にロードされているので(図12のステップST1204の“YES”の場合参照)、車両制御情報推論部17は、車両関連情報に含まれる第2の情報に基づき、記憶領域にロード済みの、現推論モデル決定部142が決定した、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルを用いて、自動運転車両100を緊急停止させるための車両制御情報を推論する(図12のステップST1206参照)。
車両制御情報推論部17は、推論した車両制御情報を、車両制御部6に出力する。自動運転車両100は、車両制御部6の制御により緊急停止する。
図14に示すように、時刻t_3~t_5の間は、記憶領域は、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルがロードされた状態が保たれる。
なお、図14では、記憶領域Bは空きとしているが、「推論処理」において、人等の飛び出しがなかった場合(図12のステップST1202の“NO”の場合参照)は、別途何らかの推論モデルがロードされていることもあり得る(図12のステップST1207参照)。
自動運転制御装置1において、以上の実施の形態2で説明したような構成を採用しておらず、自動運転車両100周辺が危険度の高い状況となり得る区間においても「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルを事前にはロードしない場合、人等の飛び出しが発生しても、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルは記憶領域にロードされていない。従って、自動運転制御装置1は、「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルの、記憶領域へのロードの完了を待ってから、自動運転車両100を緊急停止させるための車両制御情報を推論することになる。「緊急停止する」という類型に対応する推論モデルをロードしている間は、自動運転車両100に対して緊急停止させる制御を行うことができないため、自動運転車両100が、飛び出してきた人等と接触する可能性が高くなる。
実施の形態1では、自動運転制御装置1は、推論した車両制御情報を、車両制御部6に出力するようにしていた。
実施の形態3では、自動運転制御装置1が、さらに、運転者等の自動運転車両100の搭乗者(以下単に「搭乗者」という。)に対して、車両制御情報を推論する際に使用した推論モデルに関する情報等を通知する実施の形態について説明する。
図15において、図2を用いて説明した、実施の形態1に係る自動運転制御装置1と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
自動運転制御装置1aは、実施の形態1に係る自動運転制御装置1とは、通知制御部18を備える点が異なる。
通知制御部18は、第1の通知情報を、自動運転車両100が搭載している音声出力装置(図示省略)に出力してもよい。例えば、上述した例でいうと、通知制御部18は、第1の通知情報として、「直進モードです」、または、「左折モードです」等の音声を、音声出力装置から出力させる。
なお、上述した第1の通知情報の内容は一例に過ぎず、第1の通知情報の内容は、出力された第1の通知情報を認識した搭乗者が、自動運転車両100がどのような推論モデルに基づいて制御されているのかを把握できるようになっていればよい。
また、例えば、通知制御部18が、予め記憶されている変換情報に基づいて、第1の通知情報を生成するようにしてもよい。変換情報は、例えば、推論モデルのIDと第1の通知情報とが紐付けられた情報である。例えば、車両制御情報推論部17が、推論モデルデータベース15から記憶領域に推論モデルをロードする際、推論モデルのIDもあわせてロードするようにし、ロードしたIDを通知制御部18に通知する。なお、推論モデルデータベース15では、推論モデルにIDが付与されているものとする。通知制御部18は、車両制御情報推論部17から通知されたIDに基づき、変換情報を参照して、第1の通知情報を生成し、生成した第1の通知情報を出力する。
具体例を挙げると、例えば、実施の形態1において図5を用いて説明した例のように、自動運転車両100が、地点Xから地点Yまで走行するとする。この場合、地点Xから交差点Zまでは、通知制御部18が第1の通知情報を出力させることで、搭乗者は、自動運転車両100に対して道路を直進する制御が行われていることを把握することができる。また、搭乗者は、交差点Zでは、自動運転車両100に対して交差点を左折する制御が行われ、交差点Zから地点Yまでは、自動運転車両100に対して道路を直進する制御が行われていることを把握することができる。
上述の例では、通知制御部18は、車両関連情報に含まれている環境情報に基づき、第2の通知情報を出力するものとしたが、これは一例に過ぎない。通知制御部18は、車両関連情報に含まれている走行計画情報または地図情報等から第2の通知情報を出力してもよい。
具体例を挙げると、例えば、通知制御部18が、「周辺に歩行者が2人います」との第2の通知情報を出力させることで、搭乗者は、自動運転車両100が、回避すべき歩行者を認識していることを把握することができる。
通知制御部18は、情報取得部11、類型予測部12、類型判断部13、推論モデル決定部14、ロード指示部16、および、車両制御情報推論部17と同様のハードウェア構成を有する。
実施の形態3に係る自動運転制御装置1aにおいても、「予測処理」と「推論処理」が並行して行われる。
自動運転制御装置1aにおける「予測処理」の動作は、実施の形態1において図3を用いて説明した動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
その他の動作については、実施の形態1において図4を用いて説明した動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
これに限らず、情報取得部11、類型予測部12、類型判断部13、推論モデル決定部14、推論モデルデータベース15、ロード指示部16、車両制御情報推論部17、または、通知制御部18のうち、一部を自動運転車両100に搭載される車載装置に備えられるものとし、その他を当該車載装置とネットワークを介して接続されるサーバに備えられるものとして、車載装置とサーバとで自動運転制御システムを構成するようにしてもよい。
図16に一例として示すような自動運転制御システムでは、実施の形態1,2で説明した自動運転制御装置1が備える情報取得部11の機能は、車載装置200およびサーバ300の両方に備えられる。図16では、車載装置200が備える情報取得部を第1の情報取得部11a、サーバ300が備える情報取得部を第2の情報取得部11bとしている。
図16に示すような自動運転制御システムでは、第2の情報取得部11bは、位置情報取得部2、環境情報取得部3、走行計画部4、および、地図情報データベース5から、ネットワークを介して、車両関連情報を取得する。
Claims (9)
- 車両に関する車両関連情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した車両関連情報に含まれる第1の情報に基づき、将来的な、前記車両の車両挙動または前記車両の周辺環境の類型、を予測する類型予測部と、
前記類型予測部が予測した類型に基づき、全ての推論モデルのうちの一部にあたる少なくとも2つの前記推論モデルのみをロード可能な容量を有する記憶領域にロードすべき前記推論モデルを決定する予測推論モデル決定部と、
前記予測推論モデル決定部が決定した前記推論モデルを前記記憶領域にロードさせる指示を行うロード指示部と、
前記第1の情報に基づき、現在の、前記車両の車両挙動または前記車両の周辺環境の類型を判断する類型判断部と、
前記類型判断部が判断した類型に対応する前記推論モデルを決定する現推論モデル決定部と、
前記情報取得部が取得した車両関連情報に含まれる第2の情報に基づき、前記現推論モデル決定部が前記推論モデルを決定するよりも前に前記類型予測部が前記第1の情報に基づき予測した類型に基づき前記予測推論モデル決定部が決定した前記推論モデルであって、かつ前記ロード指示部の指示によって前記記憶領域にロード済みの前記推論モデルのうち、前記類型判断部が前記第1の情報に基づき判断した類型に基づき前記現推論モデル決定部が決定した前記推論モデルを用いて、前記車両を自動運転させるための車両制御情報を推論し、前記車両制御情報の推論に使用する前記推論モデルが、前記現推論モデル決定部が決定した前記推論モデルに切り替わると、それまで前記車両制御情報の推論に用いていた使用済みの前記推論モデルを前記記憶領域から消去する車両制御情報推論部
とを備えた自動運転制御装置。 - 前記ロード指示部は、2つの前記推論モデルをロード可能な容量を有する前記記憶領域に、前記予測推論モデル決定部が決定した異なる2つの前記推論モデルを別々にロードさせる指示を行う
ことを特徴とする請求項1記載の自動運転制御装置。 - 前記第1の情報は前記車両の走行計画に関する情報を含み、
前記類型予測部は、前記車両の前記走行計画に関する情報に基づき、将来的な、前記車両の車両挙動または前記車両の周辺環境の類型を予測する
ことを特徴とする請求項1記載の自動運転制御装置。 - 前記第1の情報は、地図上の各道路について、車道へ物体が飛び出してくる可能性を表す数値である飛び出し危険度に関する情報であり、
前記類型予測部は、前記飛び出し危険度に関する情報に基づき、将来的な、前記車両の車両挙動または前記車両の周辺環境の類型を予測する
ことを特徴とする請求項1記載の自動運転制御装置。 - 前記ロード指示部は、
前記記憶領域に、他車両との衝突を回避する車両挙動の類型に対応する前記推論モデル、または、前記衝突が生じる前に緊急停止する車両挙動の類型に対応する前記推論モデルを、常時ロードさせておく指示を行う
ことを特徴とする請求項1記載の自動運転制御装置。 - 前記車両制御情報推論部が前記車両制御情報を推論するために用いた前記推論モデルに関する第1の通知情報を、前記車両の搭乗者が認識可能な情報として、前記車両に搭載されている出力装置に出力する通知制御部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の自動運転制御装置。 - 前記情報取得部が取得した車両関連情報に基づく第2の通知情報を、前記車両の搭乗者が認識可能な情報として、前記車両に搭載されている出力装置に出力する通知制御部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の自動運転制御装置。 - 情報取得部が、車両に関する車両関連情報を取得するステップと、
類型予測部が、前記情報取得部が取得した車両関連情報に含まれる第1の情報に基づき、将来的な、前記車両の車両挙動または前記車両の周辺環境の類型、を予測するステップと、
予測推論モデル決定部が、前記類型予測部が予測した類型に基づき、全ての推論モデルのうちの一部にあたる少なくとも2つの前記推論モデルのみをロード可能な容量を有する記憶領域にロードすべき前記推論モデルを決定するステップと、
ロード指示部が、前記予測推論モデル決定部が決定した前記推論モデルを前記記憶領域にロードさせる指示を行うステップと、
類型判断部が、前記第1の情報に基づき、現在の、前記車両の車両挙動または前記車両の周辺環境の類型を判断するステップと、
現推論モデル決定部が、前記類型判断部が判断した類型に対応する前記推論モデルを決定するステップと、
車両制御情報推論部が、前記情報取得部が取得した車両関連情報に含まれる第2の情報に基づき、前記現推論モデル決定部が前記推論モデルを決定するよりも前に前記類型予測部が前記第1の情報に基づき予測した類型に基づき前記予測推論モデル決定部が決定した前記推論モデルであって、かつ前記ロード指示部の指示によって前記記憶領域にロード済みの前記推論モデルのうち、前記類型判断部が前記第1の情報に基づき判断した類型に基づき前記現推論モデル決定部が決定した前記推論モデルを用いて、前記車両を自動運転させるための車両制御情報を推論し、前記車両制御情報の推論に使用する前記推論モデルが、前記現推論モデル決定部が決定した前記推論モデルに切り替わると、それまで前記車両制御情報の推論に用いていた使用済みの前記推論モデルを前記記憶領域から消去するステップ
とを備えた自動運転制御方法。 - 車両に関する車両関連情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した車両関連情報に含まれる第1の情報に基づき、将来的な、前記車両の車両挙動または前記車両の周辺環境の類型、を予測する類型予測部と、
前記類型予測部が予測した類型に基づき、全ての推論モデルのうちの一部にあたる少なくとも2つの前記推論モデルのみをロード可能な容量を有する記憶領域にロードすべき前記推論モデルを決定する予測推論モデル決定部と、
前記予測推論モデル決定部が決定した前記推論モデルを前記記憶領域にロードさせる指示を行うロード指示部と、
前記第1の情報に基づき、現在の、前記車両の車両挙動または前記車両の周辺環境の類型を判断する類型判断部と、
前記類型判断部が判断した類型に対応する前記推論モデルを決定する現推論モデル決定部と、
前記情報取得部が取得した車両関連情報に含まれる第2の情報に基づき、前記現推論モデル決定部が前記推論モデルを決定するよりも前に前記類型予測部が前記第1の情報に基づき予測した類型に基づき前記予測推論モデル決定部が決定した前記推論モデルであって、かつ前記ロード指示部の指示によって前記記憶領域にロード済みの前記推論モデルのうち、前記類型判断部が前記第1の情報に基づき判断した類型に基づき前記現推論モデル決定部が決定した前記推論モデルを用いて、前記車両を自動運転させるための車両制御情報を推論し、前記車両制御情報の推論に使用する前記推論モデルが、前記現推論モデル決定部が決定した前記推論モデルに切り替わると、それまで前記車両制御情報の推論に用いていた使用済みの前記推論モデルを前記記憶領域から消去する車両制御情報推論部
とを備えた自動運転制御システム。
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